JP2004309851A - 光分波合波器 - Google Patents

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郁人 大山
Takashi Fukuzawa
隆 福澤
Minoru Taniyama
実 谷山
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Abstract

【課題】2つのレンズを同軸上に配列しても低結合損失が得られる光学系を採用することで、2つのレンズの位置調整を不要にでき、製造が容易であり、安価で信頼性の高い光分波合波器を提供すること。
【解決手段】光分波合波器20は、2芯光ファイバコリメータ22と単芯光ファイバコリメータ21とを備え、コリメータ22のロッドレンズ24の一端面24aにフィルタチップ25が固定されている。一端面24aの角度θ2は、共通ポート37から入りフィルタチップ25を透過した光が、ロッドレンズ23から、透過ポート39に通じる光ファイバ26に光軸Cの位置でかつ光軸Cに平行に出射するように設定されている。この設定により、ロッドレンズ23,24を同軸上に配列したまま、フィルタチップ25の透過光および反射光はそれぞれ、光ファイバ26,29に最大の結合効率で結合する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、波長多重(WDM)伝送方式等の光通信システムに用いる光分波合波器に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記光通信システムでは、波長の異なる複数の光信号を一つの光ファイバに合波(結合)する機能と、光ファイバを伝送されてきた波長多重信号を各波長毎に分波(分離)する機能とをもつ光分波合波器が用いられる。
【0003】
従来の光分波合波器として、2つの屈折率分布型ロッドレンズの対向する端面の一方に波長選択特性を有するフィルタチップを貼り付けたWDMカプラが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図17は、特許文献1のFig.2Bに示された光分波合波器としてのWDMカプラを示している。このWDMカプラは、2つの屈折率分布型ロッドレンズ(GRINレンズ)110,160と、2芯光ファイバチップ(2芯光ファイバピグテイル)135と、単芯光ファイバチップ(単芯光ファイバピグテイル)175とを備えている。屈折率分布型ロッドレンズ(以下、単に「ロッドレンズ」という)110,160はそれぞれ、光軸に垂直な平坦面と、光軸に垂直な面に対して傾いた斜め面とを有する。ロッドレンズ110の平坦面には、波長選択特性を有するフィルタチップ(WDMフィルタ)105が貼り付けられている。
【0005】
また、このWDMカプラは、ロッドレンズ110を保持する第1チューブ120と、2芯光ファイバチップ135を保持する第2チューブ130と、ロッドレンズ160を保持する第3チューブ165と、単芯光ファイバチップ175を保持する第4チューブ180とを備えている。
【0006】
このWDMカプラは、次の手順で作製される。
a)接着剤が光路内に入らないようにフィルタチップ105をロッドレンズ110の平坦面に接着剤で固定する。
【0007】
b)ロッドレンズ110を第1チューブ120に挿入し接着剤で固定する。
c)2芯光ファイバチップ135を第2チューブ130に挿入し、調整台上で2芯光ファイバチップ135とロッドレンズ110の相対位置を、反射結合損失が最適となるように調整する(XYZ軸の調芯)。
【0008】
d)第2チューブ130と第1チューブ120の各端面が接するまで第2チューブ130をZ軸方向に動かし、両チューブ120,130を接着剤で固定するとともに、2芯光ファイバチップ135を第2チューブ130に接着剤で固定する。
【0009】
e)ロッドレンズ160を第3チューブ165に挿入し接着剤で固定する。
f)単芯光ファイバチップ175を第4チューブ180に挿入し接着剤で固定する。
【0010】
g)第1チューブ120、第3チューブ165および第4チューブ180を調整台上に配置する。
h)ロッドレンズ110,160の相対位置を調整する(XY軸の調芯)とともに、ロッドレンズ160と単芯光ファイバチップ175の相対位置を調整する(XYZ軸の調芯)。
【0011】
i)その調整後、単芯光ファイバチップ175を第4チューブ180に接着剤で固定するとともに、第4チューブ180を第3チューブ165に接着剤で固定する。
【0012】
j)最後に、第3チューブ165を第1チューブ120に接着剤で固定する。
【0013】
【特許文献1】
米国特許第6,282,339号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のWDMカプラでは、以下のような問題点がある。
(1)低結合損失を得るには、ロッドレンズ110とロッドレンズ160を同軸上に配置できない構造であり、ロッドレンズ110とロッドレンズ160の光軸調芯による位置調整(上記工程hのXY軸の調芯)が必要となる。そのため、ロッドレンズ110とロッドレンズ160をそれぞれ保持する2つのチューブ(レンズ保持部品)120,165が必要になり、製造コストが増大する。
【0015】
(2)低結合損失を得るのに、ロッドレンズ110とロッドレンズ160を同軸上に配置できない構造となるのは、次の理由による。
