JP2004301725A - ナビゲーション用gps受信方法及び受信機 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の衛星から送出された測位信号に誤差があった場合に、その誤差が所定値以上に大きいと判断した場合には、誤差原因となった衛星を特定する。
【解決手段】複数の衛星から送出された測位信号に基づいて算出されたGPS位置情報をナビゲーション処理部に出力するGPS受信機であって、このGPS受信機はナビゲーション処理部から送られる自律位置情報と自らのGPS位置情報と比較し、両者の誤差が所定値以上のときには衛星から送られる測位情報が異常であると判断し、誤差の原因となった衛星を特定する。こうして特定された誤差原因の衛星は再サーチさせることにより、常に正しいGPS位置情報を出力することができる。
【選択図】 図3
【解決手段】複数の衛星から送出された測位信号に基づいて算出されたGPS位置情報をナビゲーション処理部に出力するGPS受信機であって、このGPS受信機はナビゲーション処理部から送られる自律位置情報と自らのGPS位置情報と比較し、両者の誤差が所定値以上のときには衛星から送られる測位情報が異常であると判断し、誤差の原因となった衛星を特定する。こうして特定された誤差原因の衛星は再サーチさせることにより、常に正しいGPS位置情報を出力することができる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ナビゲーション用GPS受信方法及び受信機、特にGPS位置情報に誤差が生じたときにこれを適切に処理する受信方法及び受信機に関するものである。
【0002】
車両現在位置を検出・追跡する手法の1つとして、GPS(Global Positioning System)衛星から送出された測位信号(GPS信号)に基づいて車両の位置を求める測位法(以下、「GPS航法」と称する)と、走行開始地点からの速度並びに方位に基づいて車両の位置を求める測位法(以下、「自律航法」と称する)とを併用し、車載表示器の表示部に自車マークとその周辺地図とを重ね合わせて表示するナビゲーション装置が知られている。
【0003】
【従来の技術】
複数の衛星から送出された測位信号に基づき算出されたGPS位置情報をナビゲーション処理部に出力するナビゲーション用GPS受信機が周知であり、移動体、すなわち歩行者、自動車などのナビゲーション装置における情報表示として広く用いられている。
【0004】
例えば、GPS航法とジャイロセンサー及び車速センサーを用いて走行軌跡を求める自律航法とを併用して地図データベースとのマップマッチングが行われる。
【0005】
このGPS航法における測位計算によって得られる位置精度は、GPS信号を送信する衛星(基本的には4つ以上)の衛星配置とGPS信号を受信した車両からそれぞれのGPS衛星までの距離の測定精度とによって決定される。
【0006】
また、このGPS航法における測位計算には、マルチパスの発生等により誤差が生じることも周知であり、この誤差をどのようにして修正して精度良く表示部に自車マークを表示するかの工夫がなされている。
【0007】
例えば、実際にGPS航法によって得られた測位結果をナビゲーション装置で使用する場合には、自律航法やマップマッチングによって得られた自車位置がGPSによる測位結果から大きく離れたときに、その測位結果の位置に自車位置を設定し直している。
【0008】
一方、実際にGPS航法によって得られた測位結果には、システム上またはGPS衛星の配置上などの誤差が含まれるので、GPS信号によって測位された結果を自車位置の評価に用いるためには、その測位結果の誤差を考慮する必要がある。
【0009】
より具体的には、例えば、GPS衛星の配置によって決まるDOP(Dilution of Precision)値という誤差係数を用いてGPS航法によって得られた測位結果を有効とする方法がある。この方法は、受信したGPS信号におけるDOP値が一定値以下の場合にのみGPS航法によって得られた測位結果を有効とする方法である。
【0010】
このDOP値とは、各GPS衛星の単独測位において観測された衛星までの距離に一定の大きさの誤差が含まれていた場合に、それがどの程度の測位結果に影響を及ぼすかを見積るための指標値であり、このDOP値の代表的なものに水平方向におけるDOP(HDOP)値、垂直方向におけるDOP(VDOP)値、水平・垂直方向におけるDOP(PDOP)値がある。
【0011】
また、このDOP値に基づいて自車が存在するであろうとする領域(測位誤差領域(以下、単に誤差領域という))を算出してこの領域内を自車の正しい位置として評価する方法がある。
【0012】
この方法では、複数の衛星における擬似距離の測定誤差との積によって円の半径を算出し、この算出された半径によって生成される円(以下、誤差分布円という)の領域内を自車が存在するであろうとする領域として自車位置を評価する。
【0013】
尚、この方法において計算に用いる擬似距離の測定誤差は、例えば、得られた複数の擬似距離の測定誤差における最大値、または、各擬似距離の測定誤差の平均値を使用する。
【0014】
一方、GPS衛星配置によって決まる誤差領域を、確率誤差楕円(以下、誤差楕円という)を算出して求める方法がある。
【0015】
