JP2004309644A - ピント合わせ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】特別な測距装置を具備することなく、高精度で高速のピント合わせ装置を提供することである。
【解決手段】撮像素子11に結像される被写体像のピントをピント合わせレンズ10で光軸方向に移動させて合わせる。上記撮像素子11の出力より上記被写体像のコントラスト信号が画像処理回路13から出力される。この画像処理回路13の出力に従って、上記ピント合わせ光学系の位置がモータ22によって上記光軸方向に移動制御される。また、上記ピント合わせレンズ10の光路内に光学素子33を挿脱可能にして、上記ピント合わせレンズ10で合わせられたピント位置を上記光軸方向にシフトさせる。そして、CPU15は、上記モータ22駆動後に光学素子33を上記光路内から退避若しくは上記光路内に挿入することによって、最終のピント合わせ制御を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】撮像素子11に結像される被写体像のピントをピント合わせレンズ10で光軸方向に移動させて合わせる。上記撮像素子11の出力より上記被写体像のコントラスト信号が画像処理回路13から出力される。この画像処理回路13の出力に従って、上記ピント合わせ光学系の位置がモータ22によって上記光軸方向に移動制御される。また、上記ピント合わせレンズ10の光路内に光学素子33を挿脱可能にして、上記ピント合わせレンズ10で合わせられたピント位置を上記光軸方向にシフトさせる。そして、CPU15は、上記モータ22駆動後に光学素子33を上記光路内から退避若しくは上記光路内に挿入することによって、最終のピント合わせ制御を行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はピント合わせ装置に関し、より詳細には、撮像素子とピント合わせレンズによって撮影がなされる電子撮影装置のピント合わせ技術の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
撮像素子とピント合わせレンズによって撮影がなされる電子撮影装置の自動ピント合わせ方法(AF)としては、古くから撮像手段の出力結果に従って、レンズ位置を制御する、いわゆる「山登り方式」によるピント合わせ方式が知られていた。しかしながら、この方式は、像のコントラストの変化をレンズ位置によって求める必要があり、必然的にレンズを動かさなければならず、高速のピント合わせには不向きなものであった。
【0003】
そこで、例えば、補助的に測距装置を具備して、その結果を加味してピント合わせのスピードを対策していた(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−023955号公報
上記山登り式のAFは、レンズや鏡枠等に温度依存性等の特性変化や製造上のばらつきがあっても、それを補正して正しいピント合わせができるという、優れた点も有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、山登り方式によるAFでは、前述したように、コントラスト信号を判定しながらレンズを動かしたり停止するために、レンズ用のアクチュエータの制御に要する時間が、そのままピント合わせのタイムラグになってしまうという欠点を有していた。また、コントラストのピークを見つけるためには、先ずピークを通りこしてから戻すといった手間がかかり、アクチュエータの起動、停止、反転等にタイムラグを要していた。
【0006】
特に、山登り方式のAFで必ず必要とされていたステッピングモータ等によるレンズ停止、再起動の時間や頻度を、短縮または削減することによって、高速化を達成している。ところが、モータは、初期励磁等で十分な時間を経てから駆動しないと正しく動作せず、停止時も、同様に時間を経てから停止制御を終了しないと正確な停止制御をすることができない。
【0007】
また、山登り方式のAFの宿命として、コントラストのピーク値を見つけるために、一度、最もコントラストが高いレンズ位置を通りすぎてから、その場所に戻る動作が必要である。つまり、一度ピークを通り過ぎた後、レンズを逆方向に移動させるために停止動作が必要であり、逆転後、また、見つけたピーク位置でモーターの停止制御を行うが、この時にも上記停止時間を十分確保しなければ、正しいピント制御をすることができない。
【0008】
更に、ピント合わせを開始するにあたり、遠近どちらの方向にピント合わせを行うかを決める必要がある。このとき、遠距離に被写体が存在しているのに、先ず近距離側に動かし始めると、近距離の端部まで行って戻ってくる動作が必要となり、この時の起動、停止も無駄な時間として、タイムラグに計上されてしまう。
【0009】
また、デジタルカメラでは、被写体を観察すると同時に、光学式のファインダだけでなく、撮像素子の結果をモニタ上にリアルタイムでそのまま出力するスルー画モードという表示形式を併用することがある。このとき、撮影レンズのピント位置は、常焦点の位置にセットして、近距離から遠距離まで被写体がどの位置にあってもおおよそのピントで見えるようにしておく必要がある。
【0010】
したがって、それより遠距離に被写体が存在している場合は遠距離に向って、または、それより近距離に被写体が存在している場合には近距離に向って、レンズを動かすことが好ましいが、遠近を瞬時に判定することができなかったので、遠距離に被写体がいるのに近距離にレンズを動かす等、無駄な動きをすることが多く、それが撮影時のタイムラグになる場合に、ユーザにストレスを感じさせていた。
【0011】
この発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、特別な測距装置を具備することなく、高精度で高速のピント合わせ装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1に記載の発明は、被写体像を結像してデジタル値の電気信号に変換する撮像手段と、上記撮像手段に結像される被写体像のピントを、光軸方向に移動させて合わせるピント合わせ光学系と、上記撮像手段の出力より上記被写体像のコントラスト信号を出力するコントラスト出力手段と、上記コントラスト出力手段の出力に従って上記ピント合わせ光学系の位置を上記光軸方向に移動制御する第1の光学系駆動手段と、上記ピント合わせ光学系の光路内に挿脱可能で、上記ピント合わせ光学系により合わせられたピント位置を上記光軸方向にシフトさせるピントシフト光学系と、上記ピントシフト光学系を上記ピント合わせ光学系の光路内に挿脱するもので、上記第1の光学系駆動手段とは異なる第2の光学系駆動手段と、上記ピント合わせ光学系駆動後に上記ピントシフト光学系を、上記光路内から退避若しくは上記光路内に挿入することによって、最終のピント合わせ制御を行う制御手段と、を具備することを特徴とする。
【0013】
このように構成することにより、山登りAFに必要なピーク検知の後、つまりピーク通過後の戻し動作をなくして、高速化を達成することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のピント合わせ装置に於いて、上記制御手段は、上記コントラストの出力がピークを過ぎた段階で、上記第2の光学系駆動手段を制御して上記ピントシフト光学系を駆動することを特徴とする。
【0015】
このように構成することにより、山登りAFに必要なピーク検知の後、つまりピーク通過後の戻し動作をなくして、高速化を達成することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、被写体像を結像してデジタル値の電気信号に変換する撮像手段と、上記撮像手段に結像される被写体像のピントを、光軸方向に移動させて合わせるピント合わせ光学系と、上記撮像手段の出力より上記被写体像のコントラスト信号を出力するコントラスト出力手段と、上記コントラスト出力手段の出力に従って上記ピント合わせ光学系の位置を上記光軸方向に移動制御する第1の光学系駆動手段と、上記撮像手段を上記光軸方向に移動させるもので、上記第1の光学系駆動手段とは異なる第2の光学系駆動手段と、上記ピント合わせ光学系駆動後に上記第2の光学系駆動手段を駆動制御して上記撮像手段を上記光軸方向にシフトさせる制御手段と、を具備することを特徴とする。
【0017】
このように構成することにより、山登りAFに必要なピーク検知の後、つまりピーク通過後の戻し動作をなくして、高速化を達成することができる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のピント合わせ装置に於いて、上記制御手段は、上記コントラストの出力がピークを過ぎた段階で、上記第2の光学系駆動手段を制御して上記撮像手段を移動させることを特徴とする。
【0019】
このように構成することにより、山登りAFに必要なピーク検知の後、つまりピーク通過後の戻し動作をなくして、高速化を達成することができる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、ピント合わせ光学系を介して、被写体像を結像する撮像手段と、上記撮像手段の出力より上記被写体像のコントラスト信号を出力するコントラスト出力手段と、上記ピント合わせ光学系を光軸方向に移動させた時の上記コントラスト出力手段の出力に従って上記ピント合わせ光学系を制御する第1のレンズ駆動手段と、上記ピント合わせ光学系とは異なる第2のレンズ駆動手段によって制御されるピントシフト光学系と、上記ピント合わせ光学系駆動後に上記ピントシフト光学系を、撮影光路内から退避若しくは光路内に挿入することによって、最終のピント合わせを行う制御を行う制御手段と、を具備することを特徴とする。
【0021】
このように構成することにより、山登りAFに必要なピーク検知の後、つまりピーク通過後の戻し動作をなくして、高速化を達成することができる。
【0022】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のピント合わせ装置に於いて、上記制御手段は、上記ピント合わせ光学系の移動による上記コントラスト出力変化を検出し、上記コントラスト出力がピークを過ぎた段階で、上記ピントシフト光学系を駆動することを特徴とする。
【0023】
このように構成することにより、山登りAFに必要なピーク検知の後、つまりピーク通過後の戻し動作をなくして、高速化を達成することができる。
【0024】
請求項7に記載の発明は、ピント合わせ光学系を第1のアクチュエータで駆動し、上記ピント合わせ光学系を介した被写体像のコントラストピークを撮像素子で検出して、被写体のピント合わせを行うピント合わせ装置に於いて、上記撮像素子の位置を上記ピント合わせ光学系の光軸方向に移動させるもので、上記第1のアクチュエータとは異なる第2のアクチュエータと、上記被写体像のコントラストピークを過ぎた段階で、上記第2のアクチュエータを駆動して上記撮像素子の位置を切換制御することによって最終のピント合わせを行う制御手段と、を具備することを特徴とする。
【0025】
このように構成することにより、山登りAFに必要なピーク検知の後、つまりピーク通過後の戻し動作をなくして、高速化を達成することができる。
【0026】
