JP2004304085A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
半導体装置の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004304085A JP2004304085A JP2003097518A JP2003097518A JP2004304085A JP 2004304085 A JP2004304085 A JP 2004304085A JP 2003097518 A JP2003097518 A JP 2003097518A JP 2003097518 A JP2003097518 A JP 2003097518A JP 2004304085 A JP2004304085 A JP 2004304085A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- semiconductor manufacturing
- wafer cassette
- guide rail
- stocker
- traveling device
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)
Abstract
【課題】ストッカと各半導体製造装置との間で行なわれるウェハカセットの搬送の自動化を前提としないで構築された既設の半導体製造工場の製造ラインにおいても、高速搬送の自動化を低価格で実現し、この高速搬送の自動化を実現した製造ラインにより、ウェハカセットの供給および回収を行なう半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】作業通路10の両側に半導体製造装置201〜211を配置し、作業通路10と中央通路10aとの隅にストッカ100を配置したベイにおいて、並行する2本の直線ガイドレール30、31およびこの2本の直線ガイドレール30、31の内側にU字型ガイドレール32、33を敷設する。そして、本線となる直線ガイドレール30、31間を支線となるU字型ガイドレール32、33を介して、有軌道走行装置34a、34bが移動できるようにする。
【選択図】 図8
【解決手段】作業通路10の両側に半導体製造装置201〜211を配置し、作業通路10と中央通路10aとの隅にストッカ100を配置したベイにおいて、並行する2本の直線ガイドレール30、31およびこの2本の直線ガイドレール30、31の内側にU字型ガイドレール32、33を敷設する。そして、本線となる直線ガイドレール30、31間を支線となるU字型ガイドレール32、33を介して、有軌道走行装置34a、34bが移動できるようにする。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造技術に関し、特にウェハカセットを保管するストッカから各半導体製造装置へウェハカセットを搬送する工程に適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置を製造する半導体工場では、変化の激しい半導体市場の中、顧客の需要に即応できる製造ラインを構築するため、半導体工場全体の自動化のニーズは高く、特に単純作業である搬送作業は自動化されるべきものである。特に、直径200mm以下のウェハを使用する既設の半導体工場において、ストッカから各半導体製造装置へのウェハカセットの供給、および各半導体製造装置からストッカへのウェハカセットの回収は、自動化されるべきものである。しかし、ウェハカセットの供給、回収は、人手作業に依存しているところがほとんどである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平09−172051号公報(第2頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、200mm以下の半導体ウェハ(以下、単にウェハという)を使用する既設の半導体工場では、ストッカと各半導体製造装置との間で行なわれるウェハカセットの搬送作業の自動化が遅れ、手作業に依存している。この原因としては以下の要因が考えられる。
【0005】
まず、第1の要因としては各半導体製造装置のウェハカセットをセットする場所であるロードポートの物理的仕様の標準化が遅れており、セットすべきウェハカセットの位置、姿勢が広範囲・多種類となっている。したがって、様々なロードポートに対応するため、ウェハカセットをハンドリングする搬送装置には、6自由度の複雑な機構と長いアーム長を持ったロボットアームを必要としている。
【0006】
第2の要因として、現状の半導体製造装置では、通常作業時やメンテナンス時の操作の多くが半導体製造装置の前面で行なうようになっており、搬送装置と作業者の動線が干渉することとなる。このため、メンテナンス等の作業中は、搬送装置を止めるか、迂回させなければならず、製造ライン全体の搬送能力を著しく損なうこととなる。
【0007】
このような問題点があるため、ストッカと各半導体製造装置との間で行なわれるウェハカセットの搬送作業の自動化が遅れている。
【0008】
ここで、走行経路の誘導線の施工が容易である無軌道形で、バッテリー駆動の走行台車に6自由度の垂直多関節形ロボットを搭載した搬送装置(以下、AGV(Automated Guided Vehicle)と略す)を使用して、ストッカと各半導体製造装置との間で行なわれるウェハカセットの搬送作業の自動化を図った例がある。しかし、価格が高価である一方、速度が遅いため、半導体製造工場においてAGVの適用の拡大が進んでいない。
【0009】
本発明の目的は、ストッカと各半導体製造装置との間で行なわれるウェハカセットの搬送の自動化を前提としないで構築された既設の半導体製造工場の製造ラインにおいても、高速搬送の自動化を低価格で実現し、この高速搬送の自動化を実現した製造ラインにより、ウェハカセットの供給および回収を行なう半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0010】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0012】
本発明は、(a)直線ガイドレールと曲線ガイドレールとを組み合わせた床上設置型ガイドレールを走行する有軌道走行装置であって、ウェハカセットの移載機構を有する前記有軌道走行装置により、前記ウェハカセットを保管するストッカから半導体製造装置へ、前記ウェハカセットを供給する工程と、(b)前記半導体製造装置で前記ウェハカセットに入ったウェハの処理を行なう工程とを備えるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。また、実施の形態を説明するための全図において同一機能を有するものは同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0014】
半導体製造工程におけるウェハカセットの搬送には、人による搬送の他、AGVや有軌道走行装置(RGV(Rail Guided Vehicle))、OHT(Overhead Hoist Transport)による搬送があるが、本発明は、その中で有軌道走行装置を改良したものを使用して搬送を行なっている。本発明において、上述した走行装置の中から有軌道走行装置を採用した経緯について、まず説明する。
【0015】
シリコンウェハに種々の物理的・化学的処理を行い、ICやLSIを形成するための半導体製造ラインは、図1に示すように、各プロセスに応じて同じ種類の半導体製造装置群1a、1bで構成されるジョブショップ形態で構成されており、そのショップをベイ2a、3aと呼んでいる。各ベイ2a、3aの入口には、ウェハの搬出・搬入を管理するストッカ4が設置されており、ウェハの搬送は通常25枚入りのカセット単位で搬送されている。なお、図1においては、わかり易くするため、断面でない領域に斜線を付している。
【0016】
このウェハカセットの搬送は、大きく分けて2種類に分けられ、第1には各ベイ2a、3aに設けられたストッカ4間のベイ間搬送であり、第2は各ベイ2a、3a内において、各半導体製造装置群1a、1bとストッカ4との間でウェハカセットを搬送するベイ内搬送である。
【0017】
200mm以下のウェハを使用して半導体装置を製造する工場では、ベイ間搬送は、ほとんど自動化されており、図1に示すような天井走行形のベイ間搬送装置5によってウェハカセットの搬送が行なわれている。これに対し、ベイ内搬送は、人手作業に依存しているところがほとんどである。
【0018】
一方、300mmのウェハを使用して半導体装置を製造する新工場では、自動化を推進するため、半導体業界全体でウェハカセット、半導体製造装置のロードポートの標準化、および半導体製造装置のメンテナンスの作業エリアや操作エリアを後面に配置するなどの標準化を強力に進めた。
【0019】
この結果、300mmのウェハに対応した半導体製造装置のロードポートでは、ウェハカセットの置く位置や姿勢が単一となったため、ウェハカセットを搬送する走行装置の自由度と動作範囲を減らすことができ、走行装置の高速化および低価格化が可能となった。さらに、走行装置と作業者との動線の干渉もなくすことができ、走行装置の導入がしやすい環境となった。
【0020】
これにより、300mmのウェハを使用した半導体工場では、2〜3軸の単純な移載機構と直進往復走行機構を持った高速で低価格な有軌道走行装置により、ベイ内搬送のすべてを自動化することに成功した例がある。
【0021】
このような背景のもと、自動化が進んでいなかった既設の200mm以下のウェハを使用した半導体工場において、ベイ内搬送の自動化を推進するための解決策の一つとして、300mmのウェハを使用した半導体工場で実績のある高速かつ低価格の有軌道走行装置を適用することとした。
【0022】
ここで、300mmのウェハを使用した半導体工場で採用されている有軌道走行装置を、既設の200mm以下のウェハを使用した半導体工場で採用するためには、以下に示す問題点がある。
【0023】
200mm以下のウェハを使用した半導体工場において、通常、各ベイ2a、3aは、例えば図2に示すようなレイアウト構成をとっている。すなわち、ベイ2a、3aには、まず、次工程へまたは前工程からのウェハカセットの搬入・搬出機能をもっている1台のストッカ100が作業通路10の片側に配置されており、作業通路10の両側には、半導体製造装置201〜211が配置されている。そして、ウェハカセットのベイ間搬送(ストッカ間の搬送)は、走行装置5により行なわれる一方、ウェハカセットのベイ内搬送は、作業者11によって行なわれている。つまり、ストッカ100と半導体製造装置201〜211との間のウェハカセットの搬送は、作業者11によって行なわれている。
【0024】
このベイ2a、3aに直進往復走行形の有軌道走行装置を適用するためには、図3に示すように、作業通路10に対向して配置された半導体製造装置201〜211にそれぞれ1ラインずつガイドレール12、13を敷設し、その2本のガイドレール12、13上に1台ずつ有軌道走行装置14a、14bを配置する。そして、それぞれの有軌道走行装置14a、14bに対して1台ずつストッカ110、100を配置する必要がある。というのは、あるベイ2a、3a内で処理が行なわれたウェハは、ベイ間搬送を行なう走行装置5によって次工程へ進む必要があり、このベイ間搬送はストッカ100、110を介して行なわれるためである。したがって、図2に示すレイアウトから図3に示すレイアウトへ移行するためには、ストッカ110をストッカ100の対面に配置するとともに半導体製造装置206を移動させる必要があるが、このレイアウト変更は困難である。
【0025】
また、「特開2000−355403号公報」に記載されているように、図2に示したレイアウト構成に2本の対向したガイドレールを敷設するとともに、対向して配置された2本のガイドレールの中央部にターンテーブル機能を持ったウェハカセットの受け渡しステーションを設置して、直線往復走行の有軌道走行装置を適用した例がある。この構成によれば、各ベイ2a、3aに1台のストッカ100を配置すればよく、図2に示すレイアウトから図3に示すレイアウトへの変更をしなくてもよい。
【0026】
しかし、200mmウェハ対応の半導体製造装置201〜211のほとんどにおいて、メンテナンス作業は、半導体製造装置201〜211の前面、すなわち有軌道走行装置の軌道と干渉する領域で、人手によって行なわれる。このため、各半導体製造装置201〜211のメンテナンス期間は、その半導体製造装置201〜211の前面領域に有軌道走行装置を進入させることができなくなってしまう。また、ウェハカセットの受け渡しをするための受け渡しステーションをメンテナンスする半導体製造装置201〜211の前面には設置することができないという問題が生じる。このとき、受け渡しステーションをメンテナンスしていない他の半導体製造装置201〜211の前面に移動させることも考えられるが、運用が煩雑で、適用が困難である。
【0027】
