JP2004298052A - 浮遊性藍藻類除去装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アオコ等の浮遊性藍藻類を効率良く廉価でしかもその増殖速度に対応して除去することができる浮遊性藍藻類除去装置を提供する。
【解決手段】群体化したアオコを含む水を噴出するチップ孔20bを備えた加圧ノズルチップ20と、チップ孔20bから噴出する群体化したアオコを、直線運動から回転運動に変換してチップ孔噴出後よりも速度を速めた回転渦流として押し出すサイクロン形成部33と、速度を速めた回転渦流として押し出された群体化したアオコの流路中に設置され、群体化したアオコが通過する際に衝突する衝突部材を備えた渦流衝突部34とを有し、アオコを小数細胞の集合体に分断すると共にガス胞を破壊する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、浮遊性藍藻類除去装置に関し、特に、湖沼等に発生したアオコ等の浮遊性藍藻類を除去するための浮遊性藍藻類除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、淡水域の水面や水中に浮遊する浮遊性藍藻類として、所謂アオコが知られている。このアオコとは、湖沼等で藍藻類が大発生する現象の1つで、特に、水面に集積し水の色が濃い緑色を呈する状態を言う場合、或いは、このような状態を作り出している藍藻類そのものを言う場合がある。一般に、「水の華」と呼ばれる現象は、水面に集積した状態を指しているように思われるが、この状態と発生原因である藍藻類を混同していることも多い。
【0003】
ここでは、アオコとしてほぼ関東から九州にかけて多く見られる、ガス胞と寒天状基質を備えるミクロシスチス(Microcystis)を対象とする。
【0004】
アオコは、ある一定の環境条件が揃えば普遍的に発生し増殖するが、その発生には、物理化学的要因として水温、光強度、栄養濃度等、植物プランクトン、動物プランクトンや寄生性生物等が関与する。
【0005】
アオコの発生に対処するためには、一般的に、アオコを発生させない技術(富栄養化防止・日光遮断・水温低下・PH調整・曝気等)、環境を変化させて徐々に減少させる技術(下水道の整備・葦等の植栽・生態系の管理・流入水の管理等)、発生したアオコを除去(採取)する技術が考えられる。
【0006】
上記各技術において、アオコを発生させない技術については、窒素・リン濃度の減少や自然現象(日光・水温等)への対応が必要となるため、規模が小さく限られた条件以外では採用することが困難であり、環境を変化させる技術については、即効性や確実性に欠けるものが多いため、長期間の実施や多大な設備投資が必要となる。
【0007】
これに対し、アオコを除去する技術については、除去対象であるアオコの量や除去面積を実施条件に応じて任意に設定することができ、実施もアオコ発生に合わせた短期間となることが多いため、低廉な費用で即効性を得ることができる。従って、この種の開発のニーズが増大している。
【0008】
アオコを除去する技術には、1.薬品により沈殿除去する方法、2.超音波により除去する方法、3.電気的な処理により除去する方法、4.物理的な処理により除去する方法、5.オゾンや紫外線により除去する方法、6.その他の方法がある。上記各方法は、除去したアオコを水中に戻すものと戻さないものに分けられるが、定置式の循環型構造を採用する場合、水中に戻すものが多い。
【0009】
このような、アオコを除去する技術として、アオコ等の群落状生命体を含有する液体をノズルから噴出させ、急激な圧力低下によって発生するキャビテーションにより、或いは噴射流体を衝突させることにより、群落状生命体の結合を破壊し、水底に沈ませて死滅させるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−165549号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した群落状生命体の結合を破壊する方法においては、十分な除去効果を得難く、更に、効果的な結合破壊を行って、より効率的にアオコを除去することが望まれる。
【0012】
また、上述した群落状生命体の結合を破壊する方法の場合、キャビテーションを発生させるためのノズルを複数並べそれらを対向配置させたノズル装置を必要とする。このノズル装置は、対向配置のための正確な配置構成が求められて構成が複雑になると共に大型化が避けられず、その上、アオコ対策のための専用機器となる。その稼働期間が年間3〜5ヶ月と短いことから専用機器では比較的高価な装置となり、除去コストの増加を招く。このことは除去技術の普及を阻害するものとなる。