請求項8に記載の発明は、第1のアクチュエータによって光軸方向に駆動されるピント合わせレンズと、上記ピント合わせレンズを介して被写体像を検出する撮像手段と、上記第1のアクチュエータとは異なる第2のアクチュエータによって上記光軸方向と直交する方向に位置変位する光学部材と、上記光学部材の光路内への挿入状態によって得られた上記撮像手段の出力により、上記ピント合わせレンズの駆動方向を決定して、上記ピント合わせレンズを駆動するピント制御手段と、を具備することを特徴とする。
【0027】
このように構成することにより、山登りAFでレンズが中間位置にある時、次のAFで最初どちらかに動かすかという検出動作を対策して高速化を達成することができる。
【0028】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のピント合わせ装置に於いて、上記光学部材は、上記撮像手段に入射する光量を露出制御時に制限するNDフィルタであることを特徴とする。
【0029】
このように構成することにより、新たに光学系を設けなくともよく、コスト上昇を防止することができる。
【0030】
請求項10に記載の発明は、ピント合わせ光学系を介して被写体像を検出する撮像手段と、上記撮像手段の出力より上記被写体像のコントラスト信号を出力するコントラスト出力手段と、上記ピント合わせ光学系を光軸方向に移動させながら上記コントラスト出力手段の出力変化を検出し、上記コントラスト信号のピークを越えたところで上記ピント合わせ光学系の駆動制御を終了する第1の駆動制御手段と、上記ピント合わせ光学系の光路内に挿脱可能なピントシフト光学系と、上記第1の駆動制御手段による駆動制御の終了後、上記ピントシフト光学系を上記撮影光路に挿入、若しくは上記撮影光路から退避させる第2の駆動制御手段と、を具備したことを特徴とする。
【0031】
このように構成することにより、山登りAFでレンズが中間位置にある時、次のAFで最初どちらかに動かすかという検出動作を対策して高速化を達成することができる。
【0032】
請求項11に記載の発明は、ピント合わせ光学系と、このピント合わせ光学系を介して被写体像を結像する撮像手段と、上記撮像手段の出力より、上記被写体像のコントラスト信号を出力するコントラスト出力手段と、上記ピント合わせ光学系を光軸方向に移動させる第1の駆動手段と、上記ピント光学系の光路内に挿脱可能なピントシフト光学系と、上記ピントシフト光学系を駆動する第2の駆動手段と、上記ピントシフト光学系が上記ピント合わせ光学系の光路内に挿入した状態、若しくは上記光路内から退避した状態に於いて、上記第1の駆動手段を制御して上記ピント合わせ光学系を光軸方向に移動させ、その際の上記コントラスト出力手段の出力変化に基づいて上記コントラスト信号のピークを越えた位置に上記ピント合わせ光学系を停止させる第1の制御動作と、上記第1の制御動作の終了後、上記第2の駆動手段を制御して上記ピントシフト光学系を、上記撮影光路内から退避、若しくは上記光路内に挿入させる第2の制御動作を実行可能な制御手段と、を具備したことを特徴とする。
【0033】
このように構成することにより、山登りAFでレンズが中間位置にある時、次のAFで最初どちらかに動かすかという検出動作を対策して高速化を達成することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。
【0035】
(第1の実施の形態)
図1は、この発明の第1の実施の形態に係るピント合わせ装置が適用された電子カメラの構成を示した図である。
【0036】
図1に於いて、被写体1の像は、ピント合わせ光学系を構成するピント合わせレンズ10を介して、撮像手段でありCCD等で構成される撮像素子11に結像される。そして、撮像素子11の出力は、A/D変換回路12を介してコントラスト出力手段としての機能を含む画像処理回路13へ供給される。この画像処理回路13には、制御手段としてのCPU15と、メモリ17と、LCDドライバ18を介してLCDパネル19とが接続されている。
【0037】
上記撮像素子11では、その露光時間中に画素毎の電荷が蓄積されて出力される。そして、撮像素子11の出力は、図示されないアンプにより適宜増幅された後、A/D変換回路12にてRGBの各原色成分毎にA/D変換されてデジタル値の画像信号となる。
【0038】
上記画像処理回路13では、上記A/D変換回路12でデジタル値に変換された画像信号が、カラーバランス、コントラストやエッジ強調、圧縮等の各種信号処理が施される。また、ここで得られた画像信号はLCDドライバ18に出力され、この画像信号に対応した画像がLCDパネル19に表示される。更に、画像処理回路13で得られた画像信号は、圧縮等の処理が行われた後、メモリ17に記録される。
【0039】
上記CPU15には、第1の光学系駆動手段(第1の駆動手段、第1の駆動制御手段、第1のアクチュエータ)である上記ピント合わせレンズ用のモータドライバ(レンズドライバ)21を介してレンズ用のモータ22が接続されている。このモータ22には送りねじ23が取り付けられており、上記ピント合わせレンズ10に設けられた一方の凸部と螺合している。また、上記ピント合わせレンズ10に設けられた他方の凸部の近傍には、該ピント合わせレンズ10を光軸方向(図示Z方向)に移動させるためのガイド24が設けられている。
【0040】
また、上記CPU15には、ファーストレリーズスイッチ15a及びセカンドレリーズスイッチ15bが接続されると共に、プランジャドライバ25を介して第2の光学系駆動手段(第2の駆動手段、第2の駆動制御手段、第2のアクチュエータ)であるプランジャ26が接続されている。プランジャ26は、電磁石の働きで鉄芯27を吸着させるものである。この鉄芯27は、第1のばね28によって、レバー30の当接部32を、図1に於いて下方に押し付けている。
【0041】
上記レバー30は、軸31を中心に揺動可能に支持されている。このレバー30に於いて、軸31を中心にした当接部32と反対側には、撮影光路中に挿入可能に、ピントシフト光学系であるピントシフトレンズ等の光学素子33が設けられている。プランジャ26が鉄芯27を吸着させる第2のバネ34の力で当接部32が上昇し、光学素子33が下降して撮影光路中に挿入される。このように、ピント合わせレンズ10とは別の第2のレンズとしての光学素子33が光路内で作用することが、この発明の1つの特徴となっている。
【0042】
このような構成に於いて、被写体1の像は、ピント合わせレンズ10を介して撮像素子11に結像する。ピント合わせレンズ10は、モータ22に取り付けられた送りねじ23によって、光軸方向(Z方向)に移動可能である。つまり、レンズドライバ21の通電によってモータ22が回転制御されると、送りねじ23が回転される。これにより、ピント合わせレンズ10は、ガイド24に沿って前後方向に移動する。
【0043】
こうしてピント調整がなされた後、得られた被写体1の像は、撮像素子11によって電気的な信号に変換された後、A/D変換回路12に出力される。そして、このA/D変換回路12によってデジタル値に変換されると、画像処理回路13に於いて、カラーバランスやコントラスト、エッジ強調、圧縮等の処理を経て、メモリ17に記録される。
【0044】
画像処理回路12の出力は、LCDドライバ18を介してLCD19に表示可能である。上記撮像素子11を常時作動させておくと、撮影者は、このLCD19をファインダとして見ながらの撮影が可能である。
【0045】
撮影者によるファーストレリーズスイッチ15a、セカンドレリーズスイッチ15bの制御状態は、CPU15で判定されて、これらの撮影シーケンスが制御される。上述したレンズドライバ21に加えて、プランジャドライバ25を介したプランジャ26の制御も、CPU15によって行われる。
【0046】
ところで、上述したように、ピント合わせレンズ10と撮像素子11との間にピントシフトレンズ等の光学素子を介入させることにより、図2に示されるようなピント位置シフトが可能となる。
【0047】
つまり、図2(a)に示されるように、ピント合わせレンズ10と撮像素子11の間に何も光学素子が存在しない場合にピントが合っている状態のレンズドライブ(LD)位置にて、図2(b)〜(d)に示されるように種々の光学素子が挿入されている。
【0048】
つまり、図2(b)では、ピント合わせレンズ10と撮像素子11との間に、透明平板33aが挿入されている。同様に、図2(c)ではピント合わせレンズ10と撮像素子11の間に凹レンズ33bが、図2(d)では凸レンズ33cが、それぞれ挿入されている。
【0049】
このとき、図2(b)及び(c)では、撮像素子11の、より奥の方にピントが合うことになり、この状態でピントを合わせる場合には、ピント合わせレンズ10をもっと前に出さなければ、撮像素子11上に結像させることはできない。一方、図2(d)に示されるように、凸レンズ33cが挿入された状態では、ピントの位置は撮像素子11の手前にきて、もっとピント合わせレンズを繰り込まなければ、撮像素子11上に結像させることはできない。
【0050】
図3に示されるように、像信号の高周波成分のコントラスト信号を縦軸に、レンズ制御位置(LD)を横軸にとると、所定の距離の被写体に対しては、所定のLD位置でコントラストがピークを形成し、ピント合わせすべき位置が決定する。
【0051】
つまり、光路内にピントシフトレンズ等の光学系が存在しない場合は、ピント合わせレンズ10の位置(LD位置)はLD1 が好ましく、光学素子33が挿入されている場合にはLD2 の位置が好ましい。いま、光学素子33無しの状態で、LD0 の位置からLD2 の位置までピント合わせレンズ10を移動させると、コントラスト値がピークを越したことがわかる。このとき、光学素子33が光路中に挿入されると、光学素子33無しの状態ではピントがずれていたのに、正しくピント合わせがなされる。
【0052】
つまり、先ず、光学素子33無しでピーク検知が行われ、ピークを過ぎてから光学素子33が挿入されて撮影されれば、山登りAF特有のレンズ戻しのステップを省略して、ピント合わせ制御が行える。すなわち、図3に於いて、LD0 からLD2 まで移動させた後、LD2 からLD1 にΔLDだけ戻す時間を省略することができる。
【0053】
また、LD0 のピント位置より遠い側に被写体1が存在している場合には、図4に示されるようなコントラストの特性曲線となる。この場合は、光学素子33が存在する場合の方が、先にピーク検出をすることができる。つまり、LD0 からLD4 に向って移動されると、ピント合わせレンズ位置がLD3 に至った時、LD4 にピークが存在していたことが、CPU15によっても認識することができる。
【0054】
そして、この場合は、光学素子33を光路中から退避させれば、図4に破線で示されるようなコントラスト特性曲線が得られるが故に、LD3 の位置でコントラストピーク、つまりピント良好となり、ΔLD分戻す制御をせずとも撮影可能な状態となる。
【0055】
また、LD0 の初期位置で光学素子33の光路中への挿入、退避でコントラスト値を判定すれば、図3及び図4の何れの状態であるかを判別することができる。
【0056】
つまり、光学素子33が存在しない方がコントラストが高まるならば図3の特性の状態であり、光学素子33が存在する方がコントラストが低いならば図4の特性の状態である。
【0057】
このように、光学素子33が、光路内への挿入、または光路外への退避によって、何れの方向にピント位置を移動させればよいかがを判別することができる。
【0058】
