JP2004301615A - 炉内煉瓦の温度測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、炉内の煉瓦温度を測定する際に、被測温体が冷風の影響により温度が低下するのを防ぎ、正確な温度を測定できる炉内煉瓦の温度測定装置を提供する。
【解決手段】被温度測定物に達する炉内煉瓦に開孔を設け、該開孔に測温体を挿入して、前記被温度測定物の温度を測定する温度測定装置において、前記被温度測定物の温度測定部位の周囲を囲み、かつ、その先端が被温度測定物に接触する筒状断熱体を前記測温体の先端部に設けた炉内煉瓦の温度測定装置。
【選択図】 図1
【解決手段】被温度測定物に達する炉内煉瓦に開孔を設け、該開孔に測温体を挿入して、前記被温度測定物の温度を測定する温度測定装置において、前記被温度測定物の温度測定部位の周囲を囲み、かつ、その先端が被温度測定物に接触する筒状断熱体を前記測温体の先端部に設けた炉内煉瓦の温度測定装置。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は炉内の煉瓦温度を測定する際に、その測温値が冷風の影響により低下するのを防ぎ、正確な温度を測定できる炉内煉瓦の温度測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から各種の炉においては、必要個所の温度測定を行い炉操業の指針としている。測定には熱電対等の測温体が用いられ、例えば、温度測定個所の炉内煉瓦に穴を穿ち、該煉瓦に測温体を先端部が接する状態に外部から設置して、当該部分の温度測定を行っている。
このような測定温度結果から、炉における当該測温箇所の温度を知ることによって、炉温を把握したり、また当該部分の煉瓦の損耗状態を知る等炉操業上重要な管理項目となっている。
【0003】
炉の構築に当っては、例えば熱風炉等においては炉外部を鉄皮構造とし、内部に煉瓦を層状に内張りし、さらにその内部に断熱煉瓦,耐火煉瓦,蓄熱煉瓦を積層して蓄熱室を構成している。しかして、前記煉瓦のうち目的とする煉瓦の温度を測定するに当って問題となるのは、炉内温度が変化した場合、鉄皮と煉瓦の材質差により熱膨脹率差が異なることである。すなわち、煉瓦の熱膨脹は殆どないが、外被の鉄皮は熱膨脹が大きい。
【0004】
従って、外部から鉄皮を貫通して測温体が低温時に煉瓦と接触していても、高温時には鉄皮の膨脹につれて測温体が外側へ引きずられ、測温体が煉瓦から離れるため、被測定箇所の正確な温度を測定ができない惧れが生じる。
このような現象の発生を防止するために、耐火物と鉄皮との熱膨脹率差により熱電対先端と耐火物との間に隙間が生じても、熱電対の炉内と炉外の接続部にスプリングを介入させることで、熱電対には常時炉内耐火物の表面に押圧力が付与されるように設置して、熱電対先端が耐火物に確実に接触するようになし、その結果、耐火物の温度を精度良く測定しようという技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
実開平7−41435号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記技術は煉瓦と測温体の接触を良好に保つという目的からは意義のある技術であるが、測定箇所が何等かの理由により冷却雰囲気に曝され、測温部及び測温体先端が低温状態になる惧れがある箇所では、煉瓦と測温体の接触を適切に保っても測定対象物である煉瓦の温度が低下していたのでは意味がない。すなわち、測定された温度が目的とする煉瓦の温度(何らの影響も受けない温度)を示していないのでは、その目的を達成できないことになる。
【0007】
例えば、高炉へ熱風を供給するための熱風炉においては、前記したように外側を鉄皮で構築して、その内側はキャスタブル耐火物を介して各種の煉瓦を積層し蓄熱室を構成している。しかして、燃焼室で燃料ガスを燃焼して発生した高温ガスの熱を該蓄熱室の煉瓦に熱伝達し熱を蓄える。
かくして蓄熱を終えた炉は、次に熱風を高炉へ送るため送風機からの冷風により、蓄熱煉瓦から熱を奪取してその目的を達成する。このように熱風炉においては蓄熱−送風の操業を周期的に交互に繰り返すことによって、高炉へ熱風を送っている。
【0008】
