JP2004307363A - 皮膚外用剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】アモルファスチタニア水溶液または粒子を用いることにより所望の紫外線吸収能を保持しつつ、かつ、皮膚塗布後の透明感、使用感、安全性に優れている化粧品を提供する。
【解決手段】アモルファスチタニア水溶液または粒子を含有することを特徴とする皮膚外用剤
【選択図】 なし
【解決手段】アモルファスチタニア水溶液または粒子を含有することを特徴とする皮膚外用剤
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明性及び紫外線吸収効率が優れた化粧品、医薬品、医薬部外品等の皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
日光からの紫外線の刺激は皮膚のメラニン色素の生成を促し、これが皮膚内に異常沈着すると、しみやソバカスの原因となる。また、皮膚細胞の遺伝子損傷の原因となることも既に知られている。化粧品及び皮膚用医薬品等の皮膚外用剤には、紫外線を防御する物質として、紫外線吸収剤や紫外線遮蔽剤が含まれている。このうち紫外線遮蔽剤として一般的に用いられるものとして、平均粒径0.03〜0.05μmの球状微粒子酸化チタンや、平均粒子径0.004〜0.05μm、長径と短径の平均比率が5〜15の紡錘状(針状)酸化チタン等が知られている。これらは、全てルチル型又はアナターゼ型の結晶型を有している。またこれらは、表面に疎水化処理を施すなどして前記油分に分散し、耐水性を向上させると共に剤中に均一に分散することで効果的に紫外線を遮蔽しようと試みられてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような微粒子酸化チタンは粒子サイズが非常に小さいために単一粒子の状態で均一分散することは難しく、かなりの凝集が起こり、剤中で効率的な紫外線遮蔽効果が得られない。一方で、現在の平均粒子径でもまだ大きすぎ、隠蔽性粉体として光散乱をおこし白浮きが目立ってしまっている。また、配合量を増加させても紫外線防止効果はさほど上がらず、かつ、展延性を損ねてしまい肌への感触が悪くなったりして好ましくないという問題点があった。さらに、ルチル型又はアナターゼ型酸化チタンは、元々光触媒として使用されるほど潜在的に活性が高いものであり、活性が低いタイプのものを選択しても皮膚刺激性が皆無であるとは言い切れない。現在知られている皮膚外用剤において、使用感、安全性に優れ、しかも優れた紫外線防止効果を発揮するものは未だ見いだされていない。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記状況を鑑み鋭意検討を重ねた結果、アモルファスチタニア水溶液または微粒子を用いることにより所望の紫外線吸収能を保持しつつ、かつ、皮膚塗布後の透明感、使用感、安全性が優れていることを見いだした。
【0005】
すなわち、本発明は、アモルファスチタニア水溶液または微粒子を含有することを特徴とする皮膚外用剤に関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の皮膚外用剤に用いるアモルファスチタニア水溶液または微粒子は以下に説明する方法により調整される。
【0007】
アモルファスチタニア水溶液は、アモルファス酸化チタン例えばアモルファスチタニア微粒子を原料として製造される。アモルファスチタニア微粒子は、例えばチタンテトラプロポキシド等のチタンテトラアルコキシドと当該アルコキシドに対応するアルコール(例えばイソプロパノール)とを混合し、更に対応するアルコールと水の混合液を加えて反応させ、得られた白色懸濁液を固液分離し、乾燥することにより得ることができる。
【0008】
チタンテトラアルコキシド、アルコール、水の混合比は、使用されるアルコキシドの種類によるが、1/1/1〜1/30/20程度の範囲である。例えば、チタンテトラプロポキシドからの調整の場合、チタンテトラプロポキシド/イソプロパノール/水=1/10/4の場合、好適に調整しうる。
【0009】
このようにして調製したチタニアはX線回折でルチル形、アナタース形とは異なる回折像を示した。アモルファス型は光触媒活性は低く、ルチル型、アナターゼ型に比して皮膚に対する安全性は高い。
【0010】
チタニア溶液は、前記アモルファスチタニア微粒子に過酸化水素水を加え、一旦ゲル化させ、さらに過酸化水素水を加えることにより得ることができる。過酸化水素の使用量は、特に限定されないが、アモルファスチタニアの濃度が0.01〜2%になるように調整されることが好ましい。濃度が低すぎると皮膚外用剤を調整する際大量に添加する必要が生じ、また、濃度が高すぎるとゲル化してしまい皮膚外用剤を調整する際に不具合が生じる。
【0011】
