JP2004301508A - トルクセンサおよびそれを用いた操舵トルク検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】構造がシンプルで組み付けが容易なトルクセンサを提供することを目的とする。
【解決手段】Dカット面1aを有し、その平面部の少なくとも2ヶ所にネジ穴を設けたトーションバー1と、少なくとも2ヶ所の取付け穴3a、3bとその間に長穴3cを設けた金属基板3とこの上に絶縁層4を介して長穴3cの4隅に歪抵抗体5a、5b、5c、5dを設けた歪検出基板2とからなり、これをその長手方向の中心線7がトーションバー1の軸に平行になるようにネジ6a、6bで固定した構成とすることにより、シンプル構造で信頼性が高く、組み付けも容易なトルクセンサの提供が可能になる。
【選択図】 図1
【解決手段】Dカット面1aを有し、その平面部の少なくとも2ヶ所にネジ穴を設けたトーションバー1と、少なくとも2ヶ所の取付け穴3a、3bとその間に長穴3cを設けた金属基板3とこの上に絶縁層4を介して長穴3cの4隅に歪抵抗体5a、5b、5c、5dを設けた歪検出基板2とからなり、これをその長手方向の中心線7がトーションバー1の軸に平行になるようにネジ6a、6bで固定した構成とすることにより、シンプル構造で信頼性が高く、組み付けも容易なトルクセンサの提供が可能になる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はトルクセンサに関し、例えば自動車の電動パワーステアリング装置に適したトルクセンサおよびそれを用いた操舵トルク検出装置を提案するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車業界においてCO2削減による地球温暖化防止策の1つとしてシステムの電動化が進められており、パワーステアリングにおいても現状の油圧式から電動式への転換が主流になりつつある。電動パワーステアリングにおいては、操舵トルクをトルクセンサにより検出しモータによるアシスト量を制御している。
【0003】
この従来のトルクセンサとしては図6に示すようなものがある。
【0004】
図6において入力軸50と出力軸51とはトーションバー1を介して同軸状に連結されており、入力軸50の下端部には第1のトルク検出リング25と、第2のトルク検出リング26が外周に設けられ、また出力軸51の上端部には第3のトルク検出リング27が同様に外周に設けられている。そして、第2、第3のトルク検出リング26、27の歯部26a、27aは、トーションバー1にトルクが作用していない場合には対向している。
【0005】
筒体28A、28Bにはその円周方向に沿ってそれぞれ温度補償コイルL1とトルク検出コイルL2が設置されている。温度補償コイルL1は第1、第2のトルク検出リング25、26と、トルク検出コイルL2は第2、第3のトルク検出リング26,27とそれぞれ電磁結合している。トルク検出コイルL2からは、第2のトルク検出リング26の歯部26aと第3のトルク検出リング27の歯部27aとの対向面積、つまり磁気結合状態に相応する電圧が出力される。
【0006】
そのため、入力軸50を回転させてトーションバー1がねじれると、第2のトルク検出リング26の歯部26aと第3のトルク検出リング27の歯部27aとの対向面積が変化してトルク検出コイルL2のインピーダンスが変化し、その変化に応じて出力される電圧によりトーションバー1に作用したトルクを検出するものである。
【0007】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば特許文献1が知られている。
【0008】
【特許文献1】
特開平5−149805号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のトルクセンサは構造が複雑なため信頼性の確保が困難であり、組み付け時における調整が難しいという課題があった。
【0010】
本発明はこの課題を解決するものであり、構造がシンプルで組み付けが容易なトルクセンサおよびそれを用いた操舵トルク検出装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するためには、本発明は以下の構成を有するものであり、その特徴部分について列挙する。
【0012】
本発明の請求項1に記載の発明は、Dカット面を有し、その平面部の少なくとも2ヶ所にネジ穴を設けたトーションバーと、少なくとも2ヶ所の取付け穴とその間に長穴を設けた金属基板の上に絶縁層を介して前記長穴の4隅に歪抵抗体を設けた歪検出基板とからなり、この歪検出基板をその長手方向の中心線が前記トーションバーの軸に平行になるようにネジで固定した構成のトルクセンサであり、構造がシンプルで信頼性が高く、組み付けが容易にできるという利点を有するものである。