すなわち、ロッドレンズ110,160は共に、端面の角度(光軸に垂直な面に対する角度)を0度に研磨された平坦面と所定角度(その垂直な面に対して例えば8度)に研磨された斜め面とを有するレンズである。そのロッドレンズ110の平坦面に貼り付けられるフィルタチップ105は、一般的に厚さ(基板とその面に成膜された誘電体多層膜フィルタの両方の厚さ)1mm程度のものが使われることが多い。フィルタチップ105の厚さが薄いと、フィルタ膜のストレスによりフィルタチップ105が反るためである。このような厚さのフィルタチップ105を使用する上記WDMカプラでは、フィルタチップ105の端面とロッドレンズ160の平坦面との間に空間があることから、ロッドレンズ110、160間の距離が大きくなる。これにより、共通ポート140から入りロッドレンズ110およびフィルタチップ105を通過してロッドレンズ160に入射する光線が光軸からずれるために、単芯光ファイバチップ175の光ファイバに入射する光線の角度が大きくなってしまうからである。
【0016】
そのため、低結合損失を得るには、ロッドレンズ110に対するロッドレンズ160の光軸調芯による位置調整をして単芯光ファイバチップ175の光ファイバに入射する光線の角度を小さくする必要がある。
【0017】
こうして、上記工程cにおけるXYZ軸の調芯および上記工程hにおけるXYZ軸の調芯のほかに、上記工程hにおけるロッドレンズ110とロッドレンズ160の光軸調芯による位置調整が必要になる。このように調芯作業を3回行なう必要があるので、調芯作業工数が多く、これによっても製造コストが増大してしまう。
【0018】
さらに、上記工程iで単芯光ファイバチップ175を仮固定しておき、上記工程jで両チューブ120,165を固定する前に、第3チューブ165に対する単芯光ファイバチップ175の相対位置を微調整する場合、4回の調芯が必要になり、さらに製造コストが増大してしまう。
【0019】
(3)上記工程hでは、ロッドレンズ110に対するロッドレンズ160の位置調整(XY軸の調芯)と、ロッドレンズ160に対する単芯光ファイバチップ175の位置調整(XYZ軸の調芯)とを同時に行なわなければならない。そのため、低結合損失が得られるように、単芯光ファイバチップ175を調芯するのが難しい。
【0020】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、その目的は、2つのレンズを同軸上に配列しても低結合損失が得られる光学系を採用することで、2つのレンズの位置調整を不要にでき、製造が容易であり、安価で信頼性の高い光分波合波器を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、共通ポートと反射ポートにそれぞれ通じる複数の光ファイバを保持する光ファイバチップと第1のレンズを有する第1の光ファイバコリメータと、前記第1のレンズに対向する第2のレンズと透過ポートに通じる少なくとも一つの光ファイバを保持する光ファイバチップを有する第2の光ファイバコリメータとを備え、前記第1および第2のレンズの間に波長選択特性をもつ波長選択素子が配置された光分波合波器において、前記第1および第2のレンズを同軸に一体化したセンターピースを備え、前記共通ポートから入り前記波長選択素子を透過した光が、前記第2のレンズから、前記透過ポートに通じる光ファイバへ前記レンズの光軸の位置でかつ光軸に平行に出射するように、前記第1および第2のレンズの対向する端面の一方の角度を設定することを要旨とする。
【0022】
この構成によれば、第1および第2のレンズを同軸に一体化したセンターピースを作製し、このセンターピースに、第1および第2の光ファイバコリメータの各光ファイバチップをそれぞれ調芯して固定することで光分波合波器が出来上がる。(1)このため、第1のレンズと第2のレンズの2つのレンズを一つのレンズ保持部品で保持することができ、レンズ保持部品の部品点数が減って製造コストが低減される。また、光分波合波器を作製するのに、前記2つのレンズについて光軸調芯する必要がなくなり、センターピースに2つの光ファイバチップを調芯して固定する2回の調芯・固定工程を行えばよい。これにより、調芯・固定工程数が減るので、製造時間が短縮されるとともに、光分波合波器のモジュール化が容易になる。(2)第1および第2のレンズの間に波長選択特性をもつ波長選択素子が配置された構成では、波長選択素子自体の厚さにより2つのレンズ間の距離が大きくなり、各レンズに入射する光線が光軸からずれ、各レンズから、各光ファイバチップの光ファイバに入射する光線の角度が大きくなる。しかし、この構成によれば、共通ポートから入り波長選択素子を透過した光が、第2のレンズから、透過ポートに通じる光ファイバにレンズの光軸の位置でかつ光軸に平行に出射するように、前記対向する端面の一方の角度を設定している。この設定により光軸からずれた光線の軌道を修正しているので、2つのレンズを同軸上に配列したまま、低結合損失が得られる。このように、2つのレンズを同軸上に配列しても低結合損失が得られる光学系を採用することで、第1および第2のレンズの間に波長選択素子が配置された構造において、低結合損失を得るのに2つのレンズの位置調整をする必要がない。
【0023】
(3)2つのレンズを同軸に配置して一体化したセンターピースに、第1および第2の光ファイバコリメータの各光ファイバチップをそれぞれ調芯して固定するだけでよい。これにより、両光ファイバコリメータの各光ファイバチップの調芯作業が容易になる。したがって、製造が容易であり、安価で信頼性の高い光分波合波器を実現することができる。
【0024】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の光分波合波器において、前記対向する端面の一方の角度は、前記共通ポートから入り前記波長選択素子で反射された光が、前記第1のレンズから、前記反射ポートに通じる光ファイバへ前記レンズの光軸に平行に出射するように設定されることを要旨とする。
【0025】
この構成によれば、反射ポート側でも低結合損失が得られ、より信頼性の高い光分波合波器を実現することができる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の光分波合波器において、前記第1および第2のレンズはそれぞれ屈折率分布型ロッドレンズであることを要旨とする。
