JP2004301545A - 高分解能差動型磁気センサ及びその駆動装置 - Google Patents

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Satoru Nakayama
哲 中山
Masanori Ikeda
正徳 池田
Narikazu Odawara
成計 小田原
Mitsugi Nagano
貢 永野
Kazuyuki Izawa
和幸 井澤
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Tohoku Electric Power Co Inc
Seiko Instruments Inc
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Tohoku Electric Power Co Inc
Seiko Instruments Inc
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Abstract

【課題】従来困難であった微弱な磁場の微小な空間分布を検出可能なベースラインの微小な高分解能差動型磁気センサ及びその駆動回路を提供する。
【解決手段】一つの励磁コイル2内に2つの高感度な磁気インピーダンス素子1a、1bを並行に、素子の検出部の間隔を非常に接近させて配置した。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、微弱な磁場、磁気、磁界の微小な空間的差分を検出する高分解能差動型磁気センサとその駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図2に従来の技術による磁場の空間的な差分を検出する装置を示す。従来は、図に示す様に、磁気センサを2個並べ、それぞれの検出器で検出し、その検出信号を電気的またはADコンバーターで取りこみ、ディジタルデータや数値データとしてその差を検出していた。空間的な差分を検出する場合、その空間分解能を決定するものは、2つのセンサの磁場感知部の中心間距離(以下、ベースライン)である。そのため、高分解能で差分磁場を検出しようとした場合は、磁気センサを出きるだけ近接して配置することが必要である。
【0003】
従来、磁気センサとしては、フラックスゲート型磁気センサやホール素子が使われていたが、近接して並べてもセンサのサイズが大きく、微小な空間差分を検出することは困難であった。また、同様な磁場の分布でもその空間差分は、差分を取る間隔が狭くなるほど、つまり、空間分解能を高くするほどに、検出しなければならない差分磁場の大きさは小さくなる。そのため、さらに接近して並べるためにセンサを小型にすると、感度が足りず差分の検出が出来なかった。
【0004】
最近では、高感度な磁気センサとして、磁気インピーダンス効果を利用した磁気インピーダンス素子がある。この磁気インピーダンス素子を磁気センサとして利用する場合は、一般に、バイアス磁界を磁気インピーダンス素子に加えるための励磁コイルが必要である。(例えば特許文献1、2参照)。この例では励磁コイルを2つの磁気インピーダンス素子に対して、正反対の磁場が加わるように個別に巻いている。このため、励磁コイルを巻いたセンサの形状は大きくなってしまい、2つ並べて差分磁場を検出する場合、ベースラインは数mmとなり、高い空間分解能は得られなかった。
【0005】
また、勾配磁界を検出するために、バイアス磁界の符号を切り替え可能な構造にした例もあるが、複数のコイルを使用するため小型化が困難であった(例えば特許文献3参照)
【0006】
【特許文献1】
特開平7−181239号公報 (第4頁 実施例4、及び第10図)
【0007】
【特許文献2】
特開平7−248365号公報 (第4頁、第1図)
【0008】
【特許文献3】
特開平9−133742号公報 (第5頁、第2図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来不可能であった、微弱な磁場の微小な磁気分布を検出することを可能とした高分解能差動型磁気センサ、及びその駆動装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前述したように、高い空間分解能の差分磁場を検出するためには、小型で感度の良い磁気センサを近接して配置することが重要である。
【0011】
本発明では、高感度な磁気インピーダンス素子を用いて、一つの励磁コイル内に2つの磁気インピーダンス素子を並行に、素子の検出部の間隔を非常に接近して配置し、微小な間隔の磁場差分を検出可能にした。
【0012】
差分信号を検出するために、抵抗等によるバランス用素子を使い、磁場が空間的に一様な場合には信号が発生せず、磁場の差分のみを検出する様に接続したことを特徴とする。このため、電流源や増幅回路や検波器等の駆動回路は1つでも駆動を行なうことが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図3に本発明の高分解能差動型磁気センサの実施例に関する図を示す。
図3に示す様に、第1の磁気インピーダンス素子1aと第2の磁気インピーダンス素子1bが互いに並行に、それぞれの一端が電気的に接続した状態で、同一の励磁コイル2の内部に配置されている。この第1の磁気インピーダンス素子1aと第2の磁気インピーダンス素子1bのそれぞれの中心軸の間隔(以下、ベースライン)が、磁場の空間分布を検出した時の空間分解能に大きく寄与する。磁気インピーダンス素子1a、1bは、例えばアモルファスワイヤーを用いた時、その直径は数十μm〜数百μmであり、前述のような配置にすることにより、1mm以下のベースラインが可能である。この高分解能差動型磁気センサは、2つの磁気インピーダンス素子が電気的に接続している共通端子4aと、第1の磁気インピーダンス素子1aの他の端子4bと、第2の磁気インピーダンス素子1bの他の端子4cを有している。
【0014】
図6に本発明の別の実施例であるU字型に成形された高分解能差動型磁気センサを示す。
図6に示すように、U字型磁気インピーダンス素子10は、U字型に成形され、1つの励磁コイル2の内部に配置されている。U字型磁気インピーダンス素子10の両端はそれぞれ他の端子4bと他の端子4cに接続し、U字の湾曲部にあたる部分は共通端子4aに接続している。
【0015】
次に、この高分解能差動型磁気センサの駆動装置を図1にしたがって説明する。図1は本発明の一実施形態による駆動装置の全体構成図である。
【0016】
バランス用素子として、第1の抵抗3aが他の端子4bに、第2の抵抗3bが他の端子4cに接続し、第1の抵抗3aと第2の抵抗3bの他の端子4dは電気的に接続している。共通端子4aと他の端子4dは交流電源5に接続している。この交流電源5によって、第1の磁気インピーダンス素子1a、及び第2の磁気インピーダンス素子1bには、それぞれ電圧が生じる。その電圧は磁気インピーダンス効果によって、磁気インピーダンス素子の長軸方向の磁場の変化に伴って変化する。その変化は、概ね図4のようになる。ここで縦軸eは出力電圧、横軸Hexはインピーダンス素子に鎖交する磁場である。このような特性を持っているので、前述のような接続において、第1の磁気インピーダンス素子1aの他の端子4bと、第2の磁気インピーダンス素子1bの他の端子4cの間には、第1の磁気インピーダンス素子1aに鎖交する磁場Hex1と第2の磁気インピーダンス素子1bに鎖交する磁場Hex2の差分に応じた電圧が発生する。この電圧を、検出手段6で検出する。検出手段6は、例えば図に示す様に、検波回路7と差動増幅器8で構成さる。Hex1とHex2が等しい時には、理論的には電圧は生じない。このようにして、差分磁場を検出する。
【0017】
バランス用素子の第1の抵抗3aと第2の抵抗3bは、バランスをとるためにどちらか一方が可変抵抗であるか、それらが一個の可変抵抗9により構成されていることも可能である。一個の可変抵抗9により構成される場合は、図5に示す接続になる。
【0018】
【発明の効果】
本発明によれば、ベースラインを短くすることが可能となり、微弱な磁場の微小な空間差分を検出でき、しかも検出のための回路は1つで良いため、装置を小型化できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高分解能差動型磁気センサ駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図2】従来の高分解能差動型磁気センサ駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の高分解能差動型磁気センサの構成を示す図である。
【図4】磁気インピーダンス素子の特性を示す図である。
【図5】本発明のバランス用素子の一例を示す図である。
【図6】本発明の高分解能差動型磁気センサの別の実施例を示す図である。
【符号の説明】
1a・・・第1の磁気インピーダンス素子
1b・・・第2の磁気インピーダンス素子
2・・・励磁コイル
3a・・・第1の抵抗
3b・・・第2の抵抗
5・・・交流電源
6・・・検出手段
7・・・検波回路
8・・・差動増幅器
9・・・可変抵抗
10・・・U字型磁気インピーダンス素子

