JP2004301391A - 乾燥装置とそれに使用する誘導加熱式ヒータ - Google Patents
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Abstract
【課題】トンネル形乾燥炉の昇温ゾーンで被塗物を搬送するコンベア台車を加熱するために消費されている熱量を低減して、昇温ゾーンの熱輻射ダクト内に熱風を循環供給する熱風発生装置の負荷を軽減すると共に、被塗物の側面下部を面倒なコントロールを要しない誘導加熱式ヒータで適正な温度に加熱して、その側面下部の塗膜の焼付不良を確実に防止する。
【解決手段】トンネル形乾燥炉2の入口6の手前側もしくは炉内の昇温ゾーンSに、被塗物4を搬送するコンベア台車5の左右側部もしくは底部と対向する台車加熱用ヒータ7を配置し、また、その被塗物4の側面下部を加熱するヒータ9として、熱輻射パネル10に、該パネルを電磁誘導により加熱する誘導加熱コイル12が付設された誘導加熱式ヒータを用いる。
【選択図】図1
【解決手段】トンネル形乾燥炉2の入口6の手前側もしくは炉内の昇温ゾーンSに、被塗物4を搬送するコンベア台車5の左右側部もしくは底部と対向する台車加熱用ヒータ7を配置し、また、その被塗物4の側面下部を加熱するヒータ9として、熱輻射パネル10に、該パネルを電磁誘導により加熱する誘導加熱コイル12が付設された誘導加熱式ヒータを用いる。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンベア台車に搭載して搬送される被塗物の塗膜をトンネル形乾燥炉の炉内で乾燥させる乾燥装置と、それに使用する誘導加熱式ヒータに関する。
【0002】
【従来の技術】
コンベア台車に搭載して搬送される被塗物の塗膜を加熱乾燥させるトンネル形乾燥炉は、その炉内が、前段の昇温ゾーンと後段のキュアリングゾーンとに区分され、昇温ゾーンでは、被塗物の表面温度を所定の焼付温度(通常、約170〜180℃)まで上昇させ、キュアリングゾーンでは、その焼付温度を維持して塗膜を反応硬化させるようになっている。
【0003】また、昇温ゾーンは、被塗物のウエットな塗膜にゴミや埃が付着することを防止するために、熱風発生装置のバーナーで加熱した高温の熱風が循環供給される熱輻射ダクトを設置して、該熱輻射ダクトの表面から放射される輻射熱で被塗物を加熱する輻射加熱ゾーンとし、キュアリングゾーンは、熱風吹出しダクトから吹き出す熱風を炉内に対流させて被塗物を加熱する対流加熱ゾーンとするのが通常である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、被塗物が昇温ゾーンを通過してキュアリングゾーンに移行した時点で、その被塗物の表面温度が所定の焼付温度にまで達していなければ、炉内での焼付時間が短くなって塗膜の焼付不良を生ずるおそれがある。したがって、自動車ボディのような熱容量の大きい被塗物の塗膜を焼付乾燥する塗装乾燥炉は、昇温ゾーンが長くなり、炉全体が長大化するので、その設置スペースが大きくなると同時に、消費熱量も著しく多くなってランニングコストが嵩むという問題があった。
【0005】更に、本発明者らの知見によれば、昇温ゾーンにおける消費熱量の約20〜30%が、被塗物となる自動車ボディを搬送するコンベア台車の加熱昇温に消費されているため、昇温ゾーンに設置された熱輻射ダクト内には、被塗物とコンベア台車の双方を加熱昇温させるために多量の熱風を循環供給しなければならないので、熱風発生装置が大型化してその設備費が嵩み、バーナーの燃料費も著しく嵩むという問題があった。
【0006】また、大きさや形状等が異なる各種自動車ボディが混在した混合生産ラインでは、昇温ゾーンにおける加熱熱量を小型自動車ボディの塗膜がオーバーベイクにならない程度の熱量に設定すると、大型自動車ボディの加熱熱量が少なすぎて塗膜の焼付不良を生ずることもあった。特に、自動車ボディの側面下部は、他の部位に比べて昇温速度が遅いため、その部位の塗膜に焼付不良を生ずることが多かった。