次に、以上説明した制御動作について、図5のフローチャートを参照して説明する。
【0059】
先ず、ステップS1にて、光学素子33が光路内に挿入される。そして、ステップS2にて、光学素子33が光路内に挿入された状態でのコントラスト値C1 が判定される。
【0060】
次いで、ステップS3にて、光学素子33が光路内から退避される。更に、ステップS4にて、光学素子33が光路内に存在しない状態でのコントラスト値C2 が判定される。
【0061】
このようにして得られたコントラスト値C1 とC2 とが、ステップS5に於いて比較されることにより、上述した図3の特性の状態か図4の特性の状態であるかがわかる。すなわち、光学素子33退避時のコントラスト値C2 の方が高ければ、図3の特性の状態であるとして、ステップS6へ移行する。一方、光学素子33挿入時のコントラスト値C1 の方が高ければ、図4の特性の状態であるとして、ステップS8へ移行する。
【0062】
図3の特性の状態では、上述したように、光学素子33無しの方が先にピーク検出をすることができる(LD2 よりLD1 の方がLD0 に近い)。したがって、ステップS6にてピント合わせレンズ10が繰り出された後、ステップS9にて光学素子33無しでコントラスト値が判定される。そして、ステップS10にてピント合わせレンズ10がを繰り出されて、ステップS11に於いてコントラストピークが検出される。
【0063】
ここで、コントラストピークが検出されなければ、上記ステップS9へ移行する。そして、コントラストピークが検出されるまで、ステップS9〜S11の処理が繰り返される。
【0064】
一方、図4の特性の状態では、光学素子33が挿入された方が先にピーク検出することができる(LD0 からLD4 の方がLD3 に近い)。したがって、ステップS7にて再度光学素子33が挿入され、続くステップS8にてレンズ繰り込み動作が開始される。そして、ステップS9〜S11にて、コントラストピーク検出動作が行われる。これによって、ピークを過ぎた所でレンズの制御動作が停止される。
【0065】
つまり、図3に示される特性の例ではLD2 までピント合わせレンズ10は動いており、また、図4に示される特性の例ではLD3 までピント合わせレンズ10が動いている。しかしながら、これらの状態で、従来のようなレンズ用のモータ22の反転動作によりピークに戻すことは行われない。
【0066】
上記ステップS11にてコントラストピークが検出されると、ステップS12にて光学素子33が光路内へ挿入されているか否かが判定される。その結果、光学素子33が挿入されていない場合は、ステップS13へ移行して光学素子33が光路内に挿入されてコントラストピーク位置とされる。一方、光学素子33が光路内に挿入されている場合は、ステップS14へ移行して光学素子33が光路外へ退避されてコントラストピーク位置とされる。
【0067】
こうした状態で、ステップS15にて撮影が行われる。これによって、コントラストのピーク位置、つまり、ピントの合った状態での撮影が可能となる。
【0068】
このように、第1の実施の形態によれば、山登りAFのような、レンズ移動方向の迷いや、ピーク検出後のモータ停止、反転の動作をなくして、高速のAF動作を達成することができる。基本は山登りAFと同じ原理によるので、レンズや部品に誤差があっても、正確なピント合わせが可能となる。
【0069】
但し、ここでは説明を簡略化して、ピーク検出後に行き過ぎた量ΔLDが、光学素子33の挿入によって変化するピーク位置差と同じであると仮定した。実際には、図6に示されるような考え方でこれを揃える必要がある。
【0070】
つまり、光学素子33の有無によるΔLDはピークの形状によって変化すると考え、ピークのなだらかさをΔCP という値で判定し、この値によってΔLDを決定するようにしている。この要因の他、この値は装置の部品の出来映えで変化する。
【0071】
したがって、これはカメラ個々に製造工程でチェックされてカメラ内のメモリ17に記録するようにしてもよい。このとき、ピークのなだらかさ毎にΔLDを別々に記録するようにする。
【0072】
このような想定の下に、光学素子33が光路内に存在しない状態でピント合わせレンズ10を動かしてコントラストを判定して、ピークが検出されたら、そのレンズ位置(LD1 )とコントラスト値(CP )より、所定の条件に於ける光学素子33によるピントシフト量ΔLD0 分前のLD値(LD5 )とコントラスト値CP1が求められ、これらの値が利用されて、ΔLDが決定されるようにしている。
【0073】
これにより、迅速で、且つ正確なAF撮影が可能となる。
【0074】
図6の特性図に示されるΔLD0 は、所定条件に於けるピント位置シフト量であり、ピークの形状をΔCP として表している。
【0075】
図7は、このように考えた場合のレンズ位置決定の動作を説明するフローチャートである。
【0076】
初めに、ステップS21〜S23にて、レンズ位置(LD)微動による各位置毎のコントラスト値がLD位置と共に記録される。そして。ステップS24に於いて、コントラスト値が下降であるか否かが判定される。ここで、まだ下降でなければ上記ステップS21へ移行して、以降の処理が繰り返される。
【0077】
一方、コントラストが下降であれば、ステップS25に移行して、ピーク位置のコントラストがCP とされる。次いで、ステップS26にて、ピークのLD位置がLD1 とされる。更に、ステップS27にて、ピーク検出されたLD値より所定値ΔLD0 だけ前の位置のコントラスト値CP1が検出される。
【0078】
そして、ステップS28にて、上記ΔCP によって、レンズ収差等により発生する光学素子33によるピント位置差ΔLDが決定される。その後、ステップS29にて、ピーク位置のLD1 にこのΔLDが加えられた値の位置に、ピント合わせレンズ10が移動される。
【0079】
このように、ピークの形状に応じて、ピントずれ量ΔLDが判定され、決定された所LD2 にピント位置が制御されるので、この後、光学素子33が挿入された時に正しくピントが合った状態で撮影を行うことができる。
【0080】
尚、上述した光学素子33は、露出時にCCDに入射する光を制限するNDフィルタ等を利用してもよい。この場合、図8に示されるように、NDフィルタ無しの場合に比べてコントラスト値が低下するが、NDフィルタによる光の減衰の割合は一定なので、図示されるように、所定の値を乗じて増幅演算して利用すればよい。但し、このNDフィルタは、本来、露出制御用のものであるので、これを代用する場合には、図5のフローチャートによる制御動作をそのまま実行することはできない。
【0081】
図9は、光学素子33にピントシフトレンズに代えてNDフィルタを使用した場合の制御動作について説明するフローチャートである。尚、以下に述べるフローチャートに於いて、ステップS31〜S42及びステップS48の処理動作は、光学素子33をNDフィルタに代えている他は、上述した図5のフローチャートに於けるステップS1〜S12及びステップS15の処理動作と同様であるので説明は省略する。
【0082】
ステップS42にて、NDフィルタが光路内へ挿入されているか否かが判定される。その結果、NDフィルタが挿入されていない場合はステップS43へ移行し、NDフィルタが光路内に挿入されている場合はステップS44へ移行する。
【0083】
ここで、NDフィルタは、露出の条件によっては、光路内に挿入可能な場合と不可能な場合があり、同様に光路から退避できる場合とできない場合がある。そのため、ステップS43では、NDフィルタの光路内への挿入がOKか否かが判定される。
【0084】
ここで、挿入可能であればステップS45へ移行してNDフィルタが光路内に挿入される。一方、NDフィルタが挿入できない場合は、ステップS46へ移行して、通常の山登りAFと同様に、ピント合わせレンズ10が逆転されて、各々の状態でピーク位置にセットされる。このとき、停止や再起動等に時間を要するが、撮像素子のダイナミックレンズを考慮して、露出が優先される。
【0085】
また、ステップS44では、NDフィルタが光路内から退避が可能か否かが判定される。そして、ステップS44にて、退避が可能であればステップS47へ移行して、NDフィルタが光路外へ退避される。しかしながら、上記ステップS44にて、NDフィルタの光路外への退避ができない場合は、ステップS46へ移行して、通常の山登りAFと同様にピント合わせレンズ10が逆転されて、各々の状態でピーク位置にセットされる。このとき、停止や再起動等に時間を要するが、撮像素子のダイナミックレンズを考慮して、露出が優先される。
【0086】
尚、上述した実施の形態では、もっぱら、NDフィルタや、図2(c)に示される凹レンズ33bのように、光路に挿入退避するレンズによってピントが撮像素子側にシフトする例で説明したが、例えば、図2(d)に示されるような凸レンズ33cが用いられるものであってもよい。但し、この場合、図3、図4に示されるΔLDの値は負の値となる。
【0087】
(第2の実施の形態)
また、上記第1の実施の形態のような通常のレンズ制御(LD)及びピントシフトによるAFの考え方を応用すると、図10(a)及び(b)に示されるように、撮像素子11の位置を2つの状態に設定可能として、ピント合わせの補助をする実施の形態が可能である。
【0088】
以下、そのような例について、この発明の第2の実施の形態として説明する。尚、電子カメラの構成等については、基本的に図1に示されたものと同様であるので、同一の部分には同一の参照番号を付して、その図示及び説明は省略する。
【0089】
図10(a)に於いて、プランジャ26がオフにされているとき、バネ37の力で、撮像素子11は位置制限枠部36の前方に当て付けられている。この状態で、プランジャ用のプランジャドライバ25が通電されると、プランジャ26の鉄芯27がプランジャ26内に吸引される。すると、図10(b)に示されるように、撮像素子11は位置制限枠部36の後方に当て付けられる。
【0090】
これら2つの状態は、高速で位置精度良く制御することができるので、通常のピント合わせレンズ10の制御と併用して、図5に類似したフローチャートにより効果的なAF装置を提供することができる。
【0091】
すなわち、図5のフローチャートに於いて、ステップS1、S3の「光学素子33挿入」、「光学素子33退避」を「プランジャ26のON」、「プランジャ26のOFF」に置き換えればよい。つまり、プランジャをオンにすれば、図10(b)に示されるように、ピント合わせレンズ10と撮像面の距離が広がる方向になるので、同じ被写体1を狙う場合にレンズはくり出さない状態でコントラストピークが出力される。
【0092】
したがって、レンズ制御(LD)位置とコントラスト信号は、図11に示されるような関係になる。これにより、図6の特性と比較して明らかなように、挿入される光学素子無しの状態がプランジャON、光学素子有りの状態がプランジャOFFの状態に対応することがわかる。
【0093】
この場合、図12のフローチャートに従ってピント合わせ動作が行われる。
【0094】
先ず、ステップS51にて、プランジャ26がON/OFFされてて得られたコントラスト値が検出される。これは、図5のフローチャートに於けるステップS1〜S4に相当する。
【0095】
次いで、ステップS52にて、プランジャ26がオンされるかオフにされるかが決定され、ステップS53で山登りAFの方向が決定される。これらは、図5のフローチャートに於けるステップS5〜S8に相当する。
