JP2004310213A - 印刷管理システムおよびこれに用いられるプログラム並びに印刷管理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】一回の印刷要請で同一の画像の印刷が要請されたや過去に印刷された画像と同一の画像の印刷が要請ときにも印刷物の品質を均一にする。
【解決手段】クライアントコンピュータ３０から受信した印刷ジョブを印刷最小単位に分割してジョブフォルダ２３ｂに蓄え、アッパスプーラ２３ｄまたはロアスプーラ２３ｅに空きが生じたときに分割したジョブの印刷をいずれかのプリンタに割り振り、割振済みのジョブが割り振られたプリンタ名をジョブフォルダ２３ｂに書き込む。印刷の割り振りは、割振対象のジョブとファイル名，カスタマーＩＤが同一の割振済みのジョブがジョブフォルダ２３ｂ内に存在すると、このジョブが割り振られたプリンタと同一のプリンタに割振対象のジョブを割り振るようにする。これにより、同一顧客から要請された同一画像を同一のプリンタに割り振るから、同一画像の印刷を均一な品質とすることができる。
【選択図】 図１
【解決手段】クライアントコンピュータ３０から受信した印刷ジョブを印刷最小単位に分割してジョブフォルダ２３ｂに蓄え、アッパスプーラ２３ｄまたはロアスプーラ２３ｅに空きが生じたときに分割したジョブの印刷をいずれかのプリンタに割り振り、割振済みのジョブが割り振られたプリンタ名をジョブフォルダ２３ｂに書き込む。印刷の割り振りは、割振対象のジョブとファイル名，カスタマーＩＤが同一の割振済みのジョブがジョブフォルダ２３ｂ内に存在すると、このジョブが割り振られたプリンタと同一のプリンタに割振対象のジョブを割り振るようにする。これにより、同一顧客から要請された同一画像を同一のプリンタに割り振るから、同一画像の印刷を均一な品質とすることができる。
【選択図】 図１
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷管理システムおよびこれに用いられるプログラム並びに印刷管理方法に関し、詳しくは、画像を紙などの媒体に印刷する複数の印刷手段に実行させる印刷の割り振りを管理する印刷管理システムおよびこれに用いるプログラム並びに印刷管理方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、この種の印刷管理システムとしては、接続された複数のプリンタをコントロールするプリントサーバが提案されている（非特許文献１参照）。この非特許文献１の記載によると、「１つのプリンタージョブを複数のプリンタに分割し、大量枚数の原稿の出力時間を短縮」したり、「また、カラー／モノクロが混在する原稿も、カラーページとモノクロページを自動判別して、カラープリンターとモノクロプリンターに分別して出力」したりすることにより、印刷を効率よく管理できる、とされている。
【０００３】
【非特許文献１】
”Ｐｒｉｎｔ Ａｌｌｅｙ Ｓｙｓｔｅｍ”、ミノルタ販売株式会社、［平成１５年３月１２日検索］、インターネット＜ＵＲＬ：ｈｔｔｐ：／／ａｓｃｉｉ２４．ｃｏｍ／ｎｅｗｓ／ｉ／ｎｅｔ／ａｒｔｉｃｌｅ／２０００／０４／０６／６０８１８７−０００．ｈｔｍｌ＞
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうしたプリントサーバでは、同じ画像を複数回に亘って印刷する指定がなされた印刷ジョブを受け付けたときに、同じ画像の印刷が異なるプリンタで行なわれる場合があるから、プリンタ毎の色の再現性の若干の相違から用紙に印刷された印刷物の色が異なるものとなってしまう。特に、写真画像をプリンタで印刷する際には、プリンタの相違による微妙な色の違いが違和感として現われやすい。
【０００５】
本発明の印刷管理システムおよびこれに用いられるプログラム並びに印刷管理方法は、こうした問題を解決し、受け付けた印刷要請に対してユーザに与える違和感のより少ない色再現を実現する割り振りを行なうことを目的の一つとする。また、本発明の印刷管理システムおよびこれに用いられるプログラム並びに印刷管理方法は、ユーザに対して与える違和感のより少ない色再現を実現しつつ受け付けた印刷要請に対する印刷を複数のプリンタで効率よく割り振ることを目的の一つとする。
【０００６】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明の印刷管理システムおよびこれに用いられるプログラム並びに印刷管理方法は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
【０００７】
本発明の第１の印刷管理システムは、
画像を紙などの媒体に印刷する複数の印刷手段に割り振る印刷を管理する印刷管理システムであって、
複数回の画像の印刷が指定された印刷要請を受け付け可能な印刷要請受付手段と、
前記受け付けた印刷要請において複数回に亘って同一の画像を含む画像の印刷が指定されたとき、少なくとも該同一の画像を含む画像の印刷を同一の印刷手段に割り振る印刷割振手段と
を備えることを要旨とする。
【０００８】
この本発明の第１の印刷管理システムでは、複数回の画像の印刷が指定された印刷要請を受け付け、この受け付けた印刷要請において複数回に亘って同一の画像を含む画像の印刷が指定されているとき、少なくとも同一の画像を含む画像の印刷を同一の印刷手段に割り振るから、微妙な色の相違を感じやすい同一画像を含む画像を均一な品質で印刷することができる。この結果、ユーザに与える違和感をより少なくすることができる。また、他の画像の印刷を他の印刷手段に割り振るものとすれば、印刷要請を効率よく実行することができる。
【０００９】
こうした本発明の第１の印刷管理システムにおいて、前記印刷要請は、印刷すべき画像の識別情報を含み、前記印刷割振手段は、前記識別情報が同一の画像が含まれる画像の印刷を同一の印刷手段に割り振る手段であるものとすることができる。こうすれば、画像の識別情報の一致する画像の印刷を同一の印刷手段に割り振るだけで同一画像を含む画像の印刷物の品質を均一なものとすることができる。この態様の本発明の第１の印刷管理システムにおいて、前記識別情報は、前記識別情報は、画像のファイル名，画像を記録したデジタルカメラを識別する識別情報，画像をデジタルカメラを用いて記録した日時，画像のデータサイズの少なくとも一つを含む情報であるものとすることができる。
【００１０】
本発明の第２の印刷管理システムは、
画像を紙などの媒体に印刷する複数の印刷手段に割り振る印刷を管理する印刷管理システムであって、
印刷要請を受け付ける印刷要請受付手段と、
前記受け付けた印刷要請において前記複数の印刷手段のうちのいずれかに割り振られた割振済みの画像と同一の画像を含む画像の印刷が指定されたとき、少なくとも該同一の画像を含む画像の印刷を、対応する割振済みの画像が割り振られた印刷手段と同一の印刷手段に割り振る印刷割振手段と
を備えることを要旨とする。
【００１１】
この本発明の第２の印刷管理システムでは、印刷要請を受け付け、この受け付けた印刷要請において複数の印刷手段のいずれかに割り振られた割振済みの画像と同一の画像を含む画像の印刷が指定されたとき、この同一の画像が含まれる画像の印刷を対応する割振済みの画像を印刷した印刷手段と同一の印刷手段に割り振るから、同一の画像を含む画像を同一の品質で印刷することができ、ユーザに与える違和感をより少なくすることができる。また、他の画像の印刷を他の印刷手段に割り振るものとすれば、印刷要請を効率よく実行することができる。ここで、「割振済みの画像」は、印刷手段で印刷されたか否かは問わない。
【００１２】
こうした本発明の第２の印刷管理システムにおいて、前記印刷要請は、印刷すべき画像の識別情報を含み、前記割振済みの画像の識別情報と該割振済みの画像が割り振られた印刷手段とを記憶する情報記憶手段を備え、前記画像割振手段は、前記受け付けた印刷要請に基づいて印刷すべき画像のうち前記記憶された割振済みの画像の識別情報と同一の識別情報をもつ画像を含む画像の印刷を、前記記憶された対応する割振済みの画像が割り振られた印刷手段と同一の印刷手段に割り振る手段であるものとすることができる。こうすれば、情報記憶手段に記憶されている割振済みの画像の識別情報と一致する識別情報をもつ画像を含む画像の印刷を対応する割振済みの画像が印刷された印刷手段と同一の印刷手段に割り振るだけで、同一の画像を含む画像を均一な品質で印刷することができる。この態様の本発明の第２の印刷管理システムにおいて、前記識別情報は、画像のファイル名，画像を記録したデジタルカメラを識別する識別情報，画像をデジタルカメラを用いて記録した日時，画像のデータサイズの少なくとも一つを含む情報であるものとすることができる。この態様の本発明の第２の印刷管理システムにおいて、前記印刷要請は、画像の印刷を要請した顧客を識別する顧客識別情報を含み、前記情報記憶手段は、前記割振済みの画像における前記顧客識別情報を記憶する手段であり、前記画像割振手段は、前記受け付けた印刷要請に基づいて印刷すべき画像のうち前記記憶された割振済みの画像の識別情報と同一の識別情報をもつと共に前記記憶された割振済みの画像における顧客識別情報と同一の顧客識別情報をもつ画像を含む画像の印刷を、前記記憶された対応する割振済みの画像を印刷した印刷手段と同一の印刷手段に割り振る手段であるものとすることができる。
【００１３】
本発明の第３の印刷管理システムは、
画像を紙などの媒体に印刷する複数の印刷手段に割り振る印刷を管理する印刷管理システムであって、
ページおよび部数の設定をもって複数回の画像の印刷が指定可能な印刷要請を受け付ける印刷要請受付手段と、
前記受け付けた印刷要請における画像の印刷を印刷要請全体またはページを単位として前記複数の印刷手段のうちのいずれかに割り振る印刷割振手段と
を備えることを要旨とする。
【００１４】
この本発明の第３の印刷管理システムでは、ページと部数の設定をもって複数回の画像の印刷が指定可能な印刷要請を受け付け、この受け付けた印刷要請に対する画像の印刷を印刷要請またはページを単位として複数の印刷手段のうちのいずれかに割り振るから、同一印刷要請内で指定された複数回の印刷や同一ページ内の複数回の印刷を同一の印刷手段により行なわせることができる。即ち、微妙な色の相違を感じやすい同一の画像を同一の印刷手段により印刷することができる。
【００１５】
また、本発明の第１ないし第３の印刷管理システムにおいて、前記複数の印刷手段は、前記印刷管理システムからの印刷の割り振りを所定数まで受け付けて順次実行する手段であり、前記複数の印刷手段に割り振られている印刷数を検出する印刷数検出手段を備え、前記印刷割振手段は、前記検出された複数の印刷手段に各々割り振られている印刷数のいずれかが前記所定数未満のときを条件の一つとして印刷を割り振る手段であるものとすることができる。こうすれば、所定数を超えて印刷を割り振ることがない。この態様の本発明の第１ないし第３の印刷管理システムにおいて、前記印刷割振手段は、割り振られている印刷数が前記所定数未満の印刷手段が複数存在するときには印刷数が少ない印刷手段に割り振る手段であるものとすることができる。こうすれば、印刷を各印刷手段に均等に割り振ることができると共に印刷を効率よく実行させることができる。
