JP2004304073A - 電気化学キャパシタ - Google Patents
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Abstract
【課題】安価で、蓄電容量の大きな電気化学キャパシタを提供する。
【解決手段】電気化学キャパシタの電極の蓄電作用に関与する電極合剤を、プロトンをインターカレートする電極活物質と、導電性のカーボンナノチューブを含むものとする。二酸化マンガンなど電極活物質の導電性が低い場合であっても、導電性カーボンナノチューブにより電気伝導性が改善され、材料選択の幅を拡げ、安価な材料を選択することができる。
【選択図】 なし
【解決手段】電気化学キャパシタの電極の蓄電作用に関与する電極合剤を、プロトンをインターカレートする電極活物質と、導電性のカーボンナノチューブを含むものとする。二酸化マンガンなど電極活物質の導電性が低い場合であっても、導電性カーボンナノチューブにより電気伝導性が改善され、材料選択の幅を拡げ、安価な材料を選択することができる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気化学キャパシタに関し、特にその電極を構成する材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気化学キャパシタは、分極性電極とイオン伝導性の電解質との界面に形成される電気二重層に電荷を蓄積する電気二重層キャパシタ(EDLC)と、電極活物質の酸化還元を利用したレドックスキャパシタまたは疑似電気化学キャパシタと呼ばれる電気化学キャパシタに大別される。EDLCは、実用に供されているが、電荷蓄積に電極表面の含酸素官能基への電荷の吸着のみを利用しているために、その蓄電容量が比較的小さい。一方、酸化還元反応を利用した電気化学キャパシタは、EDLCと同様の蓄電機構に加え、電極活物質の酸化還元反応を利用できるため、蓄電容量は、EDLCに比べて格段に大きくなることが期待されている。
【0003】
この種の電気化学キャパシタの電極活物質としては蓄電効率、電気伝導性、電解質に対する安定性などから酸化ルテニウムが注目され、蓄電容量がEDLCを上回るものも報告されている。電極活物質として使用される酸化ルテニウムは、電気伝導性が高く、また酸化ルテニウム粒子内部へのプロトンの拡散が速いため、これを用いることで大きな蓄電容量が得られる。しかしながら、ルテニウムは資源的に非常に希少で高価であり、またルテニウム化合物は毒性を有する。よって、ルテニウムに代わる安価な電極活物質が求められており、例えば下記特許文献1には、チタン酸化物を用いた電気化学キャパシタについても開示がある。また、チタン酸化物の以外の電極活物質の一つとして二酸化マンガンが有望視されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−158141号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、二酸化マンガン粒子は、酸化ルテニウムに比して、その内部へのプロトンの拡散が遅いため、高い蓄電容量を得られていないのが現状である。蓄電容量を増加させるためには活物質を多く用いればよいが、二酸化マンガンは、電気伝導性が低く、充放電効率を確保するために、ある程度の導電剤を用いる必要があり、活物質の量を増加させると充放電効率の低下を招くという問題があった。
【0006】
本発明は、前記問題点を考慮してなされたものであり、蓄電容量の大きな電気化学キャパシタを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の電気化学キャパシタは、その電極の蓄電作用に関与する電極合剤は、プロトンをインターカレートすることが可能な電極活物質と、導電性を有するカーボンナノチューブを含んでいる。また、電極活物質としてマンガン化合物を用いることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態である電気化学キャパシタ、特に電極の蓄電作用に関与する電極合剤の材料について説明する。本実施の形態の電気化学キャパシタにおいて、電極活物質としてマンガン化合物を用い、また導電性のカーボンナノチューブを含むカーボン材料を用いて電極合剤を得、この電極合剤と集電電極を結合させて電極が構成される。この電極を両極として配置し、さらに、これらの電極を隔てるようにセパレータが配置され、これらセパレータと電極が電解液に含浸されて本実施の形態の電気化学キャパシタが構成される。この構成により、単位重量あたりの蓄電容量が大きく、安価な電気化学キャパシタを得ることができる。