【0013】
本発明の請求項2に記載の発明は、歪抵抗体を歪検出基板の長手方向の中心線と互いに45°の角度をなし、かつ、それぞれが90°の角度をなすように長穴の4隅に設置したトルクセンサであり、ねじれによる歪を効率的に検出することができ、高感度で検出精度を向上できるという利点を有するものである。
【0014】
本発明の請求項3に記載の発明は、歪検出基板の長穴と取付け穴の間にV字状の切り込みを設け、かつ、前記長穴のある部分の幅を細くしたトルクセンサであり、応力集中効果により感度を高め、検出精度を向上できるという利点を有するものである。
【0015】
本発明の請求項4に記載の発明は、歪検出基板の取付け穴を長穴に近接するように設けたトルクセンサであり、さらなる応力集中効果により感度を高め、検出精度を向上できるという利点を有するものである。
【0016】
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1から4に記載のいずれかのトルクセンサを自動車のステアリングシャフトに設けた構成とすることにより、信頼性が高く、組み付け工数の少ない操舵トルク検出装置を実現できるという効果を有するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施の形態を図1から図5を用いて説明する。
【0018】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるトルクセンサの分解斜視図である。
【0019】
図1を用いて構成と組み立てについて説明する。図示していないが入力軸と出力軸の間に連結されたトーションバー1は、Dカット面1aを有し、その平面部にはネジ穴1b、1cが設けられている。金属基板3には取付け穴3a、3bが設けられ、その間に長穴3cが設けられている。金属基板3の上には絶縁層4が形成されており、この絶縁層4を介して長穴3cを囲むように歪抵抗体5a、5b、5c、5dが形成されて歪検出基板2を構成している。この歪検出基板2はその長手方向の中心線がトーションバー1の軸に平行になるように、ネジ6a、6bによりネジ穴1b、1cに固定される。
【0020】
次に、この動作について説明する。入力軸が回転するとトーションバー1を介して出力軸も回転しようとするが、負荷による抵抗があるために入力軸との間に回転角の差が生じる。この回転角の差の分だけトーションバー1がねじれる。このとき、トーションバー1に固定された歪検出基板2において、金属基板3はねじれ変形を起こし歪が発生する。このとき、長穴3cは応力集中効果により歪感度を高める働きをする。歪により歪抵抗体5a、5b、5c、5dの抵抗が変化するが、これらを導電パターンで電気的に接続してブリッジを構成し歪による抵抗変化を電圧変化に変換して出力させる。
【0021】
トーションバー1は弾性範囲内であれば、出力の直線性は高く、ヒステリシスもほとんど生じない。組み立て後に十分な機械的エージングを行って組み付け等による残留応力を取り除き、その後で基準点を調整することにより精度の高いトルク検出が可能になる。組み立ては基本的に歪検出基板2をトーションバー1にネジ6a、6bで固定するだけであり、工数は極めて少ない。また、ネジ6a、6bによる固定方法は古くから自動車等の過酷な環境下においても実績があり、それ以外に複雑な構造部を持たないため信頼性も高い。
【0022】
(実施の形態2)
図2は本発明の実施の形態2における歪検出基板の平面図である。以下、実施の形態1と同一の構成部品には同一符号を付し説明する。
【0023】
歪抵抗体5a、5b、5c、5dは歪検出基板2の長手方向の中心線7と互いに45°の角度をなし、かつ、それぞれが90°の角度をなすように長穴3cの4隅に配置されている。この歪検出基板2は実施の形態1と同様にトーションバー1に固定され、ねじれが加わると金属基板3はねじれ変形を起こし、歪を発生する。このとき主たる歪は中心線7に対して互いに45°をなす2方向に生じ、一方が最大引張歪、もう一方が最大圧縮歪となるため、本実施の形態2のような歪抵抗体5a〜5dの配置により効率の良い歪検出が可能となる。
【0024】
(実施の形態3)
図3は本発明の実施の形態3における歪検出基板の平面図である。以下、実施の形態1と同一の構成部品には同一符号を付し説明する。
【0025】
歪抵抗体5a、5b、5c、5dは本発明の実施の形態2と同様に長手方向の中心線7と互いに45°の角度をなし、かつ、それぞれ90°の角度をなすように長穴3cの4隅に配置されている。さらに、本実施の形態3では長穴3cと取付け穴3a、長穴3cと取付け穴3bの間に幅方向に両側からV字状の切り込み3d、3e、3f、3gを設け、かつ、3hと3iで示すように長穴3cのある部分の歪検出基板2の幅を細くした。この切り込み3d、3e、3f、3gを設けたことと3h、3iで示すように長穴3cのある部分の歪検出基板2の幅を細くしたことによる応力集中効果により、歪が集中してより高い検出感度でトルクを検出することが可能になる。
