JP2004309311A - 回転位置検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】検出精度を向上させることができる回転位置検出装置を提供する。
【解決手段】導体パターン40は、回転基板25の中心軸C1を中心として径が異なる第1〜第8導体配列線上に間隔を空けて配列される導体部41a〜48aと、回転基板25の中心軸C1に最も近い箇所に位置するリング状の共通導体部49aとから一体的に形成されている。
【選択図】 図4
【解決手段】導体パターン40は、回転基板25の中心軸C1を中心として径が異なる第1〜第8導体配列線上に間隔を空けて配列される導体部41a〜48aと、回転基板25の中心軸C1に最も近い箇所に位置するリング状の共通導体部49aとから一体的に形成されている。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転位置検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、車両用エアコン等においては、車両に配設された空調用ダクト内に、内外気切換えダンパやエアミックスダンパ等が備えられており、これらダンパの開度量(角度)に基づいて、内外気の切換えや送風エアの温度調節等が可能となっている。空調用ダクト内の各ダンパは、車両内に配設されたモータにより駆動され、ユーザ(運転者等)の操作に基づいて所定の開度量に調節される。ダンパの開度量(角度)を検出する方法としては、モータの駆動により作動する回転体の中心軸周りに沿って複数列で配設された導体パターンに、位置検出ブラシを接触して得られる電気的な信号の組み合わせパターンによって検出するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−70533号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、車室内空間の更なる快適性が求められており、温度調節等のきめ細かな制御が要求されている。このため、車両に配設された空調用ダクト内では、送風エアの温度調節等を行なう各ダンパの開度量の制御が益々複雑化する傾向にある。よって、各ダンパの開度量を検出する回転位置検出装置においては、検出位置の大幅な増加や、検出精度の更なる向上が要求されている。ところが、従来の導体パターンのパターン設計では、回転体の回転位置を増やすことが困難であった。従って、回転位置検出装置の検出精度を更に向上させることが困難となっていた。
【0005】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、検出精度を向上させることができる回転位置検出装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、モータによって駆動される回転体と、前記回転体の中心軸を中心として径が異なる複数の導体配列線上に間隔を空けて配列される導体部と、前記各導体配列線上にあるそれぞれの導体部に接する複数の位置検出ブラシとを備え、前記導体部と前記位置検出ブラシとが接触することにより得られる出力信号によって、前記回転体の回転位置を検出するようにした回転位置検出装置において、前記各導体配列線のうち任意の導体配列線上にある導体部の間隔を、それよりも内側に位置する別の導体配列線上にある導体部の間隔よりも狭くなるように設定したことをその要旨とする。
【0007】
この構成にすれば、回転体が回転すると、任意の導体配列線上にある導体部の移動量の誤差は、別の導体配列線上にある導体部の移動量の誤差よりも小さい。このため、導体部の形成パターンを複雑化させることなく、回転体の検出位置の数を増やすことができる。よって、回転体をきめ細かく回転させることができるため、同回転体の回転位置を正確に検出することが可能となる。従って、回転位置検出装置の検出精度を向上させることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明では、モータによって駆動される回転体と、前記回転体の中心軸を中心として径が異なる複数の導体配列線上に間隔を空けて配列される導体部と、前記各導体配列線上にあるそれぞれの導体部に接する複数の位置検出ブラシとを備え、前記導体部と前記位置検出ブラシとが接触することにより得られる出力信号によって、前記回転体の回転位置を検出するようにした回転位置検出装置において、前記導体部が配列されている配列面を、中心角がそれぞれ所定値に設定されている複数の領域に区分けし、それら領域のうち、特定の領域では各導体配列線上にある導体部の間隔を狭く設定する一方、別の領域では各導体配列線上にある導体部の間隔を前記特定の領域における導体部の間隔よりも広く設定したことをその要旨とする。
【0009】
この構成にすれば、中心角が所定値に設定されている特定の領域では、導体部の間隔を狭く設定して、回転体の検出位置の数を多くすることにより、同回転体の位置検出精度を高く設定することができる。一方、別の領域では、導体部の間隔を前記特定の領域における導体部間の間隔よりも広く設定し、回転体の検出位置の数を少なくすることにより、同回転体の位置検出精度を前記特定の領域よりも低く設定することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、モータによって駆動される回転体と、前記回転体の中心軸を中心として径が異なる複数の導体配列線上に間隔を空けて配列される導体部と、前記各導体配列線上にあるそれぞれの導体部に接する複数の位置検出ブラシとを備え、前記導体部と前記位置検出ブラシとが接触することにより得られる出力信号によって、前記回転体の回転位置を検出するようにした回転位置検出装置において、前記各導体配列線のうち特定の導体配列線上にある導体部の間隔を、それよりも内側に位置する別の導体配列線上にある導体部の間隔よりも狭くなるように設定し、前記導体部が配列されている配列面を、中心角がそれぞれ所定値に設定されている複数の領域に区分けし、それら領域のうち、特定の領域では各導体配列線上にある導体部の間隔を狭く設定する一方、別の領域では各導体配列線上にある導体部の間隔を前記特定の領域における導体部の間隔よりも広く設定したことをその要旨とする。
【0011】
この構成にすれば、請求項1の発明及び請求項2の発明と同等の作用を発揮することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は3に記載の発明において、前記回転体の中心軸から遠い導体配列線上にある導体部の間隔ほど順次狭くなるように設定されていることをその要旨とする。
【0012】
