JP2004303283A - 半導体記憶装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】データリテンションテストのテスト時間を短縮して、生産性を向上させることができるスタティック型半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】メモリセル(MC,10)にデータを書き込んで、データ保持状態で電源電圧を下げた後に、ワード線(WL)を立ち上げてメモリセルのアクセストランジスタをONさせ、ビット線を介してメモリセルの記憶ノード(nd)のデータ保持保証高電位(“H”)をリークさせて安定低電位(“L”)に下げるときに、ビット線対の電位の一方を高電位“H”、他方を低電位“L”とし、記憶ノードの高電位“H”を高電位“H”側に接続されたビット線にリークさせる。
【選択図】 図2
【解決手段】メモリセル(MC,10)にデータを書き込んで、データ保持状態で電源電圧を下げた後に、ワード線(WL)を立ち上げてメモリセルのアクセストランジスタをONさせ、ビット線を介してメモリセルの記憶ノード(nd)のデータ保持保証高電位(“H”)をリークさせて安定低電位(“L”)に下げるときに、ビット線対の電位の一方を高電位“H”、他方を低電位“L”とし、記憶ノードの高電位“H”を高電位“H”側に接続されたビット線にリークさせる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体記憶装置に関し、特に、SRAM等におけるデータリテンション時の最小電圧規格を保証するテストにおいて、データリテンション時間の短縮を図ったスタティック型半導体記憶装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
データリテンション時間の短縮を図った半導体記憶装置としては、例えば、特許文献1では、Xデコーダバッファとアナログスイッチと、トランジスタからなる基準電圧源を設け、わずかな保持時間の後、データをリードするだけで、保持不良が除去でき、テスト時間を短縮するICメモリが開示されている。また、特許文献2では、データ書き込み後、電源電圧をデータ保持電圧よりも低い通常データ保持可能な電圧まで下げ、所定時間経過後、電源電圧を第2のデータ保持可能電圧まで上昇させ、セルノード電位を急速にデータ保持可能電圧に近づける半導体スタティックRAMの低電源電圧データ保持特性の試験方法が開示されている。
【0003】
また、特許文献2では、書込み状態のSRAMにおいて、電源電圧をデータ保持可能電圧以下に短時間下げた後、再びデータ保持可能電圧に戻すことにより、リテンションテスト時間を短縮するSRAMの低電源電圧データ保持特性の試験方法が開示されている。
【0004】
スタティック型半導体記憶装置におけるデータリテンション時の最小電圧規格を保証するテストについて、簡単に説明する。テスト内容は、第1の工程では、動作保証電圧範囲内の電源電圧(例えば5V)で全メモリセルにデータを書き込み、第2の工程では、スタンバイ状態にして電源電圧をデータリテンション時の最小電圧規格以下(例えば2V)に下げる。第3の工程では、電源電圧を通常レベル(例えば5V)に上げて全メモリセルのデータを読み出し、第1の工程で書き込んだデータが保持されているかを判定する。
【0005】
第2の工程でのデータリテンション時間は、少なくとも外部の電源電圧を下げることに応じて、メモリセルの“H”レベルを保持している記憶ノードの電位が下降し始めてから安定するまでに要する時間であり、この記憶ノードの電位は、例えば5Vから下げられ2Vで安定する。従って、メモリセルの記憶ノードと電源との間の抵抗が大きいほど、記憶ノードの“H”レベル電位が電源へリークする電流が小さくなり、記憶ノードの電位が安定するまでの時間が長くなる。
【0006】
図19は従来のスタティック型半導体記憶装置の回路構成図、図20はその動作タイミング図、図21は各メモリセルの回路構成図である。図19、図20及び図21を参照して、データリテンションテストによるデータリテンション時のチップ内部の動作について以下に説明する。図中の回路のずべての素子は共通の電源に接続され、通常電源Vccにより電源電圧が供給されるものとする。タイミングt0以前(ライト期間)に動作保証電圧範囲内の高電源電圧Vcc=Va(例えば5V)でメモリセルにデータが書き込まれ、タイミングt0〜t91までの期間はデータリテンション状態としている。
【0007】
先ず、タイミングt0以前に高電圧Vcc=Vaでメモリセルにデータを書き込むライト動作時には、外部信号/CSを“L”レベルとすることにより、内部信号CSWを“H”とし、外部アドレス信号ADDに応じて、ロウデコーダ11、カラムデコーダ12が動作し、ワード線WL0〜WLnのうちの1つ、およびカラム選択線CL0〜CLmのうちの1つを選択的に“H”レベルにして、各ビット線対BIT0,BITB0〜BITm,BITBmに接続されるカラムゲート13の1つをONさせて、1つのメモリセルとライトドライバー14を接続状態にする。
【0008】
ライトドライバー14に入力される内部信号WELと書き込みデータDINは、外部信号/WE=“L”にすることにより、内部信号WEL=“L”となり、外部信号DQのレベルに応じて内部信号DINが変化し、ライトドライバー14から出力される内部信号IOとIOBは、PMOSトランジスタP1,P2を介して相反の電位レベル“H”と“L”として出力される。
【0009】
次に、タイミングt0で外部信号/CSをハイレベル“H”にすることにより、内部信号CSWがローレベル“L”になり、全ワード線WL0〜WLnが“L”になり、全メモリセルMC00〜MCnmが非選択状態となる。つまり、図21に示すメモリセル回路内のアクセストランジスタ(N1,N3)がOFFとなり、データ保持状態となる。このとき、/CSを“H”にしたことにより、内部信号DIN,WELは所定の電位に固定され、カラム選択線CL0〜CLm及びIO、IOBも所定の電位に固定され、外部信号に応じて変化することはない。
【0010】
次に、タイミングt0〜t1の期間ではチップ内部をデータリテンション状態にして、タイミングt1で電源電圧VccをVa(例えば5V)からVh(例えば2V)に下げる。図21に示すメモリセルの記憶ノード(nd,/nd)は、一方が“H”、他方が“L”の相反電位を保持しており、例えば記憶ノードndが“H”電位とすると、アクセストランジスタN1およびドライバトランジスタN2はOFFしており、VccをVhに下げる直前は、ノードndの電位はデータ書き込み時のVcc=Va(例えば5V)にほぼ等しく、VccをVhに下げた直後から、記憶ノードndの“H”電位は高抵抗R1を介して、電源Vccへリークし始めて、タイミングt90で低電位Vh(例えば2V)にほぼ等しい電位まで下降して安定状態となる。
【0011】
ここで、図21では高抵抗負荷型のメモリセルを例示しているが、TFT負荷型も同様であり、高抵抗R1,R2の抵抗値は、スタンバイ電流を抑えるために、ギガオーダー以上の高抵抗値のものを使用している。
【0012】
【特許文献1】
特開平4−278300号公報(図1)
【特許文献2】
特開平5−290599号公報(図1)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような従来の構成では、メモリセル回路内の高抵抗R1,R2の抵抗値は、スタンバイ電流を抑えるためにギガオーダー以上に設定されているために、記憶ノードの“H”電位が高抵抗R1,R2を介して電源Vccへリークするリーク電流は微小となり、タイミングt1〜t90の時間はそれに応じて長くなる。
【0014】
即ち、データリテンション時に外部電源Vccを下げるときに、メモリセルの記憶ノードの“H”電位が下がるデータリテンション時間t1〜t90は、リーク電流が微小であることから、長くなる。データリテンションテストのテスト時間は、図20のt1〜t90で示すようにデータリテンション時間が大部分を占めており、データリテンション時間は数秒〜数十秒もの長さを要し、生産性において問題があった。
【0015】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、データリテンションテストにおいて、データリテンション時に外部電源を下げるのに応じてメモリセルの記憶ノードの“H”電位が下がる速度を速めることにより、データリテンション時間を短くすることを可能にし、データリテンションテストのテスト時間を短縮して、生産性を向上させることができるスタティック型半導体記憶装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によるスタティック型の半導体記憶装置は、2つの記憶ノードを有するラッチ回路と、これらの記憶ノードにそれぞれ接続されたアクセストランジスタ対とを有するスタティック型メモリセルと、アクセストランジスタにそれぞれ接続されたたビット線対と、アクセストランジスタ対に接続されたワード線と、ビット線の電位をイコライズするビット線イコライズ回路と、ワード線を選択するアドレス信号が入力されるアドレスバッファと、ビット線対に外部から入力されるデータに応じてビット線データを出力するライトドライバとを備え、半導体装置の動作を非活性化する信号および半導体装置をテストするテスト信号が入力されたときに、ビット線イコライズ信号を非活性化し、アドレスバッファおよびライトドライバを活性化する制御回路を備えることを特徴とする。上記構成により、データリテンション時にワード線を立ち上げてもメモリセルの保持データを破壊することなく、セル記憶ノードの高電位を速やかに下げることができ、リテンションテスト時間を短縮することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1乃至図18を用いて本発明の実施の形態について以下に説明する。なお、各図において共通する要素には同一の符号を付し、重複する説明については省略している。また、各図において、各種制御信号で上付線を付した信号、例えば、ライトイネーブル信号/WE、チップセレクト信号/CS等はLOWアクティブ信号であることを示し、例えばLレベルのときにデータが出力され、Hレベルのときに出力ディスエーブル状態となることを示すものとする。
【0018】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1について図1乃至図3を参照して以下に説明する。図1は本発明に係る半導体チップにおけるチップセレクト信号/CS、テスト信号TE、アドレス信号ADの生成を示す概略図、図2は本発明の実施の形態1に係るスタティック型半導体記憶装置の回路構成図、図3はその動作タイミング図を示す。
【0019】
図1に示す半導体チップにおいて、データリテンション時は、/CS=“H”かつTE=“H”とし、アドレス信号ADに応じてワード線を選択する。通常動作時は、/CS=“L”かつTE=“L”とし、アドレス信号ADに応じてワード線を選択する。スタンバイ時は、/CS=“H”かつTE=“L”とし、アドレス信号ADが変化してもワード線は選択されない。
【0020】
図2及び図3に示す本実施の形態1に係る回路構成と、図19に示す従来の構成との主な相違点は、本実施の形態では、ロウデコーダ11とカラムデコーダ12に入力する制御信号TMWC線を追加したことにより、それに応じてロウデコーダとカラムデコーダの構成を変えたことである。フリップフロップ構成の(MOSスタティック型)メモリセルアレイ10、カラムゲート回路13及びライトドライバー14の構成は従来構成と同様である。
【0021】
