JP2004302269A - 光回折構造による隠しパターン及びその判別具。 - Google Patents

光回折構造による隠しパターン及びその判別具。 Download PDF

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Abstract

【課題】偽造防止効果が大で、目視手段による判別が極めて困難で、複製が困難な隠しパターン、及びその判別具を提供するものである。
【解決手段】前記課題の目的を達成するために、基体の平坦部に形成された回折格子による判別困難なパターン(隠しパターン)と判別可能なパターンを含む光回折構造であって、前記判別困難なパターンと前記判別可能なパターンの一方が、対を成す2本の帯の集合体である縞で形成された場合は、他方は規則的に配列された複数のドットで形成されることを特徴とする光回折構造による隠しパターン及び前記隠しパターンの判別具を提供する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通常の視認状態で判別が困難な光回折構造による隠しパターン及びその判別具に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、カラーコピー機による高額紙幣や商品券の偽造事件が頻発している。
そのために、高額紙幣や商品券は、デザインの一部にカラーコピー機のセンサーでは読み取ることができない小さな網点や細線を、同じ反射濃度でデザインされた絵柄の中に組み込んでいる。その結果、これらの高額紙幣や商品券をカラーコピー機によって複写しようとすると、コピー機のスキャナーが小さな網点や細線を読み落とし、その部分が白く抜けることでコピー品であると判別している。
【0003】
また、印刷物のデザインの一部に光り輝く金属部分を設けることによりコピー品を判別する方法も実施されている。
このような金属部分は、入射光を正反射するためにコピー機はこの部分を黒に再現する。例えば、紙の表層に金糸を縫い付け、コピー牽制を行っている。
【0004】
その他、透明な樹脂で複製した光回折構造の凹凸面に蒸着等によって金属の反射面を形成し、印刷エリアの一部に熱転写し、複写機によるコピーを牽制している。
光回折構造は、高度な製造技術を必要とするために、金券類の偽造防止手段としてしばしば使用されている。
しかし、近年光回折構造に近い技術が出現し、光回折構造と近似の効果を再現できるようになった。
そこで、このような近似技術をチェックするために光回折構造の中に判別困難な隠しパターンを組み込んで真偽判別の手段として使用する技術が開示されている(例えば特許文献1参照)。
しかし、上記開示された技術は、隠しパターンを形成した部分が見る角度によって微かに判別されてしまうという課題があった。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−277962号公報
【0006】
【発明が解決しょうとする課題】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、偽造防止効果が大で、目視手段による判別が極めて困難で、複製が困難な隠しパターン、及びその判別具を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題の目的を達成するために、本発明の光回折構造による隠しパターンの請求項1に記載の発明は、基体の平坦部に形成された回折格子による判別困難なパターン(隠しパターン)と判別可能なパターンを含む光回折構造であって、
前記判別困難なパターンと前記判別可能なパターンの一方が、対を成す2本の帯の集合体である縞で形成された場合は、他方は規則的に配列された複数のドットで形成されることを特徴とするものである。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、判別困難なパターンは、前記判別可能なパターンの一部を覆うように形成されることを特徴とするものである。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1〜2いずれか1項に記載の発明において縞の一方の帯、または前記複数のドットの1つに形成された回折格子は、他方の帯または、隣り合うドットに形成された回折格子と、ピッチ、回折角度の少なくとも1つが異なることを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3何れか1項に記載の発明において、縞の幅は、0.2mm以下であることを特徴とするものである
【0011】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜4何れか1項に記載の発明において、ドットの幅は、前記帯の幅に近似であることを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5に記載の光回折構造による隠しパターンを判別する判別具であって、平行な直線が判別可能なパターン、判別困難なパターンの何れか1つのパターンの縞のピッチと近似のピッチで透明な基体上に形成されたことを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の光回折構造による隠しパターン及び判別具について説明する。
