JP2004309668A - 画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】入射光の偏光変調を行う非発光の反射型空間光変調素子及びこの反射型空間光変調素子を照明する照明光学系とを有する表示装置において、表示画像のコントラストの低下を防止する。
【解決手段】光源1より結像レンズ18までの光路上に、光軸に対する位置に応じて透過光束の偏光方向を補正する偏光方向補正板11,19を設け、偏光ビームスプリッタ14の偏光分離膜14aに対して収束光束や拡散光束が入射される場合においても、光軸から離れた光線の偏光方向を補正し、不要光を除去する。
【選択図】 図1
【解決手段】光源1より結像レンズ18までの光路上に、光軸に対する位置に応じて透過光束の偏光方向を補正する偏光方向補正板11,19を設け、偏光ビームスプリッタ14の偏光分離膜14aに対して収束光束や拡散光束が入射される場合においても、光軸から離れた光線の偏光方向を補正し、不要光を除去する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射型空間光変調素子を備え、この反射型空間光変調素子によって変調された光束を結像させて画像表示を行う画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、反射型空間光変調素子を用いた画像表示装置が提案されている。この画像表示装置は、放電ランプ等の光源を有し、この光源から発せられた光束を凹面鏡や集光レンズ等の光学部品によって反射型空間光変調素子に導き、この反射型空間光変調素子を照明するように構成されている。そして、この反射型空間光変調素子の像を、結像レンズによって投射、結像させることにより、画像表示を行うことができる。
【0003】
すなわち、この画像表示装置においては、反射型空間光変調素子に入射する光束は、偏光ビームスプリッタの偏光分離膜を経て(反射され、または、透過して)反射型空間光変調素子に入射されるとともに、この反射型空間光変調素子による反射光束は、偏光ビームスプリッタに再入射する。
【0004】
反射型空間光変調素子において表示画像の情報に応じて偏光方向を変調された反射型空間光変調素子からの反射光束は、この反射型空間光変調素子への入射光束の偏光方向に対して直交する方向の偏光方向となっている。また、反射型空間光変調素子において偏光方向を変調されずに反射された光束は、この反射型空間光変調素子への入射光束の偏光方向と同じ偏光方向となっている。
【0005】
したがって、反射型空間光変調素子により反射されて偏光ビームスプリッタに再入射した反射光束は、偏光方向を変調されているかどうかによって、偏光分離膜において、光路を分岐される。
【0006】
このようにして、偏光分離膜において光源に戻る光路から分岐された光束を結像レンズに入射させることにより、反射型空間光変調素子において偏光方向を変調された光束のみが結像され、画像表示が行われる。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−287084号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のような画像表示装置において使用されている偏光ビームスプリッタの偏光分離膜は、一般的に、良好な透過特性を有するが、反射特性についてはあまり良好ではない。すなわち、この偏光分離膜に対するS偏光の透過率(Ts)は極めて低く、偏光分離膜の透過光については略々完全なP偏光成分といえるが、偏光分離膜に対するP偏光の反射率(Rp)は無視できず、偏光分離膜からの反射光については、完全なS偏光成分とはいえず、P偏光成分が混入していることになる。
【0009】
本来S偏光成分であるべき偏光分離膜からの反射光にP偏光成分が混入すると、この画像表示装置によって表示される画像のコントラストが低下することとなる。例えば、空間光変調素子によって反射された光束が全く結像レンズに入射されないようにするいわゆる「黒表示」の場合において、偏光分離膜からの反射光中にP偏光成分があると、このP偏光成分が結像レンズに入射されることになってしまうので、表示画像のコントラストが低下するのである。
【0010】
このような原因による表示画像のコントラストの低下を防止するため、従来の画像表示装置においては、光源と偏光ビームスプリッタとの間の光路上に直線偏光板を設けたり、または、偏光ビームスプリッタと結像レンズとの間の光路上に直線偏光板を設けたり、あるいは、これら両方に直線偏光板を設けることが行われている。このような直線偏光板に光束を透過させることにより、不要な方向の偏光成分を除去し、偏光ビームスプリッタの偏光分離膜からの反射光における不要光を除去するようにしている。
【0011】
しかしながら、偏光ビームスプリッタの偏光分離膜に対して収束光束や拡散光束が入射される場合においては、光軸から離れた光線の偏光分離膜に対する入射角度は、光軸上の光線の入射角度に対して、角度の隔たりが大きくなる。偏光分離膜に対するS偏光成分及びP偏光成分の方向は、この偏光分離膜に対する入射角度に依存して変化するので、光軸上の光線の入射角度に対して隔たりのある入射角度の光線については、上述のような直線偏光板によっては、不要光を除去できなくなる。
【0012】
特に、空間光変調素子の照明効率の向上のためにFナンバーの小さい結像レンズを使用した場合においては、偏光分離膜において光軸から離れた光線の入射角度の光軸上の光線の入射角度に対する隔たりが大きくなり、表示画像のコントラストが著しく低下することとなる。
【0013】
例えば、偏光ビームスプリッタに入射する前の光束の偏光方向は、光束内においては偏光方向が一方向にそろっているが、図14に示すように、偏光分離膜に対してS偏光,P偏光が混在している。偏光分離膜に対するS偏光は,図15に示すように、同心円の接線方向で表される。したがって、この偏光分離膜によって反射された後の光束においても、図14に示すように、光軸から離れた位置においては、P偏光成分が混在したものとなる。なお、これら図14及び図15において、点線で示す同心円は、偏光分離膜に対する入射角を示しており、光軸上の光線の入射角が45°となっている。そして、この光束が反射型空間光変調素子によって反射された後の光束においては、この反射型空間光変調素子が偏光変調を行わない、いわゆる「黒表示」を行っている場合には、図14に示すように、この反射型空間光変調素子への入射光の偏光方向がそのまま維持される。そして、この光束が偏光分離膜に至ると、図16に示すように、この偏光分離膜に対するP偏光成分が透過するので、「黒表示」が一定の明度を有することになってしまい、表示画像のコントラストが低下するのである。
【0014】
また、「黒表示」を行っている空間光変調素子に反射され偏光分離膜に反射されてしまったP偏光は、偏光ビームスプリッタから出射された後は、図17に示すように、光軸から離れた位置においては、S偏光成分が混じったものとなる。この光束が偏光板を透過した後は、図18に示すように、P偏光は遮断されるが、S偏光成分が残るので、「黒表示」が一定の明度を有することになってしまい、表示画像のコントラストが低下するのである。
【0015】
そこで、本発明は、上述の実情に鑑みて提案されるものであって、入射光の偏光変調を行う非発光の反射型空間光変調素子と、この反射型空間光変調素子を照明する照明光学系とを有する画像表示装置であって、表示画像のコントラストの低下が防止され、良好なコントラストの画像表示が行える画像表示装置を提供しようとするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、本発明に係る画像表示装置は、光源と、この光源からの光束が入射されこの入射光の光軸に対して45°の傾斜を有する偏光分離膜を有しこの偏光分離膜においてこの偏光分離膜に対するP偏光成分を透過させS偏光成分を反射する偏光分離素子と、この偏光分離素子の偏光分離膜を透過、または、反射された光束が入射され表示画像に応じて入射光束を偏光変調して反射する反射型空間光変調素子と、この反射型空間光変調素子により偏光変調されて偏光分離素子に再入射し偏光分離膜により反射、または、透過してこの偏光分離素子より出射された光束が入射される結像光学系とを備え、光源より結像光学系までを含む光路上において、光軸に直交する平面内における光軸に対する位置関係が偏光分離素子の偏光分離膜に対する光束の入射角度の分布に対応している場所に、光軸に対する位置に応じて透過光束の偏光方向を補正する偏光方向補正板が設けられており、この偏光方向補正板が偏光分離素子に入射する前の光路上に配設されている場合には、この偏光方向補正板と光源との間の光路上に、該光源からの光束を偏光方向が一定方向となされた光束とする偏光素子を有し、偏光方向補正板が偏光分離素子から出射された後の光路上に配設されている場合には、この偏光方向補正板から結像光学系までの光路上に、該偏光方向補正板を経た光束のうちから一定方向の偏光方向の光束のみを透過させる偏光素子を有することを特徴とするものである。
【0017】
この画像表示装置においては、光源より結像光学系までを含む光路上の光軸に直交する平面内における光軸に対する位置関係が偏光分離素子の偏光分離膜に対する光束の入射角度の分布に対応している場所に光軸に対する位置に応じて透過光束の偏光方向を補正する偏光方向補正板が設けられており、この偏光方向補正板が偏光分離素子に入射する前の光路上に配設されている場合にはこの偏光方向補正板と光源との間の光路上に該光源からの光束を偏光方向が一定方向となされた光束とする偏光素子を有し、偏光方向補正板が偏光分離素子から出射された後の光路上に配設されている場合にはこの偏光方向補正板から結像光学系までの光路上に該偏光方向補正板を経た光束のうちから一定方向の偏光方向の光束のみを透過させる偏光素子を有するので、偏光分離素子の偏光分離膜に対して収束光束や拡散光束が入射される場合においても、光軸から離れた光線の偏光方向が補正され、偏光素子により、不要光が除去される。
【0018】
また、本発明に係る画像表示装置は、少なくとも三原色光を含む光束を発する光源と、この光源からの光束を偏光方向が一定方向となされた光束とする第1の偏光素子と、この第1の偏光素子を経た光束のうちの一色、または、二色の原色光成分のみの偏光方向を90°回転させる色選択素子と、この色選択素子を経た光束が入射されこの入射光の光軸に対して45°の傾斜を有する偏光分離膜を有しこの偏光分離膜においてこの偏光分離膜に対するP偏光成分を透過させS偏光成分を反射することによってこれらP偏光成分及びS偏光成分の光路を分岐させる偏光分離素子と、この偏光分離素子の偏光分離膜を透過した光束が入射され表示画像の一色、または、二色の原色成分に応じて入射光束を偏光変調して反射する第1の反射型空間光変調素子と、偏光分離素子の偏光分離膜により反射された光束が入射され表示画像の二色、または、一色の原色成分に応じて入射光束を偏光変調して反射する第2の反射型空間光変調素子と、第1の反射型空間光変調素子により偏光変調されて偏光分離素子に再入射し偏光分離膜により反射されてこの偏光分離素子より出射された光束と第2の反射型空間光変調素子により偏光変調されて偏光分離素子に再入射し上記偏光分離膜を透過してこの偏光分離素子より出射された光束とが入射される結像光学系とを備え、偏光素子より結像光学系までを含む光路上において、光軸に直交する平面内における光軸に対する位置関係が偏光分離素子の偏光分離膜に対する光束の入射角度の分布に対応している場所に光軸に対する位置に応じて透過光束の偏光方向を補正する偏光方向補正板が設けられており、この偏光方向補正板が偏光分離素子から出射された後の光路上に配設されている場合には、この偏光分離素子から偏光方向補正板までの光路上に、該偏光分離素子から出射された光束のうちの一色、または、二色の原色光成分のみの偏光方向を90°回転させることによって各原色光成分の偏光方向を揃える第2の色選択素子を有するとともに、該偏光方向補正板から結像光学系までの光路上に、該偏光方向補正板を経た光束のうちから一定方向の偏光方向の光束のみを透過させる第2の偏光素子を有することを特徴とするものである。
【0019】
この画像表示装置においては、光源からの光束を偏光方向が一定方向となされた光束とする第1の偏光素子を有し、光源より結像光学系までを含む光路上の光軸に直交する平面内における光軸に対する位置関係が偏光分離素子の偏光分離膜に対する光束の入射角度の分布に対応している場所に光軸に対する位置に応じて透過光束の偏光方向を補正する偏光方向補正板が設けられており、偏光方向補正板が偏光分離素子から出射された後の光路上に配設されている場合にはこの偏光方向補正板から結像光学系までの光路上に該偏光方向補正板を経た光束のうちから一定方向の偏光方向の光束のみを透過させる第2の偏光素子を有するので、偏光分離素子の偏光分離膜に対して収束光束や拡散光束が入射される場合においても、光軸から離れた光線の偏光方向が補正され、第1の偏光素子、または、第1及び第2の偏光素子により、不要光が除去される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0021】