図2に示す回路構成において、ビット線イコライズ回路(BEC)はビット線の電位をイコライズする。アドレスバッファ8にはワード線を選択するアドレス信号が入力され、ライトドライバ14は、ビット線対に外部から入力されるデータに応じてビット線データを出力する。制御回路6は、半導体装置の動作を非活性化する信号および半導体装置をテストするテスト信号(TE)が入力されたときに、ビット線イコライズ回路を非活性化し、アドレスバッファ8およびライトドライバ14を活性化する
【0022】
図2に示すスタティック型半導体記憶装置の回路構成では、通常動作時は、/CS=“H”かつTE=“H”であり、ワード線の選択アドレスが変化する場合は、ワード線を選択する前にビット線・/ビット線の電位をイコライズするビット線イコライズ回路(BEC)が動作する。しかし、/CS=“H”かつTE=“H”のとき、ビット線イコライズ回路(BEC)の動作を制御回路により、動作を停止させる。これは、もし動作を停止させないと、ライトドライバによりビット線・/ビット線の電位を固定できないためである。
【0023】
図2及び図3を参照して、データリテンションテストによるデータリテンション時のチップ内部の動作について、以下に説明する。図中の回路のずべての素子の電源Vccは共通で、通常電源Vccにより供給されるものとする。先ず、タイミングt0以前(ライト動作工程)において通常電源Vccを動作保証電圧範囲内の高電位Va(例えば5V)に設定して全メモリセルに同一のデータを書き込む。このように、本実施の形態では、全メモリセルの保持データが同一であることを前提としている。
【0024】
次に、タイミングt0〜t1までの期間(モードセット期間)において、タイミングt0で外部信号/CS=“L”,/WE=“L”として書き込み状態にするとともに、外部信号DQのレベルを、全メモリセル(MC)に書き込んだデータに合わせた“H”または“L”の電位として入力する。これにより、内部信号CSW=“H”,WEL=“L”となり、ライトドライバー14に入力されるDINとWELの電位レベルに応じてIO、IOBの電位は決まり、ライトドライバー14内のPMOSトランジスタP1,P2を介して出力されるIO、IOBの電位は、全メモリセルに書き込んだデータに一致する相反の電位(“H”または“L”)となる。
【0025】
また、外部信号TMWCを“L”とし、内部信号CSWを“H”とすることにより、ロウデコーダ11を介して全ワード線WL0〜WLnが“H”になり、同様に、カラムデコーダ12を介して全カラム選択線CL0〜CLmが“H”となる。これにより、各ビット線対BIT0,BITB0〜BITm,BITBmに接続される全てのカラムゲート(13)をONさせた状態で、全メモリセルMC00〜MCnmの記憶ノード(nd,/nd)の一方に“H”、他方に“L”の相反の電位をライトドライバー14から供給する。
【0026】
次に、タイミングt1〜t5までの期間(リーク期間)では、チップ内部をデータリテンション状態にして、タイミングt1で電源電圧VccをVaからVh(例えば2V)に下げる。このとき、図21に示すメモリセルの記憶ノードndまたは/ndの“H”電位が、メモリセルのアクセストランジスタN1(またはN3)、ビット線(BIT)、カラムゲート13を介してライトドライバ14に接続され、ライトドライバ14のPMOSトランジスタ(P1またはP2)でONしている。
【0027】
従って、記憶ノードの“H”電位は、メモリセルの高抵抗R1またはR2を介することなく、内部信号IOまたはIOBに“H”電位を供給している方のPMOSトランジスタ(P1またはP2)を介して電源Vccにリークして、急速に記憶ノードの“H”電位を下げることができる。ただし、上記構成では、メモリセルのアクセストランジスタN1がNMOSであるので、低レベルの電源電圧Vcc=Vhよりもアクセストランジスタの閾値電圧Vth分だけ高い電位(Vh+Vth)までVaから下降している。
【0028】
次にタイミングt5〜t20までの期間(スタンバイ状態)においては、/CS,/WEを“H”にすることにより内部信号CSW=“L”,WEL=“H”となり、外部信号DQのレベルを任意に固定し、TMWC=“H”とすることにより、内部信号DIN,WEL,CL0〜CLmは所定の電位に固定され、これら所定の内部信号DIN,WELに基いて、ライトドライバー14から出力される内部信号IO,IOBも所定電位に固定されて、外部信号に応じて変化しない。
【0029】
即ち、CSW=“L”、TMWC=“H”により全ワード線WL0〜WLnおよびカラム選択線CL0〜CLmが“L”となり、全メモリセルMC00〜MCnmのアクセストランジスタ(N1,N3)がOFFしているので、メモリセルの記憶ノードの“H”電位(Vh+Vth)は、メモリセル内の高抵抗R1またはR2(図21参照)を介して、電源Vccへ穏やかにリークし、タイミングt20においてVcc=Vhの低電位で安定状態となる。
【0030】
以上のように、本実施の形態によれば、メモリセルの記憶ノードの“H”電位がVaから(Vh+Vth)まで急速に下がり、低電位で安定状態となるまでに要する時間を大幅に短縮することができる。これは、メモリセルの高抵抗R1、R2の抵抗値がギガオーダー以上であるのに対して、メモリセルのアクセストランジスタN1(またはN3)、ビット線(BIT)、カラムゲート13介して接続されたライトドライバー14へのリーク経路の抵抗値が数キロΩと小さく、リーク電流が大きくなることによる。
【0031】
これにより、データリテンションテストにおいて、データリテンション時に外部電源をVaからVhに下げるのに応じて、メモリセルの記憶ノードの“H”電位が下がる速度を速めることにより、データリテンション時間を短くすることを可能にし、データリテンションテストのテスト時間を短縮して、生産性を向上させることができる。
【0032】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2について図4乃び図5を参照して以下に説明する。図4は本発明の実施の形態2に係るスタティック型半導体記憶装置の回路構成図、図5はその動作タイミング図を示す。
【0033】
図4及び図5に示す本実施の形態2に係る回路構成と、図19に示す従来の構成との主な相違点は、ロウデコーダ11とカラムデコーダ12に入力する制御信号TMWC,TMWE1,TMWE2の制御信号線を追加したことにより、それに応じてロウデコーダとカラムデコーダの構成を変えたことである。メモリセルアレイ10、カラムゲート回路13及びライトドライバーの構成は従来構成と同様である。
【0034】
図4及び図5を参照して、データリテンションテストによるデータリテンション時のチップ内部の動作について、以下に説明する。図中の回路のずべての素子の電源は共通で、通常電源Vccにより供給されるものとする。先ず、タイミングt0以前(ライト動作工程)において通常電源Vccを動作保証電圧範囲内の高電位Va(例えば5V)に設定して全メモリセルにビット線方向で隣り合うセルが相反となるようにデータを書き込む。このように、本実施の形態では、書き込み後のデータが、タイミングt0時点でワード線WL0, 2, 4, ... , n−1に接続されたメモリセルと、ワード線WL1, 3, 5, ... , nに接続されたメモリセルとが相反のデータを保持しているとする。
【0035】
次に、タイミングt0〜t1までの期間(モードセット期間)において、タイミングt0で外部信号/CS=“L”,/WE=“L”として書き込み状態にするとともに、実施の形態1と同様に、外部信号DQの入力レベルに応じて、ライトドライバー14から出力される内部信号IO、IOBの電位は、相反の電位(“H”または“L”)となる。ここで、内部信号IO、IOBの電位は、ワード線WL0, 2, 4, ... , n−1に接続されたメモリセルの保持データと一致させるように外部信号DQを入力する。
【0036】
外部信号TMWCを“L”、TMWE1=“H”、TMWE2=“H”により、全ワード線WL0〜WLnが“L”になり、同様に、全カラム選択線CL0〜CLmが“H”となり、全メモリセルMC00〜MCnmのアクセストランジスタN1(またはN3)がOFF状態、全てのカラムゲートをON状態で、ライトドライバー14から全ビット線対BIT0,BITB0〜BITm,BITBmに、ワード線WL0, 2, 4, ... , n−1に接続されたメモリセルの保持データと一致する電位レベルの内部信号IO,IOBが出力される。
【0037】
次に、タイミングt1〜t5までの期間(第1のリーク期間)では、TMWE1=“L”にして、ワード線WL0, 2, 4, ... , n−1を“H”にして、メモリセルのアクセストランジスタN1(またはN3)をONにしている。これにより、ワード線WL0, 2, 4, ... , n−1に接続される全メモリセルの記憶ノードの “H”電位は、メモリセルの高抵抗R1またはR2を介することなく、ライトドライバー14へリークされ、急速に上記対応の記憶ノードの“H”電位を下げることができる。ただし、メモリセルのアクセストランジスタN1がNMOSであるので、低レベルの電源電圧Vcc=Vhよりもアクセストランジスタの閾値電圧Vth分だけ高い電位(Vh+Vth)までVaから急速に下降している。
【0038】
次に、タイミングt5〜t6までの期間では、外部信号TMWE1=“H”にして、全WL0〜WLn=“L”にして、全メモリセルMC00〜MCnmのアクセストランジスタN1(またはN3)がOFF状態で、外部信号DQの入力レベルを反転する。これにより、内部信号IO,IOBの電位は、ワード線WL1, 3, 5, ... , nに接続されたメモリセルの保持データと一致する電位レベルが出力される。
【0039】
次に、タイミングt6〜t11までの期間(第2のリーク期間)では、外部信号TMWE2=“L”にして、ワード線WL1, 3, 5, ... , n =“H”にして、対応メモリセルのアクセストランジスタN1(またはN3)をONにする。これにより、ワード線WL1, 3, 5, ... , nに接続される全メモリセルの記憶ノードの “H”電位は、メモリセルの高抵抗R1またはR2を介することなく、ライトドライバー14へリークされ、急速に上記対応の記憶ノードの“H”電位を下げることができる。ただし、メモリセルのアクセストランジスタN1がNMOSであるので、低レベルの電源電圧Vcc=Vhよりもアクセストランジスタの閾値電圧Vth分だけ高い電位(Vh+Vth)までVaから急速に下降している。
【0040】
次にタイミングt11〜t30までの期間(スタンバイ状態)においては、/CS,/WEを“H”にすることにより内部信号CSW=“L”,WEL=“H”となり、外部信号DQのレベルを任意に固定し、TMWC=“H”、TMWE1=“H”、TMWE2=“H”により、内部信号DIN,WEL,CL0〜CLmは所定の電位に固定され、これら所定の内部信号DIN,WELに基いて、ライトドライバー14か出力される内部信号IO,IOBも所定電位に固定され、外部信号に応じて変化しない。
【0041】
このとき、全ワード線WL0〜WLnおよびカラム選択線CL0〜CLmが“L”となり、全メモリセルMC00〜MCnmのアクセストランジスタ(N1,N3)がOFFしているので、メモリセルの記憶ノードの“H”電位(Vh+Vth)は、メモリセルの高抵抗R1またはR2(図21参照)を介して、電源Vccへ穏やかにリークし、タイミングt30においてVcc=Vhの低電位で安定状態となる。
【0042】
以上のように、本実施の形態によれば、実施の形態1と同様の効果があり、さらに、実施の形態1では全メモリセルの保持データが同一の場合に限定されるのに対して、本実施の形態では、ビット線方向で隣り合うメモリセルが相反のデータを保持する場合も、メモリセルの記憶ノードの“H”電位を急速にリークすることができるとともに、全メモリセルの保持データが同一の場合も、実施の形態1と同等の効果が得られる。