この誤差楕円による方法では、測位に使用されるGPS衛星の配置とそれぞれのGPS衛星における擬似距離誤差によって誤差領域である誤差楕円を算出してこの誤差楕円内の領域の何れかに自車が存在するであろうとする領域として自車位置を評価する。
【0016】
この誤差楕円は、測位結果の位置誤差の緯度方向及び経度方向の成分がそれぞれ正規分布するとした場合に二次元的に分布する位置誤差の分布を示すものであり、具体的には、緯度方向における誤差の標準偏差、経度方向における誤差の標準偏差及び当該各標準偏差の相関関数を用いて算出する。
【0017】
尚、楕円の形状(長軸、短軸、傾き)は、すべての衛星までの距離の測定誤差が一定(例えば、1m)であると仮定すると、簡単に算出することができるようになっている。
【0018】
また、この1mと仮定した誤差楕円とは、各GPS信号における擬似距離誤差を1mとして仮定して生成した基準となる誤差楕円であるため、GPS信号における擬似距離の測定誤差を、この1mと仮定した誤差楕円に掛け合わすことで誤差楕円の真の領域を表現する。
【0019】
この衛星の擬似距離の誤差値としては、それぞれの衛星から放送されている擬似距離誤差の精度値(以下、UERE(User Equivalent Range Error)という)とGPS受信機内で発生する雑音による測定誤差を合わせた値を使用する場合が多い。この楕円と自車位置との関係により自車位置の有効性を判断できるようになっている。
【0020】
図4及び図5は、このような誤差楕円の算出を可能としたナビゲーション装置を示し(例えば、特許文献1参照)、図4はナビゲーション装置の全体構成のブロック図、図5は誤差楕円の説明図である。
【0021】
図4において、1は図示を略す受信部によって受信されたGPS信号の信号処理を行うと共に航法データ及び各GPS衛星までの擬似距離を取得する信号処理部、2は航法データと擬似距離に基づいて自車の現在位置を算出する測位計算部と、3は各擬似距離に基づいてマルチパスを検出するマルチパス検出部、4はこのマルチパス検出部3によるマルチパスの検出結果及び航法データに基づいて擬似距離の測定誤差値を設定する擬似距離誤差選択部、5は擬似距離誤差及び航法データに基づいて誤差楕円を算出する誤差楕円計算部と、6は測位計算部2によって算出された自車の現在位置及び誤差楕円計算部5によって算出された誤差楕円に基づいて自車位置の評価を行うナビゲーション処理部とを備えている。
【0022】
信号処理部1は、図示しない受信部によって受信した複数の衛星から放送された各GPS信号から航法データを取得するデータデコード部1aと、各GPS衛星までの距離誤差を測定する擬似距離測定部1bとを備えている。
【0023】
データデコード部1aは、図示しない受信部によって受信された各GPS衛星から放送された信号に基づいて自車の測位計算に必要な航法データを取得するようになっており、この取得された各GPS衛星毎の航法データを測位計算部2及び誤差楕円計算部5に出力する。
【0024】
擬似距離測定部1bは、図示しない受信部によって受信された各GPS衛星から放送された信号に基づいて信号の到達時間を取得するとともに、自車から各GPS衛星までの距離の値(擬似距離値)を算出してその擬似距離値を測位計算部2及びマルチパス検出部3に出力する。
【0025】
測位計算部2にはデータデコード部1aによって取得された各GPS衛星毎の航法データと擬似距離測定部1bによって算出された各GPS衛星毎の擬似距離値が入力され、測位計算部2はこの入力された航法データ及び擬似距離値に基づいて自車の現在位置を算出する。また、測位計算部2はこの算出された自車の現在位置情報をナビゲーション処理部6に出力する。
【0026】
マルチパス検出部3は擬似距離測定部1bによって算出された各GPS衛星毎の擬似距離値が入力されるようになっており、マルチパス検出部3は入力された各擬似距離値に基づいて図示しないGPS受信部よって受信した各信号がマルチパスの影響を受けているか否かを判断する。
【0027】
例えば、このマルチパス検出は、擬似距離がある程度連続的に変化するということを利用して行うようになっており、具体的には、前回の測位結果または前回測位を行ったときに使用した各GPS衛星毎の擬似距離値から今回の各GPS衛星毎の擬似距離の予測値を算出しておき、この予測値と入力された各GPS衛星毎の擬似距離値の差を比較してこの差が予め定められた基準値以上と判断されたときにマルチパスが生じていると判断する。
【0028】
また、マルチパス検出部3は、マルチパスが生じていると判断したときはこのマルチパスを含む影響を、例えば、誤差値(以下、マルチパス誤差情報という)として算出し、この算出したマルチパス誤差情報を擬似距離誤差選択部4に出力する。尚、このマルチパス誤差情報には上述した差分を当てることができる。
【0029】
擬似距離誤差選択部4は、マルチパス検出部3から出力されたマルチパスの検出結果及び当該マルチパスが検出されたときのマルチパス誤差情報、並びに、データデコード部1aから出力されたUEREが入力されるようになっており、この擬似距離誤差選択部4は、マルチパス検出部3における検出結果においてマルチパスが生じていると判断されたときに、マルチパス誤差情報とUEREとに基づいて擬似距離の測定誤差値を設定し誤差楕円計算部5に出力する。
【0030】