【0009】
本実施の形態において、電極活物質は、主としてマンガン化合物を用いている。この活物質の原料としては市販の二酸化マンガンを用いることができる。または、後述するように過マンガン酸カリウムと酢酸マンガンから二酸化マンガンを沈殿させることにより得ることも可能である。マンガン化合物を得る方法としては、他の従来知られている方法を用いることも可能である。
【0010】
本実施の形態において、電極合剤は導電性のカーボンナノチューブを含む。カーボンナノチューブは、その構造により3種類の異なった電気的な特性(導体(金属性)、半導体、絶縁体)を有するが、ここでは導電性(金属製)のものを使用する。電極活物質であるマンガン化合物を、カーボンナノチューブに担持させるのに先立ち、カーボンナノチューブを濃硝酸中に撹拌し、分散させて熱処理を行う。これに電極活物質の出発原料として過マンガン酸カリウムおよび酢酸マンガンを所定量混合することで作製する。これを濾別、洗浄、乾燥させた後、プレス成形後、熱処理することによって電極合剤を作製する。カーボンナノチューブを、マンガン化合物に添加することで、電気伝導性が向上し、また電極活物質と電解質の界面が増大する。ここでは、バインダーとして、例えばフッ素樹脂などを用いることができる。
【0011】
カーボンナノチューブを含む電極合剤を用いることにより、電極活物質同士の導電性を改善し、また電極活物質と電解質の界面が増大し、蓄電容量や充放電効率に優れた電気化学キャパシタを実現することができる。
【0012】
【実施例】
以下、本発明をより具体的に実施した例について説明する。電極活物質の材料として二酸化マンガンを用い、以下のものを混合した電極合剤を得て、それぞれの蓄電容量を測定した。なお、使用したカーボンナノチューブ(CNT)は、(株)日機装製直径10nm以上30nm以下、内径3〜5nmの範囲、長さ数〜数百μmの範囲のものである。
【0013】
(実施例1)MnO2 :CNT=80:20
カーボンナノチューブ0.1gを100mlの68%硝酸水溶液に投入し、80℃で2時間攪拌を行った。放冷後、カーボンナノチューブを濾別して純水で充分に洗浄した後、室温で乾燥させた。2.2×10−2Mの過マンガン酸カリウム水溶液70mlに前記の硝酸処理を行ったカーボンナノチューブ0.1gを投入し、激しく攪拌して分散させた。この分散液に0.3M酢酸マンガン水溶液14.5mlを30分かけて滴下した。6時間攪拌後、固形物を濾別し、純水で充分に洗浄してから室温で乾燥してマンガン担持カーボンナノチューブを得た。得られたマンガン担持カーボンナノチューブ粉末を乳鉢で粉砕した後、0.05gを取り2t/cm2 (2×102 MPa)の圧力でプレスしてペレット状に成型した。これを空気中、300℃で1時間焼成した。結果、二酸化マンガンとカーボンナノチューブの重量比が80:20である電極合剤を得た。
【0014】
(実施例2)MnO2 :CNT:グラファイト=80:10:10
硝酸処理を行ったカーボンナノチューブ0.05g、グラファイト粉末0.05g(高純度化学製、C Powder(商標))を使用し、他は上記実施例1の場合と同様にして電極合剤を得た。得られた電極合剤は、二酸化マンガンと、カーボンナノチューブおよびグラファイトの重量比が80:10:10であった。
【0015】
(実施例3)MnO2 :CNT:グラファイト=50:10:40
硝酸処理を行ったカーボンナノチューブ0.08g、グラファイト粉末0.32gを使用し、他は実施例1の場合と同様にして電極合剤を得た。得られた電極合剤は、二酸化マンガンと、カーボンナノチューブおよびグラファイトの重量比が50:10:40であった。
【0016】
(実施例4)MnO2 :CNT=60:40
カーボンナノチューブにマンガン化合物を担持させるに際し、3.6×10−3M過マンガン酸カリウム水溶液70mlと0.3M酢酸マンガン水溶液2.4mlを使用し、他は実施例1の場合と同様にして電極合剤を得た。得られた電極合剤は、二酸化マンガンと、カーボンナノチューブの重量比が60:40であった。
【0017】
(実施例5)MnO2 :CNT=20:80
