JP2004305963A - 汚染地盤の浄化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】必要最小限の汚染土壌や汚染物質を除去することによって地盤を浄化できる汚染地盤の浄化方法を提供すること。
【解決手段】汚染物質に汚染されている土壌を浄化する汚染地盤1の浄化方法において、前記汚染物質を含有する汚染地盤1を高圧水21によって撹拌し、原位置において地中試験管状もしくは地中フラスコ状の懸濁領域を形成し、必要に応じて懸濁領域下方から低圧水22を連続または断続して供給し続けることによって上昇水流23を形成することで、所定の期間にわたって懸濁状態3を維持した後に、前記低圧水22の供給を停止して土粒子を沈殿させ、上部に沈殿した細粒土31を除去することを特徴とする方法である。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、汚染物質によって汚染された土壌を浄化する汚染地盤の浄化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
様々な原因により地盤に浸透した汚染物質を、物理化学的処理などで無害化したり、汚染地盤を掘削などにより除去したり、遮水壁で囲んで封じ込めたりする方法で、汚染された土壌を浄化することが従来から実施されていた。
従来から実施されている汚染地盤の浄化方法の一つに、土壌洗浄法という方法がある。この方法では、掘削によって汚染物質を含有する汚染地盤を除去し、地上の洗浄プラントで汚染された土壌を洗浄し、浄化した土壌を再び地盤に戻す作業をおこなう。
また、非特許文献1に示されているように、ウォータージェットによって汚染地盤を切削し、汚染地盤と水が混合してできた汚染泥水を地上に排出し、無害化した地盤材料で切削した空洞を埋め戻す方法もある。
【0003】
【非特許文献1】
川端淳一、他3名、“ウォータージェットを用いた汚染地盤の修復技術について”、土と基礎、社団法人地盤工学会、2002年10月、第50巻、10号(537号)、p.25−27
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来の汚染地盤の浄化方法にあっては、次のような問題点がある。
<イ>土壌洗浄法では、汚染された土壌を浄化するための洗浄プラントが必要になる。洗浄プラントは大規模なものが多く、洗浄後の排水液の無害化も必要になるため、コストが高くなる。また、汚染地盤及びその周辺や汚染地盤に到達するまでの地盤を一旦、すべて除去するので、その中に汚染されていない土壌や浄化処理を必要としない土壌が混じっていたとしてもすべて洗浄処理することになる。このため、洗浄処理する土量が必要以上に多くなり、処理量に比例して洗浄プラントの規模やコストが増大する。
<ロ>非特許文献1の方法では、泥水化した汚染地盤を、エアリフトなどを使用して一旦すべて排出する。このため、多量の泥水が排水される。この泥水は汚染物質を含有しているため、産業廃棄物として処理するか、無害化する必要があり、排出される量に比例して手間と費用が増加する。
【0005】
【発明の目的】
本発明は上記したような従来の問題を解決するためになされたもので、必要最小限の汚染土壌や汚染物質を除去することによって地盤を浄化できる汚染地盤の浄化方法を提供することを目的とする。すなわち、除去する土質又は物質を選択することで、除去作業に付随する手間や費用を削減できる汚染地盤の浄化方法を提供することを目的とする。
また、地盤の内部において地中試験管状もしくは地中フラスコ状の懸濁領域を一時的に作成し、原位置で浄化処理の一部又は全部をとりおこなうことで、汚染地盤を除去した後の埋め戻し作業を低減できる汚染地盤の浄化方法を提供することを目的とする。
さらに、大規模な設備を必要とせず、安価に実施できる汚染地盤の浄化方法を提供することを目的とする。
本発明は、これらの目的の少なくとも一つを達成するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために、本発明の汚染地盤の浄化方法は、汚染物質に汚染されている土壌を浄化する汚染地盤の浄化方法において、前記汚染物質を含有する汚染地盤を高圧水によって撹拌し、原位置において地中試験管状もしくは地中フラスコ状の懸濁領域を形成し、必要に応じて懸濁領域下方から低圧水を連続または断続して供給し続けることによって上昇水流を形成することで、所定の期間にわたって懸濁状態を維持した後に、前記低圧水の供給を停止して土粒子を沈殿させ、上部に沈殿した細粒土を除去することを特徴とする方法である。ここで、前記低圧水と共に、界面活性剤により気泡状にした空気を懸濁領域下方から供給し、前記汚染物質を吸着している細粒土粒子を気泡に付着・浮遊上昇させることにより、細粒土を選別的に回収除去することができる。