【0013】
また、上述した群落状生命体の結合を破壊する方法による除去処理速度が、アオコの増殖速度に追いつかない場合、複数の装置を導入すれば良いが、高価な専用機では費用の増加を招く。
【0014】
この発明の目的は、アオコ等の浮遊性藍藻類を効率良く廉価でしかもその増殖速度に対応して除去することができる浮遊性藍藻類除去装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明に係る浮遊性藍藻類除去装置は、群体化した浮遊性藍藻類を含む水を噴出するノズル孔を備えたノズル装置と、前記ノズル孔から噴出する前記群体化した浮遊性藍藻類を、直線運動から回転運動に変換してノズル噴出後よりも速度を速めた回転渦流として押し出すサイクロン形成部と、速度を速めた回転渦流として押し出された前記群体化した浮遊性藍藻類の流路中に設置され、前記群体化した浮遊性藍藻類が通過する際に衝突する衝突部材を備えた渦流衝突部とを有し、前記群体化した浮遊性藍藻類が前記ノズル装置、前記サイクロン形成部及び前記渦流衝突部を通過することにより、群体を小数細胞の集合体に分断すると共に浮遊性藍藻類のガス胞を破壊することを特徴としている。
【0016】
上記構成を有することにより、群体化した浮遊性藍藻類を含む水が、ノズル装置のノズル孔から噴出した後、サイクロン形成部で、直線運動から回転運動に変換されてノズル噴出後よりも速度を速めた回転渦流として押し出され、更に、速度を速めた回転渦流として押し出された前記群体化した浮遊性藍藻類が通過する渦流衝突部で、流路中に設置された衝突部材に衝突することにより、群体を小数細胞の集合体に分断すると共に浮遊性藍藻類のガス胞を破壊する。これにより、アオコ等の浮遊性藍藻類を効率良く廉価でしかもその増殖速度に対応して除去することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
この発明に係る、湖沼等に浮遊する藍藻類であるアオコを除去するための浮遊性藍藻類除去装置は、次に示す各機能を備えることが望ましい。
【0019】
1.アオコの増殖速度より早い速度で大量の除去処理ができる。つまり、装置単体の製造及び設置費用が廉価で複数個設置が可能になる。
【0020】
2.湖沼等から採取したアオコは、処理後、湖沼等外に持ち出さず湖沼等に戻す。これにより、除去コストを低下させることができる。
【0021】
3.アオコ除去装置の稼働は、1年に3〜5ヶ月間であるので、装置はできるだけ市販品の組み合わせにより形成する。例えば、レンタル品を選定し組み込んでも良い。
【0022】
4.稼働時に吸い込んだゴミ等により、装置内部に目詰まりが生じないように、目詰まり対策を講ずる。
【0023】
5.処理後に湖沼等に戻される処理アオコは、湖沼等に棲息する動物プランクトン等が捕食できる大きさにする。
【0024】
6.処理アオコは、アオコが保有するガス胞が完全破壊されており、湖沼等の底に沈殿する。
【0025】
上記各機能を備える浮遊性藍藻類除去装置を得るために必要とする種々の要件について、詳しく説明する。先ず、アオコの除去に際しては、環境に対する配慮やコスト低減の点から、一般的に、薬品を使用したり、高価な専用機を必要とする電気、超音波、オゾン等を使用したりするのではなく、比較的簡単な機器で対処可能な物理的処理によるものとする。
【0026】
次に、処理アオコは湖沼等に戻すものとする。湖沼等においてアオコは夏季に増殖するが冬季に死滅して底部に堆積するので、処理アオコを湖沼等に戻しても自然の循環作用に大きな支障を生じさせることはないと考える。寧ろ、湖沼等に棲息する動物プランクトン等の餌になるものと思われる。
【0027】
ここで、この発明に係る浮遊性藍藻類除去装置の除去対象となる、湖沼等に発生するアオコについて説明する。アオコの主な構成要素である、ミクロシスチス(Microcystis)は、藍藻類(シアノバクテリア)のクロオコックス目に分類される属の1つで、関東から九州、沖縄にかかる地域で発生する。
【0028】
このミクロシスチスは、栄養細胞のみで構成される単細胞性(異質細胞に対し称される)を有し、多数の細胞が多糖類の粘性物を分泌し、規則的または不規則的に集まって群体を形成する。群体は、大きなものでは数mmに達する中空網目の亜球形、小さなものでは数μmの亜球形となり、群体をつくる寒天状基質は比較的しっかりしていて壊れ難く、細胞の直径は約3.2〜6.6μmであり、顕微鏡下で黒ずんで見える。
【0029】
