JP2004309207A - 差圧・圧力発信器 - Google Patents
差圧・圧力発信器 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004309207A JP2004309207A JP2003100119A JP2003100119A JP2004309207A JP 2004309207 A JP2004309207 A JP 2004309207A JP 2003100119 A JP2003100119 A JP 2003100119A JP 2003100119 A JP2003100119 A JP 2003100119A JP 2004309207 A JP2004309207 A JP 2004309207A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pressure
- diaphragm
- drain
- transmitter
- vent hole
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Measuring Fluid Pressure (AREA)
Abstract
【課題】ドレン抜き作業やエア抜き作業を行う際、受圧器をプロセスの圧力取出部から外すことなく、またフランジアダプタやドレンリングを取付けることなくドレン抜き作業やエア抜き作業を迅速かつ容易に行うことができる差圧・圧力発信器を提供する。
【解決手段】ダイアフラムベース12と、このダイアフラムベース12のダイアフラム取付面45に外径Dが圧力取出部3の内径D0 より小さい接液ダイアフラム11とを有する受圧器7を前記圧力取出部3の開口端面にフランジ接続する。ダイアフラムベース12にドレン抜き孔51とエア抜き孔52を垂直方向において対向するように周方向に略180°離間させて形成し、その一端51a,52aをダイアフラムベース12のダイアフラム取付面45であって圧力取出部3の内周面近傍に開口させる。
【選択図】 図1
【解決手段】ダイアフラムベース12と、このダイアフラムベース12のダイアフラム取付面45に外径Dが圧力取出部3の内径D0 より小さい接液ダイアフラム11とを有する受圧器7を前記圧力取出部3の開口端面にフランジ接続する。ダイアフラムベース12にドレン抜き孔51とエア抜き孔52を垂直方向において対向するように周方向に略180°離間させて形成し、その一端51a,52aをダイアフラムベース12のダイアフラム取付面45であって圧力取出部3の内周面近傍に開口させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タンク内の液面高さや配管内を流れるプロセス流体の流量等を測定するフランジ接続型の差圧・圧力発信器に関する。
【0002】
【従来の技術】
フランジによって接続され、タンク内の液面高さ、圧力などを測定する差圧・圧力発信器は、通常圧力センサを有する発信器本体と、接液ダイアフラムを有しタンクの圧力取出部にフランジ接続される受圧器とを備え、前記接液ダイアフラムに加わるタンク内の液体の圧力P(液体のヘッド圧)を圧力伝達媒体を介して圧力センサに伝達すると、当該圧力センサが大気圧または真空圧を基準圧として前記圧力を検出し電気信号に変換する。そして、この検出圧力に基づいて発信器本体が演算処理することによりタンク内の液面高さを算出して外部機器に送信するように構成されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平07−055618号公報
【特許文献2】
特開平09−005193号公報
【特許文献3】
特開平09−145518号公報
【特許文献4】
特開平09−189634号公報
【特許文献5】
特開平10−197683号公報
【0004】
図4に従来の代表的なリモートシール型の差圧・圧力発信器を示す。同図において、1は液体2を貯蔵する大気開放型のタンクで、外周面下部にフランジ(プロセス側フランジ)4を有する圧力取出部3が突設されている。
【0005】
5はリモートシール型の差圧・圧力発信器で、発信器本体6、受圧器7およびこれらを接続するフレキシブルなキャピラリチューブ8等で構成されている。発信器本体6は、大気圧P0 が加えられるシールダイアフラム9と、圧力センサ10と、演算処理回路および発信回路等を備えている。受圧器7は、接液ダイアフラム11、ダイアフラムベース12およびフランジ(受圧器側フランジ)13等で構成され、前記タンク1の圧力取出部3にフランジ4,13どうしの接続によって取付けられている。接液ダイアフラム11に加わる圧力P(液体2のヘッド圧)は、前記ダイアフラムベース12およびキャピラリチューブ8内に封入した非圧縮性の圧力伝達媒体(例えば、シリコーンオイル)14を介して圧力センサ10に伝達され、センサチップ(半導体ダイアフラム)15の一方の面に加えられる。一方、センサチップ15の他方の面には大気圧P0 が基準圧として加わっている。すなわち、シールダイアフラム9に加わっている大気圧P0 は、発信器本体6に設けたダイアフラム室16および封入回路17内の圧力伝達媒体14を介してセンサチップ15の他方の面に加えられる。したがって、センサチップ15は圧力Pと大気圧P0 との圧力差に応じて歪み、その歪み量を電気信号に変換することにより前記圧力が検出され、この検出された圧力に基づいて演算処理することによりタンク1内の液面高さHが測定される。そして、発信器本体6は測定された液面高さHを外部機器に送信する。
【0006】
このような差圧・圧力発信器5において、受圧器7を圧力取出部3に取付けたとき空気が圧力取出部3内に残ったり、あるいは計測状態でドレン(流体2中に含まれている異物や流体2からの沈殿物等)が圧力取出部3内に滞留して接液ダイアフラム11に付着したりすると、接液ダイアフラム11が正常に作動しなくなり、測定誤差の原因となることがある。このため、取付けの際に空気抜き作業を行い、また定期的な清掃や取外しの際にドレン抜き作業を行っている。
【0007】
この場合、圧力取出部3内に滞留しているドレンや空気を外部に排出するためには、受圧器側フランジ13をプロセス側フランジ4に連結固定している複数本(6〜8本)のボルト18を全て外して受圧器7を圧力取出部3から一旦外す必要があるため、その作業が煩わしく長時間を要するという問題があった。また、受圧器7を圧力取出部3から外す度に圧力取出部3とダイアフラムベース12との間に介装されているガスケット19を新しいものと交換する必要が生じたり(へたりにより所定のシール性能が得られなくなるため)、受圧器7を圧力取出部3に再度取付けたときに、ずれが生じて測定精度が低下するといった問題や、圧力取出部3内の液体2やドレンが流出してプロセス側フランジ4や受圧器7、さらにはタンク周辺を汚したりするといった問題もあった。
