JP2004307917A - 電解処理液の濃度制御方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電解処理液の濃度制御を簡単に行う。
【解決手段】電解処理装置の濃度制御部38に、電解電源部30、塩酸濃度測定部41、塩酸原液投入部42、塩化アルミニウム測定部48、水投入部49を接続する。所定の塩酸濃度の設定値SVb と塩酸濃度測定部41により測定された測定値PVb との偏差が偏差設定値eよりも大きくなった場合には、塩酸原液投入部42から塩酸原液を電解処理液に投入する。電解電源部30から入力される総電解電流量Iと、塩化アルミニウム測定部48により測定された測定値PVa と、所定の塩化アルミニウム濃度の設定値SVa とから水投入周期を演算し、水投入周期毎に水投入部49から水を電解処理液に投入する。
【選択図】 図3
【解決手段】電解処理装置の濃度制御部38に、電解電源部30、塩酸濃度測定部41、塩酸原液投入部42、塩化アルミニウム測定部48、水投入部49を接続する。所定の塩酸濃度の設定値SVb と塩酸濃度測定部41により測定された測定値PVb との偏差が偏差設定値eよりも大きくなった場合には、塩酸原液投入部42から塩酸原液を電解処理液に投入する。電解電源部30から入力される総電解電流量Iと、塩化アルミニウム測定部48により測定された測定値PVa と、所定の塩化アルミニウム濃度の設定値SVa とから水投入周期を演算し、水投入周期毎に水投入部49から水を電解処理液に投入する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解処理液中で電解電流を印加して金属材料を処理するための電解処理液の濃度制御方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
オフセット印刷に幅広く使用されている平版印刷版(以下、単にPS版という)の支持体には、アルミニウム材(以下、単にアルミ材という)が使用されている。PS版は、版面の親水性、親インク性(親油性)を制御して印刷を行うものである。そのため、品質の良い画像を印刷するには、アルミ材の表面に粗面化処理を施し、均一な表面形状にする必要がある。アルミ材の表面を粗面化処理する方法としては電解処理がある。PS版の製造ラインでは、アルミ材を電解処理液中に浸漬させ、同じく電解処理液中に浸漬させた電極から電解電流を印加することにより電解処理を施す液中給電方式の電解処理装置が用いられている。
【0003】
一般に、電解処理に用いられる電解処理液は、塩酸、硝酸、硫酸またはこれらの2種類以上含まれる混合溶液に金属イオンを含んだ多成分液である。そのため、電解処理反応を一定の状態に保つためには、電解処理液の各成分の濃度をリアルタイムに測定し、その結果を電解処理液の濃度制御部にフィードバックする必要がある。その際に、電解処理液の各成分の濃度を測定する方法として、中和滴定方式を用いる方法が知られている。しかしながら、この中和滴定方式で濃度測定を行うと時間がかかる他に、滴定時に析出する金属の水酸化物がセルや配管を汚し、除去し難いという問題点がある。
【0004】
上記中和滴定方式による問題の解決策として、例えば特許文献1では、異種の成分液を混合した多成分液の各成分液ごとの濃度を測定する際に、各成分液の濃度比率が判っている複数種類の物理量データを予め測定して各成分液ごとに濃度との相関を示すデータマップを作成し、測定対象となる多成分液から検出された複数の物理量データを前記データマップと対照して成分液の濃度を求めるようにしている。また、特許文献2では、所定のデータテーブルを予め作成し、製造プロセス中においても容易に測定しうる2種類以上の指標を測定して、前記データテーブルを参照することで、目的とする金属イオンを含む多成分液の濃度を容易に知るようにしている。そして、得られた成分液の濃度などのデータに基づき、フィードバック方式またはフィードフォーワード方式、さらにはこれらを組み合わせた方式により管理し、前記多成分液の濃度を一定範囲に制御することで、均一な処理条件を確保するようにしている。
【0005】
【特許文献1】
特開平4−19559 (第2、第3頁)
【特許文献2】
特開2001−121837号公報 (第2、第3、第4頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のようにして得られた各成分液の濃度などのデータに基づき、フィードバック方式、フィードフォーワード方式、またはこれらを組み合わせた方式などによって、多成分液の濃度を一定範囲に制御する場合には、比例制御(P)、積分制御(I)、微分制御(D)を組み合わせたPID制御が広く利用されている。しかしながら、このPID制御装置は高価であり、設備コストが増大するという問題がある。また、PID制御装置では保守用の予備品を多く必要とし、しかも専門知識を有する保守担当者が必要になるという問題がある。また、プログラマブルコントローラのみを用いて上記濃度制御を行うことも可能であるが、この場合には、複雑な濃度調節用成分供給量の演算を行う必要があり、高速高機能なプログラマブルコントローラが必要になり、上記のPID制御装置と同じように、装置が高価になること、保守の際に高度な専門知識を必要とすることなどの問題がある。
【0007】
本発明は上記問題を解決するためのものであり、電解処理液の濃度を簡単に制御することができる電解処理液の濃度制御方法及び装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、電解電流を印加して金属材料を処理する電解処理液の濃度制御方法において、前記電解処理液の溶液濃度と、前記電解処理液中に前記金属材料がイオン化して溶出することにより生成される金属塩の濃度とを測定し、これらの測定濃度と電解処理量とに応じて前記溶液濃度及び金属塩濃度を制御することを特徴とする。さらに、前記金属塩濃度を測定する際に、測定金属塩濃度と電解処理情報とから一定量の電解処理液の希釈液投入周期を求め、この投入周期に基づき希釈液を投入することが好ましい。また、前記溶液濃度を制御する際に、測定溶液濃度が溶液濃度設定値に対して偏差があるときに電解処理液原液を投入することが好ましい。
【0009】