また、ミクロシスチスは、栄養細胞にガス胞を持つことから、水面或いは水中を浮遊する。浮遊に際しては、早朝浮上し午後3時頃から夕方にかけて沈降する日周垂直移動パターンを示す。ガス胞内には、空気と似た組成の気体が入っているが、常時膨らんでいるのではなく、細胞内の浸透圧が高いときは潰れてしまう。
【0030】
つまり、光合成を盛んに行っているときには細胞内の浸透圧が高まるが、夜間に或いは水中深層で高分子合成に消費されると浸透圧が減少する。浸透圧が減少すると、ガス胞が膨らんで浮力を増加させ浮上する。この作用により光合成が行われアオコの増殖が可能となるので、アオコの増殖を抑制するには、ガス胞を破壊することが必要である。
【0031】
ガス胞の機能を破壊するには、静的加圧力によりガス胞膜を直接破壊することが考えられるが、細胞は、その直径が約3.2〜6.6μmと非常に小さく、現実的な方法ではない。その上、この方法においては、破壊可能な加圧力がガス胞の膨張時と萎縮時で変化するため、破壊を安定して行うことが困難である。従って、静的加圧力による方法は、他の破壊方法に付随して用いることが望ましい。
【0032】
図1は、この発明の実施の形態に係る浮遊性藍藻類除去装置を用いた実験設備の全体構成を示し、(a)は平面説明図、(b)は正面説明図である。
【0033】
図1に示すように、浮遊性藍藻類除去装置10は、流路11を介して、スクイズポンプ等のポンプ12に接続されており、ポンプ12には、取水口を攪拌機(アジテータ)13に配置した吸引ホース14が接続されている。攪拌機13には、浮遊性藍藻類であるアオコを含んだアオコ原水aが貯められている。
【0034】
鋼管を連結して形成された流路11には、ポンプ12との接続部近傍に2つの圧力計15a,15bが、両圧力計15a,15b間に流量計16が、浮遊性藍藻類除去装置10との接続部近傍に圧力計15cが、それぞれ設置されている。吸引ホース14のポンプ12との接続部には、取水用バルブ17が設置されている。
【0035】
ポンプ12が運転を開始することにより、攪拌機13内で低速度で攪拌されているアオコ原水aは、吸引ホース14を介してポンプ12に吸い込まれる。ポンプ12に吸い込まれたアオコ原水aは、ポンプ12から流路11へ吐出され、流路11を介して浮遊性藍藻類除去装置10に送り込まれる。浮遊性藍藻類除去装置10に送り込まれたアオコ原水aは、浮遊性藍藻類除去装置10により除去処理が行われ、処理後、浮遊性藍藻類除去装置10の排水口からアオコ処理水bとして排出される。
【0036】
この実験設備によるアオコ除去処理実験は、衝突による浮遊性藍藻類除去装置10の他、回転渦による浮遊性藍藻類除去装置、及び回転衝突による浮遊性藍藻類除去装置の、計3種類の除去装置により、ポンプ圧力0.2MPa〜1MPaの範囲で行った。以下、3種類の浮遊性藍藻類除去装置について説明する。
(衝突による浮遊性藍藻類除去装置)
図2は、図1の浮遊性藍藻類除去装置の第1例を示し、(a)は長手方向に沿う断面による説明図、(b)は一部省略した衝突分離部側端面図である。図2に示すように、衝突による浮遊性藍藻類除去装置10は、導入部18、レジュサ19、加圧ノズルチップ(ノズル装置)20、及び衝突分離部21の複数の管状部材を連結して形成され、導入部18、レジュサ19、加圧ノズルチップ20、衝突分離部21を記載順に通り抜ける1本の貫通路10aを有している。加圧ノズルチップ20の内径は、導入部18の内径より小さく形成されており、貫通路10aは、導入部18側が太く加圧ノズルチップ20側が細くなっている。
【0037】
導入部18は、両端が同一内径(例えば、約50mm)を有し、両端外周にフランジ18aが設けられている。管体の長手方向ほぼ中央には、管体の内部圧力を検出する圧力センサを取り付けるためのソケット18bが突設されている。この導入部18の一端側開口は、貫通路10aにアオコ原水aを導入するための導入口となり、導入部18の他端側開口には、レジュサ19の一端(大径)側が連結される。
【0038】
レジュサ19は、一端側開口が、連結される導入部18の開口と同一の内径(例えば、約50mm)からなり、他端側開口が、加圧ノズルチップ20のチップホルダ22を介して連結される衝突分離部21の開口と同一の内径(例えば、約40mm)からなる、テーパ形状を有している。このレジュサ19は、両端外周にフランジ19aを有し、溶接式の管継手として用いることができる。
【0039】
加圧ノズルチップ20は、一端が開口し、他端が、端面20aのほぼ中央に開口するチップ孔20b(例えば、孔径約6mm)を有する端壁で塞がれた、レジュサ19の他端側開口の内径より細く(例えば、内径約20mm)且つ長い管体により形成されている。この加圧ノズルチップ20は、レジュサ19と衝突分離部21の連結部に挟み込んだチップホルダ22を介して、レジュサ19の長手方向延長上に位置するように装着される。
