JP2004299615A - 作業車両の牽引装置およびその牽引方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】無限軌道帯式足回りを有する作業車両の走行体の中心に牽引装置の一端部を装着して被牽引車両を牽引し、旋回時、作業車両と被牽引車両の相対位置のズレが略ゼロにでき、走行体の旋回の際、被牽引作業車両に衝撃や振動を与えることが極めて少なく、背の高い被牽引車両であっても衝撃がないので転倒せず、また、ホッパの中心とシュートの中心とが常に一致するようにした牽引装置およびその牽引方法を提供する。
【解決手段】作業車両の牽引装置である。この牽引装置は、牽引部材の一端部が、上下、左右に揺動可能なボールジョイントを介して無限軌道帯を有する作業車両の走行体の中心に取着され、また他端が被牽引作業車両の前部中央に左右揺動自在に取着されている。
【選択図】 図1
【解決手段】作業車両の牽引装置である。この牽引装置は、牽引部材の一端部が、上下、左右に揺動可能なボールジョイントを介して無限軌道帯を有する作業車両の走行体の中心に取着され、また他端が被牽引作業車両の前部中央に左右揺動自在に取着されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、作業車両の牽引装置およびその牽引方法に係り、特に、無限軌道帯で走行する作業車両により被牽引作業車両を牽引する牽引装置およびその牽引方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、揺動自在の連結装置あるいは牽引装置で牽引車と被牽引車とを繋ぎ、牽引車により被牽引車を牽引することはよく知られている。このような従来技術の例として、下記の特許文献1、特許文献2が開示されている。
特許文献1に開示されている連結装置は、重量物を積載する被牽引車に適用される牽引車と被牽引車とを連結する構成を示している。この連結装置は、牽引車の後端中央部と被牽引車の前端両側部を一対の牽引杆を支点ピンにより結合するとともに、上記牽引車の後端中央に、該牽引車の旋回動に追従して同方向に揺動する揺動部材を枢支し、また、該揺動部材の動きを被牽引車の前輪に伝える一対の前輪操舵杆により揺動部材と被牽引車の前輪車軸を結合している。
【0003】
特許文献2に開示されている牽引装置は、被牽引車の車体に少なくとも左右一対の転舵可能な走行車輪を有しており、牽引車に連結可能に構成されている。該牽引装置は、左右一対の走行車輪を転舵させるためのタイロッドと、タイロッドに枢結されるとともに車体に水平揺動自在に支持されたセンタークランクと、一端がセンタークランクに枢結され他端が車体に枢結されてセンタークランクを揺動させる揺動シリンダと、車体の前方からセンタークランクに着脱自在に設けられて車体の前方へ延出する牽引部材と、揺動シリンダをその伸縮動が自由な状態にさせるシリンダ開放手段とを有している。
この牽引装置は、牽引車による牽引時には、シリンダ開放手段により揺動シリンダを伸縮動が自由な状態にして、牽引部材を介してセンタークランクを水平揺動させると共に、このセンタークランクの水平揺動の動きをタイロッドを介して左右一対の走行車輪に伝え、走行車輪を転舵させている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−278418号公報
【特許文献2】
特開2001−278134号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特許文献1の連結装置では、牽引車と被牽引車とは牽引杆で連結されているが、図3(b)にこの牽引車の旋回時の旋回例を示すように、牽引杆を牽引車に取着する牽引車側支点ピン(Pn)は牽引車(5A)の後端中央部で車体中心(Or)から離れた位置に配置されている。
このため、牽引車側支点ピンは、牽引車が旋回した場合に、直線走行するときの牽引車(5A)と被牽引車(9A)との直線上にある位置から左右方向に位置がズレ、牽引車と被牽引車との距離(L)が急激に近接する。このとき、牽引車は被牽引車に大きな衝撃と振動を与えるとともに、被牽引車を左右方向に強く押圧して被牽引車を不安定にしたり、転倒させるという問題が生ずる。
【0006】
この場合、牽引車に無限軌道帯式足回りを採用し、被牽引車にタイヤ式足回りを用いると、牽引車が旋回、即ち、操向装置を操作したときに、牽引車は無限軌道帯の走行機構により急激に旋回し、その車体の前後端部に近くなるほど左右方向に大きく振られる。このため、牽引車が操向操作を行なうたびに被牽引車が左右方向に強く押されたり、また引かれたりして、被牽引車は非常に不安定になる。
このように、牽引車が旋回時には被牽引車が非常に不安定であるので、例えばシップローダのような作業車両としてこの被牽引車を使用した場合には、被牽引車の台車の上に斜め上方に傾斜して延びるベルトコンベアが設置されていて、その重心が高くなっているので簡単に転倒するということになり、従って、特許文献1に示すような作業車両の牽引装置のものは、シップローダのような作業車両として使用することはできない。
また、特許文献1に示されている作業車両の牽引装置はシップローダ等の作業車両に必要な構成である牽引車のセンタフレームの上に設置されている嵩上げ部材の軸心上にあるホッパの中心と被牽引車の台車の上に斜め上方に傾斜して延びるベルトコンベアの最前部にあるシュートの中心とが容易に一致するような牽引装置になっていない。
【0007】
また、特許文献2では、牽引車に連結された転舵装置により被牽引車の転舵機構が中心に記載されており、牽引車の牽引装置についてはあまり記載がないが、牽引車により被牽引車を牽引する際の連結手段としてロープRを用いることが記載されている。
特許文献2に示されているように連結手段としてロープRを用いることにより、特許文献1に示すものよりも、牽引車の旋回の際に起きる被牽引車の衝撃・振動が少なく、転倒を回避することができるものであることは認められるが、牽引車のセンタフレームの上に設置されている嵩上げ部材の軸心上にあるホッパの中心と被牽引車の台車の上に斜め上方に傾斜して延びるベルトコンベアの最前部にあるシュートの中心とが容易に一致するような牽引装置にはなっていない。
【0008】
本発明は上記の問題点に着目してなされたもので、牽引車の旋回の際に起きる被牽引車の衝撃・振動が少なく、転倒を回避し、シップローダ等の作業車両として用いた時には、牽引車のセンタフレームの上に設置されている嵩上げ部材の軸心上にあるホッパの中心と被牽引車の台車の上に斜め上方に傾斜して延びるベルトコンベアの最前部にあるシュートの中心とが容易に一致するような牽引装置およびその牽引方法を提供すること、すなわち、無限軌道帯式足回りを有する作業車両の走行体(牽引車)により、被牽引作業車両(被牽引車)を転倒させないで安定して牽引することができ、また、作業車両の走行体(牽引車)と被牽引作業車両(被牽引車)の相対位置のズレを少なくできる牽引装置およびその牽引方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記目的を達成するために、本発明に係る作業車両の牽引装置は、無限軌道帯を有する走行体の中心に一端部が取着された揺動自在な牽引部材を設けてなる構成としている。
この場合に、牽引部材がボールジョイントを介して走行体に取着されている。
また、作業車両が上部旋回体を有し、上部旋回体の旋回中心と走行体の中心とを一致させると良い。
また、作業車両が、走行体に取着された嵩上げ用部材の上部に旋回自在に、あるいは、走行体に旋回自在に取着された嵩上げ用部材の上部に取着された上部旋回体と、上部旋回体に取着された運転室および作業機よりなると良い。
