JP2004305247A - ゴルフシューズ用ソール構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】着脱式の樹脂スパイクを有するゴルフシューズにおいて、樹脂スパイクにかかる荷重を分散させ、樹脂スパイクのスパイクマークの発生を抑制するとともに、軽量で屈曲性に優れたソール構造体を提供する。
【解決手段】シューズの全長にわたって延設され、接地面20の一部に凹部20aが形成された軟質弾性部材製のソール本体2と、ソール本体2の凹部20a内に固着されるとともに、樹脂スパイク10が螺着される複数の取付部材30を有する硬質部材製の補強プレート3と、樹脂スパイク10を取付部材30に取り付けた状態において、ソール本体2の接地面20が、樹脂スパイク周囲の補強プレート下面3aよりも下方に突出するとともに、樹脂スパイク先端10bよりも上方に沈んでいる。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴルフシューズ用ソール構造体に関し、詳細には、着脱式の樹脂製スパイクを有するゴルフシューズのためのソール構造体に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】
近年、金属製スパイクに代わって、着脱式の樹脂製スパイクを備えたゴルフシューズが一般に使用されるようになっているが、金属スパイクを単に樹脂スパイクに変えただけでは、樹脂スパイク部分に荷重が集中する結果、金属スパイクよりも大径の樹脂スパイクによって、却って芝生面に大きなスパイクマーク(凹み跡)が発生するという問題があった。
【0003】
そこで、特開2000−245505号公報に示すように、樹脂スパイクに加えて多数の補助突起を有するソール構造が提案されている。このソール構造では、多数の補助突起を有するプレートがソール接地面に装着されており、該プレートには、ソール接地面に形成されたねじ穴に螺合する樹脂スパイクのねじ部が挿通される複数の貫通孔が形成されている。
【0004】
上記公報記載のものでは、樹脂スパイクよりも高さの低い多数の補助突起がプレートの貫通孔の周囲を除く領域のほぼ全面に設置されていることにより、シューズから芝生に作用する荷重が樹脂スパイク部分のみに集中することなく、荷重がプレート全面に分散されるようになっている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−245505号公報(段落番号[0009]および図2参照)
【0006】
しかしながら、この場合には、補助突起をプレートのほぼ全面に設置することによって、プレート全体の重量が重くなり、プレートの屈曲性も低下するという欠点がある。
【0007】
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、着脱式の樹脂スパイクを有するゴルフシューズにおいて、樹脂スパイクにかかる荷重を分散でき、樹脂スパイクのスパイクマークの発生を抑制できるとともに、軽量で屈曲性に優れたソール構造体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、着脱式の樹脂スパイクを有するゴルフシューズのためのソール構造体であって、シューズの全長にわたって延設され、接地面の一部に凹部が形成された軟質発泡樹脂製または軟質発泡ラバー製のソール本体と、ソール本体の凹部内に固着されるとともに、樹脂スパイクが螺着される複数の取付部材を有する硬質樹脂製または硬質ラバー製の補強プレートとを備えている。そして、樹脂スパイクを取付部材に取り付けた状態において、ソール本体の接地面が、樹脂スパイクの周囲における補強プレートの下面よりも下方に突出するとともに、樹脂スパイクの先端面よりも上方に沈んでいる。
【0009】
請求項1の発明によれば、ソール本体の接地面、樹脂スパイク周囲の補強プレートの下面および樹脂スパイクの先端面の間の上下方向の位置関係が、芝生面に近い方から、つまり下方への突出量が大きい方から『樹脂スパイクの先端面←ソール本体の接地面←樹脂スパイク周囲の補強プレートの下面』の順に配置されている。
【0010】