また、本発明では、電解電流を印加して金属材料を処理する電解処理液の濃度制御方法において、前記電解処理液の溶液濃度を測定する溶液濃度測定工程と、前記電解処理液中に前記金属材料がイオン化して溶出することにより生成される金属塩の濃度を測定する金属塩濃度測定工程と、前記電解電流を測定する電解電流測定工程と、前記溶液濃度測定工程による測定溶液濃度が設定値よりも低いときに、前記電解処理液に電解処理液原液を補充し溶液濃度を制御する溶液濃度制御工程と、前記金属塩濃度測定工程による測定金属塩濃度と前記電解電流測定工程による測定電解電流と前記金属塩濃度の設定値とに基づいて、前記電解処理液に希釈液を一定量投入する周期を求め、投入周期毎に一定量の希釈液を投入して金属塩濃度を制御する金属塩濃度制御工程とを有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明では、電解電流を印加して金属材料を処理する電解処理液の濃度制御装置において、前記電解処理液の溶液濃度を測定する溶液濃度測定手段と、前記電解処理液中に前記金属材料がイオン化して溶出することにより生成される金属塩の濃度を測定する金属塩濃度測定手段と、前記電解電流を測定する電解電流測定手段と、前記溶液濃度測定手段による測定溶液濃度が設定値よりも低いときに、前記電解処理液に電解処理液原液を補充し溶液濃度を制御する溶液濃度制御手段と、前記金属塩濃度測定手段による測定金属塩濃度と前記電解電流測定手段による測定電解電流と前記金属塩濃度の設定値とに基づいて、前記電解処理液に希釈液を一定量投入する周期を求め、投入周期毎に一定量の希釈液を投入して金属塩濃度を制御する金属塩濃度制御手段とを有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明では、前記測定電解電流量をI、この電解電流量Iの逆数に任意の係数Aを乗じた後に任意の係数Bを加えたものを希釈液投入基本周期T0 (=A/I+B)、前記測定金属塩濃度をPVa 、前記金属塩濃度設定値をSVa 、任意の係数をC,Dとしたときに、前記希釈液投入周期Tを、
T=T0 ×(1+C×(PVa −SVa ))+D
により求めることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、代表的なPS版製造ラインの概略図である。このPS版製造ライン10では、PS版の支持体としてアルミ材を帯状薄板にしたアルミウェブ11が用いられている。アルミウェブ11は、ロール状に巻かれたアルミコイル12の形態でPS版製造ライン10にセットされる。アルミコイル12の下流には、アルミウェブ11の搬送経路に沿ってエッチング装置13、電解処理装置14、酸化処理装置15、第1塗布装置16、第2塗布装置17、切断装置18、集積装置19が設けられている。
【0013】
アルミコイル12から送り出されたアルミウェブ11は、エッチング装置13、電解処理装置14、酸化処理装置15において各種の表面処理が施される。次いで、第1塗布装置16及び第2塗布装置17でアルミウェブ11の表面上に感光材料の塗布、乾燥等の処理が施され、感光層が形成される。その後、切断装置18により必要なサイズに切断され、切断された半製品シート(PS原版)11aは、集積装置19に集積される。本発明の電解処理液の濃度制御方法及び装置は、主に電解処理装置14に適用することができる。
【0014】
図2は、本発明を実施した電解処理装置14の概略図である。電解処理装置14では、塩酸を主体とする電解処理液20にアルミウェブ11を浸漬させ、電解電流を印加することにより、アルミウェブ11の表面を均一に粗面化処理する。なお、電解処理装置には縦型、フラット型、ラジアル型の各種装置があるが、本実施形態ではフラット型電解処理装置を用いる。この電解処理装置14では、アルミウェブ11を所定の搬送方向に沿って搬送するために複数のパスローラ25が設けられており、これらのパスローラ25により支持されるアルミウェブ11の搬送経路に電解処理槽26が設けられている。なお、パスローラ25は、その表層部のアルミウェブ11に対する保護性や塩酸に対する耐性などが考慮されて、例えばクロロプレンゴムを素材として形成されている。
【0015】
電解処理槽26内には電解処理液20が貯えられ、アルミウェブ11が電解処理液20に浸漬するようにパスローラ25がそれぞれ配置されている。これらのパスローラ25は、それぞれアルミウェブ11の表面へ所定の圧力で圧接してアルミウェブ11をガイドすると共に、アルミウェブ11に長手方向に沿って張力を付与している。また、図示は省略するが、電解処理槽26には温度制御部が設けられている。この温度制御部は、電解処理液20の温度を安定させ、電解処理反応を一定の状態に保つ。
【0016】
電解処理槽26内の電解処理液20中には、電解処理液20に浸漬されたアルミウェブ11の上面と対向するように、平板状の電極28がアルミウェブ11の搬送方向に沿って2個設けられている。なお、設置する電極の数は任意でよいが、一般に電極は、その端部と中央部とでは印加する電流の密度が異なる。そのため、アルミウェブ11の搬送方向に沿って印加される電流の密度を均一化するには、複数個の電極をアルミウェブ11の搬送方向に沿って設けることが好ましい。また、電極28は、アルミウェブ11の幅方向に均一に電流を印加するために、アルミウェブ11の幅方向でアルミウェブ11の幅よりも長く形成されている。この電極28は、ブスバー29を介して電解電源部30に接続されている。
【0017】
電解電源部30から印加される電解電流は、本実施形態では交流電流を用いるが、交流と直流とを重畳した電流を用いることもできる。この交流電流の波形は、特に限定されず、正弦波電流、矩形波電流、三角波電流等を選択することができる。さらに、この交流電流の周期、DUTY比等を適切な値に設定することによりアルミウェブ11のアノード反応時間(アルミウェブ11が陽極反応する時間)とカソード反応時間(アルミウェブ11が陰極反応する時間)とが制御され、アルミウェブ11の表面に均一に粗面化処理を施すことが可能となる。
【0018】
電解処理槽26の下側には貯槽32が設けられ、貯層32と電解処理槽26とは、戻り配管33とオーバーフロー配管34及び送液配管35を介して接続されている。この貯槽32では、後述する電解処理液20の濃度の測定及び制御が行われる。戻り配管33は、一方の開口端部が電解処理槽26の底板部に接続されており、この開口端部は電解処理槽26内の電解処理液20中で開口している。また、もう一方の開口端部は、貯槽32内に挿入されて電解処理液20中で開口している。そのため、電解処理槽26内の電解処理液20は、時間当たり略一定量ずつ戻り配管33を通って貯槽32に流れる。また、戻り配管33の配管途中には、電磁弁36が設けられている。この電磁弁36は、電解処理作業時にのみ開くように制御されている。
【0019】
オーバーフロー配管34は、一方の開口端部が電解処理槽26の側壁部の上端部付近に接続されている。また、もう一方の開口端部は、戻り配管33と同様に貯槽32内に挿入されて電解処理液20中で開口している。これにより、電解処理槽26内の電解処理液20の液面が、オーバーフロー配管34の開口端部より上面になると、電解処理槽26内の電解処理液20がオーバフロー配管34を通って貯槽32に流れ出す。そのため、電解処理槽26内の電解処理液20の水位が、所定の上限水位を超えることはない。
