JP2004299950A - 赤泥を利用した軽量骨材およびその製造方法 - Google Patents
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- Y02W30/91—Use of waste materials as fillers for mortars or concrete
Abstract
【課題】赤泥を利用し、低温での焼成により十分に軽量化され得る軽量骨材およびその製造方法を提供する。
【解決手段】アルミナ製造工程から発生する赤泥と、ガラス粉末と、必要に応じて粘結材とを混合し、得られた混合物を造粒して、900〜1100℃で焼成し、絶乾比重0.40〜1.35、24時間吸水率1〜20%の軽量骨材とする。
【選択図】 なし
【解決手段】アルミナ製造工程から発生する赤泥と、ガラス粉末と、必要に応じて粘結材とを混合し、得られた混合物を造粒して、900〜1100℃で焼成し、絶乾比重0.40〜1.35、24時間吸水率1〜20%の軽量骨材とする。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バイヤー法によりボーキサイトからアルミナを製造する際に副産物として発生する赤泥を利用した軽量骨材およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
赤泥は、バイヤー法によるアルミナの製造に際して排出される赤色、泥状の物質であり、日本国内では乾燥物換算で年間約60万tが排出されている。赤泥の再資源化については様々な方法が検討されており、例えば、赤泥中の鉄やアルミニウム等を回収する成分回収や、二酸化硫黄等の吸収剤、地盤改良材への利用等が考えられている。しかし、赤泥は、水分を多く含み脱水・乾燥コストがかかること、ソーダ分を含むこと、多種類の成分の混合物であること等の理由により、それらの再資源化方法は実用化には至っていない。
【0003】
また、赤泥を人工軽量骨材の原料に用いることも、赤泥の再資源化方法の一つとして挙げられる。人工軽量骨材は、従来から、各種土木建築構造物、PCカーテンウォール、各種コンクリート製品、各種断熱用部材の材料として用いられている。
【0004】
人工軽量骨材としては、頁岩を破砕し、焼成・発泡させたものや、酸性火山岩または酸性火山岩噴出物を粉砕して、これに粘結材と発泡材を添加して造粒し、焼成・発泡させたもの等がこれまでに知られている。しかし、これらの人工軽量骨材は、いずれも天然の岩石を粉砕したものを原料とするため、採掘費や粉砕に要する費用が嵩み、また資源の枯渇等の問題もある。
【0005】
ここで、赤泥は粒径が非常に小さいため、赤泥を人工軽量骨材の原料に用いれば、粉砕に要する費用を省ける。また、赤泥に含まれる水分を造粒に利用することもできる。しかし、赤泥、または赤泥に粘結材・発泡材を添加したものを造粒、焼成して得られた骨材は、絶乾比重が2.0〜2.7であり、軽量骨材としては軽量化が不十分であった。
【0006】
このような事情の下で、赤泥を軽量骨材に利用する技術が種々提案されている。例えば、特開昭47−32026号公報(特許文献1)には、赤泥、炭化珪素および珪酸質鉱物を混合し、成形、焼成して発泡させる軽量材の製造方法が開示されており、また、特開昭48−617号公報(特許文献2)には、赤泥と高炉鉱滓との混合物を成形し、焼成する人工軽量骨材の製造方法が開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開昭47−32026号公報
【特許文献2】
特開昭48−617号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1および特許文献2に開示されている技術では、焼成温度を1200〜1300℃と比較的高温にして、絶乾比重1.2〜1.3の軽量材または軽量骨材を得ているため、焼成に多大なエネルギーが必要になるという問題があった。
【0009】
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、赤泥を利用し、低温での焼成により十分に軽量化され得る軽量骨材およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
赤泥の化学組成(およびig.loss=強熱減量)は、赤泥を排出する各社によって若干異なるが、一例を表1に示す。
【0011】
【表1】
【0012】
表1に示されるように、赤泥におけるSiO2の含有量は、従来の軽量骨材の原料、例えば頁岩等に比較して少ない。かかる赤泥は、焼成時に軟化したときの粘性が低く、発生した気泡を焼成物中に保持することができないため、得られる骨材が十分に軽量化されないと考えられる。
【0013】
本発明者らは、SiO2分の割合を増加させ、かつ低温での焼成を可能ならしめる材料を検討した結果、赤泥にガラスを添加することにより、従来よりも低い温度で焼成することができ、かつ別途発泡材を使用することなく軽量化が達成されることを見出し、本発明を完成した。