【００１６】
本発明の印刷管理システムに用いられるプログラムは、
コンピュータを、上記各態様の本発明の第１ないし第３の印刷管理システムとして機能させることを要旨とする。
【００１７】
この本発明の印刷管理システムに用いられるプログラムでは、コンピュータを上記各態様の本発明の第１ないし第３の印刷管理システムとして機能させるから、本発明の印刷管理システムと同様の効果、例えば、違和感の感じやすい同一画像を含む画像を品質を均一で印刷することができる等の効果を奏することができる。
【００１８】
本発明の第１の印刷管理方法は、
画像を紙などの媒体に印刷する複数の印刷手段に割り振る印刷を管理する印刷管理方法であって、
（ａ）複数回の画像の印刷が指定された印刷要請を受け付け、
（ｂ）前記受け付けた印刷要請において複数回に亘って同一の画像を含む画像の印刷が指定されているとき、該少なくとも同一の画像を含む画像の印刷を同一の印刷手段に割り振ることを要旨とする。
【００１９】
この本発明の第１の印刷管理方法では、複数回の画像の印刷が指定された印刷要請を受け付け、この受け付けた印刷要請において複数回に亘って同一の画像を含む画像の印刷が指定されているとき、少なくとも同一の画像を含む画像の印刷を同一の印刷手段に割り振るから、微妙な色の相違を感じやすい同一画像を含む画像を均一な品質で印刷することができる。この結果、ユーザに与える違和感をより少なくすることができる。また、他の画像の印刷を他の印刷手段に割り振るものとすれば、印刷要請を効率よく実行することができる。
【００２０】
本発明の第２の印刷管理方法は、
画像を紙などの媒体に印刷する複数の印刷手段に割り振る印刷を管理する印刷管理方法であって、
（ａ）印刷要請を受け付け、
（ｂ）前記受け付けた印刷要請において前記複数の印刷手段のいずれかに割り振られた割振済みの画像と同一の画像を含む画像の印刷が指定されたとき、少なくとも該同一の画像を含む画像の印刷を、対応する割振済みの画像を印刷した印刷手段と同一の印刷手段に割り振ることを要旨とする。
【００２１】
この本発明の第２の印刷管理方法では、印刷要請を受け付け、この受け付けた印刷要請において複数の印刷手段のいずれかに割り振られた割振済みの画像と同一の画像を含む画像の印刷が指定されたとき、この同一の画像が含まれる画像の印刷を対応する割振済みの画像を印刷した印刷手段と同一の印刷手段に割り振るから、同一の画像を含む画像を同一の品質で印刷することができ、ユーザに与える違和感をより少なくすることができる。また、他の画像の印刷を他の印刷手段に割り振るものとすれば、印刷要請を効率よく実行することができる。ここで、「割振済みの画像」は、印刷手段で印刷されたか否かは問わない。
【００２２】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例を用いて説明する。図１は、本発明の一実施例であるフォトスタジオシステム１０の構成の概略を示す構成図である。フォトスタジオシステム１０は、２台のプリンタ５０，６０（これらを各々アッパプリンタ５０，ロアプリンタ６０と称することもある）に接続された実施例の印刷管理システムとして機能するプリントサーバ２０と、このプリンタサーバ２０に印刷ジョブを出力するクライアントコンピュータ３０とがＬＡＮ１２を介して接続されて構成されている。このフォトスタジオシステム１０は、地域毎に複数箇所に亘って設置されており、インターネット１６を介して接続されたセンタサーバ４０による管理を受けている。
【００２３】
プリントサーバ２０は、ＣＰＵ２０ａと中心とする一般のコンピュータとして構成されている。このＣＰＵ２０ａには、処理プログラムが記憶されたＲＯＭ２０ｂや一時的にデータを記憶するＲＡＭ２０ｃ，動作クロックを発生するクロックジェネレータ２０ｄ，ディスプレイ２２に接続されるコネクタを有するビデオボード２０ｅ，ＬＡＮケーブル１２に接続されるコネクタを有するＬＡＮボード２０ｆ，ハードディスク２３が接続された入出力コントローラ２０ｇなどがバス２０ｈを介して接続されている。ＬＡＮボード２０ｆにはＬＡＮケーブル１２を介してルータ１４が接続されており、プリントサーバ２０は、このルータ１４を介してインターネット１６に接続できるようになっている。
【００２４】
ハードディスク２３は、プリンタ５０，６０からのステータスデータを格納するステータスフォルダ２３ａや、クライアントコンピュータ３０から送られてくる印刷ジョブを格納するジョブフォルダ２３ｂ、処理プログラムを格納するプログラムフォルダ２３ｃ、アッパプリンタ５０，ロアプリンタ６０の各々に割り振る印刷最小単位のジョブ（用紙１枚に印刷できる印刷用データ）を印刷中のものを含めて２個までスプールするアッパスプーラ２３ｄ，ロアスプーラ２３ｅ、１または２以上の画像を印刷用紙にレイアウトする際のレイアウトテンプレートを格納するテンプレートフォルダ２３ｆなどを有している。
【００２５】
ハードディスク２３が有するステータスフォルダ２３ａに格納されるステータスデータは、プリンタ５０，６０の各々で装着可能な用紙サイズ（Ａ４，Ａ３，Ａ３ノビなど）や用紙タイプ（マット（ｍａｔｔｅ），ラスタ（ｌｕｓｔｅｒ）など）や、プリンタ５０，６０の各々で現在装着されている用紙サイズや用紙タイプ、プリンタ５０，６０各々のＩＣＣプロファイル、アッパスプーラ２３ｄ，ロアスプーラ２３ｅに現在蓄えられているジョブの数（スプール数）などが含まれている。
【００２６】
ハードディスク２３が有するジョブフォルダ２３ｂに格納される印刷ジョブは、印刷すべき画像データからなる画像ファイルと、用紙サイズや用紙タイプ，画像のレイアウト，印刷するプリンタの指定，印刷ページ数および各ページ毎のコピー数，画像ファイルの格納場所を示すパス名を含む画像ファイル名などの印刷管理データが記述された印刷管理ファイルと、ＩＣＣプロファイルなどが含まれている。
【００２７】
ハードディスク２３が有するプログラムフォルダ２３ｃには、プリンタ５０，６０の各々を制御するプリンタドライバや使用するプリンタのＩＣＣプロファイルと画像データのＩＣＣプロファイルとに基づいて色補正テーブルを作成すると共に作成した色補正テーブルを用いて画像データの色補正を行なうカラーコンバータ、各種情報を閲覧するためのＷｅｂブラウザなどが含まれている。
【００２８】
なお、プリンタ５０，６０は、プリントサーバ２０と共に同一の筐体に収納さており、それぞれ上段と下段に配置されている。上段に配置されているプリンタ５０は、２つの用紙カセット５１，５２を備えており、２つの用紙カセット５１，５２のうち指定されたサイズおよびタイプの用紙が納められたカセットからの給紙を受けて印刷を行なう。また、下段に配置されているプリンタ６０も、同様に２つの用紙カセット６１，６２を備えており、２つの用紙カセット６１，６２のうち指定されたサイズおよびタイプの用紙が納められたカセットからの給紙を受けて印刷を行なう。
【００２９】
クライアントコンピュータ３０は、ＣＰＵ３０ａと中心とする一般のコンピュータとして構成されている。このＣＰＵ３０ａには、処理プログラムが記憶されたＲＯＭ３０ｂや一時的にデータを記憶するＲＡＭ３０ｃ，動作クロックを発生するクロックジェネレータ３０ｄ，ディスプレイ３２に接続されるコネクタを有するビデオボード３０ｅ，ＬＡＮケーブル１２に接続されるコネクタを有するＬＡＮボード３０ｆ，ハードディスク３３が接続された入出力コントローラ３０ｇなどがバス３０ｈを介して接続されている。入出力コントローラ３０ｇは、デジタルスチルカメラ３５などの周辺機器がＵＳＢインタフェースケーブルなどを介して接続できるようになっている。また、ＬＡＮボード３０ｆにはＬＡＮケーブル１２を介してルータ１４が接続されており、クライアントコンピュータ３０は、このルータ１４を介してインターネット１６に接続できるようになっている。
【００３０】
ハードディスク３３は、プリントサーバ２０から定期的に或いは要求により送られてくるプリンタ５０，６０のステータスデータや印刷ジョブに関する情報を格納するステータスフォルダ３３ａやＵＳＢケーブルなどで接続されたデジタルスチルカメラ３５内に記録されているデジタル画像を取得して格納する画像フォルダ３３ｂ、処理プログラムを格納するプログラムフォルダ３３ｃなどを有している。
【００３１】
ハードディスク３３が有するプログラムフォルダ３３ｃには、画像フォルダ３３ｂに格納されているデジタル画像のイメージにトリミング，ゴミ取りシワ取りなどの補正，カラー調整などのエンハンスを施す機能を有するフォトレタッチソフトや、プリントサーバ２０のテンプレートフォルダ２３ｆに格納されているレイアウトテンプレートをプリントサーバ２０から読み込むと共にこの読み込んだレイアウトを用いて画像フォルダ３３ｂに格納されているデジタル画像のイメージを印刷用紙にレイアウトし、印刷ジョブを作成してプリントサーバ２０に出力する機能を有するレイアウト編集ソフト、プリントサーバ２０やセンタサーバ４０から提供されるページを閲覧するためのＷｅｂブラウザなどが格納されている。
【００３２】
センタサーバ４０は、複数箇所に設置されているフォトスタジオシステム１０の稼働状態を集中的に管理するサーバとして構成されており、インターネット１６を介してプリントサーバ２０やクライアントコンピュータ３０から印刷に関する情報を定期的に取得してデータベース化して保存すると共に、プリントサーバ２０やクライアントコンピュータ３０からの要求に応じてデータベースに保存している印刷に関する情報を提供する。
【００３３】
次に、こうして構成されたフォトスタジオシステム１０におけるクライアントコンピュータ３０側の動作について説明する。まず、クライアントコンピュータ３０は、デジタルスチルカメラ３５が接続されてオペレータによる画像の取り込み操作がなされると、デジタルカメラ３０に記録されている画像データをハードディスク３３の画像フォルダ３３ｂ内に格納する。クライアントコンピュータ３０は、レタッチソフトが起動されと、オペレータのレタッチ操作に応じて画像フォルダ３３ｂに格納されている画像ファイルのイメージに対して対応するレタッチ処理を施す。また、レイアウト編集ソフトが起動されると、オペレータのレイアウト操作に応じて所望のレイアウトの写真枠に画像フォルダ３３ｂに格納されている画像ファイルのイメージを貼り付けると共に印刷を指示する操作がなされたときにこのレイアウトで印刷されるよう印刷ジョブを作成してプリントサーバ２０に出力する。図２は、レイアウト編集ソフトが起動されたときにクライアントコンピュータ３０のディスプレイ３２に表示されるレイアウト編集画面７０の一例を示す説明図である。
【００３４】