過酸化水素水の濃度は特に限定はなく、10〜30%の市販の濃度のものが使用出来、濃度によるアモルファスチタニア微粒子の溶解度の差はあまりない。
【0012】
チタニア水溶液を皮膚外用剤として使用する場合には、さらにアンモニアにより中和しておく必要がある。使用するアンモニア量は、アモルファスチタニア微粒子を溶液とするために使用した過酸化水素量の当量未満であることが好ましい。溶液のpHが7を超えるとチタンが水酸化物になるので、溶液は弱酸性にしておく必要があり、pH5〜7未満の範囲が好ましい。溶液中に若干過剰に残っている過酸化水素は、窒素バブリング、酸素バブリング、エアバブリング又は加温することなどにより減少させることができる。
【0013】
このようにして得られたアモルファスチタニア水溶液中のチタニア粒子の粒径は、13〜22nm、ディップして単層膜にした場合の膜厚は17nm以下である。また、溶媒を除去した場合、他の二酸化チタンは凝集して二次粒子が大きくなるため白色であるが、本発明の場合、他のものに比べ凝集しにくく、見かけ上透明な粒子である。
【0014】
本発明において用いられるチタニア溶液は、皮膚外用剤全量中に酸化チタンとして0.1〜30.0重量%配合するのが好ましく、さらに好ましくは1.0〜15.0重量%である。
【0015】
本発明の皮膚外用剤においては、本発明の効果を損なわない程度で、他の紫外線吸収剤及び紫外線遮蔽剤を併用してもよい。
【0016】
紫外線吸収剤としては、安息香酸系、アントラニリック酸系、桂皮酸系、ベンゾフェノン系等、また、天然物由来の紫外線吸収剤として、フラボノイド誘導体、ピペリン酸誘導体等が挙げられる。
【0017】
紫外線遮蔽剤としては、例えば球状微粒子酸化チタン、針状微粒子酸化チタン、球状微粒子酸化亜鉛、針状微粒子酸化亜鉛、酸化鉄、微粒子酸化鉄等が挙げられる。これらは、そのまま配合しても、あるいはシリコーン処理、フッ素処埋、金属セッケン処理、活性剤処理等により疎水化して配合してもよい。
【0018】
また、ビタミンC、コウジ酸誘導体、アルブチン等のハイドロキノン配糖体などの美白剤や皮膚損傷治療剤を配合してもよい。
【0019】
本発明の皮膚外用剤には上記必須成分の他に通常化粧料や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる他の成分を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。例えば、マイカ、タルク、シリコーン、ナイロン、セルロース等の粉末成分、アボガド油、ナタネ油、月見草油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ヤシ油、スクワラン、スクワレン、シリコーン油、流動パラフィン、エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、エチルヘキサン酸グリセリン等の油分;カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール等の高級アルコール;コレステロール、フィトステロール等のステロール;カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、リノール酸、リノレン酸等の高級脂肪酸;ポリエチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、ヒアルロン酸等の保湿剤;メチルセルロース、アラビアゴム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、モンモリロナイト等の増粘剤;エタノール、酢酸エチル等の有機溶剤;ブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、フィチン酸等の酸化防止剤;安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、ヘキサクロロフェン等の抗菌防腐剤;グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン、タウリン、アルギニン、ヒスチジン等のアミノ酸類およびこれらのアルカリ金属塩と塩酸塩;アシルサルコシン酸、グルタチオン、リンゴ酸等の有機酸;ビタミンAおよびその誘導体、ビタミンB類、ビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH,パントテン酸、パンテチン等のビタミン類;ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル、γ−オリザノール、アラントイン、グリチルリチン酸(塩)、グリチルレチン酸及びその誘導体、ヒノキチオール、ムシジン、ビサボロール、ユーカリプトール、チモール、イノシトール、サポニン類、パントテニルエチルエーテル、エチニルエストラジオール、セファランチン、プラセンタエキス