【0007】このため、自動車ボディの側面下部に熱風を噴きつけて塗膜の焼付不良を防止することも行われているが、ウエットな塗膜に熱風を噴きつけるとその塗膜にゴミや埃が付着するおそれがある。また、最近は、ゴミや埃の付着を防止するために、自動車ボディの側面下部に渦巻状の誘導加熱コイルを近接させてその側面下部を電磁誘導により加熱することも行われているが、誘導加熱は温度コントロールが非常に難しく、適正な温度に加熱するためには、距離、電流値、周波数等を微妙にコントロールする必要があり、そのコントロールを誤ると、加熱温度が高くなりすぎて局部的に塗膜のオーバーベイクを生ずるおそれがある。
【0008】そこで本発明は、面倒なコントロールを要することなく被塗物の側面下部を適正な温度に加熱することができる誘導加熱式ヒータを提供して、被塗物の側面下部における塗膜の焼付不良を確実に防止すると共に、乾燥炉の昇温ゾーンに設置された熱輻射ダクト内に循環供給する熱風の量を低減して、熱風発生装置を小型化し、バーナーの燃料費も低減できるようにすることを技術的課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、コンベア台車に搭載して搬送される被塗物の塗膜をトンネル形乾燥炉の炉内で乾燥させる乾燥装置において、トンネル形乾燥炉の入口の手前側もしくは炉内の昇温ゾーンに、被塗物を搭載して搬送するコンベア台車を加熱する台車加熱用ヒータが、コンベア台車の左右側部もしくは底部と対向するように配置されていることを特徴とする。
【0010】本発明によれば、被塗物を搭載して搬送するコンベア台車が、その左右側部もしくは底部と対向して配置された台車加熱用ヒータで加熱されることによって、乾燥炉の昇温ゾーンにおける消費熱量が低減され、昇温ゾーンに設置された熱輻射ダクト内に熱風を循環供給する熱風発生装置の負荷が軽減されるので、該熱風発生装置を小型化してその設備費や設置スペースを低減することができると同時に、熱風を発生させるバーナーの燃料費を低減することができる。また、コンベア台車がヒータで加熱されることにより、そのコンベア台車に搭載された被塗物が下方から温められ、特に、コンベア台車に最も近い被塗物の側面下部はコンベア台車からの伝熱作用で効果的に温められるので、その側面下部を昇温ゾーンで他の部位に劣らず所定の焼付温度まで昇温させることが可能となる。
【0011】次に、請求項3に係る発明は、コンベア台車に搭載して搬送される被塗物の塗膜をトンネル形乾燥炉の炉内で乾燥させる乾燥装置において、トンネル形乾燥炉の炉内に、その炉内を搬送される被塗物の側面下部を加熱するヒータが設置され、該ヒータが、金属板で成る熱輻射パネルに、該パネルを電磁誘導により加熱する誘導加熱コイルが付設された誘導加熱式ヒータで成ることを特徴とする。
【0012】本発明によれば、被塗物の側面下部を直接電磁誘導によって加熱するのではなく、誘導加熱コイルの電磁誘導作用によって熱輻射パネルを加熱し、該パネルから放射される輻射熱によって被塗物の側面下部を加熱する。これにより、誘導加熱コイルの電流値、周波数、被塗物との距離等を微妙にコントロールすることなく、熱輻射パネルと被塗物との間の距離を適宜に設定するだけで、被塗物の側面下部を適正な温度に加熱することができる。
【0013】次に、請求項4に係る発明は、被塗物あるいは被塗物を搭載して搬送するコンベア台車を加熱する誘導加熱式ヒータであって、上記の如く、金属板で成る熱輻射パネルに、該パネルを電磁誘導により加熱する誘導加熱コイルが付設されていることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面によって具体的に説明する。
図1は本発明に係る乾燥装置の一例を示す図、図2はそれに使用する誘導加熱式ヒータの一例を示す図である。
【0015】図1の乾燥装置は、塗装ブース1とトンネル形乾燥炉2との間に設けられたセッティングゾーンとなる通路3内に、被塗物の自動車ボディ4を搭載して搬送するコンベア台車5を加熱するための台車加熱ゾーンHが特設されている。
【0016】台車加熱ゾーンHは、乾燥炉2の入口6の手前側に沿って、コンベア台車5の左右側部あるいは底部と対向するように配置した台車加熱用ヒータ7が設置されている。
【0017】また、乾燥炉2の炉内には、その炉内の昇温ゾーンSを搬送される自動車ボディ4の側面下部を加熱するヒータ9が、自動車ボディ4の搬送路を挟んでその左右両側に設置されている。
【0018】コンベア台車5を加熱する台車加熱用ヒータ7と、自動車ボディ4の側面下部を加熱するヒータ9は、金属板で成る熱輻射パネル10に、該パネルを電磁誘導により加熱する誘導加熱コイルが付設された誘導加熱式ヒータが用いられている。