以上より、図2に示した既設のレイアウト構成のように1台のストッカ100と作業通路10の両側に対向配置された半導体製造装置201〜211に対して、ウェハカセットの搬送ができるようにするためには、有軌道走行装置に直線走行機能の他に対面に配置された半導体製造装置201〜211へ移動できる機能(例えば、円弧などの曲線走行または対面方向走行機能)が必要となる。
【0028】
文献「300mm半導体工場のためのCIM/GJG統合解説 第1巻(第2版)1999/3;SEMIジャパン」に記載されているように、ベイ内搬送方式には、RGV方式の他にAGV方式、OHT方式があり、有軌道走行装置に対して曲線走行機能をもたせなくても、AGV方式やOHT方式によれば曲線走行機能または対面方向走行機能が可能である。しかし、AGV方式やOHT方式は、以下に示す問題点があり、既に稼働しているベイ内搬送作業の自動化には適していない。
【0029】
AGV方式は、図4に示すように通常、床面に貼り付けられた磁気テープの誘導線15に沿ってバッテリー駆動の台車16a、16bが走行する方式で、自由な走行経路を形成することができる。しかし、バッテリー駆動のため電力に制限を受け、走行速度および移載部(通常6自由度の垂直多関節形ロボットを搭載)のハンドリング速度が遅い問題点がある。また、6自由度の垂直多関節形ロボットのティーチングは難しく、人手による熟練作業が必要で時間がかかるという問題点がある。さらに、台車16a、16bの走行機構は、テープ誘導式で機械的ガイドがないため、有軌道走行方式に比べて、走行位置決め精度が一桁悪い。このため、TVカメラなどの視覚センサを用いて補正制御することにより、ハンドリングに必要な位置決め停止精度を確保している。したがって、余分な機構や制御および余分な動作時間を必要とするなどの問題点もある。
【0030】
OHT方式は、図5に示すように天井に設置されたレール17上を台車18a、18bが走行する方式で、台車18a、18bは金属製あるいはプラスティック製のベルトを駆動するホイスト機構(巻き上げ機構)を装備する。そして、このホイスト機構を用いて、半導体製造装置201〜211のロードポートの真上からウェハカセットをロードポート上に移載するものである。OHT方式でウェハカセットの移載動作を行なうときのストローク(台車18a、18bからロードポートまでの距離)は、通常1500mm以上となり、RGV方式と比べて3倍以上の移載時間がかかってしまうという問題点がある。一方、レールを天井に設置する方式のため、作業者と台車18a、18bとの動線が干渉しないという利点があるが、稼動中のベイ2a、3a内でレール17の設置工事を実施することが難しいこと、さらにはレール17や台車18a、18b本体が天井にあるため、メンテナンス作業に手間がかかる等の問題点もある。
【0031】
以上より、AGV方式やOHT方式に比べて、床上のガイドレール上を走行し、簡単な移載機構を装備したRGV方式が、既に稼働している生産ラインのベイ内搬送を自動化するのに好適であると考える。
【0032】
図6は、ループ状をしたガイドレール19上を走行する有軌道走行装置20a、20bにより、作業通路10の両側に設置された半導体製造装置201〜211に対して搬送を行なう様子を示した図である。有軌道走行装置20a、20bが、ループ状をしたガイドレール19を走行するので、1台のストッカ100と作業通路10の両側に設置された半導体製造装置201〜211に対してウェハカセットを供給および回収することができる。
【0033】
一般的なレイアウト設計においては、空間の有効活用を優先させ、例えばメンテナンス等に必要な寸法(隣接する半導体製造装置201〜205、206〜21とのクリアランス)は必要最小限としており、図6に示すように端部に配置されるストッカ100、半導体製造装置205、206、211は、中央通路10aや通路10bと作業通路10との交差部に一致させて配置されている。
【0034】
このとき、図7に示すように交差部に配置されるストッカ100において、中央通路10a側のロードポートの中心からストッカ100の外端部までの寸法Aと有軌道走行装置20aにおける移載部中心から本体端部までの寸法Bとの関係は、安全面や運用上の制約で有軌道走行装置20aが中央通路10aにはみ出さない条件B<Aを満足して設計されなければならない。
【0035】
現状実用化できているRGVシステムにおいては、有軌道走行装置20a、20bの本体の長さ寸法、走行時の最小回転半径R、およびストッカ100のロードポートの寸法Aとの関係により、有軌道走行装置20a、20bは、ループ状をしたガイドレール19の曲線部を走行する際、中央通路10aに寸法Cだけはみ出してしまう。これは、有軌道走行装置20a、20bが正確な移載動作を行なうためにはガイドレールの曲線部ではなくて、直線部で位置決めされなくてはならないことも一つの理由となっている。このように、有軌道走行装置20a、20bが中央通路10aにはみ出すことは、中央通路10aが作業者の通行および半導体製造装置の運搬などに利用されていることを考慮すると、安全上および機能上問題となる。
【0036】
(実施の形態1)
そこで、上記問題点を解決するため、本発明がなされたのである。本発明の一実施の形態を、図面を参照して説明する。例えば、作業通路の両側に配置された半導体製造装置と1台のストッカの間で行なわれるウェハカセットの搬送を、有軌道走行装置を使用して行なう場合について説明する。
【0037】
各ベイ2a、3aのレイアウト構成を図8に示す。図8において、ベイ2a、3aには、作業通路10に並行して床上設置型の直線ガイドレール30、31が2本敷設されており、この2本の直線ガイドレールの間には、互いに向きを逆にした床上設置型のU字型ガイドレール(曲線ガイドレール)32、33が敷設されている。この2本の直線ガイドレール30、31とU字型ガイドレール32、33の上を有軌道走行装置34a、34bが走行できるようになっている。
【0038】
直線ガイドレール30の外側には、ストッカ100および半導体製造装置201〜205が配置され、直線ガイドレール31の外側には、半導体製造装置206〜211が配置されている。そして、作業通路10と中央通路10aとの交差部には、ストッカ100と半導体製造装置206が配置される一方、作業通路10と通路10bとの交差部には半導体製造装置205、211が配置されている。
【0039】
直線ガイドレール30、31は、有軌道走行装置34a、34bがストッカ100および半導体製造装置201〜211に横付けしてウェハカセットの受け渡しができるように、有軌道走行装置34a、34bを誘導するために設けられたものである。一方、U字型ガイドレール32、33は、有軌道走行装置34a、34bが直線ガイドレール30から直線ガイドレール31への移動およびその逆の移動ができるように設けられたものである。
【0040】
有軌道走行装置34a、34bは、2本の直線ガイドレール30、31およびU字型ガイドレール32、33上を走行することにより、ストッカ100から半導体製造装置201〜211へのウェハカセットの供給を行なうことができるようになっている。同様に、有軌道走行装置34a、34bは、半導体製造装置201〜211で所定の処理を終了したウェハの入っているウェハカセットを、半導体製造装置201〜211からストッカ100へ回収できるようになっている。つまり、ストッカ100と半導体製造装置201〜211の間のベイ内搬送ができるようになっている。
【0041】
ストッカ100は、ウェハカセットを保管、管理するためのものであり、前工程における処理を終了したウェハが入っているウェハカセットを走行装置5から搬入して保管、管理するようになっている。また、半導体製造装置201〜211で所定の処理が終了したウェハの入っているウェハカセットを、有軌道走行装置34a、34bから搬入し、次工程の処理を行なうまで保管、管理することができるようになっている。
【0042】
半導体製造装置201〜211は、ウェハに所定の処理を施す装置であり、例えば、ウェハ上に膜を成膜するCVD(Chemical Vapor Deposition)装置やスパッタリング装置、ウェハ上に成膜された膜のエッチングを行なうエッチング装置、フォトリソグラフィ技術を実現するための露光装置などから構成される。ベイ2a、3a内に存在する半導体製造装置201〜211は、基本的に同種類の装置からなるが、直線ガイドレール30の外側に配置された半導体製造装置201〜205と直線ガイドレール31の外側に配置された半導体製造装置206〜211は、種類が異なる場合もある。
【0043】
次に、有軌道走行装置34a、34bが直線ガイドレール30、31およびU字型ガイドレール32、33上を走行する機構について図9を参照して説明する。図9は、U字型ガイドレール32が敷設されている部分を拡大した図である。図9において、(a)〜(f)は、有軌道走行装置34aが直線ガイドレール30、31上およびU字型ガイドレール32上を動いている状態を示したものである。
【0044】
有軌道走行装置34aは、直線ガイドレール30、31をガイドするための直線ガイドローラ35を前後に2つずつ計4つ装備しているとともに、U字型ガイドレール32をガイドするための曲線ガイドローラ36を前後に2つずつ計4つ有している。以下に、直線ガイドローラ35および曲線ガイドローラ36の動作について説明する。
【0045】
まず、図9中の状態(a)では、直線ガイドローラ35が直線ガイドレール30をガイドしているため、有軌道走行装置34aは、直線ガイドレール30上を直線走行することができる。ここで、直線ガイドローラ35は、左右の両方から直線ガイドレール30を挟みながら回転することによって、直線ガイドレール30をガイドしている。なお、有軌道走行装置34aには、直線ガイドローラ35とは別に車輪が設けられている。
【0046】
次に、有軌道走行装置34aが、直線ガイドレール30から直線ガイドレール31へ移動する場合、有軌道走行装置34aは、図9中の状態(a)から状態(b)となり、内側にある曲線ガイドローラ36がU字型ガイドレール32の直線部分をガイドするとともに、外側にある直線ガイドローラ35が、直線ガイドレール30をガイドしている。つまり、有軌道走行装置34aは、直線ガイドローラ35と曲線ガイドローラ36によって、それぞれ直線ガイドレール30とU字型ガイドレール32をガイドした状態になっている。
【0047】
続いて、有軌道走行装置34aは、図9中の状態(b)から状態(c)へ移行する。すなわち、内側にある曲線ガイドローラ36で、U字型ガイドレール32をガイドし続ける一方、直線ガイドローラ35による直線ガイドレール30のガイドを解く。すなわち、左右の両方から直線ガイドレール30を挟み込んでいた状態を解く。このようにして、有軌道走行装置34aは、U字型ガイドレール32上を走行することができる。
【0048】
その後、図9中の状態(c)から状態(d)へ移行する。すなわち、内側にある曲線ガイドローラ36で、U字型ガイドレール32をガイドし続けるとともに、外側にある直線ガイドローラ35が、直線ガイドレール31をガイドする。そして、曲線ガイドローラ36によるU字型ガイドレール32のガイドを解くことによって、図9中の状態(d)から状態(e)になり、有軌道走行装置34aは、直線ガイドレール31上を走行することになる。
【0049】
また、有軌道走行装置34aが、図9中の状態(a)からストッカ100へ移動する場合は、ガイドの切り替えを行なわず、直線ガイドローラ35によるガイドを続行することにより、図9中の状態(f)となる。
【0050】
なお、上記した動作は、有軌道走行装置34bについても同様であるとともにU字型ガイドレール33を通る場合も同様である。
【0051】
このようにして、有軌道走行装置34a、34bは、U字型ガイドレール32、33を介して直線ガイドレール30、31を行き来することができる。したがって、1台のストッカ100と作業通路10の両側に配置された半導体製造装置201〜211という既設のレイアウト構成に対して、ウェハカセットの搬送を行なうことができる。
【0052】
図10に、U字型ガイドレール32の配置した領域を拡大した図を示す。図10を見てわかるように、有軌道走行装置34aは、直線ガイドレール30と直線ガイドレール31を行き来する際、U字型ガイドレール32を通るが、このU字型ガイドレール32は、2本の直線ガイドレール30、31の間であって、中央通路10aから離れた場所に配置されている。したがって、有軌道走行装置34aがU字型ガイドレール32を通過する場合であっても、有軌道走行装置34aが中央通路10aにはみ出すことがない。また、中央通路10a側のロードポートの中心からストッカ100の外端部までの寸法Aに比べて、有軌道走行装置34aにおける移載部中心から本体端部までの寸法Bは同じか小さく設計されている。このため、有軌道走行装置34aが、ストッカ100の中央通路10a側のロードポートにおいて移載動作を行なう場合であっても、有軌道走行装置34aが中央通路10aにはみ出すことがない。
【0053】
以上より、有軌道走行装置34a、34bは、図8に示す中央通路10aや通路10bにはみ出すことなくU字型軌道32、33を介して直線ガイドレール30、31の間を走行することができる。このため、有軌道走行装置34a、34bの内1台であってもベイ内搬送を行なうことができる。
【0054】