カーボンナノチューブにマンガン化合物を担持させるに際し、1.4×10−3M過マンガン酸カリウム水溶液70mlと0.3M酢酸マンガン水溶液0.9mlを使用し、他は上記実施例1の場合と同様にして電極合剤を得た。得られた電極合剤は、二酸化マンガンと、カーボンナノチューブの重量比が20:80であった。
【0018】
次に、比較例として、二酸化マンガンとカーボンナノチューブを同時に含むものではない電極合剤を以下のように得た。
【0019】
(比較例1)MnO2 :グラファイト=80:20
カーボンナノチューブを用いず、グラファイト粉末を使用し、他は上記実施例1と同様に行った。得られた電極合剤は、二酸化マンガンと、グラファイト粉末の重量比が80:20であった。
【0020】
(比較例2)MnO2 のみ
2.2×10−2M過マンガン酸カリウム水溶液を激しく攪拌しながら、これに0.3M酢酸マンガン水溶液14.5mlを30分で滴下した。6時間攪拌後、固形物を濾別し、純水で充分に洗浄してから室温で乾燥した。得られたマンガン化合物の粉末を乳鉢で粉砕後0.05gを取り2t/cm2 (約2×102 MPa)でプレスしてペレット状に成型した。このペレットを空気中、300℃で1時間焼成し、二酸化マンガンのみからなる電極合剤を得た。
【0021】
(比較例3)カーボンナノチューブのみ
前述の実施例1と同様の方法で硝酸処理したカーボンナノチューブ0.05gを2t/cm2 (約2×102 MPa)でプレスしてペレット状に成型した。このペレットを空気中で、300℃で1時間焼成し、このペレットを空気中、300℃で1時間焼成し、カーボンナノチューブのみからなる電極合剤を得た。
【0022】
(比較例4)グラファイト粉末のみ
前述の比較例3において、カーボンナノチューブの代わりにグラファイト粉末を用い、グラファイトのみからなる電極合剤を得た。
【0023】
上述の実施例1−5および比較例1−4で示したペレット状電極合剤を集電剤(金メッシュ、ニラコ製)に保持し作用極とした。対極として白金黒を担持した白金メッシュを用い、0.1M硫酸ナトリウム水溶液中で電極合剤の蓄電容量を測定した。上記ペレット状の試料の単位重量あたりの蓄電容量を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
表1から、明らかなように、導電性のカーボンナノチューブを用いることで蓄電容量が増大した。これは、カーボンナノチューブによる電極合剤内での導電性の改善、および活物質−電解質界面の増大の効果と考えられる。
【0026】
なお、実施例等において、電極合剤としてペレット状に成型したものを使用したが、これに限定されるものではなく、他の形状、態様であってもよい。また、電解質は、上記の硫酸ナトリウム水溶液に限らず、電極活物質にプロトンを供給しうるものであればどのような種類のものでもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、導電剤としてカーボンナノチューブを用いることにより、電気化学キャパシタの蓄電容量を増大させることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気化学キャパシタに関し、特にその電極を構成する材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気化学キャパシタは、分極性電極とイオン伝導性の電解質との界面に形成される電気二重層に電荷を蓄積する電気二重層キャパシタ(EDLC)と、電極活物質の酸化還元を利用したレドックスキャパシタまたは疑似電気化学キャパシタと呼ばれる電気化学キャパシタに大別される。EDLCは、実用に供されているが、電荷蓄積に電極表面の含酸素官能基への電荷の吸着のみを利用しているために、その蓄電容量が比較的小さい。一方、酸化還元反応を利用した電気化学キャパシタは、EDLCと同様の蓄電機構に加え、電極活物質の酸化還元反応を利用できるため、蓄電容量は、EDLCに比べて格段に大きくなることが期待されている。
【0003】