【0014】
すなわち、第1に本発明は、赤泥およびガラスを含む混合物を造粒、焼成して得られる軽量骨材を提供する(請求項1)。また、第2に本発明は、赤泥とガラスとを混合し、得られた混合物を造粒、焼成することを特徴とする軽量骨材の製造方法を提供する(請求項7)。
【0015】
上記発明(請求項1,7)においては、赤泥とガラスとを混合することにより、焼成時に発生した気泡を、ガラスによる粘性上昇効果によって焼成物中に保持することができるため、得られる軽量骨材を十分に軽量化することができる。この場合において、炭化珪素等の発泡材を使用する必要はない。また、上記軽量骨材は、低温での焼成によって製造することができるため、焼成に要するエネルギーコストを低く抑えることができる。すなわち、上記発明(請求項1,7)によれば、十分に軽量化された軽量骨材が低コストで得られる。
【0016】
上記発明(請求項1)において、前記混合物は、赤泥10〜80質量%と、ガラス90〜20質量%と、必要に応じて前記ガラスに替えて粘結材10質量%以下とを含むのが好ましい(請求項2)。また、上記発明(請求項7)においては、赤泥10〜80質量%と、ガラス90〜20質量%と、必要に応じて前記ガラスに替えて粘結材10質量%以下とを混合し、前記混合物とするのが好ましい(請求項8)。
【0017】
なお、本明細書における赤泥の質量%は、赤泥を乾燥物としたときの乾燥基準で示すものとする。
【0018】
上記発明(請求項1,2)においては、有機バインダーが前記混合物に対して1〜10質量%添加されてもよい(請求項3)。また、上記発明(請求項7,8)においては、有機バインダーを前記混合物に対して1〜10質量%添加してもよい(請求項9)。
【0019】
上記発明(請求項1〜3)においては、前記ガラスが平均粒径30μm以下の粉末状であるのが好ましい(請求項4)。また、上記発明(請求項7〜9)においては、ガラスとして、平均粒径30μm以下の粉末状のものを使用するのが好ましい(請求項10)。
【0020】
上記発明(請求項1〜4)においては、焼成温度が900〜1100℃であるのが好ましい(請求項5)。また、上記発明(7〜10)においては、焼成温度を900〜1100℃とするのが好ましい(請求項11)。
【0021】
上記発明(請求項1〜5)に係る軽量骨材は、絶乾比重が0.40〜1.35であり、24時間吸水率が1〜20%であるのが好ましい。ここで、絶乾比重および24時間吸水率は、JIS A 1135に準拠して測定したものとする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明する。
本発明は、アルミナ製造工程から発生する赤泥と、ガラスと、必要に応じて粘結材とを混合し、得られた混合物を造粒、焼成し、発泡させて軽量骨材とするものである。
【0023】
〔赤泥〕
赤泥としては、バイヤー法のアルミナ製造工程で発生する通常のものであれば特に制限はなく、いずれのものも使用することができる。赤泥は、乾燥させてから使用するのが好ましいが、乾燥に費やすエネルギーの節約の観点からも完全に乾燥させる必要はない。なお、赤泥の大半の粒子は粒径が10μm以下であるため、通常、粉砕等の処理は必要としない。
【0024】
〔ガラス〕
ガラスとしては、ソーダ石灰ガラス、鉛ガラス、ホウケイ酸ガラス等いずれの種類のものも使用することができるが、特にSiO2分を50質量%以上含み、軟化点が600〜1000℃であるものが好ましい。ガラス中のSiO2分が50質量%未満であると、焼成時にガラスによる粘性上昇効果が得られ難くなる。また、使用するガラスの軟化点が600℃未満では、焼成時に焼成物が融解して、軽量骨材として使用することが困難となる。一方、使用するガラスの軟化点が1000℃を超えると、焼成温度を高くしなければならず、焼成に多大なエネルギーが必要となる。
【0025】
現在廃棄されている瓶ガラス、板ガラス(建築物、車両等の窓ガラスを含む。)等の廃ガラスは、上記条件を満たすものが多い。かかる廃ガラスを原料として使用することにより、廃ガラスの有効利用を図ることができるとともに、原料コストを低減させることができるため、本発明におけるガラスとしては、廃ガラスを使用するのが好ましい。
【0026】
ガラスは、造粒を容易にするために粉末状にして使用するのが好ましい。その平均粒径は、30μm以下であるのが好ましく、特に5〜20μmであるのが好ましい。
【0027】
〔粘結材〕
粘結材としては、モンモリロ石群鉱物、カオリン鉱物、バーミキュル石群鉱物、ウンモ粘土鉱物等の鉱物を1種または2種以上含むものを使用することができ、特にベントナイトを使用するのが好ましい。かかる粘結材を使用することにより、造粒、乾燥および焼成における造粒物の強度、保形性、磨り減り抵抗性等を向上させることができる。
【0028】
〔原料の混合・混練〕
以上説明した原料(赤泥,ガラス,所望により粘結材)は、赤泥を乾燥させた場合には、公知のミキサーを用いて混合するか、ボールミル等の粉砕機を用いて混合することができ、赤泥を乾燥させなかった場合には、公知の装置を用いて混合(混練)することができる。