本発明に係る画像表示装置は、図1に示すように、放電ランプ等からなる光源1を有する。この光源1は、少なくとも三原色光(赤色(R)光、緑色(G)光、青色(B)光)を含む光束を発する。このような光源1としては、例えば、超高圧水銀ランプ(UHPランプ)等の放電ランプを用いることができる。この光源1から発せられた光束は、凹面鏡(楕円面鏡)2に反射され、位相差板アレイ3を透過して、第1の偏光素子となる反射型偏光板4に入射する。
【0022】
位相差板アレイ3は、光軸を中心とする放射状の複数の領域に分割された位相差板(波長板)であって、各々の領域ごとに遅相軸方向の異なる二分の一波長板((λ/2)板)によって構成されている。反射型偏光板4は、入射光のうちの一定方向の偏光成分のみを透過させ、他の偏光成分は反射する特性を有し、光源1からの光束を偏光方向が一定方向となされた光束とする。
【0023】
この反射型偏光板4は、一対のリレーレンズ5,6に挟まれた状態で配設されている。また、この反射型偏光板4の周囲には、円環状の反射鏡7が配設されている。すなわち、反射型偏光板4に入射した光束のうちの一定の方向の偏光成分は、この反射型偏光板4を透過し、この反射型偏光板4に入射した光束のうちの一定の方向の偏光成分以外は、この反射型偏光板4により反射され、さらに、この反射型偏光板4の周囲の反射鏡7に入射した光束は、この反射鏡7により反射される。反射型偏光板4により反射された光束及び反射鏡7により反射された光束は、光源1側に戻り、位相差板アレイ3を透過して凹面鏡2によって2回反射されて再び位相差板アレイ3を透過することによって、反射型偏光板4を透過する一定の偏光方向の光束となされる。
【0024】
このようにして反射型偏光板4を透過した光束は、第1及び第2のフライアイレンズアレイ8,9からなるフライアイインテグレータ10に入射される。そして、このフライアイインテグレータ10を経て照度を均一化された光束は、第1の偏光方向補正板11及びコンデンサーレンズ12を透過して、第1の色選択素子13に入射される。
【0025】
第1の偏光方向補正板11は、光軸に対する位置に応じて、透過光束の偏光方向を補正するものである。第1の色選択素子13は、入射された光束のうちの一色、または、二色の原色光成分のみの偏光方向を90°回転させる素子である。ここでは、一例として、第1の色選択素子13は、入射された光束のうちの赤色(R)光成分のみの偏光方向を90°回転させる素子としている。このような色選択素子としては、例えば、カラーリンク社製の「カラーセレクト」(商品名)などを使用することができる。
【0026】
この第1の色選択素子13を透過した光束は、偏光分離素子となる偏光ビームスプリッタ14に入射される。この偏光ビームスプリッタ14は、入射光の光軸に対して45°の傾斜を有する偏光分離膜14aを有し、この偏光分離膜14aにおいて、この偏光分離膜14aに対するP偏光成分を透過させ、S偏光成分を反射することによって、これらP偏光成分及びS偏光成分の光路を分岐させる。すなわち、この偏光分離膜14aにおいては、この偏光分離膜14aに対するP偏光成分である赤色(R)光成分が透過し、S偏光成分である緑色(G)光成分及び青色(B)光成分が反射される。
【0027】
偏光分離膜14aを透過した赤色(R)光成分は、第1の反射型空間光変調素子15に入射され、偏光分離膜14aにおいて反射された緑色(G)光成分及び青色(B)光成分は、第2の反射型空間光変調素子16に入射される。
【0028】
このようにして、各反射型空間光変調素子15,16が照明される。第1の反射型空間光変調素子15は、入射された赤色(R)光成分を表示画像の赤色成分に応じて偏光変調して反射する。また、第2の反射型空間光変調素子16は、入射された緑色(G)光成分及び青色(B)光成分を表示画像の緑色成分及び青色成分に応じて偏光変調して反射する。
【0029】
なお、第2の反射型空間光変調素子16は、画素ごとに緑色または青色のカラーフィルタが設けられており、緑色のカラーフィルタが設けられた緑色用の画素部分が緑色(G)光成分を反射し、青色のカラーフィルタが設けられた青色用の画素部分が緑色(B)光成分を反射する。
【0030】
第1の反射型空間光変調素子15による反射光は偏光ビームスプリッタ14に再入射する。この反射光のうちで、偏光変調されている光束は、偏光方向を90°変換され、偏光分離膜14a対するS偏光となっており、この偏光分離膜14aにより反射されて、光源1に戻る方向とは異なる側にこの偏光ビームスプリッタ14より出射される。また、第2の反射型空間光変調素子16による反射光は偏光ビームスプリッタ14に再入射する。この反射光のうちで、偏光変調されている光束は、偏光方向を90°変換され、偏光分離膜14a対するP偏光となっており、この偏光分離膜14aを透過して、光源1に戻る方向とは異なる側にこの偏光ビームスプリッタ14より出射される。
【0031】
このように、各反射型空間光変調素子15,16により偏光変調されて反射された光束は、偏光ビームスプリッタ14より出射して、第2の色選択素子17を経て、結像光学系となる結像レンズ18に入射する。第2の色選択素子17は、第1の色選択素子13と同様に、入射された光束のうちの一色、または、二色の原色光成分のみの偏光方向を90°回転させる素子であって、ここでは、一例として、入射された光束のうちの赤色(R)光成分のみの偏光方向を90°回転させる素子としている。この第2の色選択素子17により、各色光成分の偏光方向が一方向に揃えられることとなる。
【0032】
結像レンズ18内の絞り位置には、第2の偏光方向補正板19が配設されている。この第2の偏光方向補正板19は、光軸に対する位置に応じて、透過光束の偏光方向を補正するものである。また、この結像レンズ18内において、第2の偏光方向補正板19を経た光束は、第2の偏光素子となる偏光板20に入射する。
【0033】
そして、この結像レンズ18は、各反射型空間光変調素子15,16の像を、図示しないスクリーン上に投射、結像させることにより、画像表示を行う。
【0034】
ところで、第1の偏光方向補正板11が設けられている第2のフライアイインテグレータ9の近傍であってこの第2のフライアイインテグレータ9の偏光ビームスプリッタ14側の位置は、反射型偏光板4より結像レンズ18までを含む光路上において、光軸に直交する平面内における光軸に対する位置関係が偏光ビームスプリッタ14の偏光分離膜14aに対する光束の入射角度の分布に対応している場所となっている。
【0035】
また、第2の偏光方向補正板19が設けられている結像レンズ18内の絞り位置も、反射型偏光板4より結像レンズ18までを含む光路上において、光軸に直交する平面内における光軸に対する位置関係が偏光ビームスプリッタ14の偏光分離膜14aに対する光束の入射角度の分布に対応している場所となっている。
【0036】
第1及び第2の偏光方向補正板11,19は、図2に示すように、光軸に対する位置(領域)に応じて異なる遅相軸方向となされた複数の扇形の二分の一波長板から構成されている。この実施の形態においては、第1及び第2の偏光方向補正板11,19をなす各二分の一波長板のそれぞれの遅相軸方向は、一側より、(a)領域が−3.5°、(b)領域が−2.5°、(c)領域が−1.5°、光軸に近い中央部分の領域が±0.0°、(d)領域が+1.5°、(e)領域が+2.5°、(f)領域が+3.5°、(g)領域が+4.5°となっている。
【0037】
第1の偏光方向補正板11は、図3に示すように、偏光ビームスプリッタ14に入射する前の光路上に配設される。この第1の偏光方向補正板11は、偏光ビームスプリッタ14の偏光分離膜14aにS偏光として入射されこの偏光分離膜14aにより反射されて第2の反射型空間光変調素子16に入射する光束について、S偏光からのずれを補正し、光軸に対する位置に依らず、偏光分離膜14aに対するS偏光とする。
【0038】
また、第2の偏光方向補正板19は、図3に示すように、偏光ビームスプリッタ14から出射された後の光路上に配設される。この第2の偏光方向補正板19は、第1の反射型空間光変調素子15に反射されて偏光ビームスプリッタ14の偏光分離膜14aにP偏光として入射されたにもかかわらずこの偏光分離膜14aに反射されて出射した光束について、偏光分離膜に対するP偏光からのずれを補正し、光軸に対する位置に依らず偏光板20の吸収軸に相当する偏光方向とする。
【0039】
この画像表示装置においては、これら偏光方向補正板11,19の作用により、以下のようにして、表示画像のコントラストの低下が防止され、良好なコントラストの画像を表示することができる。
【0040】
すなわち、上述したように、偏光ビームスプリッタ14の偏光分離膜14aは、良好な透過特性を有するが、反射特性についてはあまり良好ではない。偏光分離膜14aに対するS偏光の透過率(Ts)は極めて低く、偏光分離膜の透過光については略々完全なP偏光成分といえるが、偏光分離膜に対するP偏光の反射率(Rp)は無視できず、偏光分離膜からの反射光については、完全なS偏光成分とはいえず、P偏光成分が混入する。
【0041】
したがって、偏光分離膜14aに反射されて第2の反射型空間光変調素子16に入射する光束にP偏光成分が含まれないようにするには、この偏光分離膜14aへの入射光の全てを、偏光分離膜14aに対するS偏光に揃えておくことが必要となる。
【0042】
また、第1の空間光変調素子15により反射され、さらに、偏光分離膜14aにより反射された光束については、第2の偏光素子となる偏光板20に入射する前に、偏光方向を、この偏光板20の偏光軸に揃えておくことが必要となる。
【0043】
この画像表示装置においては、各偏光方向補正板11,19によって、各光束の偏光方向を光軸に対する位置に応じて回転させることにより、各光束の偏光方向を上述のような状態に補正するようにしている。このような、光束の偏光方向を回転させる素子としては、二分の一波長(λ/2)板を用いることができる。各光束における理想的な偏光方向は、偏光分離膜14aに対する入射角に応じて、すなわち、光軸に対する位置に応じて、無段階に異なった方向となる。したがって、偏光方向補正板11,19を二分の一波長板によって構成する場合には、偏光分離膜14aに対する入射角に応じて、すなわち、光軸に対する位置に応じて、二分の一波長板の遅相軸の設定が必要となる。
【0044】
したがって、二分の一波長板によって構成された偏光方向補正板11,19は、図3に示すように、略々短冊状の扇形の複数の領域に分割されたものとなっており、各々の領域ごとに異なった遅相軸方向を有する二分の一波長板によって構成されている。この偏光方向補正板11,19においては、より多数の細い領域に分割されているほど、透過光束における偏光方向の分布を理想的な状態とすることができる。
【0045】
光源1側より偏光分離膜14aに反射されて第2の反射型空間光変調素子16に入射する光束については、第2のフライアイレンズアレイ9の近傍において、偏光分離膜14aへの入射角の分布が空間分布となっている。そのため、この位置に第1の偏光方向補正板11を配置することにより、偏光分離膜14aへの入射光の全てを、この偏光分離膜14aに対するS偏光に揃えて、P偏光成分が含まれないようにすることができる。
【0046】
すなわち、偏光分離膜14aにより反射されて第2の空間光変調素子16に入射されるS偏光については、第1の偏光方向補正板11を透過することにより、光束径内の全領域において偏光分離膜14aに対してS偏光で入射し、スキューレイ成分は略々なくなる。そして、偏光分離膜14aに対するS偏光の透過率(Ts)は無視できる程低いので、「黒表示」における漏れ光は著しく低減される。
【0047】
偏光ビームスプリッタ14に入射する前の光束の偏光方向が光軸上において偏光分離膜に対するS偏光であり、光束内において偏光方向が一方向に揃っていたとすると、この光束が偏光方向補正板11を透過した後は、図4に示すように、偏光分離膜14aに対するS偏光に揃えられる。この光束が偏光分離膜14aによって反射された後の光束においては、図5に示すように、光軸から離れた位置においても、P偏光成分が混じることがない。そして、この光束が第2の反射型空間光変調素子16によって反射された後の光束においては、この反射型空間光変調素子が偏光変調を行わない、いわゆる「黒表示」を行っている場合には、図6に示すように、この反射型空間光変調素子への入射光の偏光方向がそのまま維持される。そして、この光束が偏光分離膜14aに至ると、図7に示すように、この偏光分離膜14aを透過するP偏光成分がないので、「黒表示」が明度を有することがなく、表示画像のコントラストが良好となるのである。
【0048】
また、第1の空間光変調素子15により反射され、さらに、偏光分離膜14aにより反射された光束については、結像レンズ18の絞り位置が偏光分離膜14aからの出射角分布となっている。そのため、この位置に第2の偏光方向補正板19を配置することにより、第2の偏光素子となる偏光板20に入射する前に、偏光方向を、この偏光板20の偏光軸に揃えておくことができる。