レイアウト編集画面７０は、図２に示すように、画像フォルダ３３ｂ内にあるフォルダを表示するフォルダ表示欄７１やフォルダ表示欄７１に表示されているフォルダのうち選択されたフォルダに格納されている画像ファイルのイメージをサムネイル表示するサムネイル表示欄７２、サムネイル表示欄７２に表示されている画像ファイルのイメージをドラッグアンドドロップによりレイアウト７７ａ上の任意の写真枠に貼り付けるレイアウト作業欄７３と、印刷を指示するためのプリントボタン７８とが設けられている。レイアウト作業欄７３には、印刷条件を選択するための各種選択欄が設けられており、例えば、用紙サイズや用紙タイプを選択するための用紙サイズ選択欄７４ａや用紙タイプ選択欄７４ｂ、プリントサーバ２０に接続されている２台のプリンタ５０，６０のうち印刷するプリンタを指定するためのプリンタ指定欄７５、レイアウト作業欄７３で表示されているレイアウト７７ａで画像を印刷する部数（コピー数）を選択するための部数選択欄７６、複数のレイアウトテンプレートの中から所望のレイアウトを選択するためのレイアウト選択欄７７とが設けられている。これらの選択欄における選択はポップアップメニューを用いて行なうことができるようになっている。プリンタ指定欄７５は、実施例では、「アッパプリンタ」、「ロアプリンタ」、「指定なし」の中から選択できるようになっている。
【００３５】
こうしたレイアウト編集画面７０上で、サムネイル表示欄７２に表示されているイメージをテンプレート選択欄７７で選択されたレイアウト７７ａ上の任意の写真枠に貼り付けると共に上記の各選択欄で印刷条件の選択が行なわれてプリントボタン７８が押されると、クライアントコンピュータ３０は、レイアウト編集画面７０上で選択された印刷条件を用いて印刷ジョブを作成してプリントサーバ２０に送信する。
【００３６】
続いて、フォトスタジオシステム１０におけるプリントサーバ２０側の動作について説明する。プリントサーバ２０側の動作としては、図３に例示する印刷ジョブ受付処理や図５および図６に例示する印刷割振処理がある。以下、これらを順に説明する。
【００３７】
印刷ジョブ受付処理は、クライアントコンピュータ３０から印刷ジョブを送信する信号を受信したときに実行される。印刷ジョブ受付処理では、図３に示すように、クライアントコンピュータ３０から送信された印刷ジョブを受信し（ステップＳ１００）、受信した順に印刷ジョブにジョブＩＤを付与すると共に（ステップＳ１０２）、印刷ジョブを印刷最小単位で分割し（ステップＳ１０４）、分割した印刷ジョブ（以下、これを分割ジョブと称する）をハードディスク２３のジョブフォルダ２３ｂに格納する処理を行なって（ステップＳ１０６）、終了する。ここで、印刷最小単位は、用紙１枚の印刷に相当する単位を意味する。ステップＳ１０６の処理では、ステップＳ１００で受信した印刷ジョブに含まれる印刷管理ファイルに基づいて、印刷最小単位で分割された分割ジョブ毎に新たに印刷管理ファイルが作成されてジョブフォルダ２３ｂに格納される。なお、ステップＳ１００で受信した印刷ジョブがすでに印刷最小単位のジョブであるときには印刷ジョブは分割されないが、この場合でもステップＳ１０４の処理を経た印刷ジョブは分割ジョブと呼ぶことにする。
【００３８】
図４に、ジョブフォルダ２３ｂに格納される印刷管理ファイルの印刷管理データの一例を示す。図４に示すように、印刷管理データには、「ジョブＩＤ」や、顧客を識別する「カスタマーＩＤ」、分割ジョブが受信した印刷ジョブの何ページ目に相当するものかを識別する「ページ番号」、分割ジョブが受信した印刷ジョブの何部目に相当するものかを識別する「コピー番号」、「用紙サイズ」、「用紙タイプ」、テンプレートフォルダ２３ｆに格納されているレイアウトテンプレートのうち指定されたテンプレートを識別する「レイアウト番号」，「指定プリンタ名」，分割ジョブが実際に割り振られたプリンタを識別する「割振プリンタ名」，画像ファイルの格納場所を示すパス名を含む「画像ファイル名」，分割ジョブの「実行状態」などが含まれている。なお、同一の印刷ジョブから分割された分割ジョブは同一のジョブＩＤをもつことになるが、分割ジョブの各々は、「ページ番号」，「コピー番号」により識別される。印刷管理ファイルに記述されるパラメータのうち「カスタマーＩＤ」，「用紙サイズ」，「用紙タイプ」，「レイアウト番号」，「指定プリンタ名」は、オペレータの操作に応じてクライアントコンピュータ３０によって設定され、「ジョブＩＤ」，「ページ番号」，「コピー番号」，「割振プリンタ名」，「実行状態」は、分割ジョブの処理に応じてプリントサーバ２０によって設定される。なお、ジョブフォルダ２３ｂに格納された分割ジョブは、所定の頻度（例えば、５秒）でプリンタ５０，６０に現在セットされている用紙のサイズやタイプなどに基づいて印刷可能であるか否かがチェックされ、印刷可能であるときに「実行状態」として印刷待ち状態が書き込まれ、印刷可能でないときに「実行状態」としてポーズ状態が書き込まれる。
【００３９】
印刷割振処理は、所定時間毎（例えば、１０秒毎）に繰り返し実行される。この印刷割振処理は、図５および図６に示すように、まず、ステータスフォルダ２３ａに格納されているプリンタ５０，６０のステータスデータにおけるアッパスプーラ２３ｄ、ロアスプーラ２３ｅに蓄えられている分割ジョブのスプール数Ｎａ，Ｎｂを読み込み（ステップＳ１１０）、読み込んだスプール数Ｎａ，Ｎｂが値１以下であるか否かを判定する（ステップＳ１１２）。前述したように、アッパスプーラ２３ｄ，ロアスプーラ２３ｅは、それぞれ印刷中の印刷用データを含めてＣＭＹＫデータに変換された印刷用データを２個ずつ蓄えることができるから、ステップＳ１１２の処理は、アッパスプーラ２３ｄ，ロアスプーラ２３ｅに印刷用データを蓄えるための空きがあるか否かの判定となる。アッパスプーラ２３ｄ，ロアスプーラ２３ｅに印刷用データを蓄える空きがないときには、分割ジョブの割り振りはできないと判断して印刷割振処理を終了する。
【００４０】
アッパスプーラ２３ｄ，ロアスプーラ２３ｅのいずれかに印刷用データを蓄える空きがあると判定されたときには、次に処理すべき分割ジョブの印刷管理ファイルから印刷管理データを読み込み（ステップＳ１１６）、読み込んだ印刷管理データを解析し、（ステップＳ１１８）、印刷するプリンタの指定があるか否かを判定する（ステップＳ１２０）。プリンタの指定がないと判定されたときには、ジョブフォルダ２３ｂの中から、印刷管理データの「実行状態」に後述する割振済み状態または印刷済み状態が書き込まれている分割ジョブのうち、次に処理すべき分割ジョブと「画像ファイル名」および「カスタマーＩＤ」が一致する分割ジョブを検索して（ステップＳ１２２）、一致する分割ジョブがあるか否かを判定する（ステップＳ１２４）。一致するジョブがあるときには、このジョブが割り振られたプリンタのスプーラのスプール数が値１以下であるか否か、即ち印刷用データを蓄える空きがあるか否かを判定し（ステップＳ１２６）、空きがあるときには一致するジョブが割り振られたプリンタと同一のプリンタに次に処理すべき分割ジョブを割り振ると共に分割ジョブの実行状態を割振済み状態に設定する（ステップＳ１２８）。即ち、プリンタ５０，６０のいずれかに既に割り振られた分割ジョブのうち次に処理する分割ジョブと同一の「カスタマーＩＤ」，「画像ファイル名」をもつ分割ジョブがあると、この分割ジョブが割り振られたプリンタ（「割振プリンタ名」）と同一のプリンタを使用して次に処理する分割ジョブの印刷を行なうのである。これは、用紙に画像を印刷する際に再現される色はプリンタ毎に若干相違するため、同一の顧客の同一の画像の印刷を異なるプリンタに割り振ると、顧客は印刷物の色の相違を違和感として感じやすいことに基づいている。したがって、同一の画像を複数部に亘って印刷する場合や過去に印刷した画像と同一の画像を再印刷する場合に、同一のプリンタを使用して印刷することにより印刷物の品質を均一化することができるのである。実施例では、１枚の用紙に複数の画像をレイアウトしたときには、そのうちの一つの「画像ファイル名」が一致していれば、同一のプリンタに割り振るものとした。分割ジョブがプリンタに割り振られると、割振済みの状態の設定と共に割り振られたプリンタ名が「割振プリンタ名」として書き込まれる。
【００４１】
ステップＳ１２６の処理において「画像ファイル名」と「カスタマーＩＤ」とが一致する分割ジョブはあるが、この分割ジョブが割り振られたプリンタのスプール数が値１以下でないときには分割ジョブの割り振りができないと判断してステップＳ１１４の処理に戻る。
【００４２】
ステップＳ１２４の処理において「画像ファイル名」と「カスタマーＩＤ」とが一致する分割ジョブがないときには、空きのあるプリンタに分割ジョブを割り振ると共に分割ジョブの状態を割振済み状態に設定する（ステップＳ１３０）。このとき、割振済みの状態の設定と共に割り振られたプリンタ名も記憶される。
【００４３】
ステップＳ１２０の処理において読み込まれた分割ジョブの印刷管理データにプリンタ指定があるときには、指定されたプリンタのスプール数が値１以下であるか否か、即ちそのスプーラに印刷用データを蓄える空きがあるか否かを判定し（ステップＳ１３２）、空きがあるときには、そのジョブを指定されたプリンタに割り振ると共にそのジョブを割振済み状態に設定し（ステップＳ１３４）、空きがないときには、そのジョブの割り振りはできないと判断してステップＳ１１４の処理に戻る。このときも、割振済み状態の設定と共に割り振られたプリンタ名も記憶される。一方、空きがないときには、分割ジョブの割り振りはできないと判断してステップＳ１１４の処理に戻る。
【００４４】
こうして分割ジョブがプリンタに割り振られると、割り振られたプリンタのＩＣＣプロファイルを用いて割り振られた分割ジョブの画像データを色補正し（ステップＳ１３６）、色補正された画像データを、分割ジョブが割り振られたプリンタのプリンタドライバによってＣＭＹＫデータへの色変換やハーフトーニングなどを施してプリンタで解釈可能な印刷用データに変換し（ステップＳ１３８）、分割ジョブが割り振られたプリンタのスプーラに出力して（ステップＳ１４０）、印刷割り振り処理を終了する。アッパスプーラ２３ｄ，ロアスプーラ２３ｅは、現在印刷している分割ジョブの印刷を終了すると、蓄えている分割ジョブとしての印刷用データをプリンタ５０，６０に出力して印刷を開始させると共に分割ジョブの実行状態を割振済み状態から印刷中状態に設定する。分割ジョブの実行が終了すると、終了したジョブの状態の設定を印刷実行中から印刷済みの状態に変更する。
【００４５】