【0029】
原料中の赤泥の量は、乾燥物換算で10〜80質量%とするのが好ましく、特に15〜75質量%とするのが好ましく、さらには20〜70質量%とするのが好ましい。また、原料中のガラスの量は、90〜20質量%とするのが好ましく、特に85〜25質量%とするのが好ましく、さらには80〜30質量%とするのが好ましい。赤泥とガラスとをこのような比率で混合することにより、低温での焼成が可能になるとともに、焼成物が良好に発泡し、十分に軽量化された軽量骨材が得られる。
【0030】
赤泥の量が80質量%を超え、ガラスの量が20質量%未満となると、焼成時におけるガラスによる粘性上昇効果が不足し、焼成物中に気泡を内包させることが困難となり、目的とする軽量骨材が得られ難くなる。また、ガラスの量が90質量%を超え、赤泥の量が10質量%未満となると、赤泥に起因する焼成物の発泡が不足し、軽量骨材の十分な軽量化が図られ難くなる。
【0031】
粘結材を使用する場合、粘結材の使用量が過剰になると、造粒時に多量の水が必要となり、造粒性が低下する、あるいは緻密な造粒物が得られ難くなる等の問題が生じるため、原料中の粘結材の量は、上記ガラスに替えて通常10質量%以下であり、好ましくは1〜10質量%であり、特に好ましくは3〜7質量%である。
【0032】
上記のようにして混合した混合原料は、造粒に適するように水分量を調整して混練する。水分量の調整および混練は、公知の装置、例えばニーダーやパグミル等を用いて行うことができる。水分量の最適値は造粒方式等によって異なるが、概ね5〜40質量%である。ここで、水分として赤泥発生時に赤泥に含まれる水分を利用すると、原料の混合および混練を一度に行うことができ、効率的である。ただし、その場合には、混合原料が所定の水分量となるように、赤泥の水分量を調整しておく必要がある。
【0033】
この混合原料の混練時に、混合原料に対して有機バインダーを添加してもよい。これにより、造粒物の強度を向上させることが可能となる。有機バインダーとしては、例えば、リグニン、フェノール、ポリビニルアルコール等を使用することができる。有機バインダーの添加量は、混合原料(固形分)に対して、1〜10質量%であるのが好ましく、特に3〜7質量%であるのが好ましい。
【0034】
〔造粒・焼成〕
混練した混合原料は、パン型造粒機によって造粒してもよいし、プレス成形、ローラープレス成形、押し出し造粒等の造粒方法によって造粒してもよい。造粒物(ペレット)の粒径は、目的とする軽量骨材の粒径に応じて決定すればよい。例えば、粒径5〜20mm程度の粗骨材を得るためには、造粒物の粒径を4〜18mmの範囲にするのが好ましく、粒径5mm以下の細骨材を得るためには、造粒物の粒径を0.15〜4mmの範囲にするのが好ましい。
【0035】
造粒物は、焼成前に一旦乾燥させるのが好ましい。乾燥は、公知の乾燥装置を使用して行うことができる。そのような乾燥装置としては、例えば、回転乾燥機、流動層乾燥機、箱型乾燥機等が挙げられ、2種以上を組み合わせて使用してもよい。この乾燥は、連続処理で行ってもよいし、バッチ処理で行ってもよい。
【0036】
造粒物の焼成は、公知の焼成装置を使用して行うことができる。そのような焼成装置としては、例えば、内熱式ロータリーキルン、外熱式ロータリーキルン、流動層焼成炉、箱型炉等が挙げられ、2種以上を組み合わせて使用してもよい。この焼成は、連続処理で行ってもよいし、バッチ処理で行ってもよい。
【0037】
焼成温度は、焼成装置の種類、造粒物の焼成装置での滞留時間、造粒物の粒度分布等によって異なるが、一般には900〜1100℃とするのが好ましい。すなわち、本発明によれば、このような低い焼成温度で目的とする軽量骨材を得ることができる。
【0038】
〔軽量骨材〕
以上のようにして、絶乾比重が0.40〜1.35であり、24時間吸水率が1〜20%である軽量骨材が得られる。すなわち、本発明によれば、このように十分に軽量化された軽量骨材を得ることができる。
【0039】
軽量骨材の粒径は特に限定されるものではなく、粒径が5〜20mm程度であれば粗骨材として使用することができ、粒径が5mm以下であれば細骨材として使用することができる。
【0040】
【実施例】
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
【0041】
〔実施例1〕
乾燥させた赤泥(上記表1に示される赤泥)と、平均粒径が10μmである粉末状のガラス(分析結果を表2に示す)と、粘結材としてのベントナイトとを、表3に示す4種類の比率(質量基準)で混合し、得られた混合物に水を加えて均一に混練し、軟らかい可塑体を得た。この可塑体を小さい塊に切り分けて丸め、直径約11mmの略球状のペレットにした。
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
