JP2004309733A - 凹部付き基材の製造方法、凹部付き基材、マイクロレンズ用凹部付き基材、マイクロレンズ基板、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタ - Google Patents

凹部付き基材の製造方法、凹部付き基材、マイクロレンズ用凹部付き基材、マイクロレンズ基板、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタ Download PDF

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秀人 山下
Masashi Sakaguchi
昌史 坂口
Daisuke Sawaki
大輔 澤木
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Abstract

【課題】凹部付き基材を安価で、生産性よく製造することが可能な製造方法を提供すること、前記方法により製造された凹部付き基材、マイクロレンズ用凹部付き基材を提供すること、前記マイクロレンズ用凹部付き基材を用いて製造されるマイクロレンズ基板を提供すること、また、前記マイクロレンズ基板を備えた透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタを提供すること。
【解決手段】基板5上に、初期凹部51を形成し、初期凹部51を有する基板5にエッチングを施し、基板5上に凹部を形成する。凹部の形成方法としては、レーザ加工、ブラスト加工が好ましい。初期凹部51の直径をa[μm]、前記初期凹部51の深さをb[μm]としたとき、a/b≦0.25の関係を満足するものが好ましい。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、凹部付き基材の製造方法、凹部付き基材、マイクロレンズ用凹部付き基材、マイクロレンズ基板、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スクリーン上に画像を投影する表示装置が知られている。このような表示装置としては、ホームシアター用モニター、大画面テレビ等に適用されるリア型プロジェクタが知られており、近年、その需要が高まりつつある。
このようなリア型プロジェクタでは、その画像形成に主として透過型スクリーンが用いられる。
【0003】
このようなリア型プロジェクタに用いられる透過型スクリーンとしては、特に広視野角特性が求められている。このような広視野角特性を有する透過型スクリーンとしては、フレネルレンズが形成されたフレネルレンズ部と、多数のマイクロレンズが形成されたマイクロレンズ基板とを有するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この透過型スクリーンは、マイクロレンズによる光屈折作用により、上下方向ともに良好な視野角特性が得られるという利点を有している。
【0004】
このような透過型スクリーンに用いるマイクロレンズ基板の製造方法としては、所定パターンの開口を有するマスクを用いたエッチングにより製造する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。この製造方法では、レジストの形成、パターニング、剥離工程が必要となるため、これにより得られたマイクロレンズ基板は高価なものとなり、また、生産性に劣るという問題点があった。また、基板材料、レジストおよびエッチング液の組み合わせも限られるという問題点があった。さらに、比較的大型のリア型プロジェクタ等では、大面積でのレジスト形成、パターニングが必要となり、マイクロレンズ基板の形成が技術的に困難となるという問題点があった。これを回避するため、比較的面積の小さいマイクロレンズ基板を複数張り合わせるという方法も考えられるが、この場合、マイクロレンズ基板同士の境界線が発生してしまうという問題があった。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−131506号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開平5−208848号公報(特許請求の範囲)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、安価で、生産性の高い凹部付き基材の製造方法、凹部付き基材、マイクロレンズ用凹部付き基材、マイクロレンズ基板、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の凹部付き基材の製造方法は、基材上に、初期凹部を形成する工程と、
前記初期凹部を有する前記基材にエッチングを施し、前記初期凹部を拡大した凹部を形成する工程とを有することを特徴とする。
これにより、安価に凹部付き基材を製造することができ、また、生産性を向上させることができる。
【0008】
本発明の凹部付き基材の製造方法では、前記基材は、略平板形状を有するものであることが好ましい。
これにより、より容易に凹部付き基材を得ることができる。
本発明の凹部付き基材の製造方法では、前記初期凹部の形成は、レーザ加工により行われるものであることが好ましい。
これにより、基材上に、初期凹部を所定のパターンで効率的に、かつ精確に形成することができる。
【0009】
本発明の凹部付き基材の製造方法では、前記初期凹部の形成は、ブラスト加工により行われるものであることが好ましい。
これにより、基材上に、初期凹部を効率よく短時間で、広範囲に形成することができる。
本発明の凹部付き基材の製造方法では、前記初期凹部の平面視での形状が、略円形であることが好ましい。
これにより、後述するようなマイクロレンズ基板の製造に好適に用いることができる。
【0010】
本発明の凹部付き基材の製造方法では、前記初期凹部の直径をa[μm]、前記初期凹部の深さをb[μm]としたとき、a/b≦0.25の関係を満足するものであることが好ましい。
これにより、エッチングにより基材が食刻される度合いが適度なものとなる。また、得られる凹部の形状は、特に、光学特性に優れたマイクロレンズを得るのに最適なものとなる。
【0011】
本発明の凹部付き基材の製造方法では、前記初期凹部の直径をa[μm]、前記凹部の直径をd[μm]としたとき、a/d≦0.25の関係を満足するものであることが好ましい。
これにより、凹部付き基材を用いてマイクロレンズ基板を製造するときに、適度な曲率半径を有するマイクロレンズを製造することができる。
【0012】
本発明の凹部付き基材の製造方法では、前記基材は、複数の前記初期凹部を有するものであって、
隣接する前記初期凹部同士の間隔をc[μm]、前記初期凹部の深さをb[μm]としたとき、0.8≦c/b≦1.1の関係を満足するものであることが好ましい。
これにより、基材上に、緻密に、かつ適度な大きさの凹部を形成することができる。
【0013】
本発明の凹部付き基材の製造方法では、前記基材上に、前記初期凹部を形成し、前記初期凹部を有する前記基材にエッチングを施し、前記基材上に凹部を形成する処置を繰り返し行うものであることが好ましい。
これにより、基材の全面にわたって偏りなく凹部を形成することができるとともに、凹部の形状をそろえて均一なものとすることができる。
【0014】
本発明の凹部付き基材の製造方法では、前記エッチングは、ウェットエッチングにより行われるものであることが好ましい。
これにより、ドライエッチングに比べて簡単な装置で処理を行うことができ、さらに、一度に多くの基材に対して処理を行うことができる。これにより生産性が向上し、安価に凹部付き基材を提供することができる。
【0015】
本発明の凹部付き基材の製造方法では、凹部付き基材が、実質的に透明であることが好ましい。
これにより、凹部付き基材を用いてマイクロレンズ基板を製造する際、マイクロレンズ基板を凹部付き基材から剥離せずに用いることができる。
本発明の凹部付き基材の製造方法では、前記凹部付き基材が、凸部を有する基板を形成するための型として用いられるものであることが好ましい。
これにより、型として繰り返し用いることができるため、凸部を有する基板の製造に好適に用いることができる。
【0016】
本発明の凹部付き基材の製造方法では、前記凹部は、マイクロレンズ用凹部であることが好ましい。
これにより、マイクロレンズ基板の製造に好適に用いることができる。
本発明の凹部付き基材は、本発明の凹部付き基材の製造方法により製造されたことを特徴とする。