【0008】
そこで、受圧器7を圧力取出部3から外すことなく簡単にドレン抜き作業や空気抜き作業を行うことができる機構として、ドレン抜き、空気抜き機能をもったフランジアダプタ(例えば、特許文献6参照)やドレンリングを圧力取出部と受圧器との間に介装するようにした差圧・圧力発信器が提案されている。なお、出願人は本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に密接に関連する先行技術文献を出願時までには見つけ出すことはできなかった。
【0009】
【特許文献6】
特開平9−79452号公報
【0010】
前記特開平9−79452号公報に記載されているフランジアダプタを図5に示す。このフランジアダプタ20は、プロセス側に接続される第1のフランジ21と、リモートシールダイアフラム型差圧発信器に接続される第2のフランジ22と、これらの第1、第2のフランジ21,22を連結する筒状の連通部23とを備え、前記第2のフランジ22にドレン抜き孔24と空気抜き孔25を対向した位置に設け、ドレンプラグ26によってそれぞれ開閉可能に閉止している。
【0011】
図6はドレンリングを備えた従来のリモートシール型の差圧・圧力発信器を示す要部の断面図である。ドレンリング30は、上記したフランジアダプタ20の第2のフランジ22に相当するもので、ドレン抜き孔24と空気抜き孔25とを有し、圧力取出部3に受圧器7とともに複数本のボルト18によって共締めすることにより固定されている。
【0012】
このようなフランジアダプタ20やドレンリング30を圧力取出部3と受圧器6との間に介装しておくと、ドレン抜き作業や空気抜き作業を行うときに、ドレンプラグ26を外してドレン抜き孔24と空気抜き孔25を大気開放状態にすると、圧力取出部3内に滞留しているドレンはドレン抜き孔24を通って外部に流出し、空気は空気抜き孔25を通って外部に逃げるため、受圧器7を圧力取出部3からわざわざ外す必要がなく、ドレン抜き作業および空気抜き作業を容易かつ迅速に行うことができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、フランジアダプタ20は、フランジの小口径化を実現することを主眼とするもので、部品点数が多く、かつ軸線方向に長いため、大型になるという問題があった。また、ドレンリング30も既設の差圧・圧力発信器に取付けるものであり、いずれの場合にも上記したフランジアダプタ20やドレンリング30を必要とする分だけ差圧・圧力発信器の部品点数が増加し製造コストが高くなるという問題があった。
【0014】
そこで、本発明者等は上記したフランジアダプタ20やドレンリング30を用いないでドレン抜き作業や空気抜き作業を行うことができるようにするにはどのようにすればよいかについて鋭意検討した結果、接液ダイアフラム11の大きさによってはダイアフラムベース12にドレン抜き機能と空気抜き機能をもたせることが可能であることを見出した。一般に、差圧・圧力発信器に用いられる接液ダイアフラム11は、外径が例えば3インチ、1.5インチ程度であって、通常は圧力取出部3の内径と略等しい外径を有するものを選択して使用している。すなわち、外径が圧力取出部3の内径と略等しい接液ダイアフラムを使用する場合は、ダイアフラムベース12の接液ダイアフラム11が取付けられる面(ダイアフラム取付面)にドレン抜き孔と空気抜き孔の一端をそれぞれ開口させることはできない(接液ダイアフラムの外周部に孔をあけることになるため)。しかし、外径が圧力取出部3の内径よりも十分に小さい接液ダイアフラム11を選択して使用する場合は、ダイアフラムベース12のダイアフラム取付面であって接液ダイアフラム外周よりも外側にドレン抜き孔と空気抜き孔の一端をそれぞれ開口させて圧力取出部3の内部に連通させることが可能であることを見出した。
【0015】
本発明は上記した従来の問題および検討結果に基づいてなされたもので、その目的とするところは、ドレン抜き作業や空気抜き作業を行う際に、受圧器をプロセスの圧力取出部から外すことなく、またフランジアダプタやドレンリングを取付ける必要がなく、ドレン抜き作業や空気抜き作業を迅速かつ容易に行うことができるようにした差圧・圧力発信器を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために第1の発明は、ダイアフラムベースと、このダイアフラムベースのダイアフラム取付面に外周縁部を接合して設けられ外径が圧力取出部の内径より小さい接液ダイアフラムとを有する受圧器を前記圧力取出部の開口端面にフランジ接続してなり、前記ダイアフラムベースに少なくともドレン抜き孔と空気抜き孔のいずれか一方を前記圧力取出部の内部と連通するように形成したものである。
【0017】
第1の発明においては、ダイアフラムベースに少なくともドレン抜き孔または空気抜き孔を形成しているので、受圧器を圧力取出部から外さないでドレン抜き作業または空気抜き作業を行うことができる。また、フランジアダプタやドレンリング等を用いる必要もなく、構造が簡単で部品点数が増加したり、装置が大型になるといったこともない。
【0018】
第2の発明は、上記第1の発明において、前記ドレン抜き孔または前記空気抜き孔の一端を、前記ダイアフラムベースのダイアフラム取付面であって前記圧力取出部の内周面近傍に開口させ、他端をダイアフラムベースの外周面または前記ダイアフラム取付面とは反対側の面に開口させて閉止手段により閉止したものである。
【0019】
第2の発明においては、ドレン抜き孔または空気抜き孔の一端開口部が圧力取出部の内周面近傍に開口しているので、閉止手段を外すかまたは緩めて他端開口部を大気に開放すると、圧力取出部内に溜まっているドレンまたは空気を他端開口部から外部に排出することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る差圧・圧力発信器の一実施の形態を示す断面図、図2はダイアフラムベースの要部の拡大断面図である。なお、従来技術の欄で示した構成部材と同一のものについては、同一符号をもって示し、その説明を適宜省略する。本実施の形態においては、メータ41を備えた発信器本体6に受圧器7の受圧器側フランジ13を接続固定し、前記受圧器7をタンク1の圧力取出部3にフランジ接続した一体型の差圧・圧力発信器40に適用した例を示す。
【0021】
前記圧力取出部3は、内径D0 が例えば40cm程度の円管をタンク1の外周面下部に溶接によって取付けることにより形成され、先端部外周面にプロセス側フランジ4が一体に突設または溶接によって固定されている。
【0022】
前記発信器本体6は、図4に示した従来装置と同様に、内部にシールダイアフラム9、圧力センサ10、信号処理回路、端子台(図示せず)等を備え、外側には同じく図示しない電源用と出力用のコードの一端が差し込まれる3個のケーブルグランド42が突設されている。