【0010】
また、作業車両と被牽引作業車両あるいは走行体と牽引部材のなす揺動角を検出する角度センサと、角度センサからの信号を受け被牽引作業車両の運転席の表示装置に揺動角を表示する指令を出力する表示指示装置とからなると良い。
または、作業車両と被牽引作業車両あるいは走行体と牽引部材のなす揺動角を検出する角度センサと、角度センサからの指令を受け被牽引作業車両の前輪を揺動角に応じて同じ方向に傾動させる指令を出力する操舵指令装置とからなると良い。
【0011】
本発明に係わる作業車両の牽引方法では、作業車両と被牽引作業車両、あるいは走行体と無限軌道を有する走行体の中心に一端部が取着された牽引部材のなす揺動角を検出し、検出した揺動角にしたがって被牽引作業車両の前輪を同じ方向に傾動させて作業車両に追従して被牽引作業車両を走行、旋回をなす方法としている。
【0012】
上記の作業車両の牽引装置によれば、作業車両(牽引車)は、その走行体の中心に一端部がピンを介して揺動自在に取着された牽引部材で被牽引作業車両を牽引しているため、作業車両が旋回してもピンが走行体の中心からズレることがなくなる。
これにより、作業車両と被牽引作業車両との相対位置の変化がなくなり、作業車両は被牽引作業車両を滑らかに牽引するとともに、被牽引作業車両を左右方向に押圧することがなく安定して旋回することができる。
【0013】
この場合、即ち無限軌道帯を有する作業車両でタイヤ式の被牽引作業車両を牽引した場合において、操向装置を操作した場合(旋回した場合)でも、被牽引作業車両に無理な力が掛かることが少なくなり、安全でスムーズに牽引することができる。
牽引装置は、その牽引部材がボールジョイントを介して走行体に取着されているため、牽引車が旋回した場合でも、上下方向および左右方向に滑らかに揺動し、被牽引作業車両に無理な力を掛けることが少なくなっている。
【0014】
上部旋回体を有した作業車両は、その上部旋回体の旋回中心が走行体の中心に一致させているため、旋回時にも、上部旋回体が走行体の中心に一致しながら旋回するので、牽引車の上部旋回体の位置と被牽引作業車両の相対位置の変化を少なく出来る。
作業車両は、運転室および作業機が嵩上げ用部材により高所に配設されているため、広い視界で、高い位置の作業が容易に行なえるとともに、走行体の中心で被牽引作業車両を牽引している。
このため作業車両と被牽引作業車両とは互いに無理な力が作用することが無くなり、走行旋回時にも安全に被牽引作業車両を牽引することができる。
【0015】
作業車両は、被牽引作業車両とのなす角度を角度センサで検出し、その信号により表示指示装置がその角度を被牽引作業車両の運転室の表示装置に表示しているため、オペレータは被牽引作業車両と作業車両との相対位置のズレを修正しながら容易に追従させて運転することができる。
また、作業車両は、被牽引作業車両とのなす角度を角度センサで検出し、その信号により操舵指令装置が被牽引作業車両の前輪を揺動角に応じて同じ方向に傾動させる指令を出力しているため、被牽引作業車両を作業車両に対して相対位置を修正しながら自動的に追従させて運転することができるとともに、被牽引車両と作業車両とを一人で操作することが可能になっている。
【0016】
上記の作業車両の牽引方法によれば、作業車両が無限軌道を有する走行体の中心に一端部が取着された牽引部材と走行体とのなす角度を検出して、その検出した揺動角に応じて被牽引作業車両の前輪を同じ方向に傾動させて作業車両に追従して被牽引作業車両を旋回しているため、両者の相対位置の変化が少なくでき、かつ牽引車の向きに応じて、被牽引作業車両の中心線を牽引車の向きに容易に一致させることができ、安全でスムーズに牽引することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る作業車両の牽引装置およびその牽引方法の実施形態について図面を参照して説明する。
先ず、実施例の作業車両の牽引装置およびその牽引方法について、図1から図3を参照しつつ説明する。図1は実施例である作業車両の牽引装置の側面断面図、図2はその下側から見た平面模式図、図3は異なる牽引装置の旋回時の比較を説明する図である。
【0018】
図1、図2に示す作業車両の牽引装置1は、その牽引部材3の一端が牽引車である作業車両5の走行体7の中心Or(前後および左右方向の中心Or)に、また他端が被牽引作業車両9(以下、被牽引車両9という)の車体11の前方端部11aに上下および左右方向に揺動自在に取着されている。
牽引部材3は、中間部3aが中空鋼管、棒鋼等の材料により形成され、また一端および他端にボールジョイント3b、3cが固着されている。
【0019】
前方側ボールジョイント3bは、連結ピン15、前方側ブラケット17を介して作業車両5の走行体7に取着されている。後方側ボールジョイント3cは、連結ピン15、後方側ブラケット19を介して被牽引車両9の車体11の前方端部11aに取着されている。
前方側ブラケット17および後方側ブラケット19は、図2の平面視で、その連結ピン15が牽引部材3の左右方向の中心位置Ocにあるように配設されている。
【0020】
作業車両5は無限軌道車により形成され、その走行体7は無限軌道帯であるクローラ7aが巻装されたトラックフレーム21a、21bが左右に所定間隔離間されて配設されている。
トラックフレーム21a、21bは、車体前後方向に延びており、その中央部には左右のトラックフレーム21a、21bを繋ぐセンタフレーム23が配設され、このセンタフレーム23の下面に前方側ブラケット17が取着されている。前方側ブラケット17の連結ピン15は、走行体7の中心Or、即ちクローラ7aの接地面中心に位置している。
【0021】
トラックフレーム21a、21bに巻装されたクローラ7aは、油圧モータ7b(図5に示す)により回転させられるスプロケット7cにより走行駆動される。
スプロケット7cは、操向装置24(図5に示す)の操作レバー24b(図4に示す)による油圧モータ7bの回転差を受け、この回転差により左右のクローラ7aに走行駆動差を生じさせ、作業車両5を旋回している。
操向装置24は、例えば、操作レバー24bにより油圧ポンプの吐出量を可変とし、あるいは操作弁を操作して圧油を可変として油圧モータ7bに供給して回転差を設けるようにしている。
【0022】
作業車両5の走行体7には、そのセンタフレーム23の上面に旋回ベアリング25を介して上部旋回体27が取着されている。上部旋回体の旋回中心Osは、走行体7の中心Or、即ち、牽引部材3の前方側ボールジョイント3bと一致するように配設されている。これにより、作業車両5の走行体7が旋回しても、牽引部材3の前方側ボールジョイント3bが前後方向および左右方向に移動しないようになされている。
【0023】
被牽引車両9はタイヤ式車両により形成され、その車体11の前方側には、回転駆動可能な左右一対の前輪31a、31bが懸架ユニット33ならびにキングピン34を介して装着されている。懸架ユニット33は車体左右方向に延びたタイロッド35に枢結され、タイロッド35はステアリング装置37(図5に示す)からの力を受けて一対の前輪31a、31bを傾動して被牽引車両9が旋回するようにしている。
被牽引車両9は、牽引装置1により作業車両5に連結されて走行可能にされているとともに、被牽引車両9が単独でも走行可能に構成されているようにしても良い。
【0024】
上記構成により、次に作動について説明する。
作業車両5は、牽引装置1の牽引部材3により連結された被牽引車両9を牽引し、直進走行、旋回走行を行なう。作業車両5および被牽引車両9が旋回するときには、作業車両5の操作レバー24bを操作して(図4に示す)、クローラ7aに走行駆動差をつけて被牽引車両9を牽引しながら旋回走行する。このとき、左右のクローラ7aは走行体7の中心Orを支点として回動させ、これに伴って図3(a)に示すように作業車両5が走行体7の中心Orを支点として旋回している。
