JP2004301237A - プラスチック製板バネ構造および該板バネ構造を用いた支持具 - Google Patents
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Abstract
【課題】プラスティック製の板バネは、単純に作るとある一定以上に曲げることができないものしか得られない。また、大きく曲がるものを作ろうとすると、複雑な構造を採るしかない。本発明は、プラスティックを用いて板バネを構成する際に、簡単な構成で簡単に製造でき、かつ大きく曲げることができる板バネ構造を提供することを目的とする。また、そのような板バネ構造を用いた支持具を提供することを目的とする。
【解決手段】第1の板状部分の端部111から第2の板状部分の端部112に至るまでに複数の曲線部分R−1からR−6を設け、前記板状部分に力がかかったとき、前記複数の各曲線部分にその力を分散させるようにする。このような板バネ構造をプラスチックの一体成型で形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】第1の板状部分の端部111から第2の板状部分の端部112に至るまでに複数の曲線部分R−1からR−6を設け、前記板状部分に力がかかったとき、前記複数の各曲線部分にその力を分散させるようにする。このような板バネ構造をプラスチックの一体成型で形成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチック製の板バネ構造および該板バネ構造を用いた支持具に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスティックは本来薄い板状にすると樹脂別によるそれぞれの強度でバネ弾性を有する。図4(a)は、断面がU字形状のプラスティック製の板バネに力を加えた様子を示す。板バネ410−1のU字形状の腕の部分AおよびBに、矢印411に示すような外側に広げる力を加えたとする。板バネ410−1は、その材質に応じたバネ弾性で410−2のように変形する。このときバネ弾性により元に戻ろうとする応力が働いているので、加えた力を除くと410−3に示すように元へ戻る。しかし、板バネにある一定以上の力を加えると変形し、元の形状に戻らないか、あるいは破断してしまう。図4(b)は、破断または復元不可になる例を示す。板バネ420−1に矢印421に示すような外側に広げる力を加える。420−2に示すように強い力を加えてある一定以上に変形させると、力を除いても420−3に示すように破断または復元不可となる。
【0003】
以上のように、プラスティック製の板バネでは大きく曲げることができないので、2個の部材を繋げてバネ構造を構成する場合もある。図5は、板状の2個の部材501および502を間の接合部503で繋いでいる例である。例えば、部材501および502の端部に穴を開けピンを通して、503に示すような接合部とする。これにより部材501と502とは直角以上に曲げることができるようになる。さらに自動的に元の位置に戻すように、接合部503にコイル状のバネ504を入れるものも知られている。
【0004】
一方、図5のようなバネ構造を利用した杖(ステッキ)の支持具が知られている。これは図5のようなバネ構造の一方の部材501を杖に装着できるようにして、通常は図5に示すような状態で杖に沿わせるようにしておき、必要なときに直角に曲げた部材502をテーブル面に引っかけることにより杖を支持するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、プラスティック製の板バネは、単純に作るとある一定以上に曲げることができないものしか得られない。また、大きく曲がるものを作ろうとすると、図5で説明したような複雑な構造を採るしかなかった。したがって、杖の支持具などに適用する場合も図5のような複雑な構造のものを用いるしかなかった。
【0006】
本発明は、上述の従来技術における問題点に鑑み、プラスティックを用いて板バネを構成する際に、簡単な構成で簡単に製造でき、かつ大きく曲げることができる板バネ構造を提供することを目的とする。また、本発明は、そのような板バネ構造を用いた支持具を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、プラスチック製の板バネ構造であって、第1の板状部分の端部から第2の板状部分の端部に至るまでに複数の曲線部分を設け、前記板状部分に力がかかったとき、前記複数の各曲線部分にその力を分散させるようにしたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のプラスチック製板バネ構造において、該板バネ構造をプラスチックの一体成型で形成したことを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の板バネ構造を用いた支持具であって、前記第1の板状部分に、支持する対象の棒状の物に取付るための取付部を設け、前記第2の板状部分を水平面に載せることにより前記棒状の物を支持することを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の支持具において、前記第1の板状部分の端部と前記第2の板状部分の端部とを掛止する掛止部を設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項3または4に記載の支持具において、前記第2の板状部分が、前記第1の板状部分に対して直角以上に曲がらないように止め部を設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項6に係る発明は、プラスチック製の板バネ構造であって、断面が中心軸から螺旋構造のゼンマイ型になっており、該中心軸回りの回転方向のバネとして利用するものであり、かつプラスチックの一体成型で形成したことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0014】