【0026】
この構成によれば、2つの屈折率分布型ロッドレンズを用いてセンターピースが構成されるので、さらに製造が容易になり、さらに安価で信頼性の高い光分波合波器を実現することができる。
【0027】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の光分波合波器において、前記センターピースは前記第1および第2のレンズを同軸に保持する円筒状のレンズホルダを備え、前記第1および第2のレンズを前記レンズホルダ内に挿入し接着剤で固定して前記センターピースが作製されることを要旨とする。
【0028】
この構成によれば、第1および第2のレンズをレンズホルダ内に挿入し接着剤で固定することで、センターピースを容易に作製することができる。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれ一つに記載の光分波合波器において、前記第1の光ファイバコリメータは2本の光ファイバを保持する2芯光ファイバチップを有する2芯光ファイバコリメータであり、前記第2の光ファイバコリメータは1本の光ファイバを保持する単芯光ファイバチップを有する単芯光ファイバコリメータであり、前記第1および第2のレンズの対向する端面の一方に前記波長選択素子としてのフィルタチップが固定されていることを要旨とする。
【0029】
第1および第2のレンズの対向する端面の一方にフィルタチップが固定された構成では、フィルタチップ自体の厚さにより2つのレンズ間の距離が大きくなり、各レンズに入射する光線が光軸からずれ、各レンズから、各光ファイバチップの光ファイバに入射する光線の角度が大きくなる。しかし、この構成によれば、共通ポートから入りフィルタチップを透過した光が、第2のレンズから、透過ポートに通じる光ファイバにレンズの光軸の位置でかつ光軸に平行に出射するように、前記対向する端面の一方の角度を設定している。この設定により光軸からずれた光線の軌道を修正しているので、2つのレンズを同軸上に配列したまま、低結合損失が得られる。このように、2つのレンズを同軸上に配列しても低結合損失が得られる光学系を採用することで、前記対向する端面の一方にフィルタチップが固定された構造において、低結合損失を得るのに2つのレンズの位置調整をする必要がない。また、共通ポート、反射ポート、および透過ポートの3ポートの光分波合波器の製造が容易になり、製造コストの低減と信頼性の向上を図れる。
【0030】
請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれか一つに記載の光分波合波器において、前記対向する端面の一方の角度は設計値に対し±0.3°の範囲内に設定されるとともに、前記対向する端面の他方の角度は−0.3°〜+0.3°の範囲内に設定されることを要旨とする。
【0031】
前記対向する端面の一方の角度と、その他方の角度とがそれぞれ設計値から±0.3°以内のばらつきに納まっていれば、それら各端面の角度がどのような方向に変動した場合であっても、伝搬損失の増加は0.03dB以内に抑えられるという計算結果が得られている。そこで、この構成によれば、前記対向する端面の一方の角度を−0.7°〜−1.3°の範囲内に設定するとともに、その他方の角度を−0.3°〜+0.3°の範囲内に設定することで、それら各端面の角度がどのような方向に変動した場合であっても、伝搬損失の増加を0.03dB以内に抑えることができる。
【0032】
請求項7に係る発明は、請求項5又は6に記載の光分波合波器において、前記2本の光ファイバのファイバ間ピッチを変更して、前記波長選択素子で選択される波長の中心波長を変化させることを要旨とする。
【0033】
この構成によれば、2本の光ファイバのファイバ間ピッチを変更することにより、フィルタチップへの光入射角度を変化させてフィルタチップで選択される波長の中心波長を変えることができる。これにより、同じ波長選択特性のフィルタチップを使って、波長選択特性の異なる光分波合波器が得られる。このような効果は、前記ファイバ間ピッチのみが異なる複数の光分波合波器を多段にカスケード接続(縦接続)して多チャンネルの光分波合波器を作製する場合に特に有効となり、多チャンネルの光分波合波器を低コストで実現することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した光分波合波器の各実施形態を図面に基づいて説明する。各実施形態の光分波合波器は、低密度波長分割多重(CWDM)や高密度波長多重(DWDM)伝送方式等の光通信システムに使用される。なお、各図を用いた説明において、同様の部位には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0035】
[ 第1実施形態]
図1は第1実施形態に係る光分波合波器20を示している。この光分波合波器20は、第1の光ファイバコリメータとしての2芯光ファイバコリメータ22と、第2の光ファイバコリメータとしての単芯光ファイバコリメータ21とを備える。2芯光ファイバコリメータ22のレンズ(第1のレンズ)と単芯光ファイバコリメータ21のレンズ(第2のレンズ)の対向する端面の一方には、波長選択素子としてのフィルタチップ25が固定されている。レンズ23,24は、それぞれ屈折率分布型ロッドレンズ(以下、単に「ロッドレンズ」という。)である。
【0036】
第1の光ファイバコリメータとしての光ファイバコリメータ22は、2本の光ファイバ28,29を保持する2芯キャピラリ30とロッドレンズ24を有する2芯光ファイバコリメータである。光ファイバ28,29と2芯キャピラリ30とで、光ファイバ28,29を保持する2芯光ファイバチップ42が構成されている。