【0040】
この加圧ノズルチップ20は、圧力発生装置として機能し、更に噴出速度の増加による液間摩擦を発生させて、アオコ群体を小数のアオコ細胞からなる集合体に分断し、且つ、アオコ細胞を破壊すると考えられる。なお、チップ孔20bの孔径は、6mmに限らず、5mm以下或いは7mm以上でも良く、必要に応じて最適なノズル圧力に調整する。
【0041】
チップホルダ22は、レジュサ19のフランジ19aと衝突分離部21の後述する管体24のフランジ24aに挟持することができる、円盤状に形成されており、盤面ほぼ中央には、加圧ノズルチップ20を装着するための貫通孔が開けられている。加圧ノズルチップ20のチップホルダ22への取り付けは、加圧ノズルチップ20の一端側、即ち、チップ孔20bが無い開口側を、開口端がチップホルダ22のレジュサ19側端面と面一となるように貫通孔にねじ込むことにより行われる。
【0042】
ねじ込みにより、加圧ノズルチップ20の一端側外周面に形成したネジ部に、シール材23を介してチップホルダ22の貫通孔内周面に形成したネジ部が螺着され、加圧ノズルチップ20は、チップホルダ22に密着状態に固定される。即ち、チップホルダ22は、加圧ノズルチップ20を嵌合保持するホルダ部材として機能する。
【0043】
衝突分離部21は、両端が同一内径(例えば、約40mm)の管体24と、幅広(例えば、端面間距離が約38mm)円筒状の衝突部25を組み合わせて形成されている。衝突部25は、両端が端面盤25aで塞がれると共に周壁25bの一部が開口しており、この周壁開口は、貫通路10aからアオコ処理水bを排出するための排出口となる。
【0044】
管体24の一端側(レジュサ19連結側)外周には、フランジ24aが設けられ、管体24の他端は、管体24と衝突部25の両中心軸が一致するように、衝突部25の一方(レジュサ19側)の端面盤25aの中心部にはめ込まれて、衝突部25と一体化している。
【0045】
衝突部25の内部には、両端面盤25a,25a間のほぼ中央に、各端面盤25aと平行になるように、衝突網26が設置されている。衝突網26は、加圧ノズルチップ20の端面20bとほぼ同一形状の金属製の網目状板体からなり、衝突部25の他方の端面盤25aの内面に、支持部27を介して設置されている。支持部27は、衝突網26を通過した流体が滞り無く衝突部25の周壁開口(貫通路10aの排出口)へ流れ出るように、通過流体の流路を確保できるように形成されている。
【0046】
そして、導入部18とレジュサ19は、フランジ18aとフランジ19aを、レジュサ19と衝突分離部21の管体24は、チップホルダ22を間に挟み込んだフランジ19aとフランジ24aを、それぞれ接合して一体化される。このとき、加圧ノズルチップ20は、管体24内壁面から等しく離間して管体24内部空間の中心に位置し、チップ孔20bが衝突網26に対向するように、管体24内に挿入配置されることになり、加圧ノズルチップ20他端側の端面20aは、衝突分離部21の衝突部25の端面盤25a内面側と面一状態となる。
【0047】
このように、導入部18、レジュサ19、加圧ノズルチップ20が装着されたチップホルダ22、及び衝突分離部21を互いに連結して形成した浮遊性藍藻類除去装置10は、導入部18の一端をアオコ原水aの導入口とし、途中、衝突網26への衝突場所を経て、衝突分離部21の他端側(衝突部25の周壁開口)をアオコ処理水bの排出口とする貫通路10aを有することになる。
【0048】
加圧ノズルチップ20の噴出先方向には、チップ孔20bから約19mm離れて衝突網26が、約38mm離れて鋼板(即ち、端面盤25a)が位置することとなり、アオコ原水aに含まれるアオコ群体に対する衝突と剪断の効果を確認することができる。
【0049】
導入部18の導入口10bから浮遊性藍藻類除去装置10に導入されたアオコ原水aは、内径が縮小(50mmから40mm)するレジュサ19を経て、加圧ノズルチップ20のチップ孔20b(孔径6mm)から噴出し、約19mm離れた衝突網26に衝突した後、排出口から、群体が分断されガス胞が破壊されたアオコ処理水bとして排出される。即ち、群体化したアオコは、噴出後、衝突網26に衝突することにより、群体が小数細胞の集合体に分断されると共にアオコのガス胞が破壊される。
(回転渦による浮遊性藍藻類除去装置)
図3は、図1の浮遊性藍藻類除去装置の第2例を示す長手方向に沿う断面による説明図であり、図4は、図3の浮遊性藍藻類除去装置の回転渦部を示す長手方向に沿う断面による説明図である。
【0050】