上記ペレットを乾燥機に入れ、110℃で12時間乾燥させた後、焼成炉に移し入れ、400℃で加熱した。そして、6分間かけて表4に示す焼成温度まで昇温し、その温度で3分間加熱した後、10分間かけて600℃まで降温し、さらに室温まで自然冷却させ、焼成物を得た。
【0045】
得られた焼成物について、JIS A 1135に準拠して絶乾比重および24時間吸水率を測定した。結果を表4に示す。また、表4に示す焼成温度と絶乾比重との関係を図1のグラフに示す。
【0046】
【表4】
*:焼成物が融解したことを示す(軽量骨材として使用不可)。
【0047】
上記結果に示されるように、赤泥70質量%/ベントナイト5質量%/ガラス粉末25質量%の配合では、焼成温度1000〜1100℃で絶乾比重1.35以下、24時間吸水率10%以下の焼成物が得られ、焼成温度1150℃で融解した。
【0048】
赤泥45質量%/ベントナイト5質量%/ガラス粉末50質量%の配合および赤泥20質量%/ベントナイト5質量%/ガラス粉末75質量%の配合では、赤泥とガラス粉末とを混合した効果により、十分に軽量化された軽量骨材が得られた。すなわち、焼成温度900〜1000℃で絶乾比重1.0以下、24時間吸水率20%以下の焼成物が得られ、焼成温度1100℃で融解した。
【0049】
赤泥1質量%/ベントナイト5質量%/ガラス粉末94質量%の配合では、焼成温度900〜1000℃で絶乾比重1.8以下、24時間吸水率1%以下の焼成物が得られ、焼成温度1100℃で融解した。
【0050】
以上の結果より、原料として赤泥を70〜20質量%使用し、焼成温度を900〜1100℃とした場合に、絶乾比重0.40〜1.53、24時間吸水率1〜20%の軽量骨材が得られた。
【0051】
〔実施例2〕
乾燥させた赤泥(上記表1に示される赤泥)50質量%と、平均粒径が10μmである粉末状のガラス(上記表2に示される赤泥)50質量%とを混合し、得られた混合物に水のみ、または混合物に対し5質量%のリグニン(有機バインダー)と水とを加えて均一に混練し、軟らかい可塑体を得た。この可塑体について実施例1と同様の操作を行い、得られた焼成物について、JIS A 1135に準拠して絶乾比重および24時間吸水率を測定した。結果を表5に示す。
【0052】
【表5】
【0053】
また、粘結材の有無、有機バインダーの有無による結果の違いを比較するために、上記2種類の混合物、および実施例1における赤泥45質量%/ベントナイト5質量%/ガラス粉末50質量%の混合物について、焼成温度と絶乾比重との関係を図2のグラフに、焼成温度と24時間吸水率との関係を図3のグラフに示す。
【0054】
上記結果に示されるように、赤泥45質量%/ベントナイト5質量%/ガラス粉末50質量%の配合、赤泥50質量%/ガラス粉末50質量%の配合、および赤泥50質量%/ガラス粉末50質量%/リグニン5質量%(混合粉に対して)の配合のいずれにおいても、焼成温度と絶乾比重との関係、焼成温度と24時間吸水率との関係は略同じであり、粘結材の有無および有機バインダーの有無は、得られる軽量骨材の絶乾比重および24時間吸水率にはほとんど影響しないことが分かった。
【0055】
〔比較例1〕
乾燥させた赤泥(上記表1に示される赤泥)と、粘結材としてのベントナイトと、発泡材としての炭化珪素とを、表6に示す4種類の比率(質量基準)で混合し、得られた混合物に水を加えて均一に混練し、軟らかい可塑体を得た。この可塑体について実施例1と同様の操作を行い、得られた焼成物について、JIS A 1135に準拠して絶乾比重および24時間吸水率を測定した。結果を表6に示す。
【0056】
【表6】
【0057】
上記結果に示されるように、赤泥の焼成物、赤泥に粘結材を添加したものの焼成物、赤泥に発泡材を添加したものの焼成物、赤泥に粘結材および発泡材を添加したものの焼成物のいずれも絶乾比重は2.0以上であり、軽量骨材としては軽量化が不十分であった。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、赤泥を原料として低温での焼成により十分に軽量化され得る軽量骨材が得られる。すなわち、本発明によれば、赤泥の有効利用を図ることができるとともに、焼成に多大なエネルギーを要せず、低コストで軽量骨材を製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】焼成温度と絶乾比重との関係を示すグラフである。
【図2】焼成温度と絶乾比重との関係を示すグラフである。
【図3】焼成温度と24時間吸水率との関係を示すグラフである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、バイヤー法によりボーキサイトからアルミナを製造する際に副産物として発生する赤泥を利用した軽量骨材およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
