JP2004309782A - 光変調素子、光変調素子を備えた光変調素子アレイ及び画像表示装置 - Google Patents

光変調素子、光変調素子を備えた光変調素子アレイ及び画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】応答速度が高速で、RGBの各色の波長を選択して光を変調することが可能な光変調素子、この光変調素子を有する光変調素子アレイ、及び画像表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】光変調素子は、光を反射する反射面をそれぞれ有する複数の薄膜と、前記複数の可動膜を固定する基板と、前記複数の薄膜に電圧を印加することにより前記可動膜を変位させる駆動手段とを有する。前記駆動手段は、前記薄膜を選択的に変位させることにより、前記複数の薄膜の前記反射面に入射する入射光の波長に応じて、前記入射光を選択的に回折させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、MEMS素子(微小電気駆動機械式素子)である光変調素子、光変調素子アレイ及び画像表示装置に係り、特に光変調素子上に入射する入射光を波長に応じて選択的に回折させる光変調素子、並びにこの光変調素子を用いた光変調素子アレイ及び画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、透過型、反射型の画像表示装置用素子として、高速応答が可能であり、フルカラー表示に対応できる光スイッチング素子の開発が要望されている。従来の光スイッチング素子としては、液晶素子や、MEMS素子(微小電気駆動機械式素子)であるマイクロミラー素子または回折格子を用いたもの等が知られている。
【0003】
例えば、回折格子型の光変調器としては、光を供給するための光源と、光源からの光を回折させる複数の回折格子が並列に並べられた回折格子アレイと、回折格子アレイによって回折した1次の回折光を受ける画像光学系とを有している(特許文献1参照)
【0004】
また、基板の上に赤色、緑色、青色表示用の光学多層構造体を備えたMEMS素子(微小電気駆動機械式素子)である光スイッチング素子も提案されている。この光スイッチング素子は、光学多層構造体と基板との間の間隙の大きさを各色毎に変化させることにより、入射光の反射、透過または吸収の量を変化させて、カラー表示を行うものである(特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−296482(第5〜6頁、図5,図6)
【0006】
【特許文献2】
特開2002−328313(第8〜10頁、図1,図2)
【0007】
【発明が解決すべき課題】
しかしながら、液晶素子を用いた光スイッチング素子においては、液晶の応答速度が数ミリ秒程度と遅く、動画を表示するために十分な高速応答性を実現することが困難である。したがって、この光スイッチング素子を用いて、動画等を表示させると、画像の輪郭がぼやけてしまい、映像に残像感が残ってしまう。また、カラー表示を行うためには、カラーフィルタを用いなければならないため、光の利用効率が低下してしまい、十分な光量を発する画像表示装置を得ることが難しくなってしまう。
【0008】
また、MEMS素子(微小電気駆動機械式素子)であるマイクロミラーを用いた光スイッチング素子においては、マイクロミラーの応答速度が数マイクロ秒であるため、動画を表示するためには十分な応答性を有していない。実際には、コントラストの向上のため、光を偏向できる角度を増大させる必要があるため、さらに応答速度が低下してしまう。
【0009】
また、MEMS素子(微小電気駆動機械式素子)である回折格子を用いた光スイッチング素子においては、回折格子の応答速度は、数ナノ秒程度であるため、動画表示に用いるスイッチング素子としては十分高速な応答性を有している。しかしながら、実際に光を回折するためには、少なくとも2本のリボン状ミラーが必要であり、また光の利用効率を高めるためには4本のリボン状ミラーが、更に現状では6本のリボン状ミラーが必要であるため、1次元または2次元配列にして用いた場合には、小型化が困難になってしまう。さらに、カラー表示を行うためには、各素子の各色毎に6本のリボン状ミラーが必要となってしまい、設計が複雑となるとともに小型化が困難となってしまい、さらに解像度も低下してしまう。
【0010】
また、先行特許文献2に記載の光変調素子は、梁を基板に対し垂直に変位させるものであるが、その変位量(隙間)が波長の1/4である場合に入射光と反射光が強く干渉して互いに打ち消しあうことにより、光変調素子から出射する光をOFFするものである。そのため、先行特許文献2に記載の光変調素子は、波長に応じて梁の変位量(隙間)を高精度で制御する必要があるが、梁の変位量を正確に制御させる構造の作成は難しく、またコストがかかるという問題もある。
【0011】
本発明は、応答速度が高速で、RGBの各色の波長を選択して光を変調することが可能な光変調素子、この光変調素子を有する光変調素子アレイ、及び画像表示装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1記載の光変調素子は、光を反射する反射面をそれぞれ有する複数の薄膜と、前記複数の薄膜を固定する基板と、前記複数の薄膜に電圧を印加することにより前記薄膜を変位させる駆動手段と、を有し、前記駆動手段は、前記複数の薄膜を波長選択的に変位させることにより、前記複数の薄膜の前記反射面に入射する入射光の波長に応じて、前記入射光を選択的に回折させることを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項1記載の光変調素子によれば、複数の薄膜を選択的に変位させることにより、波長に応じて入射光を選択的に回折させることが可能である。したがって、一つの素子を用いて、複数の波長を持つ光を選択的に回折させることができるため、小型で且つ汎用性の高い光変調素子を提供することが可能となる。
【0014】
また、本発明の請求項2記載の光変調素子によれば、前記複数の薄膜は、それぞれ前記駆動手段によって変位する可動部と、前記可動部の両端に連接され、前記基板上に固定された固定部とを有する。
【0015】
したがって、本発明の請求項2記載の光変調素子によれば、前記薄膜は、固定部にて両端を支持された状態で可動部を確実に変位させることが可能となる。また前記薄膜は、動作変位量が小さいため高速応答性が非常に高い。したがって、例えば、画像表示装置等に適用した場合には、消費電力を低く保ちつつ、動画等の表示に十分な高い応答性を有する画像表示装置を構成することが可能となる。
【0016】
また、本発明の請求項3記載の光変調素子によれば、前記複数の薄膜は、それぞれ前記基板上に長手方向が平行に設けられた回折格子である。
【0017】
したがって、請求項3記載の光変調素子は、複数の薄膜が平行に並べられた回折格子として機能することが可能となる。
【0018】
また、本発明の請求項4記載の光変調素子によれば、前記駆動手段は、前記複数の薄膜の前記可動部の変位量を互いに同程度に変位させることを特徴とする請求項2または3記載の光変調素子。
【0019】
本発明の請求項4記載の光変調素子は、薄膜の変位量に依存することなく光を回折するため、薄膜毎の精密な変位量制御を行う必要が無く、また薄膜毎に変位量を異ならせたりする必要がないため、各可動部の変位量は同程度でよい。したがって、容易に光変調素子を作成することが可能である。
【0020】
また、本発明の請求項5記載の光変調素子によれば、前記駆動手段は、前記複数の薄膜が所定周期の配列となるように波長選択的に前記薄膜を変位させ、回折することで前記入射光を選択する。
【0021】
したがって、本発明の請求項5記載の光変調素子によれば、所定の周期配列に応じて、入射光を適宜回折することができ、これにより、回折すべき入射光を選択することが可能となる。
【0022】