【0025】
これにより、作業車両5は、被牽引車両9との相対位置の距離Lが旋回時にも、従来の図3(b)に示すようなズレΔLを生ずることなく、図3(a)に示すように極めて少なく(略ゼロ)して牽引することができる。
したがって、被牽引車両9は、作業車両5から無理な力を受けることが少なくなり、安全でスムーズに牽引される。また、被牽引車両9は、作業車両5に追従して旋回しているため、両者の相対位置の変化は極めて少なくでき、かつ作業車両5の向きに応じて、被牽引車両9の左右方向の中心線Odを作業車両5の中心Orの方向に自動的に一致させることができ、被牽引車両9には変奇した力が作用することがないので、衝撃も振動もなく安全でスムーズに牽引することができる。
さらにまた、上記の作業車両5は、被牽引車両9との相対位置の距離Lが旋回した後でも、従来の図3(b)に示すようなズレΔLを生ずることなく、図3(a)に示すようにズレΔLを略ゼロにすることができる。このことは、後ろの図4のところで説明するように作業車両5のセンタフレームの上に設置されている嵩上げ部材43の軸心上にあるホッパ61の中心部と被牽引車両9に設けてあるベルトコンベア73の最前部にあるシュート65の中心部とが一致することになるので、船などへの荷役作業の際、荷こぼれや、ホッパ61とシュート65との干渉の発生等は生じない。
【0026】
次に、前記牽引装置1が作業車両5に用いられた第1実施例について、図4を用いて説明する。
図4に示すように、作業車両5は、前記のようにクローラ7aを有する走行体7により形成されている。この作業車両5は、高所位置で作業可能なコンベア等の作業機41が上部旋回体27の上部に上下方向に傾動自在に配設されている。上部旋回体27は嵩上げ部材43に取着されており、また嵩上げ部材43は走行体7のセンタフレーム23の上部に配設された旋回ベアリング25(図1に示す)に旋回自在に取着されている。
【0027】
この上部旋回体27には運転室45と作業機41が取着されている。運転室45の内部には操向装置24の操作レバー24b、及びアクセルペダル(図示されていない)が配設され、作業車両5の直進走行、旋回走行、及び走行スピード等の操作が可能になっている。
嵩上げ部材43には動力源47とカウンタウエイト49が取着されている。この動力源47とカウンタウエイト49は、作業機41の張り出し方向に対して反対方向の嵩上げ部材43の側面に取着することが望ましい。
【0028】
上記のように、運転室45が嵩上げ部材43の上下寸法に見合うだけ高い位置にあるので、オペレータは上方から広い視界が得られ、作業機41による前方の障害物越しの作業、例えば、シップローダにおける作業が容易になっている。また、嵩上げ部材43の低位置に動力源47とカウンタウエイト49を取着したことにより、重心位置が低くなりバランスが良くなっている。
また、動力源47が低い位置にあるから燃料補給、メンテナンスを地上から行なうことが可能であり、その燃料補給、メンテナンスを簡単で安全に行なうことが可能となっている。
なお、上記において、動力源47とカウンタウエイト49は嵩上げ部材43の上にある上部旋回体27に取着しても良い。
【0029】
作業機41は、上部旋回体27の上部に取着されたブラケット51にコンベアフレーム53を上下揺動自在に取着し、このコンベアフレーム53の後端部とブラケット51との間をリンク55で連結し、また、ブラケット51とコンベアフレーム53との間をシリンダ57で連結し、シリンダ57を伸縮することにより、コンベアフレーム53を上下方向に揺動している。
コンベアフレーム53にはベルトコンベア59が回転自在に取着されており、また、ベルトコンベア59の後端部で、嵩上げ部材43の軸心上にはホッパ61の中心部が配置されるように取着されている。そして、このホッパ61の中心部の上方には、後述する被牽引車両9に設けられているベルトコンベヤの最前部に装着されているシュート65の中心部が来るように配置されている。
【0030】
被牽引車両9は、前記のようにタイヤ式車両により形成され、その車体11の前方側に前輪31a、31bを転舵する懸架ユニット33ならびにキングピン34(図2に示す)が設けられている。この被牽引車両9には、車体11の上にフレーム71が構築され、フレーム71にはベルトコンベア73が配設されている。また、フレーム71の後方下部にはベルトコンベア73に積載物を落下させる下部側ホッパ75が、またフレーム71の前方上部にはベルトコンベア73からの積載物を受けるシュート65が配設されている。
シュート65の中心は、作業車両5と被牽引車両9が牽引装置1で連結されたときにホッパ61の中心位置と一致し、ホッパ61の中心の上方に来るように配設されている。
【0031】
被牽引車両9には、運転席79が設けられており、その前方には懸架ユニット33(図2に示す)を転舵するハンドル81が配設されている。また、運転室の前方にはテレビ画面等の表示装置83が配設され、作業車両5と被牽引車両9との揺動角Θ{図3(a)に示す}を表示し、オペレータはこの表示を見ながら操作可能にしている。この揺動角Θは角度検出器85により検出されている。
角度検出器85は、例えば、被牽引車両9のフレーム71の上にレーザー光を発する発光器85aが、また、作業車両5の中心上には、円筒形状のCCD等の受光素子85bが配設されており、受光素子85bの受けた回動角の位置より揺動角Θを検出している。
【0032】
または、受光素子85bを平面として形成し、受光素子85bが受けるレーザー光の入射角を用いて揺動角Θを検出するようにしても良い。
角度検出器85で検出された揺動角Θは、作業車両5に搭載された表示指示装置87に送信され、表示指示装置87は運転席79の表示装置83に揺動角Θを表示する指令を出力している。
なお、表示指示装置87は受光素子85bと一体として作業車両5に設けても良く、または表示装置83と一体にして被牽引車両9に設置しても良い。
【0033】
次に、上記構成のものの作動について説明する。
シップローダの作業現場に、例えば、作業車両5が牽引装置1で連結された被牽引車両9を牽引するときには、作業車両5および被牽引車両9にそれぞれオペレータが乗車し、直進走行および旋回走行等の操作を行なう。例えば、作業車両5に乗車したオペレータは、操作レバー24bを操作して直進走行あるいは旋回走行等の操作を行なうとともに、図示しないアクセルペタル等を操作して速度を制御しながら走行する。
被牽引車両9に乗車したオペレータは、運転席79の前方に配設された表示装置83の揺動角Θを見ながら、作業車両5との相対位置のズレΔLをハンドル81により修正しながら作業車両5に追従走行を行う。
【0034】
上記のように、作業車両5と被牽引車両9のなす揺動角Θを検出し、検出した揺動角Θにしたがって被牽引車両9の前輪を同じ方向に傾動させて作業車両5に追従して被牽引車両9を旋回するようにしているので、旋回時にも、被牽引車両9は作業車両5との相対位置のズレを極く少なくでき、安全でスムーズな牽引ができるようにしている。
【0035】
次に、前記牽引装置1が作業車両に用いられた第2実施例について、図5を用いて説明する。
第1実施例では、作業車両5および被牽引車両9にそれぞれオペレータが乗車して、作業車両5に被牽引車両9を追従するようにしながら、直進走行、あるいは旋回走行を行うようにしている。