図3及び図4に示すように、回転渦による浮遊性藍藻類除去装置30は、衝突分離部21の代わりに回転渦分離部31を有する他は、浮遊性藍藻類除去装置10と同様の構造及び作用を有している。つまり、この浮遊性藍藻類除去装置30は、導入部18、レジュサ19、加圧ノズルチップ20が装着されたチップホルダ22、及び回転渦分離部31の複数の管状部材を連結して形成され、導入部18、レジュサ19、加圧ノズルチップ20、回転渦分離部31を記載順に通り抜ける1本の貫通路30aを有している。
【0051】
回転渦分離部31は、管体32とサイクロン形成部33と渦流衝突部34を組み合わせて形成されており、渦流衝突部34の先端開口は、貫通路30aからアオコ原水aを排出するための排出口となる(図4参照)。管体32は、加圧ノズルチップ20のチップ孔20b側の他端がサイクロン形成部33の内部空間に連通するように、サイクロン形成部33と一体化している他は、衝突分離部21の管体24(図2参照)と同様の構造及び作用を有している。
【0052】
サイクロン形成部33は、加圧ノズルチップ20の先端が取り付けられた円筒体35と、円筒体35内径から徐々に絞り込まれたテーパ形状の円錐体36が、同一内径の開口同士を連結して一体化された形状を有している。
【0053】
円筒体35の周壁には、加圧ノズルチップ20のチップ孔20b側端部を円筒体35内部に突出させる開口35aが開けられている。この開口35aを介して加圧ノズルチップ20の端部を円筒体35内部に突出させる際、チップ孔20bは、その噴出方向がサイクロン形成部33の渦流回転方向と一致するように配置される(図3参照)。円筒体35の一端側(円錐体36が連結されていない側)外周にはフランジ35bが設けられ、シール部材37aを介してフランジ35bに取り付けられた閉塞部材37により、円筒体35の一端側開口が塞がれている。
【0054】
加圧ノズルチップ20のチップ孔20bからサイクロン形成部33に噴出する流体は、サイクロン形成部33で直線運動から回転運動に変換されると共に、円錐体36を大口径側から小口径側に向かって通過することで徐々に流体速度を増加させ、ノズル噴出後よりも速度を速めた回転渦流となって渦流衝突部34へ押し出される。
【0055】
渦流衝突部34は、両端が同一内径(例えば、約40mm)の円筒体38と、円筒体38の内部に装着された分断手段39からなり、円筒体38の一端は、円錐体36の縮径された他端側開口に連結され、サイクロン形成部33と一体化している。分断手段39は、板状網部材及びコイル状部材からなり、アオコ原水aが円筒体38内部を通過する際に、アオコ原水aに含まれるアオコ群体を細胞数が1〜10個の小集合体に分断し、また、アオコのガス胞を破壊する機能を有する。
【0056】
図5は、図4の分断手段の装着状態の一例を示し、(a)は一部破断した部分説明図、(b)は端面図である。図6は、図4の分断手段の装着状態の他の例を示し、(a)は一部破断した部分説明図、(b)は端面図である。
【0057】
図5及び図6に示すように、分断手段39は、渦流衝突部34の内周面全域に網目形状部が形成され、且つ、渦流衝突部34の長手方向に渦流の貫通路が形成されるように、渦流衝突部34の内周面に沿って配置される。板状網部材39aは、網状板体を丸めて円筒状に形成し(図5参照)、コイル状部材39bは、薄く細い金属板をコイル状に密着して巻いて形成した細いコイル部材を更にコイル状に巻いて円筒状に形成し(図6参照)、それぞれ、例えばビス止めにより渦流衝突部34に取り付ける(図4参照)。
【0058】
板状網部材39aとしては、例えば、樹脂網や金網等を用いることができ、コイル状部材39bとしては、例えば、金属たわし(例えば、「ステンレスたわし」神鋼鋼線工業株式会社製)をばらして1本の細いコイル状に引き延ばして用いることができる。
【0059】
分断手段39としては、板状網部材39aやコイル状部材39bを単独で用いる他、板状網部材39aとコイル状部材39bを組み合わせて用いたり、アオコ原水aが通過可能な貫通孔を有する長さ数cm程度の、例えばセラミック製の円筒状部材(例えば、マカロニ形状)を、帯状の収納手段に無作為に多量に収納し、その収納手段を、コイル状部材39bのように筒体38の内周面に沿って配置しても良い。
【0060】
渦流衝突部34に送り込まれた渦流は、何度も分断手段39である板状網部材39a或いはコイル状部材39bに衝突しながら、円筒体38内部を通り抜ける。このとき、アオコ原水aに含まれるアオコ群体は、分断手段39により発生する乱流となって分断手段39と衝突しながら、樹脂や金属の格子部或いは金属繊維による分断を繰り返し、細胞数が1〜10個の小集合体になる。そして、小集合体となったアオコ群体を含むアオコ処理水bが、渦流衝突部34から排出される。