【0096】
更に、ステップS54、S55にて、レンズが移動されながらコントラストの判定がなされる。これらステップS54、S55は、図5のフローチャートに於けるステップS9〜S11に相当する。
【0097】
そして、ステップS56にて、プランジャ26が、ON→OFF、またはOFF→ONに制御される。これは、図5のフローチャートのステップS12〜S14に相当する。これにより、ピーク位置にふさわしい方に撮像素子が移動される。
【0098】
図11の特性図から明らかなように、スルー画像のためのレンズ所定位置LD0 に於いて、プランジャON/OFFでコントラストが判定される。そして、プランジャONの方がコントラストが高いならば、レンズが繰り出し方向に移動され、プランジャOFFの方がコントラストが高いならば、レンズが繰り込み方向に移動されて、レンズ制御が開始される。
【0099】
繰り出し方向ではプランジャONで山登り判定がなされ、最後にプランジャがOFFにされてピント合わせが終了する。繰り込み方向ではその逆となる。
【0100】
このようなフローチャートに従って、高速、高精度のピント合わせが可能となる。
【0101】
以上説明したように、この第2の実施の形態では、撮像素子を可動としたので、これを高速で移動させることによって撮像素子の埃落とし等の応用ができる。
【0102】
(第3の実施の形態)
次に、図13乃至図16を参照して、この発明の第3の実施の形態を説明する。
【0103】
図13はズームレンズの動きを示したもので、(a)はワイド(広角)時、(b)はスタンダード(標準)時、(c)はテレ(望遠)時の、各状態を示した図である。
【0104】
図13(a)〜(c)に於いて、第1レンズ群41、第2レンズ群42及び第3レンズ群43は、それぞれ複数のレンズより構成されてズーミングにより変化する部分である。そして、第4レンズ群44がピント合わせレンズを構成している。尚、40は絞りである。
【0105】
このような構成で、ピント合わせ距離の逆数と、ピント合わせレンズの位置(LD)の関係を示すと、図14に示されるようになる。
【0106】
このように、同じLD位置、LD0 であっても、ピント合わせできる距離がズーム位置によって変化する。したがって、この第3の実施の形態では、図15のようなフローチャートに従って、ズーミングによるピント位置移動が山登りAFの補助に使用される。
【0107】
つまり、ステップS61にて、ピント合わせレンズ(第4レンズ群44)のスキャンにて、山登り検知(コントラストのピーク検知)が行われる。次いで、ステップS62にて、レンズが移動されながらコントラストの判定がなされる。
【0108】
そして、コントラストが検出されたならば、ステップS63に移行して、ズームレンズが微小シフトされて山のピーク状態にされる(図16参照)。例えば遠距離側からレンズを近距離側に対してくり出して行くと(図示曲線a)、山を越えた時に近距離にピントが合ってしまうので、ズームレンズを望遠側に微小シフトして(図示曲線b)、図14に示される特性の関係より、ピントの合う距離が補正される。
【0109】
以上説明したように、この第3の実施の形態によれば、特別な部材の追加なく、本発明の主旨に沿った技術を提供することができる。
【0110】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、山登りAFのすぐれた点である、誤差要因キャンセル特性を生かして高精度化を達成しながら、レンズ制御時の無駄な時間を短縮して高速化を達成することができる。
【0111】
そして、請求項1に記載の発明によれば、山登りAFに必要なピーク検知の後、つまりピーク通過後の戻し動作をなくして、高速化を達成することができる。
【0112】
また、請求項2に記載の発明によれば、山登りAFに必要なピーク検知の後、つまりピーク通過後の戻し動作をなくして、高速化を達成することができる。
【0113】
請求項3に記載の発明によれば、山登りAFに必要なピーク検知の後、つまりピーク通過後の戻し動作をなくして、高速化を達成することができる。
【0114】
請求項4に記載の発明によれば、山登りAFに必要なピーク検知の後、つまりピーク通過後の戻し動作をなくして、高速化を達成することができる。
【0115】
請求項5に記載の発明によれば、山登りAFに必要なピーク検知の後、つまりピーク通過後の戻し動作をなくして、高速化を達成することができる。
【0116】
請求項6に記載の発明によれば、山登りAFに必要なピーク検知の後、つまりピーク通過後の戻し動作をなくして、高速化を達成することができる。
【0117】
請求項7に記載の発明によれば、山登りAFに必要なピーク検知の後、つまりピーク通過後の戻し動作をなくして、高速化を達成することができる。
【0118】
請求項8に記載の発明によれば、山登りAFでレンズが中間位置にある時、次のAFで最初どちらかに動かすかという検出動作を対策して高速化を達成することができる。
【0119】
請求項9に記載の発明によれば、新たに光学系を設けなくともよく、コスト上昇を防止することができる。
【0120】
請求項10に記載の発明によれば、山登りAFでレンズが中間位置にある時、次のAFで最初どちらかに動かすかという検出動作を対策して高速化を達成することができる。
【0121】
請求項11に記載の発明によれば、山登りAFでレンズが中間位置にある時、次のAFで最初どちらかに動かすかという検出動作を対策して高速化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態に係るピント合わせ装置が適用された電子カメラの構成を示した図である。
【図2】ピント合わせレンズ10から撮像素子11までの光学系の構成を示すもので、(a)は両者の間に何も挿入されていない状態を示した図、(b)は透明平板33aが挿入されている例を示した図、(c)は凹レンズ33bが挿入されている例を示した図、(d)は凸レンズ33c挿入されている例を示した図である。
【図3】光学素子33の有無による像信号のコントラスト信号とレンズ制御位置(LD)との関係を示した特性図である。
【図4】LD0 のピント位置より遠い側に被写体1が存在している場合の光学素子33の有無による像信号のコントラスト信号とレンズ制御位置(LD)との関係を示した特性図である。
【図5】この発明の第1の実施の形態に於けるカメラのピント合わせ動作を説明するフローチャートである。
【図6】光学素子33の有無による像信号のコントラスト信号とレンズ制御位置(LD)との関係を示した別の例の特性図である。
【図7】レンズ位置決定の動作を説明するフローチャートである。
【図8】第1の実施の形態の変形例であって、NDフィルタの有無による像信号のコントラスト信号とレンズ制御位置(LD)との関係を示した特性図である。
【図9】第1の実施の形態の変形例であるカメラのピント合わせ動作を説明するフローチャートである。
【図10】この発明の第2の実施の形態に係るピント合わせ装置の概略を示した構成図である。
【図11】第2の実施の形態に於ける像信号のコントラスト信号とレンズ制御位置(LD)との関係を示した特性図である。
【図12】第2の実施の形態に於けるピント合わせ動作を説明するフローチャートである。
【図13】この発明の第3の実施の形態を説明するもので、(a)はワイド(広角)時のズームレンズの状態を示した図、(b)はスタンダード(標準)時のズームレンズの状態を示した図、(c)はテレ(望遠)時のズームレンズの状態を示した図である。
【図14】第3の実施の形態に於けるピント合わせ距離の逆数とピント合わせレンズの位置(LD)の関係を示した特性図である。
【図15】第3の実施の形態に於けるカメラのピント合わせ動作を説明するフローチャートである。
【図16】第3の実施の形態に於ける像信号のコントラスト信号とレンズ制御位置(LD)との関係を示した特性図である。
【符号の説明】
1…被写体、10…ピント合わせレンズ、11…撮像素子、12…A/D変換回路、13…画像処理回路、15…CPU、17…メモリ、18…LCDドライバ、19…LCD、21…モータドライバ(レンズドライバ)、22…モータ、24…ガイド、25…プランジャドライバ、26…プランジャ、27…鉄芯、30…レバー、32…当接部、33…光学素子。
【発明の属する技術分野】
この発明はピント合わせ装置に関し、より詳細には、撮像素子とピント合わせレンズによって撮影がなされる電子撮影装置のピント合わせ技術の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
撮像素子とピント合わせレンズによって撮影がなされる電子撮影装置の自動ピント合わせ方法(AF)としては、古くから撮像手段の出力結果に従って、レンズ位置を制御する、いわゆる「山登り方式」によるピント合わせ方式が知られていた。しかしながら、この方式は、像のコントラストの変化をレンズ位置によって求める必要があり、必然的にレンズを動かさなければならず、高速のピント合わせには不向きなものであった。
【0003】
そこで、例えば、補助的に測距装置を具備して、その結果を加味してピント合わせのスピードを対策していた(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−023955号公報
上記山登り式のAFは、レンズや鏡枠等に温度依存性等の特性変化や製造上のばらつきがあっても、それを補正して正しいピント合わせができるという、優れた点も有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、山登り方式によるAFでは、前述したように、コントラスト信号を判定しながらレンズを動かしたり停止するために、レンズ用のアクチュエータの制御に要する時間が、そのままピント合わせのタイムラグになってしまうという欠点を有していた。また、コントラストのピークを見つけるためには、先ずピークを通りこしてから戻すといった手間がかかり、アクチュエータの起動、停止、反転等にタイムラグを要していた。
【0006】
特に、山登り方式のAFで必ず必要とされていたステッピングモータ等によるレンズ停止、再起動の時間や頻度を、短縮または削減することによって、高速化を達成している。ところが、モータは、初期励磁等で十分な時間を経てから駆動しないと正しく動作せず、停止時も、同様に時間を経てから停止制御を終了しないと正確な停止制御をすることができない。
【0007】
また、山登り方式のAFの宿命として、コントラストのピーク値を見つけるために、一度、最もコントラストが高いレンズ位置を通りすぎてから、その場所に戻る動作が必要である。つまり、一度ピークを通り過ぎた後、レンズを逆方向に移動させるために停止動作が必要であり、逆転後、また、見つけたピーク位置でモーターの停止制御を行うが、この時にも上記停止時間を十分確保しなければ、正しいピント制御をすることができない。
【0008】
更に、ピント合わせを開始するにあたり、遠近どちらの方向にピント合わせを行うかを決める必要がある。このとき、遠距離に被写体が存在しているのに、先ず近距離側に動かし始めると、近距離の端部まで行って戻ってくる動作が必要となり、この時の起動、停止も無駄な時間として、タイムラグに計上されてしまう。
【0009】
また、デジタルカメラでは、被写体を観察すると同時に、光学式のファインダだけでなく、撮像素子の結果をモニタ上にリアルタイムでそのまま出力するスルー画モードという表示形式を併用することがある。このとき、撮影レンズのピント位置は、常焦点の位置にセットして、近距離から遠距離まで被写体がどの位置にあってもおおよそのピントで見えるようにしておく必要がある。