図1は、本発明の隠しパターンを有する光回折構造を転写した印刷物の一例とその判別具について説明するための図、図2は、判別具によって隠しパターンを生成した一実施形態について説明するための図、図3は、図1の全体領域の一部の拡大図、図4は、図3の一部領域の拡大模式図、図5は、図4に示す部分領域の回折角度と組込み角度の1例について説明するための図、図6は、対を成す2本の帯の集合体について説明するための図、図7は、縞の密度について説明するための図、図8は、ドットの一実施形態について説明するための図、図10は、縁取りの一実施形態、図11は、隠しパターンを判別具によって判別する状態を説明するための図、図12は、判別パターンの一実施形態について説明するための図、図13は、図1のA−A線断面図、である。
【0014】
図1において、基体5の右下部分に光回折構造が形成されている。
光回折構造は、デザイン要素を含んでいるが真偽判別要素も含んでおり、判別し易いように基体の平らな部分に形成されている。
基体5は、紙、金属、プラスチック等さまざまである。
光回折構造による全体領域4には、背景パターン2に組込まれ、通常状態で判別可能なパターン(以下可視パターンという。)3−1、3−2と、判別困難なパターン1(以下隠しパターンという。)が形成されている。
【0015】
図1に示す実施形態の可視パターン3−1は、クレジットカードであれば、例えば会社のロゴとして“ABC”の文字が形成され、やはり前記可視パターン3−2として、カードのアプリケーション名である“CREDIT”が通常の状態で見えるように形成されている。
また、図1では、可視パターン3−2のエリアに、図2で説明する判別具6を翳すと判別可能になる隠しパターン1“10/02”が組み込まれている。
従来技術では、このような隠しパターンが実用される場合は、可視パターン3−2の文字“CREDIT”が形成されている外側に独立したエリアを設けて、可視パターン3−2の文字“CREDIT”を避けて形成する方法によっていた。
このような方法では、光回折構造の形成エリアとして広いエリアを必要とし、そのいずれかが偽造牽制エリアであると判断され易く、偽造の手がかりを与えてしまうという問題があった。
【0016】
図2を参照して、隠しパターンの判別方法について説明する。
図2の実施の形態では、基体5の表面に熱転写等の方法によって光回折構造が形成されている。光回折構造形成エリアは、そのままの状態では図1に示すように単なる目視可能な“ABC”のロゴや、“CREDIT”の文字が表示された“ABC CREDIT”のデザインエリアとして認識される。
そこに判別具6が翳されると、可視パターン3−2である“CREDIT”のエリアに、隠しパターン1として、“10/02”なる数字が現れる。
この数字は、この基体、例えばクレジットカードが “10/02”即ち2002年の10月に製造されたロットであることがわかり、カード自体に問題が発生したときに役立てることができる。
【0017】
可視パターン3−1のロゴ“ABC”は、判別具6を翳した際に判別具に生成されるようにすることもできる。
【0018】
図3、図4、図5を参照して本発明の可視パターンと、判別困難なパターンで形成される回折格子の1実施形態について説明する。
図3に示すパターンは、図1の全体領域の一部の拡大図であるが、可視パターン3−2の“C”と、“R”が、隠しパターン1の“10”の“0”に重なって形成されていることを示している。
図4は、図3の可視パターン3−2と隠しパターン1の重なり部分の更に一部を拡大したものであるが、可視パターン3−2の “R”320の左側、可視パターンの一部パターン321が、隠しパターン120と重なっている様子がわかる。
光回折構造4は、通常目視の状態では、図1のように見えているが、図1に判別具を重ねる(翳す)と図2の状態に見える。
即ち、図2の、“10”の“0”の部分は、判別具を重ねると、可視パターンの一部パターン321が消えて、隠しパターン1(120)に置き換えられて表示される。
【0019】
図5に示す表のデータは、図4における背景パターン200、隠しパターン120、可視パターン320、可視パターンの部分パターン321がそれぞれどのような回折角度で形成され、どのような組み込み角度で組み込まれているかを示している。
ここでいう組み込み角度とは、同一方向の縞、または、縞状配列で構成された集団をパターン化して、他の絵柄に組み込んだときに、縞がある基準線に対して何度の角度になっているかを示す角度である。
【0020】
図4と図5を参照して、可視パターンの部分パターン321が、判別具を使用しない状態で、可視状態になる理由について説明する。