【0019】図2(a)及び(b)はその誘導加熱式ヒータの一例を示す側面図及び背面図であって、熱輻射パネル10が、コ字形に曲げた金属ロッド11の両端で上下方向又は左右方向に回動自在に支持され、該金属ロッド11に誘導加熱コイル12が巻装されている。
【0020】これにより、電源13から誘導加熱コイル12に交流電流を流すと交番磁束が発生し、誘導加熱コイル12が巻かれた金属ロッド11と、該金属ロッド11の両端で支持された熱輻射パネル10とで形成される閉路に誘導電圧が生じて、その閉路を形成する金属ロッド11と熱輻射パネル10に誘導電流が流れてジュール熱が発生し、その熱が熱輻射パネル10の表面から放射されることとなる。
【0021】したがって、交流電源13の電流値や周波数等を微妙にコントロールしなくても、熱輻射パネル10と、該パネルが対向するコンベア台車5あるいは自動車ボディ4の側面下部との間の距離を適宜に調整するだけで、それらコンベア台車5や自動車ボディ4の側面下部を適正な温度に加熱することができる。
【0022】また、図2の誘導加熱式ヒータは、誘導加熱コイル12が巻装された金属ロッド11を定位置に固定して設置し、該金属ロッド11の両端で支持された熱輻射パネル10を上下方向に回動させて、その角度を適宜に調整することにより、該熱輻射パネル10をコンベア台車5の側部や自動車ボディ4の側面下部と正対させることができる。
【0023】なお、本発明の誘導加熱式ヒータは、上記に限らず、例えば熱輻射パネル10の背面側に、該パネルと近接させて渦巻状の誘導加熱コイルを配置するものであってもよい。
【0024】また、台車加熱用ヒータ7は、トンネル形乾燥炉2の入口6の手前側に配置する場合に限らず、図1に破線で示すように炉内の昇温ゾーンSに配置してもよい。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、被塗物を搭載して搬送するコンベア台車をヒータで加熱することにより、トンネル形乾燥炉の昇温ゾーンに設置された熱輻射ダクト内に循環供給する熱風の量を低減して、その熱風を発生させる熱風発生装置を小型化し、バーナーの燃料費も低減することができる。また、被塗物の側面下部を面倒なコントロールを要しない誘導加熱式ヒータで適正な温度に加熱して、その側面下部に形成された塗膜の焼付不良を確実に防止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る乾燥装置の一例を示す図
【図2】本発明に係る誘導加熱式ヒータの一例を示す図
【符号の説明】
2………………トンネル形乾燥炉 10………………熱輻射パネル
4………………被塗物(自動車ボディ) 11………………金属ロッド
5………………コンベア台車 12………………誘導加熱コイル
6………………乾燥炉の入口 13………………交流電源
7………………台車加熱用ヒータ
9………………ヒータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンベア台車に搭載して搬送される被塗物の塗膜をトンネル形乾燥炉の炉内で乾燥させる乾燥装置と、それに使用する誘導加熱式ヒータに関する。
【0002】
【従来の技術】
コンベア台車に搭載して搬送される被塗物の塗膜を加熱乾燥させるトンネル形乾燥炉は、その炉内が、前段の昇温ゾーンと後段のキュアリングゾーンとに区分され、昇温ゾーンでは、被塗物の表面温度を所定の焼付温度(通常、約170〜180℃)まで上昇させ、キュアリングゾーンでは、その焼付温度を維持して塗膜を反応硬化させるようになっている。
【0003】また、昇温ゾーンは、被塗物のウエットな塗膜にゴミや埃が付着することを防止するために、熱風発生装置のバーナーで加熱した高温の熱風が循環供給される熱輻射ダクトを設置して、該熱輻射ダクトの表面から放射される輻射熱で被塗物を加熱する輻射加熱ゾーンとし、キュアリングゾーンは、熱風吹出しダクトから吹き出す熱風を炉内に対流させて被塗物を加熱する対流加熱ゾーンとするのが通常である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、被塗物が昇温ゾーンを通過してキュアリングゾーンに移行した時点で、その被塗物の表面温度が所定の焼付温度にまで達していなければ、炉内での焼付時間が短くなって塗膜の焼付不良を生ずるおそれがある。したがって、自動車ボディのような熱容量の大きい被塗物の塗膜を焼付乾燥する塗装乾燥炉は、昇温ゾーンが長くなり、炉全体が長大化するので、その設置スペースが大きくなると同時に、消費熱量も著しく多くなってランニングコストが嵩むという問題があった。