すなわち、この場合には、ソール本体の接地面が下方に突出していることによって、ソール本体の接地面に対する樹脂スパイクの突出量が抑制されている。このため、パッティング時などのように、ソールに局所的に大きな荷重が作用せずソール全体で荷重を受ける場合には、樹脂スパイクに荷重が集中することなく、樹脂スパイクおよびソール本体接地面で荷重を分担して受けることになるので、荷重を分散させることができる。その結果、樹脂スパイクに荷重が集中して芝生面にスパイクマークが発生するのを防止できる。
【0011】
その一方、ティーショット時や斜面歩行時などのように、ソールに局所的に大きな荷重が作用する場合には、ソール本体が軟質弾性部材製であるため、荷重を受けた樹脂スパイクの回りのソール本体が圧縮変形して、その接地面が上方に沈み込むことになり、その結果、当該樹脂スパイクの突出量が増えて、樹脂スパイクによるグリップ性が向上する。
【0012】
なお、軟質発泡樹脂製または軟質発泡ラバー製のソール本体よりも硬質樹脂製または硬質ラバー製の補強プレートの方が比重が大きくなっているが、請求項1の発明では、補強プレートが、ソール本体の接地面の一部に形成された凹部内に設けられており、特開2000−245505号記載のソールのようにソール本体の全面には配設されていないので、ソール構造全体を軽量化でき、屈曲性を向上できる。
【0013】
また、ソール本体の接地面に形成した凹部内に補強プレートを嵌め込むとともに、補強プレートの下面をソール本体の接地面よりも上方に沈み込ませるようにしたことにより、補強プレートの剥離を防止できるとともに、接着剤のはみ出しを抑制できることによって、美観を向上できる。
【0014】
補強プレートは、請求項2の発明のように、スパイク取付部材を保持する複数の台座部と、各台座部を連結しつつソール本体の外周に沿って帯状に延びる第1の連結部とを有しているのが好ましい。この場合には、台座部および第1の連結部によって、スパイクからの突き上げ力を緩和できる。
【0015】
請求項3の発明では、第1の連結部の一部が、前後方向に進む波形状を有している。この場合には、波形状の山または谷の部分で補強プレートが前後に屈曲しやすくなっているので、ソール構造全体の屈曲性を向上できる。
【0016】
請求項4の発明では、第1の連結部の一部に屈曲溝が形成されている。この場合には、屈曲溝の部分で補強プレートが前後に屈曲しやすくなっているので、ソール構造全体の屈曲性を向上できる。
【0017】
請求項5の発明では、第1の連結部の幅が5mm以上32mm以下になっている。これは、幅が5mmよりも小さいと、ソール本体との間で十分な接着しろが確保できず、また連結部自体が捩じれやすくなるためであり、その一方、幅が32mmよりも大きいと、連結部の外側にソール本体の接地面が確保できなくなる恐れがあるためである。
【0018】
請求項6の発明においては、ソール本体の内甲側および外甲側にそれぞれ配置された内甲側台座部および外甲側台座部を有しており、これらの台座部間には、実質的に幅方向に帯状に延びつつこれらの台座部を連結する第2の連結部が配設されている。
【0019】
この場合には、第2の連結部により、各台座部にスパイクを取り付けたときに、内甲側および外甲側の各スパイク間において幅方向の剛性を向上でき、これにより、ソール構造全体が下方に凸状に撓むのを抑制できる。
【0020】
請求項7の発明では、第2の連結部が上方に凸状に湾曲している。この場合には、ソール構造全体が下方に凸状に撓むのをより効果的に抑制できる。
【0021】
請求項8の発明では、第2の連結部の幅が5mm以上20mm以下になっている。これは、幅が5mmよりも小さいと、ソール本体との間で十分な接着しろが確保できず、また連結部自体が捩じれやすくなるためであり、その一方、幅が20mmよりも大きいと、連結部の回りにおいてソール本体の接地面の面積が十分に確保されなくなる恐れがあり、また連結部の重量が増えることになるためである。
【0022】
請求項9の発明では、補強プレートが、台座部の周囲に張り出すフランジ部を有しており、フランジ部の円周形状部分の直径が32mm以下になっている。この場合には、フランジ部を設けることでスパイクからの突き上げ力を緩和できる。また、フランジ部の直径を32mm以下にしたのは、直径が32mmよりも大きいと、フランジ部の外側にソール本体の接地面が確保できなくなる恐れがあるためである。
【0023】
