JP2004160064A - 釣用靴 - Google Patents
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Abstract
【課題】釣用靴の改良。釣人の脚への衝撃を緩和し、脚が疲れない釣用靴の提供。
【解決手段】釣用靴10は、靴本体11と、ミッドソール部12と、ソール部13とを備える。ソール部13は、面ファスナーによりミッドソール部12に取り付けられている。ミッドソール部12は、底板部29と、これに立設されたリブ30とを有し、内部が中空構造となっている。靴本体11の載置部23は、クッション部材28を備える。クッション部材28は、シート部材27と共に積層されている。
【選択図】 図2
【解決手段】釣用靴10は、靴本体11と、ミッドソール部12と、ソール部13とを備える。ソール部13は、面ファスナーによりミッドソール部12に取り付けられている。ミッドソール部12は、底板部29と、これに立設されたリブ30とを有し、内部が中空構造となっている。靴本体11の載置部23は、クッション部材28を備える。クッション部材28は、シート部材27と共に積層されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術の分野】
この発明は、釣りの際に使用される靴の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
例えば、磯釣り、川釣り等においては、釣人が釣り場を安全に移動するために専用設計された靴が使用される。この靴には、シューズタイプ、ブーツタイプ等、さまざまな種類がある。
このような釣用靴は、ソール部分が高い滑止効果を奏することが重要であり、そのために、そのためにソール部分にフェルトが使用されたたり、ソール部分がスパイク構造とされる(例えば、非特許文献1参照)。
一方、特に、ソール部分にスパイク構造が採用された場合は、歩行の際に釣人の脚に衝撃が加わりやすい。そのために、釣用靴の内底部にクッション部材が配設され、釣人の脚への負担が軽減されている。
このように、釣用靴には、ソール部分の高い滑止効果の実現と、釣人の脚への負担軽減という要請がある。
【0003】
【非特許文献1】
株式会社シマノ 2002 Fishing Tackle Catalogue(第169頁)
【0004】
そこで、本発明の目的は、釣人の脚への衝撃をさらに緩和し、長時間の歩行によっても脚が疲れない釣用靴を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(1) 上記目的を達成するため、本願に係る釣用靴は、釣人の脚が挿入され、脚の裏部分が載置される載置部を有する靴本体と、載置部の外底面に設けられたミッドソール部と、ミッドソール部の外底面に面ファスナーを介して着脱可能に設けられたソール部とを備え、上記ミッドソール部は、当該ミッドソールの外底面を形成する底板部と、底板部の少なくとも上記脚の踵部分に立設された複数のリブとを有することを特徴とするものである。
【0006】
この構成によれば、ソール部が着脱自在に設けられているから、釣用靴が使用されるときに、異なる種類のソール部が交換可能である。したがって、例えば、藻等が生えた釣り場では、フェルト材からなるソール部が採用されるのが好ましく、岩場等では、スパイク構造のソールが採用されるのが好ましい。
ミッドソール部の底板部のうち、少なくとも踵部分にリブが設けられているから、ミッドソール部が靴本体に取り付けられた状態でミッドソール部と靴本体との間に空間が形成される。この空間が形成されることにより、例えば、ソール部に衝撃が加わった場合であっても、当該衝撃の靴本体側への伝達が抑制される。
【0007】
(2) 上記靴本体の載置部は、当該載置部の外底面を形成する発泡成形部材を備えているのが好ましい。この構成では、発泡成形部材により、釣人の脚へ伝わる衝撃は、一層効果的に抑制される。
また、上記発泡成形部材は、ゴムシートと共に積層された積層体として形成されているのが好ましい。
この構成では、釣人の脚へ伝わる衝撃が、なお一層効果的に抑制される。より具体的には、上記発泡成形部材が緩衝部材として機能するには、構造部材として柔らかいものであることが重要である。しかし、例えばソール部がスパイク構造を備えている場合は、スパイクが発泡成形部材と接触することによって両者間の面圧が大きくなり、そのために発泡成形部材が局部的に変形し、十分な緩衝効果が得られないおそれがある。しかし、発泡成形部材がゴムシートを備えることにより、当該ゴムシートによって発泡成形部材に生じる面圧が低減され、発泡成形部材は十分な緩衝効果を発揮する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0009】