この種の電気化学キャパシタの電極活物質としては蓄電効率、電気伝導性、電解質に対する安定性などから酸化ルテニウムが注目され、蓄電容量がEDLCを上回るものも報告されている。電極活物質として使用される酸化ルテニウムは、電気伝導性が高く、また酸化ルテニウム粒子内部へのプロトンの拡散が速いため、これを用いることで大きな蓄電容量が得られる。しかしながら、ルテニウムは資源的に非常に希少で高価であり、またルテニウム化合物は毒性を有する。よって、ルテニウムに代わる安価な電極活物質が求められており、例えば下記特許文献1には、チタン酸化物を用いた電気化学キャパシタについても開示がある。また、チタン酸化物の以外の電極活物質の一つとして二酸化マンガンが有望視されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−158141号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、二酸化マンガン粒子は、酸化ルテニウムに比して、その内部へのプロトンの拡散が遅いため、高い蓄電容量を得られていないのが現状である。蓄電容量を増加させるためには活物質を多く用いればよいが、二酸化マンガンは、電気伝導性が低く、充放電効率を確保するために、ある程度の導電剤を用いる必要があり、活物質の量を増加させると充放電効率の低下を招くという問題があった。
【0006】
本発明は、前記問題点を考慮してなされたものであり、蓄電容量の大きな電気化学キャパシタを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の電気化学キャパシタは、その電極の蓄電作用に関与する電極合剤は、プロトンをインターカレートすることが可能な電極活物質と、導電性を有するカーボンナノチューブを含んでいる。また、電極活物質としてマンガン化合物を用いることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態である電気化学キャパシタ、特に電極の蓄電作用に関与する電極合剤の材料について説明する。本実施の形態の電気化学キャパシタにおいて、電極活物質としてマンガン化合物を用い、また導電性のカーボンナノチューブを含むカーボン材料を用いて電極合剤を得、この電極合剤と集電電極を結合させて電極が構成される。この電極を両極として配置し、さらに、これらの電極を隔てるようにセパレータが配置され、これらセパレータと電極が電解液に含浸されて本実施の形態の電気化学キャパシタが構成される。この構成により、単位重量あたりの蓄電容量が大きく、安価な電気化学キャパシタを得ることができる。
【0009】
本実施の形態において、電極活物質は、主としてマンガン化合物を用いている。この活物質の原料としては市販の二酸化マンガンを用いることができる。または、後述するように過マンガン酸カリウムと酢酸マンガンから二酸化マンガンを沈殿させることにより得ることも可能である。マンガン化合物を得る方法としては、他の従来知られている方法を用いることも可能である。
【0010】
本実施の形態において、電極合剤は導電性のカーボンナノチューブを含む。カーボンナノチューブは、その構造により3種類の異なった電気的な特性(導体(金属性)、半導体、絶縁体)を有するが、ここでは導電性(金属製)のものを使用する。電極活物質であるマンガン化合物を、カーボンナノチューブに担持させるのに先立ち、カーボンナノチューブを濃硝酸中に撹拌し、分散させて熱処理を行う。これに電極活物質の出発原料として過マンガン酸カリウムおよび酢酸マンガンを所定量混合することで作製する。これを濾別、洗浄、乾燥させた後、プレス成形後、熱処理することによって電極合剤を作製する。カーボンナノチューブを、マンガン化合物に添加することで、電気伝導性が向上し、また電極活物質と電解質の界面が増大する。ここでは、バインダーとして、例えばフッ素樹脂などを用いることができる。
【0011】
カーボンナノチューブを含む電極合剤を用いることにより、電極活物質同士の導電性を改善し、また電極活物質と電解質の界面が増大し、蓄電容量や充放電効率に優れた電気化学キャパシタを実現することができる。
【0012】
【実施例】
以下、本発明をより具体的に実施した例について説明する。電極活物質の材料として二酸化マンガンを用い、以下のものを混合した電極合剤を得て、それぞれの蓄電容量を測定した。なお、使用したカーボンナノチューブ(CNT)は、(株)日機装製直径10nm以上30nm以下、内径3〜5nmの範囲、長さ数〜数百μmの範囲のものである。
【0013】
(実施例1)MnO2 :CNT=80:20