【0005】更に、本発明者らの知見によれば、昇温ゾーンにおける消費熱量の約20〜30%が、被塗物となる自動車ボディを搬送するコンベア台車の加熱昇温に消費されているため、昇温ゾーンに設置された熱輻射ダクト内には、被塗物とコンベア台車の双方を加熱昇温させるために多量の熱風を循環供給しなければならないので、熱風発生装置が大型化してその設備費が嵩み、バーナーの燃料費も著しく嵩むという問題があった。
【0006】また、大きさや形状等が異なる各種自動車ボディが混在した混合生産ラインでは、昇温ゾーンにおける加熱熱量を小型自動車ボディの塗膜がオーバーベイクにならない程度の熱量に設定すると、大型自動車ボディの加熱熱量が少なすぎて塗膜の焼付不良を生ずることもあった。特に、自動車ボディの側面下部は、他の部位に比べて昇温速度が遅いため、その部位の塗膜に焼付不良を生ずることが多かった。
【0007】このため、自動車ボディの側面下部に熱風を噴きつけて塗膜の焼付不良を防止することも行われているが、ウエットな塗膜に熱風を噴きつけるとその塗膜にゴミや埃が付着するおそれがある。また、最近は、ゴミや埃の付着を防止するために、自動車ボディの側面下部に渦巻状の誘導加熱コイルを近接させてその側面下部を電磁誘導により加熱することも行われているが、誘導加熱は温度コントロールが非常に難しく、適正な温度に加熱するためには、距離、電流値、周波数等を微妙にコントロールする必要があり、そのコントロールを誤ると、加熱温度が高くなりすぎて局部的に塗膜のオーバーベイクを生ずるおそれがある。
【0008】そこで本発明は、面倒なコントロールを要することなく被塗物の側面下部を適正な温度に加熱することができる誘導加熱式ヒータを提供して、被塗物の側面下部における塗膜の焼付不良を確実に防止すると共に、乾燥炉の昇温ゾーンに設置された熱輻射ダクト内に循環供給する熱風の量を低減して、熱風発生装置を小型化し、バーナーの燃料費も低減できるようにすることを技術的課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、コンベア台車に搭載して搬送される被塗物の塗膜をトンネル形乾燥炉の炉内で乾燥させる乾燥装置において、トンネル形乾燥炉の入口の手前側もしくは炉内の昇温ゾーンに、被塗物を搭載して搬送するコンベア台車を加熱する台車加熱用ヒータが、コンベア台車の左右側部もしくは底部と対向するように配置されていることを特徴とする。
【0010】本発明によれば、被塗物を搭載して搬送するコンベア台車が、その左右側部もしくは底部と対向して配置された台車加熱用ヒータで加熱されることによって、乾燥炉の昇温ゾーンにおける消費熱量が低減され、昇温ゾーンに設置された熱輻射ダクト内に熱風を循環供給する熱風発生装置の負荷が軽減されるので、該熱風発生装置を小型化してその設備費や設置スペースを低減することができると同時に、熱風を発生させるバーナーの燃料費を低減することができる。また、コンベア台車がヒータで加熱されることにより、そのコンベア台車に搭載された被塗物が下方から温められ、特に、コンベア台車に最も近い被塗物の側面下部はコンベア台車からの伝熱作用で効果的に温められるので、その側面下部を昇温ゾーンで他の部位に劣らず所定の焼付温度まで昇温させることが可能となる。
【0011】次に、請求項3に係る発明は、コンベア台車に搭載して搬送される被塗物の塗膜をトンネル形乾燥炉の炉内で乾燥させる乾燥装置において、トンネル形乾燥炉の炉内に、その炉内を搬送される被塗物の側面下部を加熱するヒータが設置され、該ヒータが、金属板で成る熱輻射パネルに、該パネルを電磁誘導により加熱する誘導加熱コイルが付設された誘導加熱式ヒータで成ることを特徴とする。
【0012】本発明によれば、被塗物の側面下部を直接電磁誘導によって加熱するのではなく、誘導加熱コイルの電磁誘導作用によって熱輻射パネルを加熱し、該パネルから放射される輻射熱によって被塗物の側面下部を加熱する。これにより、誘導加熱コイルの電流値、周波数、被塗物との距離等を微妙にコントロールすることなく、熱輻射パネルと被塗物との間の距離を適宜に設定するだけで、被塗物の側面下部を適正な温度に加熱することができる。