赤泥は、バイヤー法によるアルミナの製造に際して排出される赤色、泥状の物質であり、日本国内では乾燥物換算で年間約60万tが排出されている。赤泥の再資源化については様々な方法が検討されており、例えば、赤泥中の鉄やアルミニウム等を回収する成分回収や、二酸化硫黄等の吸収剤、地盤改良材への利用等が考えられている。しかし、赤泥は、水分を多く含み脱水・乾燥コストがかかること、ソーダ分を含むこと、多種類の成分の混合物であること等の理由により、それらの再資源化方法は実用化には至っていない。
【0003】
また、赤泥を人工軽量骨材の原料に用いることも、赤泥の再資源化方法の一つとして挙げられる。人工軽量骨材は、従来から、各種土木建築構造物、PCカーテンウォール、各種コンクリート製品、各種断熱用部材の材料として用いられている。
【0004】
人工軽量骨材としては、頁岩を破砕し、焼成・発泡させたものや、酸性火山岩または酸性火山岩噴出物を粉砕して、これに粘結材と発泡材を添加して造粒し、焼成・発泡させたもの等がこれまでに知られている。しかし、これらの人工軽量骨材は、いずれも天然の岩石を粉砕したものを原料とするため、採掘費や粉砕に要する費用が嵩み、また資源の枯渇等の問題もある。
【0005】
ここで、赤泥は粒径が非常に小さいため、赤泥を人工軽量骨材の原料に用いれば、粉砕に要する費用を省ける。また、赤泥に含まれる水分を造粒に利用することもできる。しかし、赤泥、または赤泥に粘結材・発泡材を添加したものを造粒、焼成して得られた骨材は、絶乾比重が2.0〜2.7であり、軽量骨材としては軽量化が不十分であった。
【0006】
このような事情の下で、赤泥を軽量骨材に利用する技術が種々提案されている。例えば、特開昭47−32026号公報(特許文献1)には、赤泥、炭化珪素および珪酸質鉱物を混合し、成形、焼成して発泡させる軽量材の製造方法が開示されており、また、特開昭48−617号公報(特許文献2)には、赤泥と高炉鉱滓との混合物を成形し、焼成する人工軽量骨材の製造方法が開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開昭47−32026号公報
【特許文献2】
特開昭48−617号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1および特許文献2に開示されている技術では、焼成温度を1200〜1300℃と比較的高温にして、絶乾比重1.2〜1.3の軽量材または軽量骨材を得ているため、焼成に多大なエネルギーが必要になるという問題があった。
【0009】
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、赤泥を利用し、低温での焼成により十分に軽量化され得る軽量骨材およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
赤泥の化学組成(およびig.loss=強熱減量)は、赤泥を排出する各社によって若干異なるが、一例を表1に示す。
【0011】
【表1】
【0012】
表1に示されるように、赤泥におけるSiO2の含有量は、従来の軽量骨材の原料、例えば頁岩等に比較して少ない。かかる赤泥は、焼成時に軟化したときの粘性が低く、発生した気泡を焼成物中に保持することができないため、得られる骨材が十分に軽量化されないと考えられる。
【0013】
本発明者らは、SiO2分の割合を増加させ、かつ低温での焼成を可能ならしめる材料を検討した結果、赤泥にガラスを添加することにより、従来よりも低い温度で焼成することができ、かつ別途発泡材を使用することなく軽量化が達成されることを見出し、本発明を完成した。
【0014】
すなわち、第1に本発明は、赤泥およびガラスを含む混合物を造粒、焼成して得られる軽量骨材を提供する(請求項1)。また、第2に本発明は、赤泥とガラスとを混合し、得られた混合物を造粒、焼成することを特徴とする軽量骨材の製造方法を提供する(請求項7)。
【0015】
上記発明(請求項1,7)においては、赤泥とガラスとを混合することにより、焼成時に発生した気泡を、ガラスによる粘性上昇効果によって焼成物中に保持することができるため、得られる軽量骨材を十分に軽量化することができる。この場合において、炭化珪素等の発泡材を使用する必要はない。また、上記軽量骨材は、低温での焼成によって製造することができるため、焼成に要するエネルギーコストを低く抑えることができる。すなわち、上記発明(請求項1,7)によれば、十分に軽量化された軽量骨材が低コストで得られる。
【0016】
上記発明(請求項1)において、前記混合物は、赤泥10〜80質量%と、ガラス90〜20質量%と、必要に応じて前記ガラスに替えて粘結材10質量%以下とを含むのが好ましい(請求項2)。また、上記発明(請求項7)においては、赤泥10〜80質量%と、ガラス90〜20質量%と、必要に応じて前記ガラスに替えて粘結材10質量%以下とを混合し、前記混合物とするのが好ましい(請求項8)。
【0017】
なお、本明細書における赤泥の質量%は、赤泥を乾燥物としたときの乾燥基準で示すものとする。
【0018】