【0023】
前記受圧器7は、接液ダイアフラム11、ダイアフラムベース12および前記受圧器側フランジ13等からなり、受圧器側フランジ13とプロセス側フランジ4に複数本のボルト18を挿通してナット44を締め付けることにより、ダイアフラムベース12が前記圧力取出部3の開口端面3aにガスケット19を介して圧接され固定されている。
【0024】
前記接液ダイアフラム11は、通常ステンレスなどの薄膜状金属板によって円板状に形成されている。接液ダイアフラム11の加工形成に際しては、圧力を受けると弾性変形する受圧部、すなわち前記ダイアフラムベース12に溶接される外周縁部(固定部)より内側部分に波形の襞を同心円状に塑性加工することにより、接液ダイアフラム11の荷重−弾性変形特性における線形域を広くしている。接液ダイアフラム11は、後述する2つの孔51,52の形成を可能にするために外径Dが前記圧−力取出部3の内径D0 よりも十分に小さいものが使用される(例えば、D=D0 /2〜D0 /3程度)。ただし、内径D0 と外径Dとの差は、2つの孔51,52の圧力取出部3側の開口端51a,52aの穴径dの和(2d)と等しいかこれより大きければよい(D0 −D≧2d)。
【0025】
前記ダイアフラムベース12は、SUS316,304等のオーステナイト系ステンレスによって円板状に形成され、圧力取出部3と対面する面がダイアフラム取付面45を形成し、これと反対側の面がフランジ取付面46を形成している。ダイアフラム取付面45の中央には、浅底の凹部47が形成されており、この凹部47に前記接液ダイアフラム11が外周縁部を溶接48によって接合して設けられている。前記接液ダイアフラム11によって密閉された前記凹部47の内部はダイアフラム室49を形成しており、非圧縮性の圧力伝達媒体14が封入されている。圧力伝達媒体14としては、シリコーンオイル、プロピレングリコール等が用いられる。また、ダイアフラム室49は、ダイアフラムベース12内に形成した導圧路50を介して前記発信器本体6内に組み込まれている圧力センサ10(図4参照)に接続されている。
【0026】
さらに、前記ダイアフラムベース12の内部には、前記2つの孔51,52が垂直方向において互いに対向するように周方向に略180度ずらして形成されている。これらの孔51,52は同一形状に形成されており、受圧器7を圧力取出部3に装着した状態において下方に位置する孔51がドレン抜き孔として用いられ、上方に位置する孔52が空気抜き孔として用いられる。また、ドレン抜き孔51と空気抜き孔52は、それぞれL字型に形成することにより一端51a,52aがダイアフラムベース12のダイアフラム取付面45の外周寄りであって、前記ガスケット19よりも内側でかつ圧力取出部3の内周面3b近傍にそれぞれ開口することにより、圧力取出部3の内部に連通している。一方、ドレン抜き孔51と空気抜き孔52の他端51b,52bは、ダイアフラムベース12の外周面にそれぞれ開口しており、通常はこれらを閉止手段26によって開閉可能に封止している。ここでは、閉止手段26としてドレンプラグを用いた例を示したが、これに限らずコックであってもよい。
【0027】
このような構造からなる差圧・圧力発信器40において、タンク1内の液体2の圧力Pは、圧力取出部3を通って受圧器7の接液ダイアフラム11に加えられる。このため、接液ダイアフラム11はその圧力Pに応じて弾性変形し、この弾性変形により前記圧力がダイアフラム室49および導圧路50内に圧力伝達媒体14を介して図4に示した圧力センサ10に導かれ、センサチップ15の一方の面に加えられる。一方、センサチップ15の他方の面には、図4に示したシールダイアフラム6に加わっている大気圧P0 が、発信器本体6に設けたダイアフラム室16および導圧路17内の圧力伝達媒体14を介して加えられている。したがって、センサチップ15は、圧力Pと大気圧P0 の圧力差に応じて歪み、その歪み量を圧力センサ10が電気信号に変換することにより前記圧力Pが検出され、演算処理することによりタンク1内の液面高さHが測定される。そして、発信器本体6は測定された液面高さHを外部機器に送信する。
【0028】
タンク1に液体2を注入する際には、空気抜き孔52のドレンプラグ26を緩めて他端開口部52bを開いて大気に開放させた状態としてから液体2を注入する。液体2をタンク1に注入すると、圧力取出部3内の空気は空気抜き孔52の他端開口部52bから外部に排出され、液体2の注入が進んで圧力取出部3の内部全体にわたって注入されると空気抜き孔52から液体2が溢出し始める。そこで、前記ドレンプラグ26を締め付けて空気抜き孔52を閉止することにより、空気抜き作業を終了する。
【0029】
一方、圧力取出部3のドレン抜き作業を行うときには、空気抜き孔52のドレンプラグ26を緩めて空気抜き孔52の他端開口部52bを大気開放状態にするとともに、ドレン抜き孔51のドレンプラグ26を緩めてドレン抜き孔51の他端開口部51bを大気開放状態にし、圧力取出部3内のドレンをドレン抜き孔51から外部に排出する。なお、タンク1内の流体が気体の場合は、このようなドレン抜き作業を行う必要がない。したがって、ドレン抜き孔51も不要である。
【0030】
このような構造からなる差圧・圧力発信器40によれば、圧力取出部3の内径D0 より小さい外径Dを有する接液ダイアフラム11を用いているので、ダイアフラムベース12内にドレン抜き孔51と空気抜き孔52を形成することができ、従来必要としていた図5に示すフランジアダプタ20、図6に示すドレンリング30等を用いる必要がなく、部品点数を削減することができ、製造コストが高くならず、差圧・圧力発信器40自体の長さが長くなることもなく、装置が大型になることもない。
【0031】
また、ドレンプラグ26を外してドレン抜き孔51と空気抜き孔52の他端開口部51b,52bを大気に開放するだけで、圧力取出部3内に滞留しているドレンと空気を外部に排出することができるため、受圧器7を圧力取出部3から外す必要がなく、ドレン抜き作業および空気抜き作業を迅速かつ容易に行うことができる。また、受圧器7を圧力取出部3から外さなければ、ガスケット19を新しいものと交換する必要がなく、再度取付けたときに取付け状態が以前の状態と変わってしまうおそれもない。
【0032】
また、本発明においては、ドレン抜き孔51の一端開口部51aを圧力取出部3の内周面近傍付近でかつ最下部に位置するように開口させ、空気抜き孔52の一端開口部52aを圧力取出部3の内周面近傍付近でかつ最上部に位置するように開口させているので、圧力取出部3の最下部と最上部でかつドレン抜き孔51と空気抜き孔52の一端開口部51a,52a付近に溜まっているドレンと空気を外部に確実に排出することができる。