【0020】
送液配管35の一方の開口端部は、貯槽32の側壁部における下端部に接続されており、貯槽32内の電解処理液20中で開口している。また、もう一方の開口端部は、電解処理槽26内に挿入されて電解処理液20の液面上で開口している。また、送液配管35の配管途中には送液ポンプ37が設けられており、この送液ポンプ37の運転により貯槽32内の電解処理液20が汲み上げられて電解処理槽26内に送られる。電解処理液20は、電解処理槽26と貯槽32とを循環するため、貯槽32内の電解処理液20に濃度制御を施すことにより、電解処理槽26内の電解処理液20の濃度が一定の範囲内に保たれる。
【0021】
貯槽32内の電解処理液20の濃度制御は、電解処理液濃度制御部(以下、単に濃度制御部という)38により行われる。電解処理反応を一定の状態に保つためには、電解処理液20中の塩酸の濃度とアルミニウムイオンの濃度とを適切に制御する必要がある。アルミニウムイオンは、電解処理反応によりアルミウェブ11の表面がイオン化し、電解処理液20中に溶出することにより生じる。
【0022】
電解処理液20中のアルミニウムイオンの濃度は、電解処理液20中の塩化アルミニウムの濃度を測定することにより得られる。塩化アルミニウムは、アルミニウムイオンと塩酸の塩化物イオンとが結合したものである。塩化アルミニウムは、電解処理液20中では電離した状態で存在しているため、この塩化アルミニウムの濃度を制御することにより、アルミニウムイオンの濃度が制御される。そのため、濃度制御部38は、塩酸濃度制御部39と塩化アルミニウム濃度制御部40との2つの濃度制御部に分けられている。
【0023】
塩酸濃度制御部39は、貯槽32内の電解処理液20に塩酸原液を投入することにより、電解処理液20中の塩酸の濃度を制御する。塩化アルミニウム濃度制御部40は、貯槽32内の電解処理液20に水(純水が好ましい)を投入して希釈することにより、電解処理液20中の塩化アルミニウムの濃度を制御する。また、各濃度制御部39,40には、入力されたデータを演算処理するCPU、RAM等からなるプログラマブルコントローラ(図示せず)が使用されている。
【0024】
塩酸濃度制御部39には、塩酸濃度測定部41と塩酸原液投入部42とが接続されている。塩酸濃度測定部41は、貯槽32内の電解処理液20の塩酸濃度を測定し、例えば10秒に1回の割合で塩酸濃度信号を塩酸濃度制御部39に送る。この塩酸濃度測定部41には、例えば塩酸濃度計またはタイトレータ等が用いられる。
【0025】
塩酸濃度制御部39に入力された塩酸濃度信号は、塩酸濃度制御部39内の偏差判定部43(図3参照)に送られる。偏差判定部43は、入力された塩酸濃度信号に基づき、塩酸濃度を制御するための演算及び判定を行う。ここで、塩酸の原液を投入する必要ありと判定されると、塩酸濃度制御部39から塩酸原液投入部42に塩酸原液投入信号が送られる。
【0026】
塩酸原液投入部42は、塩酸原液投入信号が入力されると、貯槽32内の電解処理液20に塩酸原液を投入する。図3に示すように、塩酸原液投入部42は、送液配管44、塩酸原液タンク(図示せず)、電磁弁45、自動弁46、塩酸投入用ポンプ47等より構成される。送液配管44の一方の開口端部は、塩酸原液タンクに接続され、もう一方の開口端部は、貯槽32内に挿入されて電解処理液20の液面上で開口している。また、この送液配管44の配管途中には、自動弁46と塩酸投入用ポンプ47とが設けられている。自動弁46は、電磁弁45により開閉制御され、塩酸原液投入信号が送られたときに開かれる。塩酸投入用ポンプ47は、塩酸原液投入信号が送られたときに運転を開始し、塩酸原液を塩酸原液タンクから汲み上げ、貯槽32内の電解処理液20に投入する。
【0027】
塩化アルミニウム濃度制御部40には、図2に示すように、塩化アルミニウム濃度測定部48、電解電源部30、水投入部49が接続されている。塩化アルミニウム濃度測定部48は、上述の塩酸濃度測定部41と同様に、貯槽32内の電解処理液20の塩化アルミニウム濃度を測定し、塩化アルミニウム濃度信号を塩化アルミニウム濃度制御部40に送る。この塩化アルミニウム濃度測定部48には、例えば電気伝導度や超音波等の他の物理量から塩化アルミニウムの濃度を測定する塩化アルミニウム濃度計またはタイトレータ等が用いられる。
【0028】
また、塩化アルミニウム濃度制御部40には、電解電源部30から総電解電流量信号が入力される。総電解電流量とは、電解電源部30からアルミウェブ11に印加された電解電流量の総和であり、本実施例では、2個の電極28に印加された電解電流量の和である。この総電解電流量は、電解反応により電解処理液中に溶出するアルミニウムの量、つまり、電解処理量に対応している。
【0029】
塩化アルミニウム濃度制御部40に入力された塩化アルミニウム濃度信号及び総電解電流信号は、塩化アルミニウム濃度制御部40内の水投入周期演算部50(図3参照)に送られる。水投入周期演算部50は、これらの入力信号に基づき後述する水投入周期を演算する。この演算された水投入周期毎に、塩化アルミニウム濃度制御部40は、水投入信号を水投入部49に送る。また、塩化アルミニウム濃度制御部40には、1投入周期毎の水の投入量を一定量にするために、水の投入時間をタイマー処理で制御する投入時間タイマー処理部51(図3参照)が設けられている。
【0030】
水投入部49は、水投入信号が入力されると、貯槽32内の電解処理液20に水を投入する。この水投入部49は、塩酸原液投入部42と基本的には同じ構成であり、図3に示すように、送液配管52、電磁弁53、自動弁54、水投入用ポンプ55、水タンク(図示せず)等より構成される。
【0031】
図3は、濃度制御部38による電解処理液20の濃度制御を示すブロック図である。塩酸濃度測定部41で測定された塩酸濃度信号は、AI(Analog Input)を介して塩酸濃度制御部39に入力される。入力された塩酸濃度の測定値PVb は、図示は省略するが、濃度制御部38に設けられた表示パネルまたは、濃度制御部38に接続されたPC(Personal Computer) などに表示される。
【0032】
測定値PVb には、測定器または測定方法による誤差を補正するために、補正値が加えられる。この補正後の測定値PVb も同様に表示パネル等に表示されるが、この際、測定値PVb の値が所定の管理範囲内に収まっていない場合には、警報表示が表示される。同時に、この補正後の測定値PVb は、偏差判定部43に送られ、そこで塩酸濃度制御のための演算及び判定が行われる。また、偏差判定部43には、塩酸濃度の設定値SVb と偏差設定値eとが、濃度制御部38に設けられたキーボード(図示せず)またはPCを介して予め入力されている。偏差判定部43では、設定値SVb の値から測定値PVb の値を引いた偏差が偏差設定値eよりも大きくなった場合、つまり、SVb −PVb >eになったときには、塩酸原液投入信号が、電磁弁45及び塩酸投入用ポンプ47にDO(Digital Out)を介して出力される。また、同時に塩酸投入を示す表示が表示される。