これにより、凹部付き基材を生産性よく得ることができる。特に、比較的大面積の凹部付き基材を容易かつ安価に得ることができる。
【0017】
本発明のマイクロレンズ用凹部付き基材は、本発明の凹部付き基材の製造方法により製造されたことを特徴とする。
これにより、マイクロレンズ用凹部付き基材を生産性よく得ることができる。特に、比較的大面積のマイクロレンズ用凹部付き基材を容易かつ安価に得ることができる。
【0018】
本発明のマイクロレンズ基板は、本発明のマイクロレンズ用凹部付き基材を用いて製造され、複数のマイクロレンズを有することを特徴とする。
これにより、マイクロレンズ基板を生産性よく得ることができる。特に、比較的大面積のマイクロレンズ基板を容易かつ安価に得ることができる。
本発明の透過型スクリーンは、本発明のマイクロレンズ基板を備えたことを特徴とする。
これにより、透過型スクリーンを生産性よく得ることができる。特に、比較的大面積の透過型スクリーンを容易かつ安価に得ることができる。
【0019】
本発明の透過型スクリーンは、フレネルレンズが形成されたフレネルレンズ部と、
前記フレネルレンズ部の出射面側に配置された本発明のマイクロレンズ基板とを備えたことを特徴とする。
これにより、透過型スクリーンを生産性よく得ることができるとともに、適視範囲をスクリーン近傍にすることができる。
本発明の透過型スクリーンでは、前記マイクロレンズの直径は10〜500μmであることが好ましい。
これにより、スクリーンに投影される画像において十分な解像度を保持しつつ、透過型スクリーンの生産性を高めることができる。
【0020】
本発明のリア型プロジェクタは、本発明の透過型スクリーンを備えたことを特徴とする。
これにより、リア型プロジェクタを生産性よく得ることができる。特に、比較的大面積のリア型プロジェクタを容易かつ安価に得ることができる。
本発明のリア型プロジェクタは、投写光学ユニットと、導光ミラーと、本発明の透過型スクリーンとを備えたことを特徴とする。
これにより、リア型プロジェクタを生産性よく得ることができる。特に、比較的大面積のリア型プロジェクタを容易かつ安価に得ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の凹部付き基材の製造方法、凹部付き基材、マイクロレンズ用凹部付き基材、マイクロレンズ基板、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタの好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。まず、本発明のマイクロレンズ用凹部付き基材(凹部付き基材)の製造方法について説明する。
本発明の凹部付き基材、マイクロレンズ用凹部付き基材およびマイクロレンズ基板は、それぞれ、個別基板とウエハーの双方を含むものとする。
【0022】
なお、以下の説明では、代表的に、本発明の凹部付き基材をマイクロレンズ用凹部付き基材に適用した場合を説明する。
図1〜図4は、本発明の凹部付き基材(凹部付き基板)をマイクロレンズ用凹部付き基材(マイクロレンズ用凹部付き基板)に適用した場合のマイクロレンズ用凹部付き基板の製造方法を示す模式的な縦断面図である。
【0023】
以下、本発明のマイクロレンズ用凹部付き基材(凹部付き基材)の製造方法の一例について、図1〜図4を参照しながら説明する。
本発明のマイクロレンズ用凹部付き基材の製造方法は、基材上に、初期凹部を形成する工程と、初期凹部を有する基材にエッチングを施し、基材上に凹部を形成する工程とを有する。
【0024】
基材としては、いかなる形状のものを用いてもよいが、以下の説明では、略平板形状の基板5を用いた場合について説明する。なお、実際には基板5上に多数のマイクロレンズ用凹部を形成するが、ここでは、説明をわかりやすくするために、その一部分を図示して説明する。
まず、マイクロレンズ用凹部付き基板(マイクロレンズ用凹部付き基材)2を製造するに際し、基板(基材)5を用意する。
基板5は、厚さが均一で、たわみや傷のないものが好適に用いられる。また、基板5は、洗浄等により、その表面が清浄化されているものが好ましい。
【0025】
基板5の材料としてはソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス等が挙げられるが、中でも、ソーダガラス、結晶性ガラス(例えば、ネオセラム等)が好ましい。ソーダガラス、結晶性ガラスは、加工が容易であるとともに、得られる凹部付き基板を好適な光学的特性を有するものとすることができる。また、ソーダガラス、結晶性ガラスは、比較的安価であり、後述する初期凹部も比較的形成しやすいものである。
基板5の厚さは、基板5を構成する材料、屈折率等の種々の条件により異なるが、通常、0.3〜20mm程度が好ましく、0.7〜8mm程度がより好ましい。厚さをこの範囲内とすると、必要な光学特性を備えたコンパクトなマイクロレンズ用凹部付き基板2を得ることができる。
【0026】
<1>図1に示すように、用意した基板5の裏面(初期凹部51を形成する面と反対側の面)に裏面保護層6を形成する(保護層形成工程)。
裏面保護層6は、後述する工程<3>におけるエッチングに対する耐性を有するものが好ましい。換言すれば、裏面保護層6は、エッチングレートが、基板5と略等しいか、または、基板5に比べて小さくなるように構成されるのが好ましい。
かかる観点からは、この裏面保護層6を構成する材料としては、例えばCr、Au、Ni、Ti、Pt等の金属やこれらから選択される2種以上を含む合金、前記金属の酸化物(金属酸化物)、シリコン、樹脂等が挙げられる。また、裏面保護層6を、Cr/Auのように異なる材料からなる複数の層の積層構造としてもよい。
【0027】
裏面保護層6の形成方法は特に限定されないが、裏面保護層6をCr、Au等の金属材料から構成する場合、裏面保護層6は、例えば、蒸着法やスパッタリング法等により、好適に形成することができる。また、裏面保護層6をシリコンから構成する場合、裏面保護層6は、例えば、スパッタリング法やCVD法等により、好適に形成することができる。
裏面保護層6は、次工程以降で基板5の裏面を保護するためのものである。この裏面保護層6により、基板5の裏面の侵食、劣化等が好適に防止される。
【0028】
<2>次に、図2に示すように、基板5上に、初期凹部51を形成する(初期凹部形成工程)。
このように、本発明は、基板5上に、初期凹部51を形成することを特徴とする。この初期凹部51の形成方法は、特に限定されないが、例えば、レーザ加工や、ショットブラスト、サンドブラスト等のブラスト加工や、エッチング加工、プレス加工、ドットプリンタ加工、タッピング加工等が挙げられる。
【0029】
レーザ加工により初期凹部51を形成した場合、基板5上に、初期凹部51を所定のパターンで効率的に、かつ精確に形成することができる。また、初期凹部51の直径、深さや、隣接する初期凹部51同士の間隔等を容易に制御することができる。レーザ加工に用いられるレーザとしては、例えば、ルビーレーザ、半導体レーザ、YAGレーザ、フェムト秒レーザ、ガラスレーザ、YVOレーザ、Ne−Heレーザ、Arレーザ、COレーザ等が挙げられる。この中でも、室温で連続発振を容易に行うことができ、低い照射エネルギー領域における制御性の良さ等から、YAGレーザまたはフェムト秒レーザが好ましく用いられる。これにより、基板5に初期凹部51を好適に形成することができる。
【0030】
このようなレーザの照射条件については、基板5の構成材料や厚さ、および形成する初期凹部51の深さ等により若干異なるが、例えば、YAGレーザの場合、エネルギー強度は0.5〜5W程度、フェムト秒レーザの場合、0.05〜1W程度であるのが好ましい。これにより、前述の効果がより顕著なものとなる。
また、レーザのビーム径は、1〜100μmであるのが好ましく、2〜20μmであるのがより好ましい。レーザのビーム径が前記下限値未満であると、形成される初期凹部51の径が小さくなりすぎ、後述するエッチング工程におけるエッチングを施す際に、エッチング剤が初期凹部51の奥まで十分に届かず、本発明の効果が十分に得られない場合がある。一方、レーザのビーム径が前記上限値を超えると、形成される初期凹部51の径が大きくなったり、隣接する凹部同士がつながって大きくなったり、異形状の凹部が形成されやすくなる。
【0031】