【0033】
さらに、タンク1内への液体2の供給に際して、差圧・圧力発信器40の校正を行うときは、ドレンプラグ26を外してドレン抜き孔51と空気抜き孔52を大気に開放することにより、差圧・圧力発信器40のゼロ点を調整することができ、またプロセス側にストップバルブを設け、圧力取出部3への測定流体の供給を停止し、空気抜き孔52に空気を供給して圧力取出部3内を加圧することにより、受圧器7を圧力取出部3に取付けたままタンク1の運転状態に関係なく差圧・圧力発信器40の実圧校正を行うことができる。
【0034】
図3は本発明の他の実施の形態を示す断面図である。
この実施の形態では、ダイアフラムベース12にドレン抜き孔51のみを形成している。また、このドレン抜き孔51は、一端51aがダイアフラムベース12のダイアフラム取付面45の下部であってガスケット19の内周面より内側で圧力取出部3の内周面付近に開口し、他端がフランジ取付面46に開口するようにダイアフラムベース12の板厚方向に直線状に形成されており、他端側開口部51bが受圧器側フランジ13に設けた取付孔60よりねじ込まれるドレンプラグ26によって閉止されている。なお、その他の構造は図1に示した実施の形態と同一である。
【0035】
このような構造においても、ドレンプラグ26を外してドレン抜き孔51の他端開口部51bを大気に開放することにより圧力取出部3内に溜まったドレンをドレン抜き孔51から外部に排出することができる。
【0036】
なお、上記した実施の形態においては、いずれも発信器本体6と受圧器7を一体的に連結した差圧・圧力発信器40に適用した例を示したが、本発明はフランジ接続であればこれに何ら限定されるものではなく、図4に示すようにキャピラリチューブ8を用いて発信器本体6と受圧器7を接続したリモートシール型の差圧・圧力発信器5に適用してもよい。また、大気圧の代わりに真空圧を基準圧として測定する差圧・圧力発信器や、1つの発信器本体と2つの受圧器とを備え、2つの受圧器によって2点間の圧力差を測定するようにした差圧・圧力発信器にも適用することもできる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るフランジ接続の差圧・圧力発信器は、プロセス側の圧力取出部の内径より小さい外径の接液ダイアフラムを用いることにより、ダイアフラムベースに少なくともドレン抜き孔または空気抜き孔を形成したので、圧力取出部と受圧器との間にフランジアダプタやドレンリングを介装する必要がなく、部品点数および製造コストを削減することができる。また、受圧器を圧力取出部に取付けた状態のままでドレン抜き作業や空気抜き作業を行うことができるため、容易かつ短時間に行うことができ作業性に優れている。さらに、受圧器を外さずに作業ができるためガスケットを新しいものと交換したり、再度取付けたとき取付け状態が以前の状態と変わってしまうこともない。
【0038】
さらに、本発明はドレン抜き孔または空気抜き孔の一端をダイアフラムベースのダイアフラム取付面であって圧力取出部の内周面近傍に開口させているので、ドレン抜き孔または空気抜き孔の一端開口部付近のドレンまたは空気を外部に確実に排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る差圧・圧力発信器の一実施の形態を示す断面図である。
【図2】ダイアフラムベースの要部の拡大断面図である。
【図3】本発明の他の実施の形態を示す断面図である。
【図4】従来の代表的なリモートシール型の差圧・圧力発信器を示す概略断面図である。
【図5】フランジアダプタを示す断面図である。
【図6】ドレンリングを備えた従来のリモートシール型の差圧・圧力発信器を示す要部の断面図である。
【符号の説明】
1…タンク、2…液体、3…圧力取出部、4…プロセス側フランジ、5…リモートシール型の差圧・圧力発信器、6…発信器本体、7…受圧器、8…キャピラリチューブ、9…シールダイアフラム、10…圧力センサ、11…接液ダイアフラム、12…ダイアフラムベース、13…受圧器側フランジ、14…圧力伝達媒体、20…フランジアダプタ、24…ドレン抜き孔、25…空気抜き孔、26…ドレンプラグ、40…一体型の差圧・圧力発信器、51…ドレン抜き孔、52…空気抜き孔。
【発明の属する技術分野】
本発明は、タンク内の液面高さや配管内を流れるプロセス流体の流量等を測定するフランジ接続型の差圧・圧力発信器に関する。
【0002】
【従来の技術】
フランジによって接続され、タンク内の液面高さ、圧力などを測定する差圧・圧力発信器は、通常圧力センサを有する発信器本体と、接液ダイアフラムを有しタンクの圧力取出部にフランジ接続される受圧器とを備え、前記接液ダイアフラムに加わるタンク内の液体の圧力P(液体のヘッド圧)を圧力伝達媒体を介して圧力センサに伝達すると、当該圧力センサが大気圧または真空圧を基準圧として前記圧力を検出し電気信号に変換する。そして、この検出圧力に基づいて発信器本体が演算処理することによりタンク内の液面高さを算出して外部機器に送信するように構成されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平07−055618号公報
【特許文献2】
特開平09−005193号公報
【特許文献3】
特開平09−145518号公報
【特許文献4】
特開平09−189634号公報
【特許文献5】
特開平10−197683号公報
【0004】
図4に従来の代表的なリモートシール型の差圧・圧力発信器を示す。同図において、1は液体2を貯蔵する大気開放型のタンクで、外周面下部にフランジ(プロセス側フランジ)4を有する圧力取出部3が突設されている。
【0005】
5はリモートシール型の差圧・圧力発信器で、発信器本体6、受圧器7およびこれらを接続するフレキシブルなキャピラリチューブ8等で構成されている。発信器本体6は、大気圧P0 が加えられるシールダイアフラム9と、圧力センサ10と、演算処理回路および発信回路等を備えている。受圧器7は、接液ダイアフラム11、ダイアフラムベース12およびフランジ(受圧器側フランジ)13等で構成され、前記タンク1の圧力取出部3にフランジ4,13どうしの接続によって取付けられている。接液ダイアフラム11に加わる圧力P(液体2のヘッド圧)は、前記ダイアフラムベース12およびキャピラリチューブ8内に封入した非圧縮性の圧力伝達媒体(例えば、シリコーンオイル)14を介して圧力センサ10に伝達され、センサチップ(半導体ダイアフラム)15の一方の面に加えられる。一方、センサチップ15の他方の面には大気圧P0 が基準圧として加わっている。すなわち、シールダイアフラム9に加わっている大気圧P0 は、発信器本体6に設けたダイアフラム室16および封入回路17内の圧力伝達媒体14を介してセンサチップ15の他方の面に加えられる。したがって、センサチップ15は圧力Pと大気圧P0 との圧力差に応じて歪み、その歪み量を電気信号に変換することにより前記圧力が検出され、この検出された圧力に基づいて演算処理することによりタンク1内の液面高さHが測定される。そして、発信器本体6は測定された液面高さHを外部機器に送信する。