例えば、マルチパス検出部3から入力されたマルチパス誤差情報とマルチパスが生じていると判断されているGPS信号におけるUEREとを比較して値の大きい方を擬似距離誤差として誤差楕円計算部5に出力したり、マルチパス誤差情報を擬似距離誤差値として出力することが可能である。さらに、擬似距離誤差値をマルチパスの発生したGPS信号のみで決定せず、各GPS信号における擬似距離誤差値の二乗和の平均値の平方根によって算出したり、各GPS信号における擬似距離誤差値の中の最大値とすることが可能である。
【0031】
誤差楕円計算部5には、データデコード部1aから出力された各GPS信号における航法データ及び擬似距離誤差選択部4によって設定された擬似距離の誤差値が入力されるようになっており、この誤差楕円計算部5により誤差楕円を算出する。すなわち、入力された航法データによって算出された誤差1mとしたときの誤差楕円に擬似距離誤差選択部4から出力される擬似距離の誤差値を掛け合わせて誤差楕円の大きさを決定する。
【0032】
例えば、擬似距離誤差選択部4から擬似距離の誤差が50mとなっているとする信号が与えられたときは、擬似距離の測定誤差を50mとして誤差楕円を算出する。
【0033】
この結果、図5に示すように、例えば、マルチパスが生じていないときのGPS信号における測位結果がX点、自律航法やマップマッチングによって得られた自車位置と車両の正しい位置が同じY点、マルチパスが生じていると判断されたときのGPS信号における測位結果がZ点とした場合に、通常の誤差楕円Oでは自車位置点Yの評価は誤りになるが、上述した算出方法により誤差楕円を算出すると、マルチパスが生じたときは楕円が大きくなり、誤差楕円Pの範囲内に自車位置Yが含まれるので、適切な自車位置を不適切なものと評価することが無くなる。
【0034】
尚、この評価はナビゲーション処理部6によって行われるようになっており、誤差楕円計算部5は誤差楕円を算出するのみである。
【0035】
ナビゲーション処理部6には、測位計算部2によって算出されたGPS信号における自車の測位結果及び誤差楕円計算部5によって算出された誤差楕円が入力されるようになっており、このナビゲーション装置はこの入力された誤差楕円に基づいて自車位置(自律航法などで算出したもの)を評価する。
【0036】
これにより、自律航法やマップマッチングによって得られた自車位置がこの誤差楕円から大きく離れたときに当該測位結果の位置に自車位置を設定し直す、または、自車位置の候補地点でこの誤差領域内に存在しないものをマップマッチングの対象から外すといった処理の信頼度をマルチパスの発生に左右されることなく高く維持できるようになっている。
【0037】
このように、信号処理部1によって各GPS信号を受信したときのGPS衛星の配置及び受信した各測位信号における擬似距離の精度(UERE)に基づいて設定する誤差楕円を、マルチパスを検出したときにこのマルチパス誤差情報に基づいて修正することができるので、マルチパスの影響を誤差楕円に反映させることができる。
【0038】
したがって、このマルチパスが検出されたときでも自律航法によって算出された自車位置を適切に評価することができ、使用者に示す自車位置の位置精度を向上させることができる。
【0039】
【特許文献1】
特開2002−328157号公報
【0040】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の如く構成されたナビゲーション装置の情報表示方法にあっては、依然としてマルチパスの誤差を修正するといった複雑な方法を用いており、誤差修正用の算出手段を必要とするといった問題が生じていた。
【0041】
本発明は、上記課題を解決するため、GPS受信機の内部で、測位信号を送り出す各衛星を監視することにより、ナビゲーション装置に出力されるGPS位置情報を常に適正な情報とすることができるGPS受信方法及びGPS受信機を提供することを目的とする。
【0042】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、複数の衛星から送出された測位信号に基づいて算出されたGPS位置情報をナビゲーション処理部に出力するナビゲーション用GPS受信方法において、ナビゲーション処理部から自律位置情報を受け、この自律位置情報とGPS位置情報とを比較し、両者の誤差が所定値以上の場合、誤差原因となった衛星の特定処理を行うことを特徴とする。
【0043】
また、本発明によれば、誤差原因と特定された衛星を再サーチさせ測位計算に使用しないことを特徴とする。
【0044】
また、本発明によれば、複数の衛星から送出された測位信号に基づいて算出されたGPS位置情報をナビゲーション処理部に出力するナビゲーション用GPS受信機において、ナビゲーション処理部から自律位置情報を受け、この自律位置情報とGPS位置情報とを比較し、両者の誤差が所定値以上の場合、誤差原因となった衛星の特定処理を行うことを特徴とする。
【0045】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のナビゲーション用GPS受信方法及びGPS受信機の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0046】
図1は本発明のナビゲーション装置のブロック図、図2は本発明のナビゲーション装置の自律航法で算出された自車位置とGPS航法で算出された自車位置との誤差関係を示す説明図、図3は本発明のナビゲーション装置の処理ルーチンのフロー図である。
