JP2004303432A - カラー陰極線管 - Google Patents

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Atsushi Kato
敦 加藤
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】熱膨張による色ズレの防止と、モアレ現象やブリッジ縞模様の抑制を、効果的かつ容易に図ることのできるカラー受像管を提供する。
【解決手段】多数の開孔12を有する孔列が複数配列されたシャドウマスクを有するカラー陰極線管であって、前記シャドウマスクは、前記孔列内で隣接する前記開孔同士間にブリッジ11を有し、前記ブリッジの長手方向が画面水平方向に対して傾斜しているとともに、前記開孔の一対の対角部に前記開孔から画面水平方向外側に突出する凸部13を有することを特徴とするカラー陰極線管。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレビジョン受像機やコンピュータモニタに用いられるカラー受像管に関するもので、特にその管内部品であるシャドウマスクに関する。
【0002】
【従来の技術】
カラー受像管の色選別をする役割を担うシャドウマスクの一つに、複数の縦長矩形状の開孔と開孔同士間のブリッジとからなる孔列が多数形成された、いわゆるスロット孔マスクがある。スロット孔マスクでは、ブリッジの本数が少ない場合には、ブリッジと走査線との干渉によってモアレ現象と呼ばれる縞模様が発生しやすいとともにブリッジ自体が横縞として目立つため、カラー陰極線管の画面障害となり見栄えがよくない。しかし、逆に、開孔の縦ピッチを小さくしてブリッジの本数を増やすと、カラー陰極線管の動作時に電子ビームによってシャドウマスクが熱せられる際に、水平方向への熱伝達と熱膨張によって開孔位置が水平方向へずれ、画面で色ズレが起こりやすい傾向がある。
【0003】
このような背景から、特許文献1のように、ブリッジと走査線との干渉を抑制するために、ブリッジを走査線に対して傾斜させて開孔の形状を四辺形とし、さらに隣接する孔列同士をずらす技術が提案されている。
【0004】
また、特許文献2のように、本来のブリッジの本数を少なくするために開孔の垂直ピッチを大きく設定し、かつ、見かけ上は多数のブリッジがあるように見せるため、ブリッジとほぼ同じ幅の突起を開孔の垂直辺から内側へ突出させて開孔内に設け、この突起を擬似ブリッジとして作用させる技術が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−249382号公報
【特許文献2】
特開2001−84918号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1の技術では、ブリッジと走査線の干渉を抑制するには効果的であるが、ブリッジが目立ち易いという点でまだ改善の余地がある。また、特許文献2の技術では、ブリッジとほぼ同じ幅の突起を開孔内に精度良く設けることは開孔が小さくなるほど困難になるため、近年のデジタル放送等に応じたシャドウマスクの開孔の高精細化への対応が困難になりつつある。
【0007】
本発明は、これらの課題を解決するもので、熱膨張による色ズレの防止と、モアレ現象やブリッジ縞模様の抑制を、効果的かつ容易に図ることのできるカラー受像管を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のカラー陰極線管は、多数の開孔を有する孔列が複数配列されたシャドウマスクを有するカラー陰極線管であって、前記シャドウマスクは、前記孔列内で隣接する前記開孔同士間にブリッジを有し、前記ブリッジの長手方向が画面水平方向に対して傾斜しているとともに、前記開孔の一対の対角部に前記開孔から画面水平方向外側に突出する凸部を有する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のカラー陰極線管の一実施形態について説明する。
【0010】
図2は、カラー受像管の概略断面図である。カラー受像管1は、内面に蛍光体スクリーン2が形成されたフェースパネル3と、これと接合されたファンネル4とから外囲器が構成され、外囲器内には、蛍光体スクリーン2と対向するシャドウマスク5とこれを支持するフレーム6が、スプリング(図示せず)を介してフェースパネル3の内壁に設けられたパネルピン(図示せず)に保持されており、さらに、ファンネル4のネック部7に電子銃8が備えられている。カラー受像管の動作時には、電子銃8から3本の電子ビーム9(ここでは重なって1本に見えている)が射出され、この電子ビーム9がファンネル4の外部に備えられた偏向ヨーク10によって偏向走査されながらシャドウマスク5の多数の開孔を通過して蛍光体スクリーン2に到達することで画面が形成される。