【0043】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3について図6乃び図7を参照して以下に説明する。図6は本発明の実施の形態3に係るスタティック型半導体記憶装置の回路構成図、図7はその動作タイミング図を示す。
【0044】
図6及び図7に示す本実施の形態3に係る回路構成と、図19に示す従来の構成との主な相違点は、ロウデコーダ11とカラムデコーダ12に入力する制御信号TMWC,TMWE,TMDRの制御信号線を追加し、さらにライトドライバーを1つ追加したことである。メモリセルアレイ10、カラムゲート回路13及びライトドライバーの構成は従来構成と同様である。
【0045】
図6及び図7を参照して、データリテンションテストによるデータリテンション時のチップ内部の動作について、以下に説明する。図中の回路のずべての素子の電源は共通で、通常電源Vccにより供給されるものとする。タイミングt0以前(ライト動作工程)において通常電源Vccを動作保証電圧範囲内の高電位Va(例えば5V)に設定して全メモリセルにワード線方向で隣り合うセルが相反となるようにデータを書き込む。このように、本実施の形態では、書き込み後のデータが、タイミングt0時点でビット線BIT0, 2, 4, ... , m−1に接続されたメモリセルと、ビット線BIT1, 3, 5, ... , m に接続されたメモリセルとが相反のデータを保持しているとする。
【0046】
先ず、ライトドライバー系の回路構成とその動作について説明する。通常のデータ書き込み(通常ライト)時は、外部信号TMDR=“H”にして、トランスファーゲートTG1をONに、TG2をOFFにして、内部信号DINに応じて、第1ライトドライバー14’及び第2ライトドライバー14ともにこれらの出力端子OUT1,OUT2に同じ電位を出力する。第1ライトドライバー14’の出力は、内部信号線IO1,IOB1に接続され、さらに内部信号線IO1,IOB1はカラムゲート13を介してビット線BIT0, 2, 4, ... , m−1に接続されている。
【0047】
一方、第2ライトドライバー14の出力は、内部信号線IO2,IOB2に接続され、さらに内部信号線IO2,IOB2はカラムゲート13を介してビット線BIT1, 3, 5, ... , m に接続されている。このように、通常ライト動作は外部信号TMDR=“H”にすることで従来と同様である。
【0048】
外部信号TMDR=“L”にすると、メモリセルの記憶ノードの“H”電位を高速でリークさせるためのテストモードになり、トランスファーゲートTG1をOFFに、TG2をONにして、内部信号DINに応じて、第1ライトドライバー14’は信号線IO1,IOB1に、通常とは相反の電位を出力し、第2ライトドライバー14は信号線IO2,IOB2に通常と同じ電位を出力する。
【0049】
次に、タイミングt0〜t1までの期間(モードセット期間)において、タイミングt0で外部信号/CS=“L”,/WE=“L”として書き込み状態にするとともに、ビット線BIT1, 3, 5, ... , m に接続されたメモリセルの保持データと一致させるように外部信号DQを入力する。これと同時に、外部信号TMDR=“L”によりテストモードになり、第1ライトドライバー14’から信号線IO1,IOB1に、ビット線BIT0, 2, 4, ... , m−1に接続されているメモリセルの保持データと一致する電位が出力され、第2ライトドライバー14から信号線IO2,IOB2に、ビット線BIT1, 3, 5, ... , mに接続されているメモリセルの保持データと一致する電位が出力される。
【0050】
外部制御信号TMWC=“L”,TMWE=“H”により、全ワード線WL0〜WLnが“L”になり、同様に、全カラム選択線CL0〜CLmが“H”となり、全メモリセルMC00〜MCnmのアクセストランジスタがOFF状態、全てのカラムゲートをON状態で、ライトドライバー14、14’から全ビット線対BIT0,BITB0〜BITm,BITBmに、全メモリセルの保持データと一致する電位レベルの内部信号IO,IOBが出力される。
【0051】
次に、タイミングt1〜t5までの期間(リーク期間)では、外部信号TMWE=“L”にして、全ワード線WL0〜nを“H”にして、メモリセルのアクセストランジスタN1(またはN3)をONにしている。これにより、全メモリセルの記憶ノードの “H”電位は、メモリセルの高抵抗R1またはR2を介することなく、第1及び第2ライトドライバー14’、14へリークされ、急速に記憶ノードの“H”電位を下げることができる。ただし、メモリセルのアクセストランジスタN1がNMOSであるので、低レベルの電源電圧Vcc=Vhよりもアクセストランジスタの閾値電圧Vth分だけ高い電位(Vh+Vth)までVaから急速に下降している。
【0052】
次にタイミングt5〜t20までの期間(スタンバイ状態)においては、/CS,/WEを“H”により内部信号CSW=“L”,WEL=“H”となり、外部信号DQのレベルを任意に固定し、TMWC=“H”、TMWE=“H”により、全ワード線WL0〜WLnおよびカラム選択線CL0〜CLmが“L”となり、全メモリセルMC00〜MCnmのアクセストランジスタ(N1,N3)がOFFしているので、メモリセルの記憶ノードの“H”電位(Vh+Vth)は、メモリセルの高抵抗R1またはR2(図21参照)を介して、電源Vccへ穏やかにリークし、タイミングt20においてVcc=Vhの低電位で安定状態となる。
【0053】
以上のように、本実施の形態によれば、実施の形態1と同様の効果があり、さらに、実施の形態1では全メモリセルの保持データが同一の場合に限定されるのに対して、本実施の形態では、ワード線方向で隣り合うメモリセルが相反のデータを保持する場合も、メモリセルの記憶ノードの“H”電位を急速にリークすることができるとともに、全メモリセルの保持データが同一の場合も、実施の形態1と同等の効果が得られる。
【0054】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4について図8乃び図9を参照して以下に説明する。図8は本発明の実施の形態4に係るスタティック型半導体記憶装置の回路構成図、図9はその動作タイミング図を示す。
【0055】
図8及び図9に示す本実施の形態4に係る回路構成は、図4に示す実施の形態2と図6に示す実施の形態3とを組み合わせた構成であり、データリテンション時のチップ内部の動作も同様であるので、その詳細な説明は省略する。本実施の形態によれば、実施の形態1、2,3と同様の効果があり、さらに、ワード線方向、及びビット線方向で隣り合うメモリセルが相反のデータを保持(チェッカー模様のデータを保持)する場合も、メモリセルの記憶ノードの“H”電位を急速にリークすることができる。
【0056】
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5について図10乃び図11を参照して以下に説明する。図10は本発明の実施の形態5に係るスタティック型半導体記憶装置の回路構成図、図11はその動作タイミング図を示す。
【0057】
図10に示す本実施の形態5に係る回路構成は、図2に示す実施の形態1の構成に対して、電源を通常電源Vcc 以外にメモリセル及びライトドライバー専用の電源VccM を追加して2電源構成としたことが相違点であり、データリテンション時のチップ内部の動作も同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0058】
本実施の形態5によれば、データリテンションテストでは、メモリセル用の電源VccM だけを下げればよい。即ち、VccMは、タイミングt1からデータリテンション完了のタイミングt10 までVccM=Vhとしている。よって、通常電源Vcc のレベルをライト動作時のレベルVaのままとすることにより、メモリセルのアクセストランジスタのゲートへの入力ワード線のレベルがメモリセル用の電源VccM=Vh より高い電位Va にすることができる。よって、Va>Vh+Vth (Vthはアクセストランジスタの閾値)であれば、タイミングt1〜t5までの期間(リーク期間)において、ライトドライバーへのリークによりメモリセルの記憶ノードの“H”電位を急速にVh まで下げることができる。
【0059】
以上のように、本実施の形態によれば、実施の形態1よりもさらに速くメモリセルの記憶ノードの“H”電位をVh まで下げ、データリテンション時間を短縮することができる。また、実施の形態2,3,4に2電源構成を適用した場合も同様の効果が得られる。
【0060】
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6について図12を参照して以下に説明する。図12は本発明の実施の形態6に係るスタティック型半導体記憶装置の回路構成図を示す。
図12に示す本実施の形態6に係る回路構成は、図10に示す実施の形態5の構成に対して、メモリセル及びライトドライバー専用の電源VccM をさらに分けて、メモリセル専用のVccMとライトドライバー専用の電源VccB を設け、3電源構成としたことが相違点であり、データリテンション時のチップ内部の動作も同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0061】
本実施の形態6によれば、図11に示した実施の形態5における動作タイミングにおいて、ライトドライバー専用の電源VccB は、図11に示したメモリセル及びライトドライバー専用の電源VccMと同様に電位供給させ、本実施の形態6のメモリセル専用のVccMは、タイミングt0 以前のライト動作時からデータリテンション完了のタイミングt10 までVccM=Vhとしておく。これにより、各メモリセルで、ライト動作直後はメモリセルの記憶ノードの“H”電位は、ライトドライバーの“H”電位=Va からアクセストランジスタのVth 分下がったレベル(Va−Vth)になる。
【0062】
従って、アクセストランジスタがOFFした後、そのままにしておくと、VccM=Va の場合は、VccMからメモリセルの高抵抗を介して電位供給され、(Va−Vth)からVa まで上昇していくが、VccM=Vh としておくと、(Va−Vth)からVh まで下がっていく。
【0063】
以上のように、本実施の形態によれば、実施の形態5よりもさらに速くメモリセルの記憶ノードの“H”電位をVh まで下げ、データリテンション時間を短縮することができる。また、実施の形態2,3,4に本実施の形態の3電源構成を適用した場合も同様の効果が得られる。
【0064】
(実施の形態7)
本発明の実施の形態7について図13を参照して以下に説明する。図13は本発明の実施の形態7に係るスタティック型半導体記憶装置の動作タイミング図を示す。
【0065】
本実施の形態7は、図10及び図11に示す実施の形態5の構成において、Va<Vh+Vth (Vthはアクセストランジスタの閾値)の場合には、タイミングt1〜t5までの期間(リーク期間)において、アクセストランジスタがONしないので、ライトドライバーへのリークができず、メモリセルの記憶ノードの“H”電位を急速にVh まで下げることができない。
【0066】
このような場合に、本実施の形態7では、図13に示すように、通常電源Vccをライト動作後にVx (ここで、Vx<Vh+Vth)に上げることにより、アクセストランジスタをONさせることができる。
【0067】
以上のように、本実施の形態によれば、メモリセル以外の素子に供給する電源Vccについて、ライト動作時の電位Vaよりも、メモリセルの記憶ノードの“H”電位を急速にリークさせる時の電位を高く(Vx)することにより、Va<Vh+Vthの場合であっても、実施の形態5と同様の効果が得られる。