【0049】
すなわち、偏光分離膜14aを透過して第1の空間光変調素子15に入射されるP偏光については、この第1の空間光変調素子15に反射された後におけるP偏光の偏光分離膜14aに対する反射率(Rp)が無視できないため、「黒表示」における漏れ光が生じる。しかし、この漏れ光は、偏光ビームスプリッタ14から出射された後に第2の偏光方向補正板19を透過することにより、偏光軸が第2の偏光素子となる偏光板20の偏光軸に揃えられるので、この偏光板20によって遮断される。したがって、結像レンズ18から出射される漏れ光は著しく低減される。
【0050】
「黒表示」を行っている第1の空間光変調素子15に反射され偏光分離膜14aに反射されてしまったP偏光は、偏光ビームスプリッタ14から出射され第2の偏光方向補正板19を透過した後は、図8に示すように、偏光方向が光軸上において偏光分離膜14aに対するP偏光であり、光束内において偏光方向が一方向に揃っている。この光束が偏光板20を透過した後は、図9に示すように、P偏光は遮断されるので、結像レンズ18から出射される漏れ光はほとんどない。すなわち、「黒表示」が明度を有することがなく、表示画像のコントラストが良好となるのである。
【0051】
このような、各偏光方向補正板11,19の作用により、表示画像のコントラストは、200:1程度から、2500:1程度に改善される。
【0052】
なお、上述の実施の形態においては、反射型空間光変調素子15,16としては、F2.4の反射型液晶デバイスを用いており、偏光ビームスプリッタ14をなす硝材は、PBH56(屈折率1.84)である。
【0053】
また、本発明に係る画像表示装置は、図10に示すように、上述の実施の形態にける一対のリレーレンズ5,6及び反射鏡7を用いずに、反射型偏光板4を第2のフライアイレンズアレイ9と第1の偏光方向補正板11との間に配置するようにしてもよい。
【0054】
すなわち、この画像表示装置においては、光源1から発せられた光束は、凹面鏡(楕円面鏡)2に反射され、位相差板アレイ3を透過して、第1及び第2のフライアイレンズアレイ8,9からなるフライアイインテグレータ10に入射される。このフライアイインテグレータ10を経て照度を均一化された光束は、第1の偏光素子となる反射型偏光板4に入射する。この反射型偏光板4を透過した光束は、第1の偏光方向補正板11、リレーレンズ21及びコンデンサーレンズ12を透過して、第1の色選択素子13に入射される。
【0055】
第1の色選択素子13を透過した光束は、偏光分離素子となる偏光ビームスプリッタ14に入射される。この偏光ビームスプリッタ14は、入射光の光軸に対して45°の傾斜を有する偏光分離膜14aを有し、この偏光分離膜14aにおいて、この偏光分離膜14aに対するP偏光成分を透過させ、S偏光成分を反射することによって、これらP偏光成分及びS偏光成分の光路を分岐させる。すなわち、この偏光分離膜14aにおいては、この偏光分離膜14aに対するP偏光成分である赤色(R)光成分が透過し、S偏光成分である緑色(G)光成分及び青色(B)光成分が反射される。
【0056】
偏光分離膜14aを透過した赤色(R)光成分は、第1の反射型空間光変調素子15に入射され、偏光分離膜14aにおいて反射された緑色(G)光成分及び青色(B)光成分は、第2の反射型空間光変調素子16に入射される。
【0057】
このようにして、各反射型空間光変調素子15,16が照明される。第1の反射型空間光変調素子15は、入射された赤色(R)光成分を表示画像の赤色成分に応じて偏光変調して反射する。また、第2の反射型空間光変調素子16は、入射された緑色(G)光成分及び青色(B)光成分を表示画像の緑色成分及び青色成分に応じて偏光変調して反射する。
【0058】
第2の反射型空間光変調素子16は、画素ごとに緑色または青色のカラーフィルタが設けられており、緑色のカラーフィルタが設けられた緑色用の画素部分が緑色(G)光成分を反射し、青色のカラーフィルタが設けられた青色用の画素部分が緑色(B)光成分を反射する。
【0059】
第1の反射型空間光変調素子15による反射光は偏光ビームスプリッタ14に再入射する。この反射光のうちで、偏光変調されている光束は、偏光方向を90°変換され、偏光分離膜14a対するS偏光となっており、この偏光分離膜14aにより反射されて、光源1に戻る方向とは異なる側にこの偏光ビームスプリッタ14より出射される。また、第2の反射型空間光変調素子16による反射光は偏光ビームスプリッタ14に再入射する。この反射光のうちで、偏光変調されている光束は、偏光方向を90°変換され、偏光分離膜14a対するP偏光となっており、この偏光分離膜14aを透過して、光源1に戻る方向とは異なる側にこの偏光ビームスプリッタ14より出射される。
【0060】
このように、各反射型空間光変調素子15,16により偏光変調されて反射された光束は、偏光ビームスプリッタ14より出射して、第2の色選択素子17を経て、結像光学系となる結像レンズ18に入射する。第2の色選択素子17は、第1の色選択素子13と同様に、入射された光束のうちの一色、または、二色の原色光成分のみの偏光方向を90°回転させる素子であって、ここでは、一例として、入射された光束のうちの赤色(R)光成分のみの偏光方向を90°回転させる素子としている。この第2の色選択素子17により、各色光成分の偏光方向が一方向に揃えられることとなる。
【0061】
結像レンズ18内の絞り位置には、第2の偏光方向補正板19が配設されている。この第2の偏光方向補正板19は、光軸に対する位置に応じて、透過光束の偏光方向を補正するものである。また、この結像レンズ18内において、第2の偏光方向補正板19を経た光束は、第2の偏光素子となる偏光板20に入射する。
【0062】
そして、この結像レンズ18は、各反射型空間光変調素子15,16の像を、図示しないスクリーン上に投射、結像させることにより、画像表示を行う。
【0063】
また、本発明に係る画像表示装置は、図11に示すように、第2の色選択素子17を結像レンズ18内に設けることとしてもよい。
【0064】
すなわち、この画像表示装置においては、光源1から発せられた光束は、凹面鏡(楕円面鏡)2に反射され、位相差板アレイ3を透過して、第1及び第2のフライアイレンズアレイ8,9からなるフライアイインテグレータ10に入射される。このフライアイインテグレータ10を経て照度を均一化された光束は、第1の偏光素子となる反射型偏光板4に入射する。この反射型偏光板4を透過した光束は、第1の偏光方向補正板11、リレーレンズ21及びコンデンサーレンズ12を透過して、第1の色選択素子13に入射される。
【0065】
第1の色選択素子13を透過した光束は、偏光分離素子となる偏光ビームスプリッタ14に入射される。この偏光ビームスプリッタ14は、入射光の光軸に対して45°の傾斜を有する偏光分離膜14aを有し、この偏光分離膜14aにおいて、この偏光分離膜14aに対するP偏光成分を透過させ、S偏光成分を反射することによって、これらP偏光成分及びS偏光成分の光路を分岐させる。すなわち、この偏光分離膜14aにおいては、この偏光分離膜14aに対するP偏光成分である赤色(R)光成分が透過し、S偏光成分である緑色(G)光成分及び青色(B)光成分が反射される。
【0066】
偏光分離膜14aを透過した赤色(R)光成分は、第1の反射型空間光変調素子15に入射され、偏光分離膜14aにおいて反射された緑色(G)光成分及び青色(B)光成分は、第2の反射型空間光変調素子16に入射される。
【0067】
このようにして、各反射型空間光変調素子15,16が照明される。第1の反射型空間光変調素子15は、入射された赤色(R)光成分を表示画像の赤色成分に応じて偏光変調して反射する。また、第2の反射型空間光変調素子16は、入射された緑色(G)光成分及び青色(B)光成分を表示画像の緑色成分及び青色成分に応じて偏光変調して反射する。
【0068】
第2の反射型空間光変調素子16は、画素ごとに緑色または青色のカラーフィルタが設けられており、緑色のカラーフィルタが設けられた緑色用の画素部分が緑色(G)光成分を反射し、青色のカラーフィルタが設けられた青色用の画素部分が緑色(B)光成分を反射する。
【0069】
第1の反射型空間光変調素子15による反射光は偏光ビームスプリッタ14に再入射する。この反射光のうちで、偏光変調されている光束は、偏光方向を90°変換され、偏光分離膜14a対するS偏光となっており、この偏光分離膜14aにより反射されて、光源1に戻る方向とは異なる側にこの偏光ビームスプリッタ14より出射される。また、第2の反射型空間光変調素子16による反射光は偏光ビームスプリッタ14に再入射する。この反射光のうちで、偏光変調されている光束は、偏光方向を90°変換され、偏光分離膜14a対するP偏光となっており、この偏光分離膜14aを透過して、光源1に戻る方向とは異なる側にこの偏光ビームスプリッタ14より出射される。
【0070】
このように、各反射型空間光変調素子15,16により偏光変調されて反射された光束は、偏光ビームスプリッタ14より出射して、結像光学系となる結像レンズ18に入射する。
【0071】
結像レンズ18内の絞り位置には、第2の偏光方向補正板19が配設されている。この第2の偏光方向補正板19は、光軸に対する位置に応じて、透過光束の偏光方向を補正するものである。また、この結像レンズ18内において、第2の偏光方向補正板19を経た光束は、第2の色選択素子17を経て、第2の偏光素子となる偏光板20に入射する。第2の色選択素子17は、第1の色選択素子13と同様に、入射された光束のうちの一色、または、二色の原色光成分のみの偏光方向を90°回転させる素子であって、ここでは、一例として、入射された光束のうちの赤色(R)光成分のみの偏光方向を90°回転させる素子としている。この第2の色選択素子17により、各色光成分の偏光方向が一方向に揃えられることとなる。
【0072】
そして、この結像レンズ18は、各反射型空間光変調素子15,16の像を、図示しないスクリーン上に投射、結像させることにより、画像表示を行う。
【0073】
また、本発明に係る画像表示装置は、図12に示すように、第2の反射型空間光変調素子16にカラーフィルタを設けず、代わりに、カラーホイール22を設けて構成してもよい。
【0074】
すなわち、この画像表示装置においては、光源1から発せられた光束は、凹面鏡(楕円面鏡)2に反射され、位相差板アレイ3を透過して、第1及び第2のフライアイレンズアレイ8,9からなるフライアイインテグレータ10に入射される。このフライアイインテグレータ10を経て照度を均一化された光束は、第1の偏光素子となる反射型偏光板4に入射する。この反射型偏光板4を透過した光束は、第1の偏光方向補正板11、リレーレンズ21,23、カラーホイール22、リレーレンズ24,25及びコンデンサーレンズ12を透過して、第1の色選択素子13に入射される。
【0075】
カラーホイール22は、赤色(R)光成分及び緑色(G)光成分を透過させる領域と、赤色(R)光成分及び青色(B)光成分を透過させる領域とを有する円盤状に構成され、一定の回転速度で回転操作されることにより、これら2つの領域を一定周期で交互に光束の光路上に位置させる。
【0076】
第1の色選択素子13を透過した光束は、偏光分離素子となる偏光ビームスプリッタ14に入射される。この偏光ビームスプリッタ14は、入射光の光軸に対して45°の傾斜を有する偏光分離膜14aを有し、この偏光分離膜14aにおいて、この偏光分離膜14aに対するP偏光成分を透過させ、S偏光成分を反射することによって、これらP偏光成分及びS偏光成分の光路を分岐させる。すなわち、この偏光分離膜14aにおいては、この偏光分離膜14aに対するP偏光成分である赤色(R)光成分が透過し、S偏光成分である緑色(G)光成分、または、青色(B)光成分が反射される。緑色(G)光成分と青色(B)光成分とは、カラーホイール22の回転によって交互に切替えられる。
【0077】
偏光分離膜14aを透過した赤色(R)光成分は、第1の反射型空間光変調素子15に入射され、偏光分離膜14aにおいて反射された緑色(G)光成分、または、青色(B)光成分は、第2の反射型空間光変調素子16に入射される。
【0078】
このようにして、各反射型空間光変調素子15,16が照明される。第1の反射型空間光変調素子15は、入射された赤色(R)光成分を表示画像の赤色成分に応じて偏光変調して反射する。また、第2の反射型空間光変調素子16は、入射された緑色(G)光成分、または、青色(B)光成分を表示画像の緑色成分、または、青色成分に応じて、時分割的に偏光変調して反射する。
【0079】