前記したように熱風炉内は、高温の燃焼ガスと低温の冷風に交互に曝されるため、炉内煉瓦と接する鉄皮はその都度熱影響を受け膨脹と収縮を繰り返さざるを得ない。鉄皮は高温時に煉瓦よりも外側へ移動し煉瓦との間に隙間が生じる(キャスタブル耐火物の亀裂)。
また、煉瓦においてもブロック煉瓦間をモルタルなどを介在せしめて複数層に積み上げられているため、長期間の時間経過により前記モルタルに亀裂(目地切れ)が発生し、煉瓦同士の密着状態が破られ隙間を生じた状態になる。
【0009】
一度この状態(隙間の残存)を生ずると、煉瓦自体は膨脹収縮をほとんど起こさないために隙間は塞がらず、その状態は持続される。そうして、隙間に入った空気は鉄皮側よりの外気で冷却され、内部にある高温空気とは異なった温度になる。
【0010】
熱風炉は上記状態になるので送風期に入った場合、約5kg/cm2−Gの圧力を有する冷風の一部(裏風)は、煉瓦の隙間を通り鉄皮と内張煉瓦の間、および断熱煉瓦間の隙間を通過し耐火煉瓦まで達する。また蓄熱期に入る際は熱風炉内は常圧になるので、上記隙間に残留していた送風期の高圧冷風が低圧側に移行するため、矢張り冷風が隙間を流れる。
【0011】
このような現象は蓄熱−送風の周期毎の繰り返しにより、その都度発生するため、耐火煉瓦の測定箇所にも測温体の保護管と該保護管を挿入している挿入穴の間を通して前記冷風が入り込むので、正確な温度測定を妨げていた。
本発明はこのような問題に起因する測定体の温度低下を防ぐべく開発されたもので、冷風の流れ込みを抑制することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記した従来方法における問題点を解決するためになされたものであって、その要旨するところは、下記手段にある。
(1) 被温度測定物に達する炉内煉瓦に開孔を設け、該開孔に測温体を挿入して、前記被温度測定物の温度を測定する温度測定装置において、前記被温度測定物の温度測定部位の周囲を囲み、かつ、その先端が被温度測定物に接触する筒状断熱体を前記測温体の先端部に設けた炉内煉瓦の温度測定装置。
【0013】
(2) 前記測温体の先端部が被温度測定物に設けた窪み内に挿入され、前記筒状断熱体の先端が被温度測定物の表面に接触する状態とした(1)記載の炉内煉瓦の温度測定装置。
(3) 前記測温体の先端部と前記筒状断熱体の先端部が被温度測定物に設けた窪み内に挿入され、被温度測定物の表面に接触する状態とした(1)記載の炉内煉瓦の温度測定装置。
【0014】
【発明の実施の形態】
前述したように、熱風炉においては操業時の温度変化により、外被鉄皮が膨脹・収縮を繰り返すことで鉄皮と内張り煉瓦の間に隙間を発生し、この隙間を流れる冷風が測温体の保護管と、これを挿入する挿入穴の間を通して測温体先端部および被測定体を冷却している。
そこで本発明者らは、送風時に起こる裏風が被測定体に影響を及ぼさぬ方策につき、種々なる検討を重ね被測定体部へ流れ込む裏風の影響を排除するには、被測定体部近傍へ流れ込む裏風を遮断することが最善の方策であろうとの見解の基に、測温体を断熱体で覆うことに思い至った。
【0015】
以下、熱風炉を例にして、図に基づいて本発明の構成を説明する。
図1は温度測定部に該当する炉体の一部を切欠いて示したもので、炉体鉄皮1の内壁側から内張煉瓦2,断熱煉瓦3が積層され、さらにその内側に耐火煉瓦4,蓄熱煉瓦5が積層されている。6は測温体(熱電対を内挿したシース管からなる温度計)であり、鉄皮1,内張煉瓦2,断熱煉瓦3に設けた挿入穴12を貫通して耐火煉瓦4に接触している。7は測温体6を耐火煉瓦4に接触するように設置するためのガイドと外部から測温体6に加わる衝撃を保護するための保護管である。
【0016】
しかして、測温体の先端部6aは適宜の長さを持った筒状断熱体8によってその周囲を囲み、被温度測定物の温度測定部位(耐火煉瓦4)と接触させる。
なお9は測温体を取付けるための冶具であり、フランジ等により構成されている。10は鉄皮1の膨脹により生じた内張煉瓦2との間に生じた隙間(キャスタブル耐火物の亀裂)である。また、前記測温体6,保護管7,測温体取付冶具9などの間隙にはモルタル等の詰物を圧入して隙間を埋め、極力冷風の侵入を塞いでいる。
【0017】