【0061】
このように、導入部18、レジュサ19、加圧ノズルチップ20が装着されたチップホルダ22、及び回転渦分離部31を互いに連結して形成された浮遊性藍藻類除去装置30は、導入部18の一端をアオコ原水aの導入口とし、途中、サイクロン形成部33から渦流衝突部34を経て、渦流衝突部34の他端側(円錐体36の連結部とは反対側)の開口をアオコ処理水bの排出口とする、貫通路30aを有することになる。
【0062】
従って、導入口から浮遊性藍藻類除去装置30に導入されたアオコ原水aは、レジュサ19を経て加圧ノズルチップ20の孔径6mmのチップ孔20bから噴出し、サイクロン形成部33で加速され、直線運動から回転運動に変換されてノズル噴出後よりも速度を速めた回転渦流として押し出され、渦流衝突部34へと送り込まれ、渦流衝突部34でアオコ群体が分断されると共にガス胞が破壊される。その後、渦流衝突部34の排出口から、アオコ群体が小集合体に分断されアオコのガス胞が破壊されたアオコ処理水bとして排出される。
(回転衝突による浮遊性藍藻類除去装置)
また、回転衝突による浮遊性藍藻類除去装置としても良い。回転衝突による浮遊性藍藻類除去装置は、衝突分離部21及び加圧ノズルチップ20の代わりに回転衝突分離部を有する他は、浮遊性藍藻類除去装置10と同様の構造及び作用を有している。
【0063】
図7は、回転衝突分離部の概略構造を示す説明図である。図7に示すように、回転衝突分離部40は、アオコ原水aの流路となる管体からなり、螺旋状の流れを形成する螺旋流形成部41と、螺旋状の流れを衝突させる衝突部42を有している。衝突部42は、螺旋流形成部41に連続すると共に、螺旋流形成部41の内径より縮径された内径を有している。
【0064】
螺旋流形成部41には、遠心力を与えて流体物を回転させるためのガイド羽根41aが1枚或いは2枚以上設けられており(2枚の場合を図示)、衝突部42には、流体物を衝突させるための複数本の突起42aが設けられている。各突起42aは、先端に膨出部を有する棒状体からなり、管体中心に向け突設されると共に、管体の周面全域に管体長手方向及び管体周方向に沿って無作為に並べて配置されている。
【0065】
従って、螺旋流形成部41側の開口から管体内に送り込まれたアオコ原水aは、螺旋流形成部41で、送り込まれる前より速度を速めて管体内を流れる螺旋状の流れとなった後、衝突部42で突起43aへの衝突を繰り返しながら、回転衝突分離部40内を通過する。アオコ原水aが、速度を速めた螺旋状の流れとなって突起42aへの衝突を繰り返すことで、アオコ群体が分断されアオコのガス胞が破壊される。
【0066】
この回転衝突分離手段40は、レジュサ19の他端(小径部)側に、直接取り付けられる。つまり、この浮遊性藍藻類除去装置は、導入部18、レジュサ19、回転衝突分離部40の複数の管状部材を連結して形成され、導入部18の一端をアオコ原水aの導入口とし、途中、回転衝突分離部40を経て、回転衝突分離部40の他端側(レジュサ19の連結部とは反対側)の開口をアオコ処理水bの排出口とする、貫通路を有することになる。
【0067】
導入口から浮遊性藍藻類除去装置に導入されたアオコ原水aは、レジュサ19を経て回転衝突分離部40に送り込まれ、アオコ群体が分断されアオコのガス胞が破壊された後、排出口からアオコ処理水bとして排出される。
【0068】
上述した、衝突による浮遊性藍藻類除去装置10、回転渦による浮遊性藍藻類除去装置30、及び回転衝突による浮遊性藍藻類除去装置による、アオコ除去処理実験の結果を以下に示す。
【0069】
実験結果についての評価は、サンプルを採取し、透過顕微鏡でアオコの細胞数が1〜10個の群体数を計測した。これは、処理後のアオコ群体を湖沼等に戻した場合、動物プラントンが捕食可能なサイズを考慮したものである。なお、参考として、浮遊性藍藻類除去装置10において、衝突網26の代わりにプレートを設置、即ち、噴出口から約19mm離してプレートを設置した場合(プレート衝突1)、及びそのプレートを噴出口から約38mm離して設置した場合(プレート衝突2)についても実験を行った。
【0070】
この実験においては、ポンプ圧力を1.0MPa、加圧ノズルチップ20のチップ孔径を6mm(回転衝突分離部40を用いた回転衝突分離の場合、加圧ノズルチップは使用せず)、流路11の長さを約13mとした。実験対象となるアオコ原水aは2ヶ所から採取し、それぞれ群体に含まれる細胞数の平均値が19.164個(採取資料1)、32.203個(採取資料2)であったので、原水における細胞数と処理後の細胞数とを比較した。実験装置構成に続いて細胞数、原水比較値を示す。