分割ジョブの実行状態は、プリントサーバ２０やクライアントコンピュータ３０からの要求に応じてＷｅｂページとして提供される。図７は、プリントサーバ２０のディスプレイ２２やクライアントコンピュータ３０のディスプレイ３２に表示されるジョブ実行状態表示画面８０の一例を示す説明図である。ジョブ実行状態表示画面８０は、ジョブＩＤを表示するジョブＩＤ表示欄８１と、ジョブＩＤにおけるページ番号を表示するページ番号表示欄８２と、ジョブＩＤにおけるコピー番号を表示するコピー番号表示欄８３と、印刷する画像ファイル名を表示するファイル名表示欄８４と、分割ジョブの実行状態を表示する実行状態表示欄８５と、カスタマーＩＤを表示するカスタマーＩＤ表示欄８６と、用紙のサイズやタイプを表示する用紙種類表示欄８７と、指定されたプリンタ名を表示する指定プリンタ名表示欄８８ａおよび実際に割り振られたプリンタ名を表示する割振プリンタ名表示欄８８ｂと、選択入力を受け付ける「更新」ボタン８９とにより構成されている。ジョブ実行状態表示画面８０では、紙面に分かりやすく表示する必要から、印刷ジョブの実行状態表示欄８５には、印刷実行中に対応する「印刷中」，割振済み状態に対応する「次の印刷」，印刷待ち状態に対応する「印刷待ち」，ポーズ状態に対応する「ポーズ」，印刷済み状態に対応する「印刷済み」の各々に対するマークを表示するものとしたが、実際には、「印刷中」に対しては緑色の点滅，「次の印刷」に対しては緑色のマーク，「印刷待ち」に対しては黄色のマーク，「ポーズ」に対してはオレンジ色のマーク，「印刷済み」に対しては黒色のマークなどのように、マークのカラー表示により識別可能になっている。指定プリンタ名表示欄８８ａには、プリンタの指定がないときには「オート」と表示される。
【００４６】
図７に示すように、ジョブ実行状態表示画面８０のジョブＩＤが「００２５」の印刷ジョブは３ページを１部ずつ印刷するから３つの分割ジョブとして分割され各分割ジョブはページ番号，コピー番号で区別される。このうちジョブＩＤ「００２５」，ページ番号「０３」，コピー番号「０１」の分割ジョブは、印刷する画像ファイル名が「ａａａａ．ｔｉｆ」，カスタマーＩＤが「００３１」であり、これはジョブＩＤ「００２１」，ページ番号「０１」，コピー番号「０１」の分割ジョブと同一であるから、この分割ジョブで割り振られたプリンタ「ロアプリンタ」と同一のロアプリンタが割り振られている。また、ジョブＩＤ「００２８」，ページ番号「０１」，コピー番号「０１」（１部目）の分割ジョブは、その画像ファイル名が「ｄｄｄｄ．ｔｉｆ」，カスタマーＩＤが「０１０５」であり、これはジョブＩＤ「００２４」，ページ番号「０１」，コピー番号「０１」の分割ジョブの画像ファイル名「ｄｄｄｄ．ｔｉｆ／ｅｅｅｅ．ｔｉｆ」の一つと同一でありカスタマーＩＤ「０１０５」も同一であるから、ジョブＩＤ「００２４」，ページ番号「０１」，コピー番号「０１」の分割ジョブが割り振られたプリンタ「ロアプリンタ」と同一のロアプリンタが割り振られることになる。勿論、ジョブＩＤ「００２８」，ページ番号「０１」，コピー番号「０２」〜「０４」（２部目〜４部目）の分割ジョブについても、１部目の分割ジョブと画像ファイル「ｄｄｄｄ．ｔｉｆ」，カスタマーＩＤ「０１０５」が同一であるから１部目の分割ジョブと同一のロアプリンタが割り振られることになる。
【００４７】
以上説明した実施例のプリントサーバ２０によれば、同一の顧客が複数回に亘って同一の画像を含む画像を印刷するときや同一の顧客が過去に印刷したことのある画像と同一の画像を含む画像を印刷するときには、これらを同一のプリンタに割り振るから、顧客にとって違和感を感じやすい同一の画像を均一な品質で印刷することができる。もとより、他の画像については２台のプリンタ５０，６０のうち空きがあるプリンタに割り振るから、画像の印刷を２台のプリンタ５０，６０を用いて効率よく実行させることができる
【００４８】
ここで、図３の印刷ジョブ受付処理を実行するプリントサーバ２０のＣＰＵ２０ａが印刷要請受付手段に相当し、図５および図６の印刷割振処理を実行するプリントサーバ２０のＣＰＵ２０ａが印刷割振手段に相当する。
【００４９】
実施例のプリントサーバ２０では、用紙１枚に印刷する画像のうちの一つが一致する分割ジョブを同一のプリンタで印刷させるものとしたが、印刷する画像が完全に同一の分割ジョブのみを同一のプリンタで印刷させるものとしてもよい。
【００５０】
実施例のプリントサーバ２０では、「カスタマーＩＤ」が一致していることを条件として同一の画像を含む画像の印刷を同一のプリンタで行なうものとしたが、「カスタマーＩＤ」が一致しているか否かに拘わらず同一の画像を含む画像の印刷を同一のプリンタで行なうものとしてもよい。
【００５１】
実施例のプリントサーバ２０では、画像ファイル名をキーとして同一の画像の印刷か否か判定するものとしたが、例えば、画像ファイルのデータサイズやデジタルスチルカメラ３５でその画像を記録した日時、デジタルスチルカメラ３５に割り当てられている識別情報などをキーとして同一の画像か否かを判定するものとしてもよい。勿論、これらのうちの複数を組み合わせて判定するものとしてもよい。
【００５２】
実施例のプリントサーバ２０では、印刷するプリンタの指定としてアッパスプーラ２３ｄ，ロアスプーラ２３ｅ，指定なしを選択できるものとしたが、印刷ジョブのプリンタへの割り振りの単位を「ジョブ単位」や「ページ単位」とする選択を行なえるようにするものとしてもよい。即ち、プリンタ指定として「ジョブ単位」が選択されると、同一のジョブＩＤが付与された印刷ジョブのすべてのページや部数の印刷を同一のプリンタに割り振り、プリンタ指定として「ページ単位」が選択されると、同一のジョブＩＤが付与された印刷ジョブの同一のページのすべての部数を同一のプリンタに割り振るものとしてもよい。ジョブ単位でプリンタを割り振る場合、図３の印刷ジョブ受付処理で受信した印刷ジョブの分割を行なわずにジョブ単位で図５および図６の印刷割振処理を実行し、ページ単位でプリンタを割り振る場合、図３の印刷ジョブ受付処理で受信した印刷ジョブをページ単位で分割してページ単位で図５および図６の印刷割振処理を実行するものとすればよい。
【００５３】
実施例のプリントサーバ２０では、アッパスプーラ２３ｄ，ロアスプーラ２３ｅに蓄えることができる印刷用データの数を印刷中のものを含めて２個までとしたが、１つとしてもよいし、３つ以上の数としてもよい。３つ以上の数とする場合、印刷割振処理における割り振りは、スプール数Ｎａ，Ｎｂのうち小さい方を優先して割り振るものとしてもよい。これにより、ジョブの実行をより効率的なものとすることができる。
【００５４】
実施例では、同一の画像を含む画像を同一のプリンタに割り振る処理をプリントサーバ２０で実行するものとしたが、その一部をクライアントコンピュータ３０で実行するものとしてもよい。例えば、レイアウト編集画面７０上でプリントボタン７８が押されたときに、プリントサーバ２０のジョブフォルダ２３ｂに格納されている印刷管理データをプリントサーバ２０から読み出し、読み出した印刷管理データの「実行状態」や「画像ファイル名」，「カスタマーＩＤ」，「割振プリンタ名」から、「実行状態」が割振済み状態または印刷済みの分割ジョブのうち「画像ファイル名」と「カスタマーＩＤ」とが一致する分割ジョブがあるときに、この分割ジョブで割り振られたプリンタ（「割振プリンタ名」）と同一のプリンタを指定プリンタとして印刷ジョブを作成しこれをプリントサーバ２０に出力することにより行なうことができる。
【００５５】
実施例では、本発明の実施の形態の一つとして印刷管理システムとして機能するプリントサーバ２０について説明したが、印刷を管理する印刷管理方法の形態としてもよいし、コンピュータを印刷管理システムとして機能するプリントサーバとして機能させるプログラムの形態とするものとしてもよい。このプログラムの形態とする場合、実施例のプリントサーバ２０で実行する印刷ジョブ受付処理や印刷割振処理の各処理を適当なプログラミング言語でプログラムするものとすればよい。
【００５６】
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図１】フォトスタジオシステム１０の構成の概略を示す構成図。
【図２】レイアウト編集画面７０の一例を示す説明図。
【図３】印刷ジョブ受付処理の一例を示すフローチャート。
【図４】印刷管理ファイルの一例を示す説明図。
【図５】印刷割振処理の一例を示すフローチャートの前半部分。
【図６】印刷割振処理の一例を示すフローチャートの後半部分。
【図７】ジョブ実行状態表示画面８０の一例を示す説明図。
【符号の説明】
１０ フォトスタジオシステム、１２ ＬＡＮケーブル、１４ ルータ、１６インターネット、２０ プリントサーバ、２０ａ ＣＰＵ、２０ｂ ＲＯＭ、２０ｃ ＲＡＭ、２０ｄ クロックジェネレータ、２０ｅ ビデオボード、２０ｆ ＬＡＮボード、２０ｇ 入出力コントローラ、２０ｈ バス、２２ ディスプレイ、２３ ハードディスク、２３ａ ステータスフォルダ、２３ｂ ジョブフォルダ、２３ｃ プログラムフォルダ、２３ｄ テンプレートフォルダ、２３ｅ アッパスプーラ、２３ｆ ロアスプーラ、３０ クライアントコンピュータ、３０ａ ＣＰＵ、３０ｂ ＲＯＭ、３０ｃ ＲＡＭ、３０ｄ クロックジェネレータ、３０ｅ ビデオボード、３０ｆ ＬＡＮボード、３０ｇ 入出力コントローラ、３０ｈ バス、３２ ディスプレイ、３３ ハードディスク、３３ａ ステータスフォルダ、３３ｂ 画像フォルダ、３３ｃ プログラムフォルダ、３５ デジタルカメラ、５０ アッパプリンタ、５１，５２ 用紙カセット、６０ロアプリンタ、６１，６２ 用紙カセット、７０ レイアウト編集画面、７１フォルダ表示欄、７２ サムネイル表示欄、７３ レイアウト作業欄、７４ａ用紙サイズ選択欄、７４ｂ 用紙タイプ選択欄、７５ プリンタ指定欄、７６部数選択欄、７７ レイアウトテンプレート選択欄、７７ａ レイアウト画面、７８ プリントボタン、８０ ジョブ実行状態表示画面、８１ ジョブＩＤ表示欄、８２ ページ番号表示欄、８３ コピー番号表示欄、８４ 画像ファイル名表示欄、８５ 実行状態表示欄、８６ ＩＤ表示欄、８７ 用紙種類表示欄、８８ プリンタ名表示欄、８９ 更新ボタン。
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷管理システムおよびこれに用いられるプログラム並びに印刷管理方法に関し、詳しくは、画像を紙などの媒体に印刷する複数の印刷手段に実行させる印刷の割り振りを管理する印刷管理システムおよびこれに用いるプログラム並びに印刷管理方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、この種の印刷管理システムとしては、接続された複数のプリンタをコントロールするプリントサーバが提案されている（非特許文献１参照）。この非特許文献１の記載によると、「１つのプリンタージョブを複数のプリンタに分割し、大量枚数の原稿の出力時間を短縮」したり、「また、カラー／モノクロが混在する原稿も、カラーページとモノクロページを自動判別して、カラープリンターとモノクロプリンターに分別して出力」したりすることにより、印刷を効率よく管理できる、とされている。
【０００３】
【非特許文献１】
”Ｐｒｉｎｔ Ａｌｌｅｙ Ｓｙｓｔｅｍ”、ミノルタ販売株式会社、［平成１５年３月１２日検索］、インターネット＜ＵＲＬ：ｈｔｔｐ：／／ａｓｃｉｉ２４．ｃｏｍ／ｎｅｗｓ／ｉ／ｎｅｔ／ａｒｔｉｃｌｅ／２０００／０４／０６／６０８１８７−０００．ｈｔｍｌ＞
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうしたプリントサーバでは、同じ画像を複数回に亘って印刷する指定がなされた印刷ジョブを受け付けたときに、同じ画像の印刷が異なるプリンタで行なわれる場合があるから、プリンタ毎の色の再現性の若干の相違から用紙に印刷された印刷物の色が異なるものとなってしまう。特に、写真画像をプリンタで印刷する際には、プリンタの相違による微妙な色の違いが違和感として現われやすい。