【0026】
(実施の形態4)
図4は本発明の実施の形態4における歪検出基板の平面図である。以下、実施の形態1と同一の構成部品には同一符号を付し説明する。
【0027】
歪抵抗体5a、5b、5c、5dは本発明の実施の形態2、3と同様に長手方向の中心線7と互いに45°の角度をなし、かつ、それぞれ90°の角度をなすように長穴3cの4隅に配置されている。さらに、本発明の実施の形態3と同様に長穴3cと取付け穴3a、長穴3cと取付け穴3bの間に幅方向に両側からV字状の切り込み3d、3e、3f、3gを設け、かつ、3hと3iで示すように長穴3cのある部分の歪検出基板2の幅を細くした。さらに、本実施の形態4では取付け穴3aと3bを長穴3cに近接するように設けた構成とした。
【0028】
取付け穴3a、取付け穴3bの近傍でそれぞれ応力集中を起こす部分と、長穴3cおよびV字状の切り込み3d、3e、3f、3gおよび長穴3cのある歪検出基板2の幅を細くしたことでそれぞれ応力集中を起こす部分が重なるため、より一層歪感度は高くなり、より高い検出感度でトルクを検出することが可能になる。
【0029】
(実施の形態5)
図5は本発明の実施の形態5における操舵トルク検出装置の概略図である。以下、実施の形態1と同一の構成部品には同一符号を付し説明する。
【0030】
歪検出基板2を組み付けたトーションバー1の一方はステアリングホイール60に連結され、他方は前輪61側にある図示していないギアボックスに連結されている。また、62は後輪であり、63は車体である。運転者が操舵のためにステアリングホイール60を回転させた時に、それに伴う操舵トルクをトーションバー1に取付けた歪検出基板2により検出する。電動パワーステアリングの場合は、この操舵トルクに応じて電動モータによるアシスト量を制御する。本発明のトルクセンサは従来のトルクセンサに比較して構造がシンプルで組み付けが容易なため、トータルとして信頼性が高い操舵トルク検出装置を提供することができる。
【0031】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明により構造がシンプルで信頼性が高く、かつ、組み付けが容易なトルクセンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるトルクセンサの分解斜視図
【図2】本発明の実施の形態2における歪検出基板の平面図
【図3】本発明の実施の形態3における歪検出基板の平面図
【図4】本発明の実施の形態4における歪検出基板の平面図
【図5】本発明の実施の形態5における操舵トルク検出装置の概略図
【図6】従来のトルクセンサの断面図
【符号の説明】
1 トーションバー
1a Dカット面
1b、1c ネジ穴
2 歪検出基板
3 金属基板
3a、3b 取付け穴
3c 長穴
3d、3e、3f、3g 切り込み
4 絶縁層
5a、5b、5c、5d 歪抵抗体
6a、6b ネジ
60 ステアリングホイール
61 前輪
62 後輪
63 車体
【発明の属する技術分野】
本発明はトルクセンサに関し、例えば自動車の電動パワーステアリング装置に適したトルクセンサおよびそれを用いた操舵トルク検出装置を提案するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車業界においてCO2削減による地球温暖化防止策の1つとしてシステムの電動化が進められており、パワーステアリングにおいても現状の油圧式から電動式への転換が主流になりつつある。電動パワーステアリングにおいては、操舵トルクをトルクセンサにより検出しモータによるアシスト量を制御している。
【0003】
この従来のトルクセンサとしては図6に示すようなものがある。
【0004】
図6において入力軸50と出力軸51とはトーションバー1を介して同軸状に連結されており、入力軸50の下端部には第1のトルク検出リング25と、第2のトルク検出リング26が外周に設けられ、また出力軸51の上端部には第3のトルク検出リング27が同様に外周に設けられている。そして、第2、第3のトルク検出リング26、27の歯部26a、27aは、トーションバー1にトルクが作用していない場合には対向している。
【0005】
筒体28A、28Bにはその円周方向に沿ってそれぞれ温度補償コイルL1とトルク検出コイルL2が設置されている。温度補償コイルL1は第1、第2のトルク検出リング25、26と、トルク検出コイルL2は第2、第3のトルク検出リング26,27とそれぞれ電磁結合している。トルク検出コイルL2からは、第2のトルク検出リング26の歯部26aと第3のトルク検出リング27の歯部27aとの対向面積、つまり磁気結合状態に相応する電圧が出力される。
