JP2001319590A - カラー陰極線管 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 画面の対角部付近で３色蛍光体層のトリオに
対して３本の電子ビームが傾斜するために生ずるランデ
ィング裕度の減少を緩和して、高画質高精細の要求を満
たすカラー陰極線管を構成することを目的とする。 【解決手段】 カラー陰極線管において、シャドウマス
ク14の開孔16の垂直方向ピッチを、有効面15の垂直軸か
ら水平方向一定距離までの領域では垂直軸から水平方向
に離れるにしたがって徐々に増加し、この領域から水平
方向外側の領域では水平方向端部に近づくにしたがって
徐々に減少させた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、カラー陰極線管
に係り、特に画面対角部付近で３本の電子ビームが傾斜
するために生ずるランディング裕度の減少を改善したカ
ラー陰極線管に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般にカラー陰極線管は、有効部がほぼ
矩形状のパネルと漏斗状のファンネルからなる外囲器を
有し、そのパネルの有効部内面に光吸収層の隙間に埋込
まれるように赤、緑、青に発光する３色蛍光体層が形成
されたほぼ矩形状の蛍光体スクリーンが設けられてい
る。また、この蛍光体スクリーンに対向して、その内側
に蛍光体スクリーンと対向する有効面に多数の開孔が設
けられたほぼ矩形状のシャドウマスクが配置されてい
る。一方、ファンネルのネック内に同一水平面上を通る
一列配置の３本の電子ビームを放出する電子銃が配設さ
れている。そして、この電子銃から放出される３本の電
子ビームをファンネルの外側に装着された偏向ヨークの
発生する水平、垂直偏向磁界により偏向し、シャドウマ
スクの開孔を介して蛍光体スクリーンを水平、垂直走査
することによりカラー画像を表示する構造に形成されて
いる。

【０００３】このようなカラー陰極線管において、情報
機器の端末などに用いられる高精細カラー陰極線管は、
シャドウマスクの開孔を円形状とし、この円形状開孔が
水平および垂直方向に所定のピッチで配列されたシャド
ウマスクが用いられ、このシャドウマスクの開孔に対応
して、蛍光体スクリーンは、光吸収層を円形状のマトリ
クスホール（隙間）が水平および垂直方向に所定のピッ
チで形成されたマトリクス状光吸収層とし、そのマトリ
クスホールに円形ドット状の３色蛍光体層が埋込まれる
ように設けられたものとなっている。

【０００４】ところで、上記カラー陰極線管は、偏向ヨ
ークの発生する偏向磁界により３本の電子ビームが画面
の対角部付近で水平軸に対してバレル状に傾斜し、３色
蛍光体層に対するランディング裕度が減少して色純度の
劣化をまねきやすいという問題がある。

【０００５】これは、同一水平面上を通る一列配置の３
本の電子ビームを放出するカラー陰極線管では、３本の
電子ビームのコンバーゼンスをとるため、水平偏向磁界
をピンクッション形、垂直偏向磁界をバレル形とするな
ど、複雑な非斉一磁界としている。そのため、図６に示
すように、シャドウマスクの開孔に対応して形成される
３色蛍光体層１R ，１G ，１B が、画面の左側から水平
方向（Ｈ軸方向）に赤蛍光体層１R 、緑蛍光体層１G 、
青蛍光体層１B の順に配置されている場合、画面右上お
よび左下では、赤蛍光体層１R をランディングする電子
ビーム２R に対して青蛍光体層１B をランディングする
電子ビーム２B が水平軸（Ｈ軸）に近づく方向に下が
り、画面左上および右下では、青蛍光体層１B をランデ
ィングする電子ビーム２B に対して赤蛍光体層１R をラ
ンディングする電子ビーム２R が水平軸に近づく方向に
下がる電子ビーム２R ，２G ，２B の傾斜がおこるため
である。このように電子ビーム２R ，２G ，２B が傾斜
すると、垂直方向に隣接する蛍光体層１R ，１G ，１B
の少なくとも１つに接近し、他色蛍光体層に対するラン
ディング裕度が減少し、ミスランディングがおこりやす
くなる。