【0033】
塩化アルミニウム濃度測定部48から入力された塩化アルミニウム濃度信号も、塩酸濃度信号と同様に、塩化アルミニウム濃度測定値PVa として補正値が加えられた後に、水投入周期演算部50に送られる。さらに、水投入周期演算部50には、電解電源部30から出力された総電解電流量Iと、塩化アルミニウム濃度の設定値SVa とが入力されている。
【0034】
水投入周期演算部50は、電解処理量を表す総電解電流量Iの逆数に任意の係数Aを乗じ、さらに任意の係数Bを加えることにより水投入基本周期T0 を、
T0 =A/I+B
により算出する。水投入基本周期T0 とは、電解処理量に応じて水を補充する周期である。しかしながら、実際の電解処理装置においては、様々な外乱要素が存在するため、水投入基本周期T0 に外乱に対する補正を加える必要がある。そのため、水投入周期演算部50は、水投入基本周期T0 に補正を加えた水投入周期Tを任意の係数をC,Dとしたときに、
T=T0 ×(1+C×(PVa −SVa ))+D
により算出する。ここで、A〜Dの任意係数は、アルミウェブ11の材質及び搬送速度、電解処理液20の濃度及び温度、電極の大きさ及び数等により変化するので、個々の電解処理装置及び投入するアルミ材毎に適切な値に設定する必要がある。この算出された水投入周期Tに基づき、水投入信号が、投入時間タイマー処理部51を介して電磁弁53及び水投入用ポンプ55に出力される。この水投入信号は、投入時間タイマー処理部51に予め入力された投入時間の間だけ出力される。また、同時に水投入を示す表示が表示される。
【0035】
上述の通り、電解処理液20中の塩酸及び塩化アルミニウムの濃度制御には非常にシンプルな演算式が用いられているため、PID制御器のような高価な制御装置を用いなくとも安価なプログラマブルコントローラで濃度制御が充分に可能である。
【0036】
次に、上記実施形態の作用について塩酸濃度の制御手順から説明する。塩酸濃度測定部41により測定された電解処理液20中の塩酸濃度の測定値PVb は、予め入力された塩酸濃度設定値SVb 及び偏差設定値eと共に偏差判定部43に送られる。
【0037】
偏差判定部43では、SVb −PVb >eのときに電磁弁45及び塩酸投入用ポンプ47に塩酸原液投入信号を出力する。塩酸原液投入信号が出力されると電磁弁45は自動弁46を開く。同時に、塩酸投入用ポンプ47が運転を開始し、塩酸原液を貯槽32内の電解処理液20に投入する。塩酸原液が投入されることにより電解処理液20中の塩酸濃度が高くなる。電解処理液20中の塩酸濃度の測定値PVb がSVb −PVb ≦eになると、偏差判定部43は、塩酸原液投入信号を停止する。塩酸原液投入信号が停止されると、電磁弁45は自動弁46を閉じ、塩酸投入用ポンプ47も運転を停止する。塩酸濃度測定部41は測定を継続し、塩酸濃度の測定値PVb が再びSVb −PVb >eになったときには、上記の作業を繰り返すことにより、電解処理液20中の塩酸の濃度が制御される。
【0038】
次に、塩化アルミニウム濃度の制御手順について説明する。電解電源部30から出力された総電解電流量I及び塩化アルミニウム測定部48により測定された塩化アルミニウム濃度の測定値PVa は、予め入力された塩化アルミニウム濃度設定値SVa と共に水投入周期演算部50に送られ、上述の演算式に基づき水投入周期Tが算出される。
【0039】
算出された水投入周期T毎に、電磁弁53及び水投入用ポンプ55に水投入信号が出力される。水投入信号が出力されると電磁弁53は自動弁54を開く。同時に、水投入用ポンプ55が運転を開始し、水タンク内の水を貯槽32内の電解処理液20に投入する。水の投入時間は、投入時間タイマー処理部51により制御される。設定された投入時間が経過すると、電磁弁53は自動弁54を閉じ、水投入用ポンプ55も運転を停止する。水投入周期T毎に上記の作業を繰り返すことにより、電解処理液20中の塩化アルミニウムの濃度が制御される。
【0040】
なお、本実施形態では、アルミ材を塩酸を主体とする電解処理液に浸漬させて電解処理を施すPS版製造ライン用の電解処理装置について説明したが、この発明は、電解処理液中での電解反応を伴う各種の金属材料の表面処理装置、例えばPS版製造ラインの酸化処理装置やその他の各種処理装置などにも適用可能である。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、本発明の電解処理液の濃度制御方法及び装置によれば、PID制御器のような高価な制御器を用いることなく、安価なプログラマブルコントローラ等による電解処理液の濃度制御が可能となる。また、電解処理装置自体もシンプルな設備構成にすることができる。これにより、設備導入コスト及び保守コストが低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】代表的なPS版製造ラインを示す概略図である。
【図2】本発明を実施した同製造ラインの電解処理装置を示す概略図である。
【図3】同電解処理装置の濃度制御部による電解処理液の濃度制御を示すブロック図である。
【符号の説明】
11 アルミウェブ
14 電解処理装置
20 電解処理液
26 電解処理槽
28 電極
30 電解電源部
32 貯槽
38 電解処理液濃度制御部
39 塩酸濃度制御部
40 塩化アルミニウム濃度制御部
41 塩酸濃度測定部
42 塩酸原液投入部
48 塩化アルミニウム濃度測定部
49 水投入部
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解処理液中で電解電流を印加して金属材料を処理するための電解処理液の濃度制御方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
オフセット印刷に幅広く使用されている平版印刷版(以下、単にPS版という)の支持体には、アルミニウム材(以下、単にアルミ材という)が使用されている。PS版は、版面の親水性、親インク性(親油性)を制御して印刷を行うものである。そのため、品質の良い画像を印刷するには、アルミ材の表面に粗面化処理を施し、均一な表面形状にする必要がある。アルミ材の表面を粗面化処理する方法としては電解処理がある。PS版の製造ラインでは、アルミ材を電解処理液中に浸漬させ、同じく電解処理液中に浸漬させた電極から電解電流を印加することにより電解処理を施す液中給電方式の電解処理装置が用いられている。