ここでは、背景パターン200に同化している状態では不可視、同化していない状態では可視状態であるとする。
【0021】
図5において、縞状要素(縞そのもの、及び縞状を成すドットの集合体)で形成されているパターンのうち、背景パターン200と回折角度が同一の場合は、背景パターンに同化されて不可視の状態になっている。
即ち、背景パターン200は、隠しパターン120と回折格子の回折角度が共通で0°と30°の帯状(図8、図9で説明する)の集団で、可視パターン320と可視パターンの部分パターン321は回折格子の回折角度が共通で45°と75°の縞状の要素で構成されている。
これら、回折格子は何れも回折格子のピッチは同一で、回折角度が上記のように異なっている。
【0022】
一方、組み込み角度で見た場合、組み込み角度が45°の部分と135°部分に分かれていることが判る。
即ち、判別具を重ねた状態では、回折角度の違いで可視パターンと隠しパターンを区別して視認しているのである。
即ち、組込み角度は、背景パターン200と可視パターン320は同一で135°、隠しパターン120と可視パターンの部分パターン321は同一で45°となっている。
【0023】
次に、図6を参照して縞の構成について説明する。
縞(1対の帯)1400は、光回折構造が形成された2つの帯(帯1200と、帯1300)で構成されている。
帯1200は、帯1300に対し、回折角度、ピッチの少なくとも1つが異なった回折格子で形成されている。例えば、図6は、帯1200は、回折格子の回折角度が右下がりで形成され、帯1300は回折格子の回折角度が右上がりで形成されている。
このように、異なった回折角度、または、ピッチで形成された回折格子の2本の帯が対を成して縞を形成し、光回折構造を形作り、判別可能パターン、判別困難なパターンを形成している。
【0024】
前述の縞を構成する帯の密度は、隠し効果を高めるために図7に示すように、1対の帯、即ち縞1400の本数を1mmの中に5本以上とすることが好ましいことが発明者の実験で判明した。
縞の本数を細かくする目的は、隠しパターンを視認し難くするため、また光回折構造全体の精細度を高めるため、また、判別パターンによる判別を容易にするためである。
上限本数に関しては、回折格子を構成する構成単位の幅、長さなどの関連もあり、発明者は特に限定していない。
【0025】
図8を参照して、回折格子で構成された縞について説明する。
図6の2つの帯1200、1300で構成された縞1400を拡大すると、図8のようになっていて、縞の構成単位が帯状に整然と配置されている。
これらの構成単位は、1つの帯に対しては同じ回折角度、同じピッチで規則的に配置されている。
例えば、帯1200、帯1300について、それぞれ回折格子の構成単位のピッチを同一とし、回折角度を図8のように30°変えて、帯1200を0°、帯1300を30°とすることによって、図4に示すように背景パターンに組み込んだ時に隠しパターンの判別をより困難にする。
【0026】
また、図9に示すように背景パターン、及び可視パターンは、所定の角度に配列されたドットの帯状集合体2100、2200によって構成されている。
背景パターンのようにドットの帯状集合体2100のドットが回折角度0°で形成されている場合は、ドットの帯状集合体2200のドットは、回折角度30°で形成され、また、可視パターンのようにドットの帯状集合体2100のドットが回折角度45°で形成されている場合は、ドットの帯状集合体2200のドットは、回折角度75°で形成され、組み込み角度を変えて組み込んだ時に隠しパターンの判別をより困難にすることが可能になる。
【0027】
隠しパターンと、可視パターンは図5で説明したように縞状集団が直角に交差するように組み込む。
即ち、全体領域を正規の観察位置に置き、隠しパターン120の縞を45°の角度で組み込み、可視パターン320と背景パターン200の縞及び、縞状パターンを135°の角度に組み込む。
その結果、光源に対して観察者が視認し易い角度に位置することになり、光回折構造から反射された光がコントラストを増幅し、判別具によって隠しパターンを見え易くすることができる。
【0028】
図10は、縁取りの一実施形態である。隠しパターン11の周辺に隠しパターンを構成する縞の周期に対して半周期ずれた周期の縞で縁取りパターン10を形成することによって、隠しパターンを生成する際の鮮明度を向上させることができる。
【0029】
図11において、基体5の表面に光回折構造4が接着剤45を介して形成されている。
光回折構造4は、ベースフィルム上に形成されて、ベースフィルムのまま基体に接着されている場合と、薄幕状に形成された光回折構造の樹脂だけが熱転写法などで印刷物に転写されている場合がある。
光回折構造に組み込まれた隠しパターンを判別する場合に、判別具6を対象基体5に対して所定の角度で近づけると、隠しパターンがモアレ状に判別具6に表示される。判別具6に表示された隠しパターンが所定のパターンであった場合にその対象基体は、正しい供給者から供給された正当な対象(本物)であると判定される。