【0068】
(実施の形態8)
本発明の実施の形態8について図14を参照して以下に説明する。図14は本発明の実施の形態8に係るスタティック型半導体記憶装置の回路構成図を示す。
図14に示す本実施の形態8に係る回路構成は、図2に示す実施の形態1の構成に対して、各ビット線対にPMOSクロスカップルのビット線負荷回路15を追加したことが相違点であり、データリテンション時のチップ内部の動作も同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0069】
本実施の形態8によれば、ライトドライバーへのリークによりメモリセルの記憶ノードの“H”電位を急速に下げる時に、各ビット線対の“H”電位側にドレインが接続されたビット線負荷回路15のPMOSはONしており、クロスカップル型にした他方のPMOSはOFFしている状態となり、ライトドライバーへのリークに加えて、上記ビット線負荷回路15のPMOSを介して記憶ノードの“H”電位はリークする。
【0070】
以上のように、本実施の形態によれば、実施の形態1よりもさらに速くメモリセルの記憶ノードの“H”電位を下げ、データリテンション時間を短縮することができる。また、実施の形態2,3,4に上記ビット線負荷回路15のPMOSを適用した場合も同様の効果が得られる。
【0071】
(実施の形態9)
本発明の実施の形態9について図15を参照して以下に説明する。図15は本発明の実施の形態9に係るスタティック型半導体記憶装置の回路構成図を示す。
図15に示す本実施の形態9に係る回路構成は、図2に示す実施の形態1の構成に対して、昇圧回路16を追加し、外部電源電圧Vccより高い電位VccFをロウデコーダ11及びカラムデコーダ12の電源として供給するように構成している。
【0072】
上記のように構成したことにより、各メモリセルのアクセストランジスタのゲート電圧及びカラムゲート13のNMOSゲート電圧を高めて、メモリセルの記憶ノードの“H”電位をリークさせる時のリーク電流を上げて、記憶ノードの“H”電位をより速く下げることができる。
【0073】
また、昇圧回路16による電位VccFを(Vcc+Vth)以上にしておくことにより、メモリセルの記憶ノードの“H”電位をVhまでライトドライバー14へのリークにより下げることができる。
【0074】
以上のように、本実施の形態によれば、実施の形態1よりもさらに速くメモリセルの記憶ノードの“H”電位を下げ、データリテンション時間を短縮することができる。また、実施の形態2,3,4に上記昇圧回路16による電位VccFを適用した場合も同様の効果が得られる。
【0075】
(実施の形態10)
本発明の実施の形態10について図16、図17乃び図18を参照して以下に説明する。図16は本発明の実施の形態10に係るスタティック型半導体記憶装置の回路構成図、図17はその動作タイミング図、図18は図17の回路構成に含まれるラッチ回路構成を示す。
【0076】
図16及び図17に示す本実施の形態の回路構成と、図19に示す従来の構成との主な相違点は、本実施の形態では、ロウデコーダ11に入力する制御信号TMWDの制御信号線を追加し、さらに各ビット線対に制御信号TMLで制御するデータラッチ回路0〜mを追加したことである。
【0077】
また、ビット線イコライザー17を設け、ビット線イコライザー17を制御信号TMLにより非活性状態とすることができるようにしている。ビット線イコライザー17は、アドレス変化に応じて発生されるATDパルスの発生期間中にビット線イコライザー内のPMOSがONしてビット線対BITとBITBをショートさせ、ビット線対に電源電位Vccを供給するものである。各ラッチ回路は、図18に示すように、クロスカップル型PMOS及びNMOSトランジスタを有し、外部制御信号TML(TMLB)により制御動作される。
【0078】
タイミングt0以前(ライト動作工程)において通常電源Vccを動作保証電圧範囲内の高電位Vaに設定して各メモリセルに任意のデータを書き込む。このように、本実施の形態では、書き込み後のデータが、タイミングt0時点で各メモリセルが任意のデータを保持していることを前提とする。
【0079】
タイミングt0〜t1までの期間(モードセット期間)において、タイミングt0では外部信号/CS=“L”(固定),/WE=“H”で、外部制御信号TMWD=“L”とすることにより、全ワード線WL0〜WLnが“L”とし、全メモリセルMC00〜MCnmのアクセストランジスタをOFF状態とする。外部制御信号TMLを“H”として各ラッチ回路0〜mを活性状態にし、ビット線イコライザー17を非活性状態にする。
【0080】
タイミングt1〜t2までの期間において、外部信号/CS=“L”の状態で、/WE=“L”として書き込み状態とし、メモリセルMC00の保持データと一致させるように外部信号DQを入力する。外部アドレス入力により、カラム選択線CL0=“H”,CL1〜CLm=“L”とし、メモリセルMC00が接続されるビット線対BIT0,BITB0に接続されるカラムゲート(図中左端)をONとする。このとき他のカラムゲートはOFF状態である。
【0081】
ライトドライバー14により、ラッチ回路0にメモリセルMC00の保持データと同じデータが書き込まれる。これにより、ビット線対BIT0,BITB0に接続されるカラムゲートがOFFになった場合でも、外部制御信号TML=“H”で各ラッチ回路0〜mを活性状態にしている間は、ラッチ回路0からビット線対BIT0,BITB0にメモリセルMC00の保持データに一致する電位が出力されることになる。
【0082】
次に、タイミングt2〜t3までの期間では、タイミングt1〜t2までの期間と同じ要領で、ラッチ回路1にメモリセルMC01の保持データと同じデータが書き込まれる。このようにして、タイミングt11までのデータラッチ期間、順次、ワード線WL0に接続されるメモリセルMC00, 01, 02, …, 0mのそれぞれラッチ回路0〜mに書き込んでいく。この書き込みの際にアドレスを変化させるので、ビット線イコライザーを活性状態にしておくと、イコライズしたときに、すでにラッチ回路に書き込んだデータが反転してしまう可能性がある。これを防ぐために、ビット線イコライザーを非活性状態にしておくことが必要である。
【0083】
次に、タイミングt11〜t12までの期間(リーク期間)においては、外部信号TMWD=“H”にして、ワード線WL0を“H”にし他のワード線は“L”として、ワード線WL0に接続されるメモリセルMC00, 01, 02, …, 0mのアクセストランジスタN1(またはN3)をONにしている。これにより、各メモリセルの記憶ノードの “H”電位は、ラッチ回路を介してリークし、低電位Vhまで急速に下げられる。ただし、記憶ノードの “H”電位を低電位Vhまで下げるには、Va>Vh+Vth (Vthはアクセストランジスタの閾値)にする必要がある。
【0084】
このように、タイミングt1〜t12までの期間は、ワード線WL0に接続されるメモリセルMC00, 01, 02, …, 0mの記憶ノードの “H”電位をリークさせるサイクルといえる。タイミングt1〜t12までの期間と同じ要領でワード線WL1〜nまで、順次、各メモリセルの記憶ノードの “H”電位をリークさせていく。
【0085】
以上のように、本実施の形態によれば、実施の形態5の効果を含み、実施の形態1〜4と同様の効果があり、さらに、本実施の形態では、各メモリセルがいかなるデータを保持する場合でも、メモリセルの記憶ノードの“H”電位を急速にリークすることができる。また、実施の形態6〜9の効果を含めることにより、さらに、記憶ノードの“H”電位のリークを速めることもできる。
【0086】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、メモリセルの記憶ノードの“H”電位が急速に下がり、低電位で安定状態となるまでに要する時間を大幅に短縮することができ、データリテンションテストにおいて、データリテンション時間を短くすることを可能にし、生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体チップにおける各種信号を示す概略図。
【図2】本発明の実施の形態1に係るスタティック型半導体記憶装置の回路構成図。
【図3】図2に示す回路構成の動作タイミングチャート。
【図4】本発明の実施の形態2に係るスタティック型半導体記憶装置の回路構成図。
【図5】図3に示す回路構成の動作タイミングチャート。
【図6】本発明の実施の形態3に係るスタティック型半導体記憶装置の回路構成図。
【図7】図6に示す回路構成の動作タイミングチャート。
【図8】本発明の実施の形態4に係るスタティック型半導体記憶装置の回路構成図。
【図9】図8に示す回路構成の動作タイミングチャート。
【図10】本発明の実施の形態5に係るスタティック型半導体記憶装置の回路構成図。
【図11】図10に示す回路構成の動作タイミングチャート。
【図12】本発明の実施の形態6に係るスタティック型半導体記憶装置の回路構成図。
【図13】本発明の実施の形態7に係るスタティック型半導体記憶装置の動作タイミングチャート。
【図14】本発明の実施の形態8に係るスタティック型半導体記憶装置の回路構成図。
【図15】本発明の実施の形態9に係るスタティック型半導体記憶装置の回路構成図。
【図16】本発明の実施の形態10に係るスタティック型半導体記憶装置の回路構成図。
【図17】図16に示す回路構成の動作タイミングチャート。
【図18】本発明の実施の形態で使用されるラッチ回路の構成図。
【図19】従来のスタティック型半導体記憶装置の回路構成図。
【図20】図19に示す従来の回路構成の動作タイミングチャート。
【図21】メモリセルの回路構成図。
【符号の説明】
10 メモリセルアレイ、 11 ロウデコーダ、 12 カラムデコーダ、 13 カラムゲート、 14 ライトドライバー、 15 ビット線負荷回路、 16 昇圧回路、 17 ビット線イコライザー、 MCメモリセル、 BIT ビット線、 WL ワード線、 CL カラム線、 Vcc 電源電圧
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体記憶装置に関し、特に、SRAM等におけるデータリテンション時の最小電圧規格を保証するテストにおいて、データリテンション時間の短縮を図ったスタティック型半導体記憶装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
データリテンション時間の短縮を図った半導体記憶装置としては、例えば、特許文献1では、Xデコーダバッファとアナログスイッチと、トランジスタからなる基準電圧源を設け、わずかな保持時間の後、データをリードするだけで、保持不良が除去でき、テスト時間を短縮するICメモリが開示されている。また、特許文献2では、データ書き込み後、電源電圧をデータ保持電圧よりも低い通常データ保持可能な電圧まで下げ、所定時間経過後、電源電圧を第2のデータ保持可能電圧まで上昇させ、セルノード電位を急速にデータ保持可能電圧に近づける半導体スタティックRAMの低電源電圧データ保持特性の試験方法が開示されている。
【0003】
また、特許文献2では、書込み状態のSRAMにおいて、電源電圧をデータ保持可能電圧以下に短時間下げた後、再びデータ保持可能電圧に戻すことにより、リテンションテスト時間を短縮するSRAMの低電源電圧データ保持特性の試験方法が開示されている。
【0004】
スタティック型半導体記憶装置におけるデータリテンション時の最小電圧規格を保証するテストについて、簡単に説明する。テスト内容は、第1の工程では、動作保証電圧範囲内の電源電圧(例えば5V)で全メモリセルにデータを書き込み、第2の工程では、スタンバイ状態にして電源電圧をデータリテンション時の最小電圧規格以下(例えば2V)に下げる。第3の工程では、電源電圧を通常レベル(例えば5V)に上げて全メモリセルのデータを読み出し、第1の工程で書き込んだデータが保持されているかを判定する。