【０００５】
本発明の印刷管理システムおよびこれに用いられるプログラム並びに印刷管理方法は、こうした問題を解決し、受け付けた印刷要請に対してユーザに与える違和感のより少ない色再現を実現する割り振りを行なうことを目的の一つとする。また、本発明の印刷管理システムおよびこれに用いられるプログラム並びに印刷管理方法は、ユーザに対して与える違和感のより少ない色再現を実現しつつ受け付けた印刷要請に対する印刷を複数のプリンタで効率よく割り振ることを目的の一つとする。
【０００６】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明の印刷管理システムおよびこれに用いられるプログラム並びに印刷管理方法は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
【０００７】
本発明の第１の印刷管理システムは、
画像を紙などの媒体に印刷する複数の印刷手段に割り振る印刷を管理する印刷管理システムであって、
複数回の画像の印刷が指定された印刷要請を受け付け可能な印刷要請受付手段と、
前記受け付けた印刷要請において複数回に亘って同一の画像を含む画像の印刷が指定されたとき、少なくとも該同一の画像を含む画像の印刷を同一の印刷手段に割り振る印刷割振手段と
を備えることを要旨とする。
【０００８】
この本発明の第１の印刷管理システムでは、複数回の画像の印刷が指定された印刷要請を受け付け、この受け付けた印刷要請において複数回に亘って同一の画像を含む画像の印刷が指定されているとき、少なくとも同一の画像を含む画像の印刷を同一の印刷手段に割り振るから、微妙な色の相違を感じやすい同一画像を含む画像を均一な品質で印刷することができる。この結果、ユーザに与える違和感をより少なくすることができる。また、他の画像の印刷を他の印刷手段に割り振るものとすれば、印刷要請を効率よく実行することができる。
【０００９】
こうした本発明の第１の印刷管理システムにおいて、前記印刷要請は、印刷すべき画像の識別情報を含み、前記印刷割振手段は、前記識別情報が同一の画像が含まれる画像の印刷を同一の印刷手段に割り振る手段であるものとすることができる。こうすれば、画像の識別情報の一致する画像の印刷を同一の印刷手段に割り振るだけで同一画像を含む画像の印刷物の品質を均一なものとすることができる。この態様の本発明の第１の印刷管理システムにおいて、前記識別情報は、前記識別情報は、画像のファイル名，画像を記録したデジタルカメラを識別する識別情報，画像をデジタルカメラを用いて記録した日時，画像のデータサイズの少なくとも一つを含む情報であるものとすることができる。
【００１０】
本発明の第２の印刷管理システムは、
画像を紙などの媒体に印刷する複数の印刷手段に割り振る印刷を管理する印刷管理システムであって、
印刷要請を受け付ける印刷要請受付手段と、
前記受け付けた印刷要請において前記複数の印刷手段のうちのいずれかに割り振られた割振済みの画像と同一の画像を含む画像の印刷が指定されたとき、少なくとも該同一の画像を含む画像の印刷を、対応する割振済みの画像が割り振られた印刷手段と同一の印刷手段に割り振る印刷割振手段と
を備えることを要旨とする。
【００１１】
この本発明の第２の印刷管理システムでは、印刷要請を受け付け、この受け付けた印刷要請において複数の印刷手段のいずれかに割り振られた割振済みの画像と同一の画像を含む画像の印刷が指定されたとき、この同一の画像が含まれる画像の印刷を対応する割振済みの画像を印刷した印刷手段と同一の印刷手段に割り振るから、同一の画像を含む画像を同一の品質で印刷することができ、ユーザに与える違和感をより少なくすることができる。また、他の画像の印刷を他の印刷手段に割り振るものとすれば、印刷要請を効率よく実行することができる。ここで、「割振済みの画像」は、印刷手段で印刷されたか否かは問わない。
【００１２】
こうした本発明の第２の印刷管理システムにおいて、前記印刷要請は、印刷すべき画像の識別情報を含み、前記割振済みの画像の識別情報と該割振済みの画像が割り振られた印刷手段とを記憶する情報記憶手段を備え、前記画像割振手段は、前記受け付けた印刷要請に基づいて印刷すべき画像のうち前記記憶された割振済みの画像の識別情報と同一の識別情報をもつ画像を含む画像の印刷を、前記記憶された対応する割振済みの画像が割り振られた印刷手段と同一の印刷手段に割り振る手段であるものとすることができる。こうすれば、情報記憶手段に記憶されている割振済みの画像の識別情報と一致する識別情報をもつ画像を含む画像の印刷を対応する割振済みの画像が印刷された印刷手段と同一の印刷手段に割り振るだけで、同一の画像を含む画像を均一な品質で印刷することができる。この態様の本発明の第２の印刷管理システムにおいて、前記識別情報は、画像のファイル名，画像を記録したデジタルカメラを識別する識別情報，画像をデジタルカメラを用いて記録した日時，画像のデータサイズの少なくとも一つを含む情報であるものとすることができる。この態様の本発明の第２の印刷管理システムにおいて、前記印刷要請は、画像の印刷を要請した顧客を識別する顧客識別情報を含み、前記情報記憶手段は、前記割振済みの画像における前記顧客識別情報を記憶する手段であり、前記画像割振手段は、前記受け付けた印刷要請に基づいて印刷すべき画像のうち前記記憶された割振済みの画像の識別情報と同一の識別情報をもつと共に前記記憶された割振済みの画像における顧客識別情報と同一の顧客識別情報をもつ画像を含む画像の印刷を、前記記憶された対応する割振済みの画像を印刷した印刷手段と同一の印刷手段に割り振る手段であるものとすることができる。
【００１３】
本発明の第３の印刷管理システムは、
画像を紙などの媒体に印刷する複数の印刷手段に割り振る印刷を管理する印刷管理システムであって、
ページおよび部数の設定をもって複数回の画像の印刷が指定可能な印刷要請を受け付ける印刷要請受付手段と、
前記受け付けた印刷要請における画像の印刷を印刷要請全体またはページを単位として前記複数の印刷手段のうちのいずれかに割り振る印刷割振手段と
を備えることを要旨とする。
【００１４】
この本発明の第３の印刷管理システムでは、ページと部数の設定をもって複数回の画像の印刷が指定可能な印刷要請を受け付け、この受け付けた印刷要請に対する画像の印刷を印刷要請またはページを単位として複数の印刷手段のうちのいずれかに割り振るから、同一印刷要請内で指定された複数回の印刷や同一ページ内の複数回の印刷を同一の印刷手段により行なわせることができる。即ち、微妙な色の相違を感じやすい同一の画像を同一の印刷手段により印刷することができる。
【００１５】
また、本発明の第１ないし第３の印刷管理システムにおいて、前記複数の印刷手段は、前記印刷管理システムからの印刷の割り振りを所定数まで受け付けて順次実行する手段であり、前記複数の印刷手段に割り振られている印刷数を検出する印刷数検出手段を備え、前記印刷割振手段は、前記検出された複数の印刷手段に各々割り振られている印刷数のいずれかが前記所定数未満のときを条件の一つとして印刷を割り振る手段であるものとすることができる。こうすれば、所定数を超えて印刷を割り振ることがない。この態様の本発明の第１ないし第３の印刷管理システムにおいて、前記印刷割振手段は、割り振られている印刷数が前記所定数未満の印刷手段が複数存在するときには印刷数が少ない印刷手段に割り振る手段であるものとすることができる。こうすれば、印刷を各印刷手段に均等に割り振ることができると共に印刷を効率よく実行させることができる。
【００１６】
本発明の印刷管理システムに用いられるプログラムは、
コンピュータを、上記各態様の本発明の第１ないし第３の印刷管理システムとして機能させることを要旨とする。
【００１７】
この本発明の印刷管理システムに用いられるプログラムでは、コンピュータを上記各態様の本発明の第１ないし第３の印刷管理システムとして機能させるから、本発明の印刷管理システムと同様の効果、例えば、違和感の感じやすい同一画像を含む画像を品質を均一で印刷することができる等の効果を奏することができる。
【００１８】
本発明の第１の印刷管理方法は、
画像を紙などの媒体に印刷する複数の印刷手段に割り振る印刷を管理する印刷管理方法であって、
（ａ）複数回の画像の印刷が指定された印刷要請を受け付け、
（ｂ）前記受け付けた印刷要請において複数回に亘って同一の画像を含む画像の印刷が指定されているとき、該少なくとも同一の画像を含む画像の印刷を同一の印刷手段に割り振ることを要旨とする。
【００１９】
この本発明の第１の印刷管理方法では、複数回の画像の印刷が指定された印刷要請を受け付け、この受け付けた印刷要請において複数回に亘って同一の画像を含む画像の印刷が指定されているとき、少なくとも同一の画像を含む画像の印刷を同一の印刷手段に割り振るから、微妙な色の相違を感じやすい同一画像を含む画像を均一な品質で印刷することができる。この結果、ユーザに与える違和感をより少なくすることができる。また、他の画像の印刷を他の印刷手段に割り振るものとすれば、印刷要請を効率よく実行することができる。
【００２０】
本発明の第２の印刷管理方法は、
画像を紙などの媒体に印刷する複数の印刷手段に割り振る印刷を管理する印刷管理方法であって、
（ａ）印刷要請を受け付け、
（ｂ）前記受け付けた印刷要請において前記複数の印刷手段のいずれかに割り振られた割振済みの画像と同一の画像を含む画像の印刷が指定されたとき、少なくとも該同一の画像を含む画像の印刷を、対応する割振済みの画像を印刷した印刷手段と同一の印刷手段に割り振ることを要旨とする。
【００２１】
この本発明の第２の印刷管理方法では、印刷要請を受け付け、この受け付けた印刷要請において複数の印刷手段のいずれかに割り振られた割振済みの画像と同一の画像を含む画像の印刷が指定されたとき、この同一の画像が含まれる画像の印刷を対応する割振済みの画像を印刷した印刷手段と同一の印刷手段に割り振るから、同一の画像を含む画像を同一の品質で印刷することができ、ユーザに与える違和感をより少なくすることができる。また、他の画像の印刷を他の印刷手段に割り振るものとすれば、印刷要請を効率よく実行することができる。ここで、「割振済みの画像」は、印刷手段で印刷されたか否かは問わない。
【００２２】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例を用いて説明する。図１は、本発明の一実施例であるフォトスタジオシステム１０の構成の概略を示す構成図である。フォトスタジオシステム１０は、２台のプリンタ５０，６０（これらを各々アッパプリンタ５０，ロアプリンタ６０と称することもある）に接続された実施例の印刷管理システムとして機能するプリントサーバ２０と、このプリンタサーバ２０に印刷ジョブを出力するクライアントコンピュータ３０とがＬＡＮ１２を介して接続されて構成されている。このフォトスタジオシステム１０は、地域毎に複数箇所に亘って設置されており、インターネット１６を介して接続されたセンタサーバ４０による管理を受けている。