【0037】
2本の光ファイバ28,29はそれぞれ、図7に示すように、5〜10μmの外径を有するコア28a,29aと、125μmの外径を有するクラッド28b,29bとからなる。また、2本の光ファイバ28,29はクラッド28b,29b同士が密着するように2芯キャピラリ30に保持され、ファイバ間ピッチdはd=125μmとなっている。共通ポート37,反射ポート38はそれぞれ、図1に示すように、2芯キャピラリ30から外側に出ている一部の光ファイバ28,29のクラッド28b,29bを樹脂などで被覆してできており、光ファイバ28,29に通じている。2芯キャピラリ30の端部には開先状の穴が形成されており、その穴に充填した封止剤36により2芯キャピラリ30の端部が封止されている。
【0038】
単芯光ファイバコリメータ21は、1本の単一モード光ファイバ26(以下、単に「光ファイバ」という。)を保持する単芯キャピラリ27とロッドレンズ23とを有する単芯光ファイバコリメータである。光ファイバ26と単芯キャピラリ27とで、光ファイバ26を保持する単芯光ファイバチップ41が構成されている。光ファイバ26の一部は単芯キャピラリ27の端部から外側に出て透過ポート39になっている。この透過ポート39は、単芯キャピラリ27より外側に出ている一部の光ファイバ26のクラッドを樹脂などで被覆してできており、光ファイバ26に通じている。また、単芯キャピラリ27の端部には開先状の穴が形成されており、その穴に充填した封止剤35によりその端部が封止されている。
【0039】
また、光分波合波器20は、光ファイバコリメータ21,22の2つのロッドレンズ23,24を、一端面23a,24aが対向するように、レンズ保持部材である一つのレンズホルダ32内に同軸に配置して一体化したセンターピース31を備えている。これにより、光分波合波器20は、センターピース31に、単芯光ファイバチップ41と2芯光ファイバチップ42とをそれぞれ調芯して固定することで作製される。
【0040】
図3に示すように、ロッドレンズ23の一端面23aは光軸Cに垂直な面に対する傾き角度(第2面角度θ)が0°である平坦面に研磨されており、その他端面23bはその垂直な面に対する傾き角度(第1面角度θ1)が所定角度(例えば8°)傾斜した斜め面に研磨されている。その一端面23aと他端面23bには、それぞれ反射防止膜33が形成されている。
【0041】
一方、ロッドレンズ24については、図2に示すように、フィルタチップ25が接着剤で固定されているロッドレンズ24の一端面24a(ロッドレンズ23,24の対向する端面の一方)の角度を次のように設定している。すなわち、その角度は、共通ポート37から入りフィルタチップ25を透過した透過光が、ロッドレンズ23から、透過ポート39に通じる光ファイバ26にロッドレンズ23の光軸Cの位置でかつ光軸Cに平行に出射するように設定されている。また、その角度は、共通ポート37から入りフィルタチップ25で反射された反射光が、ロッドレンズ24から、反射ポート38に通じる光ファイバ29にロッドレンズ24の光軸(この光軸はロッドレンズ23の光軸と一致している。)Cからずれた位置でかつ光軸Cに平行に出射するように設定している。
【0042】
例えば、ロッドレンズ24の一端面24aは、図2に示すように、光軸Cに垂直な面に対する傾き角度(第2面角度θ2)が所定角度(例えば−1°)である斜め面に研磨されており、その他端面24bはその垂直な面に対する傾き角度(第1面角度θ1)が所定角度(例えば+8°)である斜め面に研磨されている。その一端面24aと他端面24bにも、それぞれ反射防止膜33が形成されている。そして、両ロッドレンズ23,24は、同じレンズ長Z(例えば0.25ピッチ)を有するとともに、同じレンズ径φD(例えば1.8mm)を有している。
【0043】
フィルタチップ25は、図1および図4に示すように、透明基板25aの一方の面全体に、誘電体多層膜フィルタ25bを成膜したものである。この誘電体多層膜フィルタ25bは、図8および図9に示すような波長特性(波長選択特性)を有する波長選択特性反射膜である。本例では、誘電体多層膜フィルタ25bとして、低密度波長多重(CWDM)伝送方式の光通信システムに用いるCWDMフィルタを一例として示している。図9は図8のグラフのうち、伝搬損失が0.00〜−1.00dBの範囲の詳細を拡大して示している。図8および図9の縦軸は、誘電体多層膜フィルタ25bを透過する透過光aの伝搬損失と、同フィルタで反射される反射光bの伝搬損失を表している。図8および図9に示す伝搬損失のデータは、図1の光分波合波器20において、反射ポート38から出射される波長λ1の光の強度と透過ポート39から出射される波長λ2の光の強度を実際に測定して得られたものである。
【0044】
図8および図9から明らかなように、誘電体多層膜フィルタ25bは、通常光通信分野で用いられる波長領域のなかで1.55μm(1550nm)付近の波長領域(図9の斜線で示す波長領域)の光をほとんど透過し、その領域から外れた波長領域の光をすべて反射するフィルタ(いわゆるバンドパスフィルタ)である。図1に示す波長λ2の光は図9の斜線で示す波長領域の光であり、また、波長λ1の光はその領域から外れた波長領域の光である。
【0045】
光ファイバ26の出射端と単芯キャピラリ27の一端面(左端面)は、光ファイバ26のコア中心軸に対して所定角度(例えば8°)傾斜した斜め面に面一に研磨されている。単芯光ファイバチップ41は、図6に示すように、単芯キャピラリ27の斜め面をロッドレンズ23の斜め面である他端面23bに対向させた状態で、センターピース31のロッドレンズ23に対して調芯して接着剤34cで固定される。この接着剤34cは、光路内に入らないように塗布される。同様に、2芯光ファイバチップ42は、図5に示すように、2芯キャピラリ30の斜め面をロッドレンズ24の斜め面である他端面24bに対向させた状態で、センターピース31に対して調芯して接着剤34bで固定される。この接着剤34bも光路内に入らないように塗布される。