【0047】
図1において、11は複数の衛星(図示せず)から送出された測位信号を受信して自車位置情報や時刻情報を算出するGPS受信機(自車位置算出部)、12は車両(図示せず)に搭載された速度センサー、13は車両に搭載されたジャイロ等の方位センサー、14は速度センサー12と方位センサー13とから送出された速度信号並びに方位信号に基づいて自車位置を算出する自律航法計算部、15はCD−ROMやDVD−ROM等のように道路情報等を含めた地図情報が記憶された地図情報記憶部、16はナビゲーション処理部、17は液晶モニタ等の表示器(図示せず)の表示部である。
【0048】
尚、この表示部17での自車マーク並びにその周辺地図の表示自体は周知であるため、その表示状態の図示並びに説明は省略する。
【0049】
また、本発明におけるマルチパスとは、衛星の故障や衛星信号自体の不良を含めた意味での電波不良全般を意味するものとする。
【0050】
次に、図2並びに図3を用いてGPS受信機11の誤差原因衛星の特定処理ルーチンを説明する。
【0051】
(ステップ1)
ステップ1では、GPS受信機11により複数の衛星から送出された測位信号に基づいて測位が計算されると共に、測位信号を取得した各衛星までの距離1を計算し、その各計算結果がナビゲーション処理部16に送信されてステップ2へと移行する。
【0052】
(ステップ2)
ステップ2では、速度センサー12と方位センサー13とから送出された速度信号並びに方位信号に基づいて自律航法計算部14で算出された自律航法位置(自車位置)と精度指標とがGPS受信機11に送信されてステップ3へと移行する。
【0053】
(ステップ3)
ステップ3では、GPS受信機11で算出された自車位置としてのGPS位置と自律航法計算部14で算出された自律航法位置とがGPS受信機11内で比較され、自律航法位置に対するGPS位置の誤差が所定値以上の場合にはステップ4へと移行し、GPS位置誤差が所定値以下の場合には通常の測位計算を行う(ステップ8)。
【0054】
(ステップ4)
ステップ4では、自律航法位置から各衛星までの距離2を算出してステップ5へと移行する。
【0055】
(ステップ5)
ステップ5では、ステップ1で求めた各衛星毎の距離1とステップ4で求めた各衛星毎の距離2とを比較し、距離の差が所定値以上大きい場合には誤差衛星として特定するステップ6へと移行する。
【0056】
(ステップ6)
ステップ6では、ステップ3及びステップ5で所定値以上となった衛星を誤差の原因となった異常衛星と判断し、測位使用衛星より除外してステップ7へと移行する。
【0057】
(ステップ7)
ステップ7では、測位算出のために使用している全ての衛星に対してステップ5を行ったか否かが判断され、全ての測位使用衛星の距離2を距離1とで比較した場合には、異常衛星を除いた状態で測位計算を行う(ステップ8)。
【0058】
また、全ての測位使用衛星の距離2を距離1とで比較し終わっていない場合には、ステップ5へと移行して以下のルーチンを処理する。
【0059】
これにより、図2に示すように、異常衛星により実際の自車位置(★マークで示す)に対してGPS位置(●マークで示す)にズレが発生し、そのズレが所定値以上となって実際の自車位置が許容範囲(二点鎖線の真円で示す)から外れた場合には、誤差原因となった衛星を特定し、その衛星からの測位信号を無効とすることにより、信頼性の高い表示を行うことができる。
【0060】
また、上述したように、マルチパスに起因する誤差の大きい衛星を測位計算の対象から外し、あえて誤差修正のための複雑な計算を不要としたことにり、簡素な構成のナビゲーション装置とすることができる。
【0061】
誤差原因と特定された衛星は再サーチさせることになるが、衛星数減少により測位計算が不可能な場合には非測位状態になる。
【0062】
GPS受信機11は、複数の衛星のうち測位信号に所定値以上の誤差が生じていると判断した衛星を、再度信号サーチし、トラッキング及び信号復調して誤差のない測位ができることを確認するまで測位対象から除外することが好適である。
【0063】
尚、上述した許容範囲は、従来技術で説明した通常の誤差楕円Oや誤差分布円を利用することも可能である。
【0064】
【発明の効果】
本発明のナビゲーション用GPS受信方法及び受信機によれば、GPS受信機の内部で測位信号を送り出す各衛星を監視することにより、ナビゲーション装置に出力されるGPS位置情報を常に適正な情報とすることができる。
【0065】
そして、本発明によれば、誤差原因となった衛星の特定処理、例えば衛星の再サーチなどを的確に行うことができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わるナビゲーション装置のブロック図である。
【図2】本発明のナビゲーション装置の自律航法で算出された自車位置とGPS航法で算出された自車位置との誤差関係を示す説明図である。
【図3】本発明のナビゲーション装置の処理ルーチンのフロー図である。
【図4】従来の誤差楕円の算出を可能としたナビゲーション装置の全体構成のブロック図である。
【図5】従来のナビゲーション装置によって算出された誤差楕円の説明図である。
【符号の説明】