図2は測温体の先端部6aと筒状断熱体8とが被温度測定物(耐火煉瓦4)と接触する他の状態を示したもので、(a)は筒状断熱体8の先端を耐火煉瓦4に接着させ、測温体の先端部6aを耐火煉瓦4の窪み内に挿入接触させた状態を示し、(b)は筒状断熱体8の先端と測温体の先端部6aを耐火煉瓦4の窪み内に挿入接触させた状態を示したものである。
【0018】
このような構成になる炉内煉瓦温度測定装置においては、裏風が鉄皮1と内張煉瓦2との間隙10を通り、または断熱煉瓦3の目地部11の亀裂部を通過するようなことがあっても、測温体6の先端部6aは筒状断熱体8で覆われているため裏風は遮断され、被測定部に達することはなく、正確な温度を測定することが可能となる。また筒状断熱体8は断熱性の優れた耐火物で作製されているので外部から熱的影響を受けても、その熱的変化が測温体先端部6aにまで伝わる惧れはない。
【0019】
なお、前記図2に示したように測温体先端部6aを被測定体の耐火煉瓦4に接触させる場合、該被測定体である耐火煉瓦4の被測温部に窪みを穿ち、測温体先端部6a,または、測温体先端部6aと筒状断熱体8先端を共に、被測温部に埋設するように設置するのは測温に当っては好ましい実施態様である。
【0020】
本発明者らが本発明装置と従来装置との比較のため、熱風炉内の耐火煉瓦についって同一箇所の温度測定を数多く行ったところ、本発明では裏風による低温の影響を受けることが全くなく、正確に耐火煉瓦の温度を測定することが可能であったため、熱風炉の蓄熱−送風の切換による温度の変化状況を確実に測定することができた。これに対し、従来装置による測定においては、裏風による影響を受け、本発明時の測温結果より約50℃低温の値を示していた。
このことから被測定体が冷風のため冷却され低温となっていたがため、正確な温度を示していなかたことに原因があることが明らかになった。
【0021】
本発明温度測定装置は熱風炉に限らず、外壁が鉄皮でその内側が煉瓦で構成され、鉄皮の熱膨脹に起因する鉄皮と煉瓦との間隙に気体が流通する例えば高炉炉床部などに使用してもその効果が期待できる。
【0022】
【発明の効果】
以上述べたように本発明装置によれば、被測定部および測温体が冷風に曝されることがなく、正確な温度の測定が可能となったため、炉操業管理を厳密に行うことができ、熱風炉操業について言えば従来では真の温度より低い温度を示していたがため、所定温度の熱風を供給できるのにも拘らず、早期に熱風炉の切替を行っていたことになり、蓄熱のために必要以上の燃料を使用していたが、本発明ではそのような無駄なことはなくなり、燃料コストを大幅に低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による煉瓦の温度測定状態を示した図。
【図2】本発明による煉瓦の温度測定状態の他の例を示した図。
【符号の説明】
1 炉体鉄皮
2 内張煉瓦
3 断熱煉瓦
4 耐火煉瓦
5 蓄熱煉瓦
6 測温体
6a 測温体先端部
7 保護管
8 筒状断熱体
9 取付冶具
10 隙間(キャスタブル耐火物の亀裂)
11 目地部
12 挿入穴
【発明の属する技術分野】
本発明は炉内の煉瓦温度を測定する際に、その測温値が冷風の影響により低下するのを防ぎ、正確な温度を測定できる炉内煉瓦の温度測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から各種の炉においては、必要個所の温度測定を行い炉操業の指針としている。測定には熱電対等の測温体が用いられ、例えば、温度測定個所の炉内煉瓦に穴を穿ち、該煉瓦に測温体を先端部が接する状態に外部から設置して、当該部分の温度測定を行っている。
このような測定温度結果から、炉における当該測温箇所の温度を知ることによって、炉温を把握したり、また当該部分の煉瓦の損耗状態を知る等炉操業上重要な管理項目となっている。
【0003】
炉の構築に当っては、例えば熱風炉等においては炉外部を鉄皮構造とし、内部に煉瓦を層状に内張りし、さらにその内部に断熱煉瓦,耐火煉瓦,蓄熱煉瓦を積層して蓄熱室を構成している。しかして、前記煉瓦のうち目的とする煉瓦の温度を測定するに当って問題となるのは、炉内温度が変化した場合、鉄皮と煉瓦の材質差により熱膨脹率差が異なることである。すなわち、煉瓦の熱膨脹は殆どないが、外被の鉄皮は熱膨脹が大きい。
【0004】
従って、外部から鉄皮を貫通して測温体が低温時に煉瓦と接触していても、高温時には鉄皮の膨脹につれて測温体が外側へ引きずられ、測温体が煉瓦から離れるため、被測定箇所の正確な温度を測定ができない惧れが生じる。