上記発明(請求項1,2)においては、有機バインダーが前記混合物に対して1〜10質量%添加されてもよい(請求項3)。また、上記発明(請求項7,8)においては、有機バインダーを前記混合物に対して1〜10質量%添加してもよい(請求項9)。
【0019】
上記発明(請求項1〜3)においては、前記ガラスが平均粒径30μm以下の粉末状であるのが好ましい(請求項4)。また、上記発明(請求項7〜9)においては、ガラスとして、平均粒径30μm以下の粉末状のものを使用するのが好ましい(請求項10)。
【0020】
上記発明(請求項1〜4)においては、焼成温度が900〜1100℃であるのが好ましい(請求項5)。また、上記発明(7〜10)においては、焼成温度を900〜1100℃とするのが好ましい(請求項11)。
【0021】
上記発明(請求項1〜5)に係る軽量骨材は、絶乾比重が0.40〜1.35であり、24時間吸水率が1〜20%であるのが好ましい。ここで、絶乾比重および24時間吸水率は、JIS A 1135に準拠して測定したものとする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明する。
本発明は、アルミナ製造工程から発生する赤泥と、ガラスと、必要に応じて粘結材とを混合し、得られた混合物を造粒、焼成し、発泡させて軽量骨材とするものである。
【0023】
〔赤泥〕
赤泥としては、バイヤー法のアルミナ製造工程で発生する通常のものであれば特に制限はなく、いずれのものも使用することができる。赤泥は、乾燥させてから使用するのが好ましいが、乾燥に費やすエネルギーの節約の観点からも完全に乾燥させる必要はない。なお、赤泥の大半の粒子は粒径が10μm以下であるため、通常、粉砕等の処理は必要としない。
【0024】
〔ガラス〕
ガラスとしては、ソーダ石灰ガラス、鉛ガラス、ホウケイ酸ガラス等いずれの種類のものも使用することができるが、特にSiO2分を50質量%以上含み、軟化点が600〜1000℃であるものが好ましい。ガラス中のSiO2分が50質量%未満であると、焼成時にガラスによる粘性上昇効果が得られ難くなる。また、使用するガラスの軟化点が600℃未満では、焼成時に焼成物が融解して、軽量骨材として使用することが困難となる。一方、使用するガラスの軟化点が1000℃を超えると、焼成温度を高くしなければならず、焼成に多大なエネルギーが必要となる。
【0025】
現在廃棄されている瓶ガラス、板ガラス(建築物、車両等の窓ガラスを含む。)等の廃ガラスは、上記条件を満たすものが多い。かかる廃ガラスを原料として使用することにより、廃ガラスの有効利用を図ることができるとともに、原料コストを低減させることができるため、本発明におけるガラスとしては、廃ガラスを使用するのが好ましい。
【0026】
ガラスは、造粒を容易にするために粉末状にして使用するのが好ましい。その平均粒径は、30μm以下であるのが好ましく、特に5〜20μmであるのが好ましい。
【0027】
〔粘結材〕
粘結材としては、モンモリロ石群鉱物、カオリン鉱物、バーミキュル石群鉱物、ウンモ粘土鉱物等の鉱物を1種または2種以上含むものを使用することができ、特にベントナイトを使用するのが好ましい。かかる粘結材を使用することにより、造粒、乾燥および焼成における造粒物の強度、保形性、磨り減り抵抗性等を向上させることができる。
【0028】
〔原料の混合・混練〕
以上説明した原料(赤泥,ガラス,所望により粘結材)は、赤泥を乾燥させた場合には、公知のミキサーを用いて混合するか、ボールミル等の粉砕機を用いて混合することができ、赤泥を乾燥させなかった場合には、公知の装置を用いて混合(混練)することができる。
【0029】
原料中の赤泥の量は、乾燥物換算で10〜80質量%とするのが好ましく、特に15〜75質量%とするのが好ましく、さらには20〜70質量%とするのが好ましい。また、原料中のガラスの量は、90〜20質量%とするのが好ましく、特に85〜25質量%とするのが好ましく、さらには80〜30質量%とするのが好ましい。赤泥とガラスとをこのような比率で混合することにより、低温での焼成が可能になるとともに、焼成物が良好に発泡し、十分に軽量化された軽量骨材が得られる。
【0030】
赤泥の量が80質量%を超え、ガラスの量が20質量%未満となると、焼成時におけるガラスによる粘性上昇効果が不足し、焼成物中に気泡を内包させることが困難となり、目的とする軽量骨材が得られ難くなる。また、ガラスの量が90質量%を超え、赤泥の量が10質量%未満となると、赤泥に起因する焼成物の発泡が不足し、軽量骨材の十分な軽量化が図られ難くなる。
【0031】
粘結材を使用する場合、粘結材の使用量が過剰になると、造粒時に多量の水が必要となり、造粒性が低下する、あるいは緻密な造粒物が得られ難くなる等の問題が生じるため、原料中の粘結材の量は、上記ガラスに替えて通常10質量%以下であり、好ましくは1〜10質量%であり、特に好ましくは3〜7質量%である。
【0032】