【0071】
Figure 2004298052
また、採取資料2について、回転渦(金属たわし)による分離作用を利用した場合にポンプ圧力を0.2MPa,0.5MPa,1.0MPaの三種類とし、実験を行った。プレート衝突1の場合と回転衝突分離の場合については、ポンプ圧力を0.5MPaとした。
【0072】
Figure 2004298052
なお、図8は、アオコ除去処理実験の結果を示し、(a)は実験結果1のグラフによる説明図、(b)は実験結果2のグラフによる説明図である。図8において、「細胞数」は、アオコ単体とアオコ群体10個以下の数を示している。アオコの数は、1mm方眼付きスライドガラスを用いて透過顕微鏡により細胞数を数え、3回の平均を取ったものである。これを2回行って実験結果1と実験結果2とした。
【0073】
上述した実験装置構成毎の細胞数及び原水比較値から、アオコ除去処理実験の結果をまとめると、次のようなことが分かった。
【0074】
1.(1),(2)より、加圧ノズルチップ20の噴出口から近い所で衝突させる方が効果的である。
【0075】
2.(3)より、金網衝突の場合、加圧ノズルチップ20の噴出口からの離間距離が約19mm地点での効果が少ない。
【0076】
3.(1),(2),(3)より、壁面等へ衝突させる場合、加圧ノズルチップ20の噴出口から約19mm以内でなければ効果が少ない。
【0077】
4.(1),(4)より、回転衝突による分離作用を利用した(回転衝突分離部40使用)場合、プレート衝突1とほぼ同様な効果がある。
【0078】
5.(5),(6),(7)より、今回の装置の中では、回転渦による分離作用を利用した場合が最も効果があり、その中でも、金属たわしを装着した場合がずば抜けた効果を有する。
【0079】
6.(4),(5),(6)より、回転衝突による分離作用を利用した場合と回転渦による分離作用を利用(樹脂網と金属網の何れも)した場合では、効果は同じである。
【0080】
7.(4),(5),(6),(7)より、アオコ群体の分断には、アオコ群体に対し遠心力を加えてから衝突力及び剪断力を利用する方法が効果的である。
【0081】
8.(8)より、プレート衝突の場合、ポンプ圧力が0.5MPaでは効果がない。従って、加圧ノズルチップのみでポンプ圧力が0.5MPaの場合、全く効果がないと推定される。
【0082】
9.(9)より、ポンプ圧力が0.5MPaでの回転衝突による分離作用を利用した場合、効果が少ない。ポンプ圧力が1.0MPaでは、効果が認められるので、圧力は高い方が効果があると考えられる。
【0083】
10.(11),(12),(13)より、回転渦による分離作用を利用した場合では、ポンプ圧力が大きいほど効果があるわけではなく、ポンプ圧力が0.2MPa、0.5MPa、1.0MPaの中で0.5MPaが最も効果がある結果となった。よって、装置の適正圧力が存在すると思われる。
【0084】
つまり、ポンプ圧力が1.0MPaの実験結果1においては、アオコ原水aと比較した細胞数の増加数を見れば、回転渦(金属たわし)の原水比較値3.19が最良である。ポンプ圧力が0.5MPaの実験結果2においては、顕著な効果は得られないが、回転渦(金属たわし)の場合、三種類のポンプ圧力0.2MPa,0.5MPa,1.0MPaの中でポンプ圧力0.5MPaの場合の原水比較値2.20が一番良かったので、回転渦(金属たわし)に関しては、ポンプ圧力が下がっても効果が得られることが分かる。つまり、高いポンプ圧力を必要としないのでポンプの小型化或いは大量処理化、即ち、装置の小型化或いは処理量増大化が可能である。
【0085】
このアオコ除去処理実験の結果から、衝突による浮遊性藍藻類除去装置、回転渦による浮遊性藍藻類除去装置、及び回転衝突による浮遊性藍藻類除去装置のそれぞれの評価を行い、最適な装置とその原理を考察する。
(1)衝突による浮遊性藍藻類除去装置
衝突による場合、ノズル効果に加えて衝突による破壊効果を発揮できると考えた。その結果、ポンプ圧力1.0MPaで間隙が約19mm以外の場合、効果が認められなかった。加圧ノズルチップ20から噴出された液体は噴出後急激に減速することから、間隙が約38mmで効果がなかったのは、衝突速度に起因するものと考えられる。従って、アオコ群体の破壊には、高速度で衝突させることが効果的であると考えられる。
【0086】
しかしながら、衝突による装置は、常時、1.0MPa以上のポンプ圧力を保持しなければならないため、特殊な装置或いは専用の装置或いは少量処理にならざるを得ない。
(2)回転衝突による浮遊性藍藻類除去装置