【0010】
したがって、それより遠距離に被写体が存在している場合は遠距離に向って、または、それより近距離に被写体が存在している場合には近距離に向って、レンズを動かすことが好ましいが、遠近を瞬時に判定することができなかったので、遠距離に被写体がいるのに近距離にレンズを動かす等、無駄な動きをすることが多く、それが撮影時のタイムラグになる場合に、ユーザにストレスを感じさせていた。
【0011】
この発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、特別な測距装置を具備することなく、高精度で高速のピント合わせ装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1に記載の発明は、被写体像を結像してデジタル値の電気信号に変換する撮像手段と、上記撮像手段に結像される被写体像のピントを、光軸方向に移動させて合わせるピント合わせ光学系と、上記撮像手段の出力より上記被写体像のコントラスト信号を出力するコントラスト出力手段と、上記コントラスト出力手段の出力に従って上記ピント合わせ光学系の位置を上記光軸方向に移動制御する第1の光学系駆動手段と、上記ピント合わせ光学系の光路内に挿脱可能で、上記ピント合わせ光学系により合わせられたピント位置を上記光軸方向にシフトさせるピントシフト光学系と、上記ピントシフト光学系を上記ピント合わせ光学系の光路内に挿脱するもので、上記第1の光学系駆動手段とは異なる第2の光学系駆動手段と、上記ピント合わせ光学系駆動後に上記ピントシフト光学系を、上記光路内から退避若しくは上記光路内に挿入することによって、最終のピント合わせ制御を行う制御手段と、を具備することを特徴とする。
【0013】
このように構成することにより、山登りAFに必要なピーク検知の後、つまりピーク通過後の戻し動作をなくして、高速化を達成することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のピント合わせ装置に於いて、上記制御手段は、上記コントラストの出力がピークを過ぎた段階で、上記第2の光学系駆動手段を制御して上記ピントシフト光学系を駆動することを特徴とする。
【0015】
このように構成することにより、山登りAFに必要なピーク検知の後、つまりピーク通過後の戻し動作をなくして、高速化を達成することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、被写体像を結像してデジタル値の電気信号に変換する撮像手段と、上記撮像手段に結像される被写体像のピントを、光軸方向に移動させて合わせるピント合わせ光学系と、上記撮像手段の出力より上記被写体像のコントラスト信号を出力するコントラスト出力手段と、上記コントラスト出力手段の出力に従って上記ピント合わせ光学系の位置を上記光軸方向に移動制御する第1の光学系駆動手段と、上記撮像手段を上記光軸方向に移動させるもので、上記第1の光学系駆動手段とは異なる第2の光学系駆動手段と、上記ピント合わせ光学系駆動後に上記第2の光学系駆動手段を駆動制御して上記撮像手段を上記光軸方向にシフトさせる制御手段と、を具備することを特徴とする。
【0017】
このように構成することにより、山登りAFに必要なピーク検知の後、つまりピーク通過後の戻し動作をなくして、高速化を達成することができる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のピント合わせ装置に於いて、上記制御手段は、上記コントラストの出力がピークを過ぎた段階で、上記第2の光学系駆動手段を制御して上記撮像手段を移動させることを特徴とする。
【0019】
このように構成することにより、山登りAFに必要なピーク検知の後、つまりピーク通過後の戻し動作をなくして、高速化を達成することができる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、ピント合わせ光学系を介して、被写体像を結像する撮像手段と、上記撮像手段の出力より上記被写体像のコントラスト信号を出力するコントラスト出力手段と、上記ピント合わせ光学系を光軸方向に移動させた時の上記コントラスト出力手段の出力に従って上記ピント合わせ光学系を制御する第1のレンズ駆動手段と、上記ピント合わせ光学系とは異なる第2のレンズ駆動手段によって制御されるピントシフト光学系と、上記ピント合わせ光学系駆動後に上記ピントシフト光学系を、撮影光路内から退避若しくは光路内に挿入することによって、最終のピント合わせを行う制御を行う制御手段と、を具備することを特徴とする。
【0021】
このように構成することにより、山登りAFに必要なピーク検知の後、つまりピーク通過後の戻し動作をなくして、高速化を達成することができる。
【0022】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のピント合わせ装置に於いて、上記制御手段は、上記ピント合わせ光学系の移動による上記コントラスト出力変化を検出し、上記コントラスト出力がピークを過ぎた段階で、上記ピントシフト光学系を駆動することを特徴とする。
【0023】
このように構成することにより、山登りAFに必要なピーク検知の後、つまりピーク通過後の戻し動作をなくして、高速化を達成することができる。
【0024】
請求項7に記載の発明は、ピント合わせ光学系を第1のアクチュエータで駆動し、上記ピント合わせ光学系を介した被写体像のコントラストピークを撮像素子で検出して、被写体のピント合わせを行うピント合わせ装置に於いて、上記撮像素子の位置を上記ピント合わせ光学系の光軸方向に移動させるもので、上記第1のアクチュエータとは異なる第2のアクチュエータと、上記被写体像のコントラストピークを過ぎた段階で、上記第2のアクチュエータを駆動して上記撮像素子の位置を切換制御することによって最終のピント合わせを行う制御手段と、を具備することを特徴とする。
【0025】
このように構成することにより、山登りAFに必要なピーク検知の後、つまりピーク通過後の戻し動作をなくして、高速化を達成することができる。
【0026】
請求項8に記載の発明は、第1のアクチュエータによって光軸方向に駆動されるピント合わせレンズと、上記ピント合わせレンズを介して被写体像を検出する撮像手段と、上記第1のアクチュエータとは異なる第2のアクチュエータによって上記光軸方向と直交する方向に位置変位する光学部材と、上記光学部材の光路内への挿入状態によって得られた上記撮像手段の出力により、上記ピント合わせレンズの駆動方向を決定して、上記ピント合わせレンズを駆動するピント制御手段と、を具備することを特徴とする。
【0027】
このように構成することにより、山登りAFでレンズが中間位置にある時、次のAFで最初どちらかに動かすかという検出動作を対策して高速化を達成することができる。
【0028】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のピント合わせ装置に於いて、上記光学部材は、上記撮像手段に入射する光量を露出制御時に制限するNDフィルタであることを特徴とする。
【0029】
このように構成することにより、新たに光学系を設けなくともよく、コスト上昇を防止することができる。
【0030】
請求項10に記載の発明は、ピント合わせ光学系を介して被写体像を検出する撮像手段と、上記撮像手段の出力より上記被写体像のコントラスト信号を出力するコントラスト出力手段と、上記ピント合わせ光学系を光軸方向に移動させながら上記コントラスト出力手段の出力変化を検出し、上記コントラスト信号のピークを越えたところで上記ピント合わせ光学系の駆動制御を終了する第1の駆動制御手段と、上記ピント合わせ光学系の光路内に挿脱可能なピントシフト光学系と、上記第1の駆動制御手段による駆動制御の終了後、上記ピントシフト光学系を上記撮影光路に挿入、若しくは上記撮影光路から退避させる第2の駆動制御手段と、を具備したことを特徴とする。
【0031】
このように構成することにより、山登りAFでレンズが中間位置にある時、次のAFで最初どちらかに動かすかという検出動作を対策して高速化を達成することができる。
【0032】
請求項11に記載の発明は、ピント合わせ光学系と、このピント合わせ光学系を介して被写体像を結像する撮像手段と、上記撮像手段の出力より、上記被写体像のコントラスト信号を出力するコントラスト出力手段と、上記ピント合わせ光学系を光軸方向に移動させる第1の駆動手段と、上記ピント光学系の光路内に挿脱可能なピントシフト光学系と、上記ピントシフト光学系を駆動する第2の駆動手段と、上記ピントシフト光学系が上記ピント合わせ光学系の光路内に挿入した状態、若しくは上記光路内から退避した状態に於いて、上記第1の駆動手段を制御して上記ピント合わせ光学系を光軸方向に移動させ、その際の上記コントラスト出力手段の出力変化に基づいて上記コントラスト信号のピークを越えた位置に上記ピント合わせ光学系を停止させる第1の制御動作と、上記第1の制御動作の終了後、上記第2の駆動手段を制御して上記ピントシフト光学系を、上記撮影光路内から退避、若しくは上記光路内に挿入させる第2の制御動作を実行可能な制御手段と、を具備したことを特徴とする。
【0033】
このように構成することにより、山登りAFでレンズが中間位置にある時、次のAFで最初どちらかに動かすかという検出動作を対策して高速化を達成することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。
【0035】
(第1の実施の形態)
図1は、この発明の第1の実施の形態に係るピント合わせ装置が適用された電子カメラの構成を示した図である。
【0036】
図1に於いて、被写体1の像は、ピント合わせ光学系を構成するピント合わせレンズ10を介して、撮像手段でありCCD等で構成される撮像素子11に結像される。そして、撮像素子11の出力は、A/D変換回路12を介してコントラスト出力手段としての機能を含む画像処理回路13へ供給される。この画像処理回路13には、制御手段としてのCPU15と、メモリ17と、LCDドライバ18を介してLCDパネル19とが接続されている。
【0037】
上記撮像素子11では、その露光時間中に画素毎の電荷が蓄積されて出力される。そして、撮像素子11の出力は、図示されないアンプにより適宜増幅された後、A/D変換回路12にてRGBの各原色成分毎にA/D変換されてデジタル値の画像信号となる。
【0038】
上記画像処理回路13では、上記A/D変換回路12でデジタル値に変換された画像信号が、カラーバランス、コントラストやエッジ強調、圧縮等の各種信号処理が施される。また、ここで得られた画像信号はLCDドライバ18に出力され、この画像信号に対応した画像がLCDパネル19に表示される。更に、画像処理回路13で得られた画像信号は、圧縮等の処理が行われた後、メモリ17に記録される。
【0039】
上記CPU15には、第1の光学系駆動手段(第1の駆動手段、第1の駆動制御手段、第1のアクチュエータ)である上記ピント合わせレンズ用のモータドライバ(レンズドライバ)21を介してレンズ用のモータ22が接続されている。このモータ22には送りねじ23が取り付けられており、上記ピント合わせレンズ10に設けられた一方の凸部と螺合している。また、上記ピント合わせレンズ10に設けられた他方の凸部の近傍には、該ピント合わせレンズ10を光軸方向(図示Z方向)に移動させるためのガイド24が設けられている。