11 GPS受信機(自車位置算出部)、12 速度センサー、13 方位センサー、14 自律航法計算部、15 地図情報記憶部、16 ナビゲーション処理部、17 表示部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ナビゲーション用GPS受信方法及び受信機、特にGPS位置情報に誤差が生じたときにこれを適切に処理する受信方法及び受信機に関するものである。
【0002】
車両現在位置を検出・追跡する手法の1つとして、GPS(Global Positioning System)衛星から送出された測位信号(GPS信号)に基づいて車両の位置を求める測位法(以下、「GPS航法」と称する)と、走行開始地点からの速度並びに方位に基づいて車両の位置を求める測位法(以下、「自律航法」と称する)とを併用し、車載表示器の表示部に自車マークとその周辺地図とを重ね合わせて表示するナビゲーション装置が知られている。
【0003】
【従来の技術】
複数の衛星から送出された測位信号に基づき算出されたGPS位置情報をナビゲーション処理部に出力するナビゲーション用GPS受信機が周知であり、移動体、すなわち歩行者、自動車などのナビゲーション装置における情報表示として広く用いられている。
【0004】
例えば、GPS航法とジャイロセンサー及び車速センサーを用いて走行軌跡を求める自律航法とを併用して地図データベースとのマップマッチングが行われる。
【0005】
このGPS航法における測位計算によって得られる位置精度は、GPS信号を送信する衛星(基本的には4つ以上)の衛星配置とGPS信号を受信した車両からそれぞれのGPS衛星までの距離の測定精度とによって決定される。
【0006】
また、このGPS航法における測位計算には、マルチパスの発生等により誤差が生じることも周知であり、この誤差をどのようにして修正して精度良く表示部に自車マークを表示するかの工夫がなされている。
【0007】
例えば、実際にGPS航法によって得られた測位結果をナビゲーション装置で使用する場合には、自律航法やマップマッチングによって得られた自車位置がGPSによる測位結果から大きく離れたときに、その測位結果の位置に自車位置を設定し直している。
【0008】
一方、実際にGPS航法によって得られた測位結果には、システム上またはGPS衛星の配置上などの誤差が含まれるので、GPS信号によって測位された結果を自車位置の評価に用いるためには、その測位結果の誤差を考慮する必要がある。
【0009】
より具体的には、例えば、GPS衛星の配置によって決まるDOP(Dilution of Precision)値という誤差係数を用いてGPS航法によって得られた測位結果を有効とする方法がある。この方法は、受信したGPS信号におけるDOP値が一定値以下の場合にのみGPS航法によって得られた測位結果を有効とする方法である。
【0010】
このDOP値とは、各GPS衛星の単独測位において観測された衛星までの距離に一定の大きさの誤差が含まれていた場合に、それがどの程度の測位結果に影響を及ぼすかを見積るための指標値であり、このDOP値の代表的なものに水平方向におけるDOP(HDOP)値、垂直方向におけるDOP(VDOP)値、水平・垂直方向におけるDOP(PDOP)値がある。
【0011】
また、このDOP値に基づいて自車が存在するであろうとする領域(測位誤差領域(以下、単に誤差領域という))を算出してこの領域内を自車の正しい位置として評価する方法がある。
【0012】
この方法では、複数の衛星における擬似距離の測定誤差との積によって円の半径を算出し、この算出された半径によって生成される円(以下、誤差分布円という)の領域内を自車が存在するであろうとする領域として自車位置を評価する。
【0013】
尚、この方法において計算に用いる擬似距離の測定誤差は、例えば、得られた複数の擬似距離の測定誤差における最大値、または、各擬似距離の測定誤差の平均値を使用する。
【0014】
一方、GPS衛星配置によって決まる誤差領域を、確率誤差楕円(以下、誤差楕円という)を算出して求める方法がある。
【0015】
この誤差楕円による方法では、測位に使用されるGPS衛星の配置とそれぞれのGPS衛星における擬似距離誤差によって誤差領域である誤差楕円を算出してこの誤差楕円内の領域の何れかに自車が存在するであろうとする領域として自車位置を評価する。
【0016】
この誤差楕円は、測位結果の位置誤差の緯度方向及び経度方向の成分がそれぞれ正規分布するとした場合に二次元的に分布する位置誤差の分布を示すものであり、具体的には、緯度方向における誤差の標準偏差、経度方向における誤差の標準偏差及び当該各標準偏差の相関関数を用いて算出する。
【0017】
尚、楕円の形状(長軸、短軸、傾き)は、すべての衛星までの距離の測定誤差が一定(例えば、1m)であると仮定すると、簡単に算出することができるようになっている。
【0018】
また、この1mと仮定した誤差楕円とは、各GPS信号における擬似距離誤差を1mとして仮定して生成した基準となる誤差楕円であるため、GPS信号における擬似距離の測定誤差を、この1mと仮定した誤差楕円に掛け合わすことで誤差楕円の真の領域を表現する。
【0019】
この衛星の擬似距離の誤差値としては、それぞれの衛星から放送されている擬似距離誤差の精度値(以下、UERE(User Equivalent Range Error)という)とGPS受信機内で発生する雑音による測定誤差を合わせた値を使用する場合が多い。この楕円と自車位置との関係により自車位置の有効性を判断できるようになっている。