、感光素、トラネキサム酸等の各種薬剤;ギシギシ、クララ、コウホネ、オレンジ、セージ、ノコギリソウ、ゼニアオイ、センキュウ、センブリ、タイム、トウキ、トウヒ、バーチ、スギナ、ヘチマ、マロニエ、ユキノシタ、アルニカ、ユリ、ヨモギ、シャクヤク、アロエ、クチナシ等の植物の天然エキス;モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリエチレングリコールモノオレート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリグリコールジエーテル、ラウロイルジエタノールアマイド、脂肪酸イソプロパノールアマイド、マルチトールヒドロキシ脂肪酸エーテル、アルキル化多糖、アルキルグルコシド、シュガーエステル等の非イオン性界面活性剤;ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド、第四級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤;パルミチン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル、ロート油、リニアドデシルベンゼン硫酸、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油マレイン酸、アシルメチルタウリン等のアニオン性界面活性剤;両性界面活性剤;色素;香料;精製水等を配合することができる。
【0020】
本発明の皮膚外用剤は、化粧料、医薬品、医薬部外品等、外皮に適用されるものを指し、その剤型は任意であり、パウダー状、クリーム状、ペースト状、スティック状、液状、スプレー状、ファンデーション等いずれの剤型でもかまわず、また、乳化剤を用いてW/O型あるいはO/W型に乳化しても良い。
【0021】
【実施例】
以下に、本発明を実施例および比較例により具体的に説明する。なお、本発明は当該実施例に限定されるものではない。
【0022】
(チタニア溶液の調整)
チタンイソプロポキシドとイソプロパノールを1:5のモル比になるように混合し10℃で2時間混合したのちチタンイソプロポキシドに対し4モル比の水を加え4時間混合した。生成した沈澱をろ過、乾燥しチタニアの微粒子を得た。このチタニア微粒子5重量部を20%過酸化水素水溶液100重量部に加え混合した。該溶液に20%アンモニア水100重量部を加え混合し、室温で1昼夜エアバブリングし、チタニア溶液を得た。
【0023】
<UV吸収領域>
上記により得られたチタニア溶液のUV吸収領域を図1に示す。
【0024】
【実施例1】
<クリーム>
以下の処方によりO/W型クリームを調整した。
オキシベンゾン 2.0%
パラメトキシケイ皮酸オクチル 5.0%
スクワラン 10.0%
ワセリン 5.0%
ステアリルアルコール 3.0%
ステアリン酸 3.0%
グリセリルモノステアレート 3.0%
ポリアクリル酸エチル 1.0%
酸化防止剤 適量
防腐剤 適量
香料 適量
精製水 5.0%
1,3ブチレングリコール 7.0%
上記アモルファスチタニア溶液 50.0%
エデト酸二ナトリウム 0.05%
トリエタノールアミン 1.0%
上記のように調整したクリームを黒色紙に塗布したが、白浮きは確認されなかった。
【0025】
【比較例1】
実施例1の処方中、チタニア溶液に変えて二酸化チタン1.5%、精製水を55%とした以外は同様にしてクリームを調整した。
上記のように調整したクリームを黒色紙に塗布したところ、白浮きが確認された。
【0026】
【発明の効果】
本発明の化粧料は、アモルファスチタニア水溶液または粒子を用いることにより所望の紫外線吸収能を保持しつつ、かつ、皮膚塗布後の透明感、使用感、安全性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】チタニア溶液のUV吸収領域
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明性及び紫外線吸収効率が優れた化粧品、医薬品、医薬部外品等の皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