【0006】
そのため、入力軸50を回転させてトーションバー1がねじれると、第2のトルク検出リング26の歯部26aと第3のトルク検出リング27の歯部27aとの対向面積が変化してトルク検出コイルL2のインピーダンスが変化し、その変化に応じて出力される電圧によりトーションバー1に作用したトルクを検出するものである。
【0007】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば特許文献1が知られている。
【0008】
【特許文献1】
特開平5−149805号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のトルクセンサは構造が複雑なため信頼性の確保が困難であり、組み付け時における調整が難しいという課題があった。
【0010】
本発明はこの課題を解決するものであり、構造がシンプルで組み付けが容易なトルクセンサおよびそれを用いた操舵トルク検出装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するためには、本発明は以下の構成を有するものであり、その特徴部分について列挙する。
【0012】
本発明の請求項1に記載の発明は、Dカット面を有し、その平面部の少なくとも2ヶ所にネジ穴を設けたトーションバーと、少なくとも2ヶ所の取付け穴とその間に長穴を設けた金属基板の上に絶縁層を介して前記長穴の4隅に歪抵抗体を設けた歪検出基板とからなり、この歪検出基板をその長手方向の中心線が前記トーションバーの軸に平行になるようにネジで固定した構成のトルクセンサであり、構造がシンプルで信頼性が高く、組み付けが容易にできるという利点を有するものである。
【0013】
本発明の請求項2に記載の発明は、歪抵抗体を歪検出基板の長手方向の中心線と互いに45°の角度をなし、かつ、それぞれが90°の角度をなすように長穴の4隅に設置したトルクセンサであり、ねじれによる歪を効率的に検出することができ、高感度で検出精度を向上できるという利点を有するものである。
【0014】
本発明の請求項3に記載の発明は、歪検出基板の長穴と取付け穴の間にV字状の切り込みを設け、かつ、前記長穴のある部分の幅を細くしたトルクセンサであり、応力集中効果により感度を高め、検出精度を向上できるという利点を有するものである。
【0015】
本発明の請求項4に記載の発明は、歪検出基板の取付け穴を長穴に近接するように設けたトルクセンサであり、さらなる応力集中効果により感度を高め、検出精度を向上できるという利点を有するものである。
【0016】
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1から4に記載のいずれかのトルクセンサを自動車のステアリングシャフトに設けた構成とすることにより、信頼性が高く、組み付け工数の少ない操舵トルク検出装置を実現できるという効果を有するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施の形態を図1から図5を用いて説明する。
【0018】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるトルクセンサの分解斜視図である。
【0019】
図1を用いて構成と組み立てについて説明する。図示していないが入力軸と出力軸の間に連結されたトーションバー1は、Dカット面1aを有し、その平面部にはネジ穴1b、1cが設けられている。金属基板3には取付け穴3a、3bが設けられ、その間に長穴3cが設けられている。金属基板3の上には絶縁層4が形成されており、この絶縁層4を介して長穴3cを囲むように歪抵抗体5a、5b、5c、5dが形成されて歪検出基板2を構成している。この歪検出基板2はその長手方向の中心線がトーションバー1の軸に平行になるように、ネジ6a、6bによりネジ穴1b、1cに固定される。
【0020】
次に、この動作について説明する。入力軸が回転するとトーションバー1を介して出力軸も回転しようとするが、負荷による抵抗があるために入力軸との間に回転角の差が生じる。この回転角の差の分だけトーションバー1がねじれる。このとき、トーションバー1に固定された歪検出基板2において、金属基板3はねじれ変形を起こし歪が発生する。このとき、長穴3cは応力集中効果により歪感度を高める働きをする。歪により歪抵抗体5a、5b、5c、5dの抵抗が変化するが、これらを導電パターンで電気的に接続してブリッジを構成し歪による抵抗変化を電圧変化に変換して出力させる。
【0021】