【0040】
また、上記CPU15には、ファーストレリーズスイッチ15a及びセカンドレリーズスイッチ15bが接続されると共に、プランジャドライバ25を介して第2の光学系駆動手段(第2の駆動手段、第2の駆動制御手段、第2のアクチュエータ)であるプランジャ26が接続されている。プランジャ26は、電磁石の働きで鉄芯27を吸着させるものである。この鉄芯27は、第1のばね28によって、レバー30の当接部32を、図1に於いて下方に押し付けている。
【0041】
上記レバー30は、軸31を中心に揺動可能に支持されている。このレバー30に於いて、軸31を中心にした当接部32と反対側には、撮影光路中に挿入可能に、ピントシフト光学系であるピントシフトレンズ等の光学素子33が設けられている。プランジャ26が鉄芯27を吸着させる第2のバネ34の力で当接部32が上昇し、光学素子33が下降して撮影光路中に挿入される。このように、ピント合わせレンズ10とは別の第2のレンズとしての光学素子33が光路内で作用することが、この発明の1つの特徴となっている。
【0042】
このような構成に於いて、被写体1の像は、ピント合わせレンズ10を介して撮像素子11に結像する。ピント合わせレンズ10は、モータ22に取り付けられた送りねじ23によって、光軸方向(Z方向)に移動可能である。つまり、レンズドライバ21の通電によってモータ22が回転制御されると、送りねじ23が回転される。これにより、ピント合わせレンズ10は、ガイド24に沿って前後方向に移動する。
【0043】
こうしてピント調整がなされた後、得られた被写体1の像は、撮像素子11によって電気的な信号に変換された後、A/D変換回路12に出力される。そして、このA/D変換回路12によってデジタル値に変換されると、画像処理回路13に於いて、カラーバランスやコントラスト、エッジ強調、圧縮等の処理を経て、メモリ17に記録される。
【0044】
画像処理回路12の出力は、LCDドライバ18を介してLCD19に表示可能である。上記撮像素子11を常時作動させておくと、撮影者は、このLCD19をファインダとして見ながらの撮影が可能である。
【0045】
撮影者によるファーストレリーズスイッチ15a、セカンドレリーズスイッチ15bの制御状態は、CPU15で判定されて、これらの撮影シーケンスが制御される。上述したレンズドライバ21に加えて、プランジャドライバ25を介したプランジャ26の制御も、CPU15によって行われる。
【0046】
ところで、上述したように、ピント合わせレンズ10と撮像素子11との間にピントシフトレンズ等の光学素子を介入させることにより、図2に示されるようなピント位置シフトが可能となる。
【0047】
つまり、図2(a)に示されるように、ピント合わせレンズ10と撮像素子11の間に何も光学素子が存在しない場合にピントが合っている状態のレンズドライブ(LD)位置にて、図2(b)〜(d)に示されるように種々の光学素子が挿入されている。
【0048】
つまり、図2(b)では、ピント合わせレンズ10と撮像素子11との間に、透明平板33aが挿入されている。同様に、図2(c)ではピント合わせレンズ10と撮像素子11の間に凹レンズ33bが、図2(d)では凸レンズ33cが、それぞれ挿入されている。
【0049】
このとき、図2(b)及び(c)では、撮像素子11の、より奥の方にピントが合うことになり、この状態でピントを合わせる場合には、ピント合わせレンズ10をもっと前に出さなければ、撮像素子11上に結像させることはできない。一方、図2(d)に示されるように、凸レンズ33cが挿入された状態では、ピントの位置は撮像素子11の手前にきて、もっとピント合わせレンズを繰り込まなければ、撮像素子11上に結像させることはできない。
【0050】
図3に示されるように、像信号の高周波成分のコントラスト信号を縦軸に、レンズ制御位置(LD)を横軸にとると、所定の距離の被写体に対しては、所定のLD位置でコントラストがピークを形成し、ピント合わせすべき位置が決定する。
【0051】
つまり、光路内にピントシフトレンズ等の光学系が存在しない場合は、ピント合わせレンズ10の位置(LD位置)はLD1 が好ましく、光学素子33が挿入されている場合にはLD2 の位置が好ましい。いま、光学素子33無しの状態で、LD0 の位置からLD2 の位置までピント合わせレンズ10を移動させると、コントラスト値がピークを越したことがわかる。このとき、光学素子33が光路中に挿入されると、光学素子33無しの状態ではピントがずれていたのに、正しくピント合わせがなされる。
【0052】
つまり、先ず、光学素子33無しでピーク検知が行われ、ピークを過ぎてから光学素子33が挿入されて撮影されれば、山登りAF特有のレンズ戻しのステップを省略して、ピント合わせ制御が行える。すなわち、図3に於いて、LD0 からLD2 まで移動させた後、LD2 からLD1 にΔLDだけ戻す時間を省略することができる。
【0053】
また、LD0 のピント位置より遠い側に被写体1が存在している場合には、図4に示されるようなコントラストの特性曲線となる。この場合は、光学素子33が存在する場合の方が、先にピーク検出をすることができる。つまり、LD0 からLD4 に向って移動されると、ピント合わせレンズ位置がLD3 に至った時、LD4 にピークが存在していたことが、CPU15によっても認識することができる。
【0054】
そして、この場合は、光学素子33を光路中から退避させれば、図4に破線で示されるようなコントラスト特性曲線が得られるが故に、LD3 の位置でコントラストピーク、つまりピント良好となり、ΔLD分戻す制御をせずとも撮影可能な状態となる。
【0055】
また、LD0 の初期位置で光学素子33の光路中への挿入、退避でコントラスト値を判定すれば、図3及び図4の何れの状態であるかを判別することができる。
【0056】
つまり、光学素子33が存在しない方がコントラストが高まるならば図3の特性の状態であり、光学素子33が存在する方がコントラストが低いならば図4の特性の状態である。
【0057】
このように、光学素子33が、光路内への挿入、または光路外への退避によって、何れの方向にピント位置を移動させればよいかがを判別することができる。
【0058】
次に、以上説明した制御動作について、図5のフローチャートを参照して説明する。
【0059】
先ず、ステップS1にて、光学素子33が光路内に挿入される。そして、ステップS2にて、光学素子33が光路内に挿入された状態でのコントラスト値C1 が判定される。
【0060】
次いで、ステップS3にて、光学素子33が光路内から退避される。更に、ステップS4にて、光学素子33が光路内に存在しない状態でのコントラスト値C2 が判定される。
【0061】
このようにして得られたコントラスト値C1 とC2 とが、ステップS5に於いて比較されることにより、上述した図3の特性の状態か図4の特性の状態であるかがわかる。すなわち、光学素子33退避時のコントラスト値C2 の方が高ければ、図3の特性の状態であるとして、ステップS6へ移行する。一方、光学素子33挿入時のコントラスト値C1 の方が高ければ、図4の特性の状態であるとして、ステップS8へ移行する。
【0062】
図3の特性の状態では、上述したように、光学素子33無しの方が先にピーク検出をすることができる(LD2 よりLD1 の方がLD0 に近い)。したがって、ステップS6にてピント合わせレンズ10が繰り出された後、ステップS9にて光学素子33無しでコントラスト値が判定される。そして、ステップS10にてピント合わせレンズ10がを繰り出されて、ステップS11に於いてコントラストピークが検出される。
【0063】
ここで、コントラストピークが検出されなければ、上記ステップS9へ移行する。そして、コントラストピークが検出されるまで、ステップS9〜S11の処理が繰り返される。
【0064】
一方、図4の特性の状態では、光学素子33が挿入された方が先にピーク検出することができる(LD0 からLD4 の方がLD3 に近い)。したがって、ステップS7にて再度光学素子33が挿入され、続くステップS8にてレンズ繰り込み動作が開始される。そして、ステップS9〜S11にて、コントラストピーク検出動作が行われる。これによって、ピークを過ぎた所でレンズの制御動作が停止される。
【0065】
つまり、図3に示される特性の例ではLD2 までピント合わせレンズ10は動いており、また、図4に示される特性の例ではLD3 までピント合わせレンズ10が動いている。しかしながら、これらの状態で、従来のようなレンズ用のモータ22の反転動作によりピークに戻すことは行われない。
【0066】
上記ステップS11にてコントラストピークが検出されると、ステップS12にて光学素子33が光路内へ挿入されているか否かが判定される。その結果、光学素子33が挿入されていない場合は、ステップS13へ移行して光学素子33が光路内に挿入されてコントラストピーク位置とされる。一方、光学素子33が光路内に挿入されている場合は、ステップS14へ移行して光学素子33が光路外へ退避されてコントラストピーク位置とされる。
【0067】
こうした状態で、ステップS15にて撮影が行われる。これによって、コントラストのピーク位置、つまり、ピントの合った状態での撮影が可能となる。
【0068】
このように、第1の実施の形態によれば、山登りAFのような、レンズ移動方向の迷いや、ピーク検出後のモータ停止、反転の動作をなくして、高速のAF動作を達成することができる。基本は山登りAFと同じ原理によるので、レンズや部品に誤差があっても、正確なピント合わせが可能となる。
【0069】
但し、ここでは説明を簡略化して、ピーク検出後に行き過ぎた量ΔLDが、光学素子33の挿入によって変化するピーク位置差と同じであると仮定した。実際には、図6に示されるような考え方でこれを揃える必要がある。
【0070】
つまり、光学素子33の有無によるΔLDはピークの形状によって変化すると考え、ピークのなだらかさをΔCP という値で判定し、この値によってΔLDを決定するようにしている。この要因の他、この値は装置の部品の出来映えで変化する。
【0071】
したがって、これはカメラ個々に製造工程でチェックされてカメラ内のメモリ17に記録するようにしてもよい。このとき、ピークのなだらかさ毎にΔLDを別々に記録するようにする。
【0072】
このような想定の下に、光学素子33が光路内に存在しない状態でピント合わせレンズ10を動かしてコントラストを判定して、ピークが検出されたら、そのレンズ位置(LD1 )とコントラスト値(CP )より、所定の条件に於ける光学素子33によるピントシフト量ΔLD0 分前のLD値(LD5 )とコントラスト値CP1が求められ、これらの値が利用されて、ΔLDが決定されるようにしている。
【0073】
これにより、迅速で、且つ正確なAF撮影が可能となる。
【0074】
図6の特性図に示されるΔLD0 は、所定条件に於けるピント位置シフト量であり、ピークの形状をΔCP として表している。
【0075】
図7は、このように考えた場合のレンズ位置決定の動作を説明するフローチャートである。
【0076】
初めに、ステップS21〜S23にて、レンズ位置(LD)微動による各位置毎のコントラスト値がLD位置と共に記録される。そして。ステップS24に於いて、コントラスト値が下降であるか否かが判定される。ここで、まだ下降でなければ上記ステップS21へ移行して、以降の処理が繰り返される。