この構成にすれば、回転体が回転すると、任意の導体配列線上にある導体部の移動量の誤差は、別の導体配列線上にある導体部の移動量の誤差よりも小さい。このため、回転体の中心軸から遠い導体配列線にある導体部の間隔ほど順次狭くなるように設定することにより、回転体の検出位置の数を効率良く増やすことができる。よって、回転体を更にきめ細かく回転させることができるため、同回転体の回転位置をより一層正確に検出することが可能となる。従って、回転位置検出装置の検出精度をより一層向上させることができる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の発明において、前記回転体の回転位置は、前記出力信号の組み合わせパターンに基づいて検出され、所定の回転位置で検出される出力信号の組み合わせパターンを、次回の検出位置で検出される出力信号の組み合わせパターンと比較して1つの出力信号のみが切り替わるように、各導体配列線上にある導体部の配列関係が設定されていることをその要旨とする。
【0014】
この構成にすれば、複数の出力信号が同時に切換えられることは無いため、出力信号の切換えタイミングがずれることはない。よって、回転位置検出装置は、回転位置の誤検出が防止されるため、その検出結果に対する信頼性を向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した一実施形態について、図面を参照に説明する。
【0016】
図1に示すように、車両内の空調ダクト10内には、ブロアーモータ11とファン12とが配設されており、ブロアーモータ11が駆動してファン12が回転することにより、同空調ダクト10の各吹き出し口13a〜13cから空気が送風される。ファン12は、空調ダクト10内の内外気切り換えダンパ14の切り換え動作により、車内の内気又はエンジンルームからの外気を吸引する。そして、ファン12の回転により吸気された空気は、空調ダクト10内のエバポレータ15、ヒータコア16及びエアミックスダンパ17によって、所定の温度に熱交換された後、空調ダクト10内の吹き出し口切り換えダンパ18,19の開度量に基づいて各吹き出し口13a〜13cから送風される。
【0017】
アクチュエータ22は、各ダンパ14,17〜19を駆動するためのモータ23を駆動源とし、それらの出力軸には、減速機構等を介して従動部(各ダンパ14,17〜19)が連結されている。詳しくは、コントローラ20が、ユーザの操作に応じて生成されるパルス信号によりアンプを介してモータ23を駆動し、その駆動力によって作動軸が回動されることで、リンク機構等を介して連結された各ダンパ14、17、18の角度(開度量)が調節される。
【0018】
図2に示すように、アクチュエータ22は、モータ23の作動軸24に設けられた回転体としての円形状の回転基板25を備えている。回転基板25の表面には、その中心軸C1周りに導体パターン40が形成されている。回転基板25の表面には、その回転時に導体パターン40に対し摺動する複数の位置検出ブラシ31〜39が配設されている。位置検出ブラシ31〜39は、コントローラ20の入力側に接続されている。そして、コントローラ20は、各位置検出ブラシ31〜39から入力される出力信号に基づいて、回転基板25の回転位置を検出するとともに、モータ23の駆動制御を行う。
【0019】
図3、図4に示すように、導体パターン40は、回転基板25の中心軸C1を中心として径が異なる第1〜第8導体配列線41〜48上に間隔41b〜48bを空けて配列される導体部41a〜48aと、回転基板25の中心軸C1に最も近い箇所に位置するリング状の共通導体部49aとから一体的に形成されている。
【0020】
各導体配列線41〜48のうち任意の導体配列線41〜47上にある導体部41a〜47aの間隔41b〜47bは、それよりも内側に位置する別の導体配列線42〜48上にある導体部42a〜48aの間隔42b〜48bよりも狭くなるように設定されている。本実施形態では、回転基板25の中心軸C1から遠い導体配列線41〜48上にある導体部41a〜48aの間隔41b〜48bほど狭くなるように設定されている。ここでいう間隔とは、各導体配列線41〜48に沿った方向の各導体部41a〜48a間の距離のことをいう。
【0021】
例えば、第1導体配列線41上に配設された導体部41a間の間隔41bは、その内側の第2導体配列線42上に配設された導体部42a間の間隔42bよりも狭く設定されている。また、第2導体配列線42上に配設された導体部42a間の前記間隔42bは、その内側の第3導体配列線43上に配設された導体部43a間の間隔43bよりも狭く設定されている。
【0022】
各位置検出ブラシ31〜38は、回転基板25の回動時に、各導体配列線41〜48上に配設された導体部41a〜48aに対し接触可能となっている。各位置検出ブラシ31〜38は、導体部41a〜48aが配設された導体配列線41〜48と対応するように設けられ、その配列線が回転基板25の中心軸C1を通るように配置されている。各位置検出ブラシ31〜38と導体部41a〜48aとが接触状態にあるとき、ハイレベルの出力信号(2進コードで1)がコントローラ20に入力され、各位置検出ブラシ31〜38と導体部41a〜48aとが非接触状態にあるとき、ロウレベルの出力信号(2進コードで0)がコントローラ20に入力される。位置検出ブラシ39は、共通導体部49aに常時接触されている。コントローラ20は、その出力側にモータ23が接続されており、各位置検出ブラシ31〜38から出力される出力信号の組み合わせパターンに基づいて、回転基板25の回転位置を検出し、モータ23の駆動制御を行なう。
【0023】
図5に示すように、コントローラ20には、回転基板25上の導体パターン40と対応するコード表50が記憶されている。コード表50は、縦軸が位置検出ブラシ31〜38からの出力信号(1又は0)に対応し、横軸が回転基板25の回転位置Pos1〜256における出力信号の組み合わせパターン52が記憶されている。コントローラ20は、出力信号の組み合わせパターン52に基づいて、回転基板25の回転位置を算出する。
【0024】
任意の回転位置Pos1〜256で検出される出力信号の組み合わせパターン52を、次回の回転位置Pos1〜256で検出される出力信号の組み合わせパターン52と比較した場合、1つの出力信号のみが切り替わるように、各導体配列線41〜48上にある導体部41a〜48aの配列関係が設定されている。例えば、回転位置Pos1で検出される出力信号(1又は0)の組み合わせパターン52を、次回の回転位置Pos2で検出される出力信号(1又は0)の組み合わせパターン52と比較した場合、第2導体配列線上における導体部42aと位置検出ブラシ32との接触による出力信号のみが0から1へ切換えられている。また、回転位置Pos2検出される出力信号(1又は0)の組み合わせパターン52を、次回の回転位置Pos3で検出される出力信号(1又は0)の組み合わせパターン52と比較した場合、第1導体配列線上における導体部41aと位置検出ブラシ31との接触による出力信号のみが1から0へ切換えられている。
【0025】
上記実施形態によれば、以下のような特徴を得ることができる。