このような現象の発生を防止するために、耐火物と鉄皮との熱膨脹率差により熱電対先端と耐火物との間に隙間が生じても、熱電対の炉内と炉外の接続部にスプリングを介入させることで、熱電対には常時炉内耐火物の表面に押圧力が付与されるように設置して、熱電対先端が耐火物に確実に接触するようになし、その結果、耐火物の温度を精度良く測定しようという技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
実開平7−41435号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記技術は煉瓦と測温体の接触を良好に保つという目的からは意義のある技術であるが、測定箇所が何等かの理由により冷却雰囲気に曝され、測温部及び測温体先端が低温状態になる惧れがある箇所では、煉瓦と測温体の接触を適切に保っても測定対象物である煉瓦の温度が低下していたのでは意味がない。すなわち、測定された温度が目的とする煉瓦の温度(何らの影響も受けない温度)を示していないのでは、その目的を達成できないことになる。
【0007】
例えば、高炉へ熱風を供給するための熱風炉においては、前記したように外側を鉄皮で構築して、その内側はキャスタブル耐火物を介して各種の煉瓦を積層し蓄熱室を構成している。しかして、燃焼室で燃料ガスを燃焼して発生した高温ガスの熱を該蓄熱室の煉瓦に熱伝達し熱を蓄える。
かくして蓄熱を終えた炉は、次に熱風を高炉へ送るため送風機からの冷風により、蓄熱煉瓦から熱を奪取してその目的を達成する。このように熱風炉においては蓄熱−送風の操業を周期的に交互に繰り返すことによって、高炉へ熱風を送っている。
【0008】
前記したように熱風炉内は、高温の燃焼ガスと低温の冷風に交互に曝されるため、炉内煉瓦と接する鉄皮はその都度熱影響を受け膨脹と収縮を繰り返さざるを得ない。鉄皮は高温時に煉瓦よりも外側へ移動し煉瓦との間に隙間が生じる(キャスタブル耐火物の亀裂)。
また、煉瓦においてもブロック煉瓦間をモルタルなどを介在せしめて複数層に積み上げられているため、長期間の時間経過により前記モルタルに亀裂(目地切れ)が発生し、煉瓦同士の密着状態が破られ隙間を生じた状態になる。
【0009】
一度この状態(隙間の残存)を生ずると、煉瓦自体は膨脹収縮をほとんど起こさないために隙間は塞がらず、その状態は持続される。そうして、隙間に入った空気は鉄皮側よりの外気で冷却され、内部にある高温空気とは異なった温度になる。
【0010】
熱風炉は上記状態になるので送風期に入った場合、約5kg/cm2−Gの圧力を有する冷風の一部(裏風)は、煉瓦の隙間を通り鉄皮と内張煉瓦の間、および断熱煉瓦間の隙間を通過し耐火煉瓦まで達する。また蓄熱期に入る際は熱風炉内は常圧になるので、上記隙間に残留していた送風期の高圧冷風が低圧側に移行するため、矢張り冷風が隙間を流れる。
【0011】
このような現象は蓄熱−送風の周期毎の繰り返しにより、その都度発生するため、耐火煉瓦の測定箇所にも測温体の保護管と該保護管を挿入している挿入穴の間を通して前記冷風が入り込むので、正確な温度測定を妨げていた。
本発明はこのような問題に起因する測定体の温度低下を防ぐべく開発されたもので、冷風の流れ込みを抑制することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記した従来方法における問題点を解決するためになされたものであって、その要旨するところは、下記手段にある。
(1) 被温度測定物に達する炉内煉瓦に開孔を設け、該開孔に測温体を挿入して、前記被温度測定物の温度を測定する温度測定装置において、前記被温度測定物の温度測定部位の周囲を囲み、かつ、その先端が被温度測定物に接触する筒状断熱体を前記測温体の先端部に設けた炉内煉瓦の温度測定装置。
【0013】
(2) 前記測温体の先端部が被温度測定物に設けた窪み内に挿入され、前記筒状断熱体の先端が被温度測定物の表面に接触する状態とした(1)記載の炉内煉瓦の温度測定装置。
(3) 前記測温体の先端部と前記筒状断熱体の先端部が被温度測定物に設けた窪み内に挿入され、被温度測定物の表面に接触する状態とした(1)記載の炉内煉瓦の温度測定装置。
【0014】
【発明の実施の形態】