【0006】
このような差圧・圧力発信器5において、受圧器7を圧力取出部3に取付けたとき空気が圧力取出部3内に残ったり、あるいは計測状態でドレン(流体2中に含まれている異物や流体2からの沈殿物等)が圧力取出部3内に滞留して接液ダイアフラム11に付着したりすると、接液ダイアフラム11が正常に作動しなくなり、測定誤差の原因となることがある。このため、取付けの際に空気抜き作業を行い、また定期的な清掃や取外しの際にドレン抜き作業を行っている。
【0007】
この場合、圧力取出部3内に滞留しているドレンや空気を外部に排出するためには、受圧器側フランジ13をプロセス側フランジ4に連結固定している複数本(6〜8本)のボルト18を全て外して受圧器7を圧力取出部3から一旦外す必要があるため、その作業が煩わしく長時間を要するという問題があった。また、受圧器7を圧力取出部3から外す度に圧力取出部3とダイアフラムベース12との間に介装されているガスケット19を新しいものと交換する必要が生じたり(へたりにより所定のシール性能が得られなくなるため)、受圧器7を圧力取出部3に再度取付けたときに、ずれが生じて測定精度が低下するといった問題や、圧力取出部3内の液体2やドレンが流出してプロセス側フランジ4や受圧器7、さらにはタンク周辺を汚したりするといった問題もあった。
【0008】
そこで、受圧器7を圧力取出部3から外すことなく簡単にドレン抜き作業や空気抜き作業を行うことができる機構として、ドレン抜き、空気抜き機能をもったフランジアダプタ(例えば、特許文献6参照)やドレンリングを圧力取出部と受圧器との間に介装するようにした差圧・圧力発信器が提案されている。なお、出願人は本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に密接に関連する先行技術文献を出願時までには見つけ出すことはできなかった。
【0009】
【特許文献6】
特開平9−79452号公報
【0010】
前記特開平9−79452号公報に記載されているフランジアダプタを図5に示す。このフランジアダプタ20は、プロセス側に接続される第1のフランジ21と、リモートシールダイアフラム型差圧発信器に接続される第2のフランジ22と、これらの第1、第2のフランジ21,22を連結する筒状の連通部23とを備え、前記第2のフランジ22にドレン抜き孔24と空気抜き孔25を対向した位置に設け、ドレンプラグ26によってそれぞれ開閉可能に閉止している。
【0011】
図6はドレンリングを備えた従来のリモートシール型の差圧・圧力発信器を示す要部の断面図である。ドレンリング30は、上記したフランジアダプタ20の第2のフランジ22に相当するもので、ドレン抜き孔24と空気抜き孔25とを有し、圧力取出部3に受圧器7とともに複数本のボルト18によって共締めすることにより固定されている。
【0012】
このようなフランジアダプタ20やドレンリング30を圧力取出部3と受圧器6との間に介装しておくと、ドレン抜き作業や空気抜き作業を行うときに、ドレンプラグ26を外してドレン抜き孔24と空気抜き孔25を大気開放状態にすると、圧力取出部3内に滞留しているドレンはドレン抜き孔24を通って外部に流出し、空気は空気抜き孔25を通って外部に逃げるため、受圧器7を圧力取出部3からわざわざ外す必要がなく、ドレン抜き作業および空気抜き作業を容易かつ迅速に行うことができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、フランジアダプタ20は、フランジの小口径化を実現することを主眼とするもので、部品点数が多く、かつ軸線方向に長いため、大型になるという問題があった。また、ドレンリング30も既設の差圧・圧力発信器に取付けるものであり、いずれの場合にも上記したフランジアダプタ20やドレンリング30を必要とする分だけ差圧・圧力発信器の部品点数が増加し製造コストが高くなるという問題があった。
【0014】
そこで、本発明者等は上記したフランジアダプタ20やドレンリング30を用いないでドレン抜き作業や空気抜き作業を行うことができるようにするにはどのようにすればよいかについて鋭意検討した結果、接液ダイアフラム11の大きさによってはダイアフラムベース12にドレン抜き機能と空気抜き機能をもたせることが可能であることを見出した。一般に、差圧・圧力発信器に用いられる接液ダイアフラム11は、外径が例えば3インチ、1.5インチ程度であって、通常は圧力取出部3の内径と略等しい外径を有するものを選択して使用している。すなわち、外径が圧力取出部3の内径と略等しい接液ダイアフラムを使用する場合は、ダイアフラムベース12の接液ダイアフラム11が取付けられる面(ダイアフラム取付面)にドレン抜き孔と空気抜き孔の一端をそれぞれ開口させることはできない(接液ダイアフラムの外周部に孔をあけることになるため)。しかし、外径が圧力取出部3の内径よりも十分に小さい接液ダイアフラム11を選択して使用する場合は、ダイアフラムベース12のダイアフラム取付面であって接液ダイアフラム外周よりも外側にドレン抜き孔と空気抜き孔の一端をそれぞれ開口させて圧力取出部3の内部に連通させることが可能であることを見出した。
【0015】
本発明は上記した従来の問題および検討結果に基づいてなされたもので、その目的とするところは、ドレン抜き作業や空気抜き作業を行う際に、受圧器をプロセスの圧力取出部から外すことなく、またフランジアダプタやドレンリングを取付ける必要がなく、ドレン抜き作業や空気抜き作業を迅速かつ容易に行うことができるようにした差圧・圧力発信器を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために第1の発明は、ダイアフラムベースと、このダイアフラムベースのダイアフラム取付面に外周縁部を接合して設けられ外径が圧力取出部の内径より小さい接液ダイアフラムとを有する受圧器を前記圧力取出部の開口端面にフランジ接続してなり、前記ダイアフラムベースに少なくともドレン抜き孔と空気抜き孔のいずれか一方を前記圧力取出部の内部と連通するように形成したものである。
【0017】
第1の発明においては、ダイアフラムベースに少なくともドレン抜き孔または空気抜き孔を形成しているので、受圧器を圧力取出部から外さないでドレン抜き作業または空気抜き作業を行うことができる。また、フランジアダプタやドレンリング等を用いる必要もなく、構造が簡単で部品点数が増加したり、装置が大型になるといったこともない。
【0018】