【0020】
図4及び図5は、このような誤差楕円の算出を可能としたナビゲーション装置を示し(例えば、特許文献1参照)、図4はナビゲーション装置の全体構成のブロック図、図5は誤差楕円の説明図である。
【0021】
図4において、1は図示を略す受信部によって受信されたGPS信号の信号処理を行うと共に航法データ及び各GPS衛星までの擬似距離を取得する信号処理部、2は航法データと擬似距離に基づいて自車の現在位置を算出する測位計算部と、3は各擬似距離に基づいてマルチパスを検出するマルチパス検出部、4はこのマルチパス検出部3によるマルチパスの検出結果及び航法データに基づいて擬似距離の測定誤差値を設定する擬似距離誤差選択部、5は擬似距離誤差及び航法データに基づいて誤差楕円を算出する誤差楕円計算部と、6は測位計算部2によって算出された自車の現在位置及び誤差楕円計算部5によって算出された誤差楕円に基づいて自車位置の評価を行うナビゲーション処理部とを備えている。
【0022】
信号処理部1は、図示しない受信部によって受信した複数の衛星から放送された各GPS信号から航法データを取得するデータデコード部1aと、各GPS衛星までの距離誤差を測定する擬似距離測定部1bとを備えている。
【0023】
データデコード部1aは、図示しない受信部によって受信された各GPS衛星から放送された信号に基づいて自車の測位計算に必要な航法データを取得するようになっており、この取得された各GPS衛星毎の航法データを測位計算部2及び誤差楕円計算部5に出力する。
【0024】
擬似距離測定部1bは、図示しない受信部によって受信された各GPS衛星から放送された信号に基づいて信号の到達時間を取得するとともに、自車から各GPS衛星までの距離の値(擬似距離値)を算出してその擬似距離値を測位計算部2及びマルチパス検出部3に出力する。
【0025】
測位計算部2にはデータデコード部1aによって取得された各GPS衛星毎の航法データと擬似距離測定部1bによって算出された各GPS衛星毎の擬似距離値が入力され、測位計算部2はこの入力された航法データ及び擬似距離値に基づいて自車の現在位置を算出する。また、測位計算部2はこの算出された自車の現在位置情報をナビゲーション処理部6に出力する。
【0026】
マルチパス検出部3は擬似距離測定部1bによって算出された各GPS衛星毎の擬似距離値が入力されるようになっており、マルチパス検出部3は入力された各擬似距離値に基づいて図示しないGPS受信部よって受信した各信号がマルチパスの影響を受けているか否かを判断する。
【0027】
例えば、このマルチパス検出は、擬似距離がある程度連続的に変化するということを利用して行うようになっており、具体的には、前回の測位結果または前回測位を行ったときに使用した各GPS衛星毎の擬似距離値から今回の各GPS衛星毎の擬似距離の予測値を算出しておき、この予測値と入力された各GPS衛星毎の擬似距離値の差を比較してこの差が予め定められた基準値以上と判断されたときにマルチパスが生じていると判断する。
【0028】
また、マルチパス検出部3は、マルチパスが生じていると判断したときはこのマルチパスを含む影響を、例えば、誤差値(以下、マルチパス誤差情報という)として算出し、この算出したマルチパス誤差情報を擬似距離誤差選択部4に出力する。尚、このマルチパス誤差情報には上述した差分を当てることができる。
【0029】
擬似距離誤差選択部4は、マルチパス検出部3から出力されたマルチパスの検出結果及び当該マルチパスが検出されたときのマルチパス誤差情報、並びに、データデコード部1aから出力されたUEREが入力されるようになっており、この擬似距離誤差選択部4は、マルチパス検出部3における検出結果においてマルチパスが生じていると判断されたときに、マルチパス誤差情報とUEREとに基づいて擬似距離の測定誤差値を設定し誤差楕円計算部5に出力する。
【0030】
例えば、マルチパス検出部3から入力されたマルチパス誤差情報とマルチパスが生じていると判断されているGPS信号におけるUEREとを比較して値の大きい方を擬似距離誤差として誤差楕円計算部5に出力したり、マルチパス誤差情報を擬似距離誤差値として出力することが可能である。さらに、擬似距離誤差値をマルチパスの発生したGPS信号のみで決定せず、各GPS信号における擬似距離誤差値の二乗和の平均値の平方根によって算出したり、各GPS信号における擬似距離誤差値の中の最大値とすることが可能である。
【0031】
誤差楕円計算部5には、データデコード部1aから出力された各GPS信号における航法データ及び擬似距離誤差選択部4によって設定された擬似距離の誤差値が入力されるようになっており、この誤差楕円計算部5により誤差楕円を算出する。すなわち、入力された航法データによって算出された誤差1mとしたときの誤差楕円に擬似距離誤差選択部4から出力される擬似距離の誤差値を掛け合わせて誤差楕円の大きさを決定する。
【0032】
例えば、擬似距離誤差選択部4から擬似距離の誤差が50mとなっているとする信号が与えられたときは、擬似距離の測定誤差を50mとして誤差楕円を算出する。
【0033】