これに対して、第2実施例では、作業車両5だけにオペレータが乗車して、被牽引車両9にはオペレータが乗車しなくても、自動的に被牽引車両9の懸架ユニット33を転舵するようにして直進走行、あるいは旋回走行を行うようにしている。すなわち、牽引装置1に角度検出器85Aを設け、その角度検出器85Aにより作業車両5と被牽引車両9とのなす揺動角Θを求めるとともに、その揺動角Θに応じて操舵指令装置37Aが被牽引車両9の懸架ユニット33を転舵するようにしている。
【0036】
図5に示すように、角度検出器85Aは、例えば回転型のポテンショメータにより形成されており、ポテンショメータ85Aは牽引部材3の一端の連結ピン15に付設され、作業車両5のセンタフレーム23と牽引部材3との揺動角Θを検出している。
検出された揺動角Θは操舵指令装置37Aに送られ、操舵指令装置37Aは揺動角Θに応じた信号をステアリング装置37に指令を出力している。ステアリング装置37は、操舵指令装置37Aからの指令により、タイロッド35を移動し、被牽引車両9の懸架ユニット33を転舵する。
【0037】
操舵指令装置37Aは、コントローラ、コンピュータ等の制御機器よりなり、センタフレーム23と牽引部材3との揺動角Θに応じた被牽引車両9の懸架ユニット33の転舵角を記憶するとともに、その入力値の揺動角Θに応じて、タイロッド35を左に、あるいは右に移動するようにステアリング装置37に指令を出力し、作動させている。
ステアリング装置37は、油圧装置により形成され、例えば、操舵指令装置37Aからの指令を電磁弁が所定量だけ受け、圧油を図示しないシリンダに送り、タイロッド35を移動している。
【0038】
また、操舵指令装置37Aには、牽引部材3がトラックフレーム21a、21bのクローラ7aに干渉しない最大許容揺動角Θmと、危険領域角Θcとが設定されている。
揺動角Θが最大許容揺動角Θmに達すると、操向レバー24bが操作されても作業車両5はそれ以上の角度で旋回することがなくなり、揺動角Θは最大許容揺動角Θm以上になることがなくなり、干渉が排除されることにより安全性が確保されている。
【0039】
また、揺動角Θが危険領域角Θcに達して危険領域内(最大許容揺動角Θm−危険領域角Θcの角度範囲内)に入ると、操向レバーが操作されても作業車両5は、その方向にはゆっくり旋回し、また戻り方向には通常の速度で旋回するように設定されている。
これにより、オペレータは、揺動角Θが最大許容揺動角Θmに到達する前に察知することが可能となり、安全性が増している。なお、最大許容揺動角Θmおよび/あるいは危険領域角Θcに達したとき、警告音あるいは警告ランプ等の警報を発するようにしても良い。
【0040】
また、操舵指令装置37Aには、転舵修正用レバー93が付設されており、転舵修正用レバー93を操作することにより被牽引車両9の懸架ユニット33の転舵角が修正可能になっている。
操舵指令装置37Aは、転舵修正用レバー93が操作された信号を受けて、角度検出器85Aからの信号より優先して被牽引車両9のタイロッド35を左に、あるいは右に移動するようにステアリング装置37に指令を出力し、作動させるようにしている。
【0041】
次に、上記構成のものの作動について説明する。
作業車両5が被牽引車両9を牽引するときには、作業車両5にオペレータが乗車し、直進走行および旋回走行等の操作を行なう。例えば、作業車両5に乗車したオペレータは、操作レバー24bを操作して直進走行あるいは旋回走行等の操作を行なうとともに、図示しないアクセルペタル等を操作して作業車両5の速度を制御している。
【0042】
例えば、オペレータが作業車両5を旋回したとき、作業車両5は進行方向を変更する。これに伴って、作業車両5と被牽引車両9とを連結する牽引部材3もセンタフレーム23に対して揺動する。
この牽引部材3の揺動はポテンショメータ85Aにより検出され、その揺動角Θが操舵指令装置37Aに送られる。操舵指令装置37Aは揺動角Θに応じて記憶されている前輪31a、31bの転舵角の信号をステアリング装置37に送信する。ステアリング装置37は、その信号により作動してタイロッド35を左に、あるいは右に移動して被牽引車両9のキングピン34を揺動中心にして懸架ユニット33を転舵し、被牽引車両9を作業車両5に追従して旋回走行させる。
【0043】
これにより、被牽引車両9は揺動角Θの変化に応じて自動的に追従するため、作業車両5との相対位置のズレΔLが極めて少なく作業車両5に追従して走行することができる。
上記のように、作業車両5と被牽引車両9のなす揺動角Θを検出し、検出した揺動角Θに応じて被牽引車両9の前輪を同じ方向に傾動させて作業車両5に追従して被牽引車両9を旋回走行させる。
【0044】
なお、オペレータが作業車両5を急激に旋回させたとしても、牽引部材3が危険領域角Θcから最大許容揺動角Θmに到達することをポテンショメータ85Aが検出し、このデータが操舵指令装置37Aに送られる。
操舵指令装置37Aは、操向レバー24bが操作されても操向装置24に指令を出力し油圧モータ7bをゆっくり回転させ、作業車両5が危険領域角Θcでゆっくり旋回して停止し、あるいは最大許容揺動角Θmにおいて停止するようにしている。この最大許容揺動角Θmでは、操作レバー24bの逆方向の操作により、危険領域角Θcを脱して戻る方向に作動するようになされている。
【0045】
また、オペレータは、被牽引車両9が作業車両5の旋回方向からズレが生ずることを感じたときには、転舵修正用レバー93を操作することにより被牽引車両9の旋回方向を修正することができる。
これにより、被牽引車両9は、作業車両5の運転室45内からの操作により、旋回走行を修正することができて安全性が増すとともに、被牽引車両9と作業車両5とを一人で操作することが可能になっている。
【0046】
なお、上記において、第1実施例ではレーザー光を用いた角度検出器85を表示装置83に接続したが、第2実施例のポテンショメータ85Aを表示装置83に接続しても良い。また、反対に、第1実施例のレーザー光を用いた角度検出器85を第2実施例の操舵指令装置37Aに接続しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る作業車両の牽引装置の側面断面図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る作業車両の牽引装置を下側から見た平面模式図である。
【図3】異なる2つの牽引装置において、走行体の中心から被牽引車両の前輪の軸心までの距離Lを比較説明する図である。
【図4】本発明の第1実施例に係る牽引装置を用いた作業車両と被牽引車両とをシップローダに使用した側面図である。
【図5】本発明の第2実施例に係る牽引装置を用いた作業車両と被牽引車両の平面模式図である。
【符号の説明】
1…牽引装置
3…牽引部材
3b、3c…ボールジョイント
5…牽引車である作業車両、
7…走行体
7a…無限軌道帯(クローラ)
9…被牽引作業車両
15…連結ピン
21a、21b…トラックフレーム
25…旋回ベアリング
27…上部旋回体
37…ステアリング装置
37A…操舵指令装置
31a、31b…前輪
33…懸架ユニット
34…キングピン
41…作業機
61…ホッパ
65…シュート
83…表示装置
85、85A…角度検出器
87…表示指示装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、作業車両の牽引装置およびその牽引方法に係り、特に、無限軌道帯で走行する作業車両により被牽引作業車両を牽引する牽引装置およびその牽引方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、揺動自在の連結装置あるいは牽引装置で牽引車と被牽引車とを繋ぎ、牽引車により被牽引車を牽引することはよく知られている。このような従来技術の例として、下記の特許文献1、特許文献2が開示されている。