【0007】
また、汚染物質に汚染されている土壌を浄化する汚染地盤の浄化方法において、前記汚染物質を含有する汚染地盤を高圧水によって撹拌し、原位置において地中試験管状もしくは地中フラスコ状の懸濁領域を形成し、懸濁領域下方から低圧水を連続または断続して供給し続けることによって上昇水流を形成することで、所定の期間にわたって懸濁状態を維持すると共に、活性炭、触媒、酸化剤、還元剤、化学的処理剤又は生物的処理用微生物を供給することで汚染土の原位置処理をおこなうことを特徴とする方法である。ここで、化学的処理剤とは、化学反応によって汚染物質を分解したり安定化させたりして汚染物質を無害化する化学薬品をいい、生物的処理用微生物とは、バクテリアなどの汚染物質を無害化する微生物をいう。また、前記汚染土の原位置処理に必要な物理的環境を形成するために、温水や冷水、又は高周波振動などを供給することができる。
【0008】
さらに、汚染物質に汚染されている土壌を浄化する汚染地盤の浄化方法において、前記汚染物質を含有する汚染地盤を高圧水によって撹拌し、原位置において地中試験管状もしくは地中フラスコ状の懸濁領域を形成し、陽電極と陰電極を前記懸濁領域の離隔した位置にそれぞれ配置し、懸濁領域下方から低圧水を連続または断続して供給し続けることによって上昇水流を形成することで、所定の期間にわたって懸濁状態を維持し、前記電極周辺に集積した汚染物質を除去する方法である。陽電極と陰電極は、例えば懸濁領域の上方と下方、又は懸濁領域の右側と左側に離して配置する。
また、上記した汚染地盤の浄化方法において、前記低圧水と共に、細粒土を粗粒土又は団粒状の細粒土から分離させる分散剤を供給することもできる。
【0009】
【発明の実施の形態1】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態1について説明する。
【0010】
<イ>汚染地盤
汚染地盤1は、汚染物質を含有する地盤である。
地盤には、様々な原因によって汚染物質が浸透している場合があり、その結果、地下水を汚染したり、揮発して人体に影響を及ぼしたりするおそれがある。このため、汚染地盤1を無害化したり、除去したりする必要がある。汚染物質には、種々の物質があるが、大きく分けて重金属等の汚染物質と、揮発性有機化合物がある。
汚染地盤1は、局所的に存在する場合と、広範囲に広がっている場合があるが、ここでは局所的な汚染地盤1を浄化する方法を例にして説明する。汚染範囲が水平方向に面的に広がっている場合は、後述する方法を繰り返し行うか、又は複数箇所で並行して浄化作業を行うことで対応できる。
【0011】
<ロ>浄化の原理
本発明の実施の形態1の浄化の原理について説明する。
汚染物質は土粒子の表面に付着するので、単位重量(又は単位体積)あたりの表面積の大きい土粒子を除去する方が効率的に汚染物質を除去できる。典型的な粒度分布を示す地盤を例に説明すると、砂質土では重量としては全体の10%に過ぎない粒径の小さい細粒土31が、全体の総表面積の70%を占めている。ここで、細粒土31とはシルト分や粘土分をいう。また、粗粒土32とは砂分やれき分をいう。特に粒径が約0.001mm(1μ)以下のコロイドと呼ばれる極微粒子は、丸みを欠いて鱗片状となるため、単位重量(又は単位体積)あたりの表面積を表す比表面積が非常に大きくなる。よって、極微粒子を確実に除去することは、総表面積の削減に大きく貢献する。
砂質土は透水性が高く汚染物質が浸透し易いため汚染され易いが、透水性が低く難浸透性のシルト質土や粘土においても同様のことが言え、細粒土31を除去するだけで汚染物質の多くを除去することができる。
そこで、本発明の実施の形態1では、細粒土31のみを選択して除去し、同時に汚染物質を多く含む懸濁水を選択的に吸引除去することで、効率よく汚染物質を除去することができる。
【0012】
<ハ>高圧水及び低圧水
高圧水21は、高圧ポンプなどによって高い圧力をかけられて供給される水である。高圧水21を供給する装置として、例えばウォータージェットがある。
ウォータージェットは、高圧ポンプと高圧ホースとノズルなどによって構成する。高圧ポンプで50〜250MPa程度に加圧された水を、小径のノズルから噴射させることによって、地盤やコンクリート等を切削することができる。高圧水21には、必要に応じて増粘剤や研磨剤を混入して切削能力を上げることもできる。