この結果、図5に示すように、例えば、マルチパスが生じていないときのGPS信号における測位結果がX点、自律航法やマップマッチングによって得られた自車位置と車両の正しい位置が同じY点、マルチパスが生じていると判断されたときのGPS信号における測位結果がZ点とした場合に、通常の誤差楕円Oでは自車位置点Yの評価は誤りになるが、上述した算出方法により誤差楕円を算出すると、マルチパスが生じたときは楕円が大きくなり、誤差楕円Pの範囲内に自車位置Yが含まれるので、適切な自車位置を不適切なものと評価することが無くなる。
【0034】
尚、この評価はナビゲーション処理部6によって行われるようになっており、誤差楕円計算部5は誤差楕円を算出するのみである。
【0035】
ナビゲーション処理部6には、測位計算部2によって算出されたGPS信号における自車の測位結果及び誤差楕円計算部5によって算出された誤差楕円が入力されるようになっており、このナビゲーション装置はこの入力された誤差楕円に基づいて自車位置(自律航法などで算出したもの)を評価する。
【0036】
これにより、自律航法やマップマッチングによって得られた自車位置がこの誤差楕円から大きく離れたときに当該測位結果の位置に自車位置を設定し直す、または、自車位置の候補地点でこの誤差領域内に存在しないものをマップマッチングの対象から外すといった処理の信頼度をマルチパスの発生に左右されることなく高く維持できるようになっている。
【0037】
このように、信号処理部1によって各GPS信号を受信したときのGPS衛星の配置及び受信した各測位信号における擬似距離の精度(UERE)に基づいて設定する誤差楕円を、マルチパスを検出したときにこのマルチパス誤差情報に基づいて修正することができるので、マルチパスの影響を誤差楕円に反映させることができる。
【0038】
したがって、このマルチパスが検出されたときでも自律航法によって算出された自車位置を適切に評価することができ、使用者に示す自車位置の位置精度を向上させることができる。
【0039】
【特許文献1】
特開2002−328157号公報
【0040】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の如く構成されたナビゲーション装置の情報表示方法にあっては、依然としてマルチパスの誤差を修正するといった複雑な方法を用いており、誤差修正用の算出手段を必要とするといった問題が生じていた。
【0041】
本発明は、上記課題を解決するため、GPS受信機の内部で、測位信号を送り出す各衛星を監視することにより、ナビゲーション装置に出力されるGPS位置情報を常に適正な情報とすることができるGPS受信方法及びGPS受信機を提供することを目的とする。
【0042】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、複数の衛星から送出された測位信号に基づいて算出されたGPS位置情報をナビゲーション処理部に出力するナビゲーション用GPS受信方法において、ナビゲーション処理部から自律位置情報を受け、この自律位置情報とGPS位置情報とを比較し、両者の誤差が所定値以上の場合、誤差原因となった衛星の特定処理を行うことを特徴とする。
【0043】
また、本発明によれば、誤差原因と特定された衛星を再サーチさせ測位計算に使用しないことを特徴とする。
【0044】
また、本発明によれば、複数の衛星から送出された測位信号に基づいて算出されたGPS位置情報をナビゲーション処理部に出力するナビゲーション用GPS受信機において、ナビゲーション処理部から自律位置情報を受け、この自律位置情報とGPS位置情報とを比較し、両者の誤差が所定値以上の場合、誤差原因となった衛星の特定処理を行うことを特徴とする。
【0045】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のナビゲーション用GPS受信方法及びGPS受信機の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0046】
図1は本発明のナビゲーション装置のブロック図、図2は本発明のナビゲーション装置の自律航法で算出された自車位置とGPS航法で算出された自車位置との誤差関係を示す説明図、図3は本発明のナビゲーション装置の処理ルーチンのフロー図である。
【0047】
図1において、11は複数の衛星(図示せず)から送出された測位信号を受信して自車位置情報や時刻情報を算出するGPS受信機(自車位置算出部)、12は車両(図示せず)に搭載された速度センサー、13は車両に搭載されたジャイロ等の方位センサー、14は速度センサー12と方位センサー13とから送出された速度信号並びに方位信号に基づいて自車位置を算出する自律航法計算部、15はCD−ROMやDVD−ROM等のように道路情報等を含めた地図情報が記憶された地図情報記憶部、16はナビゲーション処理部、17は液晶モニタ等の表示器(図示せず)の表示部である。
【0048】
尚、この表示部17での自車マーク並びにその周辺地図の表示自体は周知であるため、その表示状態の図示並びに説明は省略する。
【0049】
また、本発明におけるマルチパスとは、衛星の故障や衛星信号自体の不良を含めた意味での電波不良全般を意味するものとする。
【0050】
次に、図2並びに図3を用いてGPS受信機11の誤差原因衛星の特定処理ルーチンを説明する。
【0051】
(ステップ1)