特許文献1に開示されている連結装置は、重量物を積載する被牽引車に適用される牽引車と被牽引車とを連結する構成を示している。この連結装置は、牽引車の後端中央部と被牽引車の前端両側部を一対の牽引杆を支点ピンにより結合するとともに、上記牽引車の後端中央に、該牽引車の旋回動に追従して同方向に揺動する揺動部材を枢支し、また、該揺動部材の動きを被牽引車の前輪に伝える一対の前輪操舵杆により揺動部材と被牽引車の前輪車軸を結合している。
【0003】
特許文献2に開示されている牽引装置は、被牽引車の車体に少なくとも左右一対の転舵可能な走行車輪を有しており、牽引車に連結可能に構成されている。該牽引装置は、左右一対の走行車輪を転舵させるためのタイロッドと、タイロッドに枢結されるとともに車体に水平揺動自在に支持されたセンタークランクと、一端がセンタークランクに枢結され他端が車体に枢結されてセンタークランクを揺動させる揺動シリンダと、車体の前方からセンタークランクに着脱自在に設けられて車体の前方へ延出する牽引部材と、揺動シリンダをその伸縮動が自由な状態にさせるシリンダ開放手段とを有している。
この牽引装置は、牽引車による牽引時には、シリンダ開放手段により揺動シリンダを伸縮動が自由な状態にして、牽引部材を介してセンタークランクを水平揺動させると共に、このセンタークランクの水平揺動の動きをタイロッドを介して左右一対の走行車輪に伝え、走行車輪を転舵させている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−278418号公報
【特許文献2】
特開2001−278134号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特許文献1の連結装置では、牽引車と被牽引車とは牽引杆で連結されているが、図3(b)にこの牽引車の旋回時の旋回例を示すように、牽引杆を牽引車に取着する牽引車側支点ピン(Pn)は牽引車(5A)の後端中央部で車体中心(Or)から離れた位置に配置されている。
このため、牽引車側支点ピンは、牽引車が旋回した場合に、直線走行するときの牽引車(5A)と被牽引車(9A)との直線上にある位置から左右方向に位置がズレ、牽引車と被牽引車との距離(L)が急激に近接する。このとき、牽引車は被牽引車に大きな衝撃と振動を与えるとともに、被牽引車を左右方向に強く押圧して被牽引車を不安定にしたり、転倒させるという問題が生ずる。
【0006】
この場合、牽引車に無限軌道帯式足回りを採用し、被牽引車にタイヤ式足回りを用いると、牽引車が旋回、即ち、操向装置を操作したときに、牽引車は無限軌道帯の走行機構により急激に旋回し、その車体の前後端部に近くなるほど左右方向に大きく振られる。このため、牽引車が操向操作を行なうたびに被牽引車が左右方向に強く押されたり、また引かれたりして、被牽引車は非常に不安定になる。
このように、牽引車が旋回時には被牽引車が非常に不安定であるので、例えばシップローダのような作業車両としてこの被牽引車を使用した場合には、被牽引車の台車の上に斜め上方に傾斜して延びるベルトコンベアが設置されていて、その重心が高くなっているので簡単に転倒するということになり、従って、特許文献1に示すような作業車両の牽引装置のものは、シップローダのような作業車両として使用することはできない。
また、特許文献1に示されている作業車両の牽引装置はシップローダ等の作業車両に必要な構成である牽引車のセンタフレームの上に設置されている嵩上げ部材の軸心上にあるホッパの中心と被牽引車の台車の上に斜め上方に傾斜して延びるベルトコンベアの最前部にあるシュートの中心とが容易に一致するような牽引装置になっていない。
【0007】
また、特許文献2では、牽引車に連結された転舵装置により被牽引車の転舵機構が中心に記載されており、牽引車の牽引装置についてはあまり記載がないが、牽引車により被牽引車を牽引する際の連結手段としてロープRを用いることが記載されている。
特許文献2に示されているように連結手段としてロープRを用いることにより、特許文献1に示すものよりも、牽引車の旋回の際に起きる被牽引車の衝撃・振動が少なく、転倒を回避することができるものであることは認められるが、牽引車のセンタフレームの上に設置されている嵩上げ部材の軸心上にあるホッパの中心と被牽引車の台車の上に斜め上方に傾斜して延びるベルトコンベアの最前部にあるシュートの中心とが容易に一致するような牽引装置にはなっていない。
【0008】
本発明は上記の問題点に着目してなされたもので、牽引車の旋回の際に起きる被牽引車の衝撃・振動が少なく、転倒を回避し、シップローダ等の作業車両として用いた時には、牽引車のセンタフレームの上に設置されている嵩上げ部材の軸心上にあるホッパの中心と被牽引車の台車の上に斜め上方に傾斜して延びるベルトコンベアの最前部にあるシュートの中心とが容易に一致するような牽引装置およびその牽引方法を提供すること、すなわち、無限軌道帯式足回りを有する作業車両の走行体(牽引車)により、被牽引作業車両(被牽引車)を転倒させないで安定して牽引することができ、また、作業車両の走行体(牽引車)と被牽引作業車両(被牽引車)の相対位置のズレを少なくできる牽引装置およびその牽引方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記目的を達成するために、本発明に係る作業車両の牽引装置は、無限軌道帯を有する走行体の中心に一端部が取着された揺動自在な牽引部材を設けてなる構成としている。
この場合に、牽引部材がボールジョイントを介して走行体に取着されている。
また、作業車両が上部旋回体を有し、上部旋回体の旋回中心と走行体の中心とを一致させると良い。
また、作業車両が、走行体に取着された嵩上げ用部材の上部に旋回自在に、あるいは、走行体に旋回自在に取着された嵩上げ用部材の上部に取着された上部旋回体と、上部旋回体に取着された運転室および作業機よりなると良い。
【0010】
また、作業車両と被牽引作業車両あるいは走行体と牽引部材のなす揺動角を検出する角度センサと、角度センサからの信号を受け被牽引作業車両の運転席の表示装置に揺動角を表示する指令を出力する表示指示装置とからなると良い。
または、作業車両と被牽引作業車両あるいは走行体と牽引部材のなす揺動角を検出する角度センサと、角度センサからの指令を受け被牽引作業車両の前輪を揺動角に応じて同じ方向に傾動させる指令を出力する操舵指令装置とからなると良い。
【0011】
本発明に係わる作業車両の牽引方法では、作業車両と被牽引作業車両、あるいは走行体と無限軌道を有する走行体の中心に一端部が取着された牽引部材のなす揺動角を検出し、検出した揺動角にしたがって被牽引作業車両の前輪を同じ方向に傾動させて作業車両に追従して被牽引作業車両を走行、旋回をなす方法としている。
【0012】
上記の作業車両の牽引装置によれば、作業車両(牽引車)は、その走行体の中心に一端部がピンを介して揺動自在に取着された牽引部材で被牽引作業車両を牽引しているため、作業車両が旋回してもピンが走行体の中心からズレることがなくなる。
これにより、作業車両と被牽引作業車両との相対位置の変化がなくなり、作業車両は被牽引作業車両を滑らかに牽引するとともに、被牽引作業車両を左右方向に押圧することがなく安定して旋回することができる。
【0013】
この場合、即ち無限軌道帯を有する作業車両でタイヤ式の被牽引作業車両を牽引した場合において、操向装置を操作した場合(旋回した場合)でも、被牽引作業車両に無理な力が掛かることが少なくなり、安全でスムーズに牽引することができる。
牽引装置は、その牽引部材がボールジョイントを介して走行体に取着されているため、牽引車が旋回した場合でも、上下方向および左右方向に滑らかに揺動し、被牽引作業車両に無理な力を掛けることが少なくなっている。