日光からの紫外線の刺激は皮膚のメラニン色素の生成を促し、これが皮膚内に異常沈着すると、しみやソバカスの原因となる。また、皮膚細胞の遺伝子損傷の原因となることも既に知られている。化粧品及び皮膚用医薬品等の皮膚外用剤には、紫外線を防御する物質として、紫外線吸収剤や紫外線遮蔽剤が含まれている。このうち紫外線遮蔽剤として一般的に用いられるものとして、平均粒径0.03〜0.05μmの球状微粒子酸化チタンや、平均粒子径0.004〜0.05μm、長径と短径の平均比率が5〜15の紡錘状(針状)酸化チタン等が知られている。これらは、全てルチル型又はアナターゼ型の結晶型を有している。またこれらは、表面に疎水化処理を施すなどして前記油分に分散し、耐水性を向上させると共に剤中に均一に分散することで効果的に紫外線を遮蔽しようと試みられてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような微粒子酸化チタンは粒子サイズが非常に小さいために単一粒子の状態で均一分散することは難しく、かなりの凝集が起こり、剤中で効率的な紫外線遮蔽効果が得られない。一方で、現在の平均粒子径でもまだ大きすぎ、隠蔽性粉体として光散乱をおこし白浮きが目立ってしまっている。また、配合量を増加させても紫外線防止効果はさほど上がらず、かつ、展延性を損ねてしまい肌への感触が悪くなったりして好ましくないという問題点があった。さらに、ルチル型又はアナターゼ型酸化チタンは、元々光触媒として使用されるほど潜在的に活性が高いものであり、活性が低いタイプのものを選択しても皮膚刺激性が皆無であるとは言い切れない。現在知られている皮膚外用剤において、使用感、安全性に優れ、しかも優れた紫外線防止効果を発揮するものは未だ見いだされていない。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記状況を鑑み鋭意検討を重ねた結果、アモルファスチタニア水溶液または微粒子を用いることにより所望の紫外線吸収能を保持しつつ、かつ、皮膚塗布後の透明感、使用感、安全性が優れていることを見いだした。
【0005】
すなわち、本発明は、アモルファスチタニア水溶液または微粒子を含有することを特徴とする皮膚外用剤に関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の皮膚外用剤に用いるアモルファスチタニア水溶液または微粒子は以下に説明する方法により調整される。
【0007】
アモルファスチタニア水溶液は、アモルファス酸化チタン例えばアモルファスチタニア微粒子を原料として製造される。アモルファスチタニア微粒子は、例えばチタンテトラプロポキシド等のチタンテトラアルコキシドと当該アルコキシドに対応するアルコール(例えばイソプロパノール)とを混合し、更に対応するアルコールと水の混合液を加えて反応させ、得られた白色懸濁液を固液分離し、乾燥することにより得ることができる。
【0008】
チタンテトラアルコキシド、アルコール、水の混合比は、使用されるアルコキシドの種類によるが、1/1/1〜1/30/20程度の範囲である。例えば、チタンテトラプロポキシドからの調整の場合、チタンテトラプロポキシド/イソプロパノール/水=1/10/4の場合、好適に調整しうる。
【0009】
このようにして調製したチタニアはX線回折でルチル形、アナタース形とは異なる回折像を示した。アモルファス型は光触媒活性は低く、ルチル型、アナターゼ型に比して皮膚に対する安全性は高い。
【0010】
チタニア溶液は、前記アモルファスチタニア微粒子に過酸化水素水を加え、一旦ゲル化させ、さらに過酸化水素水を加えることにより得ることができる。過酸化水素の使用量は、特に限定されないが、アモルファスチタニアの濃度が0.01〜2%になるように調整されることが好ましい。濃度が低すぎると皮膚外用剤を調整する際大量に添加する必要が生じ、また、濃度が高すぎるとゲル化してしまい皮膚外用剤を調整する際に不具合が生じる。
【0011】
過酸化水素水の濃度は特に限定はなく、10〜30%の市販の濃度のものが使用出来、濃度によるアモルファスチタニア微粒子の溶解度の差はあまりない。
【0012】
チタニア水溶液を皮膚外用剤として使用する場合には、さらにアンモニアにより中和しておく必要がある。使用するアンモニア量は、アモルファスチタニア微粒子を溶液とするために使用した過酸化水素量の当量未満であることが好ましい。溶液のpHが7を超えるとチタンが水酸化物になるので、溶液は弱酸性にしておく必要があり、pH5〜7未満の範囲が好ましい。溶液中に若干過剰に残っている過酸化水素は、窒素バブリング、酸素バブリング、エアバブリング又は加温することなどにより減少させることができる。
【0013】
このようにして得られたアモルファスチタニア水溶液中のチタニア粒子の粒径は、13〜22nm、ディップして単層膜にした場合の膜厚は17nm以下である。また、溶媒を除去した場合、他の二酸化チタンは凝集して二次粒子が大きくなるため白色であるが、本発明の場合、他のものに比べ凝集しにくく、見かけ上透明な粒子である。
【0014】
本発明において用いられるチタニア溶液は、皮膚外用剤全量中に酸化チタンとして0.1〜30.0重量%配合するのが好ましく、さらに好ましくは1.0〜15.0重量%である。
【0015】
本発明の皮膚外用剤においては、本発明の効果を損なわない程度で、他の紫外線吸収剤及び紫外線遮蔽剤を併用してもよい。
【0016】
紫外線吸収剤としては、安息香酸系、アントラニリック酸系、桂皮酸系、ベンゾフェノン系等、また、天然物由来の紫外線吸収剤として、フラボノイド誘導体、ピペリン酸誘導体等が挙げられる。