また、本発明の請求項6記載の光変調素子によれば、前記所定周期の配列は、複数の周期配列を含む。
【0023】
したがって、本発明の請求項6記載の光変調素子によれば、複数の波長に関し、入射光を適宜回折することができ、これにより、回折すべき入射光を選択することが可能となる。
【0024】
また、本発明の請求項7記載の光変調素子によれば、前記複数の周期配列は、赤色光、緑色光、青色光に対応する光をそれぞれ回折させる周期配列である。
【0025】
したがって、本発明の請求項7記載の光変調素子によれば、RGBの3色に対応した光をそれぞれ選択的に回折することが可能である。よって、本光変調素子を、画像表示装置などに好適に適用することができる。
【0026】
また、本発明の請求項8記載の光変調素子によれば、前記3つの周期配列は、配列周期が5:6:7の比である。
【0027】
したがって、本発明の請求項8記載の光変調素子によれば、波長450nmの青色光、波長540nmの緑色光、および波長630nmの赤色光を選択的に回折することが可能である。
【0028】
また、本発明の請求項9記載の光変調素子アレイは、請求項1乃至7のいずれかに記載の光変調素子を複数個平面上に配列したものである。
【0029】
すなわち、本発明の請求項9記載の光変調素子アレイは、1次元または2次元的に配列されている。したがって、この光変調素子アレイは、個々の光変調素子を独立に駆動することにより、空間的に回折光を選択することが可能となる。
【0030】
また、本発明の請求項10記載の画像表示装置は、赤色波長、緑色波長および青色波長を有する光を順次出射する光出力部と、画像信号に応じて、前記光出力部から出射した前記光を選択的に回折する請求項8記載の光変調素子アレイと、前記光変調素子アレイから出射した回折光を投影面に向けて結像する投影レンズと、を備えたことを特徴とする。
【0031】
本発明の請求項10記載の画像表示装置によれば、光出力部から出射される赤色波長、緑色波長および青色波長を有する光を順次受け取って、それぞれ選択的に回折し、回折光を投影面に向けて投影結像することが可能である。したがって、光変調素子アレイ中の複数の光変調素子を独立に駆動することにより、空間的に回折光を選択し、投影面に投影する時分割型の画像表示装置を構成することが可能である。
【0032】
また、本発明の請求項10記載の画像表示装置によれば、一画素に対して一つの光変調素子アレイを用いてRGB信号を時分割して投影面に投影表示させることが可能であるため、空間分解能を損なうことなく画像表示を行うことができる。また、本発明の請求項10記載の画像表示装置においては、一つの素子が一つの画素に対応する小型の光変調素子アレイを用いているので、高解像度でかつコンパクトな画像表示装置を実現することが可能である。
【0033】
請求項11記載の画像表示装置によれば、前記光出力部は、白色光を出射する光源と、赤、緑および青のカラーフィルタを有し、前記光源から出射した前記白色光が前記赤、緑および青のカラーフィルタのそれぞれを順次透過するように前記カラーフィルタを動かすフィルタ部と、有する。
【0034】
したがって、請求項11記載の画像表示装置によれば、コンパクトな構成を持つ光出力部によって、RGBの三色に対応した光を順次光変調素子アレイに供給することが可能である。
【0035】
請求項12記載の画像表示装置によれば、前記光出力部は、前記赤色波長を有する光を出射する赤色光光源と、前記緑色波長を有する光を出射する緑色光光源と、前記青色波長を有する光を出射する青色光光源と、前記赤色光源、緑色光源、および青色光源のそれぞれから順次光を出射するように、各光源を制御する光源駆動制御部と、を有する。
【0036】
したがって、請求項12記載の画像表示装置によれば、それぞれ波長が固定された光源を3つ用いることで、光変調素子アレイに入射する光の波長精度が高まり、確実に光を回折することが可能である。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る光変調素子の実施の形態について説明する。
(第1実施形態)
以下、図1〜図9を参照しながら、本発明に係る光変調素子の第1実施形態について説明する。
【0038】
図1は本発明に係る第1実施形態の光変調素子1を示す斜視図であり、図2は図1のII−II矢視断面図であり、図3は、図1のIII−III矢視断面図である。また、図4、図5、及び図6は、光変調素子の可動膜を所定間隔おきに変位させた状態をそれぞれ示す図である。
【0039】
本実施形態の光変調素子1は、MEMS素子(微小電気駆動機械式素子)であり、図1に示すように、平板形状のガラス基板10上に絶縁膜20を配置し、絶縁膜20の上に複数のリボン形状の可動膜40が所定間隔おきに配置されて構成されている。これら複数のリボン形状の可動膜40は、それぞれ幅が1μm程度の素子である。
【0040】
複数のリボン形状の可動膜40のそれぞれは、その長手方向の両端に設けられた固定部41,42を介して絶縁膜20上に固定されている。固定部41,42間には、平板形状のリボンミラー部43が傾斜部44,45を介してそれぞれ固定部41,42に連接されて設けられている。このリボンミラー部43の上面43aは、それぞれ入射する光を反射する反射面として構成されており、絶縁膜20との間に所定の間隙40aを有して配置される構造となっている。
【0041】
複数の可動膜40は、長手方向がそれぞれ同一方向に向けられており、隣接しあう複数の可動膜40同士が絶縁膜20上で互いに平行に配列された構造とされている。ここで、複数の可動膜40は、それぞれ幅方向に所定間隔離されて配列されている。ここで、隣接する可動膜40間の設けられる間隔は、可動膜40の幅と比べ十分に小さく、ある可動膜40の幅方向一端から、隣接する可動膜40の幅方向一端までの距離は、可動膜40の幅とほぼ一致するものとする。
【0042】
また、複数のリボン形状の可動膜40は、それぞれ厚さ方向に、支持膜46と、支持膜46上に上部電極47を積層して構成された薄膜として構成されている。支持膜46は、SiNxからなり、固定部41,42に対応する位置の支持膜46が、絶縁膜20上に固定されるようになっている。また、上部電極47は、支持膜46の上面を覆うように成膜されたITO膜である。可動膜40は、支持膜46と上部電極47とが一体となって、固定部41,42、リボンミラー部43、及び傾斜部44,45を構成することにより、全体として薄膜のリボン状に形成されている。
【0043】
図3に示すように、ガラス基板10と絶縁膜20との間であって、リボンミラー部43の厚さ方向に対応した位置には、ITOからなる下部電極30が埋め込まれている。下部電極30は、絶縁膜20によって、上方に配置された複数の可動膜40から絶縁されている。下部電極30には、図示せぬ電圧印加手段によって、所定の電圧が印加されるように構成されている。
【0044】
同様に、各可動膜40に設けられた上部電極47には、図示せぬ電圧印加手段によって所定の電圧が独立に与えられるように構成されている。これにより、光変調素子1は、各可動膜40とその下方に配置された下部電極30との間にそれぞれ独立に電位差を生じさせることが可能に構成されている。各可動膜40の上部電極47と下部電極30との間の電位差が所定値以上となると、可動膜40は、両電極間に作用する静電気力によって傾斜部44,45とリボンミラー部43との間において折り曲げられ、リボンミラー部43が厚み方向に変位することにより、リボンミラー部43が間隙43aの方向に移動し、絶縁膜20上に張り付く。これにより、変位した可動部40のリボンミラー部43は、隣接する変位していない可動膜40のリボンミラー部43より下方に押し下げられた状態となる。なお、この可動膜40は、数ナノ秒程度の応答性で上下動させることが可能である。
【0045】
ここで、光変調素子1は、可動膜40を所定間隔おきに変位させることにより、光変調素子1上に入射する光を、その波長に応じて選択的に所定の回折角で回折させる反射型の回折格子として機能する。ここで、光変調素子1に入射する光の波長をλ、入射角をθ、回折角をθ、可動膜40の変位周期をdとすると、回折条件は、以下の式によって表される。
