JP2004300005A - 人工ゼオライトの製造方法 - Google Patents

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眞 依田
Hiroyuki Taniguchi
博幸 谷口
Kenji Toratani
健司 虎谷
Shunsuke Kumagai
俊介 熊谷
Akiko Hayashi
亜貴子 林
Takehiro Uchida
武広 内田
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Abstract

【課題】石炭灰とアルカリ水溶液からなるスラリーを加熱してなる人工ゼオライトの製造方法においてゼオライト化反応を阻害する余剰ケイ素により生ずる問題を解決するとともに高性能な人工ゼオライトを低コストで製造する方法を提供すること。
【解決方法】石炭灰を主原料とし、副原料にアルミン酸ナトリウムを用いる人工ゼオライトの製造方法であって、石炭灰と水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液からなるスラリーを一次加熱処理した後、アルミン酸ナトリウムを該スラリーに添加し、二次加熱処理することで人工ゼオライトを製造する。前記アルミン酸ナトリウムは、非晶質のアルミナ系原料を水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液に混合・撹拌した上で加熱処理することにより製造することができる。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、石炭灰を主原料として副原料にアルミン酸ナトリウムを用いて人工ゼオライトを製造する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
石炭灰と水酸化ナトリウム(以下NaOHとも記す)等のアルカリ水溶液からなるスラリーを加熱し、人工ゼオライトを製造することは公知な方法である。この方法では原料の成分組成により溶出したケイ素(以下Siとも記す)がゼオライト化に消費されずにそのままスラリーに残留する場合がある。この場合、この余剰ケイ素がソーダ珪酸塩(水ガラス)を形成しスラリーの粘性を増加させ、且つゼオライト化反応を阻害する。しかし、この余剰ケイ素に副原料としてアルミナ系原料を添加し再度加熱処理を施すことで、この問題を回避し、且つ高性能な人工ゼオライトを製造する方法が提案されている。(特許文献1、2参照)。これらの方法では、添加するアルミナ系原料として、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、金属アルミニウムが示されており、「経済的観点からアルミニウム溶解時に副生する酸化アルミニウムと金属アルミニウムの混合物である所謂アルミドロスが有望である」として、その実施例が記載されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−48726号公報
【特許文献2】
特開平6−48727号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、当発明者らの研究によれば、全てのアルミナ系原料が有効ではないことが判明した。即ち、水酸化アルミニウムの場合は、添加した水酸化アルミニウムはまず溶液中の水酸化ナトリウムと反応しアルミン酸ナトリウムに変化するため、ゼオライト製造に必要な水酸化ナトリウムを水酸化アルミニウムが消費してしまうためと考えられる。また、上記再度の加熱処理時に水酸化アルミニウムとそれに加えて過剰な水酸化ナトリウム水溶液を添加すると、構成要素の成分比が変わってしまい、ハイドロキシソーダライト等の別種類の多孔質結晶物となる問題がある。
【0005】
また、金属アルミニウム或いは金属アルミニウムを含有するアルミドロスを副原料に使用した場合は、溶出したケイ素等と反応しゼオライト結晶化するものの、水酸化ナトリウムとの反応時にアンモニア等のガスが発生し、ガス処理設備等の新たな費用が必要となり、経済的に不利となる問題がある。
【0006】
本発明は、ゼオライト化反応を阻害する上述の余剰ケイ素により生ずる問題を解決するものであり、高性能な人工ゼオライトを低コストで製造する人工ゼオライトの製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の人工ゼオライト製造方法は、石炭灰を主原料とし、副原料にアルミン酸ナトリウムを用いる人工ゼオライトの製造方法であって、石炭灰と水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液からなるスラリーを一次加熱処理した後、アルミン酸ナトリウムを該スラリーに添加し、二次加熱処理することを特徴とするものである。
これにより、式1に示す通り余剰ケイ素が有効にゼオライト化される。
【0008】
【化1】
Figure 2004300005
【0009】
また、副原料のアルミン酸ナトリウムは、非晶質のアルミナ系原料を水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液に混合・撹拌した上で加熱処理することにより製造することができる。式2は非晶質のアルミナ系原料として水酸化アルミニウムを用いた場合の化学式である。ここで、結晶質のアルミナ系原料では水酸化ナトリウムと化学反応しないため、非晶質のアルミナ系原料を使用する必要がある。また、常温下では反応しにくい非晶質の水酸化アルミニウムと水酸化ナトリウムは加熱することで反応が促進されアルミン酸ナトリウムに容易に変化する。これにより、アルミニウム業界あるいは薬品業界から大量に排出されるスラッジ状の非晶質水酸化アルミニウムの有効利用が図られる。
【0010】
【化2】
Figure 2004300005
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
図1を参照して本発明に係る人工ゼオライトの製造方法を説明する。一次処理槽(1)、副原料処理槽(2)及び二次処理槽(3)はボイラー(4)で加熱でき、またモーター(M)駆動で攪拌することができる。各処理槽はオートクレーブ或いは煮沸槽のどちらでも構わないが、オートクレーブの方が煮沸槽よりも反応処理時間を短くすることができる。実施例では一次処理槽(1)と二次処理槽(3)はオートクレーブを使用し、副原料処理槽(2)は煮沸槽を使用した。
一次処理槽(1)に石炭灰と水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液を加え、一次加熱処理を施す。また、ここで添加するアルカリは公知のアルカリ源が使用できるが、経済的には水酸化ナトリウム(所謂苛性ソーダ)が適している。石炭灰と水酸化ナトリウム水溶液の基本的な配合割合は次の通りである。