【0046】
センターピース31は、一端面24aに予めフィルタチップ25が接着剤34aで固定されたロッドレンズ24とロッドレンズ23を円筒状のレンズホルダ32に挿入し、ロッドレンズ23,24を所定のレンズ間距離になるように調整し、接着剤で固定することで一体化される。フィルタチップ25を固定する接着剤34aは、光路内に入らないように塗布されている。
【0047】
レンズホルダ32の内周面は、ロッドレンズ23,24を同軸に保持できるように高精度に加工されている。これにより、ロッドレンズ23,24をレンズホルダ32内に挿入するだけで、ロッドレンズ23,24が同軸に配置されるので、両ロッドレンズの光軸Cを一致させるXY軸の調芯が不要になる。また、レンズホルダ32内でロッドレンズ23,24を所定のレンズ間距離に調整するために、ロッドレンズ23,24とレンズホルダ32の両方にマーク等を設けておくと、その調整が容易になる。
【0048】
また、センターピース31に単芯光ファイバチップ41と2芯光ファイバチップ42をそれぞれ調芯して固定する際には、図示を省略した調整台上において、それら3部材31,41,42を一緒に調芯(3体調芯)する。こうして調芯されたその3部材を一体化することで光分波合波器20が出来上がる。なお、それら3部材を調芯して一体化する際には、2芯光ファイバチップ42を単芯光ファイバチップ41よりも先に調芯してセンターピース31に固定するのが好ましい。
【0049】
ここでの調芯として、単芯光ファイバチップ41については、ロッドレンズ23の光軸Cと光ファイバ26のコア中心軸を一致させる軸合わせの調整、および両軸の角度ずれ(アオリ)の調整を行う。すなわち、ロッドレンズ23の光軸と光ファイバ26の出射端との相対位置を、X,Y,Z軸方向について調整する(XYZ軸の調芯:三次元調芯)。
【0050】
光分波合波器20の調芯は、例えば次のようにして行う。
まず、2芯光ファイバチップ42について、ロッドレンズ24の光軸Cと、光ファイバ28,29の各出射端との相対位置を三次元調芯する。ここでの三次元調芯は、例えば次のようにして行う。共通ポート37からフィルタチップ25で反射する波長の光(例えば波長λ1の光)をフィルタチップ25に入射させる。この状態で、センターピース31に対して2芯光ファイバチップ42を三次元的に動かして、フィルタチップ25で反射して反射ポート38から出射される光の強度が最大になるように調整する。この調芯位置では、ロッドレンズ24と、光ファイバ28,29とが最大の結合効率で結合し、最も低い伝搬損失(低結合損失)が得られる。このとき、共通ポート37と反射ポート38間の最小伝搬損失は、0.08dBである(図9の反射光b参照)。
【0051】
つぎに共通ポート37からフィルタチップ25を透過する波長の光(例えば波長λ2の光)をフィルタチップ25に入射させる。この状態で、センターピース31に対して単芯光ファイバチップ41を三次元的に動かし、フィルタチップ25を透過して光ファイバ26から出射される光の強度が最大になるように調整する。こうして調整した位置では、ロッドレンズ23と光ファイバ26とが最大の結合効率で結合し、最も低い伝搬損失(低結合損失)が得られる。このとき、共通ポート37と透過ポート39間の最小伝搬損失は、0.10dBである(図9の透過光a参照)。
【0052】
このように作製される光分波合波器20では、例えば波長λ1の光と波長λ2の光が多重化されて混在している光信号が共通ポート37に入射すると、波長λ2の光のみがフィルタチップ25を透過する。この透過光は、ロッドレンズ23により集光され、ロッドレンズ23の他端面23bから、ほぼ光軸Cの位置でかつ光軸Cに平行に出射されて光ファイバ26に結合し、透過ポート39から出射する。一方、波長λ1の光は、フィルタチップ25で反射され、この反射光はロッドレンズ24により集光され、ロッドレンズ24の他端面24bから、光軸Cからずれた位置でかつ光軸Cに平行に出射されて光ファイバ29に結合し、反射ポート38から出射する。こうして、共通ポート37から入った光信号が、波長の異なる波長λ1の光信号と波長λ2の光信号に分波される。
【0053】
図10は、本例の光分波合波器20を、波長の異なる複数の光信号(波長λ1と、波長λ2の光信号)を一つの光ファイバに合波する場合の使用例を示している。つまり、反射ポート38から入る波長λ1の光信号はフィルタチップ25で反射して共通ポート37に送られるとともに、透過ポート39から入る波長λ2の光信号はフィルタチップ25を透過して共通ポート37に送られるようになっている。
【0054】
以上のように構成された第1実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
(イ)最初に、2つのロッドレンズ23,24を同軸に配置して一体化したセンターピース31を作製する。このセンターピース31に、2芯光ファイバコリメータ22の2芯光ファイバチップ42および単芯光ファイバコリメータ21の単芯光ファイバチップ41をそれぞれ調芯して接着剤で固定することで光分波合波器20が出来上がる。このため、両ロッドレンズ23,24を一つのレンズ保持部品であるレンズホルダ32で保持することができ、レンズ保持部品の部品点数が減って製造コストを低減することができる。
【0055】
(ロ)光分波合波器20を作製するのに、2つのロッドレンズ23,24について光軸調芯する必要がなくなり、センターピース31に単芯光ファイバチップ41および2芯光ファイバチップ42をそれぞれ調芯して固定する2回の調芯・固定工程を行えばよい。これにより、調芯・固定工程数が減るので、製造時間が短縮されるとともに、光分波合波器20のモジュール化が容易になる。