【0005】
第2の工程でのデータリテンション時間は、少なくとも外部の電源電圧を下げることに応じて、メモリセルの“H”レベルを保持している記憶ノードの電位が下降し始めてから安定するまでに要する時間であり、この記憶ノードの電位は、例えば5Vから下げられ2Vで安定する。従って、メモリセルの記憶ノードと電源との間の抵抗が大きいほど、記憶ノードの“H”レベル電位が電源へリークする電流が小さくなり、記憶ノードの電位が安定するまでの時間が長くなる。
【0006】
図19は従来のスタティック型半導体記憶装置の回路構成図、図20はその動作タイミング図、図21は各メモリセルの回路構成図である。図19、図20及び図21を参照して、データリテンションテストによるデータリテンション時のチップ内部の動作について以下に説明する。図中の回路のずべての素子は共通の電源に接続され、通常電源Vccにより電源電圧が供給されるものとする。タイミングt0以前(ライト期間)に動作保証電圧範囲内の高電源電圧Vcc=Va(例えば5V)でメモリセルにデータが書き込まれ、タイミングt0〜t91までの期間はデータリテンション状態としている。
【0007】
先ず、タイミングt0以前に高電圧Vcc=Vaでメモリセルにデータを書き込むライト動作時には、外部信号/CSを“L”レベルとすることにより、内部信号CSWを“H”とし、外部アドレス信号ADDに応じて、ロウデコーダ11、カラムデコーダ12が動作し、ワード線WL0〜WLnのうちの1つ、およびカラム選択線CL0〜CLmのうちの1つを選択的に“H”レベルにして、各ビット線対BIT0,BITB0〜BITm,BITBmに接続されるカラムゲート13の1つをONさせて、1つのメモリセルとライトドライバー14を接続状態にする。
【0008】
ライトドライバー14に入力される内部信号WELと書き込みデータDINは、外部信号/WE=“L”にすることにより、内部信号WEL=“L”となり、外部信号DQのレベルに応じて内部信号DINが変化し、ライトドライバー14から出力される内部信号IOとIOBは、PMOSトランジスタP1,P2を介して相反の電位レベル“H”と“L”として出力される。
【0009】
次に、タイミングt0で外部信号/CSをハイレベル“H”にすることにより、内部信号CSWがローレベル“L”になり、全ワード線WL0〜WLnが“L”になり、全メモリセルMC00〜MCnmが非選択状態となる。つまり、図21に示すメモリセル回路内のアクセストランジスタ(N1,N3)がOFFとなり、データ保持状態となる。このとき、/CSを“H”にしたことにより、内部信号DIN,WELは所定の電位に固定され、カラム選択線CL0〜CLm及びIO、IOBも所定の電位に固定され、外部信号に応じて変化することはない。
【0010】
次に、タイミングt0〜t1の期間ではチップ内部をデータリテンション状態にして、タイミングt1で電源電圧VccをVa(例えば5V)からVh(例えば2V)に下げる。図21に示すメモリセルの記憶ノード(nd,/nd)は、一方が“H”、他方が“L”の相反電位を保持しており、例えば記憶ノードndが“H”電位とすると、アクセストランジスタN1およびドライバトランジスタN2はOFFしており、VccをVhに下げる直前は、ノードndの電位はデータ書き込み時のVcc=Va(例えば5V)にほぼ等しく、VccをVhに下げた直後から、記憶ノードndの“H”電位は高抵抗R1を介して、電源Vccへリークし始めて、タイミングt90で低電位Vh(例えば2V)にほぼ等しい電位まで下降して安定状態となる。
【0011】
ここで、図21では高抵抗負荷型のメモリセルを例示しているが、TFT負荷型も同様であり、高抵抗R1,R2の抵抗値は、スタンバイ電流を抑えるために、ギガオーダー以上の高抵抗値のものを使用している。
【0012】
【特許文献1】
特開平4−278300号公報(図1)
【特許文献2】
特開平5−290599号公報(図1)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような従来の構成では、メモリセル回路内の高抵抗R1,R2の抵抗値は、スタンバイ電流を抑えるためにギガオーダー以上に設定されているために、記憶ノードの“H”電位が高抵抗R1,R2を介して電源Vccへリークするリーク電流は微小となり、タイミングt1〜t90の時間はそれに応じて長くなる。
【0014】
即ち、データリテンション時に外部電源Vccを下げるときに、メモリセルの記憶ノードの“H”電位が下がるデータリテンション時間t1〜t90は、リーク電流が微小であることから、長くなる。データリテンションテストのテスト時間は、図20のt1〜t90で示すようにデータリテンション時間が大部分を占めており、データリテンション時間は数秒〜数十秒もの長さを要し、生産性において問題があった。
【0015】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、データリテンションテストにおいて、データリテンション時に外部電源を下げるのに応じてメモリセルの記憶ノードの“H”電位が下がる速度を速めることにより、データリテンション時間を短くすることを可能にし、データリテンションテストのテスト時間を短縮して、生産性を向上させることができるスタティック型半導体記憶装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によるスタティック型の半導体記憶装置は、2つの記憶ノードを有するラッチ回路と、これらの記憶ノードにそれぞれ接続されたアクセストランジスタ対とを有するスタティック型メモリセルと、アクセストランジスタにそれぞれ接続されたたビット線対と、アクセストランジスタ対に接続されたワード線と、ビット線の電位をイコライズするビット線イコライズ回路と、ワード線を選択するアドレス信号が入力されるアドレスバッファと、ビット線対に外部から入力されるデータに応じてビット線データを出力するライトドライバとを備え、半導体装置の動作を非活性化する信号および半導体装置をテストするテスト信号が入力されたときに、ビット線イコライズ信号を非活性化し、アドレスバッファおよびライトドライバを活性化する制御回路を備えることを特徴とする。上記構成により、データリテンション時にワード線を立ち上げてもメモリセルの保持データを破壊することなく、セル記憶ノードの高電位を速やかに下げることができ、リテンションテスト時間を短縮することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1乃至図18を用いて本発明の実施の形態について以下に説明する。なお、各図において共通する要素には同一の符号を付し、重複する説明については省略している。また、各図において、各種制御信号で上付線を付した信号、例えば、ライトイネーブル信号/WE、チップセレクト信号/CS等はLOWアクティブ信号であることを示し、例えばLレベルのときにデータが出力され、Hレベルのときに出力ディスエーブル状態となることを示すものとする。
【0018】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1について図1乃至図3を参照して以下に説明する。図1は本発明に係る半導体チップにおけるチップセレクト信号/CS、テスト信号TE、アドレス信号ADの生成を示す概略図、図2は本発明の実施の形態1に係るスタティック型半導体記憶装置の回路構成図、図3はその動作タイミング図を示す。
【0019】
図1に示す半導体チップにおいて、データリテンション時は、/CS=“H”かつTE=“H”とし、アドレス信号ADに応じてワード線を選択する。通常動作時は、/CS=“L”かつTE=“L”とし、アドレス信号ADに応じてワード線を選択する。スタンバイ時は、/CS=“H”かつTE=“L”とし、アドレス信号ADが変化してもワード線は選択されない。
【0020】
図2及び図3に示す本実施の形態1に係る回路構成と、図19に示す従来の構成との主な相違点は、本実施の形態では、ロウデコーダ11とカラムデコーダ12に入力する制御信号TMWC線を追加したことにより、それに応じてロウデコーダとカラムデコーダの構成を変えたことである。フリップフロップ構成の(MOSスタティック型)メモリセルアレイ10、カラムゲート回路13及びライトドライバー14の構成は従来構成と同様である。
【0021】
図2に示す回路構成において、ビット線イコライズ回路(BEC)はビット線の電位をイコライズする。アドレスバッファ8にはワード線を選択するアドレス信号が入力され、ライトドライバ14は、ビット線対に外部から入力されるデータに応じてビット線データを出力する。制御回路6は、半導体装置の動作を非活性化する信号および半導体装置をテストするテスト信号(TE)が入力されたときに、ビット線イコライズ回路を非活性化し、アドレスバッファ8およびライトドライバ14を活性化する
【0022】
図2に示すスタティック型半導体記憶装置の回路構成では、通常動作時は、/CS=“H”かつTE=“H”であり、ワード線の選択アドレスが変化する場合は、ワード線を選択する前にビット線・/ビット線の電位をイコライズするビット線イコライズ回路(BEC)が動作する。しかし、/CS=“H”かつTE=“H”のとき、ビット線イコライズ回路(BEC)の動作を制御回路により、動作を停止させる。これは、もし動作を停止させないと、ライトドライバによりビット線・/ビット線の電位を固定できないためである。
【0023】
図2及び図3を参照して、データリテンションテストによるデータリテンション時のチップ内部の動作について、以下に説明する。図中の回路のずべての素子の電源Vccは共通で、通常電源Vccにより供給されるものとする。先ず、タイミングt0以前(ライト動作工程)において通常電源Vccを動作保証電圧範囲内の高電位Va(例えば5V)に設定して全メモリセルに同一のデータを書き込む。このように、本実施の形態では、全メモリセルの保持データが同一であることを前提としている。
【0024】
次に、タイミングt0〜t1までの期間(モードセット期間)において、タイミングt0で外部信号/CS=“L”,/WE=“L”として書き込み状態にするとともに、外部信号DQのレベルを、全メモリセル(MC)に書き込んだデータに合わせた“H”または“L”の電位として入力する。これにより、内部信号CSW=“H”,WEL=“L”となり、ライトドライバー14に入力されるDINとWELの電位レベルに応じてIO、IOBの電位は決まり、ライトドライバー14内のPMOSトランジスタP1,P2を介して出力されるIO、IOBの電位は、全メモリセルに書き込んだデータに一致する相反の電位(“H”または“L”)となる。
【0025】
また、外部信号TMWCを“L”とし、内部信号CSWを“H”とすることにより、ロウデコーダ11を介して全ワード線WL0〜WLnが“H”になり、同様に、カラムデコーダ12を介して全カラム選択線CL0〜CLmが“H”となる。これにより、各ビット線対BIT0,BITB0〜BITm,BITBmに接続される全てのカラムゲート(13)をONさせた状態で、全メモリセルMC00〜MCnmの記憶ノード(nd,/nd)の一方に“H”、他方に“L”の相反の電位をライトドライバー14から供給する。
【0026】
次に、タイミングt1〜t5までの期間(リーク期間)では、チップ内部をデータリテンション状態にして、タイミングt1で電源電圧VccをVaからVh(例えば2V)に下げる。このとき、図21に示すメモリセルの記憶ノードndまたは/ndの“H”電位が、メモリセルのアクセストランジスタN1(またはN3)、ビット線(BIT)、カラムゲート13を介してライトドライバ14に接続され、ライトドライバ14のPMOSトランジスタ(P1またはP2)でONしている。