d(sinθ−sinθ)=mλ ・・・(1)
ここで、mは回折次数であって、整数である。
【0046】
式(1)から理解されるように、入射角θおよび回折角θが決定されているとすると、所定の回折方向に回折される光の波長λは、回折格子の変位周期に比例する。
【0047】
ここで、図4は、可動膜40を5個おきに下方に変位させるように可動膜40の上部電極47に選択的に電圧を印加した状態を示す図であり、図5は、可動膜40を6個おきに下方に変位させるように可動膜40の上部電極47に選択的に電圧を印加した状態を示す図であり、図6は、可動膜40を7個おきに下方に変位させるように可動膜40の上部電極47に選択的に電圧を印加した状態を示す図である。
【0048】
図4、図5及び図6に対応する状態において、それぞれ所定の入射角θで入射し、回折角θで回折する光の波長λの比は、それぞれ5:6:7となる。ここで、図4の状態において、所定の入射角θで入射し、回折角θで回折する光の波長λが450nm(青色光)であるとすると、図5の状態で回折角θで回折する光の波長λは、540nm(緑色光)となり、図6の状態で回折角θで回折する光の波長λは、630nm(赤色光)となる。
【0049】
以上をまとめると、光変調素子1は、図4、図5及び図6の状態に対応して、それぞれ青色光、緑色光及び赤色光を所定の回折角θで回折することができる。すなわち、本実施形態の光変調素子1は、可動膜40を選択的に変位させることによって、可動膜40の変位状態に応じて回折する光の波長λを変化させることにより、青色光、緑色光及び赤色光のうち所望の光を所定の回折角で回折させることが可能な光変調素子として機能する。
【0050】
したがって、所定の入射角θで波長λ=450nm(青色光)、540nm(緑色光)、630nm(赤色光)が光変調素子1に入射したとき、すべての可動膜40が変位していない場合には、光変調素子1は、どの波長λの光であってもリボンミラー部43の上面43aにて入射角θに対応した反射角で光を反射する。
【0051】
一方、可動膜40が周期的に変位している場合には、可動膜40の変位周期に応じた波長λの光を所定の回折角θで回折する。よって、所定の回折角θの方向に光検出器等を配置しておくことにより、可動膜40の変位周期に応じて波長選択を行い、選択された波長λの光のみを出力光として光検出器によって検出することが可能である。
【0052】
光変調素子1は、基板10上に各種層を成膜していくことにより作成することが可能である。以下、図7〜図9を参照しながら、光変調素子1の作成方法について説明を行う。
【0053】
先ず、ガラス基板10の表面を所定のアルカリ溶液を用いて洗浄し、その後に超純水で純水リンスを行い、溶剤やホコリを洗い流す。その後、120℃で1時間乾燥を行い、ガラス基板10の洗浄を完了する(図7(a)参照)。
【0054】
基板洗浄完了後、スパッタリング等により、基板10の表面上にITO50を0.15μm成膜し、下部電極30成膜のための下地を作る(図7(b)参照)。
【0055】
そして、レジスト液をITO50に塗布し、100℃で30分間乾燥させる。その後、図示せぬマスクを用いて、ITO50上から単位面積あたり80mjの露光量で作成する下部電極30の形状に対応したパターンで露光を行う。その後、120℃で1時間の間ベーキングを行った後、エッチング液を用いて、露光した部分のレジストを剥離して、所望の形状の下部電極30をガラス基板10上に形成する(図7(c)参照)。
【0056】
次に、下部電極30が形成されたガラス基板10上に、SiOをスパッタリングで0.5μm成膜し、絶縁膜20を形成する(図7(d)参照)。
【0057】
その後、可動膜40成膜の下準備として、絶縁膜20上に犠牲層としてのAl膜60をスパッタリングまたは蒸着法を用いて、0.4μm成膜する(図7(e)参照)。
【0058】
次に、可動膜40と絶縁膜20との間に形成される間隙の形状に応じた形にAl膜60をパターンニングする。ここでは、レジスト液をAl膜60上に塗布し、100℃で30分間乾燥させる。その後、図示せぬマスクを用いて、Al膜60上から単位面積あたり80mjの露光量で、パターンニング形状に対応したパターン露光を行う。その後、120℃で1時間の間ベーキングを行った後、エッチング液を用いて、露光したレジストを剥離して、所望の形状のAl膜60を絶縁膜20上に形成する(図8(a)参照)。
【0059】
次に、Al膜60がパターンニングされた絶縁膜70上に、300℃のプラズマCVD法を用いてSiNx膜70を成膜する。このSiNx膜70は、可動膜40の支持膜46として構成されるものである。SiNx膜70の厚さは、SiNx膜70が可動膜40の一部である支持膜46となったときに内部残留応力が適切な値となり、スムーズに可動膜40の一部として上下に可動できる程度の厚さに調整される(図8(b)参照)。
【0060】
次に、SiNx膜70上にITO80をスパッタリングまたは常温成膜で成膜する。このITO80は、可動膜40の上部電極47として構成されるものである(図8(c)参照)。
【0061】
その後、可動膜40の上部電極47の形状に応じて、ITO80のパターンニングを行う。ここでは、レジスト液をITO80上に塗布し、100℃で30分間乾燥させた後に、図示せぬマスクを用いてITO80上から単位面積あたり80mjの露光量で、作成するパターンニングする形状に対応したパターン露光を行う。その後、120℃で1時間の間ベーキングを行った後、エッチング液を用いて、レジストを剥離して、所望の形状の上部電極47をSiNx膜70上に形成する(図8(d)参照)。
【0062】
次に、可動膜40の支持膜46の形状に応じて、SiNx70のパターンニングを行う。ここでは、パターンニングの精度が要求されるため、ドライエッチングを使用する。具体的には、SiNx用ドライエッチングガスとしてCFを100W、80Paで2分間、そしてレジスト用ガスとしてOを100W、100Paで2分間、それぞれ照射してエッチングを行い、支持膜46を成形する(図9(a)参照)。
【0063】
次に、ITOに対してアニール処理を行い、残留応力や内部ひずみを除去し、結晶欠陥を低減させ均一化を行う。ここでは、全体を230℃の雰囲気下に2時間放置することにより、アニール処理が行われる(図9(b)参照)。
【0064】
そして最後に、犠牲層としてのAl膜60をAl用エッチング液を用いて除去する。その後、メタノールでリンスを行い、超臨界洗浄乾燥機で2時間洗浄及び乾燥を行い、光変調素子1が完成する(図9(c)参照)。
【0065】
以上、本実施形態の光変調素子1は、それぞれ光を反射する反射面である上面43aを有し、互いに平行に配列された複数の可動膜40と、絶縁膜20を介して複数の可動膜40のそれぞれの両端(固定部41,42)を固定支持する基板10と、複数の可動膜40に対応するように前記複数の可動膜40の下方(基板10と絶縁膜20との間)に設けられ、静電気力により複数の可動膜40を変位させる変動素子としての下部電極30と、前記複数の可動膜40に選択的に電圧を印加し、前記複数の可動膜40を周期的に変位させる駆動手段と、を備えている。複数の可動膜40は、周期的かつ選択的に変位させられることにより、前記複数の可動膜40の上面43aに入射する入射光を前記入射光の波長λに応じて選択的に回折させる。
【0066】
したがって、本実施形態の光変調素子1によれば、複数の可動膜40を選択的に変位させることにより、入射光を波長λに応じて選択的に回折させることが可能である。すなわち、入射光の波長λに応じた周期で複数の可動膜40を選択的に変位させておくことにより、所定の波長λを有する光のみを所定の回折角θで回折することができる。よって、光変調素子1を用いることにより、複数の波長λを持つ光を回折させて、選択的に光を取り出すことが可能となる。また、一つの光変調素子1を用いるだけで、複数の波長選択を行うことが可能であるため、小型で且つ汎用性の高い光変調素子1を提供することが可能となる。