カーボンナノチューブ0.1gを100mlの68%硝酸水溶液に投入し、80℃で2時間攪拌を行った。放冷後、カーボンナノチューブを濾別して純水で充分に洗浄した後、室温で乾燥させた。2.2×10−2Mの過マンガン酸カリウム水溶液70mlに前記の硝酸処理を行ったカーボンナノチューブ0.1gを投入し、激しく攪拌して分散させた。この分散液に0.3M酢酸マンガン水溶液14.5mlを30分かけて滴下した。6時間攪拌後、固形物を濾別し、純水で充分に洗浄してから室温で乾燥してマンガン担持カーボンナノチューブを得た。得られたマンガン担持カーボンナノチューブ粉末を乳鉢で粉砕した後、0.05gを取り2t/cm2 (2×102 MPa)の圧力でプレスしてペレット状に成型した。これを空気中、300℃で1時間焼成した。結果、二酸化マンガンとカーボンナノチューブの重量比が80:20である電極合剤を得た。
【0014】
(実施例2)MnO2 :CNT:グラファイト=80:10:10
硝酸処理を行ったカーボンナノチューブ0.05g、グラファイト粉末0.05g(高純度化学製、C Powder(商標))を使用し、他は上記実施例1の場合と同様にして電極合剤を得た。得られた電極合剤は、二酸化マンガンと、カーボンナノチューブおよびグラファイトの重量比が80:10:10であった。
【0015】
(実施例3)MnO2 :CNT:グラファイト=50:10:40
硝酸処理を行ったカーボンナノチューブ0.08g、グラファイト粉末0.32gを使用し、他は実施例1の場合と同様にして電極合剤を得た。得られた電極合剤は、二酸化マンガンと、カーボンナノチューブおよびグラファイトの重量比が50:10:40であった。
【0016】
(実施例4)MnO2 :CNT=60:40
カーボンナノチューブにマンガン化合物を担持させるに際し、3.6×10−3M過マンガン酸カリウム水溶液70mlと0.3M酢酸マンガン水溶液2.4mlを使用し、他は実施例1の場合と同様にして電極合剤を得た。得られた電極合剤は、二酸化マンガンと、カーボンナノチューブの重量比が60:40であった。
【0017】
(実施例5)MnO2 :CNT=20:80
カーボンナノチューブにマンガン化合物を担持させるに際し、1.4×10−3M過マンガン酸カリウム水溶液70mlと0.3M酢酸マンガン水溶液0.9mlを使用し、他は上記実施例1の場合と同様にして電極合剤を得た。得られた電極合剤は、二酸化マンガンと、カーボンナノチューブの重量比が20:80であった。
【0018】
次に、比較例として、二酸化マンガンとカーボンナノチューブを同時に含むものではない電極合剤を以下のように得た。
【0019】
(比較例1)MnO2 :グラファイト=80:20
カーボンナノチューブを用いず、グラファイト粉末を使用し、他は上記実施例1と同様に行った。得られた電極合剤は、二酸化マンガンと、グラファイト粉末の重量比が80:20であった。
【0020】
(比較例2)MnO2 のみ
2.2×10−2M過マンガン酸カリウム水溶液を激しく攪拌しながら、これに0.3M酢酸マンガン水溶液14.5mlを30分で滴下した。6時間攪拌後、固形物を濾別し、純水で充分に洗浄してから室温で乾燥した。得られたマンガン化合物の粉末を乳鉢で粉砕後0.05gを取り2t/cm2 (約2×102 MPa)でプレスしてペレット状に成型した。このペレットを空気中、300℃で1時間焼成し、二酸化マンガンのみからなる電極合剤を得た。
【0021】
(比較例3)カーボンナノチューブのみ
前述の実施例1と同様の方法で硝酸処理したカーボンナノチューブ0.05gを2t/cm2 (約2×102 MPa)でプレスしてペレット状に成型した。このペレットを空気中で、300℃で1時間焼成し、このペレットを空気中、300℃で1時間焼成し、カーボンナノチューブのみからなる電極合剤を得た。
【0022】
(比較例4)グラファイト粉末のみ
前述の比較例3において、カーボンナノチューブの代わりにグラファイト粉末を用い、グラファイトのみからなる電極合剤を得た。
【0023】
上述の実施例1−5および比較例1−4で示したペレット状電極合剤を集電剤(金メッシュ、ニラコ製)に保持し作用極とした。対極として白金黒を担持した白金メッシュを用い、0.1M硫酸ナトリウム水溶液中で電極合剤の蓄電容量を測定した。上記ペレット状の試料の単位重量あたりの蓄電容量を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
表1から、明らかなように、導電性のカーボンナノチューブを用いることで蓄電容量が増大した。これは、カーボンナノチューブによる電極合剤内での導電性の改善、および活物質−電解質界面の増大の効果と考えられる。