【０００６】特にこのようなミスランディングは、高輝
度画像を表示した場合のシャドウマスクの熱膨張や地磁
気、さらには環境温度の変化によるランディングの変化
などの影響が大きい画面対角部付近でおこりやすく、色
純度の劣化をまねく。

【０００７】上記電子ビームの傾斜によるランディング
裕度の減少を改善する方法として、特開昭１１−５４０
６２号公報には、シャドウマスクの開孔の垂直方向ピッ
チを垂直軸から水平方向に離れるにしたがって徐々に小
さくし、画面対角部付近での３本の電子ビームの配列
（傾斜）と３色蛍光体層の水平方向の配列を一致させる
ようにすることにより、ランディング裕度を改善しよう
とするカラー陰極線管が示されている。

【０００８】このようにシャドウマスクを構成すると、
画面対角部では、３本の電子ビームの傾斜により減少す
る局部的なランディング裕度は改善できるが、垂直方向
の開孔ピッチの縮小により垂直方向に隣接する３色蛍光
体層のトリオごとのランディング裕度が減少し、十分な
ランディング裕度が得られない。

【０００９】また、特開昭１１−１６２３６９号公報に
は、シャドウマスクの有効部の水平軸付近の開孔の垂直
方向ピッチを垂直軸から水平方向に離れるにしたがって
徐々に増大させ、かつ水平軸付近の開孔の水平方向の配
列をピンクッション状、垂直方向端部の開孔の水平方向
の配列をシーガル状に変化させることにより、水平方向
周辺部で水平走査線との干渉により生ずるモアレを防止
するとともに、ランディング裕度を改善したカラー陰極
線管が示されている。

【００１０】しかし、このようにシャドウマスクを構成
すると、画面対角部付近では３本の電子ビームの配列が
バレル状に傾斜するため、シャドウマスクの対角部付近
では、開孔の垂直方向ピッチを大幅に小さくして開孔の
水平方向の配列をピンクッション形状からバレル形状に
変化させなければならず、垂直方向に隣接する３色蛍光
体層のトリオごとのランディング裕度が大幅に減少す
る。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】上記のように、カラー
陰極線管は、偏向ヨークの発生する偏向磁界により、３
本の電子ビームが画面の対角部付近で水平軸に対してバ
レル状に傾斜し、３色蛍光体層に対するランディング裕
度が減少してミスランディングがおきやすくなるという
問題がある。

【００１２】この電子ビームの傾斜によるランディング
裕度の減少を改善する方法として、特開昭１１−５４０
６２号公報、特開昭１１−１６２３６９号公報などに
は、シャドウマスクの開孔の垂直方向ピッチを垂直軸か
ら水平方向に離れるにしたがって変化させたものが提案
されている。しかし、このようにシャドウマスクを構成
しても、垂直方向に隣接する３色蛍光体層のトリオごと
の減少するランディング裕度を十分に改善することはで
きず、ミスランディングがおきやすくなるという問題が
ある。

【００１３】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたものであり、画面の対角部付近で３色蛍光体層
のトリオに対して３本の電子ビームが傾斜するために生
ずるトリアごとのランディング裕度の減少を緩和して、
高画質高精細の要求を満たすカラー陰極線管を構成する
ことを目的とする。

【００１４】

【課題を解決するための手段】（１） パネルの有効部
内面にドット状画素を構成要素とする蛍光体スクリーン
が設けられ、この蛍光体スクリーンと対向する有効面に
水平および垂直方向に所定のピッチで多数の開孔が設け
られたほぼ矩形状のシャドウマスクが蛍光体スクリーン
に対向して配置されてなるカラー陰極線管において、シ
ャドウマスクの開孔の垂直方向ピッチを、有効面の垂直
軸から水平方向一定距離までの領域では垂直軸から水平
方向に離れるにしたがって徐々に増加し、この領域から
水平方向外側の領域では水平方向周辺部に近づくにした
がって徐々に減少させた。