従来技術の欄で説明したように、プラスティック製の単純な板バネ構造では力が一箇所にかかり、応力が一定以上を超えた時点で復元不可または破断(クラック)が発生する。本発明では、板バネ構造にかかる力を複数の部分に分散させることにより一箇所にかかる力を少なくし、板バネ構造に対する負担を軽減し復元力も損なわれないようにするものである。
【0015】
図1(a)は、本発明の実施の形態に係る板バネ構造の断面図を示す。図の奥行き方向に板バネの板の幅だけの厚みがある。板状部分Aの一端111からバネ性を有する曲線状部分101が形成され、板状部分Bの一端112に至っている。曲線状部分101は、R−1〜R−6に示すように複数の曲線部分(R部分)からなることを特徴としている。また、曲線状部分101の全体が一定の狭い範囲に収まるように、その曲がり方は曲がる向きが交互になるように形成されている。「曲がる向きが交互になるように」というのは、図1(a)で言えば、板状部分Aの端部111から曲線状部分101に沿って進むとき、R−1は左回りの向き、R−2は右回りの向き、R−3は左回りの向き、R−4からR−6は右回りの向きというように曲線部分の曲がりの向きが交互になっているということである。これら各曲線部分が狭い範囲に収まるようにすることにより、狭い範囲に比較的長い長さの板バネを収めることができる。これにより、板バネに力が加わったときに、比較的長い長さの板バネで力を分散させることができる。
【0016】
例えば、図1(a)で矢印100に示すように力を加えたとき、複数の曲線部分R−1〜R−6に力が分散され、一箇所の曲線部分にかかる力を少なくすることができる。図のように6箇所の曲線部分で力を分散するものと概算すれば、一箇所の曲線部分のみに力がかかる場合に比較して、各曲線部分は1/6の力を分担して負担すればよいことになる。これにより、破断することが少なく、また復元力を損なうことも少ない板バネが実現できる。
【0017】
図1(b)は、図1(a)で矢印100のように力を加え、板状部分BをAに対して90度になるまで曲げた状態を示す。
【0018】
なお、このような板バネ構造は、各種プラスチックによる一体成型で簡単に製造できる。素材としては、例えば、ポリカーボネート、ナイロン、またはPOM(ポリアセタール)などを用いればよい。
【0019】
図2(a)は、図1に示した板バネ構造を用いて杖(ステッキ)や傘などの棒状のものを支持する支持具を作成したものである。201は、支持する対象である棒状のものに取り付けるための取付部である。202は図1の板バネ構造の板状部分Aに相当する部分であり、この板状部分202を取付部201に固着してある。板バネ部210は、図1で説明したような構造の板バネ部である。板バネ部210の他端は、図1のBに相当する板状部分203に繋がっている。図2(b)は、図2(a)の支持具を杖221に装着し、テーブル222に板状部分203を載せて支持した様子を示す。
【0020】
図2に加えて図3も参照して、この支持具についてさらに詳しく説明する。図3(a)は、図2(a)の支持具の側面図を示す。板状部分202の端部のツメ部301と、板状部分203の端部のツメ部302は、互いに掛止するためのツメ部である。板状部分203から伸びたL字状部分205を取付部201側に押し込むことにより、ツメ部301にツメ部302を掛止することができる。図3(b)は、ツメ部301にツメ部302を掛止した様子を示す。図3(b)のような状態にすれば、図2(a)や図3(a)の状態ではブラブラしている板状部分203を、杖221に沿って動かないようにすることができる。通常の杖として使用するときには、図3(b)のような状態とすれば邪魔にならない。なお、206は、L字状部分205を指で押し込むとき、指が当たる部分に貼付されたゴム状の弾性体である。このゴム状部材206があるため、L字状部分205を押し込むとき指が痛くない。また、杖を壁に立てかけるときのすべり止めにもなる。図3(b)のように掛止された状態から該掛止を外すには、板状部分203またはL字状部分205をつまんで簡単に外すことができる。
【0021】
L字状部分205は、板状部分203を板状部分202に対して直角になるまで曲げたときの止め具の役割も果たしている。板状部分202の凹部304は、板状部分203を曲げたときにL字状部分205の先端部303が嵌合する凹部である。図2(b)や図3(c)は、L字状部分205の先端部303が凹部304に嵌合した様子を示す。これにより、杖をテーブル上に支持した状態で板バネ部210がブラブラすることが防止される。また、板状部分203を板状部分202に対して直角以上に曲げることができなくなるので、板バネ部210が破断することも防止される。なお、板状部分203のテーブル222側には、テーブル上に当たる部分にすべり止めとなるゴム状の弾性体が貼付されている。