トーションバー1は弾性範囲内であれば、出力の直線性は高く、ヒステリシスもほとんど生じない。組み立て後に十分な機械的エージングを行って組み付け等による残留応力を取り除き、その後で基準点を調整することにより精度の高いトルク検出が可能になる。組み立ては基本的に歪検出基板2をトーションバー1にネジ6a、6bで固定するだけであり、工数は極めて少ない。また、ネジ6a、6bによる固定方法は古くから自動車等の過酷な環境下においても実績があり、それ以外に複雑な構造部を持たないため信頼性も高い。
【0022】
(実施の形態2)
図2は本発明の実施の形態2における歪検出基板の平面図である。以下、実施の形態1と同一の構成部品には同一符号を付し説明する。
【0023】
歪抵抗体5a、5b、5c、5dは歪検出基板2の長手方向の中心線7と互いに45°の角度をなし、かつ、それぞれが90°の角度をなすように長穴3cの4隅に配置されている。この歪検出基板2は実施の形態1と同様にトーションバー1に固定され、ねじれが加わると金属基板3はねじれ変形を起こし、歪を発生する。このとき主たる歪は中心線7に対して互いに45°をなす2方向に生じ、一方が最大引張歪、もう一方が最大圧縮歪となるため、本実施の形態2のような歪抵抗体5a〜5dの配置により効率の良い歪検出が可能となる。
【0024】
(実施の形態3)
図3は本発明の実施の形態3における歪検出基板の平面図である。以下、実施の形態1と同一の構成部品には同一符号を付し説明する。
【0025】
歪抵抗体5a、5b、5c、5dは本発明の実施の形態2と同様に長手方向の中心線7と互いに45°の角度をなし、かつ、それぞれ90°の角度をなすように長穴3cの4隅に配置されている。さらに、本実施の形態3では長穴3cと取付け穴3a、長穴3cと取付け穴3bの間に幅方向に両側からV字状の切り込み3d、3e、3f、3gを設け、かつ、3hと3iで示すように長穴3cのある部分の歪検出基板2の幅を細くした。この切り込み3d、3e、3f、3gを設けたことと3h、3iで示すように長穴3cのある部分の歪検出基板2の幅を細くしたことによる応力集中効果により、歪が集中してより高い検出感度でトルクを検出することが可能になる。
【0026】
(実施の形態4)
図4は本発明の実施の形態4における歪検出基板の平面図である。以下、実施の形態1と同一の構成部品には同一符号を付し説明する。
【0027】
歪抵抗体5a、5b、5c、5dは本発明の実施の形態2、3と同様に長手方向の中心線7と互いに45°の角度をなし、かつ、それぞれ90°の角度をなすように長穴3cの4隅に配置されている。さらに、本発明の実施の形態3と同様に長穴3cと取付け穴3a、長穴3cと取付け穴3bの間に幅方向に両側からV字状の切り込み3d、3e、3f、3gを設け、かつ、3hと3iで示すように長穴3cのある部分の歪検出基板2の幅を細くした。さらに、本実施の形態4では取付け穴3aと3bを長穴3cに近接するように設けた構成とした。
【0028】
取付け穴3a、取付け穴3bの近傍でそれぞれ応力集中を起こす部分と、長穴3cおよびV字状の切り込み3d、3e、3f、3gおよび長穴3cのある歪検出基板2の幅を細くしたことでそれぞれ応力集中を起こす部分が重なるため、より一層歪感度は高くなり、より高い検出感度でトルクを検出することが可能になる。
【0029】
(実施の形態5)
図5は本発明の実施の形態5における操舵トルク検出装置の概略図である。以下、実施の形態1と同一の構成部品には同一符号を付し説明する。
【0030】
歪検出基板2を組み付けたトーションバー1の一方はステアリングホイール60に連結され、他方は前輪61側にある図示していないギアボックスに連結されている。また、62は後輪であり、63は車体である。運転者が操舵のためにステアリングホイール60を回転させた時に、それに伴う操舵トルクをトーションバー1に取付けた歪検出基板2により検出する。電動パワーステアリングの場合は、この操舵トルクに応じて電動モータによるアシスト量を制御する。本発明のトルクセンサは従来のトルクセンサに比較して構造がシンプルで組み付けが容易なため、トータルとして信頼性が高い操舵トルク検出装置を提供することができる。
【0031】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明により構造がシンプルで信頼性が高く、かつ、組み付けが容易なトルクセンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるトルクセンサの分解斜視図
【図2】本発明の実施の形態2における歪検出基板の平面図
【図3】本発明の実施の形態3における歪検出基板の平面図
【図4】本発明の実施の形態4における歪検出基板の平面図
【図5】本発明の実施の形態5における操舵トルク検出装置の概略図
【図6】従来のトルクセンサの断面図
【符号の説明】
1 トーションバー
1a Dカット面
1b、1c ネジ穴
2 歪検出基板
3 金属基板
3a、3b 取付け穴
3c 長穴
3d、3e、3f、3g 切り込み
4 絶縁層