【0003】
一般に、電解処理に用いられる電解処理液は、塩酸、硝酸、硫酸またはこれらの2種類以上含まれる混合溶液に金属イオンを含んだ多成分液である。そのため、電解処理反応を一定の状態に保つためには、電解処理液の各成分の濃度をリアルタイムに測定し、その結果を電解処理液の濃度制御部にフィードバックする必要がある。その際に、電解処理液の各成分の濃度を測定する方法として、中和滴定方式を用いる方法が知られている。しかしながら、この中和滴定方式で濃度測定を行うと時間がかかる他に、滴定時に析出する金属の水酸化物がセルや配管を汚し、除去し難いという問題点がある。
【0004】
上記中和滴定方式による問題の解決策として、例えば特許文献1では、異種の成分液を混合した多成分液の各成分液ごとの濃度を測定する際に、各成分液の濃度比率が判っている複数種類の物理量データを予め測定して各成分液ごとに濃度との相関を示すデータマップを作成し、測定対象となる多成分液から検出された複数の物理量データを前記データマップと対照して成分液の濃度を求めるようにしている。また、特許文献2では、所定のデータテーブルを予め作成し、製造プロセス中においても容易に測定しうる2種類以上の指標を測定して、前記データテーブルを参照することで、目的とする金属イオンを含む多成分液の濃度を容易に知るようにしている。そして、得られた成分液の濃度などのデータに基づき、フィードバック方式またはフィードフォーワード方式、さらにはこれらを組み合わせた方式により管理し、前記多成分液の濃度を一定範囲に制御することで、均一な処理条件を確保するようにしている。
【0005】
【特許文献1】
特開平4−19559 (第2、第3頁)
【特許文献2】
特開2001−121837号公報 (第2、第3、第4頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のようにして得られた各成分液の濃度などのデータに基づき、フィードバック方式、フィードフォーワード方式、またはこれらを組み合わせた方式などによって、多成分液の濃度を一定範囲に制御する場合には、比例制御(P)、積分制御(I)、微分制御(D)を組み合わせたPID制御が広く利用されている。しかしながら、このPID制御装置は高価であり、設備コストが増大するという問題がある。また、PID制御装置では保守用の予備品を多く必要とし、しかも専門知識を有する保守担当者が必要になるという問題がある。また、プログラマブルコントローラのみを用いて上記濃度制御を行うことも可能であるが、この場合には、複雑な濃度調節用成分供給量の演算を行う必要があり、高速高機能なプログラマブルコントローラが必要になり、上記のPID制御装置と同じように、装置が高価になること、保守の際に高度な専門知識を必要とすることなどの問題がある。
【0007】
本発明は上記問題を解決するためのものであり、電解処理液の濃度を簡単に制御することができる電解処理液の濃度制御方法及び装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、電解電流を印加して金属材料を処理する電解処理液の濃度制御方法において、前記電解処理液の溶液濃度と、前記電解処理液中に前記金属材料がイオン化して溶出することにより生成される金属塩の濃度とを測定し、これらの測定濃度と電解処理量とに応じて前記溶液濃度及び金属塩濃度を制御することを特徴とする。さらに、前記金属塩濃度を測定する際に、測定金属塩濃度と電解処理情報とから一定量の電解処理液の希釈液投入周期を求め、この投入周期に基づき希釈液を投入することが好ましい。また、前記溶液濃度を制御する際に、測定溶液濃度が溶液濃度設定値に対して偏差があるときに電解処理液原液を投入することが好ましい。
【0009】
また、本発明では、電解電流を印加して金属材料を処理する電解処理液の濃度制御方法において、前記電解処理液の溶液濃度を測定する溶液濃度測定工程と、前記電解処理液中に前記金属材料がイオン化して溶出することにより生成される金属塩の濃度を測定する金属塩濃度測定工程と、前記電解電流を測定する電解電流測定工程と、前記溶液濃度測定工程による測定溶液濃度が設定値よりも低いときに、前記電解処理液に電解処理液原液を補充し溶液濃度を制御する溶液濃度制御工程と、前記金属塩濃度測定工程による測定金属塩濃度と前記電解電流測定工程による測定電解電流と前記金属塩濃度の設定値とに基づいて、前記電解処理液に希釈液を一定量投入する周期を求め、投入周期毎に一定量の希釈液を投入して金属塩濃度を制御する金属塩濃度制御工程とを有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明では、電解電流を印加して金属材料を処理する電解処理液の濃度制御装置において、前記電解処理液の溶液濃度を測定する溶液濃度測定手段と、前記電解処理液中に前記金属材料がイオン化して溶出することにより生成される金属塩の濃度を測定する金属塩濃度測定手段と、前記電解電流を測定する電解電流測定手段と、前記溶液濃度測定手段による測定溶液濃度が設定値よりも低いときに、前記電解処理液に電解処理液原液を補充し溶液濃度を制御する溶液濃度制御手段と、前記金属塩濃度測定手段による測定金属塩濃度と前記電解電流測定手段による測定電解電流と前記金属塩濃度の設定値とに基づいて、前記電解処理液に希釈液を一定量投入する周期を求め、投入周期毎に一定量の希釈液を投入して金属塩濃度を制御する金属塩濃度制御手段とを有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明では、前記測定電解電流量をI、この電解電流量Iの逆数に任意の係数Aを乗じた後に任意の係数Bを加えたものを希釈液投入基本周期T0 (=A/I+B)、前記測定金属塩濃度をPVa 、前記金属塩濃度設定値をSVa 、任意の係数をC,Dとしたときに、前記希釈液投入周期Tを、
T=T0 ×(1+C×(PVa −SVa ))+D
により求めることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、代表的なPS版製造ラインの概略図である。このPS版製造ライン10では、PS版の支持体としてアルミ材を帯状薄板にしたアルミウェブ11が用いられている。アルミウェブ11は、ロール状に巻かれたアルミコイル12の形態でPS版製造ライン10にセットされる。アルミコイル12の下流には、アルミウェブ11の搬送経路に沿ってエッチング装置13、電解処理装置14、酸化処理装置15、第1塗布装置16、第2塗布装置17、切断装置18、集積装置19が設けられている。
【0013】
