JP2004301649A - 見通し外車両等の検知レーダシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】信号機がなくかつ見通しのきかない交差点のように、見通し外にある車両等目標物を検知するとともに、見通しのきかない交差点に接近しつつある車両等目標物までの距離および相対速度を検出できる見通し外車両検知レーダシステムを提供する。
【解決手段】その回折損が大きく異なるほどに離隔している複数の周波数のマイクロ波パルス信号を同時に送信し、受信信号の距離方向における信号強度分布の差分から見通し外車両等目標物からの回折波のみを分離・抽出し、見通し外車両等目標物を検知するとともに、前記受信信号を距離・速度検出回路に入力し、高速フーリエ変換によって周波数解析して見通し外車両等目標物毎の周波数スペクトルをスレショルド検出した後、見通し外車両等目標物までの距離および相対速度を演算算出するようにした見通し外車両検知レーダシステム。
【選択図】図1
【解決手段】その回折損が大きく異なるほどに離隔している複数の周波数のマイクロ波パルス信号を同時に送信し、受信信号の距離方向における信号強度分布の差分から見通し外車両等目標物からの回折波のみを分離・抽出し、見通し外車両等目標物を検知するとともに、前記受信信号を距離・速度検出回路に入力し、高速フーリエ変換によって周波数解析して見通し外車両等目標物毎の周波数スペクトルをスレショルド検出した後、見通し外車両等目標物までの距離および相対速度を演算算出するようにした見通し外車両検知レーダシステム。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、信号機が設置されていないかつ見通しのきかない交差点における車両等のような、見通し外車両等を検知するレーダシステムに関する。さらに、見通し外車両等を検知するレーダシステムに、見通し外車両等が交差点から遠ざかっているのか或いは接近しているのかを判定しかつ、その見通し外車両等目標物までの距離および相対速度を検出する距離・速度検出回路を付加した見通し外車両等の検知レーダシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
交通事故の多くは、信号機がなくかつ見通しの悪い交差点で発生している。いわゆる出会い頭の衝突事故である。このような交差点は国内に多数あり、信号機などの道路インフラに依存することなくかつ天候などにも影響を受けることのない、信号機がなくかつ見通しの悪い交差点等における見通し外車両等目標物の検知手段の開発の必要性が高まっている。
【0003】
従来、道路上を走行している車両等の検知手段であるレーダや画像センサは、見通し内にある車両等目標物からの直接的な反射波によって車両等目標物の検知を行うものである。また、パルスレーダにあっては、受信信号の遅延時間から車両等目標物までの距離を推定している。このような、従来の車両等目標物からの直接的な反射波を受信して車両等目標物の検知を行うシステムでは、信号機がなくかつ見通しのきかない交差点のように、建物や壁に遮蔽されている領域の車両等を検知することができない。これは、建物や壁で遮蔽されている場所を走行している車両等即ち見通し外車両等からの微弱な信号が、見通し内にある車両等からの相対的に強い反射信号に埋没してしまい、その識別ができないからである。
【0004】
一方、単一周波数のレーダでは、車両等の走行時の環境変化によって車両等目標物の探知が不可能な周波数領域が発生する問題があり、これを解決すべく複数の周波数を用いるレーダが、たとえば特開平6−160512号公報に開示されている。この公報に開示されている発明は、マイクロ波を発信し車両等目標物からの反射波を受信してその目標物までの距離および相対速度を測定するレーダシステムにおいて、他の自動車等のレーダシステム、自動ドア開閉装置、速度測定レーダシテムといったマイクロ波エネルギーの発生源による干渉に起因するレーダシステムの有効性の低下即ち、マイクロ波の干渉によって反射波の検知が困難或いは不可能となる問題を解決することを発明における技術的課題としている。
【0005】