【0077】
一方、コントラストが下降であれば、ステップS25に移行して、ピーク位置のコントラストがCP とされる。次いで、ステップS26にて、ピークのLD位置がLD1 とされる。更に、ステップS27にて、ピーク検出されたLD値より所定値ΔLD0 だけ前の位置のコントラスト値CP1が検出される。
【0078】
そして、ステップS28にて、上記ΔCP によって、レンズ収差等により発生する光学素子33によるピント位置差ΔLDが決定される。その後、ステップS29にて、ピーク位置のLD1 にこのΔLDが加えられた値の位置に、ピント合わせレンズ10が移動される。
【0079】
このように、ピークの形状に応じて、ピントずれ量ΔLDが判定され、決定された所LD2 にピント位置が制御されるので、この後、光学素子33が挿入された時に正しくピントが合った状態で撮影を行うことができる。
【0080】
尚、上述した光学素子33は、露出時にCCDに入射する光を制限するNDフィルタ等を利用してもよい。この場合、図8に示されるように、NDフィルタ無しの場合に比べてコントラスト値が低下するが、NDフィルタによる光の減衰の割合は一定なので、図示されるように、所定の値を乗じて増幅演算して利用すればよい。但し、このNDフィルタは、本来、露出制御用のものであるので、これを代用する場合には、図5のフローチャートによる制御動作をそのまま実行することはできない。
【0081】
図9は、光学素子33にピントシフトレンズに代えてNDフィルタを使用した場合の制御動作について説明するフローチャートである。尚、以下に述べるフローチャートに於いて、ステップS31〜S42及びステップS48の処理動作は、光学素子33をNDフィルタに代えている他は、上述した図5のフローチャートに於けるステップS1〜S12及びステップS15の処理動作と同様であるので説明は省略する。
【0082】
ステップS42にて、NDフィルタが光路内へ挿入されているか否かが判定される。その結果、NDフィルタが挿入されていない場合はステップS43へ移行し、NDフィルタが光路内に挿入されている場合はステップS44へ移行する。
【0083】
ここで、NDフィルタは、露出の条件によっては、光路内に挿入可能な場合と不可能な場合があり、同様に光路から退避できる場合とできない場合がある。そのため、ステップS43では、NDフィルタの光路内への挿入がOKか否かが判定される。
【0084】
ここで、挿入可能であればステップS45へ移行してNDフィルタが光路内に挿入される。一方、NDフィルタが挿入できない場合は、ステップS46へ移行して、通常の山登りAFと同様に、ピント合わせレンズ10が逆転されて、各々の状態でピーク位置にセットされる。このとき、停止や再起動等に時間を要するが、撮像素子のダイナミックレンズを考慮して、露出が優先される。
【0085】
また、ステップS44では、NDフィルタが光路内から退避が可能か否かが判定される。そして、ステップS44にて、退避が可能であればステップS47へ移行して、NDフィルタが光路外へ退避される。しかしながら、上記ステップS44にて、NDフィルタの光路外への退避ができない場合は、ステップS46へ移行して、通常の山登りAFと同様にピント合わせレンズ10が逆転されて、各々の状態でピーク位置にセットされる。このとき、停止や再起動等に時間を要するが、撮像素子のダイナミックレンズを考慮して、露出が優先される。
【0086】
尚、上述した実施の形態では、もっぱら、NDフィルタや、図2(c)に示される凹レンズ33bのように、光路に挿入退避するレンズによってピントが撮像素子側にシフトする例で説明したが、例えば、図2(d)に示されるような凸レンズ33cが用いられるものであってもよい。但し、この場合、図3、図4に示されるΔLDの値は負の値となる。
【0087】
(第2の実施の形態)
また、上記第1の実施の形態のような通常のレンズ制御(LD)及びピントシフトによるAFの考え方を応用すると、図10(a)及び(b)に示されるように、撮像素子11の位置を2つの状態に設定可能として、ピント合わせの補助をする実施の形態が可能である。
【0088】
以下、そのような例について、この発明の第2の実施の形態として説明する。尚、電子カメラの構成等については、基本的に図1に示されたものと同様であるので、同一の部分には同一の参照番号を付して、その図示及び説明は省略する。
【0089】
図10(a)に於いて、プランジャ26がオフにされているとき、バネ37の力で、撮像素子11は位置制限枠部36の前方に当て付けられている。この状態で、プランジャ用のプランジャドライバ25が通電されると、プランジャ26の鉄芯27がプランジャ26内に吸引される。すると、図10(b)に示されるように、撮像素子11は位置制限枠部36の後方に当て付けられる。
【0090】
これら2つの状態は、高速で位置精度良く制御することができるので、通常のピント合わせレンズ10の制御と併用して、図5に類似したフローチャートにより効果的なAF装置を提供することができる。
【0091】
すなわち、図5のフローチャートに於いて、ステップS1、S3の「光学素子33挿入」、「光学素子33退避」を「プランジャ26のON」、「プランジャ26のOFF」に置き換えればよい。つまり、プランジャをオンにすれば、図10(b)に示されるように、ピント合わせレンズ10と撮像面の距離が広がる方向になるので、同じ被写体1を狙う場合にレンズはくり出さない状態でコントラストピークが出力される。
【0092】
したがって、レンズ制御(LD)位置とコントラスト信号は、図11に示されるような関係になる。これにより、図6の特性と比較して明らかなように、挿入される光学素子無しの状態がプランジャON、光学素子有りの状態がプランジャOFFの状態に対応することがわかる。
【0093】
この場合、図12のフローチャートに従ってピント合わせ動作が行われる。
【0094】
先ず、ステップS51にて、プランジャ26がON/OFFされてて得られたコントラスト値が検出される。これは、図5のフローチャートに於けるステップS1〜S4に相当する。
【0095】
次いで、ステップS52にて、プランジャ26がオンされるかオフにされるかが決定され、ステップS53で山登りAFの方向が決定される。これらは、図5のフローチャートに於けるステップS5〜S8に相当する。
【0096】
更に、ステップS54、S55にて、レンズが移動されながらコントラストの判定がなされる。これらステップS54、S55は、図5のフローチャートに於けるステップS9〜S11に相当する。
【0097】
そして、ステップS56にて、プランジャ26が、ON→OFF、またはOFF→ONに制御される。これは、図5のフローチャートのステップS12〜S14に相当する。これにより、ピーク位置にふさわしい方に撮像素子が移動される。
【0098】
図11の特性図から明らかなように、スルー画像のためのレンズ所定位置LD0 に於いて、プランジャON/OFFでコントラストが判定される。そして、プランジャONの方がコントラストが高いならば、レンズが繰り出し方向に移動され、プランジャOFFの方がコントラストが高いならば、レンズが繰り込み方向に移動されて、レンズ制御が開始される。
【0099】
繰り出し方向ではプランジャONで山登り判定がなされ、最後にプランジャがOFFにされてピント合わせが終了する。繰り込み方向ではその逆となる。
【0100】
このようなフローチャートに従って、高速、高精度のピント合わせが可能となる。
【0101】
以上説明したように、この第2の実施の形態では、撮像素子を可動としたので、これを高速で移動させることによって撮像素子の埃落とし等の応用ができる。
【0102】
(第3の実施の形態)
次に、図13乃至図16を参照して、この発明の第3の実施の形態を説明する。
【0103】
図13はズームレンズの動きを示したもので、(a)はワイド(広角)時、(b)はスタンダード(標準)時、(c)はテレ(望遠)時の、各状態を示した図である。
【0104】
図13(a)〜(c)に於いて、第1レンズ群41、第2レンズ群42及び第3レンズ群43は、それぞれ複数のレンズより構成されてズーミングにより変化する部分である。そして、第4レンズ群44がピント合わせレンズを構成している。尚、40は絞りである。
【0105】
このような構成で、ピント合わせ距離の逆数と、ピント合わせレンズの位置(LD)の関係を示すと、図14に示されるようになる。
【0106】
このように、同じLD位置、LD0 であっても、ピント合わせできる距離がズーム位置によって変化する。したがって、この第3の実施の形態では、図15のようなフローチャートに従って、ズーミングによるピント位置移動が山登りAFの補助に使用される。
【0107】
つまり、ステップS61にて、ピント合わせレンズ(第4レンズ群44)のスキャンにて、山登り検知(コントラストのピーク検知)が行われる。次いで、ステップS62にて、レンズが移動されながらコントラストの判定がなされる。
【0108】
そして、コントラストが検出されたならば、ステップS63に移行して、ズームレンズが微小シフトされて山のピーク状態にされる(図16参照)。例えば遠距離側からレンズを近距離側に対してくり出して行くと(図示曲線a)、山を越えた時に近距離にピントが合ってしまうので、ズームレンズを望遠側に微小シフトして(図示曲線b)、図14に示される特性の関係より、ピントの合う距離が補正される。
【0109】
以上説明したように、この第3の実施の形態によれば、特別な部材の追加なく、本発明の主旨に沿った技術を提供することができる。
【0110】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、山登りAFのすぐれた点である、誤差要因キャンセル特性を生かして高精度化を達成しながら、レンズ制御時の無駄な時間を短縮して高速化を達成することができる。
【0111】
そして、請求項1に記載の発明によれば、山登りAFに必要なピーク検知の後、つまりピーク通過後の戻し動作をなくして、高速化を達成することができる。
【0112】
また、請求項2に記載の発明によれば、山登りAFに必要なピーク検知の後、つまりピーク通過後の戻し動作をなくして、高速化を達成することができる。
【0113】
請求項3に記載の発明によれば、山登りAFに必要なピーク検知の後、つまりピーク通過後の戻し動作をなくして、高速化を達成することができる。
【0114】
請求項4に記載の発明によれば、山登りAFに必要なピーク検知の後、つまりピーク通過後の戻し動作をなくして、高速化を達成することができる。
【0115】
請求項5に記載の発明によれば、山登りAFに必要なピーク検知の後、つまりピーク通過後の戻し動作をなくして、高速化を達成することができる。
【0116】
請求項6に記載の発明によれば、山登りAFに必要なピーク検知の後、つまりピーク通過後の戻し動作をなくして、高速化を達成することができる。
【0117】
請求項7に記載の発明によれば、山登りAFに必要なピーク検知の後、つまりピーク通過後の戻し動作をなくして、高速化を達成することができる。
【0118】
請求項8に記載の発明によれば、山登りAFでレンズが中間位置にある時、次のAFで最初どちらかに動かすかという検出動作を対策して高速化を達成することができる。
【0119】