第1の反射型空間光変調素子15による反射光は偏光ビームスプリッタ14に再入射する。この反射光のうちで、偏光変調されている光束は、偏光方向を90°変換され、偏光分離膜14a対するS偏光となっており、この偏光分離膜14aにより反射されて、光源1に戻る方向とは異なる側にこの偏光ビームスプリッタ14より出射される。また、第2の反射型空間光変調素子16による反射光は偏光ビームスプリッタ14に再入射する。この反射光のうちで、偏光変調されている光束は、偏光方向を90°変換され、偏光分離膜14a対するP偏光となっており、この偏光分離膜14aを透過して、光源1に戻る方向とは異なる側にこの偏光ビームスプリッタ14より出射される。
【0080】
このように、各反射型空間光変調素子15,16により偏光変調されて反射された光束は、偏光ビームスプリッタ14より出射して、結像光学系となる結像レンズ18に入射する。
【0081】
結像レンズ18内の絞り位置には、第2の偏光方向補正板19が配設されている。この第2の偏光方向補正板19は、光軸に対する位置に応じて、透過光束の偏光方向を補正するものである。また、この結像レンズ18内において、第2の偏光方向補正板19を経た光束は、第2の色選択素子17を経て、第2の偏光素子となる偏光板20に入射する。第2の色選択素子17は、第1の色選択素子13と同様に、入射された光束のうちの一色、または、二色の原色光成分のみの偏光方向を90°回転させる素子であって、ここでは、一例として、入射された光束のうちの赤色(R)光成分のみの偏光方向を90°回転させる素子としている。この第2の色選択素子17により、各色光成分の偏光方向が一方向に揃えられることとなる。
【0082】
そして、この結像レンズ18は、各反射型空間光変調素子15,16の像を、図示しないスクリーン上に投射、結像させることにより、画像表示を行う。
【0083】
また、本発明に係る画像表示装置は、図13に示すように、空間光変調素子を1枚のみ用いて構成することもできる。
【0084】
すなわち、この画像表示装置においては、光源1から発せられた光束は、凹面鏡(楕円面鏡)2に反射され、位相差板アレイ3を透過して、第1の偏光素子となる反射型偏光板4に入射する。
【0085】
この反射型偏光板4は、一対のリレーレンズ5,6に挟まれた状態で配設されている。また、この反射型偏光板4の周囲には、円環状の反射鏡7が配設されている。すなわち、反射型偏光板4に入射した光束のうちの一定の方向の偏光成分は、この反射型偏光板4を透過し、この反射型偏光板4に入射した光束のうちの一定の方向の偏光成分以外は、この反射型偏光板4により反射され、さらに、この反射型偏光板4の周囲の反射鏡7に入射した光束は、この反射鏡7により反射される。反射型偏光板4により反射された光束及び反射鏡7により反射された光束は、光源1側に戻り、位相差板アレイ3を透過して凹面鏡2によって2回反射されて再び位相差板アレイ3を透過することによって、反射型偏光板4を透過する一定の偏光方向の光束となされる。
【0086】
反射型偏光板4を透過した光束は、第1及び第2のフライアイレンズアレイ8,9からなるフライアイインテグレータ10に入射される。そして、このフライアイインテグレータ10を経て照度を均一化された光束は、偏光方向補正板11及びコンデンサーレンズ12を透過して、偏光分離素子となる偏光ビームスプリッタ14に入射される。
【0087】
この偏光ビームスプリッタ14は、入射光の光軸に対して45°の傾斜を有する偏光分離膜14aを有し、この偏光分離膜14aにおいて、この偏光分離膜14aに対するP偏光成分を透過させ、S偏光成分を反射する。ここでは、偏光ビームスプリッタ14に入射された光束は、偏光分離膜14aに対するS偏光となされているとともに、偏光方向補正板11によって、光軸に対する位置に応じて偏光方向を補正されている。
【0088】
偏光分離膜14aにおいて反射された光束は、反射型空間光変調素子15に入射される。このようにして、反射型空間光変調素子15が照明される。この反射型空間光変調素子15は、入射された光束の赤色(R)光成分、緑色(G)光成分及び青色(B)光成分を表示画像の赤色成分、緑色成分及び青色成分に応じて偏光変調して反射する。この反射型空間光変調素子15は、画素ごとに、赤色、緑色、または、青色のカラーフィルタが設けられており、赤色のカラーフィルタが設けられた赤色用の画素部分が赤色(R)光成分を反射し、緑色のカラーフィルタが設けられた緑色用の画素部分が緑色(G)光成分を反射し、青色のカラーフィルタが設けられた青色用の画素部分が緑色(B)光成分を反射する。
【0089】
反射型空間光変調素子15による反射光は偏光ビームスプリッタ14に再入射する。この反射光のうちで、偏光変調されている光束は、偏光方向を90°変換され、偏光分離膜14a対するP偏光となっており、この偏光分離膜14aを透過して、光源1に戻る方向とは異なる側にこの偏光ビームスプリッタ14より出射される。
【0090】
このように、反射型空間光変調素子156により偏光変調されて反射された光束は、偏光ビームスプリッタ14より出射して、第2の偏光素子となる偏光板20を経て、結像光学系となる結像レンズ18に入射する。そして、この結像レンズ18は、反射型空間光変調素子15の像を、図示しないスクリーン上に投射、結像させることにより、画像表示を行う。
【0091】
【発明の効果】
上述のように、本発明に係る画像表示装置においては、光源より結像光学系までを含む光路上の光軸に直交する平面内における光軸に対する位置関係が偏光分離素子の偏光分離膜に対する光束の入射角度の分布に対応している場所に光軸に対する位置に応じて透過光束の偏光方向を補正する偏光方向補正板が設けられており、この偏光方向補正板が偏光分離素子に入射する前の光路上に配設されている場合にはこの偏光方向補正板と光源との間の光路上に該光源からの光束を偏光方向が一定方向となされた光束とする偏光素子を有し、偏光方向補正板が偏光分離素子から出射された後の光路上に配設されている場合にはこの偏光方向補正板から結像光学系までの光路上に該偏光方向補正板を経た光束のうちから一定方向の偏光方向の光束のみを透過させる偏光素子を有するので、偏光分離素子の偏光分離膜に対して収束光束や拡散光束が入射される場合においても、光軸から離れた光線の偏光方向が補正され、偏光素子により、不要光が除去される。
【0092】
また、本発明に係る画像表示装置においては、光源からの光束を偏光方向が一定方向となされた光束とする第1の偏光素子を有し、光源より結像光学系までを含む光路上の光軸に直交する平面内における光軸に対する位置関係が偏光分離素子の偏光分離膜に対する光束の入射角度の分布に対応している場所に光軸に対する位置に応じて透過光束の偏光方向を補正する偏光方向補正板が設けられており、偏光方向補正板が偏光分離素子から出射された後の光路上に配設されている場合にはこの偏光方向補正板から結像光学系までの光路上に該偏光方向補正板を経た光束のうちから一定方向の偏光方向の光束のみを透過させる第2の偏光素子を有するので、偏光分離素子の偏光分離膜に対して収束光束や拡散光束が入射される場合においても、光軸から離れた光線の偏光方向が補正され、第1の偏光素子、または、第1及び第2の偏光素子により、不要光が除去される。
【0093】
したがって、この画像表示装置においては、空間光変調素子の照明効率の向上のためにFナンバーの小さい結像レンズを使用した場合においても、高いコントラストの表示画像が得られる。
【0094】
すなわち、本発明は、入射光の偏光変調を行う非発光の反射型空間光変調素子と、この反射型空間光変調素子を照明する照明光学系とを有する画像表示装置であって、表示画像のコントラストの低下が防止され、良好なコントラストの画像表示が行える画像表示装置を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像表示装置の構成を示す平面図である。
【図2】上記画像表示装置の偏光方向補正板の構成を示す正面図である。
【図3】上記画像表示装置の要部の構成を示す斜視図である。
【図4】上記画像表示装置における偏光分離素子に入射する前の光束の偏光状態を示す正面図である。
【図5】上記画像表示装置における偏光分離素子により反射された後の光束の偏光状態を示す正面図である。
【図6】上記画像表示装置における空間光変調素子により反射された後の光束の偏光状態を示す正面図である。
【図7】上記画像表示装置における偏光分離素子を透過した後の光束の偏光状態を示す正面図である。
【図8】上記画像表示装置における第2の偏光方向補正板を透過した後の光束の偏光状態を示す正面図である。
【図9】上記画像表示装置における第2の偏光素子を透過した後の光束の偏光状態を示す正面図である。
【図10】本発明に係る画像表示装置の第2の実施の形態における構成を示す平面図である。
【図11】本発明に係る画像表示装置の第3の実施の形態における構成を示す平面図である。
【図12】本発明に係る画像表示装置の第4の実施の形態における構成を示す平面図である。
【図13】本発明に係る画像表示装置の第5の実施の形態における構成を示す平面図である。
【図14】従来の画像表示装置における偏光分離素子に入射する前の光束の偏光状態を示す正面図である。
【図15】上記従来の画像表示装置における偏光分離素子により反射された後の光束の偏光状態を示す正面図である。
【図16】上記従来の画像表示装置における偏光分離素子を透過した後の光束の偏光状態を示す正面図である。
【図17】上記従来の画像表示装置における偏光分離素子により反射された後の光束の偏光状態を示す正面図である。
【図18】上記従来の画像表示装置における第2の偏光素子を透過した後の光束の偏光状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1 光源、4 反射型偏光板、8 第1のフライアイレンズアレイ、9 第2のフライアイレンズアレイ、10 フライアイインテグレータ、11 第1の偏光方向補正板、14 偏光ビームスプリッタ、15 第1の空間光変調素子、16 第2の空間光変調素子、18 結像レンズ、19 第2の偏光方向補正板、20 偏光板
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射型空間光変調素子を備え、この反射型空間光変調素子によって変調された光束を結像させて画像表示を行う画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、反射型空間光変調素子を用いた画像表示装置が提案されている。この画像表示装置は、放電ランプ等の光源を有し、この光源から発せられた光束を凹面鏡や集光レンズ等の光学部品によって反射型空間光変調素子に導き、この反射型空間光変調素子を照明するように構成されている。そして、この反射型空間光変調素子の像を、結像レンズによって投射、結像させることにより、画像表示を行うことができる。
【0003】
すなわち、この画像表示装置においては、反射型空間光変調素子に入射する光束は、偏光ビームスプリッタの偏光分離膜を経て(反射され、または、透過して)反射型空間光変調素子に入射されるとともに、この反射型空間光変調素子による反射光束は、偏光ビームスプリッタに再入射する。
【0004】
反射型空間光変調素子において表示画像の情報に応じて偏光方向を変調された反射型空間光変調素子からの反射光束は、この反射型空間光変調素子への入射光束の偏光方向に対して直交する方向の偏光方向となっている。また、反射型空間光変調素子において偏光方向を変調されずに反射された光束は、この反射型空間光変調素子への入射光束の偏光方向と同じ偏光方向となっている。
【0005】
したがって、反射型空間光変調素子により反射されて偏光ビームスプリッタに再入射した反射光束は、偏光方向を変調されているかどうかによって、偏光分離膜において、光路を分岐される。
【0006】
このようにして、偏光分離膜において光源に戻る光路から分岐された光束を結像レンズに入射させることにより、反射型空間光変調素子において偏光方向を変調された光束のみが結像され、画像表示が行われる。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−287084号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のような画像表示装置において使用されている偏光ビームスプリッタの偏光分離膜は、一般的に、良好な透過特性を有するが、反射特性についてはあまり良好ではない。すなわち、この偏光分離膜に対するS偏光の透過率(Ts)は極めて低く、偏光分離膜の透過光については略々完全なP偏光成分といえるが、偏光分離膜に対するP偏光の反射率(Rp)は無視できず、偏光分離膜からの反射光については、完全なS偏光成分とはいえず、P偏光成分が混入していることになる。
【0009】
本来S偏光成分であるべき偏光分離膜からの反射光にP偏光成分が混入すると、この画像表示装置によって表示される画像のコントラストが低下することとなる。例えば、空間光変調素子によって反射された光束が全く結像レンズに入射されないようにするいわゆる「黒表示」の場合において、偏光分離膜からの反射光中にP偏光成分があると、このP偏光成分が結像レンズに入射されることになってしまうので、表示画像のコントラストが低下するのである。
【0010】