請求項10の発明では、複数の補助突起が補強プレートの下面に一体成形されている。この場合には、シューズから芝生に作用する荷重が、樹脂スパイク部分のみに集中することなく、樹脂スパイクおよび補助突起によって効果的に分散できる。
【0024】
ソール本体の接地面には、請求項11の発明のように、前後方向中心線に対して90±25°傾斜した溝または突起が形成されているのが好ましい。これにより、ソール本体の接地面の防滑性を向上できるとともに、溝または突起に沿って屈曲しやすくなることにより、ソール構造全体の屈曲性を向上できる。
【0025】
ソール本体は、請求項12の発明のように、アスカーのCスケールで50〜90度の硬度を有し、0.1〜0.9の比重を有しているのが好ましい。この場合には、ソールに局所的に大きな荷重が作用したときにソール本体が容易に圧縮変形できるとともに、ソール本体を軽量化できる。
【0026】
ソール本体の接地面には、請求項13の発明のように、ソール本体の上面よりも耐摩耗性の高い耐摩耗性材料が一体成形されているのが好ましい。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施態様を添付図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施態様によるゴルフシューズ用ソール構造体の底面図、図2はスパイクが取り外された状態のソール構造体の底面図、図3はソール構造体(図2)の外甲側側面図、図4は補強プレートを取り付ける前のソール構造体の底面図、図5は補強プレート(図2)の底面図、図6は図1のVI−VI 線断面図、図7は図2のVII−VII 線断面図である。
【0028】
図1ないし図5に示すように、このソール構造体1は、シューズの踵部から中足部をへて前足部まで延設されたソール本体2と、ソール本体2の接地面20の一部に形成された凹部20a内に配置された補強プレート3とを備えている。
【0029】
ソール本体2は、発泡EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)、発泡RB(1.2 ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー)、または発泡PU(ポリウレタン)などの軟質発泡樹脂、あるいは軟質発泡ラバーから構成されている。一方、補強プレート3は、ポリウレタンまたはナイロンなどの硬質樹脂、あるいは硬質ラバーから構成されているが、ガラス繊維やカーボン繊維などを用いて強化された樹脂であるFRPを採用するようにしてもよい。補強プレート3は、ソール本体2の凹部20a内に接着剤で固着されている。
【0030】
補強プレート3は、樹脂スパイク10をねじ止めするためのねじ穴30aが形成された複数の取付部材30を有している(図6および図7参照)。各取付部材30は、補強プレート3に形成された台座部31に保持されている。
【0031】
図6に示すように、樹脂スパイク10のねじ部10aを補強プレート3の取付部材30のねじ穴30aに螺着した状態において、ソール本体2の接地面20は、樹脂スパイク10の周囲における補強プレート3の下面3aよりも下方に突出するとともに、樹脂スパイク10の先端面10bよりも上方に沈んでいる。より詳細に説明すると、補強プレート3の下面3aからソール本体2の接地面20までの高さをdとし、補強プレート3の下面3aから樹脂スパイク10の先端面10bまでの高さをhとするとき、d=2〜6mmであり、h=5〜7mmであって、d<hの関係を有している。なお、hとdの寸法差は1mm以上あるのが好ましい。
【0032】
このように、ソール本体2の接地面20が補強プレート3の下面3aよりも下方に突出していることによって、ソール本体2の接地面20に対する樹脂スパイク10の突出量が抑制されている。このため、パッティング時などのように、ソールに局所的に大きな荷重が作用せずソール全体で荷重を受ける場合には、樹脂スパイク10に荷重が集中することなく、樹脂スパイク10およびソール本体接地面20で荷重を分担して受けることになるので、荷重を分散させることができる。その結果、樹脂スパイク10に荷重が集中して芝生面にスパイクマークが発生するのを防止できる。
【0033】