(1)各導体配列線41〜48のうち任意の導体配列線41〜47上にある導体部41a〜47aの間隔41b〜47bは、それよりも内側に位置する別の導体配列線42〜48上にある導体部42a〜48aの間隔42b〜48bよりも狭くなるように設定されている。このようにすれば、回転基板25が回転すると、任意の導体配列線41〜47上にある導体部41a〜47aの移動量の誤差は、別の導体配列線42〜48上にある導体部42a〜48aの移動量の誤差よりも小さい。このため、導体パターン40のパターン設計を複雑化させることなく、回転基板25の検出位置の数を増やすことができる。よって、回転基板25をきめ細かく回転させることができるため、同回転基板25の回転位置を正確に検出することが可能となる。従って、回転位置検出装置の検出精度を向上させることができる。
【0026】
(2)回転基板25が回転すると、任意の導体配列線41〜47上にある導体部41a〜47aの移動量の誤差は、別の導体配列線42〜48上にある導体部42a〜48aの移動量の誤差よりも小さい。このため、回転基板25の中心軸C1から遠い導体配列線41〜48にある導体部41a〜48aの間隔41b〜48bほど順次狭くなるように設定することにより、回転基板25の検出位置の数を効率良く増やすことができる。よって、回転基板25を更にきめ細かく回転させることができるため、同回転基板25の回転位置をより一層正確に検出することが可能となる。従って、回転位置検出装置の検出精度をより一層向上させることができる。
【0027】
(3)任意の回転位置Pos1〜256で検出される出力信号の組み合わせパターン52を、次回の回転位置Pos1〜256で検出される出力信号の組み合わせパターン52と比較した場合、1つの出力信号のみが切り替わるように、各導体配列線41〜48上にある導体部41a〜48aの配列関係が設定されている。このようにすれば、複数の出力信号が同時に切換えられることは無いため、出力信号の切換えタイミングがずれることはない。よって、回転位置検出装置は、回転位置の誤検出が防止されるため、その検出結果に対する信頼性を向上させることができる。
【0028】
(4)回転基板25の回転位置の総数(本実施形態では256)は、回転基板25の全域作動角(回転基板25の回動範囲)を、回転基板25の位置検出精度の指標となるばらつき幅で割った値として算出される。この場合、回転基板25の回転位置の総数は、回転基板25の全域作動角をポテンシャルメータによる位置検出精度で割った値よりも多く設定するのが好ましい。ポテンシャルメータとは、回転基板の表面に可変電圧部を設け、回転位置を電圧や抵抗に変換して検出する回転位置検出装置のことをいう。このようにすることで、回転基板25の位置検出精度を、少なくともポテンシャルメータによる位置検出精度よりも高く設定することが可能となる。
【0029】
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態を図6、図7に従って説明する。なお、第2実施形態の回転位置検出装置は、第1実施形態の導体パターン40を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明は省略する。
【0030】
図6に示すように、本実施形態では導体配列線41〜44の数が4つとなっており、導体パターン60は、第1〜第4導体配列線41〜44上に間隔61b〜61d,62c,63b,64bを空けて配列される導体部61a〜64aと、共通導体部69aとから一体的に形成されている。
【0031】
前記回転基板25において導体部61a〜64aが配列されている配列面25aは、所定の中心角P1に設定された特定の領域Aと、所定の中心角P2に設定された別の領域Bとに区分けされている。この場合、特定の領域Aにおける各導体配列線41〜44上にある導体部61a〜64aの間隔61b,63b,64bと、別の領域Bにおける各導体配列線41〜44上にある導体部61a〜64aの間隔61c,61d,62cとでは間隔の大きさが異なっている。すなわち、別の領域Bにおける各導体配列線41〜44上にある導体部61a〜64aの間隔61c,61d,62cは、特定の領域Aにおけるそれよりも広く設定されている。ここでいう間隔とは、各導体配列線41〜44に沿った方向の各導体部61a〜64a間の距離のことをいう。例えば、別の領域Bにおいて第1導体配列線41上にある導体部61aの間隔61c,61dは、特定の領域Aにおける第1導体配列線41上にある導体部61aの間隔61bよりも広く設定されている。上述したように、特定の領域Aにおける各導体配列線41〜44上にある導体部61a〜64aの間隔61b,63b,64bと、別の領域Bにおける各導体配列線41〜44上にある導体部61a〜64aの間隔61c,61d,62cとを異ならせたのは、回転基板25の位置検出精度に差異を持たせるためである。
【0032】
図7に示すように、コントローラ20には、回転基板25上の導体パターン60と対応するコード表70が記憶されている。任意の回転位置Pos1〜256で検出される出力信号の組み合わせパターン72を、次回の回転位置Pos1〜256で検出される出力信号の組み合わせパターン72と比較した場合、1つの出力信号のみが切り替わるように、各導体配列線41〜44上の導体部61a〜64aの配列関係が設定されている。
【0033】
従って、本実施形態によれば、前記第1実施形態における(1)〜(4)に記載の特徴に加えて、以下のような特徴を得ることができる。
(5)別の領域Bにおいて第1導体配列線41上にある導体部61aの間隔61c,61dは、特定の領域Aにおける第1導体配列線41上にある導体部61aの間隔61bよりも広く設定されている。この場合、別の領域Bでは、回転基板25の検出位置の数を特定の領域Aよりも少なくすることにより、同回転基板25の位置検出精度を前記特定の領域Aよりも低く設定することができる。つまり、特定の領域Aでのみ、回転基板25の位置検出精度を高く設定することが可能となる。従って、回転位置検出装置は、1つの導体パターン60によって、検出精度が高い特定の回転範囲と、前記特定の範囲よりも検出精度が低い回転範囲とを両方備えることができる。
【0034】
(第3実施形態)
以下、本発明の第3実施形態を図8に従って説明する。なお、第3実施形態の回転位置検出装置は、第1実施形態及び第2実施形態の導体パターン40,60を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明は省略する。
【0035】
図8に示すように、導体パターン80は、第1〜第8導体配列線41〜48上に間隔を空けて配列される導体部81a〜88aと、回転基板25の中心軸C1に最も近い箇所に位置するリング状の共通導体部89aとから一体的に形成されている。
【0036】