【００２３】
プリントサーバ２０は、ＣＰＵ２０ａと中心とする一般のコンピュータとして構成されている。このＣＰＵ２０ａには、処理プログラムが記憶されたＲＯＭ２０ｂや一時的にデータを記憶するＲＡＭ２０ｃ，動作クロックを発生するクロックジェネレータ２０ｄ，ディスプレイ２２に接続されるコネクタを有するビデオボード２０ｅ，ＬＡＮケーブル１２に接続されるコネクタを有するＬＡＮボード２０ｆ，ハードディスク２３が接続された入出力コントローラ２０ｇなどがバス２０ｈを介して接続されている。ＬＡＮボード２０ｆにはＬＡＮケーブル１２を介してルータ１４が接続されており、プリントサーバ２０は、このルータ１４を介してインターネット１６に接続できるようになっている。
【００２４】
ハードディスク２３は、プリンタ５０，６０からのステータスデータを格納するステータスフォルダ２３ａや、クライアントコンピュータ３０から送られてくる印刷ジョブを格納するジョブフォルダ２３ｂ、処理プログラムを格納するプログラムフォルダ２３ｃ、アッパプリンタ５０，ロアプリンタ６０の各々に割り振る印刷最小単位のジョブ（用紙１枚に印刷できる印刷用データ）を印刷中のものを含めて２個までスプールするアッパスプーラ２３ｄ，ロアスプーラ２３ｅ、１または２以上の画像を印刷用紙にレイアウトする際のレイアウトテンプレートを格納するテンプレートフォルダ２３ｆなどを有している。
【００２５】
ハードディスク２３が有するステータスフォルダ２３ａに格納されるステータスデータは、プリンタ５０，６０の各々で装着可能な用紙サイズ（Ａ４，Ａ３，Ａ３ノビなど）や用紙タイプ（マット（ｍａｔｔｅ），ラスタ（ｌｕｓｔｅｒ）など）や、プリンタ５０，６０の各々で現在装着されている用紙サイズや用紙タイプ、プリンタ５０，６０各々のＩＣＣプロファイル、アッパスプーラ２３ｄ，ロアスプーラ２３ｅに現在蓄えられているジョブの数（スプール数）などが含まれている。
【００２６】
ハードディスク２３が有するジョブフォルダ２３ｂに格納される印刷ジョブは、印刷すべき画像データからなる画像ファイルと、用紙サイズや用紙タイプ，画像のレイアウト，印刷するプリンタの指定，印刷ページ数および各ページ毎のコピー数，画像ファイルの格納場所を示すパス名を含む画像ファイル名などの印刷管理データが記述された印刷管理ファイルと、ＩＣＣプロファイルなどが含まれている。
【００２７】
ハードディスク２３が有するプログラムフォルダ２３ｃには、プリンタ５０，６０の各々を制御するプリンタドライバや使用するプリンタのＩＣＣプロファイルと画像データのＩＣＣプロファイルとに基づいて色補正テーブルを作成すると共に作成した色補正テーブルを用いて画像データの色補正を行なうカラーコンバータ、各種情報を閲覧するためのＷｅｂブラウザなどが含まれている。
【００２８】
なお、プリンタ５０，６０は、プリントサーバ２０と共に同一の筐体に収納さており、それぞれ上段と下段に配置されている。上段に配置されているプリンタ５０は、２つの用紙カセット５１，５２を備えており、２つの用紙カセット５１，５２のうち指定されたサイズおよびタイプの用紙が納められたカセットからの給紙を受けて印刷を行なう。また、下段に配置されているプリンタ６０も、同様に２つの用紙カセット６１，６２を備えており、２つの用紙カセット６１，６２のうち指定されたサイズおよびタイプの用紙が納められたカセットからの給紙を受けて印刷を行なう。
【００２９】
クライアントコンピュータ３０は、ＣＰＵ３０ａと中心とする一般のコンピュータとして構成されている。このＣＰＵ３０ａには、処理プログラムが記憶されたＲＯＭ３０ｂや一時的にデータを記憶するＲＡＭ３０ｃ，動作クロックを発生するクロックジェネレータ３０ｄ，ディスプレイ３２に接続されるコネクタを有するビデオボード３０ｅ，ＬＡＮケーブル１２に接続されるコネクタを有するＬＡＮボード３０ｆ，ハードディスク３３が接続された入出力コントローラ３０ｇなどがバス３０ｈを介して接続されている。入出力コントローラ３０ｇは、デジタルスチルカメラ３５などの周辺機器がＵＳＢインタフェースケーブルなどを介して接続できるようになっている。また、ＬＡＮボード３０ｆにはＬＡＮケーブル１２を介してルータ１４が接続されており、クライアントコンピュータ３０は、このルータ１４を介してインターネット１６に接続できるようになっている。
【００３０】
ハードディスク３３は、プリントサーバ２０から定期的に或いは要求により送られてくるプリンタ５０，６０のステータスデータや印刷ジョブに関する情報を格納するステータスフォルダ３３ａやＵＳＢケーブルなどで接続されたデジタルスチルカメラ３５内に記録されているデジタル画像を取得して格納する画像フォルダ３３ｂ、処理プログラムを格納するプログラムフォルダ３３ｃなどを有している。
【００３１】
ハードディスク３３が有するプログラムフォルダ３３ｃには、画像フォルダ３３ｂに格納されているデジタル画像のイメージにトリミング，ゴミ取りシワ取りなどの補正，カラー調整などのエンハンスを施す機能を有するフォトレタッチソフトや、プリントサーバ２０のテンプレートフォルダ２３ｆに格納されているレイアウトテンプレートをプリントサーバ２０から読み込むと共にこの読み込んだレイアウトを用いて画像フォルダ３３ｂに格納されているデジタル画像のイメージを印刷用紙にレイアウトし、印刷ジョブを作成してプリントサーバ２０に出力する機能を有するレイアウト編集ソフト、プリントサーバ２０やセンタサーバ４０から提供されるページを閲覧するためのＷｅｂブラウザなどが格納されている。
【００３２】
センタサーバ４０は、複数箇所に設置されているフォトスタジオシステム１０の稼働状態を集中的に管理するサーバとして構成されており、インターネット１６を介してプリントサーバ２０やクライアントコンピュータ３０から印刷に関する情報を定期的に取得してデータベース化して保存すると共に、プリントサーバ２０やクライアントコンピュータ３０からの要求に応じてデータベースに保存している印刷に関する情報を提供する。
【００３３】
次に、こうして構成されたフォトスタジオシステム１０におけるクライアントコンピュータ３０側の動作について説明する。まず、クライアントコンピュータ３０は、デジタルスチルカメラ３５が接続されてオペレータによる画像の取り込み操作がなされると、デジタルカメラ３０に記録されている画像データをハードディスク３３の画像フォルダ３３ｂ内に格納する。クライアントコンピュータ３０は、レタッチソフトが起動されと、オペレータのレタッチ操作に応じて画像フォルダ３３ｂに格納されている画像ファイルのイメージに対して対応するレタッチ処理を施す。また、レイアウト編集ソフトが起動されると、オペレータのレイアウト操作に応じて所望のレイアウトの写真枠に画像フォルダ３３ｂに格納されている画像ファイルのイメージを貼り付けると共に印刷を指示する操作がなされたときにこのレイアウトで印刷されるよう印刷ジョブを作成してプリントサーバ２０に出力する。図２は、レイアウト編集ソフトが起動されたときにクライアントコンピュータ３０のディスプレイ３２に表示されるレイアウト編集画面７０の一例を示す説明図である。
【００３４】
レイアウト編集画面７０は、図２に示すように、画像フォルダ３３ｂ内にあるフォルダを表示するフォルダ表示欄７１やフォルダ表示欄７１に表示されているフォルダのうち選択されたフォルダに格納されている画像ファイルのイメージをサムネイル表示するサムネイル表示欄７２、サムネイル表示欄７２に表示されている画像ファイルのイメージをドラッグアンドドロップによりレイアウト７７ａ上の任意の写真枠に貼り付けるレイアウト作業欄７３と、印刷を指示するためのプリントボタン７８とが設けられている。レイアウト作業欄７３には、印刷条件を選択するための各種選択欄が設けられており、例えば、用紙サイズや用紙タイプを選択するための用紙サイズ選択欄７４ａや用紙タイプ選択欄７４ｂ、プリントサーバ２０に接続されている２台のプリンタ５０，６０のうち印刷するプリンタを指定するためのプリンタ指定欄７５、レイアウト作業欄７３で表示されているレイアウト７７ａで画像を印刷する部数（コピー数）を選択するための部数選択欄７６、複数のレイアウトテンプレートの中から所望のレイアウトを選択するためのレイアウト選択欄７７とが設けられている。これらの選択欄における選択はポップアップメニューを用いて行なうことができるようになっている。プリンタ指定欄７５は、実施例では、「アッパプリンタ」、「ロアプリンタ」、「指定なし」の中から選択できるようになっている。
【００３５】
こうしたレイアウト編集画面７０上で、サムネイル表示欄７２に表示されているイメージをテンプレート選択欄７７で選択されたレイアウト７７ａ上の任意の写真枠に貼り付けると共に上記の各選択欄で印刷条件の選択が行なわれてプリントボタン７８が押されると、クライアントコンピュータ３０は、レイアウト編集画面７０上で選択された印刷条件を用いて印刷ジョブを作成してプリントサーバ２０に送信する。
【００３６】
続いて、フォトスタジオシステム１０におけるプリントサーバ２０側の動作について説明する。プリントサーバ２０側の動作としては、図３に例示する印刷ジョブ受付処理や図５および図６に例示する印刷割振処理がある。以下、これらを順に説明する。
【００３７】
印刷ジョブ受付処理は、クライアントコンピュータ３０から印刷ジョブを送信する信号を受信したときに実行される。印刷ジョブ受付処理では、図３に示すように、クライアントコンピュータ３０から送信された印刷ジョブを受信し（ステップＳ１００）、受信した順に印刷ジョブにジョブＩＤを付与すると共に（ステップＳ１０２）、印刷ジョブを印刷最小単位で分割し（ステップＳ１０４）、分割した印刷ジョブ（以下、これを分割ジョブと称する）をハードディスク２３のジョブフォルダ２３ｂに格納する処理を行なって（ステップＳ１０６）、終了する。ここで、印刷最小単位は、用紙１枚の印刷に相当する単位を意味する。ステップＳ１０６の処理では、ステップＳ１００で受信した印刷ジョブに含まれる印刷管理ファイルに基づいて、印刷最小単位で分割された分割ジョブ毎に新たに印刷管理ファイルが作成されてジョブフォルダ２３ｂに格納される。なお、ステップＳ１００で受信した印刷ジョブがすでに印刷最小単位のジョブであるときには印刷ジョブは分割されないが、この場合でもステップＳ１０４の処理を経た印刷ジョブは分割ジョブと呼ぶことにする。
【００３８】