【0067】
なお、本実施形態では、可動膜40を12本配設する構造としたが、これに限られることはなく、光の回折効率を高めるために、さらに多くの可動膜40を配設するように構成してもよい。
【0068】
また、本実施形態では、基板としてガラス基板10を用いるとして説明を行ったが、これに限られることはなく、プラスチック等の樹脂、金属、半導体等を用いて構成することも可能である。
【0069】
また、本実施形態では、上部電極47及び下部電極30は、ITOであるとして説明を行ったが、これに限られることはなく、Al,Ti,Au,Ag,W等を蒸着法等により成膜し、構成してもよい。
【0070】
また、本実施形態では、犠牲層としてAl膜60を用いるとして説明を行ったが、これに限られることはなく、シリコン酸化物、窒化シリコン、ポリシリコン、シリコン−ゲルマニウム合金、ポリイミド等を用いて構成してもよい。
【0071】
また、本実施形態において、すべての可動膜40が可動するように構成する必要はなく、可動が必要な可動膜40にのみ電気的配線を施し、下部電極30と上部電極47との間に可動に必要な所定の電位差を発生可能に構成してもよい。
(第2実施形態)
以下、図10〜図17を参照しながら、本発明に係る光変調素子の第2実施形態について説明する。
【0072】
図10は本発明に係る第2実施形態の光変調素子100を示す斜視図であり、図11は図10のXI−XI矢視断面図であり、図12は、図10のXII−XII矢視断面図である。また、図13、図14、及び図15は、光変調素子の可動膜を所定間隔おきに変位させた状態をそれぞれ示す図である。
【0073】
本実施形態の光変調素子100は、MEMS素子(微小電気駆動機械式素子)であり、図10及び図11に示すように、断面視コの字形状のガラス基板110上に、複数のリボン形状の可動膜140が所定間隔おきに配置されて構成されたものである。これら複数のリボン形状の可動膜140は、それぞれ幅が1μm程度の素子である。
【0074】
ガラス基板110は、ガラス基板110の中央部にその長手方向に沿って凹部110aが形成されており、平板形状の基体110b上に段部111,112がガラス基板110の長手方向に沿ってガラス基板110の幅方向端部に平行に設けられた構成となっている。
【0075】
ガラス基板110の凹部110aの底面110c上には、ITOからなる下部電極130が成膜されている。この下部電極130には、図示せぬ電圧印加手段によって、所定の電圧が印加されるように構成されている。この下部電極130の上面には、下部電極130を覆うように絶縁層120が成膜されている。
【0076】
ガラス基板110の段部111,112上には、複数のリボン形状の可動膜140のそれぞれが、可動膜140の長手方向の両端に設けられた固定部141,142を介して固定されている。これにより、複数の可動膜140は、その幅方向(以下、可動膜配列方向と呼ぶ)に隣り合う可動膜140と平行となるように配置されている。ここで、複数の可動膜140は、それぞれ幅方向に所定間隔離されて配列されている。ここで、隣接する可動膜40間の設けられる間隔は、可動膜40の幅と比べ十分に小さく、ある可動膜40の幅方向一端から、隣接する可動膜40の幅方向一端までの距離は、可動膜40の幅とほぼ一致するものとする。
【0077】
可動膜140において、固定部141,142間に連接された平板形状のリボンミラー部143は、その上面143aが、それぞれ入射する光を反射する反射面として構成されており、厚み方向(ここでは、ガラス基板110に垂直な方向)に絶縁膜120との間に所定の間隙140aを有して配置される構造となっている。
【0078】
また、複数のリボン形状の可動膜140は、それぞれ厚さ方向に、支持膜146と、支持膜146上に上部電極147を積層して構成された薄膜として構成されている。支持膜146は、SiNxからなり、固定部141,142に対応する位置の支持膜146が、段部111,112上に固定されるようになっている。また、上部電極147は、支持膜146の上面を覆うように成膜されたITO膜である。可動膜140は、支持膜146と上部電極147が一体となって、固定部141,142、リボンミラー部143を構成し、全体として薄膜のリボン状に形成されている。
【0079】
各可動膜140に設けられた上部電極147には、ガラス基板110及び支持膜146を厚さ方向に貫通する孔110dが形成されている。この孔110d内には、AlまたはAl合金等からなる導電性の接続部148が埋め込まれている。この接続部148は、ガラス基板110、支持膜146を貫通して上部電極147に連接されている。
【0080】
図示せぬ電圧印加手段は、この接続部148を介して上部電極147に所定の電圧を独立に与えるように構成されている。これにより、光変調素子100は、各可動膜140と下方に配置された下部電極130との間にそれぞれ独立に電位差を生じさせることが可能に構成されている。各可動膜140の上部電極147と下部電極130間の電位差が所定値以上となると、可動膜140は、両電極間に作用する静電気力によって固定部141,142とリボンミラー部143との間において折り曲げられ、リボンミラー部143が厚み方向に変位することにより、リボンミラー部143が間隙140aの方向に移動し、絶縁膜120上に張り付く。これにより、変位した可動部140のリボンミラー部143は、隣接する変位していない可動膜140のリボンミラー部143より下方に押し下げられた状態となる。なお、この可動膜140は、数ナノ秒程度の応答性で上下動させることが可能である。
【0081】
本実施形態の光変調素子100は、第1実施形態の光変調素子1と同様に、可動膜140を所定間隔おきに変位させることにより、光変調素子100上に入射する光を、その波長λに応じて選択的に所定の回折角で回折させる反射型の回折格子として機能する。ここで、光変調素子100に入射する光の回折条件は、前述の式(1)によって表される。
【0082】
式(1)から理解されるように、入射角θおよび回折角θが決定されているとすると、所定の回折方向に回折される光の波長λは、回折格子の変位周期に比例する。
【0083】
ここで、図13は、可動膜140を5個おきに下方に変位させるように可動膜140の上部電極147に選択的に電圧を印加した状態を示す図であり、図14は、可動膜140を6個おきに下方に変位させるように可動膜140の上部電極147に選択的に電圧を印加した状態を示す図であり、図6は、可動膜40を7個おきに下方に変位させるように可動膜140の上部電極147に選択的に電圧を印加した状態を示す図である。
【0084】
図13、図14及び図15に対応する状態において、それぞれ所定の入射角θで入射し、回折角θで回折する光の波長λの比は、それぞれ5:6:7となる。ここで、図13の状態において、所定の入射角θで入射し、回折角θで回折する光の波長λが450nm(青色光)であるとすると、図14の状態で回折角θで回折する光の波長λは、540nm(緑色光)となり、図15の状態で回折角θで回折する光の波長λは、630nm(赤色光)となる。
【0085】
以上をまとめると、光変調素子100は、図13、図14及び図15の状態に対応して、それぞれ青色光、緑色光及び赤色光を所定の回折角θで回折することができる。すなわち、本実施形態の光変調素子100は、可動膜140を選択的に変位させることによって、可動膜140の変位状態に応じて回折する光の波長λを変化させることにより、青色光、緑色光及び赤色光のうち所望の光を所定の回折角で回折させることが可能な光変調素子として機能する。
【0086】
したがって、所定の入射角θで波長λ=450nm(青色光)、540nm(緑色光)、630nm(赤色光)が光変調素子に入射したとき、すべての可動膜140が変位していない場合には、リボンミラー部143の上面143aで、どの波長λの光であっても入射角θに対応した反射角で光を反射する。
【0087】