各導体配列線41〜48のうち任意の導体配列線41〜47上にある導体部81a〜87aの間隔81b〜87bは、それよりも内側に位置する別の導体配列線82〜88上にある導体部82a〜88aの間隔よりも狭くなるように設定されている。例えば、第1導体配列線41上に配設された導体部81a間の間隔81bは、その内側の第2導体配列線82上に配設された導体部82a間の間隔82bよりも狭く設定されている。
【0037】
回転基板25において導体部81a〜88aが配列されている配列面25aは、特定の領域Aと別の領域Bとに区分けされている。特定の領域Aと別の領域Bとでは、各導体配列線41〜48上にある導体部81a〜88aの間隔81b〜81d,82b,82c,83b,83c,84b,85b,86b,87b,88bが異なっている。例えば、別の領域Bにおいて第1導体配列線41上にある導体部81aの間隔81c,81dは、特定の領域Aにおける第1導体配列線41上にある導体部81aの間隔81bよりも広く設定されている。
【0038】
なお、前記実施形態(前記第1実施形態〜前記第3実施形態)は以下のように変更してもよい。
前記第1〜3実施形態において、各位置検出ブラシ31〜38は、その配列線が回転基板25の中心軸C1を通るように、かつ1箇所にまとまって配置されていた。これ以外の構成として、図9に示すように、各位置検出ブラシ31〜38を2箇所に分けて配置してもよい。また、図10に示すように、各位置検出ブラシ31〜38を4箇所以上に分けて配置してもよい。このように、各位置検出ブラシ31〜38を複数箇所に分けて配置すれば、回転基板25の全域作動角が小さくなるとともに、同回転基板25の外径を小さくすることができる。従って、回転位置検出装置の小型化を達成することができる。また、各位置検出ブラシ31〜38を複数箇所に分けて配置すれば、各位置検出ブラシ31〜38の間隔を広く確保することもできる。従って、各位置検出ブラシ31〜38は、各導体部91a〜98a,101a〜108aにおける接点間での絶縁性を保つことができる。また、各位置検出ブラシ31〜38は、各導体部91a〜98a,101a〜108aとの接点数を増やすことが可能となり、接触抵抗を安定化させることができる。このため、回転位置の誤検出等が防止され、回転位置検出装置の信頼性をより一層向上させることができる。
【0039】
・前記第1〜3実施形態において、回転基板25の回転位置の総数は256箇所に設定されていた。これ以外の構成として、回転基板25の回転位置の総数は、256箇所に限定することなく、任意の数に設定することができる。この場合、回転基板25の回転位置の総数をできるだけ多く設定することにより、回転基板25の位置検出精度をより一層向上させることができる。
【0040】
・前記第1〜3実施形態において、導体パターン40,60,80と位置検出ブラシ31〜38との電気的な接点による出力信号がコントローラ20に入力されることで、回転基板25の回転位置を検出していた。これ以外の構成として、例えばフォトカプラ等を用いて、光学的方法により導体パターン40,60、80を読み取り、回転基板25の回転位置を検出するようにしてもよい。又は、例えばホール素子等を用いて、磁気的な方法により導体パターン40,60,80を読み取り、回転基板25の回転位置を検出するようにしてもよい。
【0041】
・前記第1〜3実施形態において、回転位置検出装置は、車両に配設された空調ダクト10内の各ダンパ14,17〜19の開度量を駆動制御するものとして具体化されていた。これ以外の構成として、回転位置検出装置は、車両に配設されたパワーウィンドやサンバイザ等を駆動制御するものに具体化してもよい。また、回転位置の検出を行うものであれば、車両以外であってもよく、例えば、工作機械や各種製造装置に搭載されたステージやターンテーブルを駆動制御するものに具体化してもよい。
【0042】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に記載する。
(1)請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の発明において、車両の空調用として配設されるとともに、前記回転体の回転位置の総数を所定値以上に設定したことを特徴とする回転位置検出装置。このようにすることで、回転位置検出装置による検出精度をより一層向上させることができる。
【0043】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、回転位置検出装置の検出精度の向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用空調ダクト内の概略構成図。
【図2】第1〜第3実施形態における回転位置検出装置の概略構成図。
【図3】第1〜第3実施形態における導体配列線を説明するための図。
【図4】第1実施形態における回転基板の拡大平面図。
【図5】同じく回転基板上の導体パターンと対応するコード表。
【図6】第2実施形態における回転基板の拡大平面図。
【図7】同じく回転基板上の導体パターンと対応するコード表。
【図8】第3実施形態における回転基板の拡大平面図。
【図9】別例の回転基板の拡大平面図。
【図10】別例の回転基板の拡大平面図。
【符号の説明】
23…モータ、25…回路基板(回転体)、C1…中心軸、25a…配列面、31〜39…位置検出ブラシ、41a〜49a…導体部、41〜49…導体配列線、41b,42b,43b…間隔、A,B…領域、Pos1〜256…回転位置、P1,P2…中心角。
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転位置検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、車両用エアコン等においては、車両に配設された空調用ダクト内に、内外気切換えダンパやエアミックスダンパ等が備えられており、これらダンパの開度量(角度)に基づいて、内外気の切換えや送風エアの温度調節等が可能となっている。空調用ダクト内の各ダンパは、車両内に配設されたモータにより駆動され、ユーザ(運転者等)の操作に基づいて所定の開度量に調節される。ダンパの開度量(角度)を検出する方法としては、モータの駆動により作動する回転体の中心軸周りに沿って複数列で配設された導体パターンに、位置検出ブラシを接触して得られる電気的な信号の組み合わせパターンによって検出するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−70533号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、車室内空間の更なる快適性が求められており、温度調節等のきめ細かな制御が要求されている。このため、車両に配設された空調用ダクト内では、送風エアの温度調節等を行なう各ダンパの開度量の制御が益々複雑化する傾向にある。よって、各ダンパの開度量を検出する回転位置検出装置においては、検出位置の大幅な増加や、検出精度の更なる向上が要求されている。ところが、従来の導体パターンのパターン設計では、回転体の回転位置を増やすことが困難であった。従って、回転位置検出装置の検出精度を更に向上させることが困難となっていた。