このような原因による表示画像のコントラストの低下を防止するため、従来の画像表示装置においては、光源と偏光ビームスプリッタとの間の光路上に直線偏光板を設けたり、または、偏光ビームスプリッタと結像レンズとの間の光路上に直線偏光板を設けたり、あるいは、これら両方に直線偏光板を設けることが行われている。このような直線偏光板に光束を透過させることにより、不要な方向の偏光成分を除去し、偏光ビームスプリッタの偏光分離膜からの反射光における不要光を除去するようにしている。
【0011】
しかしながら、偏光ビームスプリッタの偏光分離膜に対して収束光束や拡散光束が入射される場合においては、光軸から離れた光線の偏光分離膜に対する入射角度は、光軸上の光線の入射角度に対して、角度の隔たりが大きくなる。偏光分離膜に対するS偏光成分及びP偏光成分の方向は、この偏光分離膜に対する入射角度に依存して変化するので、光軸上の光線の入射角度に対して隔たりのある入射角度の光線については、上述のような直線偏光板によっては、不要光を除去できなくなる。
【0012】
特に、空間光変調素子の照明効率の向上のためにFナンバーの小さい結像レンズを使用した場合においては、偏光分離膜において光軸から離れた光線の入射角度の光軸上の光線の入射角度に対する隔たりが大きくなり、表示画像のコントラストが著しく低下することとなる。
【0013】
例えば、偏光ビームスプリッタに入射する前の光束の偏光方向は、光束内においては偏光方向が一方向にそろっているが、図14に示すように、偏光分離膜に対してS偏光,P偏光が混在している。偏光分離膜に対するS偏光は,図15に示すように、同心円の接線方向で表される。したがって、この偏光分離膜によって反射された後の光束においても、図14に示すように、光軸から離れた位置においては、P偏光成分が混在したものとなる。なお、これら図14及び図15において、点線で示す同心円は、偏光分離膜に対する入射角を示しており、光軸上の光線の入射角が45°となっている。そして、この光束が反射型空間光変調素子によって反射された後の光束においては、この反射型空間光変調素子が偏光変調を行わない、いわゆる「黒表示」を行っている場合には、図14に示すように、この反射型空間光変調素子への入射光の偏光方向がそのまま維持される。そして、この光束が偏光分離膜に至ると、図16に示すように、この偏光分離膜に対するP偏光成分が透過するので、「黒表示」が一定の明度を有することになってしまい、表示画像のコントラストが低下するのである。
【0014】
また、「黒表示」を行っている空間光変調素子に反射され偏光分離膜に反射されてしまったP偏光は、偏光ビームスプリッタから出射された後は、図17に示すように、光軸から離れた位置においては、S偏光成分が混じったものとなる。この光束が偏光板を透過した後は、図18に示すように、P偏光は遮断されるが、S偏光成分が残るので、「黒表示」が一定の明度を有することになってしまい、表示画像のコントラストが低下するのである。
【0015】
そこで、本発明は、上述の実情に鑑みて提案されるものであって、入射光の偏光変調を行う非発光の反射型空間光変調素子と、この反射型空間光変調素子を照明する照明光学系とを有する画像表示装置であって、表示画像のコントラストの低下が防止され、良好なコントラストの画像表示が行える画像表示装置を提供しようとするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、本発明に係る画像表示装置は、光源と、この光源からの光束が入射されこの入射光の光軸に対して45°の傾斜を有する偏光分離膜を有しこの偏光分離膜においてこの偏光分離膜に対するP偏光成分を透過させS偏光成分を反射する偏光分離素子と、この偏光分離素子の偏光分離膜を透過、または、反射された光束が入射され表示画像に応じて入射光束を偏光変調して反射する反射型空間光変調素子と、この反射型空間光変調素子により偏光変調されて偏光分離素子に再入射し偏光分離膜により反射、または、透過してこの偏光分離素子より出射された光束が入射される結像光学系とを備え、光源より結像光学系までを含む光路上において、光軸に直交する平面内における光軸に対する位置関係が偏光分離素子の偏光分離膜に対する光束の入射角度の分布に対応している場所に、光軸に対する位置に応じて透過光束の偏光方向を補正する偏光方向補正板が設けられており、この偏光方向補正板が偏光分離素子に入射する前の光路上に配設されている場合には、この偏光方向補正板と光源との間の光路上に、該光源からの光束を偏光方向が一定方向となされた光束とする偏光素子を有し、偏光方向補正板が偏光分離素子から出射された後の光路上に配設されている場合には、この偏光方向補正板から結像光学系までの光路上に、該偏光方向補正板を経た光束のうちから一定方向の偏光方向の光束のみを透過させる偏光素子を有することを特徴とするものである。
【0017】
この画像表示装置においては、光源より結像光学系までを含む光路上の光軸に直交する平面内における光軸に対する位置関係が偏光分離素子の偏光分離膜に対する光束の入射角度の分布に対応している場所に光軸に対する位置に応じて透過光束の偏光方向を補正する偏光方向補正板が設けられており、この偏光方向補正板が偏光分離素子に入射する前の光路上に配設されている場合にはこの偏光方向補正板と光源との間の光路上に該光源からの光束を偏光方向が一定方向となされた光束とする偏光素子を有し、偏光方向補正板が偏光分離素子から出射された後の光路上に配設されている場合にはこの偏光方向補正板から結像光学系までの光路上に該偏光方向補正板を経た光束のうちから一定方向の偏光方向の光束のみを透過させる偏光素子を有するので、偏光分離素子の偏光分離膜に対して収束光束や拡散光束が入射される場合においても、光軸から離れた光線の偏光方向が補正され、偏光素子により、不要光が除去される。
【0018】
また、本発明に係る画像表示装置は、少なくとも三原色光を含む光束を発する光源と、この光源からの光束を偏光方向が一定方向となされた光束とする第1の偏光素子と、この第1の偏光素子を経た光束のうちの一色、または、二色の原色光成分のみの偏光方向を90°回転させる色選択素子と、この色選択素子を経た光束が入射されこの入射光の光軸に対して45°の傾斜を有する偏光分離膜を有しこの偏光分離膜においてこの偏光分離膜に対するP偏光成分を透過させS偏光成分を反射することによってこれらP偏光成分及びS偏光成分の光路を分岐させる偏光分離素子と、この偏光分離素子の偏光分離膜を透過した光束が入射され表示画像の一色、または、二色の原色成分に応じて入射光束を偏光変調して反射する第1の反射型空間光変調素子と、偏光分離素子の偏光分離膜により反射された光束が入射され表示画像の二色、または、一色の原色成分に応じて入射光束を偏光変調して反射する第2の反射型空間光変調素子と、第1の反射型空間光変調素子により偏光変調されて偏光分離素子に再入射し偏光分離膜により反射されてこの偏光分離素子より出射された光束と第2の反射型空間光変調素子により偏光変調されて偏光分離素子に再入射し上記偏光分離膜を透過してこの偏光分離素子より出射された光束とが入射される結像光学系とを備え、偏光素子より結像光学系までを含む光路上において、光軸に直交する平面内における光軸に対する位置関係が偏光分離素子の偏光分離膜に対する光束の入射角度の分布に対応している場所に光軸に対する位置に応じて透過光束の偏光方向を補正する偏光方向補正板が設けられており、この偏光方向補正板が偏光分離素子から出射された後の光路上に配設されている場合には、この偏光分離素子から偏光方向補正板までの光路上に、該偏光分離素子から出射された光束のうちの一色、または、二色の原色光成分のみの偏光方向を90°回転させることによって各原色光成分の偏光方向を揃える第2の色選択素子を有するとともに、該偏光方向補正板から結像光学系までの光路上に、該偏光方向補正板を経た光束のうちから一定方向の偏光方向の光束のみを透過させる第2の偏光素子を有することを特徴とするものである。
【0019】
この画像表示装置においては、光源からの光束を偏光方向が一定方向となされた光束とする第1の偏光素子を有し、光源より結像光学系までを含む光路上の光軸に直交する平面内における光軸に対する位置関係が偏光分離素子の偏光分離膜に対する光束の入射角度の分布に対応している場所に光軸に対する位置に応じて透過光束の偏光方向を補正する偏光方向補正板が設けられており、偏光方向補正板が偏光分離素子から出射された後の光路上に配設されている場合にはこの偏光方向補正板から結像光学系までの光路上に該偏光方向補正板を経た光束のうちから一定方向の偏光方向の光束のみを透過させる第2の偏光素子を有するので、偏光分離素子の偏光分離膜に対して収束光束や拡散光束が入射される場合においても、光軸から離れた光線の偏光方向が補正され、第1の偏光素子、または、第1及び第2の偏光素子により、不要光が除去される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0021】
本発明に係る画像表示装置は、図1に示すように、放電ランプ等からなる光源1を有する。この光源1は、少なくとも三原色光(赤色(R)光、緑色(G)光、青色(B)光)を含む光束を発する。このような光源1としては、例えば、超高圧水銀ランプ(UHPランプ)等の放電ランプを用いることができる。この光源1から発せられた光束は、凹面鏡(楕円面鏡)2に反射され、位相差板アレイ3を透過して、第1の偏光素子となる反射型偏光板4に入射する。
【0022】
位相差板アレイ3は、光軸を中心とする放射状の複数の領域に分割された位相差板(波長板)であって、各々の領域ごとに遅相軸方向の異なる二分の一波長板((λ/2)板)によって構成されている。反射型偏光板4は、入射光のうちの一定方向の偏光成分のみを透過させ、他の偏光成分は反射する特性を有し、光源1からの光束を偏光方向が一定方向となされた光束とする。
【0023】
この反射型偏光板4は、一対のリレーレンズ5,6に挟まれた状態で配設されている。また、この反射型偏光板4の周囲には、円環状の反射鏡7が配設されている。すなわち、反射型偏光板4に入射した光束のうちの一定の方向の偏光成分は、この反射型偏光板4を透過し、この反射型偏光板4に入射した光束のうちの一定の方向の偏光成分以外は、この反射型偏光板4により反射され、さらに、この反射型偏光板4の周囲の反射鏡7に入射した光束は、この反射鏡7により反射される。反射型偏光板4により反射された光束及び反射鏡7により反射された光束は、光源1側に戻り、位相差板アレイ3を透過して凹面鏡2によって2回反射されて再び位相差板アレイ3を透過することによって、反射型偏光板4を透過する一定の偏光方向の光束となされる。
【0024】
このようにして反射型偏光板4を透過した光束は、第1及び第2のフライアイレンズアレイ8,9からなるフライアイインテグレータ10に入射される。そして、このフライアイインテグレータ10を経て照度を均一化された光束は、第1の偏光方向補正板11及びコンデンサーレンズ12を透過して、第1の色選択素子13に入射される。
【0025】
第1の偏光方向補正板11は、光軸に対する位置に応じて、透過光束の偏光方向を補正するものである。第1の色選択素子13は、入射された光束のうちの一色、または、二色の原色光成分のみの偏光方向を90°回転させる素子である。ここでは、一例として、第1の色選択素子13は、入射された光束のうちの赤色(R)光成分のみの偏光方向を90°回転させる素子としている。このような色選択素子としては、例えば、カラーリンク社製の「カラーセレクト」(商品名)などを使用することができる。
【0026】
この第1の色選択素子13を透過した光束は、偏光分離素子となる偏光ビームスプリッタ14に入射される。この偏光ビームスプリッタ14は、入射光の光軸に対して45°の傾斜を有する偏光分離膜14aを有し、この偏光分離膜14aにおいて、この偏光分離膜14aに対するP偏光成分を透過させ、S偏光成分を反射することによって、これらP偏光成分及びS偏光成分の光路を分岐させる。すなわち、この偏光分離膜14aにおいては、この偏光分離膜14aに対するP偏光成分である赤色(R)光成分が透過し、S偏光成分である緑色(G)光成分及び青色(B)光成分が反射される。
【0027】
偏光分離膜14aを透過した赤色(R)光成分は、第1の反射型空間光変調素子15に入射され、偏光分離膜14aにおいて反射された緑色(G)光成分及び青色(B)光成分は、第2の反射型空間光変調素子16に入射される。
【0028】
このようにして、各反射型空間光変調素子15,16が照明される。第1の反射型空間光変調素子15は、入射された赤色(R)光成分を表示画像の赤色成分に応じて偏光変調して反射する。また、第2の反射型空間光変調素子16は、入射された緑色(G)光成分及び青色(B)光成分を表示画像の緑色成分及び青色成分に応じて偏光変調して反射する。
【0029】
なお、第2の反射型空間光変調素子16は、画素ごとに緑色または青色のカラーフィルタが設けられており、緑色のカラーフィルタが設けられた緑色用の画素部分が緑色(G)光成分を反射し、青色のカラーフィルタが設けられた青色用の画素部分が緑色(B)光成分を反射する。