【0027】
従って、記憶ノードの“H”電位は、メモリセルの高抵抗R1またはR2を介することなく、内部信号IOまたはIOBに“H”電位を供給している方のPMOSトランジスタ(P1またはP2)を介して電源Vccにリークして、急速に記憶ノードの“H”電位を下げることができる。ただし、上記構成では、メモリセルのアクセストランジスタN1がNMOSであるので、低レベルの電源電圧Vcc=Vhよりもアクセストランジスタの閾値電圧Vth分だけ高い電位(Vh+Vth)までVaから下降している。
【0028】
次にタイミングt5〜t20までの期間(スタンバイ状態)においては、/CS,/WEを“H”にすることにより内部信号CSW=“L”,WEL=“H”となり、外部信号DQのレベルを任意に固定し、TMWC=“H”とすることにより、内部信号DIN,WEL,CL0〜CLmは所定の電位に固定され、これら所定の内部信号DIN,WELに基いて、ライトドライバー14から出力される内部信号IO,IOBも所定電位に固定されて、外部信号に応じて変化しない。
【0029】
即ち、CSW=“L”、TMWC=“H”により全ワード線WL0〜WLnおよびカラム選択線CL0〜CLmが“L”となり、全メモリセルMC00〜MCnmのアクセストランジスタ(N1,N3)がOFFしているので、メモリセルの記憶ノードの“H”電位(Vh+Vth)は、メモリセル内の高抵抗R1またはR2(図21参照)を介して、電源Vccへ穏やかにリークし、タイミングt20においてVcc=Vhの低電位で安定状態となる。
【0030】
以上のように、本実施の形態によれば、メモリセルの記憶ノードの“H”電位がVaから(Vh+Vth)まで急速に下がり、低電位で安定状態となるまでに要する時間を大幅に短縮することができる。これは、メモリセルの高抵抗R1、R2の抵抗値がギガオーダー以上であるのに対して、メモリセルのアクセストランジスタN1(またはN3)、ビット線(BIT)、カラムゲート13介して接続されたライトドライバー14へのリーク経路の抵抗値が数キロΩと小さく、リーク電流が大きくなることによる。
【0031】
これにより、データリテンションテストにおいて、データリテンション時に外部電源をVaからVhに下げるのに応じて、メモリセルの記憶ノードの“H”電位が下がる速度を速めることにより、データリテンション時間を短くすることを可能にし、データリテンションテストのテスト時間を短縮して、生産性を向上させることができる。
【0032】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2について図4乃び図5を参照して以下に説明する。図4は本発明の実施の形態2に係るスタティック型半導体記憶装置の回路構成図、図5はその動作タイミング図を示す。
【0033】
図4及び図5に示す本実施の形態2に係る回路構成と、図19に示す従来の構成との主な相違点は、ロウデコーダ11とカラムデコーダ12に入力する制御信号TMWC,TMWE1,TMWE2の制御信号線を追加したことにより、それに応じてロウデコーダとカラムデコーダの構成を変えたことである。メモリセルアレイ10、カラムゲート回路13及びライトドライバーの構成は従来構成と同様である。
【0034】
図4及び図5を参照して、データリテンションテストによるデータリテンション時のチップ内部の動作について、以下に説明する。図中の回路のずべての素子の電源は共通で、通常電源Vccにより供給されるものとする。先ず、タイミングt0以前(ライト動作工程)において通常電源Vccを動作保証電圧範囲内の高電位Va(例えば5V)に設定して全メモリセルにビット線方向で隣り合うセルが相反となるようにデータを書き込む。このように、本実施の形態では、書き込み後のデータが、タイミングt0時点でワード線WL0, 2, 4, ... , n−1に接続されたメモリセルと、ワード線WL1, 3, 5, ... , nに接続されたメモリセルとが相反のデータを保持しているとする。
【0035】
次に、タイミングt0〜t1までの期間(モードセット期間)において、タイミングt0で外部信号/CS=“L”,/WE=“L”として書き込み状態にするとともに、実施の形態1と同様に、外部信号DQの入力レベルに応じて、ライトドライバー14から出力される内部信号IO、IOBの電位は、相反の電位(“H”または“L”)となる。ここで、内部信号IO、IOBの電位は、ワード線WL0, 2, 4, ... , n−1に接続されたメモリセルの保持データと一致させるように外部信号DQを入力する。
【0036】
外部信号TMWCを“L”、TMWE1=“H”、TMWE2=“H”により、全ワード線WL0〜WLnが“L”になり、同様に、全カラム選択線CL0〜CLmが“H”となり、全メモリセルMC00〜MCnmのアクセストランジスタN1(またはN3)がOFF状態、全てのカラムゲートをON状態で、ライトドライバー14から全ビット線対BIT0,BITB0〜BITm,BITBmに、ワード線WL0, 2, 4, ... , n−1に接続されたメモリセルの保持データと一致する電位レベルの内部信号IO,IOBが出力される。
【0037】
次に、タイミングt1〜t5までの期間(第1のリーク期間)では、TMWE1=“L”にして、ワード線WL0, 2, 4, ... , n−1を“H”にして、メモリセルのアクセストランジスタN1(またはN3)をONにしている。これにより、ワード線WL0, 2, 4, ... , n−1に接続される全メモリセルの記憶ノードの “H”電位は、メモリセルの高抵抗R1またはR2を介することなく、ライトドライバー14へリークされ、急速に上記対応の記憶ノードの“H”電位を下げることができる。ただし、メモリセルのアクセストランジスタN1がNMOSであるので、低レベルの電源電圧Vcc=Vhよりもアクセストランジスタの閾値電圧Vth分だけ高い電位(Vh+Vth)までVaから急速に下降している。
【0038】
次に、タイミングt5〜t6までの期間では、外部信号TMWE1=“H”にして、全WL0〜WLn=“L”にして、全メモリセルMC00〜MCnmのアクセストランジスタN1(またはN3)がOFF状態で、外部信号DQの入力レベルを反転する。これにより、内部信号IO,IOBの電位は、ワード線WL1, 3, 5, ... , nに接続されたメモリセルの保持データと一致する電位レベルが出力される。
【0039】
次に、タイミングt6〜t11までの期間(第2のリーク期間)では、外部信号TMWE2=“L”にして、ワード線WL1, 3, 5, ... , n =“H”にして、対応メモリセルのアクセストランジスタN1(またはN3)をONにする。これにより、ワード線WL1, 3, 5, ... , nに接続される全メモリセルの記憶ノードの “H”電位は、メモリセルの高抵抗R1またはR2を介することなく、ライトドライバー14へリークされ、急速に上記対応の記憶ノードの“H”電位を下げることができる。ただし、メモリセルのアクセストランジスタN1がNMOSであるので、低レベルの電源電圧Vcc=Vhよりもアクセストランジスタの閾値電圧Vth分だけ高い電位(Vh+Vth)までVaから急速に下降している。
【0040】
次にタイミングt11〜t30までの期間(スタンバイ状態)においては、/CS,/WEを“H”にすることにより内部信号CSW=“L”,WEL=“H”となり、外部信号DQのレベルを任意に固定し、TMWC=“H”、TMWE1=“H”、TMWE2=“H”により、内部信号DIN,WEL,CL0〜CLmは所定の電位に固定され、これら所定の内部信号DIN,WELに基いて、ライトドライバー14か出力される内部信号IO,IOBも所定電位に固定され、外部信号に応じて変化しない。
【0041】
このとき、全ワード線WL0〜WLnおよびカラム選択線CL0〜CLmが“L”となり、全メモリセルMC00〜MCnmのアクセストランジスタ(N1,N3)がOFFしているので、メモリセルの記憶ノードの“H”電位(Vh+Vth)は、メモリセルの高抵抗R1またはR2(図21参照)を介して、電源Vccへ穏やかにリークし、タイミングt30においてVcc=Vhの低電位で安定状態となる。
【0042】
以上のように、本実施の形態によれば、実施の形態1と同様の効果があり、さらに、実施の形態1では全メモリセルの保持データが同一の場合に限定されるのに対して、本実施の形態では、ビット線方向で隣り合うメモリセルが相反のデータを保持する場合も、メモリセルの記憶ノードの“H”電位を急速にリークすることができるとともに、全メモリセルの保持データが同一の場合も、実施の形態1と同等の効果が得られる。
【0043】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3について図6乃び図7を参照して以下に説明する。図6は本発明の実施の形態3に係るスタティック型半導体記憶装置の回路構成図、図7はその動作タイミング図を示す。
【0044】
図6及び図7に示す本実施の形態3に係る回路構成と、図19に示す従来の構成との主な相違点は、ロウデコーダ11とカラムデコーダ12に入力する制御信号TMWC,TMWE,TMDRの制御信号線を追加し、さらにライトドライバーを1つ追加したことである。メモリセルアレイ10、カラムゲート回路13及びライトドライバーの構成は従来構成と同様である。
【0045】
図6及び図7を参照して、データリテンションテストによるデータリテンション時のチップ内部の動作について、以下に説明する。図中の回路のずべての素子の電源は共通で、通常電源Vccにより供給されるものとする。タイミングt0以前(ライト動作工程)において通常電源Vccを動作保証電圧範囲内の高電位Va(例えば5V)に設定して全メモリセルにワード線方向で隣り合うセルが相反となるようにデータを書き込む。このように、本実施の形態では、書き込み後のデータが、タイミングt0時点でビット線BIT0, 2, 4, ... , m−1に接続されたメモリセルと、ビット線BIT1, 3, 5, ... , m に接続されたメモリセルとが相反のデータを保持しているとする。
【0046】
先ず、ライトドライバー系の回路構成とその動作について説明する。通常のデータ書き込み(通常ライト)時は、外部信号TMDR=“H”にして、トランスファーゲートTG1をONに、TG2をOFFにして、内部信号DINに応じて、第1ライトドライバー14’及び第2ライトドライバー14ともにこれらの出力端子OUT1,OUT2に同じ電位を出力する。第1ライトドライバー14’の出力は、内部信号線IO1,IOB1に接続され、さらに内部信号線IO1,IOB1はカラムゲート13を介してビット線BIT0, 2, 4, ... , m−1に接続されている。
【0047】
一方、第2ライトドライバー14の出力は、内部信号線IO2,IOB2に接続され、さらに内部信号線IO2,IOB2はカラムゲート13を介してビット線BIT1, 3, 5, ... , m に接続されている。このように、通常ライト動作は外部信号TMDR=“H”にすることで従来と同様である。
【0048】
外部信号TMDR=“L”にすると、メモリセルの記憶ノードの“H”電位を高速でリークさせるためのテストモードになり、トランスファーゲートTG1をOFFに、TG2をONにして、内部信号DINに応じて、第1ライトドライバー14’は信号線IO1,IOB1に、通常とは相反の電位を出力し、第2ライトドライバー14は信号線IO2,IOB2に通常と同じ電位を出力する。
【0049】