【0005】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、検出精度を向上させることができる回転位置検出装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、モータによって駆動される回転体と、前記回転体の中心軸を中心として径が異なる複数の導体配列線上に間隔を空けて配列される導体部と、前記各導体配列線上にあるそれぞれの導体部に接する複数の位置検出ブラシとを備え、前記導体部と前記位置検出ブラシとが接触することにより得られる出力信号によって、前記回転体の回転位置を検出するようにした回転位置検出装置において、前記各導体配列線のうち任意の導体配列線上にある導体部の間隔を、それよりも内側に位置する別の導体配列線上にある導体部の間隔よりも狭くなるように設定したことをその要旨とする。
【0007】
この構成にすれば、回転体が回転すると、任意の導体配列線上にある導体部の移動量の誤差は、別の導体配列線上にある導体部の移動量の誤差よりも小さい。このため、導体部の形成パターンを複雑化させることなく、回転体の検出位置の数を増やすことができる。よって、回転体をきめ細かく回転させることができるため、同回転体の回転位置を正確に検出することが可能となる。従って、回転位置検出装置の検出精度を向上させることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明では、モータによって駆動される回転体と、前記回転体の中心軸を中心として径が異なる複数の導体配列線上に間隔を空けて配列される導体部と、前記各導体配列線上にあるそれぞれの導体部に接する複数の位置検出ブラシとを備え、前記導体部と前記位置検出ブラシとが接触することにより得られる出力信号によって、前記回転体の回転位置を検出するようにした回転位置検出装置において、前記導体部が配列されている配列面を、中心角がそれぞれ所定値に設定されている複数の領域に区分けし、それら領域のうち、特定の領域では各導体配列線上にある導体部の間隔を狭く設定する一方、別の領域では各導体配列線上にある導体部の間隔を前記特定の領域における導体部の間隔よりも広く設定したことをその要旨とする。
【0009】
この構成にすれば、中心角が所定値に設定されている特定の領域では、導体部の間隔を狭く設定して、回転体の検出位置の数を多くすることにより、同回転体の位置検出精度を高く設定することができる。一方、別の領域では、導体部の間隔を前記特定の領域における導体部間の間隔よりも広く設定し、回転体の検出位置の数を少なくすることにより、同回転体の位置検出精度を前記特定の領域よりも低く設定することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、モータによって駆動される回転体と、前記回転体の中心軸を中心として径が異なる複数の導体配列線上に間隔を空けて配列される導体部と、前記各導体配列線上にあるそれぞれの導体部に接する複数の位置検出ブラシとを備え、前記導体部と前記位置検出ブラシとが接触することにより得られる出力信号によって、前記回転体の回転位置を検出するようにした回転位置検出装置において、前記各導体配列線のうち特定の導体配列線上にある導体部の間隔を、それよりも内側に位置する別の導体配列線上にある導体部の間隔よりも狭くなるように設定し、前記導体部が配列されている配列面を、中心角がそれぞれ所定値に設定されている複数の領域に区分けし、それら領域のうち、特定の領域では各導体配列線上にある導体部の間隔を狭く設定する一方、別の領域では各導体配列線上にある導体部の間隔を前記特定の領域における導体部の間隔よりも広く設定したことをその要旨とする。
【0011】
この構成にすれば、請求項1の発明及び請求項2の発明と同等の作用を発揮することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は3に記載の発明において、前記回転体の中心軸から遠い導体配列線上にある導体部の間隔ほど順次狭くなるように設定されていることをその要旨とする。
【0012】
この構成にすれば、回転体が回転すると、任意の導体配列線上にある導体部の移動量の誤差は、別の導体配列線上にある導体部の移動量の誤差よりも小さい。このため、回転体の中心軸から遠い導体配列線にある導体部の間隔ほど順次狭くなるように設定することにより、回転体の検出位置の数を効率良く増やすことができる。よって、回転体を更にきめ細かく回転させることができるため、同回転体の回転位置をより一層正確に検出することが可能となる。従って、回転位置検出装置の検出精度をより一層向上させることができる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の発明において、前記回転体の回転位置は、前記出力信号の組み合わせパターンに基づいて検出され、所定の回転位置で検出される出力信号の組み合わせパターンを、次回の検出位置で検出される出力信号の組み合わせパターンと比較して1つの出力信号のみが切り替わるように、各導体配列線上にある導体部の配列関係が設定されていることをその要旨とする。
【0014】
この構成にすれば、複数の出力信号が同時に切換えられることは無いため、出力信号の切換えタイミングがずれることはない。よって、回転位置検出装置は、回転位置の誤検出が防止されるため、その検出結果に対する信頼性を向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した一実施形態について、図面を参照に説明する。
【0016】
図1に示すように、車両内の空調ダクト10内には、ブロアーモータ11とファン12とが配設されており、ブロアーモータ11が駆動してファン12が回転することにより、同空調ダクト10の各吹き出し口13a〜13cから空気が送風される。ファン12は、空調ダクト10内の内外気切り換えダンパ14の切り換え動作により、車内の内気又はエンジンルームからの外気を吸引する。そして、ファン12の回転により吸気された空気は、空調ダクト10内のエバポレータ15、ヒータコア16及びエアミックスダンパ17によって、所定の温度に熱交換された後、空調ダクト10内の吹き出し口切り換えダンパ18,19の開度量に基づいて各吹き出し口13a〜13cから送風される。
【0017】
アクチュエータ22は、各ダンパ14,17〜19を駆動するためのモータ23を駆動源とし、それらの出力軸には、減速機構等を介して従動部(各ダンパ14,17〜19)が連結されている。詳しくは、コントローラ20が、ユーザの操作に応じて生成されるパルス信号によりアンプを介してモータ23を駆動し、その駆動力によって作動軸が回動されることで、リンク機構等を介して連結された各ダンパ14、17、18の角度(開度量)が調節される。