前記課題を解決するための前記公開公報に開示の発明は、約50kHzの差がある少なくとも2つの周波数を有する時間多重化マイクロ波信号(第一発信信号及び第二発信信号)を発信し、受信するシステムであって、異なる周波数を有する少なくとも第一発信信号及び第二発信信号を発生し、前記発信信号の目標(対象)を示す反射を含む信号を受信する車両目標探知システムと、受信信号に対する干渉の有無を検知し、この検知結果に応じて車両検知システムの発信信号を少なくとも第一の発信周波数から第二発信信号の周波数に変更させる手段を有する車両レーダシステムの干渉回避システムである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この先行技術によるときは、信号機がなくかつ見通しのきかない交差点のように、ブラインドとなっている領域における車両等目標物の検知が不可能である。この先行技術(レーダシステム)は見通し内にある目標物の検知を目的としており、他のマイクロ波エネルギーの発生源による干渉に起因するレーダシステムの有効性の低下を防止すべく、複数の周波数のマイクロ波を時間的にずらして発生し、他のマイクロ波エネルギーの発生源による干渉を回避するようにしている。
【0007】
本発明は、信号機がなくかつ見通しのきかない交差点のように、見通し外にある車両等目標物を検知するとともに、見通しのきかない交差点に接近してきている車両等目標物までの距離および相対速度を検出できる見通し外車両検知レーダシステムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、その回折損が大きく異なるほどに離隔している複数の周波数のマイクロ波パルス信号を同時に送信し、該送信パルス信号の車両等目標物からの反射波を受信および検波し、該検波信号の距離方向における信号強度分布の差分から見通し外車両等からの回折波のみを分離・抽出し見通し外車両等目標物を検知するようにした見通し外車両等の検知レーダシステムである。
この発明によれば、信号機がなくかつ遮蔽物によってブラインドとなっている領域における車両等目標物の存否を確実に検知でき、出会い頭の衝突事故を大きく減少させることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、その回折損が大きく異なるほどに離隔している複数の周波数のマイクロ波パルス信号を同時に送信し、該送信パルス信号の車両等目標物からの反射波を受信および検波し、該検波信号の距離方向における信号強度分布の差分から見通し外車両等目標物からの回折波のみを分離・抽出し見通し外車両等目標物を検知するとともに、前記検波信号を距離・速度検出回路に入力し、高速フーリエ変換によって周波数解析して見通し外車両等目標物毎の周波数スペクトルをスレショルド検出した後、見通し外車両等目標物までの距離および相対速度を演算算出するようにした見通し外車両等の検知レーダシステムである。この発明によるときは、信号機がなくかつ遮蔽物によってブラインドとなっている領域における車両等目標物の存否を確実に検知することに加えて、交差点に接近してきている車両等目標物までの距離および相対速度を検出することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、その回折損が大きく異なるほどに離隔している複数の周波数のマイクロ波パルス信号を同時に送信する手段と、前記送信信号の車両等目標物からの反射波を受信する手段と、該受信信号を検波する検波器と、該検波器からの複数の検波信号を入力され周波数毎の距離方向における信号強度を比較する差分回路と、該差分回路からの差分信号を入力され見通し外車両等目標物からの回折波のみを分離・抽出する演算手段と、見通し外車両等目標物を識別するスレショルド検出器とを有することを特徴とする見通し外車両等の検知レーダシステムである。
この発明によれば、簡潔な装置構成にして信号機がなくかつ遮蔽物によってブラインドとなっている領域における車両等目標物の存否を確実に検知でき、出会い頭の衝突事故を大きく減少させることができる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、その回折損が大きく異なるほどに離隔している複数の周波数のマイクロ波パルス信号を同時に送信する手段と、前記送信信号の車両等目標物からの反射波を受信する手段と、該受信信号を検波する検波器と、該検波器からの複数の検波信号を入力され周波数毎の距離方向における信号強度を比較する差分回路と、該差分回路からの差分信号を入力され見通し外車両等目標物からの回折波のみを分離・抽出する演算手段と、見通し外車両等目標物を識別するスレショルド検出器とを有する見通し外車両等検出回路と、前記複数の検波信号を入力され高速フーリエ変換により周波数解析し、見通し外車両等目標物毎の周波数スペクトルをスレショルド検出した後、見通し外車両等目標物までの距離および相対速度を演算算出する距離・速度検出回路とを有することを特徴とする見通し外車両等の検知レーダシステムである。