第2の発明は、上記第1の発明において、前記ドレン抜き孔または前記空気抜き孔の一端を、前記ダイアフラムベースのダイアフラム取付面であって前記圧力取出部の内周面近傍に開口させ、他端をダイアフラムベースの外周面または前記ダイアフラム取付面とは反対側の面に開口させて閉止手段により閉止したものである。
【0019】
第2の発明においては、ドレン抜き孔または空気抜き孔の一端開口部が圧力取出部の内周面近傍に開口しているので、閉止手段を外すかまたは緩めて他端開口部を大気に開放すると、圧力取出部内に溜まっているドレンまたは空気を他端開口部から外部に排出することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る差圧・圧力発信器の一実施の形態を示す断面図、図2はダイアフラムベースの要部の拡大断面図である。なお、従来技術の欄で示した構成部材と同一のものについては、同一符号をもって示し、その説明を適宜省略する。本実施の形態においては、メータ41を備えた発信器本体6に受圧器7の受圧器側フランジ13を接続固定し、前記受圧器7をタンク1の圧力取出部3にフランジ接続した一体型の差圧・圧力発信器40に適用した例を示す。
【0021】
前記圧力取出部3は、内径D0 が例えば40cm程度の円管をタンク1の外周面下部に溶接によって取付けることにより形成され、先端部外周面にプロセス側フランジ4が一体に突設または溶接によって固定されている。
【0022】
前記発信器本体6は、図4に示した従来装置と同様に、内部にシールダイアフラム9、圧力センサ10、信号処理回路、端子台(図示せず)等を備え、外側には同じく図示しない電源用と出力用のコードの一端が差し込まれる3個のケーブルグランド42が突設されている。
【0023】
前記受圧器7は、接液ダイアフラム11、ダイアフラムベース12および前記受圧器側フランジ13等からなり、受圧器側フランジ13とプロセス側フランジ4に複数本のボルト18を挿通してナット44を締め付けることにより、ダイアフラムベース12が前記圧力取出部3の開口端面3aにガスケット19を介して圧接され固定されている。
【0024】
前記接液ダイアフラム11は、通常ステンレスなどの薄膜状金属板によって円板状に形成されている。接液ダイアフラム11の加工形成に際しては、圧力を受けると弾性変形する受圧部、すなわち前記ダイアフラムベース12に溶接される外周縁部(固定部)より内側部分に波形の襞を同心円状に塑性加工することにより、接液ダイアフラム11の荷重−弾性変形特性における線形域を広くしている。接液ダイアフラム11は、後述する2つの孔51,52の形成を可能にするために外径Dが前記圧−力取出部3の内径D0 よりも十分に小さいものが使用される(例えば、D=D0 /2〜D0 /3程度)。ただし、内径D0 と外径Dとの差は、2つの孔51,52の圧力取出部3側の開口端51a,52aの穴径dの和(2d)と等しいかこれより大きければよい(D0 −D≧2d)。
【0025】
前記ダイアフラムベース12は、SUS316,304等のオーステナイト系ステンレスによって円板状に形成され、圧力取出部3と対面する面がダイアフラム取付面45を形成し、これと反対側の面がフランジ取付面46を形成している。ダイアフラム取付面45の中央には、浅底の凹部47が形成されており、この凹部47に前記接液ダイアフラム11が外周縁部を溶接48によって接合して設けられている。前記接液ダイアフラム11によって密閉された前記凹部47の内部はダイアフラム室49を形成しており、非圧縮性の圧力伝達媒体14が封入されている。圧力伝達媒体14としては、シリコーンオイル、プロピレングリコール等が用いられる。また、ダイアフラム室49は、ダイアフラムベース12内に形成した導圧路50を介して前記発信器本体6内に組み込まれている圧力センサ10(図4参照)に接続されている。
【0026】
さらに、前記ダイアフラムベース12の内部には、前記2つの孔51,52が垂直方向において互いに対向するように周方向に略180度ずらして形成されている。これらの孔51,52は同一形状に形成されており、受圧器7を圧力取出部3に装着した状態において下方に位置する孔51がドレン抜き孔として用いられ、上方に位置する孔52が空気抜き孔として用いられる。また、ドレン抜き孔51と空気抜き孔52は、それぞれL字型に形成することにより一端51a,52aがダイアフラムベース12のダイアフラム取付面45の外周寄りであって、前記ガスケット19よりも内側でかつ圧力取出部3の内周面3b近傍にそれぞれ開口することにより、圧力取出部3の内部に連通している。一方、ドレン抜き孔51と空気抜き孔52の他端51b,52bは、ダイアフラムベース12の外周面にそれぞれ開口しており、通常はこれらを閉止手段26によって開閉可能に封止している。ここでは、閉止手段26としてドレンプラグを用いた例を示したが、これに限らずコックであってもよい。
【0027】
このような構造からなる差圧・圧力発信器40において、タンク1内の液体2の圧力Pは、圧力取出部3を通って受圧器7の接液ダイアフラム11に加えられる。このため、接液ダイアフラム11はその圧力Pに応じて弾性変形し、この弾性変形により前記圧力がダイアフラム室49および導圧路50内に圧力伝達媒体14を介して図4に示した圧力センサ10に導かれ、センサチップ15の一方の面に加えられる。一方、センサチップ15の他方の面には、図4に示したシールダイアフラム6に加わっている大気圧P0 が、発信器本体6に設けたダイアフラム室16および導圧路17内の圧力伝達媒体14を介して加えられている。したがって、センサチップ15は、圧力Pと大気圧P0 の圧力差に応じて歪み、その歪み量を圧力センサ10が電気信号に変換することにより前記圧力Pが検出され、演算処理することによりタンク1内の液面高さHが測定される。そして、発信器本体6は測定された液面高さHを外部機器に送信する。
【0028】
タンク1に液体2を注入する際には、空気抜き孔52のドレンプラグ26を緩めて他端開口部52bを開いて大気に開放させた状態としてから液体2を注入する。液体2をタンク1に注入すると、圧力取出部3内の空気は空気抜き孔52の他端開口部52bから外部に排出され、液体2の注入が進んで圧力取出部3の内部全体にわたって注入されると空気抜き孔52から液体2が溢出し始める。そこで、前記ドレンプラグ26を締め付けて空気抜き孔52を閉止することにより、空気抜き作業を終了する。
【0029】
一方、圧力取出部3のドレン抜き作業を行うときには、空気抜き孔52のドレンプラグ26を緩めて空気抜き孔52の他端開口部52bを大気開放状態にするとともに、ドレン抜き孔51のドレンプラグ26を緩めてドレン抜き孔51の他端開口部51bを大気開放状態にし、圧力取出部3内のドレンをドレン抜き孔51から外部に排出する。なお、タンク1内の流体が気体の場合は、このようなドレン抜き作業を行う必要がない。したがって、ドレン抜き孔51も不要である。