【0013】次に、請求項4に係る発明は、被塗物あるいは被塗物を搭載して搬送するコンベア台車を加熱する誘導加熱式ヒータであって、上記の如く、金属板で成る熱輻射パネルに、該パネルを電磁誘導により加熱する誘導加熱コイルが付設されていることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面によって具体的に説明する。
図1は本発明に係る乾燥装置の一例を示す図、図2はそれに使用する誘導加熱式ヒータの一例を示す図である。
【0015】図1の乾燥装置は、塗装ブース1とトンネル形乾燥炉2との間に設けられたセッティングゾーンとなる通路3内に、被塗物の自動車ボディ4を搭載して搬送するコンベア台車5を加熱するための台車加熱ゾーンHが特設されている。
【0016】台車加熱ゾーンHは、乾燥炉2の入口6の手前側に沿って、コンベア台車5の左右側部あるいは底部と対向するように配置した台車加熱用ヒータ7が設置されている。
【0017】また、乾燥炉2の炉内には、その炉内の昇温ゾーンSを搬送される自動車ボディ4の側面下部を加熱するヒータ9が、自動車ボディ4の搬送路を挟んでその左右両側に設置されている。
【0018】コンベア台車5を加熱する台車加熱用ヒータ7と、自動車ボディ4の側面下部を加熱するヒータ9は、金属板で成る熱輻射パネル10に、該パネルを電磁誘導により加熱する誘導加熱コイルが付設された誘導加熱式ヒータが用いられている。
【0019】図2(a)及び(b)はその誘導加熱式ヒータの一例を示す側面図及び背面図であって、熱輻射パネル10が、コ字形に曲げた金属ロッド11の両端で上下方向又は左右方向に回動自在に支持され、該金属ロッド11に誘導加熱コイル12が巻装されている。
【0020】これにより、電源13から誘導加熱コイル12に交流電流を流すと交番磁束が発生し、誘導加熱コイル12が巻かれた金属ロッド11と、該金属ロッド11の両端で支持された熱輻射パネル10とで形成される閉路に誘導電圧が生じて、その閉路を形成する金属ロッド11と熱輻射パネル10に誘導電流が流れてジュール熱が発生し、その熱が熱輻射パネル10の表面から放射されることとなる。
【0021】したがって、交流電源13の電流値や周波数等を微妙にコントロールしなくても、熱輻射パネル10と、該パネルが対向するコンベア台車5あるいは自動車ボディ4の側面下部との間の距離を適宜に調整するだけで、それらコンベア台車5や自動車ボディ4の側面下部を適正な温度に加熱することができる。
【0022】また、図2の誘導加熱式ヒータは、誘導加熱コイル12が巻装された金属ロッド11を定位置に固定して設置し、該金属ロッド11の両端で支持された熱輻射パネル10を上下方向に回動させて、その角度を適宜に調整することにより、該熱輻射パネル10をコンベア台車5の側部や自動車ボディ4の側面下部と正対させることができる。
【0023】なお、本発明の誘導加熱式ヒータは、上記に限らず、例えば熱輻射パネル10の背面側に、該パネルと近接させて渦巻状の誘導加熱コイルを配置するものであってもよい。
【0024】また、台車加熱用ヒータ7は、トンネル形乾燥炉2の入口6の手前側に配置する場合に限らず、図1に破線で示すように炉内の昇温ゾーンSに配置してもよい。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、被塗物を搭載して搬送するコンベア台車をヒータで加熱することにより、トンネル形乾燥炉の昇温ゾーンに設置された熱輻射ダクト内に循環供給する熱風の量を低減して、その熱風を発生させる熱風発生装置を小型化し、バーナーの燃料費も低減することができる。また、被塗物の側面下部を面倒なコントロールを要しない誘導加熱式ヒータで適正な温度に加熱して、その側面下部に形成された塗膜の焼付不良を確実に防止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る乾燥装置の一例を示す図
【図2】本発明に係る誘導加熱式ヒータの一例を示す図
【符号の説明】
2………………トンネル形乾燥炉 10………………熱輻射パネル
4………………被塗物(自動車ボディ) 11………………金属ロッド
5………………コンベア台車 12………………誘導加熱コイル