一方、可動膜40が周期的に変位している場合には、可動膜140の変位周期に応じた波長λの光を所定の回折角θで回折する。よって、所定の回折角θの方向に光検出器等を配置しておくことにより、可動膜140の変位周期に応じて波長選択を行い、選択された波長λの光のみを出力光として光検出器によって検出することが可能である。
【0088】
光変調素子100は、基板110上に各種層を成膜していくことにより作成することが可能である。以下、図16〜図17を参照しながら、光変調素子100の作成方法について説明を行う。
【0089】
先ず、ガラス基板110の表面を所定のアルカリ溶液を用いて洗浄し、その後に超純水で純水リンスを行い、溶剤やホコリを洗い流す。その後、120℃で1時間乾燥を行い、ガラス基板110の洗浄を完了する(図16(a)参照)。
【0090】
ガラス基板110の洗浄完了後、凹部110aの形成を行う。ガラス基板110の表面にレジスト液を塗布して乾燥させる。その後、図示せぬマスクを用いて、作成する凹部110aに対応した位置に露光を行い、その後、露光したガラス基板110中央部をエッチングにより除去し、凹部110aを形成する(図16(b))。
【0091】
そして、蒸着法やスパッタリング等により、凹部110aの底面110c上にITO50を0.15μm成膜し、下部電極130を成膜する(図16(c)参照)。
【0092】
次に、下部電極130上に、SiOを蒸着法やスパッタリング等により、0.5μm成膜し、絶縁膜120を形成する(図16(d)参照)。
【0093】
その後、可動膜140成膜の下準備として、絶縁膜120上に犠牲層としてのシリコン酸化物膜160をスパッタリングまたは蒸着法を用いて、成膜する。この際、凹部110aからはみ出して成膜された部分161、ならびに段部111及び112上に成膜された部分162(すなわち、図16(e)のa−a断面より上の部分)は、研磨等により除去し、シリコン酸化物膜160が凹部110を埋めるような状態にする(図16(e)参照)。
【0094】
次に、シリコン酸化物膜160及びガラス基板110の上面に、SiNx膜170を300℃のプラズマCVD法を用いて成膜する。このSiNx膜膜170は、可動膜140の支持膜146として構成されるものである。SiNx膜170の厚さは、SiNx膜70が可動膜40の一部である支持膜46となったときに内部残留応力が適切な値となり、スムーズに可動膜40の一部として上下に可動できる程度の厚さに調整される(図17(a)参照)。
【0095】
次に、SiNx膜170が成膜されたガラス基板110の長手方向に沿って所定間隔毎に孔110dをエッチングにより形成し、この孔110dを埋めるようにAl、Al合金等からなる接続部148が形成される(図17(b)参照)
次に、SiNx膜170上にITO180をスパッタリングまたは常温成膜で成膜する。このITO180は、可動膜140の上部電極147として構成されるものである(図17(c)参照)。
【0096】
その後、成形する可動膜140の形状に応じて、ITO180及びSiNx膜170のパターンニングを行う。ここでも、フォトリソグラフィ法を用いて、可動膜40に対応したパターンのマスクした後、露光を行い、乾式及び湿式エッチングによりパターンを形成する。(図17(d)参照、本図は上面図)。
【0097】
そして最後に、犠牲層としてのシリコン酸化物膜160を二フッ化キセノンを用いて、ドライエッチングにより除去する。メタノールでリンスを行い、超臨界洗浄乾燥機で2時間洗浄及び乾燥を行い、所定の電極毎に配線を行い光変調素子100が完成する(図17(e)参照)。
【0098】
以上、本実施形態の光変調素子100は、それぞれ光を反射する反射面である上面143aを有し、互いに平行に配列された複数の可動膜140と、絶縁膜120を介して複数の可動膜140のそれぞれの両端(固定部141,142)を固定支持する基板110と、複数の可動膜140に対応するように前記複数の可動膜140の下方(基板110と絶縁膜120との間)に設けられ、静電気力により複数の可動膜140を変位させる変動素子しての下部電極130と、前記複数の可動膜140に選択的に電圧を印加し、前記複数の可動膜140を周期的に変位させる駆動手段と、を備えている。複数の可動膜140は、周期的かつ選択的に変位させられることにより、前記複数の可動膜140の上面143aに入射する入射光を前記入射光の波長λに応じて選択的に回折させる。
【0099】
したがって、本実施形態の光変調素子100によれば、複数の可動膜140を選択的に変位させることにより、入射光を波長λに応じて選択的に回折させることが可能である。すなわち、入射光の波長λに応じた周期で複数の可動膜140を選択的に変位させておくことにより、所定の波長λを有する光のみを所定の回折角θで回折することができる。よって、光変調素子100を用いることにより、複数の波長λを持つ光を回折させて、選択的に光を取り出すことが可能となる。また、一つの光変調素子100を用いるだけで、複数の波長選択を行うことが可能であるため、小型で且つ汎用性の高い光変調素子100を提供することが可能となる。
【0100】
なお、本実施形態では、可動膜140を12本配設する構造としたが、これに限られることはなく、光の回折効率を高めるために、さらに多くの可動膜140を配設するように構成してもよい。
【0101】
また、本実施形態では、基板としてガラス基板110を用いるとして説明を行ったが、これに限られることはなく、プラスチック等の樹脂、金属、半導体等を用いて構成することも可能である。
【0102】
また、本実施形態では、上部電極147及び下部電極130は、ITOであるとして説明を行ったが、これに限られることはなく、Al,Ti,Au,Ag,W等を蒸着法等により成膜し、構成してもよい。
【0103】
また、本実施形態では、犠牲層としてシリコン酸化物膜160を用いるとして説明を行ったが、これに限られることはなく、窒化シリコン、ポリシリコン、シリコン−ゲルマニウム合金、ポリイミド等を用いて構成してもよい。
【0104】
また、本実施形態において、すべての可動膜140が可動するように構成する必要はなく、可動が必要な可動膜140にのみ電気的配線を施し、下部電極130と上部電極147との間に可動に必要な所定の電位差を発生可能に構成してもよい。
(第3実施形態)
以下、図18〜図21を参照しながら、本発明に係る光変調素子の第3実施形態として、画像表示装置に適用された形態について説明する。
【0105】
図18は、第1実施形態の光変調素子1または第2実施形態の光変調素子100が適用された画像表示装置200を示す図である。本実施形態の画像表示装置200は、所定の光量の光201を出力する光源210と、光源210から出力した光201を赤、青及び緑色波長の光に時分割で変換するフィルタ部220と、フィルタ部220から送られた光202を所定の光路に沿って反射するミラー230と、ミラー230からの光を平行光に変換するコリメータレンズ235と、コリメータレンズから送られる平行光203を選択的に出力側に出力する光変調素子アレイ240と、光変調素子アレイ240によって選択された光を投影面250に投影し、結像する投影レンズ245とを有している。
【0106】
光源210は、キセノン、メタルハライドランプ、超高圧水銀灯等の高出力ランプである。この光源210は、後述のフィルタ部220のカラーフィルタ223上に集光するように、高出力の白色光を出力する。
【0107】
図19は、フィルタ部220のカラーフィルタ223を示す図である。フィルタ部220は、図18に示すように、円盤状のカラーフィルタ223が回転軸222を介して駆動モータ221によって回転するように構成されたものである。カラーフィルタ223は、円盤中心223aが回転軸222の軸芯と同心となるようにに取り付けられることにより、円盤中心223aを回転中心として等速回転する。
【0108】