【0030】
第1の反射型空間光変調素子15による反射光は偏光ビームスプリッタ14に再入射する。この反射光のうちで、偏光変調されている光束は、偏光方向を90°変換され、偏光分離膜14a対するS偏光となっており、この偏光分離膜14aにより反射されて、光源1に戻る方向とは異なる側にこの偏光ビームスプリッタ14より出射される。また、第2の反射型空間光変調素子16による反射光は偏光ビームスプリッタ14に再入射する。この反射光のうちで、偏光変調されている光束は、偏光方向を90°変換され、偏光分離膜14a対するP偏光となっており、この偏光分離膜14aを透過して、光源1に戻る方向とは異なる側にこの偏光ビームスプリッタ14より出射される。
【0031】
このように、各反射型空間光変調素子15,16により偏光変調されて反射された光束は、偏光ビームスプリッタ14より出射して、第2の色選択素子17を経て、結像光学系となる結像レンズ18に入射する。第2の色選択素子17は、第1の色選択素子13と同様に、入射された光束のうちの一色、または、二色の原色光成分のみの偏光方向を90°回転させる素子であって、ここでは、一例として、入射された光束のうちの赤色(R)光成分のみの偏光方向を90°回転させる素子としている。この第2の色選択素子17により、各色光成分の偏光方向が一方向に揃えられることとなる。
【0032】
結像レンズ18内の絞り位置には、第2の偏光方向補正板19が配設されている。この第2の偏光方向補正板19は、光軸に対する位置に応じて、透過光束の偏光方向を補正するものである。また、この結像レンズ18内において、第2の偏光方向補正板19を経た光束は、第2の偏光素子となる偏光板20に入射する。
【0033】
そして、この結像レンズ18は、各反射型空間光変調素子15,16の像を、図示しないスクリーン上に投射、結像させることにより、画像表示を行う。
【0034】
ところで、第1の偏光方向補正板11が設けられている第2のフライアイインテグレータ9の近傍であってこの第2のフライアイインテグレータ9の偏光ビームスプリッタ14側の位置は、反射型偏光板4より結像レンズ18までを含む光路上において、光軸に直交する平面内における光軸に対する位置関係が偏光ビームスプリッタ14の偏光分離膜14aに対する光束の入射角度の分布に対応している場所となっている。
【0035】
また、第2の偏光方向補正板19が設けられている結像レンズ18内の絞り位置も、反射型偏光板4より結像レンズ18までを含む光路上において、光軸に直交する平面内における光軸に対する位置関係が偏光ビームスプリッタ14の偏光分離膜14aに対する光束の入射角度の分布に対応している場所となっている。
【0036】
第1及び第2の偏光方向補正板11,19は、図2に示すように、光軸に対する位置(領域)に応じて異なる遅相軸方向となされた複数の扇形の二分の一波長板から構成されている。この実施の形態においては、第1及び第2の偏光方向補正板11,19をなす各二分の一波長板のそれぞれの遅相軸方向は、一側より、(a)領域が−3.5°、(b)領域が−2.5°、(c)領域が−1.5°、光軸に近い中央部分の領域が±0.0°、(d)領域が+1.5°、(e)領域が+2.5°、(f)領域が+3.5°、(g)領域が+4.5°となっている。
【0037】
第1の偏光方向補正板11は、図3に示すように、偏光ビームスプリッタ14に入射する前の光路上に配設される。この第1の偏光方向補正板11は、偏光ビームスプリッタ14の偏光分離膜14aにS偏光として入射されこの偏光分離膜14aにより反射されて第2の反射型空間光変調素子16に入射する光束について、S偏光からのずれを補正し、光軸に対する位置に依らず、偏光分離膜14aに対するS偏光とする。
【0038】
また、第2の偏光方向補正板19は、図3に示すように、偏光ビームスプリッタ14から出射された後の光路上に配設される。この第2の偏光方向補正板19は、第1の反射型空間光変調素子15に反射されて偏光ビームスプリッタ14の偏光分離膜14aにP偏光として入射されたにもかかわらずこの偏光分離膜14aに反射されて出射した光束について、偏光分離膜に対するP偏光からのずれを補正し、光軸に対する位置に依らず偏光板20の吸収軸に相当する偏光方向とする。
【0039】
この画像表示装置においては、これら偏光方向補正板11,19の作用により、以下のようにして、表示画像のコントラストの低下が防止され、良好なコントラストの画像を表示することができる。
【0040】
すなわち、上述したように、偏光ビームスプリッタ14の偏光分離膜14aは、良好な透過特性を有するが、反射特性についてはあまり良好ではない。偏光分離膜14aに対するS偏光の透過率(Ts)は極めて低く、偏光分離膜の透過光については略々完全なP偏光成分といえるが、偏光分離膜に対するP偏光の反射率(Rp)は無視できず、偏光分離膜からの反射光については、完全なS偏光成分とはいえず、P偏光成分が混入する。
【0041】
したがって、偏光分離膜14aに反射されて第2の反射型空間光変調素子16に入射する光束にP偏光成分が含まれないようにするには、この偏光分離膜14aへの入射光の全てを、偏光分離膜14aに対するS偏光に揃えておくことが必要となる。
【0042】
また、第1の空間光変調素子15により反射され、さらに、偏光分離膜14aにより反射された光束については、第2の偏光素子となる偏光板20に入射する前に、偏光方向を、この偏光板20の偏光軸に揃えておくことが必要となる。
【0043】
この画像表示装置においては、各偏光方向補正板11,19によって、各光束の偏光方向を光軸に対する位置に応じて回転させることにより、各光束の偏光方向を上述のような状態に補正するようにしている。このような、光束の偏光方向を回転させる素子としては、二分の一波長(λ/2)板を用いることができる。各光束における理想的な偏光方向は、偏光分離膜14aに対する入射角に応じて、すなわち、光軸に対する位置に応じて、無段階に異なった方向となる。したがって、偏光方向補正板11,19を二分の一波長板によって構成する場合には、偏光分離膜14aに対する入射角に応じて、すなわち、光軸に対する位置に応じて、二分の一波長板の遅相軸の設定が必要となる。
【0044】
したがって、二分の一波長板によって構成された偏光方向補正板11,19は、図3に示すように、略々短冊状の扇形の複数の領域に分割されたものとなっており、各々の領域ごとに異なった遅相軸方向を有する二分の一波長板によって構成されている。この偏光方向補正板11,19においては、より多数の細い領域に分割されているほど、透過光束における偏光方向の分布を理想的な状態とすることができる。
【0045】
光源1側より偏光分離膜14aに反射されて第2の反射型空間光変調素子16に入射する光束については、第2のフライアイレンズアレイ9の近傍において、偏光分離膜14aへの入射角の分布が空間分布となっている。そのため、この位置に第1の偏光方向補正板11を配置することにより、偏光分離膜14aへの入射光の全てを、この偏光分離膜14aに対するS偏光に揃えて、P偏光成分が含まれないようにすることができる。
【0046】
すなわち、偏光分離膜14aにより反射されて第2の空間光変調素子16に入射されるS偏光については、第1の偏光方向補正板11を透過することにより、光束径内の全領域において偏光分離膜14aに対してS偏光で入射し、スキューレイ成分は略々なくなる。そして、偏光分離膜14aに対するS偏光の透過率(Ts)は無視できる程低いので、「黒表示」における漏れ光は著しく低減される。
【0047】
偏光ビームスプリッタ14に入射する前の光束の偏光方向が光軸上において偏光分離膜に対するS偏光であり、光束内において偏光方向が一方向に揃っていたとすると、この光束が偏光方向補正板11を透過した後は、図4に示すように、偏光分離膜14aに対するS偏光に揃えられる。この光束が偏光分離膜14aによって反射された後の光束においては、図5に示すように、光軸から離れた位置においても、P偏光成分が混じることがない。そして、この光束が第2の反射型空間光変調素子16によって反射された後の光束においては、この反射型空間光変調素子が偏光変調を行わない、いわゆる「黒表示」を行っている場合には、図6に示すように、この反射型空間光変調素子への入射光の偏光方向がそのまま維持される。そして、この光束が偏光分離膜14aに至ると、図7に示すように、この偏光分離膜14aを透過するP偏光成分がないので、「黒表示」が明度を有することがなく、表示画像のコントラストが良好となるのである。
【0048】
また、第1の空間光変調素子15により反射され、さらに、偏光分離膜14aにより反射された光束については、結像レンズ18の絞り位置が偏光分離膜14aからの出射角分布となっている。そのため、この位置に第2の偏光方向補正板19を配置することにより、第2の偏光素子となる偏光板20に入射する前に、偏光方向を、この偏光板20の偏光軸に揃えておくことができる。
【0049】
すなわち、偏光分離膜14aを透過して第1の空間光変調素子15に入射されるP偏光については、この第1の空間光変調素子15に反射された後におけるP偏光の偏光分離膜14aに対する反射率(Rp)が無視できないため、「黒表示」における漏れ光が生じる。しかし、この漏れ光は、偏光ビームスプリッタ14から出射された後に第2の偏光方向補正板19を透過することにより、偏光軸が第2の偏光素子となる偏光板20の偏光軸に揃えられるので、この偏光板20によって遮断される。したがって、結像レンズ18から出射される漏れ光は著しく低減される。
【0050】
「黒表示」を行っている第1の空間光変調素子15に反射され偏光分離膜14aに反射されてしまったP偏光は、偏光ビームスプリッタ14から出射され第2の偏光方向補正板19を透過した後は、図8に示すように、偏光方向が光軸上において偏光分離膜14aに対するP偏光であり、光束内において偏光方向が一方向に揃っている。この光束が偏光板20を透過した後は、図9に示すように、P偏光は遮断されるので、結像レンズ18から出射される漏れ光はほとんどない。すなわち、「黒表示」が明度を有することがなく、表示画像のコントラストが良好となるのである。
【0051】
このような、各偏光方向補正板11,19の作用により、表示画像のコントラストは、200:1程度から、2500:1程度に改善される。
【0052】
なお、上述の実施の形態においては、反射型空間光変調素子15,16としては、F2.4の反射型液晶デバイスを用いており、偏光ビームスプリッタ14をなす硝材は、PBH56(屈折率1.84)である。
【0053】
また、本発明に係る画像表示装置は、図10に示すように、上述の実施の形態にける一対のリレーレンズ5,6及び反射鏡7を用いずに、反射型偏光板4を第2のフライアイレンズアレイ9と第1の偏光方向補正板11との間に配置するようにしてもよい。
【0054】
すなわち、この画像表示装置においては、光源1から発せられた光束は、凹面鏡(楕円面鏡)2に反射され、位相差板アレイ3を透過して、第1及び第2のフライアイレンズアレイ8,9からなるフライアイインテグレータ10に入射される。このフライアイインテグレータ10を経て照度を均一化された光束は、第1の偏光素子となる反射型偏光板4に入射する。この反射型偏光板4を透過した光束は、第1の偏光方向補正板11、リレーレンズ21及びコンデンサーレンズ12を透過して、第1の色選択素子13に入射される。
【0055】
第1の色選択素子13を透過した光束は、偏光分離素子となる偏光ビームスプリッタ14に入射される。この偏光ビームスプリッタ14は、入射光の光軸に対して45°の傾斜を有する偏光分離膜14aを有し、この偏光分離膜14aにおいて、この偏光分離膜14aに対するP偏光成分を透過させ、S偏光成分を反射することによって、これらP偏光成分及びS偏光成分の光路を分岐させる。すなわち、この偏光分離膜14aにおいては、この偏光分離膜14aに対するP偏光成分である赤色(R)光成分が透過し、S偏光成分である緑色(G)光成分及び青色(B)光成分が反射される。
【0056】
偏光分離膜14aを透過した赤色(R)光成分は、第1の反射型空間光変調素子15に入射され、偏光分離膜14aにおいて反射された緑色(G)光成分及び青色(B)光成分は、第2の反射型空間光変調素子16に入射される。
【0057】
このようにして、各反射型空間光変調素子15,16が照明される。第1の反射型空間光変調素子15は、入射された赤色(R)光成分を表示画像の赤色成分に応じて偏光変調して反射する。また、第2の反射型空間光変調素子16は、入射された緑色(G)光成分及び青色(B)光成分を表示画像の緑色成分及び青色成分に応じて偏光変調して反射する。
【0058】
第2の反射型空間光変調素子16は、画素ごとに緑色または青色のカラーフィルタが設けられており、緑色のカラーフィルタが設けられた緑色用の画素部分が緑色(G)光成分を反射し、青色のカラーフィルタが設けられた青色用の画素部分が緑色(B)光成分を反射する。
【0059】