その一方、ティーショット時や斜面歩行時などのように、ソールに局所的に大きな荷重が作用する場合には、ソール本体2が軟質弾性部材製であるため、荷重を受けた樹脂スパイク10の回りのソール本体2が圧縮変形して、その接地面20が上方に沈み込むことになり、その結果、当該樹脂スパイク10の相対的な突出量が増えて、樹脂スパイク10によるグリップ性が向上する。
【0034】
なお、硬質樹脂製または硬質ラバー製の補強プレート3の比重は1以上であり、軟質発泡樹脂製または軟質発泡ラバー製のソール本体2の比重は0.1〜0.9であるため、補強プレート3の方がソール本体2よりも比重が大きくなっている。本実施態様では、補強プレート3が、ソール本体2の接地面20の一部に形成された凹部20a内に設けられており、ソール本体2の全面には配設されていないので、ソール構造全体を軽量化でき、屈曲性を向上できる。
【0035】
また、ソール本体2の接地面20に形成した凹部20a内に補強プレート3を嵌め込むとともに、補強プレート3の下面3aをソール本体2の接地面20よりも上方に沈み込ませるようにしたことにより、補強プレート3の剥離を防止できるとともに、接着剤のはみ出しを抑制でき、美観を向上できる。
【0036】
補強プレート3は、図2および図5に示すように、各台座部31を連結しつつソール本体2の外周に沿って実質的に前後方向に帯状に延びる第1の連結部3A,3Bを有している。第1の連結部3Aはソール本体2の外甲側に沿って配設されており、第1の連結部3Bはソール本体2の内甲側に沿って配設されている。この場合には、台座部31および第1の連結部3A,3Bによって、スパイク10からの突き上げ力を緩和できる。
【0037】
第1の連結部3A,3Bの幅は、5mm以上32mm以下に設定されている。これは、幅が5mmよりも小さいと、ソール本体2の凹部20aとの間で十分な接着しろが確保できず、また連結部自体が捩じれやすくなるためであり、その一方、幅が32mmよりも大きいと、各連結部3A,3Bの外側にソール本体2の接地面20が確保できなくなる恐れがあるためである。
【0038】
第1の連結部3A,3Bには、前後方向に進む波形状部(図示せず)がその一部に形成されていてもよい。この場合には、波形状の山または谷の部分で補強プレート3が前後に屈曲しやすくなっているので、ソール構造全体の屈曲性を向上できる。または、第1の連結部3A,3Bの一部に断面略V(またはU)字状の屈曲溝(図示せず)が形成されていてもよい。この場合においても、屈曲溝の部分で補強プレート3が前後に屈曲しやすくなっているので、ソール構造全体の屈曲性を向上できる。
【0039】
第1の連結部3A,3B間において、内甲側および外甲側の各台座部31,31間には、実質的に幅方向に帯状に延びつつこれらの台座部を連結する第2の連結部3C,3D,3Eが配設されている。
【0040】
この場合には、これら第2の連結部3C,3D,3Eにより、各台座部31にスパイク10を取り付けたときに、内甲側および外甲側の各スパイク10,10間において幅方向の剛性を向上でき、これにより、ソール構造全体が下方に凸状に撓むのを抑制できる。
【0041】
第2の連結部3C,3D,3Eの幅は、5mm以上20mm以下に設定されている。これは、幅が5mmよりも小さいと、ソール本体2の凹部20aとの間で十分な接着しろが確保できず、また連結部自体が捩じれやすくなるためであり、その一方、幅が20mmよりも大きいと、連結部の回りにおいてソール本体2の接地面20の面積が十分に確保されなくなる恐れがあり、また連結部の重量が増えることになるためである。
【0042】
第2の連結部3C,3D,3Eは、上方に凸状に湾曲していてもよい。この例では、図7に示すように、第2の連結部3Cが上方に凸状に湾曲している。この場合には、ソール構造全体が下方に凸状に撓むのをより効果的に抑制できるようになる。
【0043】
なお、第1および第2の連結部3A〜3Eの板厚は、0.8mm以上3mm以下に設定されている。これは、板厚が0.8mmよりも小さいと成形が困難になるためであり、また3mmよりも大きいと、屈曲性が低下するとともに、補強プレート全体の重量が増加することになるためである。
【0044】