カラーフィルタ223は、円盤中心223aを中心として周方向に3分割されており、それぞれの領域に赤、緑、青の各色の色フィルタ224,225,226が取り付けられている。光源210から出力した光201は、この各色フィルタ224,225,226のいずれかを通過し、赤色フィルタ224を通過したときは赤色光(波長:約630nm)が、緑色フィルタ225を通過したときは緑色光(波長:約540nm)が、青色フィルタ226を通過したときは青色光(波長:約450nm)が、透過するように構成されている。したがって、カラーフィルタ223からは、カラーフィルタ223の回転速度に応じて、所定時間毎に赤色光、緑色光、青色光が順次出力されるように構成されている。
【0109】
ミラー230は、後段に配置された光変調素子アレイ240に対し、カラーフィルタ223を出射した光202が所定の入射角θで入射するような角度で反射する。ミラー230を出射した光202は、コリメータレンズ235によって、平行光203に変換される。この平行光203は、光変調素子アレイ240の全面にわたって同じ入射角θで入射するように光変調素子アレイ240に送られる。
【0110】
図20は、光変調素子アレイ240の表面を示す図であり、図21は、光変調素子アレイ240上での反射光204及び回折光205の出力方向を示す図である。光変調素子アレイ240は、第1実施形態の光変調素子1または第2実施形態の光変調素子100が、同一平面上に複数個二次元配列されたものである。この光変調素子アレイ240上の各光変調素子1(100)には、コリメータレンズ230から送られる平行光203がそれぞれ入射するように構成されている。ここで、各光変調素子1(100)への光の入射効率を高めるために、各光変調素子1の入射面上方に、単焦点レンズをそれぞれ設けるように構成してもよい。
【0111】
ここで、各光変調素子1(100)は、他の光変調素子1(100)とは独立に、ON状態、OFF状態を制御可能に構成されている。
【0112】
OFF状態とは、光変調素子1(100)上のすべての可動膜40(140)が変位していない状態を指す。このOFF状態の光変調素子1(100)に入射した光は、図21に示すように、光変調素子1(100)のリボンミラー部43の表面で反射し、入射角θと等しい反射角θで出力される。この反射角θで反射された反射光204は、画像表示装置200の出力側には送られない。
【0113】
一方、ON状態とは、光変調素子1(100)上の可動膜40(140)が入射する光の波長に応じて、例えば、5個、6個または7個おきに変位している状態を指す。このON状態の光変調素子1(100)に入射した光は、同じく図21に示すように、変位状態に応じて、光を所定の回折角θで回折し、出力される。この回折角θで回折した回折光205は、投影レンズ245を介して画像表示装置200の外部に出力され、投影面250上に投影される。
【0114】
すなわち、光変調素子240上の各光変調素子1(100)は、画像表示装置200の一つの画素に対応し、その画素位置におけるRGB信号の色比率に応じた時間だけ、赤、緑、青の各色光が光変調素子1(100)によって順次回折され、投影面250に投影される。これにより、画像表示装置200は、投影面250上に、1フレーム分のRGB信号に応じた光を時分割表示する。投影面250を見るユーザの網膜には、時分割された光が順次焼き付けられ、赤、緑、青の発行時間に応じた色が表示されているとして認識する。
【0115】
具体例を挙げると、例えばRGB信号が、各色256階調で表現されている場合には、光変調素子1のON時間をそれぞれ256分割で制御する。より具体的な例として、ある画素におけるあるフレーム中のRGB信号の比率が(R,G,B)=(128,0,64)であった場合を考える。この場合、該当する画素に対応する位置の光変調素子1(100)は、光変調素子1(100)に赤色光、緑色光、青色光が順次入射するとすると、第一に入射する赤色光を入射時間の128/256の間回折し、次に入射する緑色光を入射時間の0/256の間回折し、最後に入射する青色光を入射時間の64/256の間回折するように、ON/OFF制御される。これにより、各色光は、上記ON時間に対応した時間だけ投影面250に送られ、投影面250上に(R,G,B)=(128,0,64)に対応した色を表現する。
【0116】
ここで、具体的な画像表示装置200のパラメータとしては、光変調素子の各可動膜40の幅が、1μmであるとすると、赤色光、緑色光、青色光に対応する可動膜の変位周期は、それぞれ7μm,6μm,5μmとなる。このような光変調素子アレイ240を用いた場合、入射角θが30゜となるようにミラー230を配設したときには、式(1)に基づき、回折角θが約40゜となるように構成することにより、回折光205を取り出すことが可能である。また、入射角θが10゜となるようにミラー230を配設したときには、式(1)に基づき、回折角θが約25゜となるように構成することにより、回折光205を取り出すことが可能である。
【0117】
画像表示装置200においては、投影面250に投影すべき映像信号であるRGB信号は、外部入力部260を介して受け取られる。この外部入力部260で受け取ったRGB信号は、主制御部270に送られる。
【0118】
主制御部270は、受け取ったRGB信号を各フレーム及び各画素毎に、RGB信号を時分割表示用の変調信号に変換し、光変調素子制御部290に出力する。また、主制御部270は、光変調素子制御部290に送られた変調信号に対応した同期信号を回転制御部280に出力する。
【0119】
回転制御部280は、主制御部270から出力された同期信号に応じて、フィルタ部220の駆動モータ221を駆動し、カラーフィルタ223を等速度で回転駆動する。これにより、光源210を出力された白色光は、カラーフィルタ223に設けられた各色フィルタ224,225,226により波長選択され、赤色光、緑色光、青色光がカラーフィルタ223から所定時間ずつ順次出力される。
【0120】
光変調素子制御部290は、主制御部270から出力された変調信号に応じて、光変調素子アレイ240上の各光変調素子1(100)の駆動制御を行う。すなわち、光変調素子制御部290は、光変調素子アレイ240上の各光変調素子1(100)の下部電極30(130)に所定電圧を印加し、上部電極47(147)に選択的に電圧を印加することにより、下部電極30(130)と上部電極47(147)との間に所定の電位差を生じさせ、可動膜40(140)を選択的に変位させる。
【0121】
具体的には、光変調素子制御部290は、主制御部270から出力された変調信号に応じて、コリメータレンズ235側から送られてくる平行光203とされて順次送られる赤色光、緑色光、青色光を光変調素子アレイ240が所定の色および強度に応じた色信号を投影面250に投影するように、光変調素子240の各光変調素子1(100)を駆動する。これにより、光変調素子制御部290は光変調素子アレイ240に順次入射する赤色光、緑色光、青色光のそれぞれを変調信号に応じた時間だけ、回折させ投影面250に出力するように制御することにより、画像を時分割的に投影面250に投影表示する。
【0122】
以上、本実施形態の画像表示装置200は、RGBの各色に対応した光を、順次光変調素子アレイ240上に送出し、光変調素子アレイ240の各光変調素子1(100)を映像信号であるRGB信号に対応して駆動することにより投影面250に画像(映像)を表示する。すなわち、光変調素子アレイ240の各光変調素子1(100)は、画像表示装置200が出力する画像(映像)の一つの画素に対応し、その画素位置におけるRGB信号の色比率に応じた時間だけ、赤、緑、青の各色光が光変調素子1(100)によって順次回折され、投影面250に投影される。
【0123】
したがって、本実施形態によれば、各画素毎に単一の光変調素子1(100)を設けることにより、画像を時分割で表示することが可能な画像表示装置200を提供することが可能となる。この画像表示装置200は、各画素毎に単一の光変調素子のみで画像表示を行うため、各画素毎にRGBにそれぞれ対応した3つの光変調素子を設けるタイプと比べ、設置面積を減らすことが可能となり、従来に比べ光変調素子アレイの小型化を図ることが可能となる。