低圧水22は、地盤中に上昇水流23を形成できる程度の圧力水をいう。地盤の切削や撹拌までを期待していないため、必ずしも高圧ポンプを使用する必要はない。
【0013】
<ニ>懸濁領域
懸濁領域とは、汚染地盤1を懸濁状態3にするための領域をいう。懸濁領域は、筒型をした地中試験管状、もしくは下方を局所的に拡幅した地中フラスコ状に形成することができる。例えば、汚染地盤1の幅が狭い場合や、深度方向に長く汚染地盤が分布している場合は、地中試験管状に懸濁領域を形成する(図1参照)。また、地中の深い場所に局所的に汚染地盤1が広がっている場合は、地中フラスコ状に懸濁領域を形成する(図2参照)。
また、懸濁状態3とは、高圧水21によって撹拌された地盤が供給された水と混合して、地盤を構成する細粒土31や粗粒土32が水中に分散して濁った状態をいう。
懸濁状態3になった地盤は、時間の経過によって粒径の大きい土粒子から順に沈降して堆積する。
また、懸濁状態3になった地盤に対して、物理的・化学的浄化処理を施すため、長い時間懸濁状態3を維持する場合には、下方から低圧水22を供給し続け、上昇水流23を形成して沈降を阻止する必要がある。ここで、低圧水22の供給は、必ずしも連続している必要はなく、断続的であってもよい。
【0014】
懸濁状態3は、高圧水21によって地盤を撹拌するだけで形成することができるので、高圧水21の供給を停止した後にそのまま土粒子を沈降させるだけでも、粒径の違いによる沈降速度の差から細粒土31と粗粒土32をある程度分離することはできる。しかし、図5に示すように、粗粒土32の表面には細粒土31が付着しており、短時間撹拌しただけでは細粒土31と粗粒土32を完全に分離することはできない。このため、粗粒土32と共に再び下層に沈降してしまう細粒土31も多い。また、複数の細粒土31が結合して団粒状態になり見かけの粒径が大きくなる場合も、粗粒土32と共に沈降する可能性がある。
そこで、本発明では、低圧水22を長時間、下方から供給し続けることによってゆっくりした上昇水流23を地盤中に形成する。そして、上昇水流23に揉まれた粗粒土32の表面から細粒土31が分離して、上方に上昇するのを待つ(図5参照)。低圧水22を供給し続ける効果的な時間は土質によって変化するので、土質に合わせて適宜、決定すればよい。
また、低圧水22と共に、界面活性剤により気泡状にした空気を懸濁領域下方から供給することで、汚染物質を吸着している細粒土31の粒子を気泡に付着・浮遊上昇させることができる。この結果、細粒土31を選別的に回収除去することができる。
【0015】
<ホ>土壌の浄化手順(図3,4参照)
まず、ボーリングマシンで中空管2を回転させながら、先端付近から高圧水21を噴射させて、中空管2を地中に推進させる。地上には鋼板や鋼管などで筒状の立上げ部5を構築し、削孔に使用した水や懸濁状態3になった泥水があふれ出ないようにする。
高圧水21を噴射しながら撹拌した地盤は、懸濁領域として地中試験管状に形成される(図3(a)参照)。地中深部に汚染地盤1が広がっている場合は、高圧水21を中空管の先端付近から例えば水平方向に噴射させ、中空管2を回転させることで汚染地盤1を切削し、拡幅した懸濁領域を形成する(図4(a)参照)。
【0016】
汚染地盤1を撹拌した後に、中空管2の先端を撹拌した懸濁領域の下方に配置した状態で低圧水22を供給する。懸濁領域の下方から低圧水22を供給することで上昇水流23を形成することができる(図3(b),図4(b)参照)。この上昇水流23によって懸濁状態3を維持することができる。低圧水22の供給は、細粒土31が粗粒土32から完全に分離するまで、又は団粒状態の細粒土31が分離するまで続けるのが好ましい。
【0017】
充分に懸濁状態3を維持した後に、低圧水22の供給を停止し、粗粒土32及び細粒土31を沈降させる。粗粒土32と細粒土31の分離が充分になされている場合は、下層から粗粒土32の堆積層、細粒土31の堆積層、間隙水や供給した水からなる上澄み33の順に堆積する(図1,2参照)。
【0018】
そして、汚染物質が溶解した上澄み33と細粒土31を吸引ポンプなどによって吸引し、除去する(図3(c),図4(c)参照)。汚染地盤1が砂質土や砂地盤であれば、細粒土31の重量又は体積割合が小さいので、排出量を少なく抑えることができる。細粒土31を除去して形成された空洞は、汚染されていない土砂や公知の埋め戻し材料を充填することによって埋め戻す。本発明では、選択的な除去によって除去量を低減できるため、充填量も低減することができる。