【0014】
上部旋回体を有した作業車両は、その上部旋回体の旋回中心が走行体の中心に一致させているため、旋回時にも、上部旋回体が走行体の中心に一致しながら旋回するので、牽引車の上部旋回体の位置と被牽引作業車両の相対位置の変化を少なく出来る。
作業車両は、運転室および作業機が嵩上げ用部材により高所に配設されているため、広い視界で、高い位置の作業が容易に行なえるとともに、走行体の中心で被牽引作業車両を牽引している。
このため作業車両と被牽引作業車両とは互いに無理な力が作用することが無くなり、走行旋回時にも安全に被牽引作業車両を牽引することができる。
【0015】
作業車両は、被牽引作業車両とのなす角度を角度センサで検出し、その信号により表示指示装置がその角度を被牽引作業車両の運転室の表示装置に表示しているため、オペレータは被牽引作業車両と作業車両との相対位置のズレを修正しながら容易に追従させて運転することができる。
また、作業車両は、被牽引作業車両とのなす角度を角度センサで検出し、その信号により操舵指令装置が被牽引作業車両の前輪を揺動角に応じて同じ方向に傾動させる指令を出力しているため、被牽引作業車両を作業車両に対して相対位置を修正しながら自動的に追従させて運転することができるとともに、被牽引車両と作業車両とを一人で操作することが可能になっている。
【0016】
上記の作業車両の牽引方法によれば、作業車両が無限軌道を有する走行体の中心に一端部が取着された牽引部材と走行体とのなす角度を検出して、その検出した揺動角に応じて被牽引作業車両の前輪を同じ方向に傾動させて作業車両に追従して被牽引作業車両を旋回しているため、両者の相対位置の変化が少なくでき、かつ牽引車の向きに応じて、被牽引作業車両の中心線を牽引車の向きに容易に一致させることができ、安全でスムーズに牽引することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る作業車両の牽引装置およびその牽引方法の実施形態について図面を参照して説明する。
先ず、実施例の作業車両の牽引装置およびその牽引方法について、図1から図3を参照しつつ説明する。図1は実施例である作業車両の牽引装置の側面断面図、図2はその下側から見た平面模式図、図3は異なる牽引装置の旋回時の比較を説明する図である。
【0018】
図1、図2に示す作業車両の牽引装置1は、その牽引部材3の一端が牽引車である作業車両5の走行体7の中心Or(前後および左右方向の中心Or)に、また他端が被牽引作業車両9(以下、被牽引車両9という)の車体11の前方端部11aに上下および左右方向に揺動自在に取着されている。
牽引部材3は、中間部3aが中空鋼管、棒鋼等の材料により形成され、また一端および他端にボールジョイント3b、3cが固着されている。
【0019】
前方側ボールジョイント3bは、連結ピン15、前方側ブラケット17を介して作業車両5の走行体7に取着されている。後方側ボールジョイント3cは、連結ピン15、後方側ブラケット19を介して被牽引車両9の車体11の前方端部11aに取着されている。
前方側ブラケット17および後方側ブラケット19は、図2の平面視で、その連結ピン15が牽引部材3の左右方向の中心位置Ocにあるように配設されている。
【0020】
作業車両5は無限軌道車により形成され、その走行体7は無限軌道帯であるクローラ7aが巻装されたトラックフレーム21a、21bが左右に所定間隔離間されて配設されている。
トラックフレーム21a、21bは、車体前後方向に延びており、その中央部には左右のトラックフレーム21a、21bを繋ぐセンタフレーム23が配設され、このセンタフレーム23の下面に前方側ブラケット17が取着されている。前方側ブラケット17の連結ピン15は、走行体7の中心Or、即ちクローラ7aの接地面中心に位置している。
【0021】
トラックフレーム21a、21bに巻装されたクローラ7aは、油圧モータ7b(図5に示す)により回転させられるスプロケット7cにより走行駆動される。
スプロケット7cは、操向装置24(図5に示す)の操作レバー24b(図4に示す)による油圧モータ7bの回転差を受け、この回転差により左右のクローラ7aに走行駆動差を生じさせ、作業車両5を旋回している。
操向装置24は、例えば、操作レバー24bにより油圧ポンプの吐出量を可変とし、あるいは操作弁を操作して圧油を可変として油圧モータ7bに供給して回転差を設けるようにしている。
【0022】
作業車両5の走行体7には、そのセンタフレーム23の上面に旋回ベアリング25を介して上部旋回体27が取着されている。上部旋回体の旋回中心Osは、走行体7の中心Or、即ち、牽引部材3の前方側ボールジョイント3bと一致するように配設されている。これにより、作業車両5の走行体7が旋回しても、牽引部材3の前方側ボールジョイント3bが前後方向および左右方向に移動しないようになされている。
【0023】
被牽引車両9はタイヤ式車両により形成され、その車体11の前方側には、回転駆動可能な左右一対の前輪31a、31bが懸架ユニット33ならびにキングピン34を介して装着されている。懸架ユニット33は車体左右方向に延びたタイロッド35に枢結され、タイロッド35はステアリング装置37(図5に示す)からの力を受けて一対の前輪31a、31bを傾動して被牽引車両9が旋回するようにしている。
被牽引車両9は、牽引装置1により作業車両5に連結されて走行可能にされているとともに、被牽引車両9が単独でも走行可能に構成されているようにしても良い。
【0024】
上記構成により、次に作動について説明する。
作業車両5は、牽引装置1の牽引部材3により連結された被牽引車両9を牽引し、直進走行、旋回走行を行なう。作業車両5および被牽引車両9が旋回するときには、作業車両5の操作レバー24bを操作して(図4に示す)、クローラ7aに走行駆動差をつけて被牽引車両9を牽引しながら旋回走行する。このとき、左右のクローラ7aは走行体7の中心Orを支点として回動させ、これに伴って図3(a)に示すように作業車両5が走行体7の中心Orを支点として旋回している。
【0025】
これにより、作業車両5は、被牽引車両9との相対位置の距離Lが旋回時にも、従来の図3(b)に示すようなズレΔLを生ずることなく、図3(a)に示すように極めて少なく(略ゼロ)して牽引することができる。
したがって、被牽引車両9は、作業車両5から無理な力を受けることが少なくなり、安全でスムーズに牽引される。また、被牽引車両9は、作業車両5に追従して旋回しているため、両者の相対位置の変化は極めて少なくでき、かつ作業車両5の向きに応じて、被牽引車両9の左右方向の中心線Odを作業車両5の中心Orの方向に自動的に一致させることができ、被牽引車両9には変奇した力が作用することがないので、衝撃も振動もなく安全でスムーズに牽引することができる。
さらにまた、上記の作業車両5は、被牽引車両9との相対位置の距離Lが旋回した後でも、従来の図3(b)に示すようなズレΔLを生ずることなく、図3(a)に示すようにズレΔLを略ゼロにすることができる。このことは、後ろの図4のところで説明するように作業車両5のセンタフレームの上に設置されている嵩上げ部材43の軸心上にあるホッパ61の中心部と被牽引車両9に設けてあるベルトコンベア73の最前部にあるシュート65の中心部とが一致することになるので、船などへの荷役作業の際、荷こぼれや、ホッパ61とシュート65との干渉の発生等は生じない。
【0026】
次に、前記牽引装置1が作業車両5に用いられた第1実施例について、図4を用いて説明する。