また、初期凹部51の形成をブラスト加工により行った場合、基板5上に、初期凹部51を効率よく短時間で、広範囲で形成することができる。ブラスト加工で用いる投射材(ショット球)としては、例えば、スチールグリット、褐色アルミナ、ホワイトアルミナ、ガラスビーズ、ステンレスビーズ、ガーネット、硅砂、プラスチック、カットワイヤー、スラグ等が挙げられる。この中でも特に、ガラスビーズが好ましい。これにより、基板5に初期凹部51を好適に形成することができる。
【0032】
このような投射材の平均径(直径)は、10〜200μmであるのが好ましく、20〜100μmであるのがより好ましい。投射材の平均径が前記下限値未満であると、形成される初期凹部51の径が小さくなりすぎ、後述するエッチング工程におけるエッチングを施す際に、エッチング剤が初期凹部51の奥まで十分に届かず、本発明の効果が十分に得られない場合がある。一方、投射材の平均径が前記上限値を超えると、形成される初期凹部51の径が大きくなったり、隣接する凹部同士がつながって大きくなったり、異形状の凹部が形成されやすくなる。
【0033】
また、投射材の噴射圧は、1〜10kg/cmであるのが好ましく、3〜5kg/cmであるのがより好ましい。投射材の噴射圧が前記下限値未満であると、ショットの衝撃が弱くなり、基板5に確実に初期凹部51を形成するのが困難になる場合がある。一方、投射材の噴射圧が前記上限値を超えると、ショットの衝撃が強すぎて、投射材が潰れたり、衝撃により初期凹部51の形状が歪んでしまったりする。
【0034】
また、前記投射材の噴射密度は、10〜100kg/mであるのが好ましく、30〜50kg/mであるのがより好ましい。投射材の噴射密度が前記下限値未満であると、ショット数が少なくなり、基板5の全面にわたって偏りなく初期凹部51を形成するのに時間がかかる。一方、投射材の噴射密度が前記上限値を超えると、初期凹部51が重なって形成され、凹部同士がつながって大きな穴となってしまったり、異形状の初期凹部51が形成されやすくなる。
初期凹部51の平面視したときの形状は、特に限定されないが、略円形であるのが好ましい。このような形状であると、後述するようなマイクロレンズ基板の製造に好適に用いることができる。
【0035】
以下の説明では、初期凹部51が、略円形の形状を持つものとして説明する。
また、初期凹部51の直径をa[μm]、初期凹部51の深さをb[μm]としたとき、a/b≦0.25の関係を満足するのが好ましく、a/b≦0.2の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、後述するエッチング工程において、基板5が食刻される度合いを適度なものとすることができる。また、形成される凹部3の形状は、特に光学特性に優れたマイクロレンズを得るのに最適なものとなる。これに対して、a/bが前記上限値を超えると、後述するエッチング工程で形成される凹部3の曲率半径を十分に小さくするのが困難となり、これにより得られるマイクロレンズ基板において、十分な光学特性を得るのが困難となる場合がある。
【0036】
最終的に形成される凹部3の直径をd[μm]としたとき、初期凹部51の直径aとの関係は、a/d≦0.25の関係を満足するのが好ましく、a/d≦0.2の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、後述するマイクロレンズ基板を製造するときに、適度な曲率半径を有するマイクロレンズを製造することができる。
【0037】
初期凹部51の直径aの具体的な値は、特に限定されないが、1〜50μmであるのが好ましく、2〜20μmであるのがより好ましい。初期凹部51の直径aが、前記下限値未満であると、後述するエッチング工程におけるエッチングを施す際に、エッチング剤が初期凹部51の奥まで十分に届かず、本発明の効果が十分に得られない場合がある。一方、初期凹部51の直径aが、前記上限値を超えると、後述するエッチング工程で形成される凹部3の曲率半径を十分に小さくするのが困難となり、これにより得られるマイクロレンズ基板において、十分な光学特性を得るのが困難となる場合がある。
【0038】
また、初期凹部51の深さbの具体的な値は、特に限定されないが、5〜500μmであるのが好ましく、10〜200μmであるのがより好ましい。初期凹部51の深さbが、前記下限値未満であると、後述するエッチング工程で形成される凹部3の曲率半径を十分に小さくするのが困難となり、これにより得られるマイクロレンズ基板において、十分な光学特性を得るのが困難となる場合がある。また、初期凹部51の深さbが、前記上限値を超えると、後述するエッチング工程におけるエッチングを施す際に、エッチング剤が初期凹部51の奥まで十分に届かず、本発明の効果が十分に得られない場合がある。なお、初期凹部51の形状は、円形に限定されないことは言うまでもない。
【0039】
また、本実施形態では、基板5上に、複数の初期凹部51を形成するものであり、隣接する初期凹部51同士の間隔をc[μm]としたとき、初期凹部51の深さbとの関係は、0.8≦c/b≦1.1の関係を満足するのが好ましく、0.9≦c/b≦1.0の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、基板5上に、緻密に、かつ適度な大きさの凹部3を形成することができる。これに対して、c/bが、前記下限値未満であると、後述するエッチング工程で形成される凹部3の曲率半径を十分に小さくするのが困難となり、これにより得られるマイクロレンズ基板において、十分な光学特性を得るのが困難となる場合がある。また、c/bが、前記上限値を超えると、十分に小さいマイクロレンズを緻密に形成することが困難となる場合がある。
【0040】
隣接する初期凹部51同士の間隔cの具体的な値は、特に限定されないが、5〜500μmであるのが好ましく、10〜200μmであるのがより好ましい。隣接する初期凹部51同士の間隔cが、前記下限値未満であると、初期凹部51の形成が困難となる場合がある。また、cが小さすぎると、初期凹部51の直径aも小さくなるため、前述のような問題が生じる場合がある。また、隣接する初期凹部51同士の間隔cが、前記上限値を超えると、基板5上に、十分に小さいマイクロレンズを緻密に形成することが困難となる場合がある。
【0041】
<3>次に、複数の初期凹部51を形成した基板5にエッチングを施し、図3に示すように、基板5上に多数の凹部3を形成する(エッチング工程)。
このように本発明では、複数の初期凹部51を形成した基板5にエッチングを施し、基板5上に多数の凹部3を形成することを特徴とする。
エッチング法としては、例えば、ウェットエッチング法、ドライエッチング法等が挙げられる。その中でも、ウェットエッチング法を用いるのが好ましい。これにより、ドライエッチング法に比べて簡単な装置で処理を行うことができ、さらに、一度に多くの基板に対して処理を行うことができる。これにより生産性が向上し、安価にマイクロレンズ用凹部付き基板2を提供することができる。
【0042】
前述したエッチング法の中で、ウェットエッチング法を用いる場合には、エッチング剤として、フッ化水素水溶液、フッ化アンモン溶液、フッ酸+硝酸水溶液、塩化鉄(III)溶液、アルカリ水溶液等を用いることができる。
また、ドライエッチング法を用いる場合には、エッチング剤として、CHFガス、塩素系ガス等を用いることができる。
【0043】
以下の説明では、ウェットエッチングを用いる場合を例に挙げて説明する。
初期凹部51が形成された基板5に対して、エッチング(ウェットエッチング)を施すことにより、図3に示すように、基板5は、初期凹部51より食刻され、基板5上に多数の凹部3が形成される。
また、ウェットエッチング法を用いると、凹部3を好適に形成できる。そして、エッチング液として、例えば、フッ化水素を含むエッチング液(フッ酸系エッチング液)を用いると、基板5をより選択的に食刻することができ、凹部3を好適に形成することができる。
【0044】
なお、基板5の凹部3が形成されている側の面上に、さらに新しい初期凹部51を形成し、初期凹部形成―エッチングの一連の工程を繰り返して行ってもよい。すなわち、<2>、<3>の工程を繰り返し行ってもよい。これにより、基板5の全面にわたって偏りなく凹部3を形成することができる。また、凹部3の形状をそろえて均一なものとすることができる。この場合、1回目と2回目以降とで、同じ条件であってもよいし、異なる条件であってもよい。
【0045】