また、中央通路10aや通路10bにはみ出すことがないため、作業者の通行および半導体製造装置の運搬における安全性を確保することができる。
【0055】
次に、有軌道走行装置34aへの電力供給について説明する。図11は、有軌道走行装置34aの一車輪部分を拡大した要部断面図である。図11において、有軌道走行装置34aには、直線ガイドレール30をガイドするための直線ガイドローラ35、有軌道走行装置34aを動かすための車輪37、ピックアップコイル38を有している。この有軌道走行装置34aへの電力供給は、電磁誘導を利用した非接触給電方式で行なわれ、直線ガイドレール30に沿うように設置された電力供給線40に対してカップリングするピックアップコイル38により、有軌道走行装置34aは電力を得る。すなわち、電力供給線40には、高周波電圧が印加されており、これに流れる高周波電流により逆E字型のピックアップコイル38に起電力を生じさせ、有軌道走行装置34aに電力供給を行なうものである。
【0056】
続いて、図12に、有軌道走行装置34aに電力を供給するための電力供給線40、41、42の設置形態を示す。電力供給線40、41は、図9に示す直線ガイドレール30、31にそれぞれ沿うように配置され、電力供給線42は、図9に示すU字型ガイドレール32に沿うように配置されている。このように電力供給線40、41、42を配置することにより、有軌道走行装置34aが走行しながら電力の供給を受けることができる。
【0057】
以下、有軌道走行装置34aへの電力供給を具体的に説明する。図12の状態(p)は、図9の状態(a)に対応しており、直線ガイドレール30に沿って配置されている電力供給線40よりピックアップコイル43で有軌道走行装置34aが電力の供給を得ている状態を示している。次に、図12の状態(p)から移行した状態(q)は、図9の状態(b)に対応しており、電力供給線40およびU字型ガイドレール32に沿って配置されている電力供給線42の両方から、ピックアップコイル43、44を介して、有軌道走行装置34aが電力の供給を得ている状態を示している。ここで、有軌道走行装置34aには、2つのピックアップコイル43、44が装備されている。
【0058】
続いて、図12の状態(q)から移行した状態(r)は、図9の状態(c)に対応しており、U字型の電力供給線42より、ピックアップコイル44を介して電力の供給を得ている状態を示している。その後、有軌道走行装置34aは、図9の状態(d)に対応した図12の状態(s)で、電力給電線41、42の両方から電力を得る状態へと移行する。そして、図9の状態(e)に対応する図12の状態(t)となり、電力供給線41からピックアップコイル44を介して電力の供給を受けている状態となる。このようにして、有軌道走行装置34aは、直線ガイドレール30から直線ガイドレール31へ電力の供給を受けながら移動することができる。
【0059】
また、図12の状態(p)からストッカ100へ移動する場合は、ピックアップコイル43を介して電力供給線40より電力の供給を受けながら移動し、図9の状態(f)に対応した状態(u)になる。なお、上記では有軌道走行装置34aについて説明したが、有軌道走行装置34bについても同様である。
【0060】
次に、有軌道走行装置34a、34bの移載機構について説明する。図13に有軌道走行装置34aの外観を示した斜視図を示す。図13において、有軌道走行装置34aは、走行部45と移載部46とを有している。また、図示しないが走行部45の中には、走行部45による走行動作および移載部46による移載動作を制御する制御部がある。
【0061】
走行部45は、有軌道走行装置34aを走行させるために設けられたものであり、内部には、走行するための車輪、ガイドレールをガイドするためのガイドローラ、電力の供給を受けるためのピックアップコイルなどが装備されている。
【0062】
移載部46は、ウェハカセットを保持して各半導体製造装置201〜211およびストッカ100のロードポートへ移載する移載機構を有しており、この移載機構は、3自由度を有するロボットアームより構成されている。そして、ロボットアームが動く3自由度の内、まず始めの自由度は図13の左右方向に動く自由度であり、第2の自由度は、上下方向に動く自由度である。さらに、最後の自由度は、ウェハカセットを保持して90度回転させる自由度である。このように、移載機構には3自由度が必要であり、その理由を以下に説明する。
【0063】
図14に、例えば半導体製造装置201のロードポート部201aを示す。図14において、2つのロードポート部201a上には、ウェハカセット48がウェハ取りだし口を奥に向けて配置されている。ここで、図14中のDは、ウェハカセット48の設置寸法を示しており、Hはウェハカセット48の設置高さを示している。
【0064】
図15に、300mmウェハに対応した場合の半導体製造装置201のロードポート201aの物理的仕様と、200mmウェハに対応した場合の半導体製造装置201のロードポート201aの物理的仕様とを比較した結果を示す。図15に示すように、標準化の進んでいる300mm対応のロードポート201aにおいて、ウェハカセット48の設置高さ(H)は、250mm、ウェハカセット48の設置寸法(D)は、250mmで統一されており、ウェハカセット48の設置姿勢も1種類となっている。したがって、300mmウェハに対応した場合の半導体製造装置201にウェハカセット48を移載する機構としては、奥行き方向と上下方向に動く2自由度のロボットアームにウェハカセット48を載せるフォーク状の保持機構があれば対応可能である。
【0065】
一方、200mmウェハ対応のロードポート201aにおいて、ウェハカセット48の設置高さ(H)は、800mm〜1120mm、ウェハカセット48の設置寸法(D)は、200mm〜350mmとバラツキがある。また、ウェハ取りだし口が奥に向けて配置される場合と上に向けて配置される場合の2種類ある。つまり、カセット設置姿勢が2種類ある。このように200mmウェハに対応した場合の半導体製造装置201では、ロードポート201aの標準化があまり進んでいなく、半導体製造装置によって、ウェハカセット48の設置高さH、設置寸法Dおよび設置姿勢(0°と90°の2種類)が異なるため、移載機構のアーム寸法、動作範囲の拡大と、設置姿勢を変えるためメカニカルなカセット保持機構の追加が必要となる。つまり、200mmウェハに対応した場合の半導体製造装置201のロードポート201aにウェハカセット48を移載する移載機構としては、奥行き方向と上下方向の自由度とウェハカセット48を保持して90度設置姿勢を変えることができる自由度の少なくとも3自由度を備えたロボットアームが必要となる。
【0066】
このような3自由度を有する移載機構を備えた移載部46によって、ストッカ100のロードポートからウェハカセットを有軌道走行装置34aに移載した後、走行部45により、各半導体製造装置201〜211の前面まで移動し、再び移載部46によって、有軌道走行装置34aから各半導体製造装置201〜211の前面にあるロードポートへウェハカセットを移載することができる。なお、有軌道走行装置34bの移載機構も同様である。
【0067】
次に、上述した有軌道走行装置34a、34bを使用して行なわれる自動化されたベイ内搬送は、図16に示す工場ホストシステム300により行なわれる。すなわち、半導体工場全体の製造制御を行なう工場ホストシステム300は、まず、ベイ内の各半導体製造装置201〜211を稼働制御する装置コントローラ301〜311と搬送システムを統括して制御する搬送統括コントローラ320を制御している。
【0068】
搬送統括コントローラ320は、ベイ間搬送コントローラ330、有軌道走行装置コントローラ340およびストッカコントローラ350を制御している。
【0069】
ベイ間搬送コントローラ330は、各ベイ2a、3aの入口にあるストッカ間のウェハカセットの搬送を行なうベイ間搬送装置5を運行制御するものである。
【0070】
有軌道走行装置コントローラ340は、各ベイ2a、3aにおけるベイ内搬送を行なう複数の有軌道走行装置34a、34bを運行制御する運行制御装置であり、ストッカコントローラ350は、ストッカ100の動作を制御するものである。なお、有軌道走行装置コントローラ240は、有軌道走行装置が一台の場合であっても運行制御できる。
【0071】
上記したシステムを使用した半導体装置の製造方法において、所定のウェハカセットを例えば半導体製造装置211(例えばCVD装置とする)で処理する場合を図8と図16を参照して説明する。まず、図16に示すように、工場ホストシステム300は、搬送統括コントローラ320と装置コントローラ311に作業指令を与える。搬送統括コントローラ320は、有軌道走行装置コントローラ340と所定のウェハカセットが格納されているストッカ100のストッカコントローラ350に対してそれぞれ搬送指令を与える。これにより、所定のウェハカセットは、ストッカ100の棚から有軌道走行装置34aに移載され、所定のウェハカセットは、有軌道走行装置34aの移載部に保持される。
【0072】
そして、所定のウェハカセットを積載した有軌道走行装置34aは、図8に示す直線ガイドレール30上をストッカ100から直進して半導体製造装置201の前面まで進む。そして、有軌道走行装置34aは、後退してU字型ガイドレール32に沿って進んだ後、直線ガイドレール31上を直進し、半導体製造装置211の前面で停止する。
【0073】
続いて、有軌道走行装置34aは、所定のウェハカセットを保持した移載部を動作させることによって、半導体製造装置211のロードポートに、所定のウェハカセットを供給する。
【0074】
次に、所定のウェハカセットが半導体製造装置211に供給されると、工場ホストシステム300は、装置コントローラ311に対して所定のウェハカセットに入ったウェハの処理方法を与える。例えば、ウェハ上にCVD法を用いて成膜する処理を実施させる。
【0075】
そして、装置コントローラ311から工場ホストシステム300に、ウェハカセット中のウェハへの成膜処理が終了したと通知があると、工場ホストシステム300は、搬送統括コントローラ320へ作業指令を与える。作業指令を与えられた搬送統括コントローラ320は、ベイ間搬送コントローラ330、有軌道走行装置コントローラ340およびストッカコントローラ350へ搬送指令を与える。これにより、有軌道走行装置34aが半導体製造装置211の前面まで移動し、半導体製造装置211のロードポート上に配置されているウェハカセットであって、成膜処理がなされたウェハを格納している所定のウェハカセットを保持して、有軌道走行装置34aに積載する。
【0076】
続いて、所定のウェハカセットを積載した有軌道走行装置34aは、直線ガイドレール31上を直進し、半導体製造装置210の前面付近まで進んで停止する。そして、直線ガイドレール31上を後退した後、U字型ガイドレール33に沿って進み、その後、直線ガイドレール30に沿って直進してストッカ100の前面で停止する。次に、有軌道走行装置34aからストッカ100へ所定のウェハカセットが回収される。回収された所定のウェハカセットは、次工程での処理を行なうため、ストッカ100から別のベイにあるストッカへベイ間搬送装置5によって搬送される。なお、上述した記載では、有軌道走行装置34aだけでウェハカセットの供給および回収をする例を示したが、複数台の有軌道走行装置、例えば有軌道走行装置34bなども利用してウェハカセットの供給および回収をしてもよい。
【0077】
本発明の一実施の形態である半導体装置の製造方法で使用される搬送システムは、200mm以下のウェハを使用する既設の半導体製造工場のベイ内搬送作業を自動化するため、(a)直線ガイドレールと曲線ガイドレールとを組み合わせた床上設置型ガイドレールを走行する走行部と、前記走行部に電力を供給する給電部と、前記走行部上に設けられた、少なくとも3自由度の移載機構と、前記走行部および前記移載機構の動作を制御する制御部とを有する走行装置と、(b)前記走行装置を複数台運行させる運行制御装置とを備え、前記走行装置は、ウェハカセットを管理するストッカと半導体製造装置との間の前記ウェハカセットの搬送を行なうものである。なお、前記走行装置は、一台であってもよい。
【0078】
言い換えると、半導体装置の製造ラインにおいて、(a)直線ガイドレールと曲線ガイドレール組み合わせた床上設置型ガイドレールと、(b)前記床上設置型ガイドレール上を走行する走行装置であって、少なくとも3自由度を有する移載機構を搭載する走行装置と、(c)前記走行装置を複数台運行させる運行制御装置とを備え、前記走行装置は、ウェハカセットを管理するストッカと半導体製造装置との間の前記ウェハカセットの搬送を行なうものである。
【0079】
ベイ内搬送作業の自動化方式には、前述したようにAGV方式、OHT方式、RGV方式の3方式が考えられているが、これに本発明の有軌道走行装置(FlexRGVという)を加えて性能評価すると図17のようになった。
【0080】
評価項目としては(1)移載および走行速度の「高速性」、(2)ベイ内に対向配置された半導体製造装置に対応できるか、人との共存かできるかどうかの「柔軟性」、(3)機構・制御が単純かどうか、数が少ないかどうかの「信頼性」、(4)レールが床設置か天井設置か、ティーチング作業が容易かどうかの「保守性」(5)価格の5項目を相対評価した。総合評価の点数は評価の良いものから順に4、3、2、1点の点数をつけその合計点を記載した。