5a、5b、5c、5d 歪抵抗体
6a、6b ネジ
60 ステアリングホイール
61 前輪
62 後輪
63 車体
Claims (5)
- Dカット面を有し、その平面部の少なくとも2ヶ所にネジ穴を設けたトーションバーと、少なくとも2ヶ所の取付け穴とその間に長穴を設けた金属基板の上に絶縁層を介して前記長穴の4隅に歪抵抗体を設けた歪検出基板とからなり、この歪検出基板をその長手方向の中心線が前記トーションバーの軸に平行になるようにネジで固定した構成のトルクセンサ。
- 歪抵抗体を歪検出基板の長手方向の中心線と互いに45°の角度をなし、かつ、それぞれが90°の角度をなすように長穴の4隅に設置した請求項1に記載のトルクセンサ。
- 歪検出基板の長穴と取付け穴の間にV字状の切り込みを設け、かつ、前記長穴のある部分の幅を細くした請求項1に記載のトルクセンサ。
- 歪検出基板の取付け穴を長穴に近接するように設けた請求項1に記載のトルクセンサ。
- 請求項1から4に記載のいずれかのトルクセンサを自動車のステアリングシャフトに設けた操舵トルク検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003091175A JP2004301508A (ja) | 2003-03-28 | 2003-03-28 | トルクセンサおよびそれを用いた操舵トルク検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003091175A JP2004301508A (ja) | 2003-03-28 | 2003-03-28 | トルクセンサおよびそれを用いた操舵トルク検出装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004301508A true JP2004301508A (ja) | 2004-10-28 |
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ID=33404604
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003091175A Pending JP2004301508A (ja) | 2003-03-28 | 2003-03-28 | トルクセンサおよびそれを用いた操舵トルク検出装置 |
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JP (1) | JP2004301508A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007024857A2 (en) * | 2005-08-22 | 2007-03-01 | Honeywell International Inc. | Torque sensor packaging systems and methods |
KR20200077557A (ko) * | 2017-10-24 | 2020-06-30 | 콘티넨탈 오토모티브 프랑스 | 기계적 마찰 결합을 이용한 회전 요소용 토크 센서 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2514502Y2 (ja) * | 1985-09-17 | 1996-10-23 | マレリ・オートロニカ・ソシエタ・ペル・アチオニ | ストレインゲ−ジ |
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JPH0989692A (ja) * | 1995-09-25 | 1997-04-04 | Nissan Motor Co Ltd | ステアリングトルクセンサ |
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JP2002525599A (ja) * | 1998-09-23 | 2002-08-13 | マンネスマン ファウ デー オー アクチエンゲゼルシャフト | 機械電気式トランスデューサ |
-
2003
- 2003-03-28 JP JP2003091175A patent/JP2004301508A/ja active Pending
Patent Citations (5)
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KR102567753B1 (ko) | 2017-10-24 | 2023-08-17 | 콘티넨탈 오토모티브 프랑스 | 기계적 마찰 결합을 이용한 회전 요소용 토크 센서 |
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