次に、タイミングt0〜t1までの期間(モードセット期間)において、タイミングt0で外部信号/CS=“L”,/WE=“L”として書き込み状態にするとともに、ビット線BIT1, 3, 5, ... , m に接続されたメモリセルの保持データと一致させるように外部信号DQを入力する。これと同時に、外部信号TMDR=“L”によりテストモードになり、第1ライトドライバー14’から信号線IO1,IOB1に、ビット線BIT0, 2, 4, ... , m−1に接続されているメモリセルの保持データと一致する電位が出力され、第2ライトドライバー14から信号線IO2,IOB2に、ビット線BIT1, 3, 5, ... , mに接続されているメモリセルの保持データと一致する電位が出力される。
【0050】
外部制御信号TMWC=“L”,TMWE=“H”により、全ワード線WL0〜WLnが“L”になり、同様に、全カラム選択線CL0〜CLmが“H”となり、全メモリセルMC00〜MCnmのアクセストランジスタがOFF状態、全てのカラムゲートをON状態で、ライトドライバー14、14’から全ビット線対BIT0,BITB0〜BITm,BITBmに、全メモリセルの保持データと一致する電位レベルの内部信号IO,IOBが出力される。
【0051】
次に、タイミングt1〜t5までの期間(リーク期間)では、外部信号TMWE=“L”にして、全ワード線WL0〜nを“H”にして、メモリセルのアクセストランジスタN1(またはN3)をONにしている。これにより、全メモリセルの記憶ノードの “H”電位は、メモリセルの高抵抗R1またはR2を介することなく、第1及び第2ライトドライバー14’、14へリークされ、急速に記憶ノードの“H”電位を下げることができる。ただし、メモリセルのアクセストランジスタN1がNMOSであるので、低レベルの電源電圧Vcc=Vhよりもアクセストランジスタの閾値電圧Vth分だけ高い電位(Vh+Vth)までVaから急速に下降している。
【0052】
次にタイミングt5〜t20までの期間(スタンバイ状態)においては、/CS,/WEを“H”により内部信号CSW=“L”,WEL=“H”となり、外部信号DQのレベルを任意に固定し、TMWC=“H”、TMWE=“H”により、全ワード線WL0〜WLnおよびカラム選択線CL0〜CLmが“L”となり、全メモリセルMC00〜MCnmのアクセストランジスタ(N1,N3)がOFFしているので、メモリセルの記憶ノードの“H”電位(Vh+Vth)は、メモリセルの高抵抗R1またはR2(図21参照)を介して、電源Vccへ穏やかにリークし、タイミングt20においてVcc=Vhの低電位で安定状態となる。
【0053】
以上のように、本実施の形態によれば、実施の形態1と同様の効果があり、さらに、実施の形態1では全メモリセルの保持データが同一の場合に限定されるのに対して、本実施の形態では、ワード線方向で隣り合うメモリセルが相反のデータを保持する場合も、メモリセルの記憶ノードの“H”電位を急速にリークすることができるとともに、全メモリセルの保持データが同一の場合も、実施の形態1と同等の効果が得られる。
【0054】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4について図8乃び図9を参照して以下に説明する。図8は本発明の実施の形態4に係るスタティック型半導体記憶装置の回路構成図、図9はその動作タイミング図を示す。
【0055】
図8及び図9に示す本実施の形態4に係る回路構成は、図4に示す実施の形態2と図6に示す実施の形態3とを組み合わせた構成であり、データリテンション時のチップ内部の動作も同様であるので、その詳細な説明は省略する。本実施の形態によれば、実施の形態1、2,3と同様の効果があり、さらに、ワード線方向、及びビット線方向で隣り合うメモリセルが相反のデータを保持(チェッカー模様のデータを保持)する場合も、メモリセルの記憶ノードの“H”電位を急速にリークすることができる。
【0056】
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5について図10乃び図11を参照して以下に説明する。図10は本発明の実施の形態5に係るスタティック型半導体記憶装置の回路構成図、図11はその動作タイミング図を示す。
【0057】
図10に示す本実施の形態5に係る回路構成は、図2に示す実施の形態1の構成に対して、電源を通常電源Vcc 以外にメモリセル及びライトドライバー専用の電源VccM を追加して2電源構成としたことが相違点であり、データリテンション時のチップ内部の動作も同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0058】
本実施の形態5によれば、データリテンションテストでは、メモリセル用の電源VccM だけを下げればよい。即ち、VccMは、タイミングt1からデータリテンション完了のタイミングt10 までVccM=Vhとしている。よって、通常電源Vcc のレベルをライト動作時のレベルVaのままとすることにより、メモリセルのアクセストランジスタのゲートへの入力ワード線のレベルがメモリセル用の電源VccM=Vh より高い電位Va にすることができる。よって、Va>Vh+Vth (Vthはアクセストランジスタの閾値)であれば、タイミングt1〜t5までの期間(リーク期間)において、ライトドライバーへのリークによりメモリセルの記憶ノードの“H”電位を急速にVh まで下げることができる。
【0059】
以上のように、本実施の形態によれば、実施の形態1よりもさらに速くメモリセルの記憶ノードの“H”電位をVh まで下げ、データリテンション時間を短縮することができる。また、実施の形態2,3,4に2電源構成を適用した場合も同様の効果が得られる。
【0060】
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6について図12を参照して以下に説明する。図12は本発明の実施の形態6に係るスタティック型半導体記憶装置の回路構成図を示す。
図12に示す本実施の形態6に係る回路構成は、図10に示す実施の形態5の構成に対して、メモリセル及びライトドライバー専用の電源VccM をさらに分けて、メモリセル専用のVccMとライトドライバー専用の電源VccB を設け、3電源構成としたことが相違点であり、データリテンション時のチップ内部の動作も同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0061】
本実施の形態6によれば、図11に示した実施の形態5における動作タイミングにおいて、ライトドライバー専用の電源VccB は、図11に示したメモリセル及びライトドライバー専用の電源VccMと同様に電位供給させ、本実施の形態6のメモリセル専用のVccMは、タイミングt0 以前のライト動作時からデータリテンション完了のタイミングt10 までVccM=Vhとしておく。これにより、各メモリセルで、ライト動作直後はメモリセルの記憶ノードの“H”電位は、ライトドライバーの“H”電位=Va からアクセストランジスタのVth 分下がったレベル(Va−Vth)になる。
【0062】
従って、アクセストランジスタがOFFした後、そのままにしておくと、VccM=Va の場合は、VccMからメモリセルの高抵抗を介して電位供給され、(Va−Vth)からVa まで上昇していくが、VccM=Vh としておくと、(Va−Vth)からVh まで下がっていく。
【0063】
以上のように、本実施の形態によれば、実施の形態5よりもさらに速くメモリセルの記憶ノードの“H”電位をVh まで下げ、データリテンション時間を短縮することができる。また、実施の形態2,3,4に本実施の形態の3電源構成を適用した場合も同様の効果が得られる。
【0064】
(実施の形態7)
本発明の実施の形態7について図13を参照して以下に説明する。図13は本発明の実施の形態7に係るスタティック型半導体記憶装置の動作タイミング図を示す。
【0065】
本実施の形態7は、図10及び図11に示す実施の形態5の構成において、Va<Vh+Vth (Vthはアクセストランジスタの閾値)の場合には、タイミングt1〜t5までの期間(リーク期間)において、アクセストランジスタがONしないので、ライトドライバーへのリークができず、メモリセルの記憶ノードの“H”電位を急速にVh まで下げることができない。
【0066】
このような場合に、本実施の形態7では、図13に示すように、通常電源Vccをライト動作後にVx (ここで、Vx<Vh+Vth)に上げることにより、アクセストランジスタをONさせることができる。
【0067】
以上のように、本実施の形態によれば、メモリセル以外の素子に供給する電源Vccについて、ライト動作時の電位Vaよりも、メモリセルの記憶ノードの“H”電位を急速にリークさせる時の電位を高く(Vx)することにより、Va<Vh+Vthの場合であっても、実施の形態5と同様の効果が得られる。
【0068】
(実施の形態8)
本発明の実施の形態8について図14を参照して以下に説明する。図14は本発明の実施の形態8に係るスタティック型半導体記憶装置の回路構成図を示す。
図14に示す本実施の形態8に係る回路構成は、図2に示す実施の形態1の構成に対して、各ビット線対にPMOSクロスカップルのビット線負荷回路15を追加したことが相違点であり、データリテンション時のチップ内部の動作も同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0069】
本実施の形態8によれば、ライトドライバーへのリークによりメモリセルの記憶ノードの“H”電位を急速に下げる時に、各ビット線対の“H”電位側にドレインが接続されたビット線負荷回路15のPMOSはONしており、クロスカップル型にした他方のPMOSはOFFしている状態となり、ライトドライバーへのリークに加えて、上記ビット線負荷回路15のPMOSを介して記憶ノードの“H”電位はリークする。
【0070】
以上のように、本実施の形態によれば、実施の形態1よりもさらに速くメモリセルの記憶ノードの“H”電位を下げ、データリテンション時間を短縮することができる。また、実施の形態2,3,4に上記ビット線負荷回路15のPMOSを適用した場合も同様の効果が得られる。
【0071】
(実施の形態9)
本発明の実施の形態9について図15を参照して以下に説明する。図15は本発明の実施の形態9に係るスタティック型半導体記憶装置の回路構成図を示す。
図15に示す本実施の形態9に係る回路構成は、図2に示す実施の形態1の構成に対して、昇圧回路16を追加し、外部電源電圧Vccより高い電位VccFをロウデコーダ11及びカラムデコーダ12の電源として供給するように構成している。
【0072】
上記のように構成したことにより、各メモリセルのアクセストランジスタのゲート電圧及びカラムゲート13のNMOSゲート電圧を高めて、メモリセルの記憶ノードの“H”電位をリークさせる時のリーク電流を上げて、記憶ノードの“H”電位をより速く下げることができる。
【0073】
また、昇圧回路16による電位VccFを(Vcc+Vth)以上にしておくことにより、メモリセルの記憶ノードの“H”電位をVhまでライトドライバー14へのリークにより下げることができる。
【0074】
以上のように、本実施の形態によれば、実施の形態1よりもさらに速くメモリセルの記憶ノードの“H”電位を下げ、データリテンション時間を短縮することができる。また、実施の形態2,3,4に上記昇圧回路16による電位VccFを適用した場合も同様の効果が得られる。
【0075】
(実施の形態10)
本発明の実施の形態10について図16、図17乃び図18を参照して以下に説明する。図16は本発明の実施の形態10に係るスタティック型半導体記憶装置の回路構成図、図17はその動作タイミング図、図18は図17の回路構成に含まれるラッチ回路構成を示す。
【0076】
図16及び図17に示す本実施の形態の回路構成と、図19に示す従来の構成との主な相違点は、本実施の形態では、ロウデコーダ11に入力する制御信号TMWDの制御信号線を追加し、さらに各ビット線対に制御信号TMLで制御するデータラッチ回路0〜mを追加したことである。