【0056】
(ハ)図11は、センターピース31Aに同軸に一体化された2つのロッドレンズ53,54の対向する端面の一方に波長選択特性をもつフィルタ25Aを成膜した構造の光分波合波器20Aを示している。この構造の光分波合波器20Aではフィルタ25A自体の厚さが薄いので、各ロッドレンズ53に入射する光線が光軸Cからずれることがない。
【0057】
これに対して、図12に示す光分波合波器20Bでは、本実施形態と同様に、センターピース31Bに同軸に一体化されたロッドレンズ53,54の対向する端面53a,54aのうちの端面53aにフィルタチップ25が接着剤で固定されている。このような構成では、フィルタチップ25自体の厚さにより2つのロッドレンズ53,54間の距離が大きくなり、ロッドレンズ53に入射する光線が光軸Cからずれ、ロッドレンズ53から単芯光ファイバチップの光ファイバ26に入射する光線の角度θ1が大きくなってしまう。
【0058】
しかし、本実施形態では、フィルタチップ25が固定されているロッドレンズ24の一端面24aの角度θ2を次のように設定している。すなわち、その角度θ2は、共通ポート37から入りフィルタチップ25を透過した透過光が、ロッドレンズ23から、光ファイバ26に光軸Cの位置でかつ光軸Cに平行に出射するように設定されている。また、その角度θ2は、共通ポート37から入りフィルタチップ25で反射された反射光が、ロッドレンズ24から、光ファイバ29に光軸Cからずれた位置でかつ光軸Cに平行に出射するように設定している。
【0059】
この設定により光軸Cからずれた光線の軌道を修正しているので、2つのロッドレンズ23,24を同軸上に配列したまま、前記透過光および反射光はそれぞれ、光ファイバ26,29に最大の結合効率で結合し、最も低い伝搬損失(低結合損失)が得られる。すなわち、共通ポート37と透過ポート39間の最小伝搬損失は0.10dBになり、共通ポート37と反射ポート38間の最小伝搬損失は0.08dBになる。
【0060】
このように、2つのロッドレンズ23,24を同軸上に配列しても低結合損失が得られる光学系を採用することで、ロッドレンズ24の一端面24aにフィルタチップ25が固定された構造において、低結合損失を得るのに2つのロッドレンズ23,24の位置調整が不要になる。これによっても、製造コストが低減される。
【0061】
(ニ)2つのロッドレンズ23,24を同軸に配置して一体化したセンターピース31に、2芯光ファイバコリメータ22および単芯光ファイバコリメータ21の各光ファイバチップ42,41をそれぞれ調芯して固定するだけでよい。これにより、両光ファイバコリメータ22,21の各光ファイバチップ42,41の調芯作業が容易になる。したがって、製造が容易であり、安価で信頼性の高い光分波合波器20を実現することができる。
【0062】
(ホ)2つのロッドレンズ23,24を用いてセンターピース31が構成されるので、さらに製造が容易であり、さらに安価で信頼性の高い光分波合波器20を実現することができる。
【0063】
(ヘ)レンズ径φDが同じ2つのロッドレンズ23,24を一つのレンズホルダ32内に挿入し、接着剤で固定することで、センターピース31を容易に作製することができる。
【0064】
(ト)2芯光ファイバチップ42と単芯光ファイバチップ41とを用いて光分波合波器20を構成しているので、共通ポート37、反射ポート38、および透過ポート39の3ポートの光分波合波器の製造が容易になり、製造コストの低減と信頼性の向上を図れる。
【0065】
(チ)センターピース31と、2芯光ファイバチップ42と、単芯光ファイバチップ41の3部材を一緒に調芯して固定することで、調芯・固定作業の効率が向上し、製造時間がさらに短縮される。
【0066】
(リ)前記3部材を調芯する際に、調芯・固定のトレランスが厳しい2芯光ファイバチップ42を単芯光ファイバチップ41よりも先にセンターピース31に調芯して固定する。このため、調芯・固定作業の効率が向上し、製造時間が短縮されるとともに、高い調芯精度が得られ結合効率が向上する。
【0067】
[ 第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る光分波合波器20を図13〜図15に基づいて説明する。図13は、図1の光分波合波器20のうち、フィルタチップ25より左半分を示しており、その右半分は図1の光分波合波器20と同じである。
【0068】
上記第1実施形態では、光ファイバ28,29のファイバ間ピッチdを125μmにしてある。この第2実施形態では、光ファイバ28,29の光ファイバのファイバ間ピッチdを変更することにより、フィルタチップ25への光入射角度θ°(図13(a)参照)を変化させてフィルタチップ25で選択される波長の中心波長を調整するようにしたものである。その他の点は、上記第1実施形態と同じである。
【0069】
例えば、図13(a)および(b)に示すように、図1に示す上記光分波合波器20においてファイバ間ピッチdを125μm〜200μmの範囲内で設定し、ファイバ間ピッチdの異なる数種類の2芯光ファイバチップ42を作って用意しておく。こうして用意された数種類の2芯光ファイバチップ42を用いた光分波合波器20は、同じ波長選択特性のフィルタチップ25を用いているが、ファイバ間ピッチdがそれぞれ異なることにより波長選択特性が異なる。
【0070】
図14のグラフは、図13(a)の光分波合波器20におけるファイバ間ピッチdとフィルタチップ25への光入射角度θ(フィルタ光入射角度θ)との関係を実線60で示している。また、図15のグラフは、フィルタ光入射角度θとフィルタチップ25で選択される波長の中心波長の変化量(波長シフト量)との関係を曲線61で示している。
【0071】