【００１５】（２） （１）のカラー陰極線管におい
て、開孔の垂直方向ピッチを有効面の垂直軸付近で一定
とした。

【００１６】（３） （１）のカラー陰極線管におい
て、有効面の垂直軸付近の開孔の垂直方向ピッチをＰV
c、垂直軸から水平方向に一定距離離れた垂直線上での
開孔の垂直方向ピッチをＰVm、水平軸端付近の垂直線上
での開孔の垂直方向ピッチをＰVhとするとき、これらＰ
Vc、ＰVm、ＰVhを水平軸に平行な線上で ＰVc≦ＰVh＜ＰVm の関係にした。

【００１７】（４） パネルの有効部内面にドット状画
素を構成要素とし、このドット状画素が水平および垂直
方向に所定のピッチで形成されたほぼ矩形状の蛍光体ス
クリーンが設けられ、この蛍光体スクリーンと対向する
有効面に水平および垂直方向に所定の配列ピッチで多数
の開孔が設けられたシャドウマスクが蛍光体スクリーン
に対向して配置されてなるカラー陰極線管において、蛍
光体スクリーンの画素の垂直方向ピッチを、有効部の垂
直軸から水平方向一定距離までの領域では垂直軸から水
平方向に離れるにしたがって徐々に増加し、上記領域か
ら水平方向外側の領域では水平方向周辺部に近づくにし
たがって徐々に減少させた。

【００１８】（５） （４）のカラー陰極線管におい
て、画素の垂直方向ピッチを有効面の垂直軸付近で一定
とした。

【００１９】（６） （４）のカラー陰極線管におい
て、有効部の垂直軸付近での画素の垂直方向ピッチをＰ
Vc´、垂直軸から水平方向に一定距離離れた垂直線上で
の画素の垂直方向ピッチをＰVm´、水平軸端付近の垂直
線上での画素の垂直方向ピッチをＰVh´とするとき、こ
れらＰVc´、ＰVm´、ＰVh´を水平軸に平行な線上で ＰVc´≦ＰVh´＜ＰVm´ の関係にした。

【００２０】ここで、画素とは、光吸収層の隙間に蛍光
体層が埋込まれるように設けられた蛍光体スクリーンに
ついては、その光吸収層の隙間に露出した蛍光体層を指
し、光吸収層をもたない蛍光体スクリーンについては、
蛍光体層そのものを指す。

【００２１】

【発明の実施の形態】図１にこの発明の実施の一形態で
あるカラー陰極線管の構成を示す。このカラー陰極線管
は、有効部１０がほぼ矩形状のパネル１１と漏斗状のフ
ァンネル１２からなる外囲器を有し、そのパネル１１の
有効部１０内面に、マトリクス状光吸収層の円形状マト
リクスホールに赤、緑、青に発光する円形ドット状の３
色蛍光体層が埋込まれるように形成された蛍光体スクリ
ーン１３が設けられている。また、この蛍光体スクリー
ン１３に対向して、その内側にほぼ矩形状のシャドウマ
スク１４が配置されている。

【００２２】このシャドウマスク１４は、図２に示すよ
うに、上記蛍光体スクリーン１３と対向する有効面１５
に多数の円形状開孔１６が水平方向（Ｈ軸方向）および
垂直方向（Ｖ軸方向）に所定のピッチで形成されたほぼ
矩形状のマスク本体１７と、このマスク本体１７の周辺
部に取付けられたほぼ矩形状のマスクフレーム１８とか
らなり、上記マスクフレーム１８に取付けられた弾性支
持体１９をパネル１１に設けられたスタツドピン２０に
係止することにより支持されている。

【００２３】このシャドウマスク１４に対して、上記蛍
光体スクリーン１３は、３個のマトリクスホールおよび
３色蛍光体層のトリオがシャドウマスク１４の１つの開
孔１６に対応し、これら３個のマトリクスホールおよび
３色蛍光体層のトリオが、ほぼ水平方向に並列したもの
となっている。

【００２４】一方、ファンネル１２のネック２２内に
は、同一水平面上を通る一列配置の３本の電子ビーム２
B ，２G ，２R を放出する電子銃２３が配設されてい
る。