また、使用する機械が地質調査に使用するボーリング機程度のため、狭い敷地においても実施が可能な上に、騒音も少ない。さらに、ボーリング調査によって汚染地盤1を確認しながら浄化を同時に行うこともできるので、コストや工期を削減できる。
【0019】
【発明の実施の形態2】
上記した実施の形態1では、低圧水22又はそれに加えて空気を供給し続けることによって、細粒土31を粗粒土32から分離させる方法について説明した。実施の形態2では、低圧水22に他の物質を加えることで、汚染地盤1の有害性を低下させたり、細粒土31と粗粒土32の分離を促進したりする方法について説明する。
【0020】
<イ>有害性の低下
実施の形態1では、細粒土31に付着した汚染物質を細粒土31と一緒に取り除く方法について説明した。
実施の形態2では、懸濁領域が懸濁状態3の間に、活性炭、触媒、酸化剤、還元剤、化学的処理剤又は生物的処理用微生物を添加することで、汚染物質の有害性を低下させる。汚染土の一部又は全部を原位置で処理できれば、排出した上澄み33や細粒土31の有害性も低下できるので、地上に排出された排出物を処理する負担も軽減できる。また、原位置処理による改善度が優れていれば、細粒土31を排出する必要もなくなる。さらに、粗粒土32と共に地盤に残される間隙水の有害性も低下させることができる。
例えば活性炭は、ガス状の揮発性有機化合物(有機塩素化合物、低沸点石油類など)を吸着することができる。また、触媒によって汚染物質を化学反応させ、有害性を低くすることもできる。但し、この場合は、中間に生成される物質の特性についても注意を払う必要がある。さらに、汚染物質に対して酸化反応や還元反応を起こさせる酸化剤又は還元剤を添加することで、有害性を低下させたり、一部を無害化したりすることもできる。例えば、土壌中の六価クロムに第一鉄塩や亜硫酸塩等の還元剤を混合することで三価クロムに変化させ、有害性を低下させると共に難溶性にすることができる。
また、化学的処理剤は、化学反応によって汚染物質を分解したり安定化させたりして汚染物質を無害化する化学薬品をいう。
また、生物的処理用微生物とは、汚染物質を無害化するバクテリアなどの微生物をいう。
上記した添加剤は、懸濁領域の水温、安定度などの物理的環境によって、反応速度や処理能力が変化する場合がある。そこで、原位置処理に必要な物理的環境を整えるために、温水または冷水や、高周波振動などを与えることが好ましい。
【0021】
<ロ>分散剤
細粒土31を粗粒土32や細粒土31から効率的に分離させるために分散剤を使用することもできる。分散剤としては、例えばケイ酸ナトリウム、カセイソーダ溶液、過酸化水素溶液などが使用できる。
分散剤を使用することで、細粒土31が帯電して粗粒土32にしっかりと付着している場合や、細粒土31同士が団粒状に結合してみかけの粒径が大きくなっている場合に、分離を促進することができる。
分散剤も低圧水22と共に供給して、懸濁状態3の中で充分に混合することが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態3】
実施の形態3では、電気的分離法を利用した実施例について、図6を基にして説明する
【0023】
<イ>電極の設置
実施の形態3では、実施の形態1と同様にして、汚染地盤1をウォータージェットなどで切削、撹拌する。
そして、陽電極41と陰電極42を懸濁領域の離隔した位置にそれぞれ配置する。図6には、陽電極41を上方に配置し、陰電極42を下方に配置した実施例を示したが、地中フラスコ状に懸濁領域を形成した場合などは、電極41,42を拡幅部の右端と左端にそれぞれ配置してもよい。
また、陽電極41と陰電極42のどちらの電極を上方に配置するかは任意に決めることができる。通常は、除去したい汚染物質が陰イオンなのか陽イオンなのかによって決定することができる。
【0024】
<ロ>汚染物質の集積及び除去
電極を配置した状態で汚染地盤1を懸濁状態3にすると、汚染物質も浮遊することになる。懸濁状態3を維持するには、実施の形態1と同様に、低圧水22を供給し続ければよい。
例えば、汚染物質が六価クロムである場合、炭素棒を陽電極41にし、鉄筋棒を陰電極42にして、両電極間に直流電圧を加える。すると、陰イオンとして地盤中に存在する六価クロムは、陽電極41の周りに集積する。懸濁状態3を長時間維持することで、広い範囲から汚染物質を集積してくることができる。そして、陽電極41の周囲に集積した汚染物質を含有した土中水などを、吸引ポンプなどを使用して除去する。