【0017】
紫外線遮蔽剤としては、例えば球状微粒子酸化チタン、針状微粒子酸化チタン、球状微粒子酸化亜鉛、針状微粒子酸化亜鉛、酸化鉄、微粒子酸化鉄等が挙げられる。これらは、そのまま配合しても、あるいはシリコーン処理、フッ素処埋、金属セッケン処理、活性剤処理等により疎水化して配合してもよい。
【0018】
また、ビタミンC、コウジ酸誘導体、アルブチン等のハイドロキノン配糖体などの美白剤や皮膚損傷治療剤を配合してもよい。
【0019】
本発明の皮膚外用剤には上記必須成分の他に通常化粧料や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる他の成分を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。例えば、マイカ、タルク、シリコーン、ナイロン、セルロース等の粉末成分、アボガド油、ナタネ油、月見草油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ヤシ油、スクワラン、スクワレン、シリコーン油、流動パラフィン、エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、エチルヘキサン酸グリセリン等の油分;カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール等の高級アルコール;コレステロール、フィトステロール等のステロール;カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、リノール酸、リノレン酸等の高級脂肪酸;ポリエチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、ヒアルロン酸等の保湿剤;メチルセルロース、アラビアゴム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、モンモリロナイト等の増粘剤;エタノール、酢酸エチル等の有機溶剤;ブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、フィチン酸等の酸化防止剤;安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、ヘキサクロロフェン等の抗菌防腐剤;グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン、タウリン、アルギニン、ヒスチジン等のアミノ酸類およびこれらのアルカリ金属塩と塩酸塩;アシルサルコシン酸、グルタチオン、リンゴ酸等の有機酸;ビタミンAおよびその誘導体、ビタミンB類、ビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH,パントテン酸、パンテチン等のビタミン類;ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル、γ−オリザノール、アラントイン、グリチルリチン酸(塩)、グリチルレチン酸及びその誘導体、ヒノキチオール、ムシジン、ビサボロール、ユーカリプトール、チモール、イノシトール、サポニン類、パントテニルエチルエーテル、エチニルエストラジオール、セファランチン、プラセンタエキス、感光素、トラネキサム酸等の各種薬剤;ギシギシ、クララ、コウホネ、オレンジ、セージ、ノコギリソウ、ゼニアオイ、センキュウ、センブリ、タイム、トウキ、トウヒ、バーチ、スギナ、ヘチマ、マロニエ、ユキノシタ、アルニカ、ユリ、ヨモギ、シャクヤク、アロエ、クチナシ等の植物の天然エキス;モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリエチレングリコールモノオレート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリグリコールジエーテル、ラウロイルジエタノールアマイド、脂肪酸イソプロパノールアマイド、マルチトールヒドロキシ脂肪酸エーテル、アルキル化多糖、アルキルグルコシド、シュガーエステル等の非イオン性界面活性剤;ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド、第四級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤;パルミチン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル、ロート油、リニアドデシルベンゼン硫酸、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油マレイン酸、アシルメチルタウリン等のアニオン性界面活性剤;両性界面活性剤;色素;香料;精製水等を配合することができる。
【0020】