【００２５】そして、この電子銃２３から放出される３
本の電子ビーム２B ，２G ，２R をファンネル１２の外
側に装着された偏向ヨーク２５の発生する水平、垂直偏
向磁界により偏向し、シャドウマスク１４の開孔を介し
て蛍光体スクリーン１３を水平、垂直走査し、この走査
による蛍光体層の発光によりカラー画像を表示するもの
となっている。

【００２６】この場合、光吸収層のマトリクスホールに
露出した蛍光体層の発光がパネル１１を通して観察さ
れ、その光吸収層のマトリクスホールに露出した蛍光体
層が画素をなす。

【００２７】特にこの実施の形態では、図３に示すよう
に、上記マスク本体１７の開孔１６の垂直方向ピッチ
が、有効面１５の中心を通る垂直軸（Ｖ軸）上では一定
であり、垂直軸から水平方向一定距離までの領域Ａでは
破線で示したように垂直軸から離れるにしたがって徐々
に増加し、この領域Ａよりも水平方向外側の領域Ｂでは
水平方向周辺部に近づくにしたがって徐々に減少してい
る。そして、垂直軸上の垂直方向ピッチをＰvc、垂直軸
から水平方向に一定距離離れた垂直線２８上での垂直方
向ピッチをＰVm、水平軸（Ｈ軸）端部の垂直線２９上で
の垂直方向ピッチをＰVhとするとき、これらＰVc、ＰV
m、ＰVhが水平軸に平行な任意線上で、 ＰVc≦ＰVh＜ＰVm の関係となっている。

【００２８】このシャドウマスクの開孔の垂直方向ピッ
チを１９インチカラー陰極線管の一例について述べる
と、走査線が１０２４本以上の場合、垂直軸付近の垂直
方向ピッチＰvcを、 Ｐvc＝０．２７０mm とすると、画面水平方向周辺部以外では走査線との干渉
によるモアレは発生しないが、水平方向周辺部では偏向
収差によるビームスポットが横つぶれし、走査線との干
渉によりモアレが発生する。そこで、この水平方向周辺
部でのモアレを抑制するため、モアレシミュレーション
により垂直軸上の垂直方向ピッチＰvcを、 Ｐvc＝０．２８８mm と大きくした。

【００２９】図４に上記１９インチカラー陰極線管につ
いて、シャドウマスクの開孔の垂直方向ピッチの変化量
を曲線３１a ，３１b で示す。曲線３２は比較のために
示した従来のシャドウマスクの開孔の垂直方向ピッチの
変化量である。

【００３０】この例のシャドウマスクは、曲線３１a ，
３１b からわかるように垂直軸から水平方向１２０mmま
でを領域Ａとし、この間では開孔の垂直方向ピッチが水
平方向に離れるにしたがって徐々に増加し、垂直軸から
の水平方向距離 ｒf ＝１２０mm において、最大０．００４mm大きく、 ＰVm＝０．２８８mm＋０．００４mm ＝０．２９２mm となっている。この水平方向１２０mmの点の垂直線２８
から水平方向外側を領域Ｂとし、この間では開孔の垂直
方向ピッチが水平方向端部に近づくにしたがって徐々に
減少し、水平軸端部の垂直線２８上で ＰVh≧ＰVc＝０．２８８mm と、垂直軸上の垂直方向ピッチと同じかまたはそれ以上
となっている。

【００３１】上記のようにシャドウマスクの開孔の垂直
方向ピッチを変化させると、蛍光体スクリーンを構成す
る光吸収層のマトリクスホールおよび３色蛍光体層の垂
直方向ピッチは、シャドウマスクの開孔の垂直方向ピッ
チＰvcに対応する垂直軸上の垂直方向ピッチをＰvc´、
シャドウマスクの開孔の垂直方向ピッチＰVmに対応する
垂直軸から水平方向に一定距離離れた垂直線上での垂直
方向ピッチをＰVm´、シャドウマスクの開孔の垂直方向
ピッチＰvhに対応する水平軸端部の垂直線上での垂直方
向ピッチをＰVh´とするとき、これらＰVc´、ＰVm´、
ＰVh´は、水平軸に平行な任意線上で ＰVc´≦ＰVh´＜ＰVm´ の関係となる。