図1は、本発明の一実施形態に係る釣用靴10の斜視図であり、図2は、釣用靴10の要部拡大断面図である。
この釣用靴10は、例えば磯釣り等において釣人が釣り場を安全に歩行等するために着用するものであって、釣り場における滑止効果のきわめて高い靴である。
本実施形態に係る釣用靴10の特徴とすることころは、釣用靴10のソール部分の構造にあり、釣用靴10が後述の構造を備えることによって、歩行の際の釣人の脚への負担が軽減されている。なお、釣人は、左右対称に形成された一対の釣用靴10を着用するが、釣用靴10の構造の説明を簡略化するために、以下では、右脚用の釣用靴10について説明される。
【0010】
釣用靴10は、靴本体11と、靴本体11の底部に設けられたミッドソール部12と、ミッドソール部12に設けられたソール部13とを備えている。
【0011】
靴本体11は、内布14と、本体ゴム15と、補強ゴム16〜20と、中敷21とを有する。
内布14は、例えばナイロン、ポリエステル等からなり、靴本体11の内壁面を構成している。内布14がナイロンやポリエステルにより構成されることによって、釣人が釣用靴10を履いたときに履き心地が良い。
中敷21は、内布14の内底部に配置されている。内布14の内底部は、釣人が釣用靴10を履いたときに脚の裏部分が載置される載置部23を構成している。中敷21は、例えば、発泡エチレン酢酸ビニル共重合体(発泡EVA)、発泡ポリウレタン(発泡PU)、発泡ポリエチレン(発泡PE)、スポンジ等により構成されており、釣人が釣用靴10を履いたときに、当該釣用靴10がぴったりと脚にフィットし、履き心地の良いものとなる。ただし、中敷21は、無くてもよい。
【0012】
本体ゴム15は、内布14の底部を除く外周面を囲繞するように配置されており、靴本体11の骨格を形成している。本体ゴム15としては、例えば、天然ゴム、ポリ塩化ビニル(PVC)、合成ゴム等が採用される。
補強ゴム16は、靴本体11の先端部(爪先側)を被うように配置されており、当該部分を補強している。補強ゴム16としては、例えば、天然ゴム、ポリ塩化ビニル(PVC)、合成ゴム等が採用される。
補強ゴム17は、靴本体11の後端部(踵側)を被うように配置されており、当該部分を補強している。特に、釣人が釣用靴10を履いたときに釣人の踵後方に該当する部分には肉厚部21が形成されており、釣人の踵部分の安全が確保されている。補強ゴム17としては、例えば、天然ゴム、ポリ塩化ビニル(PVC)、合成ゴム等が採用される。
【0013】
また、補強ゴム18は、靴本体11の底部近傍を靴本体11の周方向に沿って配置されている。つまり、上記補強ゴム18は、靴本体11の下縁部を囲繞するように配置されており、靴本体11の先端部及び後端部をさらに補強している。この補強ゴム18としては、例えば、天然ゴム、ポリ塩化ビニル(PVC)、合成ゴム等が採用される。
さらに、補強ゴム19は、上記補強ゴム18の外側に配置されており、靴本体11の底部近傍を靴本体11の周方向に沿って配置されている。これにより、補強ゴム19は、靴本体11の先端部及び下端部をより一層補強しており、釣用靴10の耐久性及び安全性が向上されている。この補強ゴム19としては、例えば、天然ゴム、ポリ塩化ビニル(PVC)、合成ゴム等が採用される。
また、補強ゴム20は、靴本体11の上部開口部36(釣人の脚が挿入される部分)の周縁部に配置されており、当該周縁部が補強されている。この補強ゴム20としては、例えば、天然ゴム、ポリ塩化ビニル(PVC)、合成ゴム等が採用される。
【0014】
ミッドソール部12は、上記載置部23の外底面24に配置されている。ただし、上記靴本体11の底面周縁部には補強シート25が配設されており、ミッドソール部12は、この補強シート25を挟んで上記外底面24に固着されている。
ミッドソール部12は、基部26と、シート部材27(ゴムシート)と、クッション部材28(発泡成形部材)とを有する。
【0015】
基部26は、例えば合成ゴム等により構成されており、その外形形状は、靴本体11の下面形状に対応している。シート部材27は、基部26の上面に配置され、シート部材27の上面にクッション部材28が配置されている。言い換えると、基部26、シート部材27及びクッション部材28は、順に積層されており、これらが一体となって靴本体11側の上記外底面24に取り付けられている。つまり、シート部材27と共に積層されたクッション部材28が、上記載置部23の外底面24を構成している。