この発明によるときは、きわめて簡潔な装置構成にして信号機がなくかつ遮蔽物によってブラインドとなっている領域における車両等目標物の存否を確実に検知することに加えて、交差点に接近してきている車両等目標物までの距離および相対速度を検出することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその好ましい実施形態に則して説明する。
発信されたマイクロ波の車両等目標物からの受信信号は、目標物やその他の路上反射物からの反射波、透過波、および回折波から構成されており、発明者の知見によれば、反射波および透過波の信号強度は周波数にさほど依存しないが、回折波のみは周波数に大きく依存する。しかも、この回折は見通し内の目標物やその他の路上反射物からは発生せず、見通し外からの反射波が回り込んで受信されるため、見通し外固有の現象である。従って、回折損が大きく異なるほどに離隔している複数の周波数たとえば、1GHzと20GHzといった2つの周波数のマイクロ波の受信信号の差分は回折波のみとなり、この回折波を検出することによって見通し外にある車両等目標物を検知することができる。
【0013】
【実施例】
実施例1
送信部は、回折損が大きく異なるほどに離隔している複数の周波数たとえば、1GHzと20GHzといった2つの周波数のパルス信号を同時に送信し、周囲の対象物で反射した送信信号の一部がアンテナを介して受信される。ここで、説明を簡単にするため、送信信号の周波数は2(発振器1と発振器2)とし、それぞれの周波数f1とf2は回折損が大きく異なるほどに離隔している。
【0014】
図1に、本発明の見通し外車両等の検知レーダシステムの受信信号処理回路を示す。図1に示すように、受信信号は、送信信号発生回路における発振器1および発振器2からの信号(周波数f1とf2)によって基底信号に周波数変換され、次いで、検波器によって検波される。得られた検波信号CH1とCH2は、見通し外目標物検出回路および距離・速度検出回路に入力される。
【0015】
図2に、見通し外目標物検出回路を示す。見通し外目標物検出回路は、検波信号CH1およびCH2に対応するフィルタと、検波信号CH1とCH2を比較し差分信号(回折波)を出力する差分回路と、差分信号から見通し外車両等目標物からの回折波のみを分離・抽出する演算処理手段と、スレショルド検出器からなる。
【0016】
見通し外目標物検出回路に入力された検波信号CH1とCH2は、差分回路によって周波数f1およびf2の距離方向における信号強度が比較され差分信号(回折波)が出力される。この差分信号から見通し外目標物からの反射信号(回折波)のみを演算処理手段によって分離・抽出する。次いで、スレショルド検出器によって、見通し外目標物を識別する。その際、送信信号の周波数帯域幅は、見通し外車両等目標物からの回折波信号を分離・抽出するに十分なだけ広く採られる。
【0017】
実施例2
信号機のない四差路の、ブラインドとなっている領域を走行している車両等目標物が交差点に接近しているのか或いは遠ざかっているのかを、図3に示す距離・速度検出回路によって識別する。交差点付近で回折波を検出し、その相対速度がマイナスであれば交差点から遠ざかっており、逆にプラスであれば交差点に接近している。
【0018】
距離・速度検出回路に入力された検波信号CH1とCH2は、高速フーリエ変換手段FFTによって周波数解析され、車両等目標物毎の周波数スペクトルをスレショルド検出した後、距離や相対速度が代数的に演算算出される。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、信号機野内交差点であって建物や壁によってブラインドとなっている四差路のように、直交する道路上における見通し外の車両等目標物の存否を確実に検知することができ、出会い頭の衝突といった事故を大きく減少せしめ得る。
【0020】
請求項2に記載の発明によるときは、ブラインドとなっている四差路において直交する道路上における見通し外の車両等目標物の存否を確実に検知することができるとともに、見通し外の車両等目標物までの距離および相対速度を併せ検出することで交差点に接近している見通し外の車両等の状態を把握し得、より確実に出会い頭の衝突といった事故を大きく減少せしめ得る。