【００３２】したがって、上記のように構成されたカラ
ー陰極線管では、対角部付近で３本の電子ビームが傾斜
しても、ランディング裕度の減少を抑えて他色蛍光体層
に対するミスランディングを防止し、かつ水平方向周辺
部で走査線との干渉により生ずるモアレを抑制すること
ができる。

【００３３】すなわち、図５（ａ）に示すように、画面
中央部では、シャドウマスクの１つの開孔１６を通って
蛍光体スクリーンに達する３本の電子ビーム２B ，２G
，２R と、上記開孔１６に対応して形成される光吸収
層の３個のマトリクスホールおよび３色蛍光体層１B ，
１G ，１R のトリオとは、水平軸にほぼ平行かつ同軸に
形成され、３本の電子ビーム２B ，２G ，２R は、それ
ぞれ光吸収層のマトリクスホールに埋込まれるように設
けられた３色蛍光体層１B ，１G ，１R のトリオに正し
くランディングし、所定のランディング裕度が得られ
る。

【００３４】一方、シャドウマスクの有効面の垂直軸か
ら水平方向一定距離までの領域Ａに対応する画面の領域
では、画面の右上（第１象限）について、同（ｂ）に示
すように、シャドウマスクの１つの開孔１６に対応する
光吸収層の３個のマトリクスホールおよび３色蛍光体層
１B ，１G ，１R は、水平軸とほぼ平行に形成される
が、３本の電子ビーム２B ，２G ，２R は、角度θ1 で
示すように傾斜する。しかし、この領域Ａではシャドウ
マスクの開孔１６の垂直方向ピッチが垂直軸から水平方
向に離れるにしたがって増加しているため、垂直方向に
隣接する光吸収層のマトリクスホールおよび３色蛍光体
層１B ，１G ，１R との間隔が変化し、シャドウマスク
の１つの開孔１６を通過した電子ビーム２B ，２G ，２
R が垂直方向に隣接する光吸収層のマトリクスホールお
よび蛍光体層への接近が避けられる。しかも、この領域
Ａでは、高輝度画像を表示した場合のシャドウマスクの
熱膨張や地磁気、さらには環境温度などが変化しても、
ランディング変化への影響が比較的小さく、ランディン
グ裕度をあまり変化させない。

【００３５】また、上記領域Ａよりも水平方向外側の領
域Ｂに対応する画面の領域では、画面の右上について、
同（ｃ）に示すように、シャドウマスクの１つの開孔１
６に対応する光吸収層の３個のマトリクスホールおよび
３色蛍光体層１B ，１G ，１R は、水平軸とほぼ平行に
形成されるが、３本の電子ビーム２B ，２G ，２R は、
角度θ2 で示すように上記領域Ａに対応する領域よりも
大きく傾斜する。しかし、この領域Ｂではシャドウマス
クの開孔１６の垂直方向ピッチが垂直軸から水平方向に
離れるにしたがって減少しているため、シャドウマスク
の１つの開孔１６を通過した電子ビーム２B ，２G ，２
R が垂直方向に隣接する光吸収層のマトリクスホールお
よび蛍光体層１B ，１G ，１R への接近が避けられる。
しかも、シャドウマスクの開孔１６の垂直軸付近の垂直
方向ピッチＰvcと、水平軸端部の垂直線上での開孔１６
の垂直方向ピッチＰVhとを、 ＰVc≦ＰVh とすることにより、画面水平方向端部でのモアレを防止
できる。

【００３６】

【発明の効果】上述のように構成すると、画面の対角部
付近でシャドウマスクの１つの開孔に対応して形成され
る３個の画素に対して３本の電子ビームが傾斜し、この
傾斜した電子ビームが垂直方向に隣接する画素に接近す
るために生ずるランディング裕度の減少を避けることが
でき、他色画素に対するミスランディングを防止し、か
つ水平方向周辺部で走査線との干渉による生ずるモアレ
を抑制して、高画質、高精細の要求を満たすカラー陰極
線管とすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施の一形態であるカラー陰極線管
の構成を示す図である。