第1の反射型空間光変調素子15による反射光は偏光ビームスプリッタ14に再入射する。この反射光のうちで、偏光変調されている光束は、偏光方向を90°変換され、偏光分離膜14a対するS偏光となっており、この偏光分離膜14aにより反射されて、光源1に戻る方向とは異なる側にこの偏光ビームスプリッタ14より出射される。また、第2の反射型空間光変調素子16による反射光は偏光ビームスプリッタ14に再入射する。この反射光のうちで、偏光変調されている光束は、偏光方向を90°変換され、偏光分離膜14a対するP偏光となっており、この偏光分離膜14aを透過して、光源1に戻る方向とは異なる側にこの偏光ビームスプリッタ14より出射される。
【0060】
このように、各反射型空間光変調素子15,16により偏光変調されて反射された光束は、偏光ビームスプリッタ14より出射して、第2の色選択素子17を経て、結像光学系となる結像レンズ18に入射する。第2の色選択素子17は、第1の色選択素子13と同様に、入射された光束のうちの一色、または、二色の原色光成分のみの偏光方向を90°回転させる素子であって、ここでは、一例として、入射された光束のうちの赤色(R)光成分のみの偏光方向を90°回転させる素子としている。この第2の色選択素子17により、各色光成分の偏光方向が一方向に揃えられることとなる。
【0061】
結像レンズ18内の絞り位置には、第2の偏光方向補正板19が配設されている。この第2の偏光方向補正板19は、光軸に対する位置に応じて、透過光束の偏光方向を補正するものである。また、この結像レンズ18内において、第2の偏光方向補正板19を経た光束は、第2の偏光素子となる偏光板20に入射する。
【0062】
そして、この結像レンズ18は、各反射型空間光変調素子15,16の像を、図示しないスクリーン上に投射、結像させることにより、画像表示を行う。
【0063】
また、本発明に係る画像表示装置は、図11に示すように、第2の色選択素子17を結像レンズ18内に設けることとしてもよい。
【0064】
すなわち、この画像表示装置においては、光源1から発せられた光束は、凹面鏡(楕円面鏡)2に反射され、位相差板アレイ3を透過して、第1及び第2のフライアイレンズアレイ8,9からなるフライアイインテグレータ10に入射される。このフライアイインテグレータ10を経て照度を均一化された光束は、第1の偏光素子となる反射型偏光板4に入射する。この反射型偏光板4を透過した光束は、第1の偏光方向補正板11、リレーレンズ21及びコンデンサーレンズ12を透過して、第1の色選択素子13に入射される。
【0065】
第1の色選択素子13を透過した光束は、偏光分離素子となる偏光ビームスプリッタ14に入射される。この偏光ビームスプリッタ14は、入射光の光軸に対して45°の傾斜を有する偏光分離膜14aを有し、この偏光分離膜14aにおいて、この偏光分離膜14aに対するP偏光成分を透過させ、S偏光成分を反射することによって、これらP偏光成分及びS偏光成分の光路を分岐させる。すなわち、この偏光分離膜14aにおいては、この偏光分離膜14aに対するP偏光成分である赤色(R)光成分が透過し、S偏光成分である緑色(G)光成分及び青色(B)光成分が反射される。
【0066】
偏光分離膜14aを透過した赤色(R)光成分は、第1の反射型空間光変調素子15に入射され、偏光分離膜14aにおいて反射された緑色(G)光成分及び青色(B)光成分は、第2の反射型空間光変調素子16に入射される。
【0067】
このようにして、各反射型空間光変調素子15,16が照明される。第1の反射型空間光変調素子15は、入射された赤色(R)光成分を表示画像の赤色成分に応じて偏光変調して反射する。また、第2の反射型空間光変調素子16は、入射された緑色(G)光成分及び青色(B)光成分を表示画像の緑色成分及び青色成分に応じて偏光変調して反射する。
【0068】
第2の反射型空間光変調素子16は、画素ごとに緑色または青色のカラーフィルタが設けられており、緑色のカラーフィルタが設けられた緑色用の画素部分が緑色(G)光成分を反射し、青色のカラーフィルタが設けられた青色用の画素部分が緑色(B)光成分を反射する。
【0069】
第1の反射型空間光変調素子15による反射光は偏光ビームスプリッタ14に再入射する。この反射光のうちで、偏光変調されている光束は、偏光方向を90°変換され、偏光分離膜14a対するS偏光となっており、この偏光分離膜14aにより反射されて、光源1に戻る方向とは異なる側にこの偏光ビームスプリッタ14より出射される。また、第2の反射型空間光変調素子16による反射光は偏光ビームスプリッタ14に再入射する。この反射光のうちで、偏光変調されている光束は、偏光方向を90°変換され、偏光分離膜14a対するP偏光となっており、この偏光分離膜14aを透過して、光源1に戻る方向とは異なる側にこの偏光ビームスプリッタ14より出射される。
【0070】
このように、各反射型空間光変調素子15,16により偏光変調されて反射された光束は、偏光ビームスプリッタ14より出射して、結像光学系となる結像レンズ18に入射する。
【0071】
結像レンズ18内の絞り位置には、第2の偏光方向補正板19が配設されている。この第2の偏光方向補正板19は、光軸に対する位置に応じて、透過光束の偏光方向を補正するものである。また、この結像レンズ18内において、第2の偏光方向補正板19を経た光束は、第2の色選択素子17を経て、第2の偏光素子となる偏光板20に入射する。第2の色選択素子17は、第1の色選択素子13と同様に、入射された光束のうちの一色、または、二色の原色光成分のみの偏光方向を90°回転させる素子であって、ここでは、一例として、入射された光束のうちの赤色(R)光成分のみの偏光方向を90°回転させる素子としている。この第2の色選択素子17により、各色光成分の偏光方向が一方向に揃えられることとなる。
【0072】
そして、この結像レンズ18は、各反射型空間光変調素子15,16の像を、図示しないスクリーン上に投射、結像させることにより、画像表示を行う。
【0073】
また、本発明に係る画像表示装置は、図12に示すように、第2の反射型空間光変調素子16にカラーフィルタを設けず、代わりに、カラーホイール22を設けて構成してもよい。
【0074】
すなわち、この画像表示装置においては、光源1から発せられた光束は、凹面鏡(楕円面鏡)2に反射され、位相差板アレイ3を透過して、第1及び第2のフライアイレンズアレイ8,9からなるフライアイインテグレータ10に入射される。このフライアイインテグレータ10を経て照度を均一化された光束は、第1の偏光素子となる反射型偏光板4に入射する。この反射型偏光板4を透過した光束は、第1の偏光方向補正板11、リレーレンズ21,23、カラーホイール22、リレーレンズ24,25及びコンデンサーレンズ12を透過して、第1の色選択素子13に入射される。
【0075】
カラーホイール22は、赤色(R)光成分及び緑色(G)光成分を透過させる領域と、赤色(R)光成分及び青色(B)光成分を透過させる領域とを有する円盤状に構成され、一定の回転速度で回転操作されることにより、これら2つの領域を一定周期で交互に光束の光路上に位置させる。
【0076】
第1の色選択素子13を透過した光束は、偏光分離素子となる偏光ビームスプリッタ14に入射される。この偏光ビームスプリッタ14は、入射光の光軸に対して45°の傾斜を有する偏光分離膜14aを有し、この偏光分離膜14aにおいて、この偏光分離膜14aに対するP偏光成分を透過させ、S偏光成分を反射することによって、これらP偏光成分及びS偏光成分の光路を分岐させる。すなわち、この偏光分離膜14aにおいては、この偏光分離膜14aに対するP偏光成分である赤色(R)光成分が透過し、S偏光成分である緑色(G)光成分、または、青色(B)光成分が反射される。緑色(G)光成分と青色(B)光成分とは、カラーホイール22の回転によって交互に切替えられる。
【0077】
偏光分離膜14aを透過した赤色(R)光成分は、第1の反射型空間光変調素子15に入射され、偏光分離膜14aにおいて反射された緑色(G)光成分、または、青色(B)光成分は、第2の反射型空間光変調素子16に入射される。
【0078】
このようにして、各反射型空間光変調素子15,16が照明される。第1の反射型空間光変調素子15は、入射された赤色(R)光成分を表示画像の赤色成分に応じて偏光変調して反射する。また、第2の反射型空間光変調素子16は、入射された緑色(G)光成分、または、青色(B)光成分を表示画像の緑色成分、または、青色成分に応じて、時分割的に偏光変調して反射する。
【0079】
第1の反射型空間光変調素子15による反射光は偏光ビームスプリッタ14に再入射する。この反射光のうちで、偏光変調されている光束は、偏光方向を90°変換され、偏光分離膜14a対するS偏光となっており、この偏光分離膜14aにより反射されて、光源1に戻る方向とは異なる側にこの偏光ビームスプリッタ14より出射される。また、第2の反射型空間光変調素子16による反射光は偏光ビームスプリッタ14に再入射する。この反射光のうちで、偏光変調されている光束は、偏光方向を90°変換され、偏光分離膜14a対するP偏光となっており、この偏光分離膜14aを透過して、光源1に戻る方向とは異なる側にこの偏光ビームスプリッタ14より出射される。
【0080】
このように、各反射型空間光変調素子15,16により偏光変調されて反射された光束は、偏光ビームスプリッタ14より出射して、結像光学系となる結像レンズ18に入射する。
【0081】
結像レンズ18内の絞り位置には、第2の偏光方向補正板19が配設されている。この第2の偏光方向補正板19は、光軸に対する位置に応じて、透過光束の偏光方向を補正するものである。また、この結像レンズ18内において、第2の偏光方向補正板19を経た光束は、第2の色選択素子17を経て、第2の偏光素子となる偏光板20に入射する。第2の色選択素子17は、第1の色選択素子13と同様に、入射された光束のうちの一色、または、二色の原色光成分のみの偏光方向を90°回転させる素子であって、ここでは、一例として、入射された光束のうちの赤色(R)光成分のみの偏光方向を90°回転させる素子としている。この第2の色選択素子17により、各色光成分の偏光方向が一方向に揃えられることとなる。
【0082】
そして、この結像レンズ18は、各反射型空間光変調素子15,16の像を、図示しないスクリーン上に投射、結像させることにより、画像表示を行う。
【0083】
また、本発明に係る画像表示装置は、図13に示すように、空間光変調素子を1枚のみ用いて構成することもできる。
【0084】
すなわち、この画像表示装置においては、光源1から発せられた光束は、凹面鏡(楕円面鏡)2に反射され、位相差板アレイ3を透過して、第1の偏光素子となる反射型偏光板4に入射する。
【0085】
この反射型偏光板4は、一対のリレーレンズ5,6に挟まれた状態で配設されている。また、この反射型偏光板4の周囲には、円環状の反射鏡7が配設されている。すなわち、反射型偏光板4に入射した光束のうちの一定の方向の偏光成分は、この反射型偏光板4を透過し、この反射型偏光板4に入射した光束のうちの一定の方向の偏光成分以外は、この反射型偏光板4により反射され、さらに、この反射型偏光板4の周囲の反射鏡7に入射した光束は、この反射鏡7により反射される。反射型偏光板4により反射された光束及び反射鏡7により反射された光束は、光源1側に戻り、位相差板アレイ3を透過して凹面鏡2によって2回反射されて再び位相差板アレイ3を透過することによって、反射型偏光板4を透過する一定の偏光方向の光束となされる。
【0086】
反射型偏光板4を透過した光束は、第1及び第2のフライアイレンズアレイ8,9からなるフライアイインテグレータ10に入射される。そして、このフライアイインテグレータ10を経て照度を均一化された光束は、偏光方向補正板11及びコンデンサーレンズ12を透過して、偏光分離素子となる偏光ビームスプリッタ14に入射される。
【0087】
この偏光ビームスプリッタ14は、入射光の光軸に対して45°の傾斜を有する偏光分離膜14aを有し、この偏光分離膜14aにおいて、この偏光分離膜14aに対するP偏光成分を透過させ、S偏光成分を反射する。ここでは、偏光ビームスプリッタ14に入射された光束は、偏光分離膜14aに対するS偏光となされているとともに、偏光方向補正板11によって、光軸に対する位置に応じて偏光方向を補正されている。
【0088】
偏光分離膜14aにおいて反射された光束は、反射型空間光変調素子15に入射される。このようにして、反射型空間光変調素子15が照明される。この反射型空間光変調素子15は、入射された光束の赤色(R)光成分、緑色(G)光成分及び青色(B)光成分を表示画像の赤色成分、緑色成分及び青色成分に応じて偏光変調して反射する。この反射型空間光変調素子15は、画素ごとに、赤色、緑色、または、青色のカラーフィルタが設けられており、赤色のカラーフィルタが設けられた赤色用の画素部分が赤色(R)光成分を反射し、緑色のカラーフィルタが設けられた緑色用の画素部分が緑色(G)光成分を反射し、青色のカラーフィルタが設けられた青色用の画素部分が緑色(B)光成分を反射する。