【0081】
その結果、総合性能で、RGVまたはFlexRGVがベイ内搬送方式では有利であるが、既に稼働している生産ラインのベイ内搬送作業を自動化するためには、(2)の「柔軟性」の項目に「×」のついているRGVは、適用が難しく、そのRGVの欠点を補った本発明であるFlexRGVを適用するのが好ましいと判断できる。
【0082】
以上、本実施の形態1で述べたように、高速かつ低価格な有軌道走行装置の走行機能に分岐合流走行機能を追加して、有軌道走行装置に柔軟性を持たせたので、ベイ内搬送の自動化を前提として構築されていなかった半導体製造工場においても、ベイ内搬送作業の自動化がし易くなる効果が得られる。したがって、半導体製造工場全体の自動化を促進し、半導体製造工場の生産効率向上に寄与することができる。
【0083】
また、ベイ2a、3a内の一方の側に配置されている半導体製造装置が他方の側に配置されている半導体製造装置と種類が異なる場合、一方の側に配置されている半導体製造装置で第1の処理が行なわれ、この第1の処理が終了した後、もう一方の側の半導体製造装置で、第2の処理が行なわれることがある。この場合、例えば図3に示すような300mmウェハ対応のベイ2a、3aでは、半導体製造装置201で第1の処理が行なわれ、この第1の処理が終了した後、一旦ウェハカセットはストッカ100に回収される。そして、その後ベイ間搬送装置5によって、ストッカ110へウェハカセットは搬送され、ストッカ110から有軌道走行装置14bによって、半導体製造装置207へウェハカセットが搬送され、第2の処理が行なわれる。このように、ストッカ100とストッカ110との間の搬送を行なうことになる。しかし、本発明のレイアウト構成を示した図8においては、半導体製造装置201で第1の処理が行なわれた後、本発明の有軌道走行装置34bによれば、U字型ガイドレール32を通って、半導体製造装置207に到達することができる。すなわち、ベイ間搬送は行なわれない。したがって、搬送経路の簡略化を図ることができる。
【0084】
(実施の形態2)
図8のレイアウト構成においては、2本の直線ガイドレール30、31の間に設置された分岐線であるU字型ガイドレール32、33の開口部分がそれぞれ内側を向いたようにして配置しているが、それぞれ外側を向いたようにして配置してもよい。また、図18に示すようにU字型ガイドレール50、51の内、一方のU字型ガイドレール50の開口部分を外側に向けた配置としてもよい。これにより、ストッカ100から半導体製造装置206への搬送動作を円滑化することができる。すなわち、図8では、ストッカ100から半導体製造装置206へ移動する場合、有軌道搬送装置34aは、まずストッカ100から半導体製造装置201の前面まで直線走行し、ここで一旦停止する。その後、後退動作でU字型ガイドレール32に進入して、半導体製造装置207の前面まで進み、ここで、再び一旦停止する。そして、後退動作で半導体製造装置206へ移動する。このように有軌道走行装置34aは、3動作でストッカ100から半導体製造装置206へ移動することになる。しかし、図18に示すレイアウト構成によると、U字型ガイドレール50が逆向きに配置されているため、ストッカ100から半導体製造装置206へ1動作で移動でき、移動時間の短縮化を図ることができる。
【0085】
(実施の形態3)
図8のレイアウト構成では、外側設置の直線ガイドレール30、31を本線とし、内側設置のU字型ガイドレール32、33を支線として配置したが、図19に示すように、内側設置のトラック形状をしたガイドレール52を本線とし、四隅のストッカ100、半導体製造装置205、206、211の前にそれぞれ直線ガイドレール53、54、55、56を支線として配置してもよい。これにより、半導体製造装置201〜204、207〜210の足元近くに設置されていた直線ガイドレールおよびこれに沿うように配置されていた電力供給線がなくなることになり、半導体製造装置201〜204、207〜210の前のスペースを広く確保できる。したがって、メンテナンス時において、半導体製造装置201〜204、207〜210の前面の扉を開閉する作業が容易となる等の効果がある。
【0086】
(実施の形態4)
図20は、支線で対応するストッカの1台だけの場合を示したものである。ストッカ100だけベイ2a、3aの隅に配置され、他の半導体製造装置201〜210は余裕を持って配置されているので、トラック形状をしたガイドレール57で搬送することができる。ストッカ100に対しては、短い支線ガイドレール58により搬送される。このようにガイドレールを配置することにより、ガイドレールおよびこれに沿った電力供給線の構成要素数を減らすことができ、メンテナンスが容易になるとともに信頼性向上を図ることができる。また、図20において、新たに隅に半導体製造装置を設置する場合、短い支線を追加するだけで対応が可能という利点もある。
【0087】
以上、本発明者によってなされた発明を前記実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0088】
前記実施の形態1では、曲線ガイドレールの一例としてU字型ガイドレールを取り上げて説明したが、これに限らず、例えばS字型形状のガイドレールなどであってもよい。
【0089】
【発明の効果】
本願によって開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下の通りである。
【0090】
高速かつ低価格な有軌道走行装置の走行機能に分岐合流走行機能を追加して、有軌道走行装置に柔軟性を持たせたので、ストッカと各半導体製造装置との間で行なわれるウェハカセットの搬送の自動化を前提としないで構築された既設の半導体製造工場の生産ラインにおいても、高速搬送の自動化を低価格で実現し、この高速搬送の自動化を実現した生産ラインにより、ウェハカセットの供給および回収を行なう半導体装置の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導体製造ラインの外観を示した斜視図である。
【図2】200mm以下のウェハを使用した半導体工場における現状のベイのレイアウト構成を示した図である。
【図3】直進往復走行形の有軌道走行装置を適用した場合におけるベイのレイアウト構成を示した図である。
【図4】AGV方式を使用した場合におけるベイのレイアウト構成を示した図である。
【図5】OHT方式を使用した場合におけるベイのレイアウト構成を示した図である。
【図6】RGV方式を使用した場合におけるベイのレイアウト構成を示した図である。
【図7】図6の一部を拡大した図である。
【図8】本発明の実施の形態1におけるベイのレイアウト構成を示した図である。
【図9】本発明における有軌道走行装置の分岐合流機能を説明した図である。
【図10】図8の一部を拡大した拡大図である。
【図11】有軌道走行装置の一車輪部分を拡大した要部断面図である。
【図12】有軌道走行装置への電力供給を説明した図である。
【図13】本発明の実施の形態1における有軌道走行装置の外観を示した斜視図である。
【図14】半導体製造装置のロードポートにウェハカセットが設置された状態を示す図である。
【図15】300mmウェハ対応の半導体製造装置のロードポートの物理的仕様と200mmウェハ対応の半導体製造装置のロードポートの物理的仕様を比較した図である。
【図16】半導体製造工場における製造制御システムの構成を示した図である。
【図17】それぞれの搬送方式を評価した結果を示す図である。
【図18】本発明の実施の形態2におけるベイのレイアウト構成を示した図である。
【図19】本発明の実施の形態3におけるベイのレイアウト構成を示した図である。
【図20】本発明の実施に形態4におけるベイのレイアウト構成を示した図である。
【符号の説明】
1a 半導体製造装置群
1b 半導体製造装置群
2a ベイ
3a ベイ
4 ストッカ
5 ベイ間搬送装置
10 作業通路
10a 中央通路
10b 通路
11 作業者
12 ガイドレール
13 ガイドレール
14a 有軌道走行装置
14b 有軌道走行装置
15 誘導線
16a 台車
16b 台車
17 レール
18a 台車
18b 台車
19 ループ状をしたガイドレール
20a 有軌道走行装置
20b 有軌道走行装置
30 直線ガイドレール
31 直線ガイドレール
32 U字型ガイドレール(曲線ガイドレール)
33 U字型ガイドレール(曲線ガイドレール)
34a 有軌道走行装置
34b 有軌道走行装置
35 直線ガイドローラ
36 曲線ガイドローラ
37 車輪
38 ピックアップコイル
40 電力供給線
41 電力供給線
42 電力供給線
43 ピックアップコイル
44 ピックアップコイル
45 走行部
46 移載部
48 ウェハカセット
50 U字型ガイドレール(曲線ガイドレール)
51 U字型ガイドレール(曲線ガイドレール)
52 トラック形状をしたガイドレール
53 直線ガイドレール
54 直線ガイドレール
55 直線ガイドレール
56 直線ガイドレール
57 トラック形状をしたガイドレール
58 直線ガイドレール
100 ストッカ
110 ストッカ
201 半導体製造装置
201a ロードポート
202 半導体製造装置
203 半導体製造装置
204 半導体製造装置
205 半導体製造装置
206 半導体製造装置
207 半導体製造装置
208 半導体製造装置
209 半導体製造装置
210 半導体製造装置
211 半導体製造装置
300 工場ホストシステム
301 装置コントローラ
302 装置コントローラ
303 装置コントローラ
304 装置コントローラ
305 装置コントローラ
306 装置コントローラ
307 装置コントローラ
308 装置コントローラ
309 装置コントローラ
310 装置コントローラ
311 装置コントローラ
320 搬送統括コントローラ
330 ベイ間搬送コントローラ
340 有軌道走行装置コントローラ
350 ストッカコントローラ
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造技術に関し、特にウェハカセットを保管するストッカから各半導体製造装置へウェハカセットを搬送する工程に適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置を製造する半導体工場では、変化の激しい半導体市場の中、顧客の需要に即応できる製造ラインを構築するため、半導体工場全体の自動化のニーズは高く、特に単純作業である搬送作業は自動化されるべきものである。特に、直径200mm以下のウェハを使用する既設の半導体工場において、ストッカから各半導体製造装置へのウェハカセットの供給、および各半導体製造装置からストッカへのウェハカセットの回収は、自動化されるべきものである。しかし、ウェハカセットの供給、回収は、人手作業に依存しているところがほとんどである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平09−172051号公報(第2頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、200mm以下の半導体ウェハ(以下、単にウェハという)を使用する既設の半導体工場では、ストッカと各半導体製造装置との間で行なわれるウェハカセットの搬送作業の自動化が遅れ、手作業に依存している。この原因としては以下の要因が考えられる。
【0005】
まず、第1の要因としては各半導体製造装置のウェハカセットをセットする場所であるロードポートの物理的仕様の標準化が遅れており、セットすべきウェハカセットの位置、姿勢が広範囲・多種類となっている。したがって、様々なロードポートに対応するため、ウェハカセットをハンドリングする搬送装置には、6自由度の複雑な機構と長いアーム長を持ったロボットアームを必要としている。
【0006】
第2の要因として、現状の半導体製造装置では、通常作業時やメンテナンス時の操作の多くが半導体製造装置の前面で行なうようになっており、搬送装置と作業者の動線が干渉することとなる。このため、メンテナンス等の作業中は、搬送装置を止めるか、迂回させなければならず、製造ライン全体の搬送能力を著しく損なうこととなる。
【0007】
このような問題点があるため、ストッカと各半導体製造装置との間で行なわれるウェハカセットの搬送作業の自動化が遅れている。
【0008】
ここで、走行経路の誘導線の施工が容易である無軌道形で、バッテリー駆動の走行台車に6自由度の垂直多関節形ロボットを搭載した搬送装置(以下、AGV(Automated Guided Vehicle)と略す)を使用して、ストッカと各半導体製造装置との間で行なわれるウェハカセットの搬送作業の自動化を図った例がある。しかし、価格が高価である一方、速度が遅いため、半導体製造工場においてAGVの適用の拡大が進んでいない。
【0009】