上記のようにして混合した混合原料は、造粒に適するように水分量を調整して混練する。水分量の調整および混練は、公知の装置、例えばニーダーやパグミル等を用いて行うことができる。水分量の最適値は造粒方式等によって異なるが、概ね5〜40質量%である。ここで、水分として赤泥発生時に赤泥に含まれる水分を利用すると、原料の混合および混練を一度に行うことができ、効率的である。ただし、その場合には、混合原料が所定の水分量となるように、赤泥の水分量を調整しておく必要がある。
【0033】
この混合原料の混練時に、混合原料に対して有機バインダーを添加してもよい。これにより、造粒物の強度を向上させることが可能となる。有機バインダーとしては、例えば、リグニン、フェノール、ポリビニルアルコール等を使用することができる。有機バインダーの添加量は、混合原料(固形分)に対して、1〜10質量%であるのが好ましく、特に3〜7質量%であるのが好ましい。
【0034】
〔造粒・焼成〕
混練した混合原料は、パン型造粒機によって造粒してもよいし、プレス成形、ローラープレス成形、押し出し造粒等の造粒方法によって造粒してもよい。造粒物(ペレット)の粒径は、目的とする軽量骨材の粒径に応じて決定すればよい。例えば、粒径5〜20mm程度の粗骨材を得るためには、造粒物の粒径を4〜18mmの範囲にするのが好ましく、粒径5mm以下の細骨材を得るためには、造粒物の粒径を0.15〜4mmの範囲にするのが好ましい。
【0035】
造粒物は、焼成前に一旦乾燥させるのが好ましい。乾燥は、公知の乾燥装置を使用して行うことができる。そのような乾燥装置としては、例えば、回転乾燥機、流動層乾燥機、箱型乾燥機等が挙げられ、2種以上を組み合わせて使用してもよい。この乾燥は、連続処理で行ってもよいし、バッチ処理で行ってもよい。
【0036】
造粒物の焼成は、公知の焼成装置を使用して行うことができる。そのような焼成装置としては、例えば、内熱式ロータリーキルン、外熱式ロータリーキルン、流動層焼成炉、箱型炉等が挙げられ、2種以上を組み合わせて使用してもよい。この焼成は、連続処理で行ってもよいし、バッチ処理で行ってもよい。
【0037】
焼成温度は、焼成装置の種類、造粒物の焼成装置での滞留時間、造粒物の粒度分布等によって異なるが、一般には900〜1100℃とするのが好ましい。すなわち、本発明によれば、このような低い焼成温度で目的とする軽量骨材を得ることができる。
【0038】
〔軽量骨材〕
以上のようにして、絶乾比重が0.40〜1.35であり、24時間吸水率が1〜20%である軽量骨材が得られる。すなわち、本発明によれば、このように十分に軽量化された軽量骨材を得ることができる。
【0039】
軽量骨材の粒径は特に限定されるものではなく、粒径が5〜20mm程度であれば粗骨材として使用することができ、粒径が5mm以下であれば細骨材として使用することができる。
【0040】
【実施例】
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
【0041】
〔実施例1〕
乾燥させた赤泥(上記表1に示される赤泥)と、平均粒径が10μmである粉末状のガラス(分析結果を表2に示す)と、粘結材としてのベントナイトとを、表3に示す4種類の比率(質量基準)で混合し、得られた混合物に水を加えて均一に混練し、軟らかい可塑体を得た。この可塑体を小さい塊に切り分けて丸め、直径約11mmの略球状のペレットにした。
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
上記ペレットを乾燥機に入れ、110℃で12時間乾燥させた後、焼成炉に移し入れ、400℃で加熱した。そして、6分間かけて表4に示す焼成温度まで昇温し、その温度で3分間加熱した後、10分間かけて600℃まで降温し、さらに室温まで自然冷却させ、焼成物を得た。
【0045】
得られた焼成物について、JIS A 1135に準拠して絶乾比重および24時間吸水率を測定した。結果を表4に示す。また、表4に示す焼成温度と絶乾比重との関係を図1のグラフに示す。
【0046】
【表4】
*:焼成物が融解したことを示す(軽量骨材として使用不可)。
【0047】
上記結果に示されるように、赤泥70質量%/ベントナイト5質量%/ガラス粉末25質量%の配合では、焼成温度1000〜1100℃で絶乾比重1.35以下、24時間吸水率10%以下の焼成物が得られ、焼成温度1150℃で融解した。
【0048】
赤泥45質量%/ベントナイト5質量%/ガラス粉末50質量%の配合および赤泥20質量%/ベントナイト5質量%/ガラス粉末75質量%の配合では、赤泥とガラス粉末とを混合した効果により、十分に軽量化された軽量骨材が得られた。すなわち、焼成温度900〜1000℃で絶乾比重1.0以下、24時間吸水率20%以下の焼成物が得られ、焼成温度1100℃で融解した。
【0049】
赤泥1質量%/ベントナイト5質量%/ガラス粉末94質量%の配合では、焼成温度900〜1000℃で絶乾比重1.8以下、24時間吸水率1%以下の焼成物が得られ、焼成温度1100℃で融解した。
【0050】