以上により、図4および図7に示すように、基板5上に多数の凹部3が形成されたマイクロレンズ用凹部付き基板2が得られる。なお、ここでは、図7に示すように、基板5に形成された凹部3は、規則的なパターンで形成されているが、これに限定されるものではなく、ランダムなパターンで凹部3が形成されてもよい。このようなランダムなパターンのマイクロレンズ用凹部付き基板により得られるマイクロレンズ基板を、後述する透過型スクリーン、リア型プロジェクタに用いた場合、回折光やモアレの発生をより効果的に防止・抑制することができる。
【0046】
<4>上記のように、凹部3を形成した後、図4に示すように、裏面保護層6を除去する(保護層除去工程)。
裏面保護層6が主としてCrで構成されたものである場合、裏面保護層6の除去は、例えば、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸とを含む混合物を用いたエッチングを行うことによって行うことができる。
【0047】
前述した実施形態では、裏面保護層6を除去するものとして説明したが、裏面保護層6が実質的に透明なものであったり、また、得られる凹部付き基板を型として使用する場合には、必ずしも裏面保護層6は除去しなくてもよい。
また、前述した実施形態では、裏面保護層6を設けて凹部3を形成する方法について説明したが、裏面保護層6を設けずに凹部3を形成する方法であってもよい。
【0048】
以上説明したように、本発明は、まずレーザ加工やブラスト加工等の方法によって基板5上に所定のパターンで初期凹部51を形成した後、マスクを設けることなくエッチングを行うことによって基板上に所望の凹部3を形成することができるものである。このため、従来のようにマスクを施した後にエッチングによって凹部を形成する場合に比べて、容易に凹部3を備えたマイクロレンズ用凹部付き基板2を製造することができる。これにより生産性が向上し、安価に凹部付き基板を提供することができる。
【0049】
また、特に上述したような方法によれば、大型の基板に対する処理も容易に行うことができる。大型の基板を製造する場合に、従来のように複数の基板を貼り合わせる必要がなくなり、貼りあわせの継ぎ目をなくすことができる。これにより高品質の大型マイクロレンズ用凹部付き基板を簡便な方法で安価に製造することができる。
【0050】
なお、以上の説明では、マイクロレンズ用凹部付き基板2として、ガラス基板を用いているが、本発明では、前記基板5の構成材料は、ガラスに限定されず、例えば、金属や樹脂等であってもよい。また、基板5は、凹部付き基板としたときに、実質的に透明とすることができるものであるのが好ましい。このように凹部付き基板が実質的に透明であると、凹部付き基板を用いてマイクロレンズ基板を製造する際、マイクロレンズ基板を凹部付き基板から剥離せずに用いることができる。
【0051】
また、前述した実施形態では、マスクを施さずにエッチングを行う方法について説明したが、マスクを施した後、初期凹部51を形成し、エッチングを行うものであってもよい。
なお、説明を省略したが、図4および図7に示すように、基板5上にアライメントマーク4を設けてもよい。このアライメントマーク4は、前記マイクロレンズ基板1や、マイクロレンズ基板1を用いて様々なものを製造する際に、位置決めの指標とされる。
【0052】
アライメントマーク4の形成位置は特に限定されないが、例えば、図7に示すように、アライメントマーク4を凹部3の形成領域外に形成することができる。
アライメントマーク4は、マイクロレンズ用凹部付き基板2上に複数箇所設けるのが好ましい。特に、アライメントマーク4はマイクロレンズ用凹部付き基板2の角部に複数箇所設けるのが好ましい。これにより、位置決めをより容易に行うことができるようになる。
【0053】
図7は、アライメントマーク4を十字型にした例を示している。アライメントマーク4の形状は、特に限定されないが、図7に示すように、角を形成する角部41を有しているのが好ましい。このようにアライメントマーク4が角部41を有していると、位置決めをより正確に行うことができるようになる。
さらには、図7に示すように、アライメントマーク4は、その中心部位を示すマーク(図7では円形の開口44)を有しているのが好ましい。これにより、位置決めの精度をさらに向上させることができる。
【0054】
また、アライメントマーク4の構成(構造)や形成方法は、特に限定されず、例えば、図4や図7に示すように、基板5上に層を形成することにより、アライメントマークを設けてもよく、また、基板5上に、凹部3とは異なる形状を有する窪みを、アライメントマークとして設けてもよい。
なお、上述した実施形態では、マイクロレンズ用凹部付き基板2の凹部3を形成する領域外にアライメントマーク4を形成したが、凹部3を形成する領域内にアライメントマーク4を形成してもよいことは言うまでもない。
このアライメントマーク4は、マイクロレンズ用凹部付き基板2を用いて種々のものを組み立てるとき、様々な位置決めに用いることができる。
【0055】
以下、マイクロレンズ用凹部付き基板2を用いて、マイクロレンズ基板を製造する方法について、図5を参照しながら説明する。
なお、本発明のマイクロレンズ用凹部付き基板およびマイクロレンズ基板は、以下に述べる透過型スクリーンやリア型プロジェクタ以外にも、例えば、液晶表示装置(液晶パネル)、有機または無機EL(Electro luminescence:エレクトロルミネッセンス)表示装置、CCD、光通信素子等の各種電気光学装置、その他の装置等に用いることができるのは言うまでもない。
【0056】
<5>まず、図5(a)に示すように、カバーガラス13を、接着剤を介して、マイクロレンズ用凹部付き基板2の凹部3が形成された面に接合する。
この接着剤が硬化する(固化する)ことにより、樹脂層(接着剤層)14が形成される。また、これにより、樹脂層14に、凹部3に充填された樹脂で構成され、凸レンズとして機能するマイクロレンズ8が形成される。
なお、この接着剤には、基板5の屈折率よりも高い屈折率(例えばn=1.60程度)の光学接着剤等が好適に用いられる。
【0057】
<6>次に、図5(b)に示すように、カバーガラス13の厚さを薄くする。
これは、カバーガラス13に、例えば、研削、研磨、エッチング等の処理を施すことにより行うことができる。
カバーガラス13の厚さは、特に限定されないが、必要な光学特性を備えたマイクロレンズ基板1を得る観点から、10〜1000μm程度が好ましく、20〜150μm程度がより好ましい。
【0058】
なお、積層したカバーガラス13が、以降の工程を行うのに最適な厚さの場合には、本工程は行わなくてもよい。
これにより、図6に示すような、多数のマイクロレンズ8を有するマイクロレンズ基板1が得られる。
なお、前記マイクロレンズ基板の製造方法の説明においては、マイクロレンズ用凹部付き基板2の凹部3に樹脂を充填してカバーガラス13で挟み込み、該樹脂でマイクロレンズ8を構成した場合を例に挙げて説明したが、マイクロレンズ用凹部付き基板2を型として用いた2P法(フォトポリマゼーション)によってマイクロレンズ基板を製造することもできる。
【0059】
以下、2P法によるマイクロレンズ基板の製造方法を、図8〜図10を参照しながら説明する。
まず、図8(a)に示すように、本発明によって製造された、マイクロレンズ用の凹部3が形成されたマイクロレンズ用凹部付き基板2を用意する。本方法では、この凹部3が形成されたマイクロレンズ用凹部付き基板2を型として用いる。これら凹部3に樹脂が充填されることにより、マイクロレンズ8が形成される。なお、凹部3の内面には、例えば離型剤等が塗布されていてもよい。そして、このマイクロレンズ用凹部付き基板2を、例えば凹部3が鉛直上方に開放するように設置する。
【0060】
<C1>次に、凹部3が形成されたマイクロレンズ用凹部付き基板2上に、樹脂層141(マイクロレンズ8)を構成することとなる未硬化の樹脂を供給する。
<C2>次に、かかる樹脂に透明基板53を接合し、押圧・密着させる。
<C3>次に、前記樹脂を硬化させる。この硬化方法は、樹脂の種類によって適宜選択され、例えば、紫外線照射、加熱、電子線照射等が挙げられる。
これにより、図8(b)に示すように、樹脂層141が形成され、また、凹部3内に充填された樹脂により、マイクロレンズ8が形成される。
【0061】
<C4>次に、図8(c)に示すように、型であるマイクロレンズ用凹部付き基板2をマイクロレンズ8から取り外す。
<C5>次に、図9(d)に示すように、例えばマイクロレンズ8が鉛直上方に向くように透明基板53を設置した後、樹脂層142を構成することとなる未硬化の樹脂を、マイクロレンズ8上に供給する。この供給方法としては、例えば、スピンコート等の塗布法、平板の型等を使った2P法等が挙げられる。