【0016】
シート部材27は、例えば、樹脂が含浸された紙材のほか、ラバー、フェルト、プラスチック、金属等からなる板材により構成されており、クッション部材28は、発泡エチレン酢酸ビニル共重合体、発泡合成ゴム、発泡ウレタン、フェルト材等の発泡成形部材により構成されている。
なお、本実施形態では、シート部材27の上面にクッション部材28が積層されているが、基部26の上面にクッション部材28が配置され、その上面にシート部材27が配置されていてもよい。
【0017】
基部26は、平板状に形成された底板部29と、底板部29に立設された複数のリブ30とを有している。底板部29の下面は、ミッドソール部12の外底面31を構成しており、この外底面31には、ソール部13が装着されるための凹部32が設けられている。
上記リブ30は、底板部29の後方部分、すなわち、釣人が釣用靴10を履いたときに、脚の踵部分に対応する部分に立設されている。各リブ30は、底板部29と一体的に形成されている。したがって、ミッドソール部12の後方部分の内部は、いわゆる肉抜構造となっている。この構造は、釣用靴10の底からの衝撃に対して緩衝効果を奏する。
なお、本実施形態では、上記リブ30は、上記底板部29の後方部分のみに設けられているが、少なくとも当該部分にリブ30が設けられていれば上記緩衝効果が奏されるものであり、上記底板部29の全体にリブ30が設けられていてもよいことは勿論である。
【0018】
ソール部13は、上記ミッドソール部12の外底面31に着脱可能に取り付けられている。ソール部13は、取付板部33と、取付板部33に設けられたフェルト部材34と、取付板部33に立設されたスパイクピン35とを有する。
取付板部33は、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合体等により構成されており、平板状に形成されている。取付板部33の外形形状は、上記ミッドソール部12の基部26に設けられた凹部32にぴったりと嵌り込むように形成されている。本実施形態では、取付板部33は、図示されていないが面ファスナーを介してミッドソール部12に取り付けられているが、取付板部33とミッドソール部12との取付構造は、他の既知の構造が採用されてもよい。
なお、スパイクピン35は、取付板部33の適切な位置に適宜配設されており、フェルト部材34に埋め込まれた状態で配置されている。
【0019】
この釣用靴10は、概ね次のようにして製造される。
釣用靴10の製造には、足型が用いられる。まず、この足型に上記内布14が被せられる。この内布14を被うように上記本体ゴム15が被せられる。次に、内布14の底部にクッション部材28及びシート部材27が貼り付けられ、さらに、上記補強シート25及び各補強ゴム16〜20が順に貼り付けられる。そして、靴本体11の底部を被うようにミッドソール部12の基部26が貼り付けられる。
上記本体ゴム15、各補強ゴム16等及び基部26は、既知の接着剤や加硫処理等によって固着される。
中敷21は、靴本体11の上部開口部36から挿入され、靴本体11の内定部に配置される。また、ソール部13は、予めユニットとして組み立てられており、ミッドソール部12の凹部32に嵌め込まれるだけで、上記面ファスナーにより強固に固定される。
【0020】
本実施形態に係る釣用靴10では、ソール部13が予めユニットとして構成され、これがミッドソール部12に着脱可能に設けられているから、釣用靴10が使用されるときに、釣人は、所望の種類のソール部13を選択して取り付けることができる。例えば、藻等が多く生えている釣り場では、ソール部13は、フェルト部材から構成されているのが好ましいし、岩がむき出しになっている釣り場では、スパイク構造のものが好ましい。本実施形態では、スパイクピン36が配置されたフェルト部材35によりソール部13が構成されているから、さまざまな環境の釣り場において、著しい滑止効果が発揮される。
【0021】
ミッドソール部12は上記リブ30を備え、内部が中空状に形成されているから、前述のように、ミッドソール部12は緩衝構造を有する。したがって、例えば、ソール部13に衝撃が加わった場合であっても、ミッドソール部12による緩衝効果によって、当該衝撃が靴本体11側へ伝達されるのが抑制される。
そのため、ソール部13が仮に金属製スパイクピンのみを有するスパイク構造を備え、釣人が激しく釣り場を移動(歩行)したとしても、歩行の際に釣人の脚に伝わる衝撃が効果的に緩和される。その結果、当該釣用靴10は、釣人にとって、履きやすく疲れにくいものとなる。
【0022】