アルミコイル12から送り出されたアルミウェブ11は、エッチング装置13、電解処理装置14、酸化処理装置15において各種の表面処理が施される。次いで、第1塗布装置16及び第2塗布装置17でアルミウェブ11の表面上に感光材料の塗布、乾燥等の処理が施され、感光層が形成される。その後、切断装置18により必要なサイズに切断され、切断された半製品シート(PS原版)11aは、集積装置19に集積される。本発明の電解処理液の濃度制御方法及び装置は、主に電解処理装置14に適用することができる。
【0014】
図2は、本発明を実施した電解処理装置14の概略図である。電解処理装置14では、塩酸を主体とする電解処理液20にアルミウェブ11を浸漬させ、電解電流を印加することにより、アルミウェブ11の表面を均一に粗面化処理する。なお、電解処理装置には縦型、フラット型、ラジアル型の各種装置があるが、本実施形態ではフラット型電解処理装置を用いる。この電解処理装置14では、アルミウェブ11を所定の搬送方向に沿って搬送するために複数のパスローラ25が設けられており、これらのパスローラ25により支持されるアルミウェブ11の搬送経路に電解処理槽26が設けられている。なお、パスローラ25は、その表層部のアルミウェブ11に対する保護性や塩酸に対する耐性などが考慮されて、例えばクロロプレンゴムを素材として形成されている。
【0015】
電解処理槽26内には電解処理液20が貯えられ、アルミウェブ11が電解処理液20に浸漬するようにパスローラ25がそれぞれ配置されている。これらのパスローラ25は、それぞれアルミウェブ11の表面へ所定の圧力で圧接してアルミウェブ11をガイドすると共に、アルミウェブ11に長手方向に沿って張力を付与している。また、図示は省略するが、電解処理槽26には温度制御部が設けられている。この温度制御部は、電解処理液20の温度を安定させ、電解処理反応を一定の状態に保つ。
【0016】
電解処理槽26内の電解処理液20中には、電解処理液20に浸漬されたアルミウェブ11の上面と対向するように、平板状の電極28がアルミウェブ11の搬送方向に沿って2個設けられている。なお、設置する電極の数は任意でよいが、一般に電極は、その端部と中央部とでは印加する電流の密度が異なる。そのため、アルミウェブ11の搬送方向に沿って印加される電流の密度を均一化するには、複数個の電極をアルミウェブ11の搬送方向に沿って設けることが好ましい。また、電極28は、アルミウェブ11の幅方向に均一に電流を印加するために、アルミウェブ11の幅方向でアルミウェブ11の幅よりも長く形成されている。この電極28は、ブスバー29を介して電解電源部30に接続されている。
【0017】
電解電源部30から印加される電解電流は、本実施形態では交流電流を用いるが、交流と直流とを重畳した電流を用いることもできる。この交流電流の波形は、特に限定されず、正弦波電流、矩形波電流、三角波電流等を選択することができる。さらに、この交流電流の周期、DUTY比等を適切な値に設定することによりアルミウェブ11のアノード反応時間(アルミウェブ11が陽極反応する時間)とカソード反応時間(アルミウェブ11が陰極反応する時間)とが制御され、アルミウェブ11の表面に均一に粗面化処理を施すことが可能となる。
【0018】
電解処理槽26の下側には貯槽32が設けられ、貯層32と電解処理槽26とは、戻り配管33とオーバーフロー配管34及び送液配管35を介して接続されている。この貯槽32では、後述する電解処理液20の濃度の測定及び制御が行われる。戻り配管33は、一方の開口端部が電解処理槽26の底板部に接続されており、この開口端部は電解処理槽26内の電解処理液20中で開口している。また、もう一方の開口端部は、貯槽32内に挿入されて電解処理液20中で開口している。そのため、電解処理槽26内の電解処理液20は、時間当たり略一定量ずつ戻り配管33を通って貯槽32に流れる。また、戻り配管33の配管途中には、電磁弁36が設けられている。この電磁弁36は、電解処理作業時にのみ開くように制御されている。
【0019】
オーバーフロー配管34は、一方の開口端部が電解処理槽26の側壁部の上端部付近に接続されている。また、もう一方の開口端部は、戻り配管33と同様に貯槽32内に挿入されて電解処理液20中で開口している。これにより、電解処理槽26内の電解処理液20の液面が、オーバーフロー配管34の開口端部より上面になると、電解処理槽26内の電解処理液20がオーバフロー配管34を通って貯槽32に流れ出す。そのため、電解処理槽26内の電解処理液20の水位が、所定の上限水位を超えることはない。
【0020】
送液配管35の一方の開口端部は、貯槽32の側壁部における下端部に接続されており、貯槽32内の電解処理液20中で開口している。また、もう一方の開口端部は、電解処理槽26内に挿入されて電解処理液20の液面上で開口している。また、送液配管35の配管途中には送液ポンプ37が設けられており、この送液ポンプ37の運転により貯槽32内の電解処理液20が汲み上げられて電解処理槽26内に送られる。電解処理液20は、電解処理槽26と貯槽32とを循環するため、貯槽32内の電解処理液20に濃度制御を施すことにより、電解処理槽26内の電解処理液20の濃度が一定の範囲内に保たれる。
【0021】
貯槽32内の電解処理液20の濃度制御は、電解処理液濃度制御部(以下、単に濃度制御部という)38により行われる。電解処理反応を一定の状態に保つためには、電解処理液20中の塩酸の濃度とアルミニウムイオンの濃度とを適切に制御する必要がある。アルミニウムイオンは、電解処理反応によりアルミウェブ11の表面がイオン化し、電解処理液20中に溶出することにより生じる。
【0022】
電解処理液20中のアルミニウムイオンの濃度は、電解処理液20中の塩化アルミニウムの濃度を測定することにより得られる。塩化アルミニウムは、アルミニウムイオンと塩酸の塩化物イオンとが結合したものである。塩化アルミニウムは、電解処理液20中では電離した状態で存在しているため、この塩化アルミニウムの濃度を制御することにより、アルミニウムイオンの濃度が制御される。そのため、濃度制御部38は、塩酸濃度制御部39と塩化アルミニウム濃度制御部40との2つの濃度制御部に分けられている。
【0023】
塩酸濃度制御部39は、貯槽32内の電解処理液20に塩酸原液を投入することにより、電解処理液20中の塩酸の濃度を制御する。塩化アルミニウム濃度制御部40は、貯槽32内の電解処理液20に水(純水が好ましい)を投入して希釈することにより、電解処理液20中の塩化アルミニウムの濃度を制御する。また、各濃度制御部39,40には、入力されたデータを演算処理するCPU、RAM等からなるプログラマブルコントローラ(図示せず)が使用されている。
【0024】
塩酸濃度制御部39には、塩酸濃度測定部41と塩酸原液投入部42とが接続されている。塩酸濃度測定部41は、貯槽32内の電解処理液20の塩酸濃度を測定し、例えば10秒に1回の割合で塩酸濃度信号を塩酸濃度制御部39に送る。この塩酸濃度測定部41には、例えば塩酸濃度計またはタイトレータ等が用いられる。