【図２】上記カラー陰極線管のシャドウマスクの構成を
示す図である。

【図３】上記シャドウマスクの開孔の配列を示す図であ
る。

【図４】上記シャドウマスクの開孔の垂直方向配列ピッ
チの変化を従来のシャドウマスクのそれと比較して示し
た図である。

【図５】蛍光体スクリーンを構成する光吸収層のマトリ
クスホールおよび３色蛍光体層と電子ビームとの関係を
示す図で、図５（ａ）は蛍光体スクリーン中央部での関
係を示す図、図５（ｂ）は垂直軸から水平方向に一定距
離はなれた垂直線上での関係を示す図、図５（ｃ）は水
平軸端部の垂直線上での関係を示す図である。

【図６】従来のカラー陰極線管の蛍光体スクリーンを構
成する光吸収層のマトリクスホールおよび３色蛍光体層
と電子ビームとの関係を示す図である。

【符号の説明】

１R ，１G ，１B …３色蛍光体層 １０…有効部 １１…パネル １４…シャドウマスク １５…有効面 １６…開孔 Ａ…領域 Ｂ…領域

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 パネルの有効部内面にドット状画素を構
   成要素とする蛍光体スクリーンが設けられ、この蛍光体
   スクリーンと対向する有効面に水平および垂直方向に所
   定のピッチで多数の開孔が設けられたほぼ矩形状のシャ
   ドウマスクが上記蛍光体スクリーンに対向して配置され
   てなるカラー陰極線管において、 上記シャドウマスクは上記開孔の垂直方向ピッチが上記
   有効面の垂直軸から水平方向一定距離までの領域では上
   記垂直軸から水平方向に離れるにしたがって徐々に増加
   し、この領域から水平方向外側の領域では水平方向周辺
   部に近づくにしたがって徐々に減少していることを特徴
   とするカラー陰極線管。
2. 【請求項２】 開孔の垂直方向ピッチが有効面の垂直軸
   付近で一定であることを特徴とする請求項１記載のカラ
   ー陰極線管。
3. 【請求項３】 有効面の垂直軸付近での開孔の垂直方向
   ピッチをＰVc、上記垂直軸から水平方向に一定距離離れ
   た垂直線上での開孔の垂直方向ピッチをＰVm、水平軸端
   付近の垂直線上での開孔の垂直方向ピッチをＰVhとする
   とき、これらＰVc、ＰVm、ＰVhが水平軸に平行な線上で ＰVc≦ＰVh＜ＰVm の関係にあることを特徴とする請求項１記載のカラー陰
   極線管。
4. 【請求項４】 パネルの有効部内面にドット状画素を構
   成要素とし、このドット状画素が水平および垂直方向に
   所定のピッチで形成されたほぼ矩形状の蛍光体スクリー
   ンが設けられ、この蛍光体スクリーンと対向する有効面
   に水平および垂直方向に所定のピッチで多数の開孔が設
   けられたシャドウマスクが上記蛍光体スクリーンに対向
   して配置されてなるカラー陰極線管において、 上記蛍光体スクリーンは上記画素の垂直方向ピッチが上
   記有効部の垂直軸から水平方向一定距離までの領域では
   上記垂直軸から水平方向に離れるにしたがって徐々に増
   加し、上記領域から水平方向外側の領域では水平方向周
   辺部に近づくにしたがって徐々に減少していることを特
   徴とするカラー陰極線管。
5. 【請求項５】 画素の垂直方向ピッチが有効面の垂直軸
   付近で一定であることを特徴とする請求項４記載のカラ
   ー陰極線管。
6. 【請求項６】 有効部の垂直軸付近での画素の垂直方向
   ピッチをＰVc´、上記垂直軸から水平方向に一定距離離
   れた垂直線上での画素の垂直方向ピッチをＰVm´、水平
   軸端付近の垂直線上での画素の垂直方向ピッチをＰVh´
   とするとき、これらＰVc´、ＰVm´、ＰVh´が水平軸に
   平行な線上で ＰVc´≦ＰVh´＜ＰVm´ の関係にあることを特徴とする請求項４記載のカラー陰
   極線管。