石炭灰:2モルNaOH水溶液=100kg:300L
水酸化ナトリウム水溶液の濃度及び固液比については、石炭灰の成分の違いにより適宜調節する必要がある。
次に副原料処理槽(2)に水酸化アルミニウム・スラッジと水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液を加え、攪拌しながら加熱する。主原料に対する副原料の目安となる配合割合は次の通りである。
水酸化アルミニウム・スラッジ:4モルNaOH水溶液=20kg:70L
上記の水酸化アルミニウム・スラッジ量は乾物重量であり、実際の使用の際は、含水率やその他の含有物質等を調べ、配合割合を適宜調節する必要がある。また、水酸化ナトリウムの濃度及び固液比についても、一次加熱処理で溶出するケイ素分を測定し、その量に応じて適宜調節する必要がある。
一次処理槽(1)及び副原料処理槽(2)で処理した後、それぞれを二次処理槽(3)に移し、二次加熱処理を施す。二次加熱処理後は脱水機(5)で固液分離をする。
【0013】
【実施例】
一次加熱処理は、石炭灰75kgにフレーク状の水酸化ナトリウム18kgと水225リットルを加え、混合・撹拌したスラリーを140℃で1時間加熱した。副原料のアルミン酸ナトリウムは、非晶質の水酸化アルミニウム・スラッジ50kg(含水率は約70%、乾物重量で15kg)にフレーク状の水酸化ナトリウム8.4kgと水17.5リットルを加え(水酸化アルミニウム・スラッジの持ち込み水量を35リットルとして計算)、混合・撹拌しながら大気圧下で70〜80℃の加熱を1時間実施して製造した。この副原料を先の一次加熱処理した該スラリーに添加し、140℃で1時間二次加熱処理を施したものを実施例1、100℃で1時間二次加熱処理を施したものを実施例2とし、水酸化アルミニウム・スラッジを未処理で添加し140℃で1時間二次加熱処理を施したものを比較例1、水酸化アルミニウム・スラッジを未処理で添加し100℃で1時間二次加熱処理を施したものを比較例2とした。実施例と比較例のそれぞれの生成鉱物を測定し比較するとともに、一次加熱処理のみの生成鉱物も参考例として記載した。各工程の処理条件をまとめたものが表1である。
【0014】
【表1】
Figure 2004300005
【0015】
測定項目は、(1)ゼオライトの性能を示す指標のひとつである陽イオン交換容量(陽イオンをどれだけイオン交換する能力を有しているかを示す指標である。以下単純にCECとも記す。)、(2)反応後の溶液中の残留SiO濃度、(3)反応後の生成鉱物、および(4)反応後の溶液中の未反応物〔Al(OH)〕の4項目とした。測定結果をまとめたものが表2である。
【0016】
【表2】
Figure 2004300005
【0017】
比較例1で一次加熱処理後溶液中のSiO濃度が53g/Lだったのに対し、実施例1では反応後の溶液中のSiO濃度は3g/Lに減少した。それに伴ないCECも205meq/100gから320meq/100gに増加した。同じく比較例2と実施例2との比較においても、SiO濃度は50g/Lから10g/Lに減少し、CECは210meq/100gから280meq/100gに増加した。以上の結果から、一次加熱処理で溶出したSiOが二次加熱処理でAl(OH)とのゼオライト化反応に使われ、CECが高くなったものと考えられる。比較例1及び比較例2では、実施例1及び実施例2と同量の水酸化アルミニウム・スラッジを加え、二次加熱処理を施したにも関わらず、反応後の溶液中のSiO濃度はそれぞれ53g/L、50g/Lに達し、余剰のSiOがほとんど消費されていないことが分かる。また、CECも参考例として示した一次加熱処理のみの生成物と比べてほとんど増加していない。即ち、副原料であるアルミナ系原料を未処理で添加した場合は、反応効率が低下することが分かった。
【0018】
以上の結果から、アルミン酸ナトリウムを二次加熱処理時に添加することで高性能な人工ゼオライトを製造することができる。また、非晶質のアルミナ系原料使用する場合は、予め別容器で水酸化ナトリウム水溶液と混合・撹拌した上で加熱処理をしてアルミン酸ナトリウムとすることで、高性能な人工ゼオライトを低コストで製造することができる。
【0019】
なお、本発明ではアルミン酸ナトリウムを製造するためのアルミナ系原料を非晶質のものに限定しているが、結晶質のアルミナ系原料、例えば酸化アルミニウムであっても、融点である2050℃程度に加熱すれば、アルミン酸ナトリウムを製造する原料として使用することができる。
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、高性能な人工ゼオライトを低コストで大量生産することができる。
また、産業廃棄物の一つであり現状では埋め立て処分されている水酸化アルミニウム・スラッジの有効利用を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる人工ゼオライトの製造方法を示す図である。
【符号の説明】
1 一次処理槽
2 副原料処理槽
3 二次処理槽
4 ボイラー
5 脱水機
M モーター
P ポンプ

Claims (2)

  1. 石炭灰を主原料とし、副原料にアルミン酸ナトリウムを用いる人工ゼオライトの製造方法であって、石炭灰と水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液からなるスラリーを一次加熱処理した後、アルミン酸ナトリウムを該スラリーに添加し、二次加熱処理することを特徴とする人工ゼオライトの製造方法。
  2. 前記アルミン酸ナトリウムが、非晶質のアルミナ系原料を水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液に混合・攪拌した上で加熱処理することにより製造されたものであることを特徴とする請求項1記載の人工ゼオライトの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007099593A (ja) * 2005-10-07 2007-04-19 Toshio Shimoda 高機能ゼオライトの連続合成方法
JP2008127259A (ja) * 2006-11-22 2008-06-05 Kitakyushu Foundation For The Advancement Of Industry Science & Technology セラミック焼成体及びその製造方法

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