【0018】
図2に示すように、アクチュエータ22は、モータ23の作動軸24に設けられた回転体としての円形状の回転基板25を備えている。回転基板25の表面には、その中心軸C1周りに導体パターン40が形成されている。回転基板25の表面には、その回転時に導体パターン40に対し摺動する複数の位置検出ブラシ31〜39が配設されている。位置検出ブラシ31〜39は、コントローラ20の入力側に接続されている。そして、コントローラ20は、各位置検出ブラシ31〜39から入力される出力信号に基づいて、回転基板25の回転位置を検出するとともに、モータ23の駆動制御を行う。
【0019】
図3、図4に示すように、導体パターン40は、回転基板25の中心軸C1を中心として径が異なる第1〜第8導体配列線41〜48上に間隔41b〜48bを空けて配列される導体部41a〜48aと、回転基板25の中心軸C1に最も近い箇所に位置するリング状の共通導体部49aとから一体的に形成されている。
【0020】
各導体配列線41〜48のうち任意の導体配列線41〜47上にある導体部41a〜47aの間隔41b〜47bは、それよりも内側に位置する別の導体配列線42〜48上にある導体部42a〜48aの間隔42b〜48bよりも狭くなるように設定されている。本実施形態では、回転基板25の中心軸C1から遠い導体配列線41〜48上にある導体部41a〜48aの間隔41b〜48bほど狭くなるように設定されている。ここでいう間隔とは、各導体配列線41〜48に沿った方向の各導体部41a〜48a間の距離のことをいう。
【0021】
例えば、第1導体配列線41上に配設された導体部41a間の間隔41bは、その内側の第2導体配列線42上に配設された導体部42a間の間隔42bよりも狭く設定されている。また、第2導体配列線42上に配設された導体部42a間の前記間隔42bは、その内側の第3導体配列線43上に配設された導体部43a間の間隔43bよりも狭く設定されている。
【0022】
各位置検出ブラシ31〜38は、回転基板25の回動時に、各導体配列線41〜48上に配設された導体部41a〜48aに対し接触可能となっている。各位置検出ブラシ31〜38は、導体部41a〜48aが配設された導体配列線41〜48と対応するように設けられ、その配列線が回転基板25の中心軸C1を通るように配置されている。各位置検出ブラシ31〜38と導体部41a〜48aとが接触状態にあるとき、ハイレベルの出力信号(2進コードで1)がコントローラ20に入力され、各位置検出ブラシ31〜38と導体部41a〜48aとが非接触状態にあるとき、ロウレベルの出力信号(2進コードで0)がコントローラ20に入力される。位置検出ブラシ39は、共通導体部49aに常時接触されている。コントローラ20は、その出力側にモータ23が接続されており、各位置検出ブラシ31〜38から出力される出力信号の組み合わせパターンに基づいて、回転基板25の回転位置を検出し、モータ23の駆動制御を行なう。
【0023】
図5に示すように、コントローラ20には、回転基板25上の導体パターン40と対応するコード表50が記憶されている。コード表50は、縦軸が位置検出ブラシ31〜38からの出力信号(1又は0)に対応し、横軸が回転基板25の回転位置Pos1〜256における出力信号の組み合わせパターン52が記憶されている。コントローラ20は、出力信号の組み合わせパターン52に基づいて、回転基板25の回転位置を算出する。
【0024】
任意の回転位置Pos1〜256で検出される出力信号の組み合わせパターン52を、次回の回転位置Pos1〜256で検出される出力信号の組み合わせパターン52と比較した場合、1つの出力信号のみが切り替わるように、各導体配列線41〜48上にある導体部41a〜48aの配列関係が設定されている。例えば、回転位置Pos1で検出される出力信号(1又は0)の組み合わせパターン52を、次回の回転位置Pos2で検出される出力信号(1又は0)の組み合わせパターン52と比較した場合、第2導体配列線上における導体部42aと位置検出ブラシ32との接触による出力信号のみが0から1へ切換えられている。また、回転位置Pos2検出される出力信号(1又は0)の組み合わせパターン52を、次回の回転位置Pos3で検出される出力信号(1又は0)の組み合わせパターン52と比較した場合、第1導体配列線上における導体部41aと位置検出ブラシ31との接触による出力信号のみが1から0へ切換えられている。
【0025】
上記実施形態によれば、以下のような特徴を得ることができる。
(1)各導体配列線41〜48のうち任意の導体配列線41〜47上にある導体部41a〜47aの間隔41b〜47bは、それよりも内側に位置する別の導体配列線42〜48上にある導体部42a〜48aの間隔42b〜48bよりも狭くなるように設定されている。このようにすれば、回転基板25が回転すると、任意の導体配列線41〜47上にある導体部41a〜47aの移動量の誤差は、別の導体配列線42〜48上にある導体部42a〜48aの移動量の誤差よりも小さい。このため、導体パターン40のパターン設計を複雑化させることなく、回転基板25の検出位置の数を増やすことができる。よって、回転基板25をきめ細かく回転させることができるため、同回転基板25の回転位置を正確に検出することが可能となる。従って、回転位置検出装置の検出精度を向上させることができる。
【0026】
(2)回転基板25が回転すると、任意の導体配列線41〜47上にある導体部41a〜47aの移動量の誤差は、別の導体配列線42〜48上にある導体部42a〜48aの移動量の誤差よりも小さい。このため、回転基板25の中心軸C1から遠い導体配列線41〜48にある導体部41a〜48aの間隔41b〜48bほど順次狭くなるように設定することにより、回転基板25の検出位置の数を効率良く増やすことができる。よって、回転基板25を更にきめ細かく回転させることができるため、同回転基板25の回転位置をより一層正確に検出することが可能となる。従って、回転位置検出装置の検出精度をより一層向上させることができる。
【0027】
(3)任意の回転位置Pos1〜256で検出される出力信号の組み合わせパターン52を、次回の回転位置Pos1〜256で検出される出力信号の組み合わせパターン52と比較した場合、1つの出力信号のみが切り替わるように、各導体配列線41〜48上にある導体部41a〜48aの配列関係が設定されている。このようにすれば、複数の出力信号が同時に切換えられることは無いため、出力信号の切換えタイミングがずれることはない。よって、回転位置検出装置は、回転位置の誤検出が防止されるため、その検出結果に対する信頼性を向上させることができる。
【0028】