【0124】
また、本実施形態の画像表示装置200によれば、光変調素子アレイ240を用いてRGB信号を時分割して投影面250に投影表示させるため、空間分解能を損なうことなく画像表示を行うことが可能となる。したがって、高い空間解像度を有する画像を容易に表現可能な画像表示装置を提供することが可能となる。
【0125】
また、本実施形態によれば、動作変位量が小さく且つ高速応答性の高い可動膜40を用いて構成された光変調素子1(100)を有する光変調素子アレイ240が用いられている。したがって、消費電力を低く保ちつつ、画像表示に十分な高い応答性を有する画像表示装置200を構成することが可能となる。
【0126】
なお、本実施形態では、主制御部270は、受け取ったRGB信号を各フレーム及び各画素毎に、RGB信号を時分割表示用の変調信号に変換し、光変調素子制御部290に出力するとしたが、これに限られず、画像表示装置200の外部で時分割表示用の変調信号が作成され、外部入力部260が受け取る信号が最初から時分割表示用の変調信号であってもよい。
【0127】
また、本実施形態では、出力されて投影される光は、回折光であるとしたが、これに限られず、各光変調素子1(100)がOFF状態のときの反射光204を外部に取り出すように構成してもよい。
【0128】
(第4実施形態)
以下、図22を参照しながら、本発明に係る光変調素子の第4実施形態として画像表示装置に適用された形態について説明する。
【0129】
図22は、第1実施形態の光変調素子1または第2実施形態の光変調素子1(100)が適用された画像表示装置300を示す図である。本実施形態の画像表示装置300は、赤色レーザ光源311と、緑色レーザ光源312と、青色レーザ光源313と、分離ミラー314,315と、コリメータレンズ320と、ミラー330と、光変調素子アレイ340と、投影レンズ345とを有している。
【0130】
本実施形態の画像表示装置300は、光源として、例えば半導体レーザ等で構成される3種類の光源を用いて所定の波長の光を出力するように構成されている。すなわち、本実施形態では、赤色レーザ光源311は、波長630nmの赤色光を出力する光源であり、緑色レーザ光源312は、波長540nmの緑色光を出力する光源であり、そして青色レーザ光源313は、波長450nmの青色光を出力する光源である。これらの光源は、後述のレーザ光源駆動制御部380によって、順次光を出射するように制御される。
【0131】
分離ミラー314は、緑色レーザ光源312から出力した緑色光を反射し、赤色レーザ光源311から出力した波長の長い赤色光を透過するミラーである。赤色レーザ光源から出力した赤色光は、分離ミラー314を透過して分離ミラー315に入射する。一方、緑色レーザ光源から出力した緑色光は、分離ミラー314にて反射して分離ミラー315に入射する。
【0132】
分離ミラー315は、青色レーザ光源313から出力した青色光を反射し、赤色レーザ光源311および緑色レーザ光源312から出力した波長の長い赤色光および緑色光を透過するミラーである。赤色レーザ光源311および緑色レーザ光源312から分離ミラー314を介して分離ミラー315に入射する赤色光および緑色光は、分離ミラー315を透過し、後段のコリメータレンズ320に入射する。一方、青色レーザ光源313から分離ミラー315に入射する青色光は、分離ミラー315にて反射し、後段のコリメータレンズ320に入射する。
【0133】
コリメータレンズ320は、分離ミラー315から送られてくる赤色光、緑色光、および青色光を平行光に変換するミラーである。コリメータレンズ320によって平行光とされた各色光は、ミラー330にて反射し、所定の入射角θにて光変調素子アレイ340に入射する。
【0134】
光変調素子アレイ340は、第3実施形態の光変調素子アレイ240と同様に、第1実施形態の光変調素子1または第2実施形態の光変調素子100が、同一平面上に複数個二次元配列されたものである。各光変調素子1(100)は、他の光変調素子1(100)とは、独立にON、OFF制御可能に構成されている。各光変調素子1(100)の駆動制御については、第3実施形態の光変調素子アレイ240と同様である。
【0135】
投影レンズ345は、光変調素子アレイ340によって選択的に回折した回折光を投影面350に投影し、結像するレンズである。
【0136】
画像表示装置300においては、投影面350に投影すべき映像信号であるRGB信号は、外部入力部360を介して受け取られる。この外部入力部360で受け取ったRGB信号は、主制御部370に送られる。
【0137】
主制御部370は、受け取ったRGB信号を各フレーム及び各画素毎に、RGB信号を時分割表示用の変調信号に変換し、光変調素子制御部390に出力する。また、主制御部370は、光変調素子制御部390に送られた変調信号に対応した同期信号をレーザ光源駆動制御部380に出力する。
【0138】
レーザ光源駆動制御部380は、主制御部370から出力された同期信号に応じて、青色レーザ光源311、緑色レーザ光源312および赤色レーザ光源313を制御する。このレーザ光源駆動制御部380は、各光源311,312,313が所定時間ずつ順次光を出射することにより、光変調素子アレイ340の表面に、赤色光、緑色光、青色光の順番で連続的に光が供給されるように各光源を駆動制御する。
【0139】
光変調素子制御部390は、主制御部370から出力された変調信号に応じて、光変調素子アレイ340上の各光変調素子1(100)の駆動制御を行う。すなわち、光変調素子制御部390は、光変調素子アレイ340上の各光変調素子1(100)の下部電極30(130)に所定電圧を印加し、上部電極47(147)に選択的に電圧を印加することにより、下部電極30(130)と上部電極47(147)との間に所定の電位差を生じさせ、可動膜40(140)を選択的に変位させる。
【0140】
これにより、光変調素子制御部390は、光変調素子アレイ340に順次入射する赤色光、緑色光、青色光のそれぞれを変調信号に応じた時間だけ、回折させ投影面350に出力するように制御し、画像を時分割的に投影面350に投影表示する。この光変調素子390の制御プロセスについては、第3実施形態の光変調素子制御部290の動作と同様である。
【0141】
以上、本実施形態の画像表示装置300は、RGBの各色に対応した光を、順次光変調素子アレイ340上に送出し、光変調素子アレイ340の各光変調素子1(100)を映像信号であるRGB信号に対応して駆動することにより投影面350に画像(映像)を表示する。すなわち、光変調素子アレイ340の各光変調素子1(100)は、画像表示装置300が出力する画像(映像)の一つの画素に対応し、その画素位置におけるRGB信号の色比率に応じた時間だけ、赤、緑、青の各色光が光変調素子1(100)によって順次回折され、投影面350に投影される。
【0142】
したがって、本実施形態によれば、各画素毎に単一の光変調素子1(100)を設けることにより、画像を時分割で表示することが可能な画像表示装置300を提供することが可能となる。この画像表示装置300は、各画素毎に単一の光変調素子のみで画像表示を行うため、各画素毎にRGBにそれぞれ対応した3つの光変調素子を設けるタイプと比べ、設置面積を減らすことが可能となり、従来に比べ光変調素子アレイの小型化を図ることが可能となる。
【0143】
また、本実施形態の画像表示装置300によれば、光変調素子アレイ340を用いてRGB信号を時分割して投影面350に投影表示させるため、空間分解能を損なうことなく画像表示を行うことが可能となる。したがって、高い空間解像度を有する画像を容易に表現可能な画像表示装置を提供することが可能となる。
【0144】
また、本実施形態によれば、動作変位量が小さく且つ高速応答性の高い可動膜40を用いて構成された光変調素子1(100)を有する光変調素子アレイ340が用いられている。したがって、消費電力を低く保ちつつ、画像表示に十分な高い応答性を有する画像表示装置300を構成することが可能となる。