汚染物質が重金属等の陽イオンである場合は、電極の上下を入れ替えることもできる。また、下方に配置した電極に集積した汚染物質を除去する方法を採用することもできる。
【0025】
【発明の効果】
本発明の汚染地盤の浄化方法は、以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。
<イ>汚染地盤の浄化のレベルを選択することができる。すなわち、目標とする浄化レベルを設定すれば、その目標を達成するのに必要最小限の汚染土壌や汚染物質を選択して除去すればよい。このため、除去作業や埋め戻し作業、排出物の浄化処理作業などにかかる手間や費用を低減できる。
<ロ>除去するものを選択できるので、大規模な洗浄設備や浄化装置を設けなくともよい。このため、安価に土壌を浄化することができる。特に、中小工場の跡地など、敷地が狭くて大型の機械設備が設置できない場所には最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】地中試験管状の懸濁領域に土粒子が沈殿した地盤状態を示した断面図。
【図2】地中フラスコ状の懸濁領域に土粒子が沈殿した地盤状態を示した断面図。
【図3】地中試験管状の懸濁領域を形成した場合の本発明の汚染地盤の浄化方法を示した手順図。(a)汚染地盤の撹拌作業の実施例を示した断面図。(b)懸濁状態を維持している実施例の断面図。(c)細粒土の除去作業の実施例を示した断面図。
【図4】地中フラスコ状の懸濁領域を形成した場合の本発明の汚染地盤の浄化方法を示した手順図。(a)汚染地盤の撹拌作業の実施例を示した断面図。(b)懸濁状態を維持している実施例の断面図。(c)細粒土の除去作業の実施例を示した断面図。
【図5】細粒土と粗粒土の状態を模式化して示した説明図。
【図6】電気分離法を利用する場合の実施例の説明図。
【符号の説明】
1・・・汚染地盤
21・・高圧水
22・・低圧水
23・・上昇水流
3・・・懸濁状態
31・・細粒土
32・・粗粒土
41・・陽電極
42・・陰電極

Claims (6)

  1. 汚染物質に汚染されている土壌を浄化する汚染地盤の浄化方法において、
    前記汚染物質を含有する汚染地盤を高圧水によって撹拌し、原位置において地中試験管状もしくは地中フラスコ状の懸濁領域を形成し、
    必要に応じて懸濁領域下方から低圧水を連続または断続して供給し続けることによって上昇水流を形成することで、所定の期間にわたって懸濁状態を維持した後に、
    前記低圧水の供給を停止して土粒子を沈殿させ、
    上部に沈殿した細粒土を除去することを特徴とする、汚染地盤の浄化方法。
  2. 前記低圧水と共に、界面活性剤により気泡状にした空気を懸濁領域下方から供給し、前記汚染物質を吸着している細粒土粒子を気泡に付着・浮遊上昇させることにより、細粒土を選別的に回収除去することを特徴とする、請求項1記載の汚染地盤の浄化方法。
  3. 汚染物質に汚染されている土壌を浄化する汚染地盤の浄化方法において、
    前記汚染物質を含有する汚染地盤を高圧水によって撹拌し、原位置において地中試験管状もしくは地中フラスコ状の懸濁領域を形成し、
    懸濁領域下方から低圧水を連続または断続して供給し続けることによって上昇水流を形成することで、所定の期間にわたって懸濁状態を維持すると共に、活性炭、触媒、酸化剤、還元剤、化学的処理剤又は生物的処理用微生物を供給することで汚染土の原位置処理をおこなうことを特徴とする、汚染地盤の浄化方法。
  4. 温水、冷水又は高周波振動などを供給することで前記汚染土の原位置処理に必要な物理的環境を形成することを特徴とする、請求項3記載の汚染地盤の浄化方法。
  5. 汚染物質に汚染されている土壌を浄化する汚染地盤の浄化方法において、
    前記汚染物質を含有する汚染地盤を高圧水によって撹拌し、原位置において地中試験管状もしくは地中フラスコ状の懸濁領域を形成し、
    陽電極と陰電極を前記懸濁領域の離隔した位置にそれぞれ配置し、懸濁領域下方から低圧水を連続または断続して供給し続けることによって上昇水流を形成することで、所定の期間にわたって懸濁状態を維持し、
    前記電極周辺に集積した汚染物質を除去することを特徴とする、汚染地盤の浄化方法。
  6. 前記低圧水と共に、細粒土を粗粒土又は団粒状の細粒土から分離させる分散剤を供給することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の汚染地盤の浄化方法。
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