基体5の隠しパターンに照射された光が判別具6を透過して、観察者の目視手段7に到達しなければならないために、判別具は、透明なベース基材からなっている。また、判別具は、頻繁に使用されるためにベース基材を強固な枠材(図示せず)で固定したものが多く使用される。
この枠材には取っ手等を付けることも可能で、そのことによって判別具6の透明なベース基材が指紋や油で汚れることを防止する。
【0030】
隠しパターンの判別に際し、隠しパターン判別具6を、光回折構造4が形成された基体5に密着させる程度に近づけて判別する。
上記、密着の状態から一定の距離までは隠しパターンの判別が可能であるが、モアレ現象を利用しているために、光回折構造4と判別具6の距離が空き過ぎると判別が困難になる。
また、隠しパターン(4)と判別具6により判別パターンを発生させる光は、判別具6を、図11に示す目視手段7の方向から入射した光となるために、判別具6を構成する基材は、透明度が高い方が好ましく、基材に形成される判別パターンによって入射光を妨げないように形成する。
【0031】
図12を参照して、判別パターンの各種の実施形態について説明する。
透明基材の表面に形成された、e、f、g、hの判別パターンを隠しパターンの表面に接近させ、隠しパターンによる判別画像を発生させる。
図12のe図は、水平線に対して縞の角度65が45°の万線による判別パターンである。万線は、透明な帯と着色された帯が対となって連接されている。透明な帯の幅と、着色された帯の幅は、同一でも、異なっていても良い。
前述のように隠しパターンを判別する光は、判別具を透過した光となるために、判別具に形成され、着色された帯の幅を透明な帯の幅より狭くして、より光が多く入り込むようにする。また、印刷やエッチングによって判別パターンを形成する場合は、着色部に明るい材料、または、透明な染料、または、透明な材料を使用することができる。
【0032】
図12のf図は、水平線に対して縞の角度66が135°の万線による判別パターンである。判別パターンの内容は、e図に準ずる。
【0033】
図12のg図は、水平線に対して縞の角度67が45°の回折格子による判別パターンである。
【0034】
図12のh図は、水平線に対して縞の角度68が135°の網点による判別パターンである。
網点は、透明な部分と着色された部分が独立した点、または、2箇所が鎖状に繋がった点で構成されており、透明な部分を繋ぐ(鎖状の)線と、着色された部分を繋ぐ(鎖状の)線が対になって形成されている。この対になった帯が135°の角度に形成されている。網点と、透明な部分の構成に関しては、e図に準ずる。
【0035】
図13は、図1に示す判別具6のA−A線断面図である。
判別具は、合成樹脂などによる透明基材64の表面に透明な接着剤層63、光回折構造層62が形成されている。前記光回折構造層62は、エッチングや印刷による万線、網点等でもよい。光回折構造層62の接着剤側には透明な反射層を設けても良い。光回折構造層62の最外面には保護層61を設け、光回折構造を磨耗から保護している。
材料構成としては、例えば、透明基材64は、100〜250μmのポリエチレンテレフタレート(以下ポリエステルという。)、アクリルなどのプラスチックで構成し、酢酸ビニル系、アクリル系の熱可塑性の接着剤を介して予めアクリル系樹脂の保護層61がコーティングされた光回折構造が熱で転写されている。
【0036】
(実施例)
薄く金属を蒸着したガラス板に直径4ミクロンの電子ビームを照射してガラスの1カット面に対して0°の角度に、12μ×24μの大きさの回折格子による構成単位を形成する。
構成単位の形成密度は、3列/帯とし、帯の縦方向に0.5構成単位のピッチで形成した。連接する側の帯には、回折角度を替えて形成し、2つの帯を交互に形成した。結果として縞の密度を、7縞/mmとなるように設定した。
マスキングパターンによって判別可能パターンと判別困難なパターンを作製し、デザイン化された全体の回折格子の絵柄の中に一部として組み込み、原版を作製した。
この原版から複版を作製し、ベースフィルム上に塗布された透明なアクリル製の樹脂の表面に凹凸を再生し光回折構造を作製した。光回折構造が複製されたベースフィルム上の透明樹脂に、黄色の着色剤を塗布し、その上に、真空蒸着法によりアルミニウムの薄幕を形成、その上に感熱接着剤を塗布した。
表面に線画が印刷された上質紙のギフト券のサンプルに、前記ベースフィルム上に形成された光回折構造を摂氏160度に加熱した金属板によって熱転写した。
ギフト券のデザインが正しく見える位置で、光回折構造を観察し、隠し絵柄である判別困難なパターンを視認した結果、通常の目視手段では判別することができず、前述の構成で作成した判別具によって明瞭に判別することができた。
【0037】
【発明の効果】
本発明の光回折構造の隠しパターンにより、以下に記載の効果を奏することができる。