特に、本実施形態では、ミッドソール部12がクッション部材28を備え、これが靴本体11の上記載置部23に取り付けられている。これにより、釣人の脚へ伝わる衝撃は、一層効果的に抑制され、釣用靴10は、一層履き心地の良いものとなる。
さらに、本実施形態では、クッション部材28がシート部材27と共に積層されており、このシート部材27は、前述の材料により構成されている。つまり、シート部材27は、適度に硬く、釣人の脚が載置される載置面23の剛性を確保する。したがって、釣用靴10は、釣人が悪路においても安定して歩行することができ、一層疲れにくいものとなる。
【0023】
しかも、シート部材27が一定の剛性を備えるから、ソール部13から局部的な外力が作用した場合に、当該外力をシート部材27全体に分散させる。したがって、本実施形態のようにソール部13がスパイクピン36を備え、各スパイクピン36から上記載置面23側へ局部的に外力が作用した場合であっても、スパイクピン36と載置面23との間に大きな面圧が発生することはない。これにより、載置面23が局部的に変形することがなく、その結果、釣用靴10は、十分な緩衝効果を発揮し、一層安定した歩行を実現する。
【0024】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ソール部が交換可能であるから、釣人の所望の種類のソール部が装着され、釣り場の状況(環境)に応じた滑止効果の高い釣用靴が提供される。しかも、ミッドソール部は、緩衝効果の高い構造であるから、例えば、ソール部がスパイク構造を備えていても、歩行の際に釣人の脚に伝わる衝撃が効果的に緩和され、履きやすく疲れにくい釣用靴が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る釣用靴の斜視図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態に係る釣用靴の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
10・・・釣用靴
11・・・靴本体
12・・・ミッドソール部
13・・・ソール部
14・・・内布
15・・・本体ゴム
16〜20・・・補強ゴム
23・・・載置部
24・・・外底面
25・・・補強シート
26・・・基部
27・・・シート部材
28・・・クッション部材
29・・・底板部
30・・・リブ
31・・・外底面
32・・・凹部
33・・・取付板部
【発明の属する技術の分野】
この発明は、釣りの際に使用される靴の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
例えば、磯釣り、川釣り等においては、釣人が釣り場を安全に移動するために専用設計された靴が使用される。この靴には、シューズタイプ、ブーツタイプ等、さまざまな種類がある。
このような釣用靴は、ソール部分が高い滑止効果を奏することが重要であり、そのために、そのためにソール部分にフェルトが使用されたたり、ソール部分がスパイク構造とされる(例えば、非特許文献1参照)。
一方、特に、ソール部分にスパイク構造が採用された場合は、歩行の際に釣人の脚に衝撃が加わりやすい。そのために、釣用靴の内底部にクッション部材が配設され、釣人の脚への負担が軽減されている。
このように、釣用靴には、ソール部分の高い滑止効果の実現と、釣人の脚への負担軽減という要請がある。
【0003】
【非特許文献1】
株式会社シマノ 2002 Fishing Tackle Catalogue(第169頁)
【0004】
そこで、本発明の目的は、釣人の脚への衝撃をさらに緩和し、長時間の歩行によっても脚が疲れない釣用靴を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(1) 上記目的を達成するため、本願に係る釣用靴は、釣人の脚が挿入され、脚の裏部分が載置される載置部を有する靴本体と、載置部の外底面に設けられたミッドソール部と、ミッドソール部の外底面に面ファスナーを介して着脱可能に設けられたソール部とを備え、上記ミッドソール部は、当該ミッドソールの外底面を形成する底板部と、底板部の少なくとも上記脚の踵部分に立設された複数のリブとを有することを特徴とするものである。
【0006】
この構成によれば、ソール部が着脱自在に設けられているから、釣用靴が使用されるときに、異なる種類のソール部が交換可能である。したがって、例えば、藻等が生えた釣り場では、フェルト材からなるソール部が採用されるのが好ましく、岩場等では、スパイク構造のソールが採用されるのが好ましい。