請求項9に記載の発明によれば、新たに光学系を設けなくともよく、コスト上昇を防止することができる。
【0120】
請求項10に記載の発明によれば、山登りAFでレンズが中間位置にある時、次のAFで最初どちらかに動かすかという検出動作を対策して高速化を達成することができる。
【0121】
請求項11に記載の発明によれば、山登りAFでレンズが中間位置にある時、次のAFで最初どちらかに動かすかという検出動作を対策して高速化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態に係るピント合わせ装置が適用された電子カメラの構成を示した図である。
【図2】ピント合わせレンズ10から撮像素子11までの光学系の構成を示すもので、(a)は両者の間に何も挿入されていない状態を示した図、(b)は透明平板33aが挿入されている例を示した図、(c)は凹レンズ33bが挿入されている例を示した図、(d)は凸レンズ33c挿入されている例を示した図である。
【図3】光学素子33の有無による像信号のコントラスト信号とレンズ制御位置(LD)との関係を示した特性図である。
【図4】LD0 のピント位置より遠い側に被写体1が存在している場合の光学素子33の有無による像信号のコントラスト信号とレンズ制御位置(LD)との関係を示した特性図である。
【図5】この発明の第1の実施の形態に於けるカメラのピント合わせ動作を説明するフローチャートである。
【図6】光学素子33の有無による像信号のコントラスト信号とレンズ制御位置(LD)との関係を示した別の例の特性図である。
【図7】レンズ位置決定の動作を説明するフローチャートである。
【図8】第1の実施の形態の変形例であって、NDフィルタの有無による像信号のコントラスト信号とレンズ制御位置(LD)との関係を示した特性図である。
【図9】第1の実施の形態の変形例であるカメラのピント合わせ動作を説明するフローチャートである。
【図10】この発明の第2の実施の形態に係るピント合わせ装置の概略を示した構成図である。
【図11】第2の実施の形態に於ける像信号のコントラスト信号とレンズ制御位置(LD)との関係を示した特性図である。
【図12】第2の実施の形態に於けるピント合わせ動作を説明するフローチャートである。
【図13】この発明の第3の実施の形態を説明するもので、(a)はワイド(広角)時のズームレンズの状態を示した図、(b)はスタンダード(標準)時のズームレンズの状態を示した図、(c)はテレ(望遠)時のズームレンズの状態を示した図である。
【図14】第3の実施の形態に於けるピント合わせ距離の逆数とピント合わせレンズの位置(LD)の関係を示した特性図である。
【図15】第3の実施の形態に於けるカメラのピント合わせ動作を説明するフローチャートである。
【図16】第3の実施の形態に於ける像信号のコントラスト信号とレンズ制御位置(LD)との関係を示した特性図である。
【符号の説明】
1…被写体、10…ピント合わせレンズ、11…撮像素子、12…A/D変換回路、13…画像処理回路、15…CPU、17…メモリ、18…LCDドライバ、19…LCD、21…モータドライバ(レンズドライバ)、22…モータ、24…ガイド、25…プランジャドライバ、26…プランジャ、27…鉄芯、30…レバー、32…当接部、33…光学素子。
Claims (11)
- 被写体像を結像してデジタル値の電気信号に変換する撮像手段と、
上記撮像手段に結像される被写体像のピントを、光軸方向に移動させて合わせるピント合わせ光学系と、
上記撮像手段の出力より上記被写体像のコントラスト信号を出力するコントラスト出力手段と、
上記コントラスト出力手段の出力に従って上記ピント合わせ光学系の位置を上記光軸方向に移動制御する第1の光学系駆動手段と、
上記ピント合わせ光学系の光路内に挿脱可能で、上記ピント合わせ光学系により合わせられたピント位置を上記光軸方向にシフトさせるピントシフト光学系と、
上記ピントシフト光学系を上記ピント合わせ光学系の光路内に挿脱するもので、上記第1の光学系駆動手段とは異なる第2の光学系駆動手段と、
上記ピント合わせ光学系駆動後に上記ピントシフト光学系を、上記光路内から退避若しくは上記光路内に挿入することによって、最終のピント合わせ制御を行う制御手段と、
を具備することを特徴とするピント合わせ装置。 - 上記制御手段は、上記コントラストの出力がピークを過ぎた段階で、上記第2の光学系駆動手段を制御して上記ピントシフト光学系を駆動することを特徴とする請求項1に記載のピント合わせ装置。
- 被写体像を結像してデジタル値の電気信号に変換する撮像手段と、
上記撮像手段に結像される被写体像のピントを、光軸方向に移動させて合わせるピント合わせ光学系と、
上記撮像手段の出力より上記被写体像のコントラスト信号を出力するコントラスト出力手段と、
上記コントラスト出力手段の出力に従って上記ピント合わせ光学系の位置を上記光軸方向に移動制御する第1の光学系駆動手段と、
上記撮像手段を上記光軸方向に移動させるもので、上記第1の光学系駆動手段とは異なる第2の光学系駆動手段と、
上記ピント合わせ光学系駆動後に上記第2の光学系駆動手段を駆動制御して上記撮像手段を上記光軸方向にシフトさせる制御手段と、
を具備することを特徴とするピント合わせ装置。 - 上記制御手段は、上記コントラストの出力がピークを過ぎた段階で、上記第2の光学系駆動手段を制御して上記撮像手段を移動させることを特徴とする請求項3に記載のピント合わせ装置。
- ピント合わせ光学系を介して、被写体像を結像する撮像手段と、
上記撮像手段の出力より上記被写体像のコントラスト信号を出力するコントラスト出力手段と、
上記ピント合わせ光学系を光軸方向に移動させた時の上記コントラスト出力手段の出力に従って上記ピント合わせ光学系を制御する第1のレンズ駆動手段と、
上記ピント合わせ光学系とは異なる第2のレンズ駆動手段によって制御されるピントシフト光学系と、
上記ピント合わせ光学系駆動後に上記ピントシフト光学系を、撮影光路内から退避若しくは光路内に挿入することによって、最終のピント合わせを行う制御を行う制御手段と、
を具備することを特徴とするピント合わせ装置。 - 上記制御手段は、上記ピント合わせ光学系の移動による上記コントラスト出力変化を検出し、上記コントラスト出力がピークを過ぎた段階で、上記ピントシフト光学系を駆動することを特徴とする請求項5に記載のピント合わせ装置。
- ピント合わせ光学系を第1のアクチュエータで駆動し、上記ピント合わせ光学系を介した被写体像のコントラストピークを撮像素子で検出して、被写体のピント合わせを行うピント合わせ装置に於いて、
上記撮像素子の位置を上記ピント合わせ光学系の光軸方向に移動させるもので、上記第1のアクチュエータとは異なる第2のアクチュエータと、
上記被写体像のコントラストピークを過ぎた段階で、上記第2のアクチュエータを駆動して上記撮像素子の位置を切換制御することによって最終のピント合わせを行う制御手段と、
を具備することを特徴とするピント合わせ装置。 - 第1のアクチュエータによって光軸方向に駆動されるピント合わせレンズと、
上記ピント合わせレンズを介して被写体像を検出する撮像手段と、
上記第1のアクチュエータとは異なる第2のアクチュエータによって上記光軸方向と直交する方向に位置変位する光学部材と、
上記光学部材の光路内への挿入状態によって得られた上記撮像手段の出力により、上記ピント合わせレンズの駆動方向を決定して、上記ピント合わせレンズを駆動するピント制御手段と、
を具備することを特徴とするピント合わせ装置。 - 上記光学部材は、上記撮像手段に入射する光量を露出制御時に制限するNDフィルタであることを特徴とする請求項8に記載のピント合わせ装置。
- ピント合わせ光学系を介して被写体像を検出する撮像手段と、
上記撮像手段の出力より上記被写体像のコントラスト信号を出力するコントラスト出力手段と、
上記ピント合わせ光学系を光軸方向に移動させながら上記コントラスト出力手段の出力変化を検出し、上記コントラスト信号のピークを越えたところで上記ピント合わせ光学系の駆動制御を終了する第1の駆動制御手段と、
上記ピント合わせ光学系の光路内に挿脱可能なピントシフト光学系と、
上記第1の駆動制御手段による駆動制御の終了後、上記ピントシフト光学系を上記撮影光路に挿入、若しくは上記撮影光路から退避させる第2の駆動制御手段と、
を具備したことを特徴とするピント合わせ装置。 - ピント合わせ光学系と、
このピント合わせ光学系を介して被写体像を結像する撮像手段と、
上記撮像手段の出力より、上記被写体像のコントラスト信号を出力するコントラスト出力手段と、
上記ピント合わせ光学系を光軸方向に移動させる第1の駆動手段と、
上記ピント光学系の光路内に挿脱可能なピントシフト光学系と、
上記ピントシフト光学系を駆動する第2の駆動手段と、
上記ピントシフト光学系が上記ピント合わせ光学系の光路内に挿入した状態、若しくは上記光路内から退避した状態に於いて、上記第1の駆動手段を制御して上記ピント合わせ光学系を光軸方向に移動させ、その際の上記コントラスト出力手段の出力変化に基づいて上記コントラスト信号のピークを越えた位置に上記ピント合わせ光学系を停止させる第1の制御動作と、上記第1の制御動作の終了後、上記第2の駆動手段を制御して上記ピントシフト光学系を、上記撮影光路内から退避、若しくは上記光路内に挿入させる第2の制御動作を実行可能な制御手段と、
を具備したことを特徴とするピント合わせ装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003100437A JP2004309644A (ja) | 2003-04-03 | 2003-04-03 | ピント合わせ装置 |
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JP2003100437A JP2004309644A (ja) | 2003-04-03 | 2003-04-03 | ピント合わせ装置 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006145813A (ja) * | 2004-11-19 | 2006-06-08 | Pentax Corp | デジタルカメラ |
WO2010150453A1 (ja) * | 2009-06-25 | 2010-12-29 | パナソニック株式会社 | カメラ装置およびカメラ装置の製造方法 |
WO2011023214A1 (en) * | 2009-08-31 | 2011-03-03 | Hi-Key Limited | Method for determining the sharpness of a fixed-focus camera, test device for testing the sharpness of a fixed-focus camera, fixed-focus camera as well as method for assembling a fixed-focus camera |
CN105988180A (zh) * | 2015-02-13 | 2016-10-05 | 信泰光学(深圳)有限公司 | 可快速对焦的光学装置 |
-
2003
- 2003-04-03 JP JP2003100437A patent/JP2004309644A/ja not_active Withdrawn
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