【0011】
図3は、シャドウマスク5とフレーム6との組み立て体の斜視図である。シャドウマスク5は画面垂直方向に張力を印加された状態でフレーム6に溶接保持されている。シャドウマスク5には画面垂直方向に延びる孔列14が多数形成されており、この詳細を図1(a)にモデル的に示す。なお、この図はシャドウマスクを蛍光体スクリーン側から見た様子である。図中の矢印Xがカラー陰極線管の画面水平方向を表し、矢印Yがカラー陰極線管の画面垂直方向を表す。シャドウマスク5は多数の孔列14を有し、各孔列14にはブリッジ11と開孔12が形成されている。ブリッジ11は、図1(b)に拡大図で示すように、その長手方向が画面水平方向に対して角度θをなすように形成されており、ここでは、左上から右下にかけて傾斜している。開孔12は縦長であって、その一対の対角部である左上隅と右下隅に開孔から画面水平方向の外側へ突出する凸部13を有している。なお、この凸部13は、図1(b)で示したように角張った形状でもよいし、または、若干丸みを帯びた形状であってもよい。
【0012】
一般に、シャドウマスクのブリッジが縞状模様として目立って見えるのは、ブリッジが画面上に投影される部位の輝度レベルとその他の部位の輝度レベルとに、肉眼で認識できるほどの大きな差が生じているからである。上記したような本発明の構成によれば、この輝度レベルの差を小さく抑えることができる。図4に、シャドウマスクの開孔を通過する電子ビームによる蛍光体発光の輝度変調レベルをシミュレーションした結果を示す。図4(a)は、一般的なシャドウマスクとして、略矩形状の開孔を有するいわゆるスロット孔シャドウマスクのモデル図および輝度変調レベル図を示す。図4(b)は、従来技術として例を挙げたシャドウマスクとして、ブリッジを画面水平方向(走査線とほぼ平行な方向)に対して33°傾け、略平行四辺形状の開孔を有するシャドウマスクのモデル図および輝度変調レベル図を示す。また、図4(c)は、本発明の実施形態にかかるシャドウマスクとして、ブリッジを画面水平方向に対して33°傾け、かつ、開孔の上下端部には水平方向外側へ突出する凸部を有するシャドウマスクのモデル図および輝度変調レベル図を示す。なお、ここで、シャドウマスクの各開孔の長手方向中央の水平径Sは0.05mm、開孔の垂直方向ピッチPvは2.0mm、ブリッジの幅Gは0.024mmとし、これらは全てのシャドウマスクで同じとした。また、本発明の実施形態のシャドウマスクの開孔のうち水平方向へ突出した凸部の垂直方向の幅Wは0.017mm、凸部の水平方向の高さTは0.010mmとした。
【0013】
ここで挙げた輝度変調レベルは、各シャドウマスクの一つの孔列について、対応する蛍光体スクリーンで得られる輝度の変化を示すもので、肉眼の解像度限界と関連して、ある一定距離の移動平均として積分された量で認識される。開孔のほぼ中心に対応する部分では輝度レベルは高く、ブリッジのほぼ中心に対応する部分では輝度レベルは低い。ここで、一つの孔列における最も高い輝度レベルをBHとし、最も低い輝度レベルをBLとするとき、これらの輝度レベル比BL/BHが肉眼の輝度認識レベルを超えると、これが輝度レベルの差として認識され、前述のように縞模様として見えることになる。ブリッジによる縞模様の発生を抑えるには、BLとBHの差がない状態、つまりブリッジがないときの輝度レベル比BL/BH=1.0に近づけるとよい。
【0014】
なお、ここでの輝度変調レベルの評価にあたっては、視力1.0の被験者がカラー陰極線管の画面から0.4m離れて視察する状態を想定し、肉眼の解像度限界を考慮して0.1mm間隔の移動平均とし、簡易的な式を用いて輝度レベルをシミュレーション算出した。
【0015】
結果、図4(a)に示す一般的な略矩形状の開孔を有するシャドウマスクでは、輝度レベル比BL/BHは0.79であり、図4(b)に示す平行四辺形の開孔を有するシャドウマスクでは、輝度レベル比BL/BHは0.81であった。なお、図4(b)で示すような略平行四辺形の開孔を有するシャドウマスクで、ブリッジの傾き度合いθの値を大きくすれば輝度レベル比BL/BHをより高めることができるものの、ブリッジの傾きが大きくなるほど、シャドウマスクの開孔をエッチング形成する際の精度管理が困難になるため、平行四辺形の開孔によって輝度レベル比BL/BHを高めるには限界がある。これらに対し、図4(c)に示す本発明のシャドウマスクでは、ブリッジの傾きが、図4(b)のシャドウマスクと同じく33度であっても、輝度レベル比BL/BHは0.94となり、ブリッジがないときの輝度レベル比である1.0に近い値であった。