ステップ1では、GPS受信機11により複数の衛星から送出された測位信号に基づいて測位が計算されると共に、測位信号を取得した各衛星までの距離1を計算し、その各計算結果がナビゲーション処理部16に送信されてステップ2へと移行する。
【0052】
(ステップ2)
ステップ2では、速度センサー12と方位センサー13とから送出された速度信号並びに方位信号に基づいて自律航法計算部14で算出された自律航法位置(自車位置)と精度指標とがGPS受信機11に送信されてステップ3へと移行する。
【0053】
(ステップ3)
ステップ3では、GPS受信機11で算出された自車位置としてのGPS位置と自律航法計算部14で算出された自律航法位置とがGPS受信機11内で比較され、自律航法位置に対するGPS位置の誤差が所定値以上の場合にはステップ4へと移行し、GPS位置誤差が所定値以下の場合には通常の測位計算を行う(ステップ8)。
【0054】
(ステップ4)
ステップ4では、自律航法位置から各衛星までの距離2を算出してステップ5へと移行する。
【0055】
(ステップ5)
ステップ5では、ステップ1で求めた各衛星毎の距離1とステップ4で求めた各衛星毎の距離2とを比較し、距離の差が所定値以上大きい場合には誤差衛星として特定するステップ6へと移行する。
【0056】
(ステップ6)
ステップ6では、ステップ3及びステップ5で所定値以上となった衛星を誤差の原因となった異常衛星と判断し、測位使用衛星より除外してステップ7へと移行する。
【0057】
(ステップ7)
ステップ7では、測位算出のために使用している全ての衛星に対してステップ5を行ったか否かが判断され、全ての測位使用衛星の距離2を距離1とで比較した場合には、異常衛星を除いた状態で測位計算を行う(ステップ8)。
【0058】
また、全ての測位使用衛星の距離2を距離1とで比較し終わっていない場合には、ステップ5へと移行して以下のルーチンを処理する。
【0059】
これにより、図2に示すように、異常衛星により実際の自車位置(★マークで示す)に対してGPS位置(●マークで示す)にズレが発生し、そのズレが所定値以上となって実際の自車位置が許容範囲(二点鎖線の真円で示す)から外れた場合には、誤差原因となった衛星を特定し、その衛星からの測位信号を無効とすることにより、信頼性の高い表示を行うことができる。
【0060】
また、上述したように、マルチパスに起因する誤差の大きい衛星を測位計算の対象から外し、あえて誤差修正のための複雑な計算を不要としたことにり、簡素な構成のナビゲーション装置とすることができる。
【0061】
誤差原因と特定された衛星は再サーチさせることになるが、衛星数減少により測位計算が不可能な場合には非測位状態になる。
【0062】
GPS受信機11は、複数の衛星のうち測位信号に所定値以上の誤差が生じていると判断した衛星を、再度信号サーチし、トラッキング及び信号復調して誤差のない測位ができることを確認するまで測位対象から除外することが好適である。
【0063】
尚、上述した許容範囲は、従来技術で説明した通常の誤差楕円Oや誤差分布円を利用することも可能である。
【0064】
【発明の効果】
本発明のナビゲーション用GPS受信方法及び受信機によれば、GPS受信機の内部で測位信号を送り出す各衛星を監視することにより、ナビゲーション装置に出力されるGPS位置情報を常に適正な情報とすることができる。
【0065】
そして、本発明によれば、誤差原因となった衛星の特定処理、例えば衛星の再サーチなどを的確に行うことができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わるナビゲーション装置のブロック図である。
【図2】本発明のナビゲーション装置の自律航法で算出された自車位置とGPS航法で算出された自車位置との誤差関係を示す説明図である。
【図3】本発明のナビゲーション装置の処理ルーチンのフロー図である。
【図4】従来の誤差楕円の算出を可能としたナビゲーション装置の全体構成のブロック図である。
【図5】従来のナビゲーション装置によって算出された誤差楕円の説明図である。
【符号の説明】
11 GPS受信機(自車位置算出部)、12 速度センサー、13 方位センサー、14 自律航法計算部、15 地図情報記憶部、16 ナビゲーション処理部、17 表示部。
Claims (3)
- 複数の衛星から送出された測位信号に基づいて算出されたGPS位置情報をナビゲーション処理部に出力するナビゲーション用GPS受信方法において、
ナビゲーション処理部から自律位置情報を受け、この自律位置情報とGPS位置情報とを比較し、両者の誤差が所定値以上の場合、誤差原因となった衛星の特定処理を行うことを特徴とするナビゲーション用GPS受信方法。 - 請求項1記載のナビゲーション用GPS受信方法において、
誤差原因と特定された衛星を再サーチさせ測位計算に使用しないことを特徴とするナビゲーション用GPS受信方法。 - 複数の衛星から送出された測位信号に基づいて算出されたGPS位置情報をナビゲーション処理部に出力するナビゲーション用GPS受信機において、
ナビゲーション処理部から自律位置情報を受け、この自律位置情報とGPS位置情報とを比較し、両者の誤差が所定値以上の場合、誤差原因となった衛星の特定処理を行うことを特徴とするナビゲーション用GPS受信機。
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