【0062】
<C6>次に、図10(e)に示すように、基板(ガラス層)54をかかる樹脂に接合し、押圧・密着させた後、かかる樹脂を硬化させ、樹脂層142を形成する。基板54の構成材料としては、例えば、前述した基板5と同様の構成材料等が挙げられる。
<C7>その後、必要に応じ、基板54の厚さを研削、研磨等により調整してもよい。
これにより、図10に示すようなマイクロレンズ基板1が得られる。
【0063】
また、上述した説明では、1枚のマイクロレンズ用凹部付き基板を用いて構成された平凸レンズ(平凸型マイクロレンズ)を備えたマイクロレンズ基板を用いているが、本発明のマイクロレンズ基板は、これに限定されるものではない。
例えば、2枚のマイクロレンズ用凹部付き基板を用いて両凸レンズを備えたマイクロレンズ基板を構成することもできる。この場合、2枚のマイクロレンズ用凹部付き基板は、いずれも、規則的なパターンのマイクロレンズ用凹部を有するものであるのが好ましい。これにより、2枚のマイクロレンズ用凹部付き基板の位置合わせを容易に行うことができる。
【0064】
以下に、規則的なパターンでマイクロレンズ用凹部が形成された2枚のマイクロレンズ用凹部付き基板を用いて構成された両凸レンズ(両凸型マイクロレンズ)を備えたマイクロレンズ基板について説明する。
図11は、このマイクロレンズ基板の実施形態を示す模式的な縦断面図である。
同図に示すように、このマイクロレンズ基板1は、本発明によって製造された、第1のマイクロレンズ用凹部付き基板(第1の基板)21と、第2のマイクロレンズ用凹部付き基板(第2の基板)22と、樹脂層14と、マイクロレンズ8と、スペーサー9とを有している。
【0065】
第1のマイクロレンズ用凹部付き基板21は、第1のガラス基板(第1の透明基板)55上に凹曲面(レンズ曲面)を有する複数(多数)の第1の凹部(マイクロレンズ用凹部)36と第1のアライメントマーク42とが形成された構成となっている。
第2のマイクロレンズ用凹部付き基板22は、第2のガラス基板(第2の透明基板)56上に凹曲面(レンズ曲面)を有する複数(多数)の第2の凹部(マイクロレンズ用凹部)37と第2のアライメントマーク43とが形成された構成となっている。
【0066】
そして、このマイクロレンズ基板1は、第1のマイクロレンズ用凹部付き基板21と第2のマイクロレンズ用凹部付き基板22とが、第1の凹部36と第2の凹部37とが対向するように、樹脂層(接着剤層)14を介して接合された構成となっている。また、このマイクロレンズ基板1では、第1のマイクロレンズ用凹部付き基板21と第2のマイクロレンズ用凹部付き基板22との間に、第1の凹部36と第2の凹部37との間に充填された樹脂で、両凸レンズよりなるマイクロレンズ8が構成されている。
【0067】
このマイクロレンズ基板1は、2つの領域、有効レンズ領域99と非有効レンズ領域100とを有している。有効レンズ領域99とは、第1の凹部36および第2の凹部37内に充填される樹脂により形成されるマイクロレンズ8が、使用時にマイクロレンズとして有効に用いられる領域をいう。一方、非有効レンズ領域100とは、有効レンズ領域99以外の領域をいう。
【0068】
このようなマイクロレンズ基板1は、例えば、第1のマイクロレンズ用凹部付き基板21側から光Lを入射させ、第2のマイクロレンズ用凹部付き基板22側から光Lを出射させて、使用される。
そして、このようなマイクロレンズ基板1は、例えば以下のようにして製造することができる。以下、図12および図13を参照しつつ、マイクロレンズ基板の製造方法を説明する。
【0069】
マイクロレンズ基板を製造する際には、本発明によって製造された、第1のマイクロレンズ用凹部付き基板21および第2のマイクロレンズ用凹部付き基板22を、まず用意する。
この場合、第1のマイクロレンズ用凹部付き基板21の第1の凹部36の形状(例えば曲率半径等)と、第2のマイクロレンズ用凹部付き基板22の第2の凹部37の形状とを異なるものとしてもよい。
【0070】
<D1>まず、図12に示すように、第1のマイクロレンズ用凹部付き基板21の第1の凹部36が形成された面に、少なくとも有効レンズ領域99を覆うように、所定の屈折率(特に第1のガラス基板55および第2のガラス基板56の屈折率より高い屈折率)を有する未硬化の樹脂143を供給し、第1の凹部36内に樹脂143を充填する。また、この際、第1のマイクロレンズ用凹部付き基板21上にスペーサー9を含む未硬化の樹脂144を供給する。かかる樹脂144は、例えばスペーサー9を設置する部位に供給する。
【0071】
樹脂143と樹脂144とは、同種類の材料で構成するのが好ましい。これにより、製造されるマイクロレンズ基板で、樹脂143と樹脂144との熱膨張係数が相違することにより、そり、たわみ等が生じることが好適に防止される。
樹脂143を第1のマイクロレンズ用凹部付き基板21上に供給する際、スペーサー9が樹脂144中に分散していると、スペーサー9を均一に配設することが容易となる。これにより、形成される樹脂層14の厚みムラが好適に抑制される。
【0072】
<D2>次に、図13に示すように、樹脂143および樹脂144上に第2のマイクロレンズ用凹部付き基板(相手体)22を設置する(第2のマイクロレンズ用凹部付き基板22を樹脂に密着させる)。
このとき、第1の凹部36と第2の凹部37とが対向するように、第2のマイクロレンズ用凹部付き基板22を、樹脂上に設置する。また、このとき、第2のマイクロレンズ用凹部付き基板22がスペーサー9に当接するように、第2のマイクロレンズ用凹部付き基板22を樹脂上に設置する。これにより、第1のマイクロレンズ用凹部付き基板21および第2のマイクロレンズ用凹部付き基板22の互いに対向する端面間の距離は、スペーサー9で規定される。したがって、マイクロレンズ8のコバ厚および最大厚さが、高い精度で規定される。
【0073】
<D3>次に、第1のアライメントマーク42と第2のアライメントマーク43とを用いて、第1の凹部36と第2の凹部37との位置合わせを行う。これにより、第2の凹部37を第1の凹部36に対応した位置に正確に位置させることができるようになる。このため、形成されるマイクロレンズ8の形状、光学特性が、より設計値に近いものとなる。
【0074】
<D4>次に、樹脂143および樹脂144を硬化させて樹脂層14を形成する。
これにより、第2のマイクロレンズ用凹部付き基板22が樹脂層14を介して第1のマイクロレンズ用凹部付き基板21に接合される。また、樹脂層14を構成する樹脂のうち、第1の凹部36と第2の凹部37との間に充填された樹脂により、マイクロレンズ8が形成される。なお、樹脂の硬化は、例えば、樹脂に紫外線、電子線を照射すること、樹脂を加熱すること等により行うことができる。
<D5>その後、必要に応じて、図13に示すように、研削、研磨等を行い、第2のマイクロレンズ用凹部付き基板22の厚さを調整してもよい。
これにより、図11に示すような両凸レンズを備えたマイクロレンズ基板1を得ることができる。
【0075】
なお、以上の説明では、マイクロレンズ用凹部付き基板2として、ガラス基板を用いているが、本発明では、前記基板5の構成材料は、ガラスに限定されず、例えば、金属や樹脂等であってもよい。また、基板5は、凹部付き基板としたときに、実質的に透明とすることができるものであるのが好ましいが、例えば、前述した2P法のように、マイクロレンズ用凹部付き基板2を型として用いる場合等は、基板5として光の透過率が低いものを用いてもよい。
【0076】
また、上記実施形態では、初期凹部が孔形状のものについて説明したが、初期凹部はこの形状に限定されず、溝形状のものであってもよい。このように溝形状の初期凹部を形成した基板を用いて得られる凹部付き基板は、例えば、初期凹部の平面視での形状が直線状である場合には、レンチキュラレンズ基板の製造に好適に用いることができ、また、初期凹部の平面視での形状がリング状である場合には、フレネルレンズ基板の製造に好適に用いることができる。
【0077】
また、上記実施形態では、基板(基材)として、平板形状のものを用いた場合について説明したが、基材の形状はこれに限定されず、例えば、基材が湾曲板状、可撓性を有するシート状、円筒状、円柱状等のものであってもよい。このように、基材の形状が平板形状以外であっても、本発明の方法によれば、容易に凹部付き基材を得ることができる。例えば、基材として、円柱状のものを用いた場合、本発明の方法によって、円柱の側面に複数の凹部が形成された凹部付き基材(凹部付き円柱状基材)を形成することができる。このような凹部付き円柱状基材は、例えば、押出し成形法によってマイクロレンズ基板を形成するための型として好適に用いることができる。これにより、マイクロレンズ基板を生産性よく、かつ安価に製造することができる。このような効果は、基材として、湾曲板状、可撓性を有するシート状、円筒状のような形状のものを用いた場合においても得ることができる。