【0030】
このような構造からなる差圧・圧力発信器40によれば、圧力取出部3の内径D0 より小さい外径Dを有する接液ダイアフラム11を用いているので、ダイアフラムベース12内にドレン抜き孔51と空気抜き孔52を形成することができ、従来必要としていた図5に示すフランジアダプタ20、図6に示すドレンリング30等を用いる必要がなく、部品点数を削減することができ、製造コストが高くならず、差圧・圧力発信器40自体の長さが長くなることもなく、装置が大型になることもない。
【0031】
また、ドレンプラグ26を外してドレン抜き孔51と空気抜き孔52の他端開口部51b,52bを大気に開放するだけで、圧力取出部3内に滞留しているドレンと空気を外部に排出することができるため、受圧器7を圧力取出部3から外す必要がなく、ドレン抜き作業および空気抜き作業を迅速かつ容易に行うことができる。また、受圧器7を圧力取出部3から外さなければ、ガスケット19を新しいものと交換する必要がなく、再度取付けたときに取付け状態が以前の状態と変わってしまうおそれもない。
【0032】
また、本発明においては、ドレン抜き孔51の一端開口部51aを圧力取出部3の内周面近傍付近でかつ最下部に位置するように開口させ、空気抜き孔52の一端開口部52aを圧力取出部3の内周面近傍付近でかつ最上部に位置するように開口させているので、圧力取出部3の最下部と最上部でかつドレン抜き孔51と空気抜き孔52の一端開口部51a,52a付近に溜まっているドレンと空気を外部に確実に排出することができる。
【0033】
さらに、タンク1内への液体2の供給に際して、差圧・圧力発信器40の校正を行うときは、ドレンプラグ26を外してドレン抜き孔51と空気抜き孔52を大気に開放することにより、差圧・圧力発信器40のゼロ点を調整することができ、またプロセス側にストップバルブを設け、圧力取出部3への測定流体の供給を停止し、空気抜き孔52に空気を供給して圧力取出部3内を加圧することにより、受圧器7を圧力取出部3に取付けたままタンク1の運転状態に関係なく差圧・圧力発信器40の実圧校正を行うことができる。
【0034】
図3は本発明の他の実施の形態を示す断面図である。
この実施の形態では、ダイアフラムベース12にドレン抜き孔51のみを形成している。また、このドレン抜き孔51は、一端51aがダイアフラムベース12のダイアフラム取付面45の下部であってガスケット19の内周面より内側で圧力取出部3の内周面付近に開口し、他端がフランジ取付面46に開口するようにダイアフラムベース12の板厚方向に直線状に形成されており、他端側開口部51bが受圧器側フランジ13に設けた取付孔60よりねじ込まれるドレンプラグ26によって閉止されている。なお、その他の構造は図1に示した実施の形態と同一である。
【0035】
このような構造においても、ドレンプラグ26を外してドレン抜き孔51の他端開口部51bを大気に開放することにより圧力取出部3内に溜まったドレンをドレン抜き孔51から外部に排出することができる。
【0036】
なお、上記した実施の形態においては、いずれも発信器本体6と受圧器7を一体的に連結した差圧・圧力発信器40に適用した例を示したが、本発明はフランジ接続であればこれに何ら限定されるものではなく、図4に示すようにキャピラリチューブ8を用いて発信器本体6と受圧器7を接続したリモートシール型の差圧・圧力発信器5に適用してもよい。また、大気圧の代わりに真空圧を基準圧として測定する差圧・圧力発信器や、1つの発信器本体と2つの受圧器とを備え、2つの受圧器によって2点間の圧力差を測定するようにした差圧・圧力発信器にも適用することもできる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るフランジ接続の差圧・圧力発信器は、プロセス側の圧力取出部の内径より小さい外径の接液ダイアフラムを用いることにより、ダイアフラムベースに少なくともドレン抜き孔または空気抜き孔を形成したので、圧力取出部と受圧器との間にフランジアダプタやドレンリングを介装する必要がなく、部品点数および製造コストを削減することができる。また、受圧器を圧力取出部に取付けた状態のままでドレン抜き作業や空気抜き作業を行うことができるため、容易かつ短時間に行うことができ作業性に優れている。さらに、受圧器を外さずに作業ができるためガスケットを新しいものと交換したり、再度取付けたとき取付け状態が以前の状態と変わってしまうこともない。
【0038】
さらに、本発明はドレン抜き孔または空気抜き孔の一端をダイアフラムベースのダイアフラム取付面であって圧力取出部の内周面近傍に開口させているので、ドレン抜き孔または空気抜き孔の一端開口部付近のドレンまたは空気を外部に確実に排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る差圧・圧力発信器の一実施の形態を示す断面図である。
【図2】ダイアフラムベースの要部の拡大断面図である。
【図3】本発明の他の実施の形態を示す断面図である。
【図4】従来の代表的なリモートシール型の差圧・圧力発信器を示す概略断面図である。
【図5】フランジアダプタを示す断面図である。
【図6】ドレンリングを備えた従来のリモートシール型の差圧・圧力発信器を示す要部の断面図である。
【符号の説明】
1…タンク、2…液体、3…圧力取出部、4…プロセス側フランジ、5…リモートシール型の差圧・圧力発信器、6…発信器本体、7…受圧器、8…キャピラリチューブ、9…シールダイアフラム、10…圧力センサ、11…接液ダイアフラム、12…ダイアフラムベース、13…受圧器側フランジ、14…圧力伝達媒体、20…フランジアダプタ、24…ドレン抜き孔、25…空気抜き孔、26…ドレンプラグ、40…一体型の差圧・圧力発信器、51…ドレン抜き孔、52…空気抜き孔。
Claims (2)
- ダイアフラムベースと、このダイアフラムベースのダイアフラム取付面に外周縁部を接合して設けられ外径が圧力取出部の内径より小さい接液ダイアフラムとを有する受圧器を前記圧力取出部の開口端面にフランジ接続してなり、
前記ダイアフラムベースに少なくともドレン抜き孔と空気抜き孔のいずれか一方を前記圧力取出部の内部と連通するように形成したことを特徴とする差圧・圧力発信器。 - 請求項1記載の差圧・圧力発信器において、