本発明の目的は、ストッカと各半導体製造装置との間で行なわれるウェハカセットの搬送の自動化を前提としないで構築された既設の半導体製造工場の製造ラインにおいても、高速搬送の自動化を低価格で実現し、この高速搬送の自動化を実現した製造ラインにより、ウェハカセットの供給および回収を行なう半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0010】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0012】
本発明は、(a)直線ガイドレールと曲線ガイドレールとを組み合わせた床上設置型ガイドレールを走行する有軌道走行装置であって、ウェハカセットの移載機構を有する前記有軌道走行装置により、前記ウェハカセットを保管するストッカから半導体製造装置へ、前記ウェハカセットを供給する工程と、(b)前記半導体製造装置で前記ウェハカセットに入ったウェハの処理を行なう工程とを備えるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。また、実施の形態を説明するための全図において同一機能を有するものは同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0014】
半導体製造工程におけるウェハカセットの搬送には、人による搬送の他、AGVや有軌道走行装置(RGV(Rail Guided Vehicle))、OHT(Overhead Hoist Transport)による搬送があるが、本発明は、その中で有軌道走行装置を改良したものを使用して搬送を行なっている。本発明において、上述した走行装置の中から有軌道走行装置を採用した経緯について、まず説明する。
【0015】
シリコンウェハに種々の物理的・化学的処理を行い、ICやLSIを形成するための半導体製造ラインは、図1に示すように、各プロセスに応じて同じ種類の半導体製造装置群1a、1bで構成されるジョブショップ形態で構成されており、そのショップをベイ2a、3aと呼んでいる。各ベイ2a、3aの入口には、ウェハの搬出・搬入を管理するストッカ4が設置されており、ウェハの搬送は通常25枚入りのカセット単位で搬送されている。なお、図1においては、わかり易くするため、断面でない領域に斜線を付している。
【0016】
このウェハカセットの搬送は、大きく分けて2種類に分けられ、第1には各ベイ2a、3aに設けられたストッカ4間のベイ間搬送であり、第2は各ベイ2a、3a内において、各半導体製造装置群1a、1bとストッカ4との間でウェハカセットを搬送するベイ内搬送である。
【0017】
200mm以下のウェハを使用して半導体装置を製造する工場では、ベイ間搬送は、ほとんど自動化されており、図1に示すような天井走行形のベイ間搬送装置5によってウェハカセットの搬送が行なわれている。これに対し、ベイ内搬送は、人手作業に依存しているところがほとんどである。
【0018】
一方、300mmのウェハを使用して半導体装置を製造する新工場では、自動化を推進するため、半導体業界全体でウェハカセット、半導体製造装置のロードポートの標準化、および半導体製造装置のメンテナンスの作業エリアや操作エリアを後面に配置するなどの標準化を強力に進めた。
【0019】
この結果、300mmのウェハに対応した半導体製造装置のロードポートでは、ウェハカセットの置く位置や姿勢が単一となったため、ウェハカセットを搬送する走行装置の自由度と動作範囲を減らすことができ、走行装置の高速化および低価格化が可能となった。さらに、走行装置と作業者との動線の干渉もなくすことができ、走行装置の導入がしやすい環境となった。
【0020】
これにより、300mmのウェハを使用した半導体工場では、2〜3軸の単純な移載機構と直進往復走行機構を持った高速で低価格な有軌道走行装置により、ベイ内搬送のすべてを自動化することに成功した例がある。
【0021】
このような背景のもと、自動化が進んでいなかった既設の200mm以下のウェハを使用した半導体工場において、ベイ内搬送の自動化を推進するための解決策の一つとして、300mmのウェハを使用した半導体工場で実績のある高速かつ低価格の有軌道走行装置を適用することとした。
【0022】
ここで、300mmのウェハを使用した半導体工場で採用されている有軌道走行装置を、既設の200mm以下のウェハを使用した半導体工場で採用するためには、以下に示す問題点がある。
【0023】
200mm以下のウェハを使用した半導体工場において、通常、各ベイ2a、3aは、例えば図2に示すようなレイアウト構成をとっている。すなわち、ベイ2a、3aには、まず、次工程へまたは前工程からのウェハカセットの搬入・搬出機能をもっている1台のストッカ100が作業通路10の片側に配置されており、作業通路10の両側には、半導体製造装置201〜211が配置されている。そして、ウェハカセットのベイ間搬送(ストッカ間の搬送)は、走行装置5により行なわれる一方、ウェハカセットのベイ内搬送は、作業者11によって行なわれている。つまり、ストッカ100と半導体製造装置201〜211との間のウェハカセットの搬送は、作業者11によって行なわれている。
【0024】
このベイ2a、3aに直進往復走行形の有軌道走行装置を適用するためには、図3に示すように、作業通路10に対向して配置された半導体製造装置201〜211にそれぞれ1ラインずつガイドレール12、13を敷設し、その2本のガイドレール12、13上に1台ずつ有軌道走行装置14a、14bを配置する。そして、それぞれの有軌道走行装置14a、14bに対して1台ずつストッカ110、100を配置する必要がある。というのは、あるベイ2a、3a内で処理が行なわれたウェハは、ベイ間搬送を行なう走行装置5によって次工程へ進む必要があり、このベイ間搬送はストッカ100、110を介して行なわれるためである。したがって、図2に示すレイアウトから図3に示すレイアウトへ移行するためには、ストッカ110をストッカ100の対面に配置するとともに半導体製造装置206を移動させる必要があるが、このレイアウト変更は困難である。
【0025】
また、「特開2000−355403号公報」に記載されているように、図2に示したレイアウト構成に2本の対向したガイドレールを敷設するとともに、対向して配置された2本のガイドレールの中央部にターンテーブル機能を持ったウェハカセットの受け渡しステーションを設置して、直線往復走行の有軌道走行装置を適用した例がある。この構成によれば、各ベイ2a、3aに1台のストッカ100を配置すればよく、図2に示すレイアウトから図3に示すレイアウトへの変更をしなくてもよい。
【0026】
しかし、200mmウェハ対応の半導体製造装置201〜211のほとんどにおいて、メンテナンス作業は、半導体製造装置201〜211の前面、すなわち有軌道走行装置の軌道と干渉する領域で、人手によって行なわれる。このため、各半導体製造装置201〜211のメンテナンス期間は、その半導体製造装置201〜211の前面領域に有軌道走行装置を進入させることができなくなってしまう。また、ウェハカセットの受け渡しをするための受け渡しステーションをメンテナンスする半導体製造装置201〜211の前面には設置することができないという問題が生じる。このとき、受け渡しステーションをメンテナンスしていない他の半導体製造装置201〜211の前面に移動させることも考えられるが、運用が煩雑で、適用が困難である。
【0027】
以上より、図2に示した既設のレイアウト構成のように1台のストッカ100と作業通路10の両側に対向配置された半導体製造装置201〜211に対して、ウェハカセットの搬送ができるようにするためには、有軌道走行装置に直線走行機能の他に対面に配置された半導体製造装置201〜211へ移動できる機能(例えば、円弧などの曲線走行または対面方向走行機能)が必要となる。
【0028】
文献「300mm半導体工場のためのCIM/GJG統合解説 第1巻(第2版)1999/3;SEMIジャパン」に記載されているように、ベイ内搬送方式には、RGV方式の他にAGV方式、OHT方式があり、有軌道走行装置に対して曲線走行機能をもたせなくても、AGV方式やOHT方式によれば曲線走行機能または対面方向走行機能が可能である。しかし、AGV方式やOHT方式は、以下に示す問題点があり、既に稼働しているベイ内搬送作業の自動化には適していない。
【0029】
AGV方式は、図4に示すように通常、床面に貼り付けられた磁気テープの誘導線15に沿ってバッテリー駆動の台車16a、16bが走行する方式で、自由な走行経路を形成することができる。しかし、バッテリー駆動のため電力に制限を受け、走行速度および移載部(通常6自由度の垂直多関節形ロボットを搭載)のハンドリング速度が遅い問題点がある。また、6自由度の垂直多関節形ロボットのティーチングは難しく、人手による熟練作業が必要で時間がかかるという問題点がある。さらに、台車16a、16bの走行機構は、テープ誘導式で機械的ガイドがないため、有軌道走行方式に比べて、走行位置決め精度が一桁悪い。このため、TVカメラなどの視覚センサを用いて補正制御することにより、ハンドリングに必要な位置決め停止精度を確保している。したがって、余分な機構や制御および余分な動作時間を必要とするなどの問題点もある。
【0030】
OHT方式は、図5に示すように天井に設置されたレール17上を台車18a、18bが走行する方式で、台車18a、18bは金属製あるいはプラスティック製のベルトを駆動するホイスト機構(巻き上げ機構)を装備する。そして、このホイスト機構を用いて、半導体製造装置201〜211のロードポートの真上からウェハカセットをロードポート上に移載するものである。OHT方式でウェハカセットの移載動作を行なうときのストローク(台車18a、18bからロードポートまでの距離)は、通常1500mm以上となり、RGV方式と比べて3倍以上の移載時間がかかってしまうという問題点がある。一方、レールを天井に設置する方式のため、作業者と台車18a、18bとの動線が干渉しないという利点があるが、稼動中のベイ2a、3a内でレール17の設置工事を実施することが難しいこと、さらにはレール17や台車18a、18b本体が天井にあるため、メンテナンス作業に手間がかかる等の問題点もある。
【0031】
以上より、AGV方式やOHT方式に比べて、床上のガイドレール上を走行し、簡単な移載機構を装備したRGV方式が、既に稼働している生産ラインのベイ内搬送を自動化するのに好適であると考える。
【0032】
図6は、ループ状をしたガイドレール19上を走行する有軌道走行装置20a、20bにより、作業通路10の両側に設置された半導体製造装置201〜211に対して搬送を行なう様子を示した図である。有軌道走行装置20a、20bが、ループ状をしたガイドレール19を走行するので、1台のストッカ100と作業通路10の両側に設置された半導体製造装置201〜211に対してウェハカセットを供給および回収することができる。
【0033】
一般的なレイアウト設計においては、空間の有効活用を優先させ、例えばメンテナンス等に必要な寸法(隣接する半導体製造装置201〜205、206〜21とのクリアランス)は必要最小限としており、図6に示すように端部に配置されるストッカ100、半導体製造装置205、206、211は、中央通路10aや通路10bと作業通路10との交差部に一致させて配置されている。
【0034】
このとき、図7に示すように交差部に配置されるストッカ100において、中央通路10a側のロードポートの中心からストッカ100の外端部までの寸法Aと有軌道走行装置20aにおける移載部中心から本体端部までの寸法Bとの関係は、安全面や運用上の制約で有軌道走行装置20aが中央通路10aにはみ出さない条件B<Aを満足して設計されなければならない。
【0035】
現状実用化できているRGVシステムにおいては、有軌道走行装置20a、20bの本体の長さ寸法、走行時の最小回転半径R、およびストッカ100のロードポートの寸法Aとの関係により、有軌道走行装置20a、20bは、ループ状をしたガイドレール19の曲線部を走行する際、中央通路10aに寸法Cだけはみ出してしまう。これは、有軌道走行装置20a、20bが正確な移載動作を行なうためにはガイドレールの曲線部ではなくて、直線部で位置決めされなくてはならないことも一つの理由となっている。このように、有軌道走行装置20a、20bが中央通路10aにはみ出すことは、中央通路10aが作業者の通行および半導体製造装置の運搬などに利用されていることを考慮すると、安全上および機能上問題となる。
【0036】
(実施の形態1)
そこで、上記問題点を解決するため、本発明がなされたのである。本発明の一実施の形態を、図面を参照して説明する。例えば、作業通路の両側に配置された半導体製造装置と1台のストッカの間で行なわれるウェハカセットの搬送を、有軌道走行装置を使用して行なう場合について説明する。
【0037】
各ベイ2a、3aのレイアウト構成を図8に示す。図8において、ベイ2a、3aには、作業通路10に並行して床上設置型の直線ガイドレール30、31が2本敷設されており、この2本の直線ガイドレールの間には、互いに向きを逆にした床上設置型のU字型ガイドレール(曲線ガイドレール)32、33が敷設されている。この2本の直線ガイドレール30、31とU字型ガイドレール32、33の上を有軌道走行装置34a、34bが走行できるようになっている。
【0038】