【0078】
次に、図8に示したマイクロレンズ基板1を用いた透過型スクリーンについて図14、図15を参照しながら説明する。図14は、本発明の透過型スクリーンの光学系を模式的に示す縦断面図、図15は、図14に示す透過型スクリーンの分解斜視図である。
この透過型スクリーン200は、出射面側表面にフレネルレンズが形成されたフレネルレンズ部210と、フレネルレンズ部210の出射面側に配置され入射面側表面に多数のマイクロレンズ8が形成されたマイクロレンズ基板1とを備えている。
このように、透過型スクリーン200は、マイクロレンズ基板1を有している。これにより、レンチキュラーレンズを用いた場合に比べて上下方向の視野角が広くなる。
【0079】
マイクロレンズ基板1におけるマイクロレンズ8の直径は、10〜500μmであるのが好ましく、30〜300μmであるのがより好ましく、50〜200μmであるのがさらに好ましい。マイクロレンズ8の直径が前期範囲内の値であると、スクリーンに投影される画像において十分な解像度を保持しつつ、透過型スクリーンの生産性をさらに高めることができる。なお、マイクロレンズ基板1においては、隣接するマイクロレンズ8−マイクロレンズ8間のピッチは、10〜500μmであるのが好ましく、30〜300μmであるのがより好ましく、50〜200μmであるのがさらに好ましい。
特に、マイクロレンズ基板1として、マイクロレンズ8がランダムに配されたものを用いた場合、液晶等のライトバルブやフレネルレンズとの干渉をより効果的に防止することができ、モアレの発生をほぼ完全に無くすことが可能になる。これにより、表示品質の良い優れた透過型スクリーンとなる。
【0080】
また、上述した方法によると、容易に大型のマイクロレンズ基板1を製造することができる。これにより、貼り合わせの繋ぎ目のない、高品質の大型スクリーンを製造することができる。
なお、本発明の透過型スクリーンは、上述した構成に限られない。例えば、マイクロレンズ基板1の出射面側または入射面側に、ブラックマトリクスやブラックストライプや光拡散板や他のマイクロレンズ等をさらに採用した透過型スクリーンとすることもできる。
【0081】
以下、前記透過型スクリーンを用いたリア型プロジェクタについて説明する。
図16は、本発明のリア型プロジェクタの構成を模式的に示す図である。
同図に示すように、リア型プロジェクタ300は、投写光学ユニット310と、導光ミラー320と、透過型スクリーン330とが筐体340に配置された構成を有している。
そして、このリア型プロジェクタ300は、その透過型スクリーン330として、上述したマイクロレンズ基板1を有した透過型スクリーン330を用いている。このため、上下方向の視野角が広いリア型プロジェクタとなる。
【0082】
以上説明したように、本発明では、まずレーザ加工やブラスト加工等の方法によって基板上に所定のパターンで初期凹部を形成した後、マスクを施さずにエッチングを行うことによって基板上に所望の凹部を形成することができるため、従来のようにマスクを施した後にエッチングによって凹部を形成する場合に比べて容易に凹部を備えたマイクロレンズ用凹部付き基板を製造することができる。これにより生産性が向上し、安価に凹部付き基板を提供することができる。
また、特に前述した方法によれば、大型の基板に対する処理も容易に行うことができる。大型の基板を製造する場合に、従来のように複数の基板を貼り合わせる必要がなくなり、貼り合わせの継ぎ目をなくすことができる。これにより高品質の大型の凹部付き基板を簡便な方法で安価に製造することができる。
【0083】
以上、本発明の凹部付き基材の製造方法、凹部付き基材、マイクロレンズ用凹部付き基材、マイクロレンズ基板、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタについて、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、本発明の凹部付き基材の製造方法では、必要に応じて、任意の目的の工程を追加することもできる。
【0084】
また、本発明の透過型スクリーンは、マイクロレンズ基板1の出射面側または入射面側に、ブラックマトリクスやブラックストライプや光拡散板や他のマイクロレンズ等をさらに採用した透過型スクリーンであってもよい。また、マイクロレンズ8を規則的に配したマイクロレンズアレイ基板の場合、回折光やモアレの発生を抑制するために、光拡散機能を持たせたシートを透過型スクリーンに設置してもよい。また、マイクロレンズアレイ基板のいずれかの面に粗面化処理を施すことにより形成されたものであってもよい。
【0085】
なお、上述した説明では、本発明のマイクロレンズ基板を、透過型スクリーンおよび該透過型スクリーンを備えた投射型表示装置に用いた場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明のマイクロレンズ基板を、例えば、CCD、光通信素子等の各種電気光学装置、液晶表示装置(液晶パネル)、有機または無機EL(Electroluminescence:エレクトロルミネッセンス)表示装置、その他の装置などに用いることができるのは言うまでもない。
【0086】
また、表示装置もリアプロジェクション型の表示装置に限定されず、例えば、フロントプロジェクション型の表示装置に本発明のマイクロレンズ基板を用いることができる。
また、上述した説明では、本発明のマイクロレンズ基板をレンズとして適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の凹部付き基板は、例えば、有機EL(Electroluminescence:エレクトロルミネッセンス)素子のような各種の発光源における反射鏡(反射板)や発光源からの光を反射する反射鏡、または発光源からの光を拡散する拡散板等にも適用することができる。
【0087】
【実施例】
(実施例1)
以下のように、マイクロレンズ用の凹部を備えたマイクロレンズ用凹部付き基板を製造し、このマイクロレンズ用凹部付き基板を用いてマイクロレンズ基板を製造した。
【0088】
まず、基板として、1.2m×0.7m角、厚さ2mmの石英ガラス基板を用意した。
この石英ガラス基板を、30℃に加熱した洗浄液(フッ化水素10重量%+グリセリン15重量%の混合水溶液)に浸漬して洗浄を行い、その表面を清浄化した。
【0089】
−1A− 次に、この石英ガラス基板の片面側に、フェムト秒レーザを用いて、石英ガラス基板の中央部113cm×65cmの範囲に多数の初期凹部を形成した。
なお、フェムト秒レーザは、エネルギー強度0.1W、ビーム径5μm、照射時間0.1秒の条件で行った。
これにより、石英ガラス基板の上記範囲前面にわたって、規則的に配列した初期凹部が形成された。形成された初期凹部の平均径(直径)は10μm、初期凹部の深さは50μm、隣接する初期凹部同士の間隔は50μmあった。
【0090】
−2A− 次に、石英ガラス基板にウェットエッチングを施し、石英ガラス基板上に多数の凹部を形成した。
なお、ウェットエッチングは、エッチング液として30℃に加熱したフッ化水素10重量%+グリセリン15重量%の混合水溶液を用い、浸漬時間は6.5時間とした。
これにより、石英ガラス基板上に、マイクロレンズ用の多数の凹部が規則的に配列したマイクロレンズ用凹部付き基板を得た。なお、形成された凹部の曲率半径は36μmであった。
【0091】
−3A− 次に、マイクロレンズ用凹部付き基板を型として用い、PMMA(ポリメチルメタクリレート、屈折率1.49)樹脂をキャスティング成形により成型加工した。
これにより、マイクロレンズ用凹部付き基板の凹部に対応した凸部を有するマイクロレンズが、規則的に配列した1.2m×0.7mのマイクロレンズ基板を得た。形成されたマイクロレンズの平均曲率半径は36μmであった。
【0092】
(実施例2)
まず、基板として、1.2m×0.7m角、厚さ0.3mmのステンレス鋼(SUS304)基板を用意した。
−1B− 次に、このステンレス鋼基板の片面側に、YAGレーザを用いて、ステンレス鋼基板の中央部113cm×65cmの範囲に、図17に示すように多数の初期凹部を形成した。