(4)回転基板25の回転位置の総数(本実施形態では256)は、回転基板25の全域作動角(回転基板25の回動範囲)を、回転基板25の位置検出精度の指標となるばらつき幅で割った値として算出される。この場合、回転基板25の回転位置の総数は、回転基板25の全域作動角をポテンシャルメータによる位置検出精度で割った値よりも多く設定するのが好ましい。ポテンシャルメータとは、回転基板の表面に可変電圧部を設け、回転位置を電圧や抵抗に変換して検出する回転位置検出装置のことをいう。このようにすることで、回転基板25の位置検出精度を、少なくともポテンシャルメータによる位置検出精度よりも高く設定することが可能となる。
【0029】
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態を図6、図7に従って説明する。なお、第2実施形態の回転位置検出装置は、第1実施形態の導体パターン40を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明は省略する。
【0030】
図6に示すように、本実施形態では導体配列線41〜44の数が4つとなっており、導体パターン60は、第1〜第4導体配列線41〜44上に間隔61b〜61d,62c,63b,64bを空けて配列される導体部61a〜64aと、共通導体部69aとから一体的に形成されている。
【0031】
前記回転基板25において導体部61a〜64aが配列されている配列面25aは、所定の中心角P1に設定された特定の領域Aと、所定の中心角P2に設定された別の領域Bとに区分けされている。この場合、特定の領域Aにおける各導体配列線41〜44上にある導体部61a〜64aの間隔61b,63b,64bと、別の領域Bにおける各導体配列線41〜44上にある導体部61a〜64aの間隔61c,61d,62cとでは間隔の大きさが異なっている。すなわち、別の領域Bにおける各導体配列線41〜44上にある導体部61a〜64aの間隔61c,61d,62cは、特定の領域Aにおけるそれよりも広く設定されている。ここでいう間隔とは、各導体配列線41〜44に沿った方向の各導体部61a〜64a間の距離のことをいう。例えば、別の領域Bにおいて第1導体配列線41上にある導体部61aの間隔61c,61dは、特定の領域Aにおける第1導体配列線41上にある導体部61aの間隔61bよりも広く設定されている。上述したように、特定の領域Aにおける各導体配列線41〜44上にある導体部61a〜64aの間隔61b,63b,64bと、別の領域Bにおける各導体配列線41〜44上にある導体部61a〜64aの間隔61c,61d,62cとを異ならせたのは、回転基板25の位置検出精度に差異を持たせるためである。
【0032】
図7に示すように、コントローラ20には、回転基板25上の導体パターン60と対応するコード表70が記憶されている。任意の回転位置Pos1〜256で検出される出力信号の組み合わせパターン72を、次回の回転位置Pos1〜256で検出される出力信号の組み合わせパターン72と比較した場合、1つの出力信号のみが切り替わるように、各導体配列線41〜44上の導体部61a〜64aの配列関係が設定されている。
【0033】
従って、本実施形態によれば、前記第1実施形態における(1)〜(4)に記載の特徴に加えて、以下のような特徴を得ることができる。
(5)別の領域Bにおいて第1導体配列線41上にある導体部61aの間隔61c,61dは、特定の領域Aにおける第1導体配列線41上にある導体部61aの間隔61bよりも広く設定されている。この場合、別の領域Bでは、回転基板25の検出位置の数を特定の領域Aよりも少なくすることにより、同回転基板25の位置検出精度を前記特定の領域Aよりも低く設定することができる。つまり、特定の領域Aでのみ、回転基板25の位置検出精度を高く設定することが可能となる。従って、回転位置検出装置は、1つの導体パターン60によって、検出精度が高い特定の回転範囲と、前記特定の範囲よりも検出精度が低い回転範囲とを両方備えることができる。
【0034】
(第3実施形態)
以下、本発明の第3実施形態を図8に従って説明する。なお、第3実施形態の回転位置検出装置は、第1実施形態及び第2実施形態の導体パターン40,60を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明は省略する。
【0035】
図8に示すように、導体パターン80は、第1〜第8導体配列線41〜48上に間隔を空けて配列される導体部81a〜88aと、回転基板25の中心軸C1に最も近い箇所に位置するリング状の共通導体部89aとから一体的に形成されている。
【0036】
各導体配列線41〜48のうち任意の導体配列線41〜47上にある導体部81a〜87aの間隔81b〜87bは、それよりも内側に位置する別の導体配列線82〜88上にある導体部82a〜88aの間隔よりも狭くなるように設定されている。例えば、第1導体配列線41上に配設された導体部81a間の間隔81bは、その内側の第2導体配列線82上に配設された導体部82a間の間隔82bよりも狭く設定されている。
【0037】
回転基板25において導体部81a〜88aが配列されている配列面25aは、特定の領域Aと別の領域Bとに区分けされている。特定の領域Aと別の領域Bとでは、各導体配列線41〜48上にある導体部81a〜88aの間隔81b〜81d,82b,82c,83b,83c,84b,85b,86b,87b,88bが異なっている。例えば、別の領域Bにおいて第1導体配列線41上にある導体部81aの間隔81c,81dは、特定の領域Aにおける第1導体配列線41上にある導体部81aの間隔81bよりも広く設定されている。
【0038】
なお、前記実施形態(前記第1実施形態〜前記第3実施形態)は以下のように変更してもよい。
前記第1〜3実施形態において、各位置検出ブラシ31〜38は、その配列線が回転基板25の中心軸C1を通るように、かつ1箇所にまとまって配置されていた。これ以外の構成として、図9に示すように、各位置検出ブラシ31〜38を2箇所に分けて配置してもよい。また、図10に示すように、各位置検出ブラシ31〜38を4箇所以上に分けて配置してもよい。このように、各位置検出ブラシ31〜38を複数箇所に分けて配置すれば、回転基板25の全域作動角が小さくなるとともに、同回転基板25の外径を小さくすることができる。従って、回転位置検出装置の小型化を達成することができる。また、各位置検出ブラシ31〜38を複数箇所に分けて配置すれば、各位置検出ブラシ31〜38の間隔を広く確保することもできる。従って、各位置検出ブラシ31〜38は、各導体部91a〜98a,101a〜108aにおける接点間での絶縁性を保つことができる。また、各位置検出ブラシ31〜38は、各導体部91a〜98a,101a〜108aとの接点数を増やすことが可能となり、接触抵抗を安定化させることができる。このため、回転位置の誤検出等が防止され、回転位置検出装置の信頼性をより一層向上させることができる。
【0039】