【0021】
請求項3に記載の発明によれば、簡潔な装置構成にして信号機がなくかつ遮蔽物によってブラインドとなっている領域における車両等目標物の存否を確実に検知でき、出会い頭の衝突事故を大きく減少させることができる。
【0022】
請求項4に記載の発明によるときは、きわめて簡潔な装置構成にして信号機がなくかつ遮蔽物によってブラインドとなっている領域における車両等目標物の存否を確実に検知することに加えて、交差点に接近してきている車両等目標物までの距離および相対速度を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係わる受信信号処理回路を示すブロック図
【図2】本発明の一実施例に係わる見通し外車両等目標物検出回路を示すブロック図
【図3】本発明の一実施例に係わる見通し外車両等目標物の距離・相対速度検出回路示すブロック図
【発明の属する技術分野】
本発明は、信号機が設置されていないかつ見通しのきかない交差点における車両等のような、見通し外車両等を検知するレーダシステムに関する。さらに、見通し外車両等を検知するレーダシステムに、見通し外車両等が交差点から遠ざかっているのか或いは接近しているのかを判定しかつ、その見通し外車両等目標物までの距離および相対速度を検出する距離・速度検出回路を付加した見通し外車両等の検知レーダシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
交通事故の多くは、信号機がなくかつ見通しの悪い交差点で発生している。いわゆる出会い頭の衝突事故である。このような交差点は国内に多数あり、信号機などの道路インフラに依存することなくかつ天候などにも影響を受けることのない、信号機がなくかつ見通しの悪い交差点等における見通し外車両等目標物の検知手段の開発の必要性が高まっている。
【0003】
従来、道路上を走行している車両等の検知手段であるレーダや画像センサは、見通し内にある車両等目標物からの直接的な反射波によって車両等目標物の検知を行うものである。また、パルスレーダにあっては、受信信号の遅延時間から車両等目標物までの距離を推定している。このような、従来の車両等目標物からの直接的な反射波を受信して車両等目標物の検知を行うシステムでは、信号機がなくかつ見通しのきかない交差点のように、建物や壁に遮蔽されている領域の車両等を検知することができない。これは、建物や壁で遮蔽されている場所を走行している車両等即ち見通し外車両等からの微弱な信号が、見通し内にある車両等からの相対的に強い反射信号に埋没してしまい、その識別ができないからである。
【0004】
一方、単一周波数のレーダでは、車両等の走行時の環境変化によって車両等目標物の探知が不可能な周波数領域が発生する問題があり、これを解決すべく複数の周波数を用いるレーダが、たとえば特開平6−160512号公報に開示されている。この公報に開示されている発明は、マイクロ波を発信し車両等目標物からの反射波を受信してその目標物までの距離および相対速度を測定するレーダシステムにおいて、他の自動車等のレーダシステム、自動ドア開閉装置、速度測定レーダシテムといったマイクロ波エネルギーの発生源による干渉に起因するレーダシステムの有効性の低下即ち、マイクロ波の干渉によって反射波の検知が困難或いは不可能となる問題を解決することを発明における技術的課題としている。
【0005】
前記課題を解決するための前記公開公報に開示の発明は、約50kHzの差がある少なくとも2つの周波数を有する時間多重化マイクロ波信号(第一発信信号及び第二発信信号)を発信し、受信するシステムであって、異なる周波数を有する少なくとも第一発信信号及び第二発信信号を発生し、前記発信信号の目標(対象)を示す反射を含む信号を受信する車両目標探知システムと、受信信号に対する干渉の有無を検知し、この検知結果に応じて車両検知システムの発信信号を少なくとも第一の発信周波数から第二発信信号の周波数に変更させる手段を有する車両レーダシステムの干渉回避システムである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この先行技術によるときは、信号機がなくかつ見通しのきかない交差点のように、ブラインドとなっている領域における車両等目標物の検知が不可能である。この先行技術(レーダシステム)は見通し内にある目標物の検知を目的としており、他のマイクロ波エネルギーの発生源による干渉に起因するレーダシステムの有効性の低下を防止すべく、複数の周波数のマイクロ波を時間的にずらして発生し、他のマイクロ波エネルギーの発生源による干渉を回避するようにしている。