図4に示すように、作業車両5は、前記のようにクローラ7aを有する走行体7により形成されている。この作業車両5は、高所位置で作業可能なコンベア等の作業機41が上部旋回体27の上部に上下方向に傾動自在に配設されている。上部旋回体27は嵩上げ部材43に取着されており、また嵩上げ部材43は走行体7のセンタフレーム23の上部に配設された旋回ベアリング25(図1に示す)に旋回自在に取着されている。
【0027】
この上部旋回体27には運転室45と作業機41が取着されている。運転室45の内部には操向装置24の操作レバー24b、及びアクセルペダル(図示されていない)が配設され、作業車両5の直進走行、旋回走行、及び走行スピード等の操作が可能になっている。
嵩上げ部材43には動力源47とカウンタウエイト49が取着されている。この動力源47とカウンタウエイト49は、作業機41の張り出し方向に対して反対方向の嵩上げ部材43の側面に取着することが望ましい。
【0028】
上記のように、運転室45が嵩上げ部材43の上下寸法に見合うだけ高い位置にあるので、オペレータは上方から広い視界が得られ、作業機41による前方の障害物越しの作業、例えば、シップローダにおける作業が容易になっている。また、嵩上げ部材43の低位置に動力源47とカウンタウエイト49を取着したことにより、重心位置が低くなりバランスが良くなっている。
また、動力源47が低い位置にあるから燃料補給、メンテナンスを地上から行なうことが可能であり、その燃料補給、メンテナンスを簡単で安全に行なうことが可能となっている。
なお、上記において、動力源47とカウンタウエイト49は嵩上げ部材43の上にある上部旋回体27に取着しても良い。
【0029】
作業機41は、上部旋回体27の上部に取着されたブラケット51にコンベアフレーム53を上下揺動自在に取着し、このコンベアフレーム53の後端部とブラケット51との間をリンク55で連結し、また、ブラケット51とコンベアフレーム53との間をシリンダ57で連結し、シリンダ57を伸縮することにより、コンベアフレーム53を上下方向に揺動している。
コンベアフレーム53にはベルトコンベア59が回転自在に取着されており、また、ベルトコンベア59の後端部で、嵩上げ部材43の軸心上にはホッパ61の中心部が配置されるように取着されている。そして、このホッパ61の中心部の上方には、後述する被牽引車両9に設けられているベルトコンベヤの最前部に装着されているシュート65の中心部が来るように配置されている。
【0030】
被牽引車両9は、前記のようにタイヤ式車両により形成され、その車体11の前方側に前輪31a、31bを転舵する懸架ユニット33ならびにキングピン34(図2に示す)が設けられている。この被牽引車両9には、車体11の上にフレーム71が構築され、フレーム71にはベルトコンベア73が配設されている。また、フレーム71の後方下部にはベルトコンベア73に積載物を落下させる下部側ホッパ75が、またフレーム71の前方上部にはベルトコンベア73からの積載物を受けるシュート65が配設されている。
シュート65の中心は、作業車両5と被牽引車両9が牽引装置1で連結されたときにホッパ61の中心位置と一致し、ホッパ61の中心の上方に来るように配設されている。
【0031】
被牽引車両9には、運転席79が設けられており、その前方には懸架ユニット33(図2に示す)を転舵するハンドル81が配設されている。また、運転室の前方にはテレビ画面等の表示装置83が配設され、作業車両5と被牽引車両9との揺動角Θ{図3(a)に示す}を表示し、オペレータはこの表示を見ながら操作可能にしている。この揺動角Θは角度検出器85により検出されている。
角度検出器85は、例えば、被牽引車両9のフレーム71の上にレーザー光を発する発光器85aが、また、作業車両5の中心上には、円筒形状のCCD等の受光素子85bが配設されており、受光素子85bの受けた回動角の位置より揺動角Θを検出している。
【0032】
または、受光素子85bを平面として形成し、受光素子85bが受けるレーザー光の入射角を用いて揺動角Θを検出するようにしても良い。
角度検出器85で検出された揺動角Θは、作業車両5に搭載された表示指示装置87に送信され、表示指示装置87は運転席79の表示装置83に揺動角Θを表示する指令を出力している。
なお、表示指示装置87は受光素子85bと一体として作業車両5に設けても良く、または表示装置83と一体にして被牽引車両9に設置しても良い。
【0033】
次に、上記構成のものの作動について説明する。
シップローダの作業現場に、例えば、作業車両5が牽引装置1で連結された被牽引車両9を牽引するときには、作業車両5および被牽引車両9にそれぞれオペレータが乗車し、直進走行および旋回走行等の操作を行なう。例えば、作業車両5に乗車したオペレータは、操作レバー24bを操作して直進走行あるいは旋回走行等の操作を行なうとともに、図示しないアクセルペタル等を操作して速度を制御しながら走行する。
被牽引車両9に乗車したオペレータは、運転席79の前方に配設された表示装置83の揺動角Θを見ながら、作業車両5との相対位置のズレΔLをハンドル81により修正しながら作業車両5に追従走行を行う。
【0034】
上記のように、作業車両5と被牽引車両9のなす揺動角Θを検出し、検出した揺動角Θにしたがって被牽引車両9の前輪を同じ方向に傾動させて作業車両5に追従して被牽引車両9を旋回するようにしているので、旋回時にも、被牽引車両9は作業車両5との相対位置のズレを極く少なくでき、安全でスムーズな牽引ができるようにしている。
【0035】
次に、前記牽引装置1が作業車両に用いられた第2実施例について、図5を用いて説明する。
第1実施例では、作業車両5および被牽引車両9にそれぞれオペレータが乗車して、作業車両5に被牽引車両9を追従するようにしながら、直進走行、あるいは旋回走行を行うようにしている。
これに対して、第2実施例では、作業車両5だけにオペレータが乗車して、被牽引車両9にはオペレータが乗車しなくても、自動的に被牽引車両9の懸架ユニット33を転舵するようにして直進走行、あるいは旋回走行を行うようにしている。すなわち、牽引装置1に角度検出器85Aを設け、その角度検出器85Aにより作業車両5と被牽引車両9とのなす揺動角Θを求めるとともに、その揺動角Θに応じて操舵指令装置37Aが被牽引車両9の懸架ユニット33を転舵するようにしている。
【0036】
図5に示すように、角度検出器85Aは、例えば回転型のポテンショメータにより形成されており、ポテンショメータ85Aは牽引部材3の一端の連結ピン15に付設され、作業車両5のセンタフレーム23と牽引部材3との揺動角Θを検出している。
検出された揺動角Θは操舵指令装置37Aに送られ、操舵指令装置37Aは揺動角Θに応じた信号をステアリング装置37に指令を出力している。ステアリング装置37は、操舵指令装置37Aからの指令により、タイロッド35を移動し、被牽引車両9の懸架ユニット33を転舵する。
【0037】
操舵指令装置37Aは、コントローラ、コンピュータ等の制御機器よりなり、センタフレーム23と牽引部材3との揺動角Θに応じた被牽引車両9の懸架ユニット33の転舵角を記憶するとともに、その入力値の揺動角Θに応じて、タイロッド35を左に、あるいは右に移動するようにステアリング装置37に指令を出力し、作動させている。
ステアリング装置37は、油圧装置により形成され、例えば、操舵指令装置37Aからの指令を電磁弁が所定量だけ受け、圧油を図示しないシリンダに送り、タイロッド35を移動している。
【0038】
また、操舵指令装置37Aには、牽引部材3がトラックフレーム21a、21bのクローラ7aに干渉しない最大許容揺動角Θmと、危険領域角Θcとが設定されている。