ミッドソール部の底板部のうち、少なくとも踵部分にリブが設けられているから、ミッドソール部が靴本体に取り付けられた状態でミッドソール部と靴本体との間に空間が形成される。この空間が形成されることにより、例えば、ソール部に衝撃が加わった場合であっても、当該衝撃の靴本体側への伝達が抑制される。
【0007】
(2) 上記靴本体の載置部は、当該載置部の外底面を形成する発泡成形部材を備えているのが好ましい。この構成では、発泡成形部材により、釣人の脚へ伝わる衝撃は、一層効果的に抑制される。
また、上記発泡成形部材は、ゴムシートと共に積層された積層体として形成されているのが好ましい。
この構成では、釣人の脚へ伝わる衝撃が、なお一層効果的に抑制される。より具体的には、上記発泡成形部材が緩衝部材として機能するには、構造部材として柔らかいものであることが重要である。しかし、例えばソール部がスパイク構造を備えている場合は、スパイクが発泡成形部材と接触することによって両者間の面圧が大きくなり、そのために発泡成形部材が局部的に変形し、十分な緩衝効果が得られないおそれがある。しかし、発泡成形部材がゴムシートを備えることにより、当該ゴムシートによって発泡成形部材に生じる面圧が低減され、発泡成形部材は十分な緩衝効果を発揮する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0009】
図1は、本発明の一実施形態に係る釣用靴10の斜視図であり、図2は、釣用靴10の要部拡大断面図である。
この釣用靴10は、例えば磯釣り等において釣人が釣り場を安全に歩行等するために着用するものであって、釣り場における滑止効果のきわめて高い靴である。
本実施形態に係る釣用靴10の特徴とすることころは、釣用靴10のソール部分の構造にあり、釣用靴10が後述の構造を備えることによって、歩行の際の釣人の脚への負担が軽減されている。なお、釣人は、左右対称に形成された一対の釣用靴10を着用するが、釣用靴10の構造の説明を簡略化するために、以下では、右脚用の釣用靴10について説明される。
【0010】
釣用靴10は、靴本体11と、靴本体11の底部に設けられたミッドソール部12と、ミッドソール部12に設けられたソール部13とを備えている。
【0011】
靴本体11は、内布14と、本体ゴム15と、補強ゴム16〜20と、中敷21とを有する。
内布14は、例えばナイロン、ポリエステル等からなり、靴本体11の内壁面を構成している。内布14がナイロンやポリエステルにより構成されることによって、釣人が釣用靴10を履いたときに履き心地が良い。
中敷21は、内布14の内底部に配置されている。内布14の内底部は、釣人が釣用靴10を履いたときに脚の裏部分が載置される載置部23を構成している。中敷21は、例えば、発泡エチレン酢酸ビニル共重合体(発泡EVA)、発泡ポリウレタン(発泡PU)、発泡ポリエチレン(発泡PE)、スポンジ等により構成されており、釣人が釣用靴10を履いたときに、当該釣用靴10がぴったりと脚にフィットし、履き心地の良いものとなる。ただし、中敷21は、無くてもよい。
【0012】
本体ゴム15は、内布14の底部を除く外周面を囲繞するように配置されており、靴本体11の骨格を形成している。本体ゴム15としては、例えば、天然ゴム、ポリ塩化ビニル(PVC)、合成ゴム等が採用される。
補強ゴム16は、靴本体11の先端部(爪先側)を被うように配置されており、当該部分を補強している。補強ゴム16としては、例えば、天然ゴム、ポリ塩化ビニル(PVC)、合成ゴム等が採用される。
補強ゴム17は、靴本体11の後端部(踵側)を被うように配置されており、当該部分を補強している。特に、釣人が釣用靴10を履いたときに釣人の踵後方に該当する部分には肉厚部21が形成されており、釣人の踵部分の安全が確保されている。補強ゴム17としては、例えば、天然ゴム、ポリ塩化ビニル(PVC)、合成ゴム等が採用される。
【0013】
また、補強ゴム18は、靴本体11の底部近傍を靴本体11の周方向に沿って配置されている。つまり、上記補強ゴム18は、靴本体11の下縁部を囲繞するように配置されており、靴本体11の先端部及び後端部をさらに補強している。この補強ゴム18としては、例えば、天然ゴム、ポリ塩化ビニル(PVC)、合成ゴム等が採用される。
さらに、補強ゴム19は、上記補強ゴム18の外側に配置されており、靴本体11の底部近傍を靴本体11の周方向に沿って配置されている。これにより、補強ゴム19は、靴本体11の先端部及び下端部をより一層補強しており、釣用靴10の耐久性及び安全性が向上されている。この補強ゴム19としては、例えば、天然ゴム、ポリ塩化ビニル(PVC)、合成ゴム等が採用される。