【0007】
本発明は、信号機がなくかつ見通しのきかない交差点のように、見通し外にある車両等目標物を検知するとともに、見通しのきかない交差点に接近してきている車両等目標物までの距離および相対速度を検出できる見通し外車両検知レーダシステムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、その回折損が大きく異なるほどに離隔している複数の周波数のマイクロ波パルス信号を同時に送信し、該送信パルス信号の車両等目標物からの反射波を受信および検波し、該検波信号の距離方向における信号強度分布の差分から見通し外車両等からの回折波のみを分離・抽出し見通し外車両等目標物を検知するようにした見通し外車両等の検知レーダシステムである。
この発明によれば、信号機がなくかつ遮蔽物によってブラインドとなっている領域における車両等目標物の存否を確実に検知でき、出会い頭の衝突事故を大きく減少させることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、その回折損が大きく異なるほどに離隔している複数の周波数のマイクロ波パルス信号を同時に送信し、該送信パルス信号の車両等目標物からの反射波を受信および検波し、該検波信号の距離方向における信号強度分布の差分から見通し外車両等目標物からの回折波のみを分離・抽出し見通し外車両等目標物を検知するとともに、前記検波信号を距離・速度検出回路に入力し、高速フーリエ変換によって周波数解析して見通し外車両等目標物毎の周波数スペクトルをスレショルド検出した後、見通し外車両等目標物までの距離および相対速度を演算算出するようにした見通し外車両等の検知レーダシステムである。この発明によるときは、信号機がなくかつ遮蔽物によってブラインドとなっている領域における車両等目標物の存否を確実に検知することに加えて、交差点に接近してきている車両等目標物までの距離および相対速度を検出することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、その回折損が大きく異なるほどに離隔している複数の周波数のマイクロ波パルス信号を同時に送信する手段と、前記送信信号の車両等目標物からの反射波を受信する手段と、該受信信号を検波する検波器と、該検波器からの複数の検波信号を入力され周波数毎の距離方向における信号強度を比較する差分回路と、該差分回路からの差分信号を入力され見通し外車両等目標物からの回折波のみを分離・抽出する演算手段と、見通し外車両等目標物を識別するスレショルド検出器とを有することを特徴とする見通し外車両等の検知レーダシステムである。
この発明によれば、簡潔な装置構成にして信号機がなくかつ遮蔽物によってブラインドとなっている領域における車両等目標物の存否を確実に検知でき、出会い頭の衝突事故を大きく減少させることができる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、その回折損が大きく異なるほどに離隔している複数の周波数のマイクロ波パルス信号を同時に送信する手段と、前記送信信号の車両等目標物からの反射波を受信する手段と、該受信信号を検波する検波器と、該検波器からの複数の検波信号を入力され周波数毎の距離方向における信号強度を比較する差分回路と、該差分回路からの差分信号を入力され見通し外車両等目標物からの回折波のみを分離・抽出する演算手段と、見通し外車両等目標物を識別するスレショルド検出器とを有する見通し外車両等検出回路と、前記複数の検波信号を入力され高速フーリエ変換により周波数解析し、見通し外車両等目標物毎の周波数スペクトルをスレショルド検出した後、見通し外車両等目標物までの距離および相対速度を演算算出する距離・速度検出回路とを有することを特徴とする見通し外車両等の検知レーダシステムである。
この発明によるときは、きわめて簡潔な装置構成にして信号機がなくかつ遮蔽物によってブラインドとなっている領域における車両等目標物の存否を確実に検知することに加えて、交差点に接近してきている車両等目標物までの距離および相対速度を検出することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその好ましい実施形態に則して説明する。