【0022】
以上説明したような支持具は、図1で説明したのと同様に各種プラスチックによる一体成型で簡単に製造できる。素材も同様である。特に、板状部分202、板バネ部210、板状部分203、およびL字状部分205は、プラスチックの一体成型とし、それに取付部201とゴム状部材204,206を貼り付けてもよい。
【0023】
図6は、板バネ構造の変形例を示す。図6(a)は、断面を三つ葉のクローバー状にした板バネ構造を示す。図の奥行き方向に板バネの板の幅だけの厚みがある。同様にして、四つ葉や五つ葉などにすることもできる。このような構造も本発明の範囲である。
【0024】
図6(b)は、回転方向のバネの例を示す。例えば、中心軸を固定しておけば、板バネの一番外側の端部が前記中心軸の回りで回転運動をするとき、前記中心軸の回転方向のバネとして動作するものである。断面が中心軸から螺旋構造のゼンマイ型になっており、このような構造をプラスチックの一体成型で形成したことを特徴とするものである。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、簡単な構成で簡単に製造でき、かつ大きく曲げることができるプラスティック製の板バネ構造が実現できる。また、そのような板バネ構造を用いた支持具は、従来多くの部品を使用し複雑で高価になってしまっていた支持具に反して、単一部材で簡単に製造することができる。杖や傘に限らず、棒状のものであれば支持することができる。例えば、医療用の松葉杖のようなものでも、本発明に係る支持具を2つ以上用いて簡単に支持することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る板バネ構造の断面図
【図2】板バネ構造を用いた杖(ステッキ)や傘などの棒状のものを支持する支持具を示す図
【図3】実施の形態の支持具の側面図
【図4】従来の板バネに力を加えた様子を示す図
【図5】板状の2個の部材を接合部で繋いで板バネと同様の構成としたものを示す図
【図6】板バネ構造の変形例
【符号の説明】
101…板バネ構造の曲線状部分、R−1〜R−6…複数の曲線部分、201…取付部、202,203…板状部分、210…板バネ部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチック製の板バネ構造および該板バネ構造を用いた支持具に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスティックは本来薄い板状にすると樹脂別によるそれぞれの強度でバネ弾性を有する。図4(a)は、断面がU字形状のプラスティック製の板バネに力を加えた様子を示す。板バネ410−1のU字形状の腕の部分AおよびBに、矢印411に示すような外側に広げる力を加えたとする。板バネ410−1は、その材質に応じたバネ弾性で410−2のように変形する。このときバネ弾性により元に戻ろうとする応力が働いているので、加えた力を除くと410−3に示すように元へ戻る。しかし、板バネにある一定以上の力を加えると変形し、元の形状に戻らないか、あるいは破断してしまう。図4(b)は、破断または復元不可になる例を示す。板バネ420−1に矢印421に示すような外側に広げる力を加える。420−2に示すように強い力を加えてある一定以上に変形させると、力を除いても420−3に示すように破断または復元不可となる。
【0003】
以上のように、プラスティック製の板バネでは大きく曲げることができないので、2個の部材を繋げてバネ構造を構成する場合もある。図5は、板状の2個の部材501および502を間の接合部503で繋いでいる例である。例えば、部材501および502の端部に穴を開けピンを通して、503に示すような接合部とする。これにより部材501と502とは直角以上に曲げることができるようになる。さらに自動的に元の位置に戻すように、接合部503にコイル状のバネ504を入れるものも知られている。
【0004】
一方、図5のようなバネ構造を利用した杖(ステッキ)の支持具が知られている。これは図5のようなバネ構造の一方の部材501を杖に装着できるようにして、通常は図5に示すような状態で杖に沿わせるようにしておき、必要なときに直角に曲げた部材502をテーブル面に引っかけることにより杖を支持するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、プラスティック製の板バネは、単純に作るとある一定以上に曲げることができないものしか得られない。また、大きく曲がるものを作ろうとすると、図5で説明したような複雑な構造を採るしかなかった。したがって、杖の支持具などに適用する場合も図5のような複雑な構造のものを用いるしかなかった。
【0006】