【0089】
反射型空間光変調素子15による反射光は偏光ビームスプリッタ14に再入射する。この反射光のうちで、偏光変調されている光束は、偏光方向を90°変換され、偏光分離膜14a対するP偏光となっており、この偏光分離膜14aを透過して、光源1に戻る方向とは異なる側にこの偏光ビームスプリッタ14より出射される。
【0090】
このように、反射型空間光変調素子156により偏光変調されて反射された光束は、偏光ビームスプリッタ14より出射して、第2の偏光素子となる偏光板20を経て、結像光学系となる結像レンズ18に入射する。そして、この結像レンズ18は、反射型空間光変調素子15の像を、図示しないスクリーン上に投射、結像させることにより、画像表示を行う。
【0091】
【発明の効果】
上述のように、本発明に係る画像表示装置においては、光源より結像光学系までを含む光路上の光軸に直交する平面内における光軸に対する位置関係が偏光分離素子の偏光分離膜に対する光束の入射角度の分布に対応している場所に光軸に対する位置に応じて透過光束の偏光方向を補正する偏光方向補正板が設けられており、この偏光方向補正板が偏光分離素子に入射する前の光路上に配設されている場合にはこの偏光方向補正板と光源との間の光路上に該光源からの光束を偏光方向が一定方向となされた光束とする偏光素子を有し、偏光方向補正板が偏光分離素子から出射された後の光路上に配設されている場合にはこの偏光方向補正板から結像光学系までの光路上に該偏光方向補正板を経た光束のうちから一定方向の偏光方向の光束のみを透過させる偏光素子を有するので、偏光分離素子の偏光分離膜に対して収束光束や拡散光束が入射される場合においても、光軸から離れた光線の偏光方向が補正され、偏光素子により、不要光が除去される。
【0092】
また、本発明に係る画像表示装置においては、光源からの光束を偏光方向が一定方向となされた光束とする第1の偏光素子を有し、光源より結像光学系までを含む光路上の光軸に直交する平面内における光軸に対する位置関係が偏光分離素子の偏光分離膜に対する光束の入射角度の分布に対応している場所に光軸に対する位置に応じて透過光束の偏光方向を補正する偏光方向補正板が設けられており、偏光方向補正板が偏光分離素子から出射された後の光路上に配設されている場合にはこの偏光方向補正板から結像光学系までの光路上に該偏光方向補正板を経た光束のうちから一定方向の偏光方向の光束のみを透過させる第2の偏光素子を有するので、偏光分離素子の偏光分離膜に対して収束光束や拡散光束が入射される場合においても、光軸から離れた光線の偏光方向が補正され、第1の偏光素子、または、第1及び第2の偏光素子により、不要光が除去される。
【0093】
したがって、この画像表示装置においては、空間光変調素子の照明効率の向上のためにFナンバーの小さい結像レンズを使用した場合においても、高いコントラストの表示画像が得られる。
【0094】
すなわち、本発明は、入射光の偏光変調を行う非発光の反射型空間光変調素子と、この反射型空間光変調素子を照明する照明光学系とを有する画像表示装置であって、表示画像のコントラストの低下が防止され、良好なコントラストの画像表示が行える画像表示装置を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像表示装置の構成を示す平面図である。
【図2】上記画像表示装置の偏光方向補正板の構成を示す正面図である。
【図3】上記画像表示装置の要部の構成を示す斜視図である。
【図4】上記画像表示装置における偏光分離素子に入射する前の光束の偏光状態を示す正面図である。
【図5】上記画像表示装置における偏光分離素子により反射された後の光束の偏光状態を示す正面図である。
【図6】上記画像表示装置における空間光変調素子により反射された後の光束の偏光状態を示す正面図である。
【図7】上記画像表示装置における偏光分離素子を透過した後の光束の偏光状態を示す正面図である。
【図8】上記画像表示装置における第2の偏光方向補正板を透過した後の光束の偏光状態を示す正面図である。
【図9】上記画像表示装置における第2の偏光素子を透過した後の光束の偏光状態を示す正面図である。
【図10】本発明に係る画像表示装置の第2の実施の形態における構成を示す平面図である。
【図11】本発明に係る画像表示装置の第3の実施の形態における構成を示す平面図である。
【図12】本発明に係る画像表示装置の第4の実施の形態における構成を示す平面図である。
【図13】本発明に係る画像表示装置の第5の実施の形態における構成を示す平面図である。
【図14】従来の画像表示装置における偏光分離素子に入射する前の光束の偏光状態を示す正面図である。
【図15】上記従来の画像表示装置における偏光分離素子により反射された後の光束の偏光状態を示す正面図である。
【図16】上記従来の画像表示装置における偏光分離素子を透過した後の光束の偏光状態を示す正面図である。
【図17】上記従来の画像表示装置における偏光分離素子により反射された後の光束の偏光状態を示す正面図である。
【図18】上記従来の画像表示装置における第2の偏光素子を透過した後の光束の偏光状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1 光源、4 反射型偏光板、8 第1のフライアイレンズアレイ、9 第2のフライアイレンズアレイ、10 フライアイインテグレータ、11 第1の偏光方向補正板、14 偏光ビームスプリッタ、15 第1の空間光変調素子、16 第2の空間光変調素子、18 結像レンズ、19 第2の偏光方向補正板、20 偏光板
Claims (14)
- 光源と、
上記光源からの光束が入射され、この入射光の光軸に対して45°の傾斜を有する偏光分離膜を有し、この偏光分離膜において、この偏光分離膜に対するP偏光成分を透過させS偏光成分を反射する偏光分離素子と、
上記偏光分離素子の偏光分離膜を透過、または、反射された光束が入射され、表示画像に応じて入射光束を偏光変調して反射する反射型空間光変調素子と、
上記反射型空間光変調素子により偏光変調されて上記偏光分離素子に再入射し上記偏光分離膜により反射、または、透過してこの偏光分離素子より出射された光束が入射される結像光学系とを備え、
上記光源より上記結像光学系までを含む光路上において、光軸に直交する平面内における光軸に対する位置関係が上記偏光分離素子の偏光分離膜に対する上記光束の入射角度の分布に対応している場所に、光軸に対する位置に応じて透過光束の偏光方向を補正する偏光方向補正板が設けられており、
上記偏光方向補正板が上記偏光分離素子に入射する前の光路上に配設されている場合には、この偏光方向補正板と光源との間の光路上に、該光源からの光束を偏光方向が一定方向となされた光束とする偏光素子を有し、
上記偏光方向補正板が上記偏光分離素子から出射された後の光路上に配設されている場合には、この偏光方向補正板から結像光学系までの光路上に、該偏光方向補正板を経た光束のうちから一定方向の偏光方向の光束のみを透過させる偏光素子を有すること
を特徴とする画像表示装置。 - 上記偏光方向補正板は、光軸に対する位置に応じて異なる遅相軸方向となされた二分の一波長板であること
を特徴とする請求項1記載の画像表示装置。 - 上記偏光方向補正板は、上記偏光分離素子に入射する前の光路上に配設され、該偏光分離素子の偏光分離膜にS偏光として入射されこの偏光分離膜により反射されて上記反射型空間光変調素子に入射する光束についてS偏光からのずれを補正し、光軸に対する位置に依らず該偏光分離膜に対するS偏光とすること
を特徴とする請求項1記載の画像表示装置。 - 上記光源から上記偏光分離素子に至る光路上に該光源側より第1及び第2のフライアイインテグレータを備え、
上記偏光方向補正板は、上記第2のフライアイインテグレータの近傍であってこの第2のフライアイインテグレータの上記偏光分離素子側に配設されていること
を特徴とする請求項3記載の画像表示装置。 - 上記光源から上記偏光分離素子に至る光路上に該光源側よりロッドインテグレータ及びリレーレンズを備え、
上記偏光方向補正板は、上記リレーレンズの近傍に配設されていること
を特徴とする請求項3記載の画像表示装置。 - 上記偏光方向補正板は、上記偏光分離素子から出射された後の光路上に配設され、上記反射型空間光変調素子に反射されて該偏光分離素子の偏光分離膜にP偏光として入射されたにもかかわらず該偏光分離素子の偏光分離膜に反射されて出射した光束についてP偏光からのずれを補正し、光軸に対する位置に依らず該偏光分離膜に対するP偏光に相当する偏光方向とすること
を特徴とする請求項1記載の画像表示装置。 - 上記偏光方向補正板は、上記結像光学系の絞り位置に配設されていること
を特徴とする請求項6記載の画像表示装置。 - 少なくとも三原色光を含む光束を発する光源と、
上記光源からの光束を偏光方向が一定方向となされた光束とする第1の偏光素子と、
上記第1の偏光素子を経た光束のうちの一色、または、二色の原色光成分のみの偏光方向を90°回転させる色選択素子と、
上記色選択素子を経た光束が入射され、この入射光の光軸に対して45°の傾斜を有する偏光分離膜を有し、この偏光分離膜において、この偏光分離膜に対するP偏光成分を透過させS偏光成分を反射することによってこれらP偏光成分及びS偏光成分の光路を分岐させる偏光分離素子と、
上記偏光分離素子の偏光分離膜を透過した光束が入射され、表示画像の一色、または、二色の原色成分に応じて入射光束を偏光変調して反射する第1の反射型空間光変調素子と、
上記偏光分離素子の偏光分離膜により反射された光束が入射され、表示画像の二色、または、一色の原色成分に応じて入射光束を偏光変調して反射する第2の反射型空間光変調素子と、
上記第1の反射型空間光変調素子により偏光変調されて上記偏光分離素子に再入射し上記偏光分離膜により反射されてこの偏光分離素子より出射された光束と、上記第2の反射型空間光変調素子により偏光変調されて上記偏光分離素子に再入射し上記偏光分離膜を透過してこの偏光分離素子より出射された光束とが入射される結像光学系とを備え、
上記偏光素子より上記結像光学系までを含む光路上において、光軸に直交する平面内における光軸に対する位置関係が上記偏光分離素子の偏光分離膜に対する上記光束の入射角度の分布に対応している場所に、光軸に対する位置に応じて透過光束の偏光方向を補正する偏光方向補正板が設けられており、
上記偏光方向補正板が上記偏光分離素子から出射された後の光路上に配設されている場合には、この偏光分離素子から偏光方向補正板までの光路上に、該偏光分離素子から出射された光束のうちの一色、または、二色の原色光成分のみの偏光方向を90°回転させることによって各原色光成分の偏光方向を揃える第2の色選択素子を有するとともに、該偏光方向補正板から結像光学系までの光路上に、該偏光方向補正板を経た光束のうちから一定方向の偏光方向の光束のみを透過させる第2の偏光素子を有すること
を特徴とする画像表示装置。 - 上記偏光方向補正板は、光軸に対する位置に応じて異なる遅相軸方向となされた二分の一波長板であること
を特徴とする請求項8記載の画像表示装置。 - 上記偏光方向補正板は、上記偏光分離素子に入射する前の光路上に配設され、該偏光分離素子の偏光分離膜にS偏光として入射されこの偏光分離膜により反射されて上記反射型空間光変調素子に入射する光束についてS偏光からのずれを補正し、光軸に対する位置に依らず該偏光分離膜に対するS偏光とすること
を特徴とする請求項8記載の画像表示装置。 - 上記光源から上記偏光分離素子に至る光路上に該光源側より第1及び第2のフライアイインテグレータを備え、
上記偏光方向補正板は、上記第2のフライアイインテグレータの近傍であってこの第2のフライアイインテグレータの上記偏光分離素子側に配設されていること
を特徴とする請求項10記載の画像表示装置。 - 上記光源から上記偏光分離素子に至る光路上に該光源側よりロッドインテグレータ及びリレーレンズを備え、
上記偏光方向補正板は、上記リレーレンズの近傍に配設されていること
を特徴とする請求項10記載の画像表示装置。 - 上記偏光方向補正板は、上記偏光分離素子から出射された後の光路上に配設され、上記反射型空間光変調素子に反射されて該偏光分離素子の偏光分離膜にP偏光として入射されたにもかかわらず該偏光分離素子の偏光分離膜に反射されて出射した光束についてP偏光からのずれを補正し、光軸に対する位置に依らず該偏光分離膜に対するP偏光に相当する偏光方向とすること
を特徴とする請求項8記載の画像表示装置。 - 上記偏光方向補正板は、上記結像光学系の絞り位置に配設されていること
を特徴とする請求項13記載の画像表示装置。
Priority Applications (1)
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JP2003100873A JP2004309668A (ja) | 2003-04-03 | 2003-04-03 | 画像表示装置 |
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