補強プレート3を前後方向および幅方向にそれぞれ延びる第1および第2の連結部3A〜3Eから構成したことにより、補強プレート3の踏付部分には、図5に示すように、二つの開口部34が形成されている。これらの開口部34によって、補強プレート3の踏付部分の屈曲性を向上できる。
【0045】
補強プレート3は、台座部31の周囲に張り出すフランジ部35を有しており、フランジ部35の円周形状部分の直径は32mm以下に設定されている。このようなフランジ部35を設けることでスパイク10からの突き上げ力を緩和できる。また、フランジ部35の直径を32mm以下にしたのは、直径が32mmよりも大きいと、フランジ部35の外側にソール本体2の接地面20が確保できなくなる恐れがあるためである。
【0046】
言い換えれば、図2に示すように、フランジ部35の外周縁部とソール本体2の接地面20の外周縁部との間の距離、すなわちソール本体2の接地面20の最小幅wは、3mm以上15mm以下に設定されている。これは、最小幅wが3mmより小さいと、ソール本体2の接地面20がこの最小幅部分で引きちぎれてしまう恐れがあるためであり、また最小幅wが15mmよりも大きいと、台座部31の中心位置つまりスパイク取付位置が内側に寄りすぎて、スイング時の横方向の安定性を低下させてしまうことになるためである。
【0047】
補強プレート3の下面3aには、複数の補助突起36が一体成形されている。この場合には、シューズから芝生に作用する荷重が、樹脂スパイク10の部分のみに集中することなく、樹脂スパイク10および補助突起36によって効果的に分散できるようになる。
【0048】
また、補強プレート3のつま先側にはつま先補強片37が、踵後端側には踵補強片38がそれぞれ取り付けられている。これらの補強片37,38は、ソール本体2の接地面20の摩耗や損傷を防止するための部材であって、硬質樹脂または硬質ラバーから構成されている。なお、つま先補強片37は、足の第5趾外側部分まで延設されていてもよい。また、ソール本体2の接地面20において摩耗や損傷を防止したい他の領域、たとえば第1趾および第5趾中足骨骨頭付近に同様の補強片を設けるようにしてもよい。
【0049】
ソール本体2の接地面20には、図4に示すように、前後方向中心線Lに対して90±25°の方向に傾斜する溝22または突起が形成されているのが好ましい。これにより、ソール本体2の接地面20の防滑性を向上できるとともに、ソール本体2が溝22または突起に沿って屈曲しやすくなることにより、ソール構造全体の屈曲性を向上できる。
【0050】
ソール本体2は、アスカーのCスケールで50〜90度の硬度を有し、0.1〜0.9の比重を有しているのが好ましい。この場合には、ソールに局所的に大きな荷重が作用したときにソール本体2が容易に圧縮変形できるようになるとともに、ソール本体2を軽量化できる。
【0051】
なお、ソール本体2の接地面20には、ソール本体2の上面よりも耐摩耗性の高い発泡素材を設けるようにしてもよい。
【0052】
また、前記実施態様では、凹部20aをソール本体2の接地面20の踵後端部からつま先部にかけて全長にわたって形成した例を示したが、本発明の適用はこれには限定されない。凹部20aは、ソール本体2の接地面20の前足部にのみ形成するようにしてもよく、または後足部にのみ形成するようにしてもよい。たとえば、凹部20aをソール本体2の接地面20の前足部にのみ形成した場合には、補強プレート3の後足部側の延長部分により、ソール本体2の接地面20の踵部分の全面を覆うようにしてもよい。
【0053】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、着脱式の樹脂スパイクを有するゴルフシューズにおいて、樹脂スパイクを補強プレートの取付部材に取り付けた状態で、ソール本体の接地面を樹脂スパイク周囲の補強プレート下面よりも下方に突出させるとともに樹脂スパイクの先端面よりも上方に沈ませるようにしたので、樹脂スパイクにかかる荷重を分散でき、樹脂スパイクのスパイクマークの発生を抑制できるとともに、軽量で屈曲性に優れたソール構造体を提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様によるゴルフシューズ用ソール構造体の底面図である。
【図2】スパイクが取り外されたソール構造体(図1)の底面図である。
【図3】ソール構造体(図2)の外甲側側面図である。