6………………乾燥炉の入口 13………………交流電源
7………………台車加熱用ヒータ
9………………ヒータ
Claims (5)
- コンベア台車に搭載して搬送される被塗物の塗膜をトンネル形乾燥炉の炉内で乾燥させる乾燥装置において、トンネル形乾燥炉(2)の入口(6)の手前側もしくは炉内の昇温ゾーンに、被塗物を搭載して搬送するコンベア台車(5)を加熱する台車加熱用ヒータ(7)が、コンベア台車(5)の左右側部もしくは底部と対向するように配置されていることを特徴とする乾燥装置。
- 前記台車加熱用ヒータ(7)が、金属板で成る熱輻射パネル(10)に、該パネルを電磁誘導により加熱する誘導加熱コイル(12)が付設された誘導加熱式ヒータで成る請求項1記載の乾燥装置。
- コンベア台車に搭載して搬送される被塗物の塗膜をトンネル形乾燥炉の炉内で乾燥させる乾燥装置において、トンネル形乾燥炉(2)の炉内に、その炉内を搬送される被塗物(4)の側面下部を加熱するヒータ(9)が設置され、該ヒータ(9)が、金属板で成る熱輻射パネル(10)に、該パネルを電磁誘導により加熱する誘導加熱コイル(12)が付設された誘導加熱式ヒータで成ることを特徴とする乾燥装置。
- 被塗物あるいは被塗物を搭載して搬送するコンベア台車を加熱する誘導加熱式ヒータであって、金属板で成る熱輻射パネル(10)に、該パネルを電磁誘導により加熱する誘導加熱コイル(12)が付設されていることを特徴とする誘導加熱式ヒータ。
- 前記熱輻射パネル(10)が、金属ロッド(11)の両端で上下方向又は左右方向に回動自在に支持され、該金属ロッド(11)に前記誘導加熱コイル(12)が巻装されている請求項4記載の誘導加熱式ヒータ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003093234A JP2004301391A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 乾燥装置とそれに使用する誘導加熱式ヒータ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003093234A JP2004301391A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 乾燥装置とそれに使用する誘導加熱式ヒータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004301391A true JP2004301391A (ja) | 2004-10-28 |
Family
ID=33406082
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003093234A Pending JP2004301391A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 乾燥装置とそれに使用する誘導加熱式ヒータ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004301391A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102233315A (zh) * | 2011-04-20 | 2011-11-09 | 江苏剑桥涂装工程有限公司 | 一种辐射式热风循环烘干装置 |
JP2019020102A (ja) * | 2017-07-21 | 2019-02-07 | トヨタ車体株式会社 | 塗装用乾燥装置 |
-
2003
- 2003-03-31 JP JP2003093234A patent/JP2004301391A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102233315A (zh) * | 2011-04-20 | 2011-11-09 | 江苏剑桥涂装工程有限公司 | 一种辐射式热风循环烘干装置 |
JP2019020102A (ja) * | 2017-07-21 | 2019-02-07 | トヨタ車体株式会社 | 塗装用乾燥装置 |
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