図４に、ジョブフォルダ２３ｂに格納される印刷管理ファイルの印刷管理データの一例を示す。図４に示すように、印刷管理データには、「ジョブＩＤ」や、顧客を識別する「カスタマーＩＤ」、分割ジョブが受信した印刷ジョブの何ページ目に相当するものかを識別する「ページ番号」、分割ジョブが受信した印刷ジョブの何部目に相当するものかを識別する「コピー番号」、「用紙サイズ」、「用紙タイプ」、テンプレートフォルダ２３ｆに格納されているレイアウトテンプレートのうち指定されたテンプレートを識別する「レイアウト番号」，「指定プリンタ名」，分割ジョブが実際に割り振られたプリンタを識別する「割振プリンタ名」，画像ファイルの格納場所を示すパス名を含む「画像ファイル名」，分割ジョブの「実行状態」などが含まれている。なお、同一の印刷ジョブから分割された分割ジョブは同一のジョブＩＤをもつことになるが、分割ジョブの各々は、「ページ番号」，「コピー番号」により識別される。印刷管理ファイルに記述されるパラメータのうち「カスタマーＩＤ」，「用紙サイズ」，「用紙タイプ」，「レイアウト番号」，「指定プリンタ名」は、オペレータの操作に応じてクライアントコンピュータ３０によって設定され、「ジョブＩＤ」，「ページ番号」，「コピー番号」，「割振プリンタ名」，「実行状態」は、分割ジョブの処理に応じてプリントサーバ２０によって設定される。なお、ジョブフォルダ２３ｂに格納された分割ジョブは、所定の頻度（例えば、５秒）でプリンタ５０，６０に現在セットされている用紙のサイズやタイプなどに基づいて印刷可能であるか否かがチェックされ、印刷可能であるときに「実行状態」として印刷待ち状態が書き込まれ、印刷可能でないときに「実行状態」としてポーズ状態が書き込まれる。
【００３９】
印刷割振処理は、所定時間毎（例えば、１０秒毎）に繰り返し実行される。この印刷割振処理は、図５および図６に示すように、まず、ステータスフォルダ２３ａに格納されているプリンタ５０，６０のステータスデータにおけるアッパスプーラ２３ｄ、ロアスプーラ２３ｅに蓄えられている分割ジョブのスプール数Ｎａ，Ｎｂを読み込み（ステップＳ１１０）、読み込んだスプール数Ｎａ，Ｎｂが値１以下であるか否かを判定する（ステップＳ１１２）。前述したように、アッパスプーラ２３ｄ，ロアスプーラ２３ｅは、それぞれ印刷中の印刷用データを含めてＣＭＹＫデータに変換された印刷用データを２個ずつ蓄えることができるから、ステップＳ１１２の処理は、アッパスプーラ２３ｄ，ロアスプーラ２３ｅに印刷用データを蓄えるための空きがあるか否かの判定となる。アッパスプーラ２３ｄ，ロアスプーラ２３ｅに印刷用データを蓄える空きがないときには、分割ジョブの割り振りはできないと判断して印刷割振処理を終了する。
【００４０】
アッパスプーラ２３ｄ，ロアスプーラ２３ｅのいずれかに印刷用データを蓄える空きがあると判定されたときには、次に処理すべき分割ジョブの印刷管理ファイルから印刷管理データを読み込み（ステップＳ１１６）、読み込んだ印刷管理データを解析し、（ステップＳ１１８）、印刷するプリンタの指定があるか否かを判定する（ステップＳ１２０）。プリンタの指定がないと判定されたときには、ジョブフォルダ２３ｂの中から、印刷管理データの「実行状態」に後述する割振済み状態または印刷済み状態が書き込まれている分割ジョブのうち、次に処理すべき分割ジョブと「画像ファイル名」および「カスタマーＩＤ」が一致する分割ジョブを検索して（ステップＳ１２２）、一致する分割ジョブがあるか否かを判定する（ステップＳ１２４）。一致するジョブがあるときには、このジョブが割り振られたプリンタのスプーラのスプール数が値１以下であるか否か、即ち印刷用データを蓄える空きがあるか否かを判定し（ステップＳ１２６）、空きがあるときには一致するジョブが割り振られたプリンタと同一のプリンタに次に処理すべき分割ジョブを割り振ると共に分割ジョブの実行状態を割振済み状態に設定する（ステップＳ１２８）。即ち、プリンタ５０，６０のいずれかに既に割り振られた分割ジョブのうち次に処理する分割ジョブと同一の「カスタマーＩＤ」，「画像ファイル名」をもつ分割ジョブがあると、この分割ジョブが割り振られたプリンタ（「割振プリンタ名」）と同一のプリンタを使用して次に処理する分割ジョブの印刷を行なうのである。これは、用紙に画像を印刷する際に再現される色はプリンタ毎に若干相違するため、同一の顧客の同一の画像の印刷を異なるプリンタに割り振ると、顧客は印刷物の色の相違を違和感として感じやすいことに基づいている。したがって、同一の画像を複数部に亘って印刷する場合や過去に印刷した画像と同一の画像を再印刷する場合に、同一のプリンタを使用して印刷することにより印刷物の品質を均一化することができるのである。実施例では、１枚の用紙に複数の画像をレイアウトしたときには、そのうちの一つの「画像ファイル名」が一致していれば、同一のプリンタに割り振るものとした。分割ジョブがプリンタに割り振られると、割振済みの状態の設定と共に割り振られたプリンタ名が「割振プリンタ名」として書き込まれる。
【００４１】
ステップＳ１２６の処理において「画像ファイル名」と「カスタマーＩＤ」とが一致する分割ジョブはあるが、この分割ジョブが割り振られたプリンタのスプール数が値１以下でないときには分割ジョブの割り振りができないと判断してステップＳ１１４の処理に戻る。
【００４２】
ステップＳ１２４の処理において「画像ファイル名」と「カスタマーＩＤ」とが一致する分割ジョブがないときには、空きのあるプリンタに分割ジョブを割り振ると共に分割ジョブの状態を割振済み状態に設定する（ステップＳ１３０）。このとき、割振済みの状態の設定と共に割り振られたプリンタ名も記憶される。
【００４３】
ステップＳ１２０の処理において読み込まれた分割ジョブの印刷管理データにプリンタ指定があるときには、指定されたプリンタのスプール数が値１以下であるか否か、即ちそのスプーラに印刷用データを蓄える空きがあるか否かを判定し（ステップＳ１３２）、空きがあるときには、そのジョブを指定されたプリンタに割り振ると共にそのジョブを割振済み状態に設定し（ステップＳ１３４）、空きがないときには、そのジョブの割り振りはできないと判断してステップＳ１１４の処理に戻る。このときも、割振済み状態の設定と共に割り振られたプリンタ名も記憶される。一方、空きがないときには、分割ジョブの割り振りはできないと判断してステップＳ１１４の処理に戻る。
【００４４】
こうして分割ジョブがプリンタに割り振られると、割り振られたプリンタのＩＣＣプロファイルを用いて割り振られた分割ジョブの画像データを色補正し（ステップＳ１３６）、色補正された画像データを、分割ジョブが割り振られたプリンタのプリンタドライバによってＣＭＹＫデータへの色変換やハーフトーニングなどを施してプリンタで解釈可能な印刷用データに変換し（ステップＳ１３８）、分割ジョブが割り振られたプリンタのスプーラに出力して（ステップＳ１４０）、印刷割り振り処理を終了する。アッパスプーラ２３ｄ，ロアスプーラ２３ｅは、現在印刷している分割ジョブの印刷を終了すると、蓄えている分割ジョブとしての印刷用データをプリンタ５０，６０に出力して印刷を開始させると共に分割ジョブの実行状態を割振済み状態から印刷中状態に設定する。分割ジョブの実行が終了すると、終了したジョブの状態の設定を印刷実行中から印刷済みの状態に変更する。
【００４５】
分割ジョブの実行状態は、プリントサーバ２０やクライアントコンピュータ３０からの要求に応じてＷｅｂページとして提供される。図７は、プリントサーバ２０のディスプレイ２２やクライアントコンピュータ３０のディスプレイ３２に表示されるジョブ実行状態表示画面８０の一例を示す説明図である。ジョブ実行状態表示画面８０は、ジョブＩＤを表示するジョブＩＤ表示欄８１と、ジョブＩＤにおけるページ番号を表示するページ番号表示欄８２と、ジョブＩＤにおけるコピー番号を表示するコピー番号表示欄８３と、印刷する画像ファイル名を表示するファイル名表示欄８４と、分割ジョブの実行状態を表示する実行状態表示欄８５と、カスタマーＩＤを表示するカスタマーＩＤ表示欄８６と、用紙のサイズやタイプを表示する用紙種類表示欄８７と、指定されたプリンタ名を表示する指定プリンタ名表示欄８８ａおよび実際に割り振られたプリンタ名を表示する割振プリンタ名表示欄８８ｂと、選択入力を受け付ける「更新」ボタン８９とにより構成されている。ジョブ実行状態表示画面８０では、紙面に分かりやすく表示する必要から、印刷ジョブの実行状態表示欄８５には、印刷実行中に対応する「印刷中」，割振済み状態に対応する「次の印刷」，印刷待ち状態に対応する「印刷待ち」，ポーズ状態に対応する「ポーズ」，印刷済み状態に対応する「印刷済み」の各々に対するマークを表示するものとしたが、実際には、「印刷中」に対しては緑色の点滅，「次の印刷」に対しては緑色のマーク，「印刷待ち」に対しては黄色のマーク，「ポーズ」に対してはオレンジ色のマーク，「印刷済み」に対しては黒色のマークなどのように、マークのカラー表示により識別可能になっている。指定プリンタ名表示欄８８ａには、プリンタの指定がないときには「オート」と表示される。
【００４６】
図７に示すように、ジョブ実行状態表示画面８０のジョブＩＤが「００２５」の印刷ジョブは３ページを１部ずつ印刷するから３つの分割ジョブとして分割され各分割ジョブはページ番号，コピー番号で区別される。このうちジョブＩＤ「００２５」，ページ番号「０３」，コピー番号「０１」の分割ジョブは、印刷する画像ファイル名が「ａａａａ．ｔｉｆ」，カスタマーＩＤが「００３１」であり、これはジョブＩＤ「００２１」，ページ番号「０１」，コピー番号「０１」の分割ジョブと同一であるから、この分割ジョブで割り振られたプリンタ「ロアプリンタ」と同一のロアプリンタが割り振られている。また、ジョブＩＤ「００２８」，ページ番号「０１」，コピー番号「０１」（１部目）の分割ジョブは、その画像ファイル名が「ｄｄｄｄ．ｔｉｆ」，カスタマーＩＤが「０１０５」であり、これはジョブＩＤ「００２４」，ページ番号「０１」，コピー番号「０１」の分割ジョブの画像ファイル名「ｄｄｄｄ．ｔｉｆ／ｅｅｅｅ．ｔｉｆ」の一つと同一でありカスタマーＩＤ「０１０５」も同一であるから、ジョブＩＤ「００２４」，ページ番号「０１」，コピー番号「０１」の分割ジョブが割り振られたプリンタ「ロアプリンタ」と同一のロアプリンタが割り振られることになる。勿論、ジョブＩＤ「００２８」，ページ番号「０１」，コピー番号「０２」〜「０４」（２部目〜４部目）の分割ジョブについても、１部目の分割ジョブと画像ファイル「ｄｄｄｄ．ｔｉｆ」，カスタマーＩＤ「０１０５」が同一であるから１部目の分割ジョブと同一のロアプリンタが割り振られることになる。
【００４７】
以上説明した実施例のプリントサーバ２０によれば、同一の顧客が複数回に亘って同一の画像を含む画像を印刷するときや同一の顧客が過去に印刷したことのある画像と同一の画像を含む画像を印刷するときには、これらを同一のプリンタに割り振るから、顧客にとって違和感を感じやすい同一の画像を均一な品質で印刷することができる。もとより、他の画像については２台のプリンタ５０，６０のうち空きがあるプリンタに割り振るから、画像の印刷を２台のプリンタ５０，６０を用いて効率よく実行させることができる
【００４８】
ここで、図３の印刷ジョブ受付処理を実行するプリントサーバ２０のＣＰＵ２０ａが印刷要請受付手段に相当し、図５および図６の印刷割振処理を実行するプリントサーバ２０のＣＰＵ２０ａが印刷割振手段に相当する。
【００４９】