【図4】補強プレートを取り付ける前のソール構造体(図2)の底面図である。
【図5】ソール構造体(図2)の補強プレートの底面図である。
【図6】図1のVI−VI 線断面図である。
【図7】図2のVII−VII 線断面図である。
【符号の説明】
1: ソール構造体
2: ソール本体
20: 接地面
20a: 凹部
3: 補強プレート
3a: 下面
3A: 第1の連結部
3B: 第1の連結部
3C: 第2の連結部
3D: 第2の連結部
3E: 第2の連結部
30: 取付部材
30a: ねじ穴
31: 台座部
35: フランジ部
10: 樹脂スパイク
10b: 先端面

Claims (13)

  1. 着脱式の樹脂スパイクを有するゴルフシューズのためのソール構造体であって、
    シューズの踵部から中足部をへて前足部まで延設されるとともに、接地面の一部に凹部が形成された軟質発泡樹脂製または軟質発泡ラバー製のソール本体と、
    前記ソール本体の前記凹部内に固着されるとともに、前記樹脂スパイクが螺着される複数の取付部材を有する硬質樹脂製または硬質ラバー製の補強プレートとを備え、
    前記樹脂スパイクを前記取付部材に取り付けた状態において、前記ソール本体の前記接地面が、前記樹脂スパイクの周囲における前記補強プレートの下面よりも下方に突出するとともに、前記樹脂スパイクの先端面よりも上方に沈んでいる、
    ことを特徴とするゴルフシューズ用ソール構造体。
  2. 請求項1において、
    前記補強プレートが、前記各取付部材を保持する複数の台座部と、前記ソール本体の外周に沿って帯状に延びつつ前記各台座部を連結する第1の連結部とを備えている、
    ことを特徴とするゴルフシューズ用ソール構造体。
  3. 請求項2において、
    前記第1の連結部の一部が、前後方向に進む波形状を有している、
    ことを特徴とするゴルフシューズ用ソール構造体。
  4. 請求項2において、
    前記第1の連結部の一部に屈曲溝が形成されている、
    ことを特徴とするゴルフシューズ用ソール構造体。
  5. 請求項2において、
    前記第1の連結部の幅が5mm以上32mm以下である、
    ことを特徴とするゴルフシューズ用ソール構造体。
  6. 請求項2において、
    前記台座部が、前記ソール本体の内甲側に配置された内甲側台座部と、前記ソール本体の外甲側に配置された外甲側台座部とを有しており、前記内甲側台座部および前記外甲側台座部間には、実質的に幅方向に帯状に延びつつ前記内甲側台座部および前記外甲側台座部を連結する第2の連結部が配設されている、
    ことを特徴とするゴルフシューズ用ソール構造体。
  7. 請求項6において、
    前記第2の連結部が上方に凸状に湾曲している、
    ことを特徴とするゴルフシューズ用ソール構造体。
  8. 請求項6において、
    前記第2の連結部の幅が5mm以上20mm以下である、
    ことを特徴とするゴルフシューズ用ソール構造体。
  9. 請求項2において、
    前記補強プレートが、前記台座部の周囲に張り出すフランジ部を有しており、前記フランジ部の円周形状部分の直径が32mm以下である、
    ことを特徴とするゴルフシューズ用ソール構造体。
  10. 請求項1または2において、
    前記補強プレートの前記下面には、複数の補助突起が前記補強プレートと一体成形されている、
    ことを特徴とするゴルフシューズ用ソール構造体。
  11. 請求項1において、
    前記ソール本体の前記接地面には、前後方向中心線に対して90±25°傾斜した溝または突起が形成されている、
    ことを特徴とするゴルフシューズ用ソール構造体。
  12. 請求項1において、
    前記ソール本体が、アスカーのCスケールで50〜90度の硬度を有し、0.1〜0.9の比重を有している、
    ことを特徴とするゴルフシューズ用ソール構造体。
  13. 請求項1において、
    前記ソール本体の前記接地面には、前記ソール本体の上面よりも耐摩耗性の高い耐摩耗性材料が一体成形されている、
    ことを特徴とするゴルフシューズ用ソール構造体。
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