発信されたマイクロ波の車両等目標物からの受信信号は、目標物やその他の路上反射物からの反射波、透過波、および回折波から構成されており、発明者の知見によれば、反射波および透過波の信号強度は周波数にさほど依存しないが、回折波のみは周波数に大きく依存する。しかも、この回折は見通し内の目標物やその他の路上反射物からは発生せず、見通し外からの反射波が回り込んで受信されるため、見通し外固有の現象である。従って、回折損が大きく異なるほどに離隔している複数の周波数たとえば、1GHzと20GHzといった2つの周波数のマイクロ波の受信信号の差分は回折波のみとなり、この回折波を検出することによって見通し外にある車両等目標物を検知することができる。
【0013】
【実施例】
実施例1
送信部は、回折損が大きく異なるほどに離隔している複数の周波数たとえば、1GHzと20GHzといった2つの周波数のパルス信号を同時に送信し、周囲の対象物で反射した送信信号の一部がアンテナを介して受信される。ここで、説明を簡単にするため、送信信号の周波数は2(発振器1と発振器2)とし、それぞれの周波数f1とf2は回折損が大きく異なるほどに離隔している。
【0014】
図1に、本発明の見通し外車両等の検知レーダシステムの受信信号処理回路を示す。図1に示すように、受信信号は、送信信号発生回路における発振器1および発振器2からの信号(周波数f1とf2)によって基底信号に周波数変換され、次いで、検波器によって検波される。得られた検波信号CH1とCH2は、見通し外目標物検出回路および距離・速度検出回路に入力される。
【0015】
図2に、見通し外目標物検出回路を示す。見通し外目標物検出回路は、検波信号CH1およびCH2に対応するフィルタと、検波信号CH1とCH2を比較し差分信号(回折波)を出力する差分回路と、差分信号から見通し外車両等目標物からの回折波のみを分離・抽出する演算処理手段と、スレショルド検出器からなる。
【0016】
見通し外目標物検出回路に入力された検波信号CH1とCH2は、差分回路によって周波数f1およびf2の距離方向における信号強度が比較され差分信号(回折波)が出力される。この差分信号から見通し外目標物からの反射信号(回折波)のみを演算処理手段によって分離・抽出する。次いで、スレショルド検出器によって、見通し外目標物を識別する。その際、送信信号の周波数帯域幅は、見通し外車両等目標物からの回折波信号を分離・抽出するに十分なだけ広く採られる。
【0017】
実施例2
信号機のない四差路の、ブラインドとなっている領域を走行している車両等目標物が交差点に接近しているのか或いは遠ざかっているのかを、図3に示す距離・速度検出回路によって識別する。交差点付近で回折波を検出し、その相対速度がマイナスであれば交差点から遠ざかっており、逆にプラスであれば交差点に接近している。
【0018】
距離・速度検出回路に入力された検波信号CH1とCH2は、高速フーリエ変換手段FFTによって周波数解析され、車両等目標物毎の周波数スペクトルをスレショルド検出した後、距離や相対速度が代数的に演算算出される。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、信号機野内交差点であって建物や壁によってブラインドとなっている四差路のように、直交する道路上における見通し外の車両等目標物の存否を確実に検知することができ、出会い頭の衝突といった事故を大きく減少せしめ得る。
【0020】
請求項2に記載の発明によるときは、ブラインドとなっている四差路において直交する道路上における見通し外の車両等目標物の存否を確実に検知することができるとともに、見通し外の車両等目標物までの距離および相対速度を併せ検出することで交差点に接近している見通し外の車両等の状態を把握し得、より確実に出会い頭の衝突といった事故を大きく減少せしめ得る。
【0021】
請求項3に記載の発明によれば、簡潔な装置構成にして信号機がなくかつ遮蔽物によってブラインドとなっている領域における車両等目標物の存否を確実に検知でき、出会い頭の衝突事故を大きく減少させることができる。
【0022】
請求項4に記載の発明によるときは、きわめて簡潔な装置構成にして信号機がなくかつ遮蔽物によってブラインドとなっている領域における車両等目標物の存否を確実に検知することに加えて、交差点に接近してきている車両等目標物までの距離および相対速度を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係わる受信信号処理回路を示すブロック図