また、補強ゴム20は、靴本体11の上部開口部36(釣人の脚が挿入される部分)の周縁部に配置されており、当該周縁部が補強されている。この補強ゴム20としては、例えば、天然ゴム、ポリ塩化ビニル(PVC)、合成ゴム等が採用される。
【0014】
ミッドソール部12は、上記載置部23の外底面24に配置されている。ただし、上記靴本体11の底面周縁部には補強シート25が配設されており、ミッドソール部12は、この補強シート25を挟んで上記外底面24に固着されている。
ミッドソール部12は、基部26と、シート部材27(ゴムシート)と、クッション部材28(発泡成形部材)とを有する。
【0015】
基部26は、例えば合成ゴム等により構成されており、その外形形状は、靴本体11の下面形状に対応している。シート部材27は、基部26の上面に配置され、シート部材27の上面にクッション部材28が配置されている。言い換えると、基部26、シート部材27及びクッション部材28は、順に積層されており、これらが一体となって靴本体11側の上記外底面24に取り付けられている。つまり、シート部材27と共に積層されたクッション部材28が、上記載置部23の外底面24を構成している。
【0016】
シート部材27は、例えば、樹脂が含浸された紙材のほか、ラバー、フェルト、プラスチック、金属等からなる板材により構成されており、クッション部材28は、発泡エチレン酢酸ビニル共重合体、発泡合成ゴム、発泡ウレタン、フェルト材等の発泡成形部材により構成されている。
なお、本実施形態では、シート部材27の上面にクッション部材28が積層されているが、基部26の上面にクッション部材28が配置され、その上面にシート部材27が配置されていてもよい。
【0017】
基部26は、平板状に形成された底板部29と、底板部29に立設された複数のリブ30とを有している。底板部29の下面は、ミッドソール部12の外底面31を構成しており、この外底面31には、ソール部13が装着されるための凹部32が設けられている。
上記リブ30は、底板部29の後方部分、すなわち、釣人が釣用靴10を履いたときに、脚の踵部分に対応する部分に立設されている。各リブ30は、底板部29と一体的に形成されている。したがって、ミッドソール部12の後方部分の内部は、いわゆる肉抜構造となっている。この構造は、釣用靴10の底からの衝撃に対して緩衝効果を奏する。
なお、本実施形態では、上記リブ30は、上記底板部29の後方部分のみに設けられているが、少なくとも当該部分にリブ30が設けられていれば上記緩衝効果が奏されるものであり、上記底板部29の全体にリブ30が設けられていてもよいことは勿論である。
【0018】
ソール部13は、上記ミッドソール部12の外底面31に着脱可能に取り付けられている。ソール部13は、取付板部33と、取付板部33に設けられたフェルト部材34と、取付板部33に立設されたスパイクピン35とを有する。
取付板部33は、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合体等により構成されており、平板状に形成されている。取付板部33の外形形状は、上記ミッドソール部12の基部26に設けられた凹部32にぴったりと嵌り込むように形成されている。本実施形態では、取付板部33は、図示されていないが面ファスナーを介してミッドソール部12に取り付けられているが、取付板部33とミッドソール部12との取付構造は、他の既知の構造が採用されてもよい。
なお、スパイクピン35は、取付板部33の適切な位置に適宜配設されており、フェルト部材34に埋め込まれた状態で配置されている。
【0019】
この釣用靴10は、概ね次のようにして製造される。
釣用靴10の製造には、足型が用いられる。まず、この足型に上記内布14が被せられる。この内布14を被うように上記本体ゴム15が被せられる。次に、内布14の底部にクッション部材28及びシート部材27が貼り付けられ、さらに、上記補強シート25及び各補強ゴム16〜20が順に貼り付けられる。そして、靴本体11の底部を被うようにミッドソール部12の基部26が貼り付けられる。
上記本体ゴム15、各補強ゴム16等及び基部26は、既知の接着剤や加硫処理等によって固着される。
中敷21は、靴本体11の上部開口部36から挿入され、靴本体11の内定部に配置される。また、ソール部13は、予めユニットとして組み立てられており、ミッドソール部12の凹部32に嵌め込まれるだけで、上記面ファスナーにより強固に固定される。
【0020】