直線ガイドレール30の外側には、ストッカ100および半導体製造装置201〜205が配置され、直線ガイドレール31の外側には、半導体製造装置206〜211が配置されている。そして、作業通路10と中央通路10aとの交差部には、ストッカ100と半導体製造装置206が配置される一方、作業通路10と通路10bとの交差部には半導体製造装置205、211が配置されている。
【0039】
直線ガイドレール30、31は、有軌道走行装置34a、34bがストッカ100および半導体製造装置201〜211に横付けしてウェハカセットの受け渡しができるように、有軌道走行装置34a、34bを誘導するために設けられたものである。一方、U字型ガイドレール32、33は、有軌道走行装置34a、34bが直線ガイドレール30から直線ガイドレール31への移動およびその逆の移動ができるように設けられたものである。
【0040】
有軌道走行装置34a、34bは、2本の直線ガイドレール30、31およびU字型ガイドレール32、33上を走行することにより、ストッカ100から半導体製造装置201〜211へのウェハカセットの供給を行なうことができるようになっている。同様に、有軌道走行装置34a、34bは、半導体製造装置201〜211で所定の処理を終了したウェハの入っているウェハカセットを、半導体製造装置201〜211からストッカ100へ回収できるようになっている。つまり、ストッカ100と半導体製造装置201〜211の間のベイ内搬送ができるようになっている。
【0041】
ストッカ100は、ウェハカセットを保管、管理するためのものであり、前工程における処理を終了したウェハが入っているウェハカセットを走行装置5から搬入して保管、管理するようになっている。また、半導体製造装置201〜211で所定の処理が終了したウェハの入っているウェハカセットを、有軌道走行装置34a、34bから搬入し、次工程の処理を行なうまで保管、管理することができるようになっている。
【0042】
半導体製造装置201〜211は、ウェハに所定の処理を施す装置であり、例えば、ウェハ上に膜を成膜するCVD(Chemical Vapor Deposition)装置やスパッタリング装置、ウェハ上に成膜された膜のエッチングを行なうエッチング装置、フォトリソグラフィ技術を実現するための露光装置などから構成される。ベイ2a、3a内に存在する半導体製造装置201〜211は、基本的に同種類の装置からなるが、直線ガイドレール30の外側に配置された半導体製造装置201〜205と直線ガイドレール31の外側に配置された半導体製造装置206〜211は、種類が異なる場合もある。
【0043】
次に、有軌道走行装置34a、34bが直線ガイドレール30、31およびU字型ガイドレール32、33上を走行する機構について図9を参照して説明する。図9は、U字型ガイドレール32が敷設されている部分を拡大した図である。図9において、(a)〜(f)は、有軌道走行装置34aが直線ガイドレール30、31上およびU字型ガイドレール32上を動いている状態を示したものである。
【0044】
有軌道走行装置34aは、直線ガイドレール30、31をガイドするための直線ガイドローラ35を前後に2つずつ計4つ装備しているとともに、U字型ガイドレール32をガイドするための曲線ガイドローラ36を前後に2つずつ計4つ有している。以下に、直線ガイドローラ35および曲線ガイドローラ36の動作について説明する。
【0045】
まず、図9中の状態(a)では、直線ガイドローラ35が直線ガイドレール30をガイドしているため、有軌道走行装置34aは、直線ガイドレール30上を直線走行することができる。ここで、直線ガイドローラ35は、左右の両方から直線ガイドレール30を挟みながら回転することによって、直線ガイドレール30をガイドしている。なお、有軌道走行装置34aには、直線ガイドローラ35とは別に車輪が設けられている。
【0046】
次に、有軌道走行装置34aが、直線ガイドレール30から直線ガイドレール31へ移動する場合、有軌道走行装置34aは、図9中の状態(a)から状態(b)となり、内側にある曲線ガイドローラ36がU字型ガイドレール32の直線部分をガイドするとともに、外側にある直線ガイドローラ35が、直線ガイドレール30をガイドしている。つまり、有軌道走行装置34aは、直線ガイドローラ35と曲線ガイドローラ36によって、それぞれ直線ガイドレール30とU字型ガイドレール32をガイドした状態になっている。
【0047】
続いて、有軌道走行装置34aは、図9中の状態(b)から状態(c)へ移行する。すなわち、内側にある曲線ガイドローラ36で、U字型ガイドレール32をガイドし続ける一方、直線ガイドローラ35による直線ガイドレール30のガイドを解く。すなわち、左右の両方から直線ガイドレール30を挟み込んでいた状態を解く。このようにして、有軌道走行装置34aは、U字型ガイドレール32上を走行することができる。
【0048】
その後、図9中の状態(c)から状態(d)へ移行する。すなわち、内側にある曲線ガイドローラ36で、U字型ガイドレール32をガイドし続けるとともに、外側にある直線ガイドローラ35が、直線ガイドレール31をガイドする。そして、曲線ガイドローラ36によるU字型ガイドレール32のガイドを解くことによって、図9中の状態(d)から状態(e)になり、有軌道走行装置34aは、直線ガイドレール31上を走行することになる。
【0049】
また、有軌道走行装置34aが、図9中の状態(a)からストッカ100へ移動する場合は、ガイドの切り替えを行なわず、直線ガイドローラ35によるガイドを続行することにより、図9中の状態(f)となる。
【0050】
なお、上記した動作は、有軌道走行装置34bについても同様であるとともにU字型ガイドレール33を通る場合も同様である。
【0051】
このようにして、有軌道走行装置34a、34bは、U字型ガイドレール32、33を介して直線ガイドレール30、31を行き来することができる。したがって、1台のストッカ100と作業通路10の両側に配置された半導体製造装置201〜211という既設のレイアウト構成に対して、ウェハカセットの搬送を行なうことができる。
【0052】
図10に、U字型ガイドレール32の配置した領域を拡大した図を示す。図10を見てわかるように、有軌道走行装置34aは、直線ガイドレール30と直線ガイドレール31を行き来する際、U字型ガイドレール32を通るが、このU字型ガイドレール32は、2本の直線ガイドレール30、31の間であって、中央通路10aから離れた場所に配置されている。したがって、有軌道走行装置34aがU字型ガイドレール32を通過する場合であっても、有軌道走行装置34aが中央通路10aにはみ出すことがない。また、中央通路10a側のロードポートの中心からストッカ100の外端部までの寸法Aに比べて、有軌道走行装置34aにおける移載部中心から本体端部までの寸法Bは同じか小さく設計されている。このため、有軌道走行装置34aが、ストッカ100の中央通路10a側のロードポートにおいて移載動作を行なう場合であっても、有軌道走行装置34aが中央通路10aにはみ出すことがない。
【0053】
以上より、有軌道走行装置34a、34bは、図8に示す中央通路10aや通路10bにはみ出すことなくU字型軌道32、33を介して直線ガイドレール30、31の間を走行することができる。このため、有軌道走行装置34a、34bの内1台であってもベイ内搬送を行なうことができる。
【0054】
また、中央通路10aや通路10bにはみ出すことがないため、作業者の通行および半導体製造装置の運搬における安全性を確保することができる。
【0055】
次に、有軌道走行装置34aへの電力供給について説明する。図11は、有軌道走行装置34aの一車輪部分を拡大した要部断面図である。図11において、有軌道走行装置34aには、直線ガイドレール30をガイドするための直線ガイドローラ35、有軌道走行装置34aを動かすための車輪37、ピックアップコイル38を有している。この有軌道走行装置34aへの電力供給は、電磁誘導を利用した非接触給電方式で行なわれ、直線ガイドレール30に沿うように設置された電力供給線40に対してカップリングするピックアップコイル38により、有軌道走行装置34aは電力を得る。すなわち、電力供給線40には、高周波電圧が印加されており、これに流れる高周波電流により逆E字型のピックアップコイル38に起電力を生じさせ、有軌道走行装置34aに電力供給を行なうものである。
【0056】
続いて、図12に、有軌道走行装置34aに電力を供給するための電力供給線40、41、42の設置形態を示す。電力供給線40、41は、図9に示す直線ガイドレール30、31にそれぞれ沿うように配置され、電力供給線42は、図9に示すU字型ガイドレール32に沿うように配置されている。このように電力供給線40、41、42を配置することにより、有軌道走行装置34aが走行しながら電力の供給を受けることができる。
【0057】
以下、有軌道走行装置34aへの電力供給を具体的に説明する。図12の状態(p)は、図9の状態(a)に対応しており、直線ガイドレール30に沿って配置されている電力供給線40よりピックアップコイル43で有軌道走行装置34aが電力の供給を得ている状態を示している。次に、図12の状態(p)から移行した状態(q)は、図9の状態(b)に対応しており、電力供給線40およびU字型ガイドレール32に沿って配置されている電力供給線42の両方から、ピックアップコイル43、44を介して、有軌道走行装置34aが電力の供給を得ている状態を示している。ここで、有軌道走行装置34aには、2つのピックアップコイル43、44が装備されている。
【0058】
続いて、図12の状態(q)から移行した状態(r)は、図9の状態(c)に対応しており、U字型の電力供給線42より、ピックアップコイル44を介して電力の供給を得ている状態を示している。その後、有軌道走行装置34aは、図9の状態(d)に対応した図12の状態(s)で、電力給電線41、42の両方から電力を得る状態へと移行する。そして、図9の状態(e)に対応する図12の状態(t)となり、電力供給線41からピックアップコイル44を介して電力の供給を受けている状態となる。このようにして、有軌道走行装置34aは、直線ガイドレール30から直線ガイドレール31へ電力の供給を受けながら移動することができる。
【0059】
また、図12の状態(p)からストッカ100へ移動する場合は、ピックアップコイル43を介して電力供給線40より電力の供給を受けながら移動し、図9の状態(f)に対応した状態(u)になる。なお、上記では有軌道走行装置34aについて説明したが、有軌道走行装置34bについても同様である。
【0060】
次に、有軌道走行装置34a、34bの移載機構について説明する。図13に有軌道走行装置34aの外観を示した斜視図を示す。図13において、有軌道走行装置34aは、走行部45と移載部46とを有している。また、図示しないが走行部45の中には、走行部45による走行動作および移載部46による移載動作を制御する制御部がある。
【0061】
走行部45は、有軌道走行装置34aを走行させるために設けられたものであり、内部には、走行するための車輪、ガイドレールをガイドするためのガイドローラ、電力の供給を受けるためのピックアップコイルなどが装備されている。
【0062】
移載部46は、ウェハカセットを保持して各半導体製造装置201〜211およびストッカ100のロードポートへ移載する移載機構を有しており、この移載機構は、3自由度を有するロボットアームより構成されている。そして、ロボットアームが動く3自由度の内、まず始めの自由度は図13の左右方向に動く自由度であり、第2の自由度は、上下方向に動く自由度である。さらに、最後の自由度は、ウェハカセットを保持して90度回転させる自由度である。このように、移載機構には3自由度が必要であり、その理由を以下に説明する。
【0063】
図14に、例えば半導体製造装置201のロードポート部201aを示す。図14において、2つのロードポート部201a上には、ウェハカセット48がウェハ取りだし口を奥に向けて配置されている。ここで、図14中のDは、ウェハカセット48の設置寸法を示しており、Hはウェハカセット48の設置高さを示している。
【0064】
図15に、300mmウェハに対応した場合の半導体製造装置201のロードポート201aの物理的仕様と、200mmウェハに対応した場合の半導体製造装置201のロードポート201aの物理的仕様とを比較した結果を示す。図15に示すように、標準化の進んでいる300mm対応のロードポート201aにおいて、ウェハカセット48の設置高さ(H)は、250mm、ウェハカセット48の設置寸法(D)は、250mmで統一されており、ウェハカセット48の設置姿勢も1種類となっている。したがって、300mmウェハに対応した場合の半導体製造装置201にウェハカセット48を移載する機構としては、奥行き方向と上下方向に動く2自由度のロボットアームにウェハカセット48を載せるフォーク状の保持機構があれば対応可能である。
【0065】