本発明は、上述の従来技術における問題点に鑑み、プラスティックを用いて板バネを構成する際に、簡単な構成で簡単に製造でき、かつ大きく曲げることができる板バネ構造を提供することを目的とする。また、本発明は、そのような板バネ構造を用いた支持具を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、プラスチック製の板バネ構造であって、第1の板状部分の端部から第2の板状部分の端部に至るまでに複数の曲線部分を設け、前記板状部分に力がかかったとき、前記複数の各曲線部分にその力を分散させるようにしたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のプラスチック製板バネ構造において、該板バネ構造をプラスチックの一体成型で形成したことを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の板バネ構造を用いた支持具であって、前記第1の板状部分に、支持する対象の棒状の物に取付るための取付部を設け、前記第2の板状部分を水平面に載せることにより前記棒状の物を支持することを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の支持具において、前記第1の板状部分の端部と前記第2の板状部分の端部とを掛止する掛止部を設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項3または4に記載の支持具において、前記第2の板状部分が、前記第1の板状部分に対して直角以上に曲がらないように止め部を設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項6に係る発明は、プラスチック製の板バネ構造であって、断面が中心軸から螺旋構造のゼンマイ型になっており、該中心軸回りの回転方向のバネとして利用するものであり、かつプラスチックの一体成型で形成したことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0014】
従来技術の欄で説明したように、プラスティック製の単純な板バネ構造では力が一箇所にかかり、応力が一定以上を超えた時点で復元不可または破断(クラック)が発生する。本発明では、板バネ構造にかかる力を複数の部分に分散させることにより一箇所にかかる力を少なくし、板バネ構造に対する負担を軽減し復元力も損なわれないようにするものである。
【0015】
図1(a)は、本発明の実施の形態に係る板バネ構造の断面図を示す。図の奥行き方向に板バネの板の幅だけの厚みがある。板状部分Aの一端111からバネ性を有する曲線状部分101が形成され、板状部分Bの一端112に至っている。曲線状部分101は、R−1〜R−6に示すように複数の曲線部分(R部分)からなることを特徴としている。また、曲線状部分101の全体が一定の狭い範囲に収まるように、その曲がり方は曲がる向きが交互になるように形成されている。「曲がる向きが交互になるように」というのは、図1(a)で言えば、板状部分Aの端部111から曲線状部分101に沿って進むとき、R−1は左回りの向き、R−2は右回りの向き、R−3は左回りの向き、R−4からR−6は右回りの向きというように曲線部分の曲がりの向きが交互になっているということである。これら各曲線部分が狭い範囲に収まるようにすることにより、狭い範囲に比較的長い長さの板バネを収めることができる。これにより、板バネに力が加わったときに、比較的長い長さの板バネで力を分散させることができる。
【0016】
例えば、図1(a)で矢印100に示すように力を加えたとき、複数の曲線部分R−1〜R−6に力が分散され、一箇所の曲線部分にかかる力を少なくすることができる。図のように6箇所の曲線部分で力を分散するものと概算すれば、一箇所の曲線部分のみに力がかかる場合に比較して、各曲線部分は1/6の力を分担して負担すればよいことになる。これにより、破断することが少なく、また復元力を損なうことも少ない板バネが実現できる。
【0017】
図1(b)は、図1(a)で矢印100のように力を加え、板状部分BをAに対して90度になるまで曲げた状態を示す。
【0018】
なお、このような板バネ構造は、各種プラスチックによる一体成型で簡単に製造できる。素材としては、例えば、ポリカーボネート、ナイロン、またはPOM(ポリアセタール)などを用いればよい。
【0019】
図2(a)は、図1に示した板バネ構造を用いて杖(ステッキ)や傘などの棒状のものを支持する支持具を作成したものである。201は、支持する対象である棒状のものに取り付けるための取付部である。202は図1の板バネ構造の板状部分Aに相当する部分であり、この板状部分202を取付部201に固着してある。板バネ部210は、図1で説明したような構造の板バネ部である。板バネ部210の他端は、図1のBに相当する板状部分203に繋がっている。図2(b)は、図2(a)の支持具を杖221に装着し、テーブル222に板状部分203を載せて支持した様子を示す。
【0020】
図2に加えて図3も参照して、この支持具についてさらに詳しく説明する。図3(a)は、図2(a)の支持具の側面図を示す。板状部分202の端部のツメ部301と、板状部分203の端部のツメ部302は、互いに掛止するためのツメ部である。板状部分203から伸びたL字状部分205を取付部201側に押し込むことにより、ツメ部301にツメ部302を掛止することができる。図3(b)は、ツメ部301にツメ部302を掛止した様子を示す。図3(b)のような状態にすれば、図2(a)や図3(a)の状態ではブラブラしている板状部分203を、杖221に沿って動かないようにすることができる。通常の杖として使用するときには、図3(b)のような状態とすれば邪魔にならない。なお、206は、L字状部分205を指で押し込むとき、指が当たる部分に貼付されたゴム状の弾性体である。このゴム状部材206があるため、L字状部分205を押し込むとき指が痛くない。また、杖を壁に立てかけるときのすべり止めにもなる。図3(b)のように掛止された状態から該掛止を外すには、板状部分203またはL字状部分205をつまんで簡単に外すことができる。