Claims (6)

  1. 並列に配置された、少なくとも2つの磁気インピーダンス素子と、該磁気インピーダンス素子にバイアス磁界を加える励磁手段とを備え、前記それぞれの磁気インピーダンス素子の一端が電気的に接続していることを特徴とする高分解能差動型磁気センサ。
  2. 請求項1記載の高分解能差動型磁気センサにおいて、前記磁気インピーダンス素子の他の端がそれぞれ一方の端に接続されたバランス用素子と、該バランス用素子および前記磁気インピーダンス素子に電流を加える交流電源と、それぞれの磁気インピーダンス素子とバランス用素子の接続している点の間に生じる信号を検出する様に接続された検出手段を備えることを特徴とする高分解能差動型磁気センサの駆動装置。
  3. U字型に成形された磁気インピーダンス素子と、該磁気インピーダンス素子にバイアス磁界を加える1つの励磁手段とを備え、前記U字に成形された磁気インピーダンス素子のU型の部分に端子を有していることを特徴とする高分解能差動型磁気センサ。
  4. 請求項3記載の高分解能差動型磁気センサにおいて、前記磁気インピーダンス素子の両端がそれぞれ一方の端に接続されたバランス用素子と、該バランス用素子および磁気インピーダンス素子に電流を加える交流電源と、それぞれの磁気インピーダンス素子とバランス用素子の接続している点の間に生じる信号を検出する様に接続された検出手段を備えることを特徴とする高分解能差動型磁気センサの駆動装置。
  5. 前記磁気インピーダンス素子が、アモルファス磁性線、アモルファス磁性膜などの、磁気インピーダンス効果を有する素子であることを特徴とする、請求項1または2に記載の高分解能差動型磁気センサ。
  6. 前記磁気インピーダンス素子が、アモルファス磁性線、アモルファス磁性膜などの、磁気インピーダンス効果を有する素子であることを特徴とする、請求項3または4に記載の高分解能差動型磁気センサの駆動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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