一方、200mmウェハ対応のロードポート201aにおいて、ウェハカセット48の設置高さ(H)は、800mm〜1120mm、ウェハカセット48の設置寸法(D)は、200mm〜350mmとバラツキがある。また、ウェハ取りだし口が奥に向けて配置される場合と上に向けて配置される場合の2種類ある。つまり、カセット設置姿勢が2種類ある。このように200mmウェハに対応した場合の半導体製造装置201では、ロードポート201aの標準化があまり進んでいなく、半導体製造装置によって、ウェハカセット48の設置高さH、設置寸法Dおよび設置姿勢(0°と90°の2種類)が異なるため、移載機構のアーム寸法、動作範囲の拡大と、設置姿勢を変えるためメカニカルなカセット保持機構の追加が必要となる。つまり、200mmウェハに対応した場合の半導体製造装置201のロードポート201aにウェハカセット48を移載する移載機構としては、奥行き方向と上下方向の自由度とウェハカセット48を保持して90度設置姿勢を変えることができる自由度の少なくとも3自由度を備えたロボットアームが必要となる。
【0066】
このような3自由度を有する移載機構を備えた移載部46によって、ストッカ100のロードポートからウェハカセットを有軌道走行装置34aに移載した後、走行部45により、各半導体製造装置201〜211の前面まで移動し、再び移載部46によって、有軌道走行装置34aから各半導体製造装置201〜211の前面にあるロードポートへウェハカセットを移載することができる。なお、有軌道走行装置34bの移載機構も同様である。
【0067】
次に、上述した有軌道走行装置34a、34bを使用して行なわれる自動化されたベイ内搬送は、図16に示す工場ホストシステム300により行なわれる。すなわち、半導体工場全体の製造制御を行なう工場ホストシステム300は、まず、ベイ内の各半導体製造装置201〜211を稼働制御する装置コントローラ301〜311と搬送システムを統括して制御する搬送統括コントローラ320を制御している。
【0068】
搬送統括コントローラ320は、ベイ間搬送コントローラ330、有軌道走行装置コントローラ340およびストッカコントローラ350を制御している。
【0069】
ベイ間搬送コントローラ330は、各ベイ2a、3aの入口にあるストッカ間のウェハカセットの搬送を行なうベイ間搬送装置5を運行制御するものである。
【0070】
有軌道走行装置コントローラ340は、各ベイ2a、3aにおけるベイ内搬送を行なう複数の有軌道走行装置34a、34bを運行制御する運行制御装置であり、ストッカコントローラ350は、ストッカ100の動作を制御するものである。なお、有軌道走行装置コントローラ240は、有軌道走行装置が一台の場合であっても運行制御できる。
【0071】
上記したシステムを使用した半導体装置の製造方法において、所定のウェハカセットを例えば半導体製造装置211(例えばCVD装置とする)で処理する場合を図8と図16を参照して説明する。まず、図16に示すように、工場ホストシステム300は、搬送統括コントローラ320と装置コントローラ311に作業指令を与える。搬送統括コントローラ320は、有軌道走行装置コントローラ340と所定のウェハカセットが格納されているストッカ100のストッカコントローラ350に対してそれぞれ搬送指令を与える。これにより、所定のウェハカセットは、ストッカ100の棚から有軌道走行装置34aに移載され、所定のウェハカセットは、有軌道走行装置34aの移載部に保持される。
【0072】
そして、所定のウェハカセットを積載した有軌道走行装置34aは、図8に示す直線ガイドレール30上をストッカ100から直進して半導体製造装置201の前面まで進む。そして、有軌道走行装置34aは、後退してU字型ガイドレール32に沿って進んだ後、直線ガイドレール31上を直進し、半導体製造装置211の前面で停止する。
【0073】
続いて、有軌道走行装置34aは、所定のウェハカセットを保持した移載部を動作させることによって、半導体製造装置211のロードポートに、所定のウェハカセットを供給する。
【0074】
次に、所定のウェハカセットが半導体製造装置211に供給されると、工場ホストシステム300は、装置コントローラ311に対して所定のウェハカセットに入ったウェハの処理方法を与える。例えば、ウェハ上にCVD法を用いて成膜する処理を実施させる。
【0075】
そして、装置コントローラ311から工場ホストシステム300に、ウェハカセット中のウェハへの成膜処理が終了したと通知があると、工場ホストシステム300は、搬送統括コントローラ320へ作業指令を与える。作業指令を与えられた搬送統括コントローラ320は、ベイ間搬送コントローラ330、有軌道走行装置コントローラ340およびストッカコントローラ350へ搬送指令を与える。これにより、有軌道走行装置34aが半導体製造装置211の前面まで移動し、半導体製造装置211のロードポート上に配置されているウェハカセットであって、成膜処理がなされたウェハを格納している所定のウェハカセットを保持して、有軌道走行装置34aに積載する。
【0076】
続いて、所定のウェハカセットを積載した有軌道走行装置34aは、直線ガイドレール31上を直進し、半導体製造装置210の前面付近まで進んで停止する。そして、直線ガイドレール31上を後退した後、U字型ガイドレール33に沿って進み、その後、直線ガイドレール30に沿って直進してストッカ100の前面で停止する。次に、有軌道走行装置34aからストッカ100へ所定のウェハカセットが回収される。回収された所定のウェハカセットは、次工程での処理を行なうため、ストッカ100から別のベイにあるストッカへベイ間搬送装置5によって搬送される。なお、上述した記載では、有軌道走行装置34aだけでウェハカセットの供給および回収をする例を示したが、複数台の有軌道走行装置、例えば有軌道走行装置34bなども利用してウェハカセットの供給および回収をしてもよい。
【0077】
本発明の一実施の形態である半導体装置の製造方法で使用される搬送システムは、200mm以下のウェハを使用する既設の半導体製造工場のベイ内搬送作業を自動化するため、(a)直線ガイドレールと曲線ガイドレールとを組み合わせた床上設置型ガイドレールを走行する走行部と、前記走行部に電力を供給する給電部と、前記走行部上に設けられた、少なくとも3自由度の移載機構と、前記走行部および前記移載機構の動作を制御する制御部とを有する走行装置と、(b)前記走行装置を複数台運行させる運行制御装置とを備え、前記走行装置は、ウェハカセットを管理するストッカと半導体製造装置との間の前記ウェハカセットの搬送を行なうものである。なお、前記走行装置は、一台であってもよい。
【0078】
言い換えると、半導体装置の製造ラインにおいて、(a)直線ガイドレールと曲線ガイドレール組み合わせた床上設置型ガイドレールと、(b)前記床上設置型ガイドレール上を走行する走行装置であって、少なくとも3自由度を有する移載機構を搭載する走行装置と、(c)前記走行装置を複数台運行させる運行制御装置とを備え、前記走行装置は、ウェハカセットを管理するストッカと半導体製造装置との間の前記ウェハカセットの搬送を行なうものである。
【0079】
ベイ内搬送作業の自動化方式には、前述したようにAGV方式、OHT方式、RGV方式の3方式が考えられているが、これに本発明の有軌道走行装置(FlexRGVという)を加えて性能評価すると図17のようになった。
【0080】
評価項目としては(1)移載および走行速度の「高速性」、(2)ベイ内に対向配置された半導体製造装置に対応できるか、人との共存かできるかどうかの「柔軟性」、(3)機構・制御が単純かどうか、数が少ないかどうかの「信頼性」、(4)レールが床設置か天井設置か、ティーチング作業が容易かどうかの「保守性」(5)価格の5項目を相対評価した。総合評価の点数は評価の良いものから順に4、3、2、1点の点数をつけその合計点を記載した。
【0081】
その結果、総合性能で、RGVまたはFlexRGVがベイ内搬送方式では有利であるが、既に稼働している生産ラインのベイ内搬送作業を自動化するためには、(2)の「柔軟性」の項目に「×」のついているRGVは、適用が難しく、そのRGVの欠点を補った本発明であるFlexRGVを適用するのが好ましいと判断できる。
【0082】
以上、本実施の形態1で述べたように、高速かつ低価格な有軌道走行装置の走行機能に分岐合流走行機能を追加して、有軌道走行装置に柔軟性を持たせたので、ベイ内搬送の自動化を前提として構築されていなかった半導体製造工場においても、ベイ内搬送作業の自動化がし易くなる効果が得られる。したがって、半導体製造工場全体の自動化を促進し、半導体製造工場の生産効率向上に寄与することができる。
【0083】
また、ベイ2a、3a内の一方の側に配置されている半導体製造装置が他方の側に配置されている半導体製造装置と種類が異なる場合、一方の側に配置されている半導体製造装置で第1の処理が行なわれ、この第1の処理が終了した後、もう一方の側の半導体製造装置で、第2の処理が行なわれることがある。この場合、例えば図3に示すような300mmウェハ対応のベイ2a、3aでは、半導体製造装置201で第1の処理が行なわれ、この第1の処理が終了した後、一旦ウェハカセットはストッカ100に回収される。そして、その後ベイ間搬送装置5によって、ストッカ110へウェハカセットは搬送され、ストッカ110から有軌道走行装置14bによって、半導体製造装置207へウェハカセットが搬送され、第2の処理が行なわれる。このように、ストッカ100とストッカ110との間の搬送を行なうことになる。しかし、本発明のレイアウト構成を示した図8においては、半導体製造装置201で第1の処理が行なわれた後、本発明の有軌道走行装置34bによれば、U字型ガイドレール32を通って、半導体製造装置207に到達することができる。すなわち、ベイ間搬送は行なわれない。したがって、搬送経路の簡略化を図ることができる。
【0084】
(実施の形態2)
図8のレイアウト構成においては、2本の直線ガイドレール30、31の間に設置された分岐線であるU字型ガイドレール32、33の開口部分がそれぞれ内側を向いたようにして配置しているが、それぞれ外側を向いたようにして配置してもよい。また、図18に示すようにU字型ガイドレール50、51の内、一方のU字型ガイドレール50の開口部分を外側に向けた配置としてもよい。これにより、ストッカ100から半導体製造装置206への搬送動作を円滑化することができる。すなわち、図8では、ストッカ100から半導体製造装置206へ移動する場合、有軌道搬送装置34aは、まずストッカ100から半導体製造装置201の前面まで直線走行し、ここで一旦停止する。その後、後退動作でU字型ガイドレール32に進入して、半導体製造装置207の前面まで進み、ここで、再び一旦停止する。そして、後退動作で半導体製造装置206へ移動する。このように有軌道走行装置34aは、3動作でストッカ100から半導体製造装置206へ移動することになる。しかし、図18に示すレイアウト構成によると、U字型ガイドレール50が逆向きに配置されているため、ストッカ100から半導体製造装置206へ1動作で移動でき、移動時間の短縮化を図ることができる。
【0085】
(実施の形態3)
図8のレイアウト構成では、外側設置の直線ガイドレール30、31を本線とし、内側設置のU字型ガイドレール32、33を支線として配置したが、図19に示すように、内側設置のトラック形状をしたガイドレール52を本線とし、四隅のストッカ100、半導体製造装置205、206、211の前にそれぞれ直線ガイドレール53、54、55、56を支線として配置してもよい。これにより、半導体製造装置201〜204、207〜210の足元近くに設置されていた直線ガイドレールおよびこれに沿うように配置されていた電力供給線がなくなることになり、半導体製造装置201〜204、207〜210の前のスペースを広く確保できる。したがって、メンテナンス時において、半導体製造装置201〜204、207〜210の前面の扉を開閉する作業が容易となる等の効果がある。
【0086】
(実施の形態4)
図20は、支線で対応するストッカの1台だけの場合を示したものである。ストッカ100だけベイ2a、3aの隅に配置され、他の半導体製造装置201〜210は余裕を持って配置されているので、トラック形状をしたガイドレール57で搬送することができる。ストッカ100に対しては、短い支線ガイドレール58により搬送される。このようにガイドレールを配置することにより、ガイドレールおよびこれに沿った電力供給線の構成要素数を減らすことができ、メンテナンスが容易になるとともに信頼性向上を図ることができる。また、図20において、新たに隅に半導体製造装置を設置する場合、短い支線を追加するだけで対応が可能という利点もある。
【0087】
以上、本発明者によってなされた発明を前記実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0088】
前記実施の形態1では、曲線ガイドレールの一例としてU字型ガイドレールを取り上げて説明したが、これに限らず、例えばS字型形状のガイドレールなどであってもよい。
【0089】
【発明の効果】
本願によって開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下の通りである。
【0090】