以上のように構成された第2実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
(ヌ)図14および図15から明らかなように、ファイバ間ピッチdを変更することにより、フィルタチップ25への光入射角度θを変化させてフィルタチップ25で選択される波長の中心波長を変えることができる。これにより、同じ波長選択特性のフィルタチップ25を使って、波長選択特性の異なる光分波合波器20を得ることができる。
【0072】
このような効果は、図16に示すように、ファイバ間ピッチdのみが異なる4種類の(複数の)2芯光ファイバチップを用いた光分波合波器20〜20を4段に(多段)にカスケード接続(縦接続)して多チャンネルの光分波合波器を作製する場合に特に有効となる。これにより、多チャンネルの光分波合波器を低コストで実現することができる。
【0073】
図16において、符号37〜37はそれぞれ共通ポートを、符号38〜38は反射ポートを、そして、符号39〜39は透過ポートをそれぞれ示している。そして、第1チャンネルの光分波合波器20のフィルタチップ25は、ファイバ間ピッチdを適宜な値に設定することで、波長λ1の光を透過し、波長λ2,λ3,λ4の光を反射させる波長選択特性を有している。また、第2チャンネルの光分波合波器20のフィルタチップ25は、波長λ2の光を透過し、波長λ3およびλ4の光を反射させる波長選択特性を有している。また、第3チャンネルの光分波合波器20のフィルタチップ25は、波長λ3の光を透過し、波長λ4の光を反射させる波長選択特性を有している。そして、第4チャンネルの光分波合波器20のフィルタチップ25は、波長λ4の光を透過する波長選択特性を有している。
【0074】
このように作られた図16に示す4チャンネルの光分波合波器では、波長λ1,λ2,λ3およびλ4の光が多重化された光信号を、各チャンネルの光分波合波器で順に分波していき、波長λ1,λ2,λ3、およびλ4の光信号を個別に取り出せるようになっている。
【0075】
[ 変形例]
なお、この発明は以下のように変更して具体化することもできる。
・上記第1実施形態では、ロッドレンズ23の一端面23aの上記傾き角度(第2面角度θ2)を0°、他端面23bの傾き角度(第1面角度θ1)を8°、ロッドレンズ24の他端面24bの傾き角度(第1面角度θ1)を8°、そして一端面24aの傾き角度(第2面角度θ2)を−1°としている。
【0076】
しかし、それら各面の傾き角度は一例であって、ロッドレンズ23,24のレンズ径φDやレンズ長Zなどのパラメータに応じて適宜な値に変更可能である。
・また、ロッドレンズ23,24の各端面の傾き角度は、上記第1実施形態で一例として示した設計値に対し±0.3°の範囲内に設定されればよい。例えば、一端面24aの傾き角度は、−0.7°〜−1.3°の範囲内に設定され、一端面23aの傾き角度は、−0.3°〜+0.3°の範囲内に設定されればよい。つまり、上記各端面の傾き角度は、各々の設計値から±0.3°以内のばらつきに納まっていれば、それら各端面の角度がどのような方向に変動した場合であっても、伝搬損失の増加は0.03dB以内に抑えられるという計算結果が得られている。したがって、上記各端面の傾き角度を、各々の設計値に対して±0.3°の範囲内に設定することで、それら各端面の角度がどのような方向に変動した場合であっても、伝搬損失の増加を0.03dB以内に抑えることができる。
【0077】
・上記第1実施形態において、2つのロッドレンズ23,24に代えて、2つの光学レンズを同軸に配置して一体化することで、センターピース31を構成するようにしてもよい。
【0078】
・上記第1実施形態では、ロッドレンズ24の一端面24aに波長選択素子としてのフィルタチップ25を接着剤で固定してあるが、本発明はこの構成に限定されない。2つのロッドレンズ23,24の間に、フィルタチップ25に代えて波長選択特性をもつ波長選択素子を設ける構成にも本発明は適用可能である。例えば、2つのロッドレンズ23,24の間に波長選択素子として、コレステリック液晶と、同液晶の対向する表面に設けた一対の透明電極とを有する液晶セルを設け、両透明電極間に印加する電圧をオン、オフさせる。これにより、中心波長の異なる複数種類の光を含む光信号から特定波長の光を選択することができる。
【0079】
コレステリック液晶は、入射する光信号のうちの特定波長の光を左旋光と右旋光の2つの円偏光に分ける「円偏光二色性」と、その特定波長の光についてヘリカル方向と同じ旋光方向の円偏光を選択的に反射させる「選択反射効果」とを有する液晶である。
【0080】
要するに、本発明は、2つのロッドレンズ23,24の間に配置される波長選択素子自体の厚さによりレンズ間距離が大きくなり、ロッドレンズに入射する光線が光軸からずれ、ロッドレンズから光ファイバに入射する光線の角度θ1(図12参照)が大きくなる場合に有効に適用される。
【0081】
・上記第1実施形態では、フィルタチップ25をロッドレンズ24の一端面24aに接着剤で固定してあるが、本発明は、ロッドレンズ23の一端面23aにフィルタチップ25を接着剤で固定する場合にも適用可能である。
【0082】
・上記第1実施形態において、ロッドレンズ24と2芯キャピラリ30を接着剤34bで固定した後、その接着剤の周囲に補強用の接着剤を塗布するとともに、ロッドレンズ23と単芯キャピラリ27を接着剤34cで固定した後、その接着剤の周囲に補強用の接着剤を塗布するようにしてもよい。これにより、より剛性の高い光分波合波器20が得られる。
【0083】