以上の結果より、原料として赤泥を70〜20質量%使用し、焼成温度を900〜1100℃とした場合に、絶乾比重0.40〜1.53、24時間吸水率1〜20%の軽量骨材が得られた。
【0051】
〔実施例2〕
乾燥させた赤泥(上記表1に示される赤泥)50質量%と、平均粒径が10μmである粉末状のガラス(上記表2に示される赤泥)50質量%とを混合し、得られた混合物に水のみ、または混合物に対し5質量%のリグニン(有機バインダー)と水とを加えて均一に混練し、軟らかい可塑体を得た。この可塑体について実施例1と同様の操作を行い、得られた焼成物について、JIS A 1135に準拠して絶乾比重および24時間吸水率を測定した。結果を表5に示す。
【0052】
【表5】
【0053】
また、粘結材の有無、有機バインダーの有無による結果の違いを比較するために、上記2種類の混合物、および実施例1における赤泥45質量%/ベントナイト5質量%/ガラス粉末50質量%の混合物について、焼成温度と絶乾比重との関係を図2のグラフに、焼成温度と24時間吸水率との関係を図3のグラフに示す。
【0054】
上記結果に示されるように、赤泥45質量%/ベントナイト5質量%/ガラス粉末50質量%の配合、赤泥50質量%/ガラス粉末50質量%の配合、および赤泥50質量%/ガラス粉末50質量%/リグニン5質量%(混合粉に対して)の配合のいずれにおいても、焼成温度と絶乾比重との関係、焼成温度と24時間吸水率との関係は略同じであり、粘結材の有無および有機バインダーの有無は、得られる軽量骨材の絶乾比重および24時間吸水率にはほとんど影響しないことが分かった。
【0055】
〔比較例1〕
乾燥させた赤泥(上記表1に示される赤泥)と、粘結材としてのベントナイトと、発泡材としての炭化珪素とを、表6に示す4種類の比率(質量基準)で混合し、得られた混合物に水を加えて均一に混練し、軟らかい可塑体を得た。この可塑体について実施例1と同様の操作を行い、得られた焼成物について、JIS A 1135に準拠して絶乾比重および24時間吸水率を測定した。結果を表6に示す。
【0056】
【表6】
【0057】
上記結果に示されるように、赤泥の焼成物、赤泥に粘結材を添加したものの焼成物、赤泥に発泡材を添加したものの焼成物、赤泥に粘結材および発泡材を添加したものの焼成物のいずれも絶乾比重は2.0以上であり、軽量骨材としては軽量化が不十分であった。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、赤泥を原料として低温での焼成により十分に軽量化され得る軽量骨材が得られる。すなわち、本発明によれば、赤泥の有効利用を図ることができるとともに、焼成に多大なエネルギーを要せず、低コストで軽量骨材を製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】焼成温度と絶乾比重との関係を示すグラフである。
【図2】焼成温度と絶乾比重との関係を示すグラフである。
【図3】焼成温度と24時間吸水率との関係を示すグラフである。
Claims (11)
- 赤泥およびガラスを含む混合物を造粒、焼成して得られる軽量骨材。
- 前記混合物は、赤泥10〜80質量%と、ガラス90〜20質量%と、必要に応じて前記ガラスに替えて粘結材10質量%以下とを含むことを特徴とする請求項1に記載の軽量骨材。
- 有機バインダーが前記混合物に対して1〜10質量%添加されることを特徴とする請求項1または2に記載の軽量骨材。
- 前記ガラスが平均粒径30μm以下の粉末状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の軽量骨材。
- 焼成温度が900〜1100℃であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の軽量骨材。
- 絶乾比重が0.40〜1.35であり、24時間吸水率が1〜20%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の軽量骨材。
- 赤泥とガラスとを混合し、得られた混合物を造粒、焼成することを特徴とする軽量骨材の製造方法。
- 赤泥10〜80質量%と、ガラス90〜20質量%と、必要に応じて前記ガラスに替えて粘結材10質量%以下とを混合し、前記混合物とすることを特徴とする請求項7に記載の軽量骨材の製造方法。
- 有機バインダーを前記混合物に対して1〜10質量%添加することを特徴とする請求項7または8に記載の軽量骨材の製造方法。
- ガラスとして、平均粒径30μm以下の粉末状のものを使用することを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の軽量骨材の製造方法。
- 焼成温度を900〜1100℃とすることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の軽量骨材の製造方法。
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