高速かつ低価格な有軌道走行装置の走行機能に分岐合流走行機能を追加して、有軌道走行装置に柔軟性を持たせたので、ストッカと各半導体製造装置との間で行なわれるウェハカセットの搬送の自動化を前提としないで構築された既設の半導体製造工場の生産ラインにおいても、高速搬送の自動化を低価格で実現し、この高速搬送の自動化を実現した生産ラインにより、ウェハカセットの供給および回収を行なう半導体装置の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導体製造ラインの外観を示した斜視図である。
【図2】200mm以下のウェハを使用した半導体工場における現状のベイのレイアウト構成を示した図である。
【図3】直進往復走行形の有軌道走行装置を適用した場合におけるベイのレイアウト構成を示した図である。
【図4】AGV方式を使用した場合におけるベイのレイアウト構成を示した図である。
【図5】OHT方式を使用した場合におけるベイのレイアウト構成を示した図である。
【図6】RGV方式を使用した場合におけるベイのレイアウト構成を示した図である。
【図7】図6の一部を拡大した図である。
【図8】本発明の実施の形態1におけるベイのレイアウト構成を示した図である。
【図9】本発明における有軌道走行装置の分岐合流機能を説明した図である。
【図10】図8の一部を拡大した拡大図である。
【図11】有軌道走行装置の一車輪部分を拡大した要部断面図である。
【図12】有軌道走行装置への電力供給を説明した図である。
【図13】本発明の実施の形態1における有軌道走行装置の外観を示した斜視図である。
【図14】半導体製造装置のロードポートにウェハカセットが設置された状態を示す図である。
【図15】300mmウェハ対応の半導体製造装置のロードポートの物理的仕様と200mmウェハ対応の半導体製造装置のロードポートの物理的仕様を比較した図である。
【図16】半導体製造工場における製造制御システムの構成を示した図である。
【図17】それぞれの搬送方式を評価した結果を示す図である。
【図18】本発明の実施の形態2におけるベイのレイアウト構成を示した図である。
【図19】本発明の実施の形態3におけるベイのレイアウト構成を示した図である。
【図20】本発明の実施に形態4におけるベイのレイアウト構成を示した図である。
【符号の説明】
1a 半導体製造装置群
1b 半導体製造装置群
2a ベイ
3a ベイ
4 ストッカ
5 ベイ間搬送装置
10 作業通路
10a 中央通路
10b 通路
11 作業者
12 ガイドレール
13 ガイドレール
14a 有軌道走行装置
14b 有軌道走行装置
15 誘導線
16a 台車
16b 台車
17 レール
18a 台車
18b 台車
19 ループ状をしたガイドレール
20a 有軌道走行装置
20b 有軌道走行装置
30 直線ガイドレール
31 直線ガイドレール
32 U字型ガイドレール(曲線ガイドレール)
33 U字型ガイドレール(曲線ガイドレール)
34a 有軌道走行装置
34b 有軌道走行装置
35 直線ガイドローラ
36 曲線ガイドローラ
37 車輪
38 ピックアップコイル
40 電力供給線
41 電力供給線
42 電力供給線
43 ピックアップコイル
44 ピックアップコイル
45 走行部
46 移載部
48 ウェハカセット
50 U字型ガイドレール(曲線ガイドレール)
51 U字型ガイドレール(曲線ガイドレール)
52 トラック形状をしたガイドレール
53 直線ガイドレール
54 直線ガイドレール
55 直線ガイドレール
56 直線ガイドレール
57 トラック形状をしたガイドレール
58 直線ガイドレール
100 ストッカ
110 ストッカ
201 半導体製造装置
201a ロードポート
202 半導体製造装置
203 半導体製造装置
204 半導体製造装置
205 半導体製造装置
206 半導体製造装置
207 半導体製造装置
208 半導体製造装置
209 半導体製造装置
210 半導体製造装置
211 半導体製造装置
300 工場ホストシステム
301 装置コントローラ
302 装置コントローラ
303 装置コントローラ
304 装置コントローラ
305 装置コントローラ
306 装置コントローラ
307 装置コントローラ
308 装置コントローラ
309 装置コントローラ
310 装置コントローラ
311 装置コントローラ
320 搬送統括コントローラ
330 ベイ間搬送コントローラ
340 有軌道走行装置コントローラ
350 ストッカコントローラ
Claims (5)
- (a)直線ガイドレールと曲線ガイドレールとを組み合わせた床上設置型ガイドレールを走行する有軌道走行装置であって、ウェハカセットの移載機構を有する前記有軌道走行装置により、前記ウェハカセットを保管するストッカから半導体製造装置へ、前記ウェハカセットを供給する工程と、
(b)前記半導体製造装置で前記ウェハカセットに入ったウェハの処理を行なう工程とを備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - (a)直線ガイドレールと曲線ガイドレールとを組み合わせた床上設置型ガイドレールを走行する有軌道走行装置であって、ウェハカセットの移載機構を有する前記有軌道走行装置により、前記ウェハカセットを保管するストッカから半導体製造装置へ前記ウェハカセットを供給する工程と、
(b)前記半導体製造装置で前記ウェハカセットに入ったウェハの処理を行なう工程と、
(c)処理した前記ウェハの入った前記ウェハカセットを前記有軌道走行装置により、前記半導体製造装置から前記ストッカへ回収する工程とを備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - (a)直線ガイドレールと曲線ガイドレールとを組み合わせた床上設置型ガイドレールを走行するため、前記直線ガイドレールをガイドする直線ガイドローラと前記曲線ガイドレールをガイドする曲線ガイドローラを有する有軌道走行装置であって、ウェハカセットの移載機構を有する前記有軌道走行装置により、前記ウェハカセットを保管するストッカから半導体製造装置へ前記ウェハカセットを供給する工程と、
(b)前記半導体製造装置で前記ウェハカセットに入ったウェハの処理を行なう工程と、
(c)処理した前記ウェハの入った前記ウェハカセットを前記有軌道走行装置により、前記半導体製造装置から前記ストッカへ回収する工程とを備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - (a)ループ状の床上設置型ガイドレールを走行する有軌道走行装置であって、ウェハカセットの移載機構を有する前記有軌道走行装置により、前記ウェハカセットを保管するストッカから半導体製造装置へ前記ウェハカセットを供給する工程と、
(b)前記半導体製造装置で前記ウェハカセットに入ったウェハの処理を行なう工程と、
(c)処理した前記ウェハの入った前記ウェハカセットを前記有軌道走行装置により、前記半導体製造装置から前記ストッカへ回収する工程とを備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - (a)互いに並行して敷設された2本の直線ガイドレールと2本の前記直線ガイドレールの間に敷設されたU字型ガイドレールと組み合わせた床上設置型ガイドレールを走行するため、前記直線ガイドレールをガイドする直線ガイドローラと前記U字型ガイドレールをガイドする曲線ガイドローラとを有する有軌道走行装置であって、ウェハカセットの移載機構を備える前記有軌道走行装置により、前記ウェハカセットを保管するストッカから半導体製造装置へ前記ウェハカセットを供給する工程と、
(b)前記半導体製造装置で前記ウェハカセットに入ったウェハの処理を行なう工程と、
(c)処理した前記ウェハの入った前記ウェハカセットを前記有軌道走行装置により、前記半導体製造装置から前記ストッカへ回収する工程とを備え、
2本の前記直線ガイドレールの両外側には複数の前記半導体製造装置が設置され、1本の前記直線ガイドレールの外側には1つの前記ストッカが設置されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003097518A JP2004304085A (ja) | 2003-04-01 | 2003-04-01 | 半導体装置の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003097518A JP2004304085A (ja) | 2003-04-01 | 2003-04-01 | 半導体装置の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004304085A true JP2004304085A (ja) | 2004-10-28 |
Family
ID=33409280
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003097518A Pending JP2004304085A (ja) | 2003-04-01 | 2003-04-01 | 半導体装置の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004304085A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011523224A (ja) * | 2008-06-13 | 2011-08-04 | アプライド マテリアルズ イタリア エス. アール. エル. | 基板上に電子回路を形成するためのプラント |
CN102834902A (zh) * | 2010-03-31 | 2012-12-19 | 积水化学工业株式会社 | 蚀刻方法及装置 |
KR102182374B1 (ko) * | 2019-05-23 | 2020-11-24 | 아메스산업(주) | 포켓부재를 구비하는 매거진 이송 장치 |
-
2003
- 2003-04-01 JP JP2003097518A patent/JP2004304085A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011523224A (ja) * | 2008-06-13 | 2011-08-04 | アプライド マテリアルズ イタリア エス. アール. エル. | 基板上に電子回路を形成するためのプラント |
CN102834902A (zh) * | 2010-03-31 | 2012-12-19 | 积水化学工业株式会社 | 蚀刻方法及装置 |
KR102182374B1 (ko) * | 2019-05-23 | 2020-11-24 | 아메스산업(주) | 포켓부재를 구비하는 매거진 이송 장치 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6409018B2 (ja) | 低減容量キャリア、搬送機、積載ポート及び緩衝装置システム | |
JP7405699B2 (ja) | 半導体被加工物処理システム | |
JP6896027B2 (ja) | 半導体部品処理システム | |
US8267634B2 (en) | Reduced capacity carrier, transport, load port, buffer system | |
US20120321423A1 (en) | Dynamic Storage and Transfer System Integrated with Autonomous Guided/Roving Vehicle | |
JP4858673B2 (ja) | 懸垂式昇降搬送台車の搬送システム | |
US20070061031A1 (en) | Methods and apparatus for a band to band transfer module | |
JP4470576B2 (ja) | 搬送システム | |
JP4973747B2 (ja) | 搬送車システム | |
CN114715588B (zh) | 存储库 | |
JP4127138B2 (ja) | 搬送システム | |
JP5543205B2 (ja) | 半導体ワークピース処理システム | |
JP2004304085A (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
JP2000124284A (ja) | 搬送装置 | |
JP2001338968A (ja) | 半導体製造ライン | |
JPH11199007A (ja) | カセットの搬送方法及び処理設備 | |
US20240071797A1 (en) | Turntable for wafer transport system | |
JP4321222B2 (ja) | 磁気吸引天井懸垂型搬送台車 | |
US20220406638A1 (en) | Hash overhead hoist transport rail system and methods of operating the same | |
CN118220750A (zh) | 物品传送装置和物品传送方法 | |
JPH06224094A (ja) | 半導体基板の製造工程における工程間搬送システム |