揺動角Θが最大許容揺動角Θmに達すると、操向レバー24bが操作されても作業車両5はそれ以上の角度で旋回することがなくなり、揺動角Θは最大許容揺動角Θm以上になることがなくなり、干渉が排除されることにより安全性が確保されている。
【0039】
また、揺動角Θが危険領域角Θcに達して危険領域内(最大許容揺動角Θm−危険領域角Θcの角度範囲内)に入ると、操向レバーが操作されても作業車両5は、その方向にはゆっくり旋回し、また戻り方向には通常の速度で旋回するように設定されている。
これにより、オペレータは、揺動角Θが最大許容揺動角Θmに到達する前に察知することが可能となり、安全性が増している。なお、最大許容揺動角Θmおよび/あるいは危険領域角Θcに達したとき、警告音あるいは警告ランプ等の警報を発するようにしても良い。
【0040】
また、操舵指令装置37Aには、転舵修正用レバー93が付設されており、転舵修正用レバー93を操作することにより被牽引車両9の懸架ユニット33の転舵角が修正可能になっている。
操舵指令装置37Aは、転舵修正用レバー93が操作された信号を受けて、角度検出器85Aからの信号より優先して被牽引車両9のタイロッド35を左に、あるいは右に移動するようにステアリング装置37に指令を出力し、作動させるようにしている。
【0041】
次に、上記構成のものの作動について説明する。
作業車両5が被牽引車両9を牽引するときには、作業車両5にオペレータが乗車し、直進走行および旋回走行等の操作を行なう。例えば、作業車両5に乗車したオペレータは、操作レバー24bを操作して直進走行あるいは旋回走行等の操作を行なうとともに、図示しないアクセルペタル等を操作して作業車両5の速度を制御している。
【0042】
例えば、オペレータが作業車両5を旋回したとき、作業車両5は進行方向を変更する。これに伴って、作業車両5と被牽引車両9とを連結する牽引部材3もセンタフレーム23に対して揺動する。
この牽引部材3の揺動はポテンショメータ85Aにより検出され、その揺動角Θが操舵指令装置37Aに送られる。操舵指令装置37Aは揺動角Θに応じて記憶されている前輪31a、31bの転舵角の信号をステアリング装置37に送信する。ステアリング装置37は、その信号により作動してタイロッド35を左に、あるいは右に移動して被牽引車両9のキングピン34を揺動中心にして懸架ユニット33を転舵し、被牽引車両9を作業車両5に追従して旋回走行させる。
【0043】
これにより、被牽引車両9は揺動角Θの変化に応じて自動的に追従するため、作業車両5との相対位置のズレΔLが極めて少なく作業車両5に追従して走行することができる。
上記のように、作業車両5と被牽引車両9のなす揺動角Θを検出し、検出した揺動角Θに応じて被牽引車両9の前輪を同じ方向に傾動させて作業車両5に追従して被牽引車両9を旋回走行させる。
【0044】
なお、オペレータが作業車両5を急激に旋回させたとしても、牽引部材3が危険領域角Θcから最大許容揺動角Θmに到達することをポテンショメータ85Aが検出し、このデータが操舵指令装置37Aに送られる。
操舵指令装置37Aは、操向レバー24bが操作されても操向装置24に指令を出力し油圧モータ7bをゆっくり回転させ、作業車両5が危険領域角Θcでゆっくり旋回して停止し、あるいは最大許容揺動角Θmにおいて停止するようにしている。この最大許容揺動角Θmでは、操作レバー24bの逆方向の操作により、危険領域角Θcを脱して戻る方向に作動するようになされている。
【0045】
また、オペレータは、被牽引車両9が作業車両5の旋回方向からズレが生ずることを感じたときには、転舵修正用レバー93を操作することにより被牽引車両9の旋回方向を修正することができる。
これにより、被牽引車両9は、作業車両5の運転室45内からの操作により、旋回走行を修正することができて安全性が増すとともに、被牽引車両9と作業車両5とを一人で操作することが可能になっている。
【0046】
なお、上記において、第1実施例ではレーザー光を用いた角度検出器85を表示装置83に接続したが、第2実施例のポテンショメータ85Aを表示装置83に接続しても良い。また、反対に、第1実施例のレーザー光を用いた角度検出器85を第2実施例の操舵指令装置37Aに接続しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る作業車両の牽引装置の側面断面図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る作業車両の牽引装置を下側から見た平面模式図である。
【図3】異なる2つの牽引装置において、走行体の中心から被牽引車両の前輪の軸心までの距離Lを比較説明する図である。
【図4】本発明の第1実施例に係る牽引装置を用いた作業車両と被牽引車両とをシップローダに使用した側面図である。
【図5】本発明の第2実施例に係る牽引装置を用いた作業車両と被牽引車両の平面模式図である。
【符号の説明】
1…牽引装置
3…牽引部材
3b、3c…ボールジョイント
5…牽引車である作業車両、
7…走行体
7a…無限軌道帯(クローラ)
9…被牽引作業車両
15…連結ピン
21a、21b…トラックフレーム
25…旋回ベアリング
27…上部旋回体
37…ステアリング装置
37A…操舵指令装置
31a、31b…前輪
33…懸架ユニット
34…キングピン
41…作業機
61…ホッパ
65…シュート
83…表示装置
85、85A…角度検出器
87…表示指示装置
Claims (7)
- 作業車両の牽引装置において、無限軌道帯を有する走行体の中心に一端部が取着された揺動自在な牽引部材を設けてなることを特徴とする作業車両の牽引装置。
- 請求項1記載の作業車両の牽引装置において、
牽引部材がボールジョイントを介して走行体に取着されてなることを特徴とする作業車両の牽引装置。 - 請求項1あるいは請求項2記載の作業車両の牽引装置において、
作業車両が上部旋回体を有し、上部旋回体の旋回中心と走行体の中心とを一致させてなることを特徴とする作業車両の牽引装置。 - 請求項1から請求項3記載のいずれか1の作業車両の牽引装置において、
作業車両が、走行体に取着された嵩上げ用部材の上部に旋回自在に、あるいは、走行体に旋回自在に取着された嵩上げ用部材の上部に取着された上部旋回体と、上部旋回体に取着された運転室および作業機よりなることを特徴とする作業車両の牽引装置。 - 請求項1から請求項4記載のいずれか1の作業車両の牽引装置において、
作業車両と被牽引作業車両あるいは走行体と牽引部材のなす揺動角を検出する角度センサと、角度センサからの信号を受け被牽引作業車両の運転席の表示装置に揺動角を表示する指令を出力する表示指示装置とからなることを特徴とする作業車両の牽引装置。 - 請求項1から請求項5記載のいずれか1の作業車両の牽引装置において、
作業車両と被牽引作業車両あるいは走行体と牽引部材のなす揺動角を検出する角度センサと、角度センサからの指令を受け被牽引作業車両の前輪を揺動角に応じて同じ方向に傾動させる指令を出力する操舵指令装置とからなることを特徴とする作業車両の牽引装置。 - 作業車両の牽引方法であって、
作業車両と被牽引作業車両、あるいは走行体と無限軌道を有する走行体の中心に一端部が取着された牽引部材のなす揺動角を検出し、検出した揺動角にしたがって被牽引作業車両の前輪を同じ方向に傾動させて作業車両に追従して被牽引作業車両を走行、旋回をなすことを特徴とする作業車両の牽引方法。
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- 2003-03-31 JP JP2003096934A patent/JP2004299615A/ja active Pending
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