【0021】
L字状部分205は、板状部分203を板状部分202に対して直角になるまで曲げたときの止め具の役割も果たしている。板状部分202の凹部304は、板状部分203を曲げたときにL字状部分205の先端部303が嵌合する凹部である。図2(b)や図3(c)は、L字状部分205の先端部303が凹部304に嵌合した様子を示す。これにより、杖をテーブル上に支持した状態で板バネ部210がブラブラすることが防止される。また、板状部分203を板状部分202に対して直角以上に曲げることができなくなるので、板バネ部210が破断することも防止される。なお、板状部分203のテーブル222側には、テーブル上に当たる部分にすべり止めとなるゴム状の弾性体が貼付されている。
【0022】
以上説明したような支持具は、図1で説明したのと同様に各種プラスチックによる一体成型で簡単に製造できる。素材も同様である。特に、板状部分202、板バネ部210、板状部分203、およびL字状部分205は、プラスチックの一体成型とし、それに取付部201とゴム状部材204,206を貼り付けてもよい。
【0023】
図6は、板バネ構造の変形例を示す。図6(a)は、断面を三つ葉のクローバー状にした板バネ構造を示す。図の奥行き方向に板バネの板の幅だけの厚みがある。同様にして、四つ葉や五つ葉などにすることもできる。このような構造も本発明の範囲である。
【0024】
図6(b)は、回転方向のバネの例を示す。例えば、中心軸を固定しておけば、板バネの一番外側の端部が前記中心軸の回りで回転運動をするとき、前記中心軸の回転方向のバネとして動作するものである。断面が中心軸から螺旋構造のゼンマイ型になっており、このような構造をプラスチックの一体成型で形成したことを特徴とするものである。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、簡単な構成で簡単に製造でき、かつ大きく曲げることができるプラスティック製の板バネ構造が実現できる。また、そのような板バネ構造を用いた支持具は、従来多くの部品を使用し複雑で高価になってしまっていた支持具に反して、単一部材で簡単に製造することができる。杖や傘に限らず、棒状のものであれば支持することができる。例えば、医療用の松葉杖のようなものでも、本発明に係る支持具を2つ以上用いて簡単に支持することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る板バネ構造の断面図
【図2】板バネ構造を用いた杖(ステッキ)や傘などの棒状のものを支持する支持具を示す図
【図3】実施の形態の支持具の側面図
【図4】従来の板バネに力を加えた様子を示す図
【図5】板状の2個の部材を接合部で繋いで板バネと同様の構成としたものを示す図
【図6】板バネ構造の変形例
【符号の説明】
101…板バネ構造の曲線状部分、R−1〜R−6…複数の曲線部分、201…取付部、202,203…板状部分、210…板バネ部。
Claims (6)
- プラスチック製の板バネ構造であって、
第1の板状部分の端部から第2の板状部分の端部に至るまでに複数の曲線部分を設け、前記板状部分に力がかかったとき、前記複数の各曲線部分にその力を分散させるようにしたことを特徴とするプラスチック製板バネ構造。 - 請求項1に記載のプラスチック製板バネ構造において、
該板バネ構造をプラスチックの一体成型で形成したことを特徴とするプラスチック製板バネ構造。 - 請求項1または2に記載の板バネ構造を用いた支持具であって、
前記第1の板状部分に、支持する対象の棒状の物に取付るための取付部を設け、前記第2の板状部分を水平面に載せることにより前記棒状の物を支持することを特徴とする板バネ構造を用いた支持具。 - 請求項3に記載の支持具において、
前記第1の板状部分の端部と前記第2の板状部分の端部とを掛止する掛止部を設けたことを特徴とする板バネ構造を用いた支持具。 - 請求項3または4に記載の支持具において、
前記第2の板状部分が、前記第1の板状部分に対して直角以上に曲がらないように止め部を設けたことを特徴とする板バネ構造を用いた支持具。 - プラスチック製の板バネ構造であって、
断面が中心軸から螺旋構造のゼンマイ型になっており、該中心軸回りの回転方向のバネとして利用するものであり、かつプラスチックの一体成型で形成したことを特徴とするプラスチック製板バネ構造。
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JP (1) | JP2004301237A (ja) |
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2003
- 2003-03-31 JP JP2003095130A patent/JP2004301237A/ja active Pending
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