【0025】
塩酸濃度制御部39に入力された塩酸濃度信号は、塩酸濃度制御部39内の偏差判定部43(図3参照)に送られる。偏差判定部43は、入力された塩酸濃度信号に基づき、塩酸濃度を制御するための演算及び判定を行う。ここで、塩酸の原液を投入する必要ありと判定されると、塩酸濃度制御部39から塩酸原液投入部42に塩酸原液投入信号が送られる。
【0026】
塩酸原液投入部42は、塩酸原液投入信号が入力されると、貯槽32内の電解処理液20に塩酸原液を投入する。図3に示すように、塩酸原液投入部42は、送液配管44、塩酸原液タンク(図示せず)、電磁弁45、自動弁46、塩酸投入用ポンプ47等より構成される。送液配管44の一方の開口端部は、塩酸原液タンクに接続され、もう一方の開口端部は、貯槽32内に挿入されて電解処理液20の液面上で開口している。また、この送液配管44の配管途中には、自動弁46と塩酸投入用ポンプ47とが設けられている。自動弁46は、電磁弁45により開閉制御され、塩酸原液投入信号が送られたときに開かれる。塩酸投入用ポンプ47は、塩酸原液投入信号が送られたときに運転を開始し、塩酸原液を塩酸原液タンクから汲み上げ、貯槽32内の電解処理液20に投入する。
【0027】
塩化アルミニウム濃度制御部40には、図2に示すように、塩化アルミニウム濃度測定部48、電解電源部30、水投入部49が接続されている。塩化アルミニウム濃度測定部48は、上述の塩酸濃度測定部41と同様に、貯槽32内の電解処理液20の塩化アルミニウム濃度を測定し、塩化アルミニウム濃度信号を塩化アルミニウム濃度制御部40に送る。この塩化アルミニウム濃度測定部48には、例えば電気伝導度や超音波等の他の物理量から塩化アルミニウムの濃度を測定する塩化アルミニウム濃度計またはタイトレータ等が用いられる。
【0028】
また、塩化アルミニウム濃度制御部40には、電解電源部30から総電解電流量信号が入力される。総電解電流量とは、電解電源部30からアルミウェブ11に印加された電解電流量の総和であり、本実施例では、2個の電極28に印加された電解電流量の和である。この総電解電流量は、電解反応により電解処理液中に溶出するアルミニウムの量、つまり、電解処理量に対応している。
【0029】
塩化アルミニウム濃度制御部40に入力された塩化アルミニウム濃度信号及び総電解電流信号は、塩化アルミニウム濃度制御部40内の水投入周期演算部50(図3参照)に送られる。水投入周期演算部50は、これらの入力信号に基づき後述する水投入周期を演算する。この演算された水投入周期毎に、塩化アルミニウム濃度制御部40は、水投入信号を水投入部49に送る。また、塩化アルミニウム濃度制御部40には、1投入周期毎の水の投入量を一定量にするために、水の投入時間をタイマー処理で制御する投入時間タイマー処理部51(図3参照)が設けられている。
【0030】
水投入部49は、水投入信号が入力されると、貯槽32内の電解処理液20に水を投入する。この水投入部49は、塩酸原液投入部42と基本的には同じ構成であり、図3に示すように、送液配管52、電磁弁53、自動弁54、水投入用ポンプ55、水タンク(図示せず)等より構成される。
【0031】
図3は、濃度制御部38による電解処理液20の濃度制御を示すブロック図である。塩酸濃度測定部41で測定された塩酸濃度信号は、AI(Analog Input)を介して塩酸濃度制御部39に入力される。入力された塩酸濃度の測定値PVb は、図示は省略するが、濃度制御部38に設けられた表示パネルまたは、濃度制御部38に接続されたPC(Personal Computer) などに表示される。
【0032】
測定値PVb には、測定器または測定方法による誤差を補正するために、補正値が加えられる。この補正後の測定値PVb も同様に表示パネル等に表示されるが、この際、測定値PVb の値が所定の管理範囲内に収まっていない場合には、警報表示が表示される。同時に、この補正後の測定値PVb は、偏差判定部43に送られ、そこで塩酸濃度制御のための演算及び判定が行われる。また、偏差判定部43には、塩酸濃度の設定値SVb と偏差設定値eとが、濃度制御部38に設けられたキーボード(図示せず)またはPCを介して予め入力されている。偏差判定部43では、設定値SVb の値から測定値PVb の値を引いた偏差が偏差設定値eよりも大きくなった場合、つまり、SVb −PVb >eになったときには、塩酸原液投入信号が、電磁弁45及び塩酸投入用ポンプ47にDO(Digital Out)を介して出力される。また、同時に塩酸投入を示す表示が表示される。
【0033】
塩化アルミニウム濃度測定部48から入力された塩化アルミニウム濃度信号も、塩酸濃度信号と同様に、塩化アルミニウム濃度測定値PVa として補正値が加えられた後に、水投入周期演算部50に送られる。さらに、水投入周期演算部50には、電解電源部30から出力された総電解電流量Iと、塩化アルミニウム濃度の設定値SVa とが入力されている。
【0034】
水投入周期演算部50は、電解処理量を表す総電解電流量Iの逆数に任意の係数Aを乗じ、さらに任意の係数Bを加えることにより水投入基本周期T0 を、
T0 =A/I+B
により算出する。水投入基本周期T0 とは、電解処理量に応じて水を補充する周期である。しかしながら、実際の電解処理装置においては、様々な外乱要素が存在するため、水投入基本周期T0 に外乱に対する補正を加える必要がある。そのため、水投入周期演算部50は、水投入基本周期T0 に補正を加えた水投入周期Tを任意の係数をC,Dとしたときに、
T=T0 ×(1+C×(PVa −SVa ))+D
により算出する。ここで、A〜Dの任意係数は、アルミウェブ11の材質及び搬送速度、電解処理液20の濃度及び温度、電極の大きさ及び数等により変化するので、個々の電解処理装置及び投入するアルミ材毎に適切な値に設定する必要がある。この算出された水投入周期Tに基づき、水投入信号が、投入時間タイマー処理部51を介して電磁弁53及び水投入用ポンプ55に出力される。この水投入信号は、投入時間タイマー処理部51に予め入力された投入時間の間だけ出力される。また、同時に水投入を示す表示が表示される。
【0035】
上述の通り、電解処理液20中の塩酸及び塩化アルミニウムの濃度制御には非常にシンプルな演算式が用いられているため、PID制御器のような高価な制御装置を用いなくとも安価なプログラマブルコントローラで濃度制御が充分に可能である。
【0036】
次に、上記実施形態の作用について塩酸濃度の制御手順から説明する。塩酸濃度測定部41により測定された電解処理液20中の塩酸濃度の測定値PVb は、予め入力された塩酸濃度設定値SVb 及び偏差設定値eと共に偏差判定部43に送られる。
【0037】