1)請求項1、2に記載の発明のごとく、基体の平坦部に形成された回折格子による判別困難なパターン(隠しパターン)と判別可能なパターンを含む光回折構造であって、前記判別困難なパターンと前記判別可能なパターンの一方が、対を成す2本の帯の集合体である縞で形成された場合は、他方は規則的に配列された複数のドットで形成されることによって、また、判別困難なパターンは、前記判別可能なパターンの一部を覆うように形成されることによって、隠しパターンの判別を困難とし、判別されたとしても次のステップの複製を困難にすることができる。
2)請求項3に記載の発明のごとく、請求項1〜2いずれか1項に記載の発明において縞の一方の帯、または前記複数のドットの1つに形成された回折格子は、他方の帯または、隣り合うドットに形成された回折格子と、ピッチ、回折角度の少なくとも1つが異なることによって、2本の縞の色彩に差異をつけ、通常の視認状態では隠しパターンの確認を困難にすることが可能となる。
3)請求項4に記載の発明のごとく、請求項1〜3何れか1項に記載の発明において、縞の幅は、0.2mm以下であることによって、縞を構成する回折格子による帯の太さは100μm以下となり、それぞれの縞に色彩に差をつけても、1本あたりの帯、縞の太さが微細であるため、通常の視認状態では一様な回折画像のように見え、隠しパターンの存在をより確認困難にすることができる。
4)請求項5に記載の発明の如く、請求項1〜4何れか1項に記載の発明において、ドットの幅は、前記帯の幅に近似であることによって帯で構成される縞によるパターンとの区別がつきにくくなり、判別がより困難となる。
5)請求項6に記載の発明のごとく、請求項1〜5に記載の光回折構造による隠しパターンを判別する判別具であって、平行な直線が判別可能なパターン、判別困難なパターンの何れか1つのパターンの縞のピッチと近似のピッチで透明な基体上に形成されたことによって判別を簡便に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の隠しパターンを有する光回折構造を転写した印刷物の一例とその判別具について説明するための図である。
【図2】判別具によって隠しパターンを生成した一実施形態について説明するための図である。
【図3】図1の全体領域の一部の拡大図である。
【図4】図3の一部領域の拡大模式図である。
【図5】図4に示す部分領域の回折角度と組込み角度の1例について説明するための図である。
【図6】対を成す2本の帯の集合体について説明するための図である。
【図7】縞の密度について説明するための図である。
【図8】帯に形成された回折格子の一実施形態について説明するための図である。
【図9】ドットの一実施形態について説明するための図である。
【図10】縁取りの一実施形態である。
【図11】隠しパターンを判別具によって判別する状態を説明するための図である。
【図12】判別パターンの一実施形態について説明するための図である。
【図13】図1のA−A線断面図である。
【符号の説明】
1,11 判別困難なパターン(隠しパターン)
2 背景パターン
3−1,3−2 判別可能なパターン(可視パターン)
4 全体領域(光回折構造)
5 基体(印刷物)
6 判別具
7 目視手段
10 縁取り
45 接着剤
61 保護コート層
62 光回折構造層
63 接着層
64 基材
65、66、67、68 判別パターンの形成角度
120 隠しパターン
200 背景パターン
320 可視パターン
321 可視パターンの部分パターン
1200、1300 帯
1400 縞(1対の帯)
2100,2200 ドットの帯状集合体

Claims (6)

  1. 基体の平坦部に形成された回折格子による判別困難なパターン(隠しパターン)と判別可能なパターンを含む光回折構造であって、
    前記判別困難なパターンと前記判別可能なパターンの一方が対を成す2本の帯の集合体である縞で形成された場合は、他方は規則的に配列された複数のドットで形成されることを特徴とする光回折構造による隠しパターン。
  2. 前記判別困難なパターンは、前記判別可能なパターンの一部を覆うように形成されることを特徴とする請求項1に記載の光回折構造による隠しパターン。
  3. 前記縞の一方の帯、または前記複数のドットの1つに形成された回折格子は、他方の帯または、隣り合うドットに形成された回折格子と、ピッチ、回折角度の少なくとも1つが異なることを特徴とする請求項1〜2いずれか1項に記載の光回折構造による隠しパターン。
  4. 前記縞の幅は、0.2mm以下であることを特徴とする請求項1〜3何れか1項に記載の光回折構造による隠しパターン。
  5. 前記ドットの幅は、前記帯の幅に近似であることを特徴とする請求項1〜4何れか1項に記載の光回折構造による隠しパターン。
  6. 請求項1〜5に記載の光回折構造による隠しパターンを判別する判別具であって、平行な直線が判別可能なパターン、判別困難なパターンの何れか1つのパターンの縞のピッチと近似のピッチで透明な基体上に形成されたことを特徴とする光回折構造による隠しパターンの判別具。
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