本実施形態に係る釣用靴10では、ソール部13が予めユニットとして構成され、これがミッドソール部12に着脱可能に設けられているから、釣用靴10が使用されるときに、釣人は、所望の種類のソール部13を選択して取り付けることができる。例えば、藻等が多く生えている釣り場では、ソール部13は、フェルト部材から構成されているのが好ましいし、岩がむき出しになっている釣り場では、スパイク構造のものが好ましい。本実施形態では、スパイクピン36が配置されたフェルト部材35によりソール部13が構成されているから、さまざまな環境の釣り場において、著しい滑止効果が発揮される。
【0021】
ミッドソール部12は上記リブ30を備え、内部が中空状に形成されているから、前述のように、ミッドソール部12は緩衝構造を有する。したがって、例えば、ソール部13に衝撃が加わった場合であっても、ミッドソール部12による緩衝効果によって、当該衝撃が靴本体11側へ伝達されるのが抑制される。
そのため、ソール部13が仮に金属製スパイクピンのみを有するスパイク構造を備え、釣人が激しく釣り場を移動(歩行)したとしても、歩行の際に釣人の脚に伝わる衝撃が効果的に緩和される。その結果、当該釣用靴10は、釣人にとって、履きやすく疲れにくいものとなる。
【0022】
特に、本実施形態では、ミッドソール部12がクッション部材28を備え、これが靴本体11の上記載置部23に取り付けられている。これにより、釣人の脚へ伝わる衝撃は、一層効果的に抑制され、釣用靴10は、一層履き心地の良いものとなる。
さらに、本実施形態では、クッション部材28がシート部材27と共に積層されており、このシート部材27は、前述の材料により構成されている。つまり、シート部材27は、適度に硬く、釣人の脚が載置される載置面23の剛性を確保する。したがって、釣用靴10は、釣人が悪路においても安定して歩行することができ、一層疲れにくいものとなる。
【0023】
しかも、シート部材27が一定の剛性を備えるから、ソール部13から局部的な外力が作用した場合に、当該外力をシート部材27全体に分散させる。したがって、本実施形態のようにソール部13がスパイクピン36を備え、各スパイクピン36から上記載置面23側へ局部的に外力が作用した場合であっても、スパイクピン36と載置面23との間に大きな面圧が発生することはない。これにより、載置面23が局部的に変形することがなく、その結果、釣用靴10は、十分な緩衝効果を発揮し、一層安定した歩行を実現する。
【0024】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ソール部が交換可能であるから、釣人の所望の種類のソール部が装着され、釣り場の状況(環境)に応じた滑止効果の高い釣用靴が提供される。しかも、ミッドソール部は、緩衝効果の高い構造であるから、例えば、ソール部がスパイク構造を備えていても、歩行の際に釣人の脚に伝わる衝撃が効果的に緩和され、履きやすく疲れにくい釣用靴が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る釣用靴の斜視図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態に係る釣用靴の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
10・・・釣用靴
11・・・靴本体
12・・・ミッドソール部
13・・・ソール部
14・・・内布
15・・・本体ゴム
16〜20・・・補強ゴム
23・・・載置部
24・・・外底面
25・・・補強シート
26・・・基部
27・・・シート部材
28・・・クッション部材
29・・・底板部
30・・・リブ
31・・・外底面
32・・・凹部
33・・・取付板部
Claims (3)
- 釣人の脚が挿入され、脚の裏部分が載置される載置部を有する靴本体と、
載置部の外底面に設けられたミッドソール部と、
ミッドソール部の外底面に面ファスナーを介して着脱可能に設けられたソール部とを備え、
上記ミッドソール部は、当該ミッドソールの外底面を形成する底板部と、底板部の少なくとも上記脚の踵部分に立設された複数のリブとを有する釣用靴。 - 上記靴本体の載置部は、当該載置部の外底面を形成する発泡成形部材を備えている請求項1記載の釣用靴。
- 上記発泡成形部材は、ゴムシートと共に積層された積層体として形成されている請求項2記載の釣用靴。
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- 2002-11-15 JP JP2002331838A patent/JP2004160064A/ja active Pending
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