【図2】本発明の一実施例に係わる見通し外車両等目標物検出回路を示すブロック図
【図3】本発明の一実施例に係わる見通し外車両等目標物の距離・相対速度検出回路示すブロック図
Claims (4)
- その回折損が大きく異なるほどに離隔している複数の周波数のマイクロ波パルス信号を同時に送信し、該送信パルス信号の車両等目標物からの反射波を受信し、該受信信号の距離方向における信号強度分布の差分から見通し外車両等からの回折波のみを分離・抽出し見通し外車両等目標物を検知するようにしたことを特徴とする見通し外車両等の検知レーダシステム。
- その回折損が大きく異なるほどに離隔している複数の周波数のマイクロ波パルス信号を同時に送信し、該送信パルス信号の車両等目標物からの反射波を受信および検波し、該検波信号の距離方向における信号強度分布の差分から見通し外車両等目標物からの回折波のみを分離・抽出し見通し外車両等目標物を検知するとともに、前記検波信号を距離・速度検出回路に入力し、高速フーリエ変換によって周波数解析して見通し外車両等目標物毎の周波数スペクトルをスレショルド検出した後、見通し外車両等目標物までの距離および相対速度を演算算出するようにしたことを特徴とする見通し外車両等の検知レーダシステム。
- その回折損が大きく異なるほどに離隔している複数の周波数のマイクロ波パルス信号を同時に送信する手段と、前記送信信号の車両等目標物からの反射波を受信する手段と、該受信信号を検波する検波器と、該検波器からの複数の検波信号を入力され周波数毎の距離方向における信号強度を比較する差分回路と、該差分回路からの差分信号を入力され見通し外車両等目標物からの回折波のみを分離・抽出する演算手段と、見通し外車両等目標物を識別するスレショルド検出器とを有することを特徴とする見通し外車両等の検知レーダシステム。
- その回折損が大きく異なるほどに離隔している複数の周波数のマイクロ波パルス信号を同時に送信する手段と、前記送信信号の車両等目標物からの反射波を受信する手段と、該受信信号を検波する検波器と、該検波器からの複数の検波信号を入力され周波数毎の距離方向における信号強度を比較する差分回路と、該差分回路からの差分信号を入力され見通し外車両等目標物からの回折波のみを分離・抽出する演算手段と、見通し外車両等目標物を識別するスレショルド検出器とを有する見通し外車両等検出回路と、前記複数の検波信号を入力され高速フーリエ変換により周波数解析し、見通し外車両等目標物毎の周波数スペクトルをスレショルド検出した後、見通し外車両等目標物までの距離および相対速度を演算算出する距離・速度検出回路とを有することを特徴とする見通し外車両等の検知レーダシステム。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003094632A JP2004301649A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 見通し外車両等の検知レーダシステム |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003094632A JP2004301649A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 見通し外車両等の検知レーダシステム |
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006123628A1 (ja) * | 2005-05-17 | 2006-11-23 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | レーダおよびレーダシステム |
US8031062B2 (en) | 2008-01-04 | 2011-10-04 | Smith Alexander E | Method and apparatus to improve vehicle situational awareness at intersections |
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-
2003
- 2003-03-31 JP JP2003094632A patent/JP2004301649A/ja active Pending
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