【0145】
なお、本実施形態では、主制御部370は、受け取ったRGB信号を各フレーム及び各画素毎に、RGB信号を時分割表示用の変調信号に変換し、光変調素子制御部390に出力するとしたが、これに限られず、画像表示装置300の外部で時分割表示用の変調信号が作成され、外部入力部360が受け取る信号が最初から時分割表示用の変調信号であってもよい。
【0146】
また、本実施形態では、出力されて投影される光は、回折光であるとしたが、これに限られず、各光変調素子1(100)がOFF状態のときの反射光を外部に取り出すように構成してもよい。
【0147】
【発明の効果】
本発明の光変調素子によれば、複数の薄膜を選択的に変位させることにより、波長に応じて入射光を選択的に回折させることが可能である。したがって、一つの素子を用いて、複数の波長を持つ光を選択的に回折させることができるため、小型で且つ汎用性の高い光変調素子を提供することが可能となる。
【0148】
また、本発明の光変調素子アレイは、同一平面上に複数の光変調素子を配列した、すなわち、1次元または2次元的に複数の光変調素子をしたものである。したがって、この光変調素子アレイにおいて、個々の光変調素子を独立に駆動することにより、空間的に回折光を選択することが可能となる。
【0149】
また、本発明の画像表示装置によれば、光出力部から出射される赤色波長、緑色波長および青色波長を有する光を順次受け取って、それぞれ選択的に回折し、回折光を投影面に向けて投影結像することが可能である。したがって、光変調素子アレイ中の複数の光変調素子を独立に駆動することにより、空間的に回折光を選択し、投影面に投影する時分割型の画像表示装置を構成することが可能である。また、この画像表示装置においては、一つの素子が一つの画素に対応する小型かつ高速応答性に富んだ光変調素子アレイを用いているので、解像度が高く、コンパクトな画像表示装置を実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態の光変調素子を示す斜視図である。
【図2】図1のII−II矢視断面図である。
【図3】図1のIII−III矢視断面図である。
【図4】第1実施形態の光変調素子の可動膜を5個おきに変位させた状態をそれぞれ示す図である。
【図5】第1実施形態の光変調素子の可動膜を6個おきに変位させた状態をそれぞれ示す図である。
【図6】第1実施形態の光変調素子の可動膜を7個おきに変位させた状態をそれぞれ示す図である。
【図7】第1実施形態の光変調素子の作成方法を説明する図である。
【図8】第1実施形態の光変調素子の作成方法を説明する図である。
【図9】第1実施形態の光変調素子の作成方法を説明する図である。
【図10】本発明に係る第2実施形態の光変調素子を示す斜視図である。
【図11】図10のXI−XI矢視断面図である。
【図12】図10のXII−XII矢視断面図である。
【図13】第2実施形態の光変調素子の可動膜を5個おきに変位させた状態をそれぞれ示す図である。
【図14】第2実施形態の光変調素子の可動膜を6個おきに変位させた状態をそれぞれ示す図である。
【図15】第2実施形態の光変調素子の可動膜を7個おきに変位させた状態をそれぞれ示す図である。
【図16】第2実施形態の光変調素子の作成方法を説明する図である。
【図17】第2実施形態の光変調素子の作成方法を説明する図である。
【図18】第3実施形態の画像表示装置を示す図である。
【図19】第3実施形態のカラーフィルタを示す図である。
【図20】第3実施形態の光変調素子アレイを示す図である。
【図21】第3実施形態の光変調素子アレイの動作説明図である。
【図22】第4実施形態の画像表示装置を示す図である。
【符号の説明】
1,100 光変調素子
10,110 基板
20,120 絶縁膜
30,130 下部電極
40,140 可動膜
40a,140a 間隙
41,42,141,142 固定部
43,143 リボンミラー部
43a,143a 上面
44,45 傾斜部
46,146 支持膜
47,147 上部電極
110a 凹部
110b 基体
110c 底面
110d 孔
111,112 段部
148 接続部
200,300 画像表示装置
210 光源
220 フィルタ部
221 駆動モータ
222 回転軸
223 カラーフィルタ
230,330 ミラー
235,320 コリメータレンズ
240,340 光変調素子アレイ
245,345 投影レンズ
250,350 投影面
260,360 外部入力部
270,370 主制御部
280 回転制御部
290,390 光変調素子制御部
311 赤色レーザ光源
312 緑色レーザ光源
313 青色レーザ光源
314,315 分離ミラー
380 レーザ光源駆動部

Claims (12)

  1. 光を反射する反射面をそれぞれ有する複数の薄膜と、
    前記複数の薄膜を固定する基板と、
    前記複数の薄膜に電圧を印加することにより前記薄膜を変位させる駆動手段と、を有し、
    前記駆動手段は、前記複数の薄膜を選択的に変位させることにより、前記複数の薄膜の前記反射面に入射する入射光の波長に応じて、前記入射光を波長選択的に回折させることを特徴とする光変調素子。
  2. 前記複数の薄膜は、それぞれ前記駆動手段によって変位する可動部と、前記可動部の両端に連接され、前記基板上に固定された固定部とを有することを特徴とする請求項1記載の光変調素子。
  3. 前記複数の薄膜は、それぞれ前記基板上に長手方向が平行に設けられた回折格子であることを特徴とする請求項1または2記載の光変調素子。
  4. 前記駆動手段は、前記複数の薄膜の前記可動部の変位量を互いに同程度に変位させることを特徴とする請求項2または3記載の光変調素子。
  5. 前記駆動手段は、前記複数の薄膜が所定周期の配列となるように選択的に前記薄膜を変位させ、回折する前記入射光の波長を選択することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の光変調素子。
  6. 前記所定周期の配列は、複数の周期配列を含むことを特徴とする請求項5記載の光変調素子。
  7. 前記複数の周期配列は、赤色光、緑色光、青色光に対応する光をそれぞれ回折させる周期配列であることを特徴とする請求項6記載の光変調素子。
  8. 前記複数の周期配列は、配列周期が5:6:7の比であることを特徴とする請求項6または7記載の光変調素子。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の光変調素子を複数個平面上に配列したことを特徴とする光変調素子アレイ。
  10. 赤色波長、緑色波長および青色波長を有する光を順次出射する光出力部と、
    画像信号に応じて、前記光出力部から出射した前記光を波長選択的に回折する請求項10記載の光変調素子アレイと、
    前記光変調素子アレイから出射した回折光を投影面に向けて結像する投影レンズと、を備えたことを特徴とする画像表示装置。
  11. 前記光出力部は、
    白色光を出射する光源と、
    赤、緑および青のカラーフィルタを有し、前記光源から出射した前記白色光が前記赤、緑および青のカラーフィルタのそれぞれを順次透過するように前記カラーフィルタを動かすフィルタ部と、を有することを特徴とする請求項10記載の画像表示装置。
  12. 前記光出力部は、
    前記赤色波長を有する光を出射する赤色光光源と、
    前記緑色波長を有する光を出射する緑色光光源と、
    前記青色波長を有する光を出射する青色光光源と、
    前記赤色光源、緑色光源、および青色光源のそれぞれから順次光を出射するように、各光源を制御する光源駆動制御部と、を有することを特徴とする請求項9記載の画像表示装置。
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