【0016】
図4(c)で示した本発明のシャドウマスクでは、開孔の対角部近傍に凸部が形成されていることにより、ブリッジ近傍の輝度レベルが低くなりすぎないため、他の例に比べて、輝度レベル比BL/BHが1.0により近い値となる。このため、ブリッジの縞模様は見えにくくなり、見栄えのよい画質のカラー陰極線管を実現できる。また、ブリッジが斜めに設けられていることにより、熱膨張による水平方向への色ずれや、走査線とブリッジの干渉によるモアレ現象が発生しにくい。また、エッチングが困難になるほどブリッジを傾ける必要もないため、開孔やブリッジ、凸部の形成は、従来から行われているシャドウマスクエッチング技術で容易に実現可能である。
【0017】
なお、上記説明では、本発明のシャドウマスクのブリッジの傾きをθ=33度とした例を挙げたが、これに限ったものではない。ただし、前述のように、開孔を精度良くエッチング形成するためには、θは45度以下の範囲内であることが好ましく、また、輝度レベル比を効果的に向上させるために、θは30度以上とすることが好ましい。また、ブリッジの傾斜方向については、上記の実施の形態のように、左上から右下へかけての傾斜であってもよいし、逆に右上から左下へかけての傾斜であってもよい。また、隣接する孔列同士でこの傾斜方向が逆になっていてもよい。
【0018】
さらに、凸部の幅Wおよび高さTは、値が小さすぎると、凸部としての意味をなさないと共にエッチングが困難になるが、逆に値が大きすぎると、蛍光体スクリーン形成時にブリッジ近傍での光量が増えすぎて、蛍光体スクリーンの幅を歪ませてしまう。このことを考慮すると、凸部の垂直方向の幅Wは、2/3×S×tanθ<W<S×tanθの関係となるのが好ましく、また、凸部の水平方向の高さTは、開孔の中央での水平径Sに対して、0.18×S<T<0.22×Sの関係となるのが好ましい。
【0019】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、熱膨張による色ズレの防止と、モアレ現象やブリッジ縞模様の抑制を、効果的かつ容易に実現でき、色純度のよいカラー陰極線管を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)シャドウマスクの孔列の様子を示す部分拡大図
(b)シャドウマスクの開孔の拡大図
【図2】カラー受像管の概略断面図
【図3】シャドウマスクとフレームとの組み立て体の斜視図
【図4】(a)スロット孔シャドウマスクのモデル図および輝度変調レベル図
(b)ブリッジを画面水平方向に対して傾け、略平行四辺形状の開孔を有するシャドウマスクのモデル図および輝度変調レベル図
(c)ブリッジを画面水平方向に対して傾け、かつ、開孔の上下端部には水平方向外側へ突出する凸部を有するシャドウマスクのモデル図および輝度変調レベル図
【符号の説明】
5 シャドウマスク
10 偏向ヨーク
11 ブリッジ
12 開孔
13 凸部
14 孔列

Claims (4)

  1. 多数の開孔を有する孔列が複数配列されたシャドウマスクを有するカラー陰極線管であって、前記シャドウマスクは、前記孔列内で隣接する前記開孔同士間にブリッジを有し、前記ブリッジの長手方向が画面水平方向に対して傾斜しているとともに、前記開孔の一対の対角部に前記開孔から画面水平方向外側に突出する凸部を有することを特徴とするカラー陰極線管。
  2. 前記ブリッジの長手方向が画面水平方向に対して傾斜する角度は、30度以上45度以下であることを特徴とする請求項1記載のカラー陰極線管。
  3. 前記凸部の画面垂直方向の幅Wは、各開孔の中央での水平方向径Sと前記ブリッジの長手方向が傾斜する角度θに対して、2/3×S×tanθ<W<S×tanθの関係となることを特徴とする請求項1または2記載のカラー陰極線管。
  4. 前記凸部の水平方向の高さTは、各開孔の中央での水平方向径Sに対して、0.18×S<T<0.22×Sの関係となることを特徴とする請求項1〜3記載のカラー陰極線管。
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