前述したように、熱風炉においては操業時の温度変化により、外被鉄皮が膨脹・収縮を繰り返すことで鉄皮と内張り煉瓦の間に隙間を発生し、この隙間を流れる冷風が測温体の保護管と、これを挿入する挿入穴の間を通して測温体先端部および被測定体を冷却している。
そこで本発明者らは、送風時に起こる裏風が被測定体に影響を及ぼさぬ方策につき、種々なる検討を重ね被測定体部へ流れ込む裏風の影響を排除するには、被測定体部近傍へ流れ込む裏風を遮断することが最善の方策であろうとの見解の基に、測温体を断熱体で覆うことに思い至った。
【0015】
以下、熱風炉を例にして、図に基づいて本発明の構成を説明する。
図1は温度測定部に該当する炉体の一部を切欠いて示したもので、炉体鉄皮1の内壁側から内張煉瓦2,断熱煉瓦3が積層され、さらにその内側に耐火煉瓦4,蓄熱煉瓦5が積層されている。6は測温体(熱電対を内挿したシース管からなる温度計)であり、鉄皮1,内張煉瓦2,断熱煉瓦3に設けた挿入穴12を貫通して耐火煉瓦4に接触している。7は測温体6を耐火煉瓦4に接触するように設置するためのガイドと外部から測温体6に加わる衝撃を保護するための保護管である。
【0016】
しかして、測温体の先端部6aは適宜の長さを持った筒状断熱体8によってその周囲を囲み、被温度測定物の温度測定部位(耐火煉瓦4)と接触させる。
なお9は測温体を取付けるための冶具であり、フランジ等により構成されている。10は鉄皮1の膨脹により生じた内張煉瓦2との間に生じた隙間(キャスタブル耐火物の亀裂)である。また、前記測温体6,保護管7,測温体取付冶具9などの間隙にはモルタル等の詰物を圧入して隙間を埋め、極力冷風の侵入を塞いでいる。
【0017】
図2は測温体の先端部6aと筒状断熱体8とが被温度測定物(耐火煉瓦4)と接触する他の状態を示したもので、(a)は筒状断熱体8の先端を耐火煉瓦4に接着させ、測温体の先端部6aを耐火煉瓦4の窪み内に挿入接触させた状態を示し、(b)は筒状断熱体8の先端と測温体の先端部6aを耐火煉瓦4の窪み内に挿入接触させた状態を示したものである。
【0018】
このような構成になる炉内煉瓦温度測定装置においては、裏風が鉄皮1と内張煉瓦2との間隙10を通り、または断熱煉瓦3の目地部11の亀裂部を通過するようなことがあっても、測温体6の先端部6aは筒状断熱体8で覆われているため裏風は遮断され、被測定部に達することはなく、正確な温度を測定することが可能となる。また筒状断熱体8は断熱性の優れた耐火物で作製されているので外部から熱的影響を受けても、その熱的変化が測温体先端部6aにまで伝わる惧れはない。
【0019】
なお、前記図2に示したように測温体先端部6aを被測定体の耐火煉瓦4に接触させる場合、該被測定体である耐火煉瓦4の被測温部に窪みを穿ち、測温体先端部6a,または、測温体先端部6aと筒状断熱体8先端を共に、被測温部に埋設するように設置するのは測温に当っては好ましい実施態様である。
【0020】
本発明者らが本発明装置と従来装置との比較のため、熱風炉内の耐火煉瓦についって同一箇所の温度測定を数多く行ったところ、本発明では裏風による低温の影響を受けることが全くなく、正確に耐火煉瓦の温度を測定することが可能であったため、熱風炉の蓄熱−送風の切換による温度の変化状況を確実に測定することができた。これに対し、従来装置による測定においては、裏風による影響を受け、本発明時の測温結果より約50℃低温の値を示していた。
このことから被測定体が冷風のため冷却され低温となっていたがため、正確な温度を示していなかたことに原因があることが明らかになった。
【0021】
本発明温度測定装置は熱風炉に限らず、外壁が鉄皮でその内側が煉瓦で構成され、鉄皮の熱膨脹に起因する鉄皮と煉瓦との間隙に気体が流通する例えば高炉炉床部などに使用してもその効果が期待できる。
【0022】
【発明の効果】
以上述べたように本発明装置によれば、被測定部および測温体が冷風に曝されることがなく、正確な温度の測定が可能となったため、炉操業管理を厳密に行うことができ、熱風炉操業について言えば従来では真の温度より低い温度を示していたがため、所定温度の熱風を供給できるのにも拘らず、早期に熱風炉の切替を行っていたことになり、蓄熱のために必要以上の燃料を使用していたが、本発明ではそのような無駄なことはなくなり、燃料コストを大幅に低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による煉瓦の温度測定状態を示した図。