本発明の皮膚外用剤は、化粧料、医薬品、医薬部外品等、外皮に適用されるものを指し、その剤型は任意であり、パウダー状、クリーム状、ペースト状、スティック状、液状、スプレー状、ファンデーション等いずれの剤型でもかまわず、また、乳化剤を用いてW/O型あるいはO/W型に乳化しても良い。
【0021】
【実施例】
以下に、本発明を実施例および比較例により具体的に説明する。なお、本発明は当該実施例に限定されるものではない。
【0022】
(チタニア溶液の調整)
チタンイソプロポキシドとイソプロパノールを1:5のモル比になるように混合し10℃で2時間混合したのちチタンイソプロポキシドに対し4モル比の水を加え4時間混合した。生成した沈澱をろ過、乾燥しチタニアの微粒子を得た。このチタニア微粒子5重量部を20%過酸化水素水溶液100重量部に加え混合した。該溶液に20%アンモニア水100重量部を加え混合し、室温で1昼夜エアバブリングし、チタニア溶液を得た。
【0023】
<UV吸収領域>
上記により得られたチタニア溶液のUV吸収領域を図1に示す。
【0024】
【実施例1】
<クリーム>
以下の処方によりO/W型クリームを調整した。
オキシベンゾン 2.0%
パラメトキシケイ皮酸オクチル 5.0%
スクワラン 10.0%
ワセリン 5.0%
ステアリルアルコール 3.0%
ステアリン酸 3.0%
グリセリルモノステアレート 3.0%
ポリアクリル酸エチル 1.0%
酸化防止剤 適量
防腐剤 適量
香料 適量
精製水 5.0%
1,3ブチレングリコール 7.0%
上記アモルファスチタニア溶液 50.0%
エデト酸二ナトリウム 0.05%
トリエタノールアミン 1.0%
上記のように調整したクリームを黒色紙に塗布したが、白浮きは確認されなかった。
【0025】
【比較例1】
実施例1の処方中、チタニア溶液に変えて二酸化チタン1.5%、精製水を55%とした以外は同様にしてクリームを調整した。
上記のように調整したクリームを黒色紙に塗布したところ、白浮きが確認された。
【0026】
【発明の効果】
本発明の化粧料は、アモルファスチタニア水溶液または粒子を用いることにより所望の紫外線吸収能を保持しつつ、かつ、皮膚塗布後の透明感、使用感、安全性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】チタニア溶液のUV吸収領域
Claims (1)
- アモルファスチタニア水溶液または粒子を含有することを特徴とする皮膚外用剤
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003100338A JP2004307363A (ja) | 2003-04-03 | 2003-04-03 | 皮膚外用剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003100338A JP2004307363A (ja) | 2003-04-03 | 2003-04-03 | 皮膚外用剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004307363A true JP2004307363A (ja) | 2004-11-04 |
Family
ID=33464509
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003100338A Pending JP2004307363A (ja) | 2003-04-03 | 2003-04-03 | 皮膚外用剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004307363A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010083775A (ja) * | 2008-09-30 | 2010-04-15 | Kumamoto Univ | ヒトまたは動物用防臭抗菌剤 |
WO2013187574A1 (ko) * | 2012-06-12 | 2013-12-19 | ㈜제이알 코스메틱 | 피부미백용 화장품 조성물 |
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2003
- 2003-04-03 JP JP2003100338A patent/JP2004307363A/ja active Pending
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KR101391834B1 (ko) | 2012-06-12 | 2014-05-07 | (주)제이알코스메틱 | 피부미백용 화장품 조성물 및 그 제조방법 |
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