実施例のプリントサーバ２０では、用紙１枚に印刷する画像のうちの一つが一致する分割ジョブを同一のプリンタで印刷させるものとしたが、印刷する画像が完全に同一の分割ジョブのみを同一のプリンタで印刷させるものとしてもよい。
【００５０】
実施例のプリントサーバ２０では、「カスタマーＩＤ」が一致していることを条件として同一の画像を含む画像の印刷を同一のプリンタで行なうものとしたが、「カスタマーＩＤ」が一致しているか否かに拘わらず同一の画像を含む画像の印刷を同一のプリンタで行なうものとしてもよい。
【００５１】
実施例のプリントサーバ２０では、画像ファイル名をキーとして同一の画像の印刷か否か判定するものとしたが、例えば、画像ファイルのデータサイズやデジタルスチルカメラ３５でその画像を記録した日時、デジタルスチルカメラ３５に割り当てられている識別情報などをキーとして同一の画像か否かを判定するものとしてもよい。勿論、これらのうちの複数を組み合わせて判定するものとしてもよい。
【００５２】
実施例のプリントサーバ２０では、印刷するプリンタの指定としてアッパスプーラ２３ｄ，ロアスプーラ２３ｅ，指定なしを選択できるものとしたが、印刷ジョブのプリンタへの割り振りの単位を「ジョブ単位」や「ページ単位」とする選択を行なえるようにするものとしてもよい。即ち、プリンタ指定として「ジョブ単位」が選択されると、同一のジョブＩＤが付与された印刷ジョブのすべてのページや部数の印刷を同一のプリンタに割り振り、プリンタ指定として「ページ単位」が選択されると、同一のジョブＩＤが付与された印刷ジョブの同一のページのすべての部数を同一のプリンタに割り振るものとしてもよい。ジョブ単位でプリンタを割り振る場合、図３の印刷ジョブ受付処理で受信した印刷ジョブの分割を行なわずにジョブ単位で図５および図６の印刷割振処理を実行し、ページ単位でプリンタを割り振る場合、図３の印刷ジョブ受付処理で受信した印刷ジョブをページ単位で分割してページ単位で図５および図６の印刷割振処理を実行するものとすればよい。
【００５３】
実施例のプリントサーバ２０では、アッパスプーラ２３ｄ，ロアスプーラ２３ｅに蓄えることができる印刷用データの数を印刷中のものを含めて２個までとしたが、１つとしてもよいし、３つ以上の数としてもよい。３つ以上の数とする場合、印刷割振処理における割り振りは、スプール数Ｎａ，Ｎｂのうち小さい方を優先して割り振るものとしてもよい。これにより、ジョブの実行をより効率的なものとすることができる。
【００５４】
実施例では、同一の画像を含む画像を同一のプリンタに割り振る処理をプリントサーバ２０で実行するものとしたが、その一部をクライアントコンピュータ３０で実行するものとしてもよい。例えば、レイアウト編集画面７０上でプリントボタン７８が押されたときに、プリントサーバ２０のジョブフォルダ２３ｂに格納されている印刷管理データをプリントサーバ２０から読み出し、読み出した印刷管理データの「実行状態」や「画像ファイル名」，「カスタマーＩＤ」，「割振プリンタ名」から、「実行状態」が割振済み状態または印刷済みの分割ジョブのうち「画像ファイル名」と「カスタマーＩＤ」とが一致する分割ジョブがあるときに、この分割ジョブで割り振られたプリンタ（「割振プリンタ名」）と同一のプリンタを指定プリンタとして印刷ジョブを作成しこれをプリントサーバ２０に出力することにより行なうことができる。
【００５５】
実施例では、本発明の実施の形態の一つとして印刷管理システムとして機能するプリントサーバ２０について説明したが、印刷を管理する印刷管理方法の形態としてもよいし、コンピュータを印刷管理システムとして機能するプリントサーバとして機能させるプログラムの形態とするものとしてもよい。このプログラムの形態とする場合、実施例のプリントサーバ２０で実行する印刷ジョブ受付処理や印刷割振処理の各処理を適当なプログラミング言語でプログラムするものとすればよい。
【００５６】
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図１】フォトスタジオシステム１０の構成の概略を示す構成図。
【図２】レイアウト編集画面７０の一例を示す説明図。
【図３】印刷ジョブ受付処理の一例を示すフローチャート。
【図４】印刷管理ファイルの一例を示す説明図。
【図５】印刷割振処理の一例を示すフローチャートの前半部分。
【図６】印刷割振処理の一例を示すフローチャートの後半部分。
【図７】ジョブ実行状態表示画面８０の一例を示す説明図。
【符号の説明】
１０ フォトスタジオシステム、１２ ＬＡＮケーブル、１４ ルータ、１６インターネット、２０ プリントサーバ、２０ａ ＣＰＵ、２０ｂ ＲＯＭ、２０ｃ ＲＡＭ、２０ｄ クロックジェネレータ、２０ｅ ビデオボード、２０ｆ ＬＡＮボード、２０ｇ 入出力コントローラ、２０ｈ バス、２２ ディスプレイ、２３ ハードディスク、２３ａ ステータスフォルダ、２３ｂ ジョブフォルダ、２３ｃ プログラムフォルダ、２３ｄ テンプレートフォルダ、２３ｅ アッパスプーラ、２３ｆ ロアスプーラ、３０ クライアントコンピュータ、３０ａ ＣＰＵ、３０ｂ ＲＯＭ、３０ｃ ＲＡＭ、３０ｄ クロックジェネレータ、３０ｅ ビデオボード、３０ｆ ＬＡＮボード、３０ｇ 入出力コントローラ、３０ｈ バス、３２ ディスプレイ、３３ ハードディスク、３３ａ ステータスフォルダ、３３ｂ 画像フォルダ、３３ｃ プログラムフォルダ、３５ デジタルカメラ、５０ アッパプリンタ、５１，５２ 用紙カセット、６０ロアプリンタ、６１，６２ 用紙カセット、７０ レイアウト編集画面、７１フォルダ表示欄、７２ サムネイル表示欄、７３ レイアウト作業欄、７４ａ用紙サイズ選択欄、７４ｂ 用紙タイプ選択欄、７５ プリンタ指定欄、７６部数選択欄、７７ レイアウトテンプレート選択欄、７７ａ レイアウト画面、７８ プリントボタン、８０ ジョブ実行状態表示画面、８１ ジョブＩＤ表示欄、８２ ページ番号表示欄、８３ コピー番号表示欄、８４ 画像ファイル名表示欄、８５ 実行状態表示欄、８６ ＩＤ表示欄、８７ 用紙種類表示欄、８８ プリンタ名表示欄、８９ 更新ボタン。
Claims (13)
- 画像を紙などの媒体に印刷する複数の印刷手段に割り振る印刷を管理する印刷管理システムであって、
複数回の画像の印刷が指定された印刷要請を受け付け可能な印刷要請受付手段と、
前記受け付けた印刷要請において複数回に亘って同一の画像を含む画像の印刷が指定されたとき、少なくとも該同一の画像を含む画像の印刷を同一の印刷手段に割り振る印刷割振手段と
を備える印刷管理システム。 - 請求項１記載の印刷管理システムであって、
前記印刷要請は、印刷すべき画像の識別情報を含み、
前記印刷割振手段は、前記識別情報が同一の画像が含まれる画像の印刷を同一の印刷手段に割り振る手段である
印刷管理システム。 - 請求項２記載の印刷管理システムであって、
前記識別情報は、画像のファイル名，画像を記録したデジタルカメラを識別する識別情報，画像をデジタルカメラを用いて記録した日時，画像のデータサイズの少なくとも一つを含む情報である
印刷管理システム。 - 画像を紙などの媒体に印刷する複数の印刷手段に割り振る印刷を管理する印刷管理システムであって、
印刷要請を受け付ける印刷要請受付手段と、
前記受け付けた印刷要請において前記複数の印刷手段のうちのいずれかに割り振られた割振済みの画像と同一の画像を含む画像の印刷が指定されたとき、少なくとも該同一の画像を含む画像の印刷を、対応する割振済みの画像が割り振られた印刷手段と同一の印刷手段に割り振る印刷割振手段と
を備える印刷管理システム。 - 請求項４記載の印刷管理システムであって、
前記印刷要請は、印刷すべき画像の識別情報を含み、
前記割振済みの画像の識別情報と該割振済みの画像が割り振られた印刷手段とを記憶する情報記憶手段を備え、
前記画像割振手段は、前記受け付けた印刷要請に基づいて印刷すべき画像のうち前記記憶された割振済みの画像の識別情報と同一の識別情報をもつ画像を含む画像の印刷を、前記記憶された対応する割振済みの画像が割り振られた印刷手段と同一の印刷手段に割り振る手段である
印刷管理システム。 - 請求項５記載の印刷管理システムであって、
前記識別情報は、画像のファイル名，画像を記録したデジタルカメラを識別する識別情報，画像をデジタルカメラを用いて記録した日時，画像のデータサイズの少なくとも一つを含む情報である
印刷管理システム。 - 請求項６記載の印刷管理システムであって、
前記印刷要請は、画像の印刷を要請した顧客を識別する顧客識別情報を含み、
前記情報記憶手段は、前記割振済みの画像における前記顧客識別情報を記憶する手段であり、
前記画像割振手段は、前記受け付けた印刷要請に基づいて印刷すべき画像のうち前記記憶された割振済みの画像の識別情報と同一の識別情報をもつと共に前記記憶された割振済みの画像における顧客識別情報と同一の顧客識別情報をもつ画像を含む画像の印刷を、前記記憶された対応する割振済みの画像を印刷した印刷手段と同一の印刷手段に割り振る手段である
印刷管理システム。 - 画像を紙などの媒体に印刷する複数の印刷手段に割り振る印刷を管理する印刷管理システムであって、
ページおよび部数の設定をもって複数回の画像の印刷が指定可能な印刷要請を受け付ける印刷要請受付手段と、
前記受け付けた印刷要請における画像の印刷を印刷要請全体またはページを単位として前記複数の印刷手段のうちのいずれかに割り振る印刷割振手段と
を備える印刷管理システム。 - 請求項１ないし８いずれか記載の印刷管理システムであって、
前記複数の印刷手段は、前記印刷管理システムからの印刷の割り振りを所定数まで受け付けて順次実行する手段であり、
前記複数の印刷手段に割り振られている印刷数を検出する印刷数検出手段を備え、
前記印刷割振手段は、前記検出された複数の印刷手段に各々割り振られている印刷数のいずれかが前記所定数未満のときを条件の一つとして印刷を割り振る手段である
印刷管理システム。 - 請求項９記載の印刷管理システムであって、
前記印刷割振手段は、割り振られている印刷数が前記所定数未満の印刷手段が複数存在するときには印刷数が少ない印刷手段に割り振る手段である
印刷管理システム。 - コンピュータを請求項１ないし１０いずれか記載の印刷管理システムとして機能させるプログラム。
- 画像を紙などの媒体に印刷する複数の印刷手段に割り振る印刷を管理する印刷管理方法であって、
（ａ）複数回の画像の印刷が指定された印刷要請を受け付け、
（ｂ）前記受け付けた印刷要請において複数回に亘って同一の画像を含む画像の印刷が指定されたとき、少なくとも該同一の画像を含む画像の印刷を同一の印刷手段に割り振る
印刷管理方法。 - 画像を紙などの媒体に印刷する複数の印刷手段に割り振る印刷を管理する印刷管理方法であって、
（ａ）印刷要請を受け付け、
（ｂ）前記受け付けた印刷要請において前記複数の印刷手段のいずれかに割り振られた割振済みの画像と同一の画像を含む画像の印刷が指定されたとき、少なくとも該同一の画像を含む画像の印刷を、対応する割振済みの画像を印刷した印刷手段と同一の印刷手段に割り振る
印刷管理方法。
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