偏差判定部43では、SVb −PVb >eのときに電磁弁45及び塩酸投入用ポンプ47に塩酸原液投入信号を出力する。塩酸原液投入信号が出力されると電磁弁45は自動弁46を開く。同時に、塩酸投入用ポンプ47が運転を開始し、塩酸原液を貯槽32内の電解処理液20に投入する。塩酸原液が投入されることにより電解処理液20中の塩酸濃度が高くなる。電解処理液20中の塩酸濃度の測定値PVb がSVb −PVb ≦eになると、偏差判定部43は、塩酸原液投入信号を停止する。塩酸原液投入信号が停止されると、電磁弁45は自動弁46を閉じ、塩酸投入用ポンプ47も運転を停止する。塩酸濃度測定部41は測定を継続し、塩酸濃度の測定値PVb が再びSVb −PVb >eになったときには、上記の作業を繰り返すことにより、電解処理液20中の塩酸の濃度が制御される。
【0038】
次に、塩化アルミニウム濃度の制御手順について説明する。電解電源部30から出力された総電解電流量I及び塩化アルミニウム測定部48により測定された塩化アルミニウム濃度の測定値PVa は、予め入力された塩化アルミニウム濃度設定値SVa と共に水投入周期演算部50に送られ、上述の演算式に基づき水投入周期Tが算出される。
【0039】
算出された水投入周期T毎に、電磁弁53及び水投入用ポンプ55に水投入信号が出力される。水投入信号が出力されると電磁弁53は自動弁54を開く。同時に、水投入用ポンプ55が運転を開始し、水タンク内の水を貯槽32内の電解処理液20に投入する。水の投入時間は、投入時間タイマー処理部51により制御される。設定された投入時間が経過すると、電磁弁53は自動弁54を閉じ、水投入用ポンプ55も運転を停止する。水投入周期T毎に上記の作業を繰り返すことにより、電解処理液20中の塩化アルミニウムの濃度が制御される。
【0040】
なお、本実施形態では、アルミ材を塩酸を主体とする電解処理液に浸漬させて電解処理を施すPS版製造ライン用の電解処理装置について説明したが、この発明は、電解処理液中での電解反応を伴う各種の金属材料の表面処理装置、例えばPS版製造ラインの酸化処理装置やその他の各種処理装置などにも適用可能である。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、本発明の電解処理液の濃度制御方法及び装置によれば、PID制御器のような高価な制御器を用いることなく、安価なプログラマブルコントローラ等による電解処理液の濃度制御が可能となる。また、電解処理装置自体もシンプルな設備構成にすることができる。これにより、設備導入コスト及び保守コストが低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】代表的なPS版製造ラインを示す概略図である。
【図2】本発明を実施した同製造ラインの電解処理装置を示す概略図である。
【図3】同電解処理装置の濃度制御部による電解処理液の濃度制御を示すブロック図である。
【符号の説明】
11 アルミウェブ
14 電解処理装置
20 電解処理液
26 電解処理槽
28 電極
30 電解電源部
32 貯槽
38 電解処理液濃度制御部
39 塩酸濃度制御部
40 塩化アルミニウム濃度制御部
41 塩酸濃度測定部
42 塩酸原液投入部
48 塩化アルミニウム濃度測定部
49 水投入部
Claims (7)
- 電解電流を印加して金属材料を処理する電解処理液の濃度制御方法において、
前記電解処理液の溶液濃度と、前記電解処理液中に前記金属材料がイオン化して溶出することにより生成される金属塩の濃度とを測定し、これらの測定濃度と電解処理量とに応じて前記溶液濃度及び金属塩濃度を制御することを特徴とする電解処理液の濃度制御方法。 - 前記金属塩濃度を測定する際に、測定金属塩濃度と電解処理情報とから一定量の電解処理液の希釈液投入周期を求め、この投入周期に基づき希釈液を投入することを特徴とする請求項1記載の電解処理液の濃度制御方法。
- 前記溶液濃度を制御する際に、測定溶液濃度が溶液濃度設定値に対して偏差があるときに電解処理液原液を投入することを特徴とする請求項1または2記載の電解処理液の濃度制御方法。
- 電解電流を印加して金属材料を処理する電解処理液の濃度制御方法において、
前記電解処理液の溶液濃度を測定する溶液濃度測定工程と、
前記電解処理液中に前記金属材料がイオン化して溶出することにより生成される金属塩の濃度を測定する金属塩濃度測定工程と、
前記電解電流を測定する電解電流測定工程と、
前記溶液濃度測定工程による測定溶液濃度が設定値よりも低いときに、前記電解処理液に電解処理液原液を補充し溶液濃度を制御する溶液濃度制御工程と、
前記金属塩濃度測定工程による測定金属塩濃度と前記電解電流測定工程による測定電解電流と前記金属塩濃度の設定値とに基づいて、前記電解処理液に希釈液を一定量投入する周期を求め、投入周期毎に一定量の希釈液を投入して金属塩濃度を制御する金属塩濃度制御工程とを有することを特徴とする電解処理液の濃度制御方法。 - 前記測定電解電流量をI、この電解電流量Iの逆数に任意の係数Aを乗じた後に任意の係数Bを加えたものを希釈液投入基本周期T0 (=A/I+B)、前記測定金属塩濃度をPVa 、前記金属塩濃度設定値をSVa 、任意の係数をC,Dとしたときに、前記希釈液投入周期Tを、
T=T0 ×(1+C×(PVa −SVa ))+D
により求めることを特徴とする請求項4記載の電解処理液の濃度制御方法。 - 電解電流を印加して金属材料を処理する電解処理液の濃度制御装置において、
前記電解処理液の溶液濃度を測定する溶液濃度測定手段と、
前記電解処理液中に前記金属材料がイオン化して溶出することにより生成される金属塩の濃度を測定する金属塩濃度測定手段と、
前記電解電流を測定する電解電流測定手段と、
前記溶液濃度測定手段による測定溶液濃度が設定値よりも低いときに、前記電解処理液に電解処理液原液を補充し溶液濃度を制御する溶液濃度制御手段と、
前記金属塩濃度測定手段による測定金属塩濃度と前記電解電流測定手段による測定電解電流と前記金属塩濃度の設定値とに基づいて、前記電解処理液に希釈液を一定量投入する周期を求め、投入周期毎に一定量の希釈液を投入して金属塩濃度を制御する金属塩濃度制御手段とを有することを特徴とする電解処理液の濃度制御装置。 - 前記測定電解電流量をI、この電解電流量Iの逆数に任意の係数Aを乗じた後に任意の係数Bを加えたものを希釈液投入基本周期T0 (=A/I+B)、前記測定金属塩濃度をPVa 、前記金属塩濃度設定値をSVa 、任意の係数をC,Dとしたときに、前記希釈液投入周期Tを、
T=T0 ×(1+C×(PVa −SVa ))+D
により求めることを特徴とする請求項6記載の電解処理液の濃度制御装置。
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