なお、YAGレーザは、エネルギー強度1W、ビーム径5μm、照射時間2秒の条件で行った。
【0093】
これにより、ステンレス鋼基板の上記範囲内で、図17に示すように配列した初期凹部が形成された。形成された初期凹部の平均径(直径)は20μm、初期凹部の深さは100μm、隣接する初期凹部同士の間隔は、図17中のP、Pで表される、縦方向の間隔P:173.2μm、横方向の間隔P:100μmであった。
【0094】
−2B− 次に、ステンレス鋼基板にウェットエッチングを施し、ステンレス鋼基板上に多数の凹部を形成した。
なお、ウェットエッチングは、エッチング液として塩化鉄(III)水溶液(45Be’)を用い、液温は60℃で、浸漬時間は30秒とした。
この後、上記−3A−の工程を行い、実施例1と同様にして、多数のマイクロレンズが規則的に配列した1.2m×0.7mのマイクロレンズ基板を得た。形成されたマイクロレンズの平均径(直径)は、100μmであった。
【0095】
(実施例3)
まず、基板として、1.2m×0.7m角、厚さ0.7mmのソーダガラス基板を用意した。
このソーダガラス基板を、100℃に加熱した洗浄液(濃硫酸80W%+過酸化水素水20W%)に浸漬して洗浄を行い、その表面を清浄化した。
【0096】
−1C− 次に、ソーダガラス基板の裏面保護層が形成されている面側とは反対の面に、ショットブラストを行い、マスクの中央部113cm×65cmの範囲に多数の初期凹部を形成した。
なお、ショットブラストは、投射材として平均粒径20μmのガラスビーズを用い、噴射圧3kg/cm、噴射密度30kg/mの条件で行った。
これにより、ソーダガラス基板の上記範囲全面に亘って、ランダムなパターンで初期凹部が形成された。初期凹部の平均径(直径)は30μmであり、初期凹部の形成密度は4000個/cmであった。また、隣接する初期凹部同士の間隔(平均値)は158μmあった。
【0097】
−2C− 次に、ソーダガラス基板にウェットエッチングを施し、ソーダガラス基板上に多数の凹部を形成した。
なお、ウェットエッチングは、エッチング液として40wt%のフッ化アンチモン水溶液を用い、浸漬時間は160時間とした。
これにより、ソーダガラス基板上に、マイクロレンズ用の多数の凹部がランダムに形成されたウエハー状のマイクロレンズ用凹部付き基板を得た。なお、形成された凹部の曲率半径(マイクロレンズの中心部付近における曲率半径)は80μmで、隣接する凹部同士の間隔(凹部同士の中心間平均距離)は158μmであった。
この後、上記−3A−の工程を行い、実施例1と同様にして、多数のマイクロレンズがランダムに形成された1.2m×0.7mのマイクロレンズ基板を得た。形成されたマイクロレンズの平均径(直径)は、160μmであった。
【0098】
(実施例4)
まず、基板として、1.2m×0.7m角、厚さ2mmの石英ガラス基板を用意し、この基材に対して、前記実施例1と同様に、洗浄・レーザ加工・エッチング(−1A−〜−3A−)の処理を行った。
−2A’− 次に、上記工程で凹部が形成された面に、フェムト秒レーザを用いて、石英ガラス基板の中央部113cm×65cmの範囲に、新たに多数の初期凹部を形成した。
【0099】
なお、フェムト秒レーザは、エネルギー強度0.2W、ビーム径10μm、照射時間0.2秒の条件で行った。
これにより、石英ガラス基板の上記範囲全面にわたって、規則的に配列した初期凹部が形成された。形成された初期凹部の平均径(直径)は20μm、初期凹部の深さは100μm、隣接する初期凹部同士の間隔は100μmあった。
【0100】
−3A’− 次に、石英ガラス基板にウェットエッチングを施し、石英ガラス基板上に新たに多数の凹部を形成した。
なお、ウェットエッチングは、エッチング液としてフッ化水素10重量%+グリセリン15重量%の混合液(常温)を用い、浸漬時間は13時間とした。
これにより、石英ガラス基板上に、マイクロレンズ用の多数の凹部が規則的に配列したウエハー状のマイクロレンズ用凹部付き基板を得た。なお、形成された凹部の曲率半径(マイクロレンズの中心部付近における曲率半径)は72μm、隣接する凹部同士の間隔(凹部同士の中心間平均距離)は100μmであった。
この後、上記−3A−の工程を行い、実施例1と同様にして、多数のマイクロレンズがランダムに形成された1.2m×0.7mのマイクロレンズ基板を得た。形成されたマイクロレンズの平均径(直径)は、144μmであった。
【0101】
(実施例5)
まず、基板として、1.2m×0.7m角、厚さ0.3mmのステンレス鋼(SUS304)基板を用意し、この基材に対して、前記実施例2と同様に、レーザ加工・エッチング(−1B−〜−3B−)の処理を行った。
−2B’− 次に、上記工程で凹部が形成された面に、YAGレーザを用いて、ステンレス鋼基板の中央部113cm×65cmの範囲に、多数の初期凹部を形成した。
なお、YAGレーザは、エネルギー強度2W、ビーム径7μm、照射時間3秒の条件で行った。
【0102】
これにより、ステンレス鋼基板の上記範囲内で、図17に示すように配列した初期凹部が形成された。形成された初期凹部の平均径(直径)は30μm、初期凹部の深さは150μm、隣接する初期凹部同士の間隔は、図17中のP、Pで表されれる、縦方向の間隔P:259.8μm、横方向の間隔P:150μmであった。
【0103】
−3B’− 次に、ステンレス鋼基板にウェットエッチングを施し、ステンレス鋼基板上に多数の凹部を形成した。
なお、ウェットエッチングは、エッチング液として塩化鉄(III)水溶液(45Be’)を用い、液温は60℃で、浸漬時間は45秒とした。
これにより、ステンレス鋼基板上に、マイクロレンズ用の多数の凹部が規則的に配列したウエハー状のマイクロレンズ用凹部付き基板を得た。なお、形成された凹部の曲率半径(マイクロレンズの中心部付近における曲率半径)は75μmで、隣接する凹部同士の間隔(凹部同士の中心間平均距離)は150μmであった。
この後、上記−3A−の工程を行い、実施例1と同様にして、多数のマイクロレンズが規則的に配列された1.2m×0.7mのマイクロレンズ基板を得た。形成されたマイクロレンズの平均径(直径)は、150μmであった。
【0104】
(実施例6)
まず、基板として、1.2m×0.7m角、厚さ0.7mmのソーダガラス基板を用意し、この基材に対して、前記実施例3と同様に、洗浄・ブラスト加工・エッチング(−1C−〜−3C−)の処理を行った。
−2C’− 次に、上記工程で凹部が形成された面に、ショットブラストを行い、マスクの中央部113cm×65cmの範囲に多数の初期凹部を形成した。
【0105】
なお、ショットブラストは、投射材として平均粒径30μmのガラスビーズを用い、噴射圧5kg/cm、噴射密度30kg/mの条件で行った。
これにより、ソーダガラス基板の上記範囲全面に亘って、ランダムなパターンで初期凹部が形成された。初期凹部の平均径(直径)は40μmであり、初期孔の形成密度は2500個/cmであった。また、隣接する初期凹部同士の間隔(平均値)は200μmあった。
【0106】
−3C’− 次に、ソーダガラス基板にウェットエッチングを施し、ソーダガラス基板上に多数の凹部を形成した。
なお、ウェットエッチングは、エッチング液として40重量%のフッ化アンチモン水溶液を用い、浸漬時間は200時間とした。
これにより、ソーダガラス基板上に、マイクロレンズ用の多数の凹部がランダムに形成されたウエハー状のマイクロレンズ用凹部付き基板を得た。なお、形成された凹部の曲率半径(マイクロレンズの中心部付近における曲率半径)は100μmで、隣接する凹部同士の間隔(凹部同士の中心間平均距離)は200μmであった。
この後、上記−3A−の工程を行い、実施例1と同様にして、多数のマイクロレンズがランダムに形成された1.2m×0.7mのマイクロレンズ基板を得た。形成されたマイクロレンズの平均径(直径)は、200μmであった。
【0107】
(比較例)
まず、基板として、厚さ1mmの石英ガラス基板を用意した。
この石英ガラス基板を、85℃に加熱した洗浄液(80%濃硫酸+20%過酸化水素水)に浸漬して洗浄を行い、その表面を清浄化した。
−1C− 次に、この石英ガラス基板を、600℃、80Paに設定したCVD炉内に入れ、SiHを300mL/分の速度で供給し、CVD法にて、厚さ0.6μmの多結晶シリコン膜(マスクおよび裏面保護層)を形成した。
【0108】
−2C− 次に、形成した多結晶シリコン膜(マスク)上に、フォトレジストにより規則的なマイクロレンズのパターンを有するレジストを形成し、次いで、多結晶シリコン膜(マスク)に対してCFガスによるドライエッチングを行い、次いで、前記レジストを除去して、多結晶シリコン膜(マスク)に開口を形成した。