・上記第1実施形態において、ロッドレンズ23,24をレンズホルダ32に挿入して接着剤で固定する前に、各ロッドレンズの斜め面(他端面23bと他端面24b)の位相(Z軸まわりの角度位置)を合致させるが、そのための位置決めマークを各ロッドレンズ或いはレンズホルダ32側に設けておくと良い。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、レンズ保持部品の部品点数が減って製造コストが低減される。また、2つのレンズについて光軸調芯する必要がなくなり、調芯・固定工程数が減るので、製造時間が短縮されるとともに、光分波合波器のモジュール化が容易になる。また、2つのレンズを同軸上に配列しても低結合損失が得られる光学系を採用することで、第1および第2のレンズの間に波長選択素子が配置された構造において、低結合損失を得るのに2つのレンズの位置調整をする必要がない。さらに、2つのレンズを同軸に配置して一体化したセンターピースに、第1および第2の光ファイバコリメータの各光ファイバチップをそれぞれ調芯して固定するだけでよい。これにより、両光ファイバコリメータの各光ファイバチップの調芯作業が容易になる。したがって、製造が容易であり、安価で信頼性の高い光分波合波器を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る光分波合波器の概略構成を示す縦断面図。
【図2】図1に示す2つのロッドレンズの一方を示す側面図。
【図3】図1に示す2つのロッドレンズの他方を示す側面図。
【図4】図1の一部を示す拡大図。
【図5】図1のe部を示す拡大図。
【図6】図1のf部を示す拡大図。
【図7】図1のg−g矢視断面図。
【図8】図1に示すフィルタチップの波長特性を示すグラフ。
【図9】図8の一部の詳細を示す拡大図。
【図10】図1の光分波合波器を合波に用いた使用例を示す縦断面図。
【図11】第1実施形態の効果を説明するのに用いた光分波合波器の概略構成を示す縦断面図。
【図12】第1実施形態の効果を説明するのに用いた光分波合波器の概略構成を示す縦断面図。
【図13】(a)は第2実施形態に係る光分波合波器の概略構成を示す縦断面図、(b)は(a)のh−h矢視断面図。
【図14】ファイバ間ピッチdとフィルタ光入射角度θの関係を示すグラフ。
【図15】フィルタ光入射角度θと波長シフト量の関係を示すグラフ。
【図16】多チャンネルの光分波合波器の概略構成を示す縦断面図。
【図17】従来の光分波合波器の概略構成を示す縦断面図。
【符号の説明】
C…光軸、d…ファイバ間ピッチ、λ1,λ2,λ3,λ4…波長、θ1,θ2…角度、20,20A,20B,20〜20…光分波合波器、21…単芯光ファイバコリメータ、22…2芯光ファイバコリメータ、23,24…屈折率分布型ロッドレンズ(レンズ)、24a…一端面(対向する端面の一方)、25,25〜25…フィルタチップ(波長選択素子)、26,28,29…光ファイバ、27…単芯キャピラリ、30…2芯キャピラリ、31,31A,31B…センターピース、32…レンズホルダ、34b,34c…接着剤、37…共通ポート、38…反射ポート、39…透過ポート、41…単芯光ファイバチップ、42…2芯光ファイバチップ、53a,54a…端面。

Claims (7)

  1. 共通ポートと反射ポートにそれぞれ通じる複数の光ファイバを保持する光ファイバチップと第1のレンズを有する第1の光ファイバコリメータと、前記第1のレンズに対向する第2のレンズと透過ポートに通じる少なくとも一つの光ファイバを保持する光ファイバチップを有する第2の光ファイバコリメータとを備え、前記第1および第2のレンズの間に波長選択特性をもつ波長選択素子が配置された光分波合波器において、
    前記第1および第2のレンズを同軸に一体化したセンターピースを備え、
    前記共通ポートから入り前記波長選択素子を透過した光が、前記第2のレンズから、前記透過ポートに通じる光ファイバへ前記レンズの光軸の位置でかつ光軸に平行に出射するように、前記第1および第2のレンズの対向する端面の一方の角度を設定することを特徴とする光分波合波器。
  2. 前記対向する端面の一方の角度は、前記共通ポートから入り前記波長選択素子で反射された光が、前記第1のレンズから、前記反射ポートに通じる光ファイバへ前記レンズの光軸に平行に出射するように設定されることを特徴とする請求項1に記載の光分波合波器。
  3. 前記第1および第2のレンズはそれぞれ屈折率分布型ロッドレンズであることを特徴とする請求項1又は2に記載の光分波合波器。
  4. 前記センターピースは前記第1および第2のレンズを同軸に保持する円筒状のレンズホルダを備え、前記第1および第2のレンズを前記レンズホルダ内に挿入し接着剤で固定して前記センターピースが作製されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の光分波合波器。
  5. 前記第1の光ファイバコリメータは2本の光ファイバを保持する2芯光ファイバチップを有する2芯光ファイバコリメータであり、前記第2の光ファイバコリメータは1本の光ファイバを保持する単芯光ファイバチップを有する単芯光ファイバコリメータであり、前記第1および第2のレンズの対向する端面の一方に前記波長選択素子としてのフィルタチップが固定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれ一つに記載の光分波合波器。
  6. 前記対向する端面の一方の角度は設計値に対し±0.3°の範囲内に設定されるとともに、前記対向する端面の他方の角度は−0.3°〜+0.3°の範囲内に設定されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の光分波合波器。
  7. 前記2本の光ファイバのファイバ間ピッチを変更して、前記波長選択素子で選択される波長の中心波長を変化させることを特徴とする請求項5又は6に記載の光分波合波器。
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