【図2】本発明による煉瓦の温度測定状態の他の例を示した図。
【符号の説明】
1 炉体鉄皮
2 内張煉瓦
3 断熱煉瓦
4 耐火煉瓦
5 蓄熱煉瓦
6 測温体
6a 測温体先端部
7 保護管
8 筒状断熱体
9 取付冶具
10 隙間(キャスタブル耐火物の亀裂)
11 目地部
12 挿入穴
Claims (3)
- 被温度測定物に達する炉内煉瓦に開孔を設け、該開孔に測温体を挿入して、前記被温度測定物の温度を測定する温度測定装置において、前記被温度測定物の温度測定部位の周囲を囲み、かつ、その先端が被温度測定物に接触する筒状断熱体を前記測温体の先端部に設けたことを特徴とする炉内煉瓦の温度測定装置。
- 前記測温体の先端部が被温度測定物に設けた窪み内に挿入され、前記筒状断熱体の先端が被温度測定物の表面に接触する状態としたことを特徴とする請求項1記載の炉内煉瓦の温度測定装置。
- 前記測温体の先端部と前記筒状断熱体の先端部が被温度測定物に設けた窪み内に挿入され、被温度測定物の表面に接触する状態としたことを特徴とする請求項1記載の炉内煉瓦の温度測定装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003094045A JP2004301615A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 炉内煉瓦の温度測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003094045A JP2004301615A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 炉内煉瓦の温度測定装置 |
Publications (1)
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---|---|
JP2004301615A true JP2004301615A (ja) | 2004-10-28 |
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ID=33406700
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JP2003094045A Withdrawn JP2004301615A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 炉内煉瓦の温度測定装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2004301615A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007255956A (ja) * | 2006-03-22 | 2007-10-04 | Nippon Steel Corp | 熱風炉レンガ温度測定装置及びこの温度測定装置の取付方法 |
JP2008286609A (ja) * | 2007-05-16 | 2008-11-27 | Nippon Steel Corp | 温度測定装置 |
JP2011242251A (ja) * | 2010-05-18 | 2011-12-01 | Nippon Steel Corp | 熱風炉への温度測定装置の取付け方法 |
EP2926100A4 (en) * | 2012-11-30 | 2016-07-06 | Lummus Technology Inc | THERMAL DETECTION SYSTEM |
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-
2003
- 2003-03-31 JP JP2003094045A patent/JP2004301615A/ja not_active Withdrawn
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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