前記ドレン抜き孔または前記空気抜き孔の一端を、前記ダイアフラムベースのダイアフラム取付面であって前記圧力取出部の内周面近傍に開口させ、他端をダイアフラムベースの外周面または前記ダイアフラム取付面とは反対側の面に開口させて閉止手段により閉止したことを特徴とする差圧・圧力発信器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003100119A JP2004309207A (ja) | 2003-04-03 | 2003-04-03 | 差圧・圧力発信器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003100119A JP2004309207A (ja) | 2003-04-03 | 2003-04-03 | 差圧・圧力発信器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004309207A true JP2004309207A (ja) | 2004-11-04 |
Family
ID=33464346
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003100119A Withdrawn JP2004309207A (ja) | 2003-04-03 | 2003-04-03 | 差圧・圧力発信器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004309207A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100634328B1 (ko) | 2006-06-12 | 2006-10-16 | 두온 시스템 (주) | 압력전송기 |
WO2007075862A3 (en) * | 2005-12-20 | 2007-11-01 | Tangenx Technology Corp | Filtration assembly and methods for making and using same |
JP2011163892A (ja) * | 2010-02-09 | 2011-08-25 | Yokogawa Electric Corp | 差圧測定装置 |
CN116577091A (zh) * | 2023-07-11 | 2023-08-11 | 陕西海格瑞恩实业有限公司 | 一种油田井下测试工具试压装置 |
-
2003
- 2003-04-03 JP JP2003100119A patent/JP2004309207A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007075862A3 (en) * | 2005-12-20 | 2007-11-01 | Tangenx Technology Corp | Filtration assembly and methods for making and using same |
EP2193834A1 (en) * | 2005-12-20 | 2010-06-09 | Tangenx Technology Corporation | Filtration assembly and methods for making and using same |
KR100634328B1 (ko) | 2006-06-12 | 2006-10-16 | 두온 시스템 (주) | 압력전송기 |
JP2011163892A (ja) * | 2010-02-09 | 2011-08-25 | Yokogawa Electric Corp | 差圧測定装置 |
CN116577091A (zh) * | 2023-07-11 | 2023-08-11 | 陕西海格瑞恩实业有限公司 | 一种油田井下测试工具试压装置 |
CN116577091B (zh) * | 2023-07-11 | 2023-10-20 | 陕西海格瑞恩实业有限公司 | 一种油田井下测试工具试压装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101943811B1 (ko) | 유체 계측용 센서의 설치 구조 | |
FI72810C (fi) | Anordning foer ledning av vaetsketryck till en differentialtryckomvandlare. | |
RU2315273C2 (ru) | Капсула датчика давления | |
KR101406507B1 (ko) | 음향/압력 복합센서를 구비한 상수도관용 누수감지장치 | |
US10732063B2 (en) | Device for measuring the pressure of a fluid flowing through a pipeline | |
KR101535286B1 (ko) | 상수도관의 누수 검지 시스템 | |
JP2014098563A (ja) | 流量計測装置 | |
US11441932B2 (en) | Method for monitoring the operation of a fluid meter and fluid meter | |
WO2005019786A3 (en) | Bi-planar differential pressure transmitter with orthogonal process connections | |
JP2004309207A (ja) | 差圧・圧力発信器 | |
JP2017138201A (ja) | 圧力検出装置 | |
KR101676347B1 (ko) | 상수도관의 누수 검지 장치 | |
US10545065B2 (en) | Tube diaphragm seal | |
CN212513441U (zh) | 一种压强测量装置及液位测量仪 | |
JP4862376B2 (ja) | 圧力伝送器 | |
KR101676348B1 (ko) | 상수도관의 누수검지를 위한 모니터링 시스템 | |
JP3583347B2 (ja) | 差圧・圧力発信器 | |
CN219831038U (zh) | 一种水质检测装置 | |
CN201583473U (zh) | 探杆外置流体闭环式一体化在线液体密度测试变送器 | |
CN211121400U (zh) | 一种卡套式超声波流量计 | |
JP3774340B2 (ja) | 流量測定装置 | |
JP2020201290A (ja) | 水位計 | |
JPH0499920A (ja) | 質量流量計 | |
JP2018179601A (ja) | 水位計 | |
CN116296044A (zh) | 一种多点压力检测装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20051226 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Effective date: 20070222 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 |