【0109】
−3C− 次に、石英ガラス基板に第1のウェットエッチングを施し、石英ガラス基板上に多数の凹部を形成した。
なお、エッチング液には、フッ酸系のエッチング液を用いた。
−4C− 次に、CFガスによるドライエッチングを行い、多結晶シリコン膜(マスクおよび裏面保護層)を除去した。
これにより、石英ガラス基板上に、マイクロレンズ用の多数の凹部が規則的に形成されたウエハー状のマイクロレンズ用凹部付き基板を得た。なお、形成された凹部の曲率半径(マイクロレンズの中心部付近における曲率半径)は36μm、隣接する凹部同士の間隔(凹部同士の中心間平均距離)は50μmであった。
この後、上記−3A−の工程を行い、実施例1と同様にして、多数のマイクロレンズが規則的に形成されたマイクロレンズ基板を得た。形成されたマイクロレンズの平均径(直径)は、72μmであった。
【0110】
(評価)
レーザ加工や、ブラスト加工によって基板上に初期凹部を形成した実施例1〜6では、従来の方法に比べ、容易に、かつ安価に凹部付き基板、マイクロレンズ基板を製造することができた。また、特に、実施例では、例えば1.2m×0.7mといった大型の基板に対する処理も容易に行うことができた。一方、フォトリソグラフィ法によりマスクに開口部を形成した比較例では、1.2m×0.7mといった大型の基板に対する処理は困難であった。特に、フォトレジストの工程で、多数の不良品を生じ極めて歩留に劣っていた。
【0111】
そして、前記実施例1〜6で得られたマイクロレンズ基板を用いて、図14、図15に示すような透過型スクリーンを作製し、当該スクリーンを用いて図16に示すようなリア型プロジェクタを作製した。
得られたリア型プロジェクタのスクリーンにそれぞれ画像を投射させたところ、明るい画像を表示することができた。また、実施例1〜6のマイクロレンズ基板を用いたリア型プロジェクタでは、上下方向の視野角が好適に広がっていた。
したがって、かかる透過型スクリーンを用いた投射型表示装置は、スクリーン上に明るく、高品質の画像を投射できることが容易に推察される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の凹部付き基材をマイクロレンズ用凹部付き基材に適用した場合のマイクロレンズ用凹部付き基材の製造方法を示す模式的な縦断面図である。
【図2】本発明の凹部付き基材をマイクロレンズ用凹部付き基材に適用した場合のマイクロレンズ用凹部付き基材の製造方法を示す模式的な縦断面図である。
【図3】本発明の凹部付き基材をマイクロレンズ用凹部付き基材に適用した場合のマイクロレンズ用凹部付き基材の製造方法を示す模式的な縦断面図である。
【図4】本発明の凹部付き基材をマイクロレンズ用凹部付き基材に適用した場合のマイクロレンズ用凹部付き基材の製造方法を示す模式的な縦断面図である。
【図5】本発明のマイクロレンズ基板の製造方法を示す模式的な縦断面図である。
【図6】本発明のマイクロレンズ基板を示す模式的な縦断面図である。
【図7】本発明のマイクロレンズ用凹部付き基材を示す模式的な平面図である。
【図8】本発明のマイクロレンズ基板の製造方法を示す模式的な縦断面図である。
【図9】本発明のマイクロレンズ基板の製造方法を示す模式的な縦断面図である。
【図10】本発明のマイクロレンズ基板を示す模式的な縦断面図である。
【図11】本発明のマイクロレンズ基板を示す模式的な縦断面図である。
【図12】本発明のマイクロレンズ基板の製造方法を示す模式的な縦断面図である。
【図13】本発明のマイクロレンズ基板の製造方法を示す模式的な縦断面図である。
【図14】本発明の透過型スクリーンの光学系を模式的に示す縦断面図である。
【図15】図14に示す透過型スクリーンの分解斜視図である。
【図16】本発明のリア型プロジェクタの構成を模式的に示す図である。
【図17】初期凹部同士の間隔を説明するための図である。
【符号の説明】
1・・・マイクロレンズ基板 2・・・マイクロレンズ用凹部付き基板 21・・・第1のマイクロレンズ用凹部付き基板 22・・・第2のマイクロレンズ用凹部付き基板 3・・・凹部 36・・・第1の凹部 37・・・第2の凹部4・・・アライメントマーク 41・・・角部 42・・・第1のアライメントマーク 43・・・第2のアライメントマーク 44・・・開口 5・・・基板 51・・・初期凹部 53・・・透明基板 54・・・基板 55・・・第1のガラス基板 56・・・第2のガラス基板 6・・・裏面保護層 8・・・マイクロレンズ 9・・・スペーサー 99・・・有効レンズ領域 100・・・非有効レンズ領域 13・・・カバーガラス 14・・・樹脂層 141・・・樹脂層 142・・・樹脂層 143・・・樹脂 144・・・樹脂 200・・・透過型スクリーン 210・・・フレネルレンズ部 300・・・リア型プロジェクタ 310・・・投写光学ユニット 320・・・導光ミラー 330・・・透過型スクリーン 340・・・筐体

Claims (21)

  1. 基材上に、初期凹部を形成する工程と、
    前記初期凹部を有する前記基材にエッチングを施し、前記初期凹部を拡大した凹部を形成する工程とを有することを特徴とする凹部付き基材の製造方法。
  2. 前記基材は、略平板形状を有するものである請求項1に記載の凹部付き基材の製造方法。
  3. 前記初期凹部の形成は、レーザ加工により行われるものである請求項1または2に記載の凹部付き基材の製造方法。
  4. 前記初期凹部の形成は、ブラスト加工により行われるものである請求項1または2に記載の凹部付き基材の製造方法。
  5. 前記初期凹部の平面視での形状が、略円形である請求項1ないし4のいずれかに記載の凹部付き基材の製造方法。
  6. 前記初期凹部の直径をa[μm]、前記初期凹部の深さをb[μm]としたとき、a/b≦0.25の関係を満足するものである請求項5に記載の凹部付き基材の製造方法。
  7. 前記初期凹部の直径をa[μm]、前記凹部の直径をd[μm]としたとき、a/d≦0.25の関係を満足するものである請求項5または6に記載の凹部付き基材の製造方法。
  8. 前記基材は、複数の前記初期凹部を有するものであって、
    隣接する前記初期凹部同士の間隔をc[μm]、前記初期凹部の深さをb[μm]としたとき、0.8≦c/b≦1.1の関係を満足するものである請求項1ないし7のいずれかに記載の凹部付き基材の製造方法。
  9. 前記基材上に、前記初期凹部を形成し、前記初期凹部を有する前記基材にエッチングを施し、前記基材上に凹部を形成する処置を繰り返し行うものである請求項1ないし8のいずれかに記載の凹部付き基材の製造方法。
  10. 前記エッチングは、ウェットエッチングにより行われるものである請求項1ないし9のいずれかに記載の凹部付き基材の製造方法。
  11. 凹部付き基材が、実質的に透明である請求項1ないし10のいずれかに記載の凹部付き基材の製造方法。
  12. 前記凹部付き基材が、凸部を有する基板を形成するための型として用いられるものである請求項1ないし11のいずれかに記載の凹部付き基材の製造方法。
  13. 前記凹部は、マイクロレンズ用凹部である請求項1ないし12のいずれかに記載の凹部付き基材の製造方法。
  14. 請求項1ないし13のいずれかに記載の凹部付き基材の製造方法により製造されたことを特徴とする凹部付き基材。
  15. 請求項13に記載の凹部付き基材の製造方法により製造されたことを特徴とするマイクロレンズ用凹部付き基材。
  16. 請求項15に記載のマイクロレンズ用凹部付き基材を用いて製造され、複数のマイクロレンズを有することを特徴とするマイクロレンズ基板。
  17. 請求項16に記載のマイクロレンズ基板を備えたことを特徴とする透過型スクリーン。
  18. フレネルレンズが形成されたフレネルレンズ部と、
    前記フレネルレンズ部の出射面側に配置された請求項16に記載のマイクロレンズ基板とを備えたことを特徴とする透過型スクリーン。
  19. 前記マイクロレンズの直径は10〜500μmである請求項18に記載の透過型スクリーン。
  20. 請求項18または19に記載の透過型スクリーンを備えたことを特徴とするリア型プロジェクタ。
  21. 投写光学ユニットと、導光ミラーと、請求項18または19に記載の透過型スクリーンとを備えたことを特徴とするリア型プロジェクタ。
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