・前記第1〜3実施形態において、回転基板25の回転位置の総数は256箇所に設定されていた。これ以外の構成として、回転基板25の回転位置の総数は、256箇所に限定することなく、任意の数に設定することができる。この場合、回転基板25の回転位置の総数をできるだけ多く設定することにより、回転基板25の位置検出精度をより一層向上させることができる。
【0040】
・前記第1〜3実施形態において、導体パターン40,60,80と位置検出ブラシ31〜38との電気的な接点による出力信号がコントローラ20に入力されることで、回転基板25の回転位置を検出していた。これ以外の構成として、例えばフォトカプラ等を用いて、光学的方法により導体パターン40,60、80を読み取り、回転基板25の回転位置を検出するようにしてもよい。又は、例えばホール素子等を用いて、磁気的な方法により導体パターン40,60,80を読み取り、回転基板25の回転位置を検出するようにしてもよい。
【0041】
・前記第1〜3実施形態において、回転位置検出装置は、車両に配設された空調ダクト10内の各ダンパ14,17〜19の開度量を駆動制御するものとして具体化されていた。これ以外の構成として、回転位置検出装置は、車両に配設されたパワーウィンドやサンバイザ等を駆動制御するものに具体化してもよい。また、回転位置の検出を行うものであれば、車両以外であってもよく、例えば、工作機械や各種製造装置に搭載されたステージやターンテーブルを駆動制御するものに具体化してもよい。
【0042】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に記載する。
(1)請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の発明において、車両の空調用として配設されるとともに、前記回転体の回転位置の総数を所定値以上に設定したことを特徴とする回転位置検出装置。このようにすることで、回転位置検出装置による検出精度をより一層向上させることができる。
【0043】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、回転位置検出装置の検出精度の向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用空調ダクト内の概略構成図。
【図2】第1〜第3実施形態における回転位置検出装置の概略構成図。
【図3】第1〜第3実施形態における導体配列線を説明するための図。
【図4】第1実施形態における回転基板の拡大平面図。
【図5】同じく回転基板上の導体パターンと対応するコード表。
【図6】第2実施形態における回転基板の拡大平面図。
【図7】同じく回転基板上の導体パターンと対応するコード表。
【図8】第3実施形態における回転基板の拡大平面図。
【図9】別例の回転基板の拡大平面図。
【図10】別例の回転基板の拡大平面図。
【符号の説明】
23…モータ、25…回路基板(回転体)、C1…中心軸、25a…配列面、31〜39…位置検出ブラシ、41a〜49a…導体部、41〜49…導体配列線、41b,42b,43b…間隔、A,B…領域、Pos1〜256…回転位置、P1,P2…中心角。
Claims (5)
- モータによって駆動される回転体と、前記回転体の中心軸を中心として径が異なる複数の導体配列線上に間隔を空けて配列される導体部と、前記各導体配列線上にあるそれぞれの導体部に接する複数の位置検出ブラシとを備え、前記導体部と前記位置検出ブラシとが接触することにより得られる出力信号によって、前記回転体の回転位置を検出するようにした回転位置検出装置において、
前記各導体配列線のうち任意の導体配列線上にある導体部の間隔を、それよりも内側に位置する別の導体配列線上にある導体部の間隔よりも狭くなるように設定したことを特徴とする回転位置検出装置。 - モータによって駆動される回転体と、前記回転体の中心軸を中心として径が異なる複数の導体配列線上に間隔を空けて配列される導体部と、前記各導体配列線上にあるそれぞれの導体部に接する複数の位置検出ブラシとを備え、前記導体部と前記位置検出ブラシとが接触することにより得られる出力信号によって、前記回転体の回転位置を検出するようにした回転位置検出装置において、
前記導体部が配列されている配列面を、中心角がそれぞれ所定値に設定されている複数の領域に区分けし、それら領域のうち、特定の領域では各導体配列線上にある導体部の間隔を狭く設定する一方、別の領域では各導体配列線上にある導体部の間隔を前記特定の領域における導体部の間隔よりも広く設定したことを特徴とする回転位置検出装置。 - モータによって駆動される回転体と、前記回転体の中心軸を中心として径が異なる複数の導体配列線上に間隔を空けて配列される導体部と、前記各導体配列線上にあるそれぞれの導体部に接する複数の位置検出ブラシとを備え、前記導体部と前記位置検出ブラシとが接触することにより得られる出力信号によって、前記回転体の回転位置を検出するようにした回転位置検出装置において、
前記各導体配列線のうち特定の導体配列線上にある導体部の間隔を、それよりも内側に位置する別の導体配列線上にある導体部の間隔よりも狭くなるように設定し、前記導体部が配列されている配列面を、中心角がそれぞれ所定値に設定されている複数の領域に区分けし、それら領域のうち、特定の領域では各導体配列線上にある導体部の間隔を狭く設定する一方、別の領域では各導体配列線上にある導体部の間隔を前記特定の領域における導体部の間隔よりも広く設定したことを特徴とする回転位置検出装置。 - 前記回転体の中心軸から遠い導体配列線上にある導体部の間隔ほど順次狭くなるように設定されていることを特徴とする請求項1又は3に記載の回転位置検出装置。
- 前記回転体の回転位置は、前記出力信号の組み合わせパターンに基づいて検出され、所定の回転位置で検出される出力信号の組み合わせパターンを、次回の検出位置で検出される出力信号の組み合わせパターンと比較して1つの出力信号のみが切り替わるように、各導体配列線上にある導体部の配列関係が設定されていることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれかに記載の回転位置検出装置。
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JP2003103311A Pending JP2004309311A (ja) | 2003-04-07 | 2003-04-07 | 回転位置検出装置 |
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JP (1) | JP2004309311A (ja) |
-
2003
- 2003-04-07 JP JP2003103311A patent/JP2004309311A/ja active Pending
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