【0026】
なお、実施例等において、電極合剤としてペレット状に成型したものを使用したが、これに限定されるものではなく、他の形状、態様であってもよい。また、電解質は、上記の硫酸ナトリウム水溶液に限らず、電極活物質にプロトンを供給しうるものであればどのような種類のものでもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、導電剤としてカーボンナノチューブを用いることにより、電気化学キャパシタの蓄電容量を増大させることができる。
Claims (4)
- 一対の電極と、これらの電極間に介在する電子的に絶縁されている多孔性のセパレータとを有し、これら電極とセパレータに電解液を含浸させた電気化学キャパシタであって、
前記電極の蓄電作用に関与する電極合剤は、プロトンをインターカレートすることが可能な電極活物質と、導電性を有するカーボンナノチューブとを含む、電気化学キャパシタ。 - 請求項1に記載の電気化学キャパシタであって、前記電極活物質がマンガン化合物を含む、電気化学キャパシタ。
- 電気化学キャパシタの電極の蓄電作用に関与する電極合剤であって、
前記電極合剤は、プロトンをインターカレートすることが可能な電極活物質と、導電性を有するカーボンナノチューブと、を含む電気化学キャパシタ用電極の電極合剤。 - 請求項3に記載の電気化学キャパシタ用電極の電極合剤であって、前記電極活物質がマンガン化合物を含む、電極合剤。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003097339A JP2004304073A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 電気化学キャパシタ |
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JP2003097339A JP2004304073A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 電気化学キャパシタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004304073A true JP2004304073A (ja) | 2004-10-28 |
Family
ID=33409150
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JP2003097339A Pending JP2004304073A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 電気化学キャパシタ |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP2004304073A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006193392A (ja) * | 2005-01-17 | 2006-07-27 | Tokyo Institute Of Technology | 酸化物複合材料、その製造方法、電気化学デバイス、および酸化物複合材料を含む触媒 |
WO2012121050A1 (ja) * | 2011-03-04 | 2012-09-13 | 日本ケミコン株式会社 | 電気化学キャパシタ |
JP2013001588A (ja) * | 2011-06-14 | 2013-01-07 | Denso Corp | カーボンナノチューブの集合体及びそのインターカレート方法 |
JP2017504952A (ja) * | 2013-11-05 | 2017-02-09 | ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア | 金属酸化物固定グラフェンおよび炭素ナノチューブハイブリッド発泡体 |
-
2003
- 2003-03-31 JP JP2003097339A patent/JP2004304073A/ja active Pending
Cited By (5)
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