【0077】
また、ビット線イコライザー17を設け、ビット線イコライザー17を制御信号TMLにより非活性状態とすることができるようにしている。ビット線イコライザー17は、アドレス変化に応じて発生されるATDパルスの発生期間中にビット線イコライザー内のPMOSがONしてビット線対BITとBITBをショートさせ、ビット線対に電源電位Vccを供給するものである。各ラッチ回路は、図18に示すように、クロスカップル型PMOS及びNMOSトランジスタを有し、外部制御信号TML(TMLB)により制御動作される。
【0078】
タイミングt0以前(ライト動作工程)において通常電源Vccを動作保証電圧範囲内の高電位Vaに設定して各メモリセルに任意のデータを書き込む。このように、本実施の形態では、書き込み後のデータが、タイミングt0時点で各メモリセルが任意のデータを保持していることを前提とする。
【0079】
タイミングt0〜t1までの期間(モードセット期間)において、タイミングt0では外部信号/CS=“L”(固定),/WE=“H”で、外部制御信号TMWD=“L”とすることにより、全ワード線WL0〜WLnが“L”とし、全メモリセルMC00〜MCnmのアクセストランジスタをOFF状態とする。外部制御信号TMLを“H”として各ラッチ回路0〜mを活性状態にし、ビット線イコライザー17を非活性状態にする。
【0080】
タイミングt1〜t2までの期間において、外部信号/CS=“L”の状態で、/WE=“L”として書き込み状態とし、メモリセルMC00の保持データと一致させるように外部信号DQを入力する。外部アドレス入力により、カラム選択線CL0=“H”,CL1〜CLm=“L”とし、メモリセルMC00が接続されるビット線対BIT0,BITB0に接続されるカラムゲート(図中左端)をONとする。このとき他のカラムゲートはOFF状態である。
【0081】
ライトドライバー14により、ラッチ回路0にメモリセルMC00の保持データと同じデータが書き込まれる。これにより、ビット線対BIT0,BITB0に接続されるカラムゲートがOFFになった場合でも、外部制御信号TML=“H”で各ラッチ回路0〜mを活性状態にしている間は、ラッチ回路0からビット線対BIT0,BITB0にメモリセルMC00の保持データに一致する電位が出力されることになる。
【0082】
次に、タイミングt2〜t3までの期間では、タイミングt1〜t2までの期間と同じ要領で、ラッチ回路1にメモリセルMC01の保持データと同じデータが書き込まれる。このようにして、タイミングt11までのデータラッチ期間、順次、ワード線WL0に接続されるメモリセルMC00, 01, 02, …, 0mのそれぞれラッチ回路0〜mに書き込んでいく。この書き込みの際にアドレスを変化させるので、ビット線イコライザーを活性状態にしておくと、イコライズしたときに、すでにラッチ回路に書き込んだデータが反転してしまう可能性がある。これを防ぐために、ビット線イコライザーを非活性状態にしておくことが必要である。
【0083】
次に、タイミングt11〜t12までの期間(リーク期間)においては、外部信号TMWD=“H”にして、ワード線WL0を“H”にし他のワード線は“L”として、ワード線WL0に接続されるメモリセルMC00, 01, 02, …, 0mのアクセストランジスタN1(またはN3)をONにしている。これにより、各メモリセルの記憶ノードの “H”電位は、ラッチ回路を介してリークし、低電位Vhまで急速に下げられる。ただし、記憶ノードの “H”電位を低電位Vhまで下げるには、Va>Vh+Vth (Vthはアクセストランジスタの閾値)にする必要がある。
【0084】
このように、タイミングt1〜t12までの期間は、ワード線WL0に接続されるメモリセルMC00, 01, 02, …, 0mの記憶ノードの “H”電位をリークさせるサイクルといえる。タイミングt1〜t12までの期間と同じ要領でワード線WL1〜nまで、順次、各メモリセルの記憶ノードの “H”電位をリークさせていく。
【0085】
以上のように、本実施の形態によれば、実施の形態5の効果を含み、実施の形態1〜4と同様の効果があり、さらに、本実施の形態では、各メモリセルがいかなるデータを保持する場合でも、メモリセルの記憶ノードの“H”電位を急速にリークすることができる。また、実施の形態6〜9の効果を含めることにより、さらに、記憶ノードの“H”電位のリークを速めることもできる。
【0086】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、メモリセルの記憶ノードの“H”電位が急速に下がり、低電位で安定状態となるまでに要する時間を大幅に短縮することができ、データリテンションテストにおいて、データリテンション時間を短くすることを可能にし、生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体チップにおける各種信号を示す概略図。
【図2】本発明の実施の形態1に係るスタティック型半導体記憶装置の回路構成図。
【図3】図2に示す回路構成の動作タイミングチャート。
【図4】本発明の実施の形態2に係るスタティック型半導体記憶装置の回路構成図。
【図5】図3に示す回路構成の動作タイミングチャート。
【図6】本発明の実施の形態3に係るスタティック型半導体記憶装置の回路構成図。
【図7】図6に示す回路構成の動作タイミングチャート。
【図8】本発明の実施の形態4に係るスタティック型半導体記憶装置の回路構成図。
【図9】図8に示す回路構成の動作タイミングチャート。
【図10】本発明の実施の形態5に係るスタティック型半導体記憶装置の回路構成図。
【図11】図10に示す回路構成の動作タイミングチャート。
【図12】本発明の実施の形態6に係るスタティック型半導体記憶装置の回路構成図。
【図13】本発明の実施の形態7に係るスタティック型半導体記憶装置の動作タイミングチャート。
【図14】本発明の実施の形態8に係るスタティック型半導体記憶装置の回路構成図。
【図15】本発明の実施の形態9に係るスタティック型半導体記憶装置の回路構成図。
【図16】本発明の実施の形態10に係るスタティック型半導体記憶装置の回路構成図。
【図17】図16に示す回路構成の動作タイミングチャート。
【図18】本発明の実施の形態で使用されるラッチ回路の構成図。
【図19】従来のスタティック型半導体記憶装置の回路構成図。
【図20】図19に示す従来の回路構成の動作タイミングチャート。
【図21】メモリセルの回路構成図。
【符号の説明】
10 メモリセルアレイ、 11 ロウデコーダ、 12 カラムデコーダ、 13 カラムゲート、 14 ライトドライバー、 15 ビット線負荷回路、 16 昇圧回路、 17 ビット線イコライザー、 MCメモリセル、 BIT ビット線、 WL ワード線、 CL カラム線、 Vcc 電源電圧
Claims (14)
- 2つの記憶ノードを有するラッチ回路と、これらの記憶ノードにそれぞれ接続されたアクセストランジスタ対とを有するスタティック型メモリセルと、
前記アクセストランジスタにそれぞれ接続されたたビット線対と、
前記アクセストランジスタ対に接続されたワード線と、
前記ビット線の電位をイコライズするビット線イコライズ回路と、
前記ワード線を選択するアドレス信号が入力されるアドレスバッファと、
前記ビット線対に外部から入力されるデータに応じてビット線データを出力するライトドライバと、
半導体装置の動作を非活性化する信号および前記半導体装置をテストするテスト信号が入力されたときに、前記ビット線イコライズ回路を非活性化し、前記アドレスバッファおよび前記ライトドライバを活性化する制御回路とを備える半導体記憶装置。 - 前記非活性化する信号および前記テスト信号が入力されたときに、前記制御回路により、前記ワード線を選択するワード線選択回路に複数の前記ワード線を選択させる請求項1に記載の半導体記憶装置。
- 前記非活性化する信号および前記テスト信号が入力されたときに、前記制御回路により、前記ワード線を選択するワード線選択回路に全てのワード線中の半分のワード線を選択させる請求項1に記載の半導体記憶装置。
- 前記制御回路により、前記ワード線を選択するワード線選択回路に複数の前記ワード線を選択させる時に、全ビット線中の半分のビット線の電位と、もう一方の半分のビット線の電位を相反の電位とした請求項2記載の半導体記憶装置。
- 前記制御回路により、前記ワード線を選択するワード線選択回路に全てのワード線中の半分のワード線を選択させる時に、全ビット線中の半分のビット線の電位と、もう一方の半分のビット線の電位を相反の電位とした請求項1記載の半導体記憶装置。
- 前記全てのワード線を非選択とし、データリテンション状態を維持しながら、外部からのデータ入力に応じて、ビット線対の電位を変化させる請求項1記載の半導体記憶装置。
- 前記メモリセルに供給する第1の電源と、上記以外の素子に供給する第2の電源との2つの電源を有する請求項1記載の半導体記憶装置。
- 前記メモリセルに供給する第1の電源と、前記メモリセルの記憶ノードからのリーク電流が流れ込む第2の電源と、上記以外の素子に供給する第3の電源との3つの電源を有する請求項1記載の半導体記憶装置。
- 前記第2または第3の電源から電圧供給されるワード線およびカラム選択線への電位出力ドライバーを備え、前記メモリセルの記憶ノードの高電位をリークさせる時の前記第2または第3の電源電位は、前記メモリセルへのデータ書き込み時の電位よりも高くした請求項7または8記載の半導体記憶装置。
- 前記ビット線対にPMOSクロスカップル負荷を接続し、該PMOSクロスカップル負荷を介して前記メモリセルの記憶ノードの高電位をリークさせる請求項1記載の半導体記憶装置。
- チップ内部に昇圧回路を備え、前記外部電源より高い電位を前記メモリセルのアクセストランジスタのゲートに与えて、前記メモリセルの記憶ノードの高電位をリークさせる時の前記アクセストランジスタのリーク電流を大きくした請求項1記載の半導体記憶装置。
- 前記ビット線に接続されるカラムゲートを介して、前記メモリセルの記憶ノードの高電位をリークさせ、チップ内部に昇圧回路を備えることにより、外部電源より高い電位を前記カラムゲートのNMOSトランジスタのゲートに与えて、前記メモリセルの記憶ノードの高電位をリークさせる時の前記カラムゲートのNMOSトランジスタのリーク電流を大きくした請求項1記載の半導体記憶装置。
- 前記ビット線対に前記ラッチ回路を接続し、該ラッチ回路は前記ビット線対の一方に高電位を、他方に低電位を出力し、前記ラッチ回路を介して前記メモリセルの記憶ノードの高電位をリークさせる請求項1記載の半導体記憶装置。
- 各ビット線対に接続される前記ラッチ回路に、カラムゲートを介して、順次データを書き込んでいくときに、外部アドレス入力によりカラムゲート選択時に、アドレス変化に応じて一定期間に前記ビット線対をイコライズする動作を非活性にし、前記ラッチ回路に書き込んだデータをビット線イコライズにより反転させないようにする請求項13記載の半導体記憶装置。
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---|---|---|---|
JP2003091237A JP2004303283A (ja) | 2003-03-28 | 2003-03-28 | 半導体記憶装置 |
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2003
- 2003-03-28 JP JP2003091237A patent/JP2004303283A/ja active Pending
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