回転衝突による分離作用を用いた場合、衝突力を基に処理作用を行っており、処理を効果的に行うためアオコ原水aに回転力を加えている。この効果は、ポンプ圧力1.0MPaのときに発揮され、ポンプ圧力0.5MPaのときは発揮されなかった。今回の実験では、ポンプ圧力1.0MPaのとき間隙が約19mmのプレート衝突と同様な効果を有することから、回転力による速度増加が効果を発揮したものと考えられる。
【0087】
しかしながら、回転衝突による装置においても、衝突による装置と同様に、常時、1.0MPa以上のポンプ圧力を保持しなければならず、特殊な装置或いは専用の装置或いは少量処理にならざるを得ない。
(3)回転渦による浮遊性藍藻類除去装置
回転渦による場合は、ノズル装置とサイクロン装置により速度を増加させ更に回転力による遠心力を利用するものであって、乱流による流体同士の剪断と衝突及び管(円筒体38)内に挿入された分断手段39との衝突によるアオコ群体の破壊、管内の中心部と円周部の圧力差間を移動することによるアオコ気泡の破壊等を基に、処理作用を行っている。
【0088】
今回の実験は、板状網部材39aとして樹脂網及び金網、コイル状部材39bとして金属たわしの3種類について行ったが、樹脂網、金網、金属たわしの何れについても効果が認められた。特に、コイル状部材39bである金属たわしを用いた場合の効果が飛び抜けている。板状網部材39aである樹脂網と金網を用いた場合は、効果に差はなく同等に機能することが分かった。なお、板状網部材39aである樹脂網と金網を用いた場合と、回転衝突による分離作用(回転衝突分離部40)を用いた場合は、ほぼ同様な効果を有することが分かった。
【0089】
また、コイル状部材39bである金属たわしを用いた場合は、ポンプ圧力が1.0MPaより0.5MPaの方がよい結果となり、低圧力でも効果を発揮することが分かった。これらのことから、アオコ群体の破壊は、回転渦による浮遊性藍藻類除去装置にあって、分断手段39としてコイル状部材39b(金属たわし)を用いた場合が、最も効果を発揮することが分かった。
【0090】
ここで、アオコ群体の破壊原理について検討する。湖沼等からのアオコの除去を考えた場合、ガス胞の破壊によって沈殿させると最終的には死滅するが、アオコ細胞が直ぐに死滅することはない。このため、アオコ増殖のための最適条件が整えば再生する可能性も考えられる。従って、アオコ細胞の再生可能性を低下させ、また、湖沼等の底部付近に生息する動物プランクトンが捕食し易い大きさにしてアオコ細胞の減少を図るため、採取したアオコ群体を破壊しシースを破壊することが必要となる。
【0091】
従って、上記要望を満たす最も効果的な浮遊性藍藻類除去装置を得るためには、次の各種要件を備えることが求められる。
【0092】
1.浮遊性藍藻類除去装置におけるアオコ原水aの所要圧力を保持するためのノズルを設置する。
【0093】
2.浮遊性藍藻類除去装置におけるアオコ原水aの流速を増すためのノズル装置を設置する。この流速増加用のノズル装置は圧力保持用のノズル装置を兼ねるものとする。
【0094】
3.アオコ原水aの流速及び圧力を増すため、アオコ原水aの流れを直線流から渦流に変換する。
【0095】
4.渦流の速度を更に増加させるため、渦直径を小さくする。このため、流速及び遠心力の増加を図ることができる。
【0096】
5.遠心力により流速と圧力が増加した貫通路におけるアオコ原水aの流れは、層流に近い状態であるが、これを急激に乱流状態にする。これにより、アオコ群体同士の衝突及び剪断が発生する。
【0097】
6.遠心力により流速と圧力が増加したアオコ群体の流れは、貫通路上の障害物(樹脂網、金網、金属たわし等の分断手段39)との衝突により分断され破壊される。
【0098】
7.遠心力により流速と圧力が増加したアオコ群体の流れは、圧力差を生じさせる貫通路の周辺部と中心部を往復し、その結果、アオコのガス泡が破壊される。
【0099】
上記各種要件を備えた浮遊性藍藻類除去装置は、アオコ群体を分断し破壊する手段として、圧力保持機能、水流速度増幅機能、渦流変換機能、渦流速度増幅機能、乱流発生機能、衝突機能、及び中心部空洞保持機能等を備える。この浮遊性藍藻類除去装置を用いて、湖沼等からアオコ原水aを採取し、そのアオコ原水aに含まれるアオコ群体を分断し破壊した後、再び湖沼等に戻すアオコ除去システムを形成することができる。
【0100】
即ち、浮遊性藍藻類であるアオコが発生する発生水域(湖沼等)から、群体化したアオコを含むアオコ原水aを吸引するポンプと、上述したこの発明に係る何れかの浮遊性藍藻類除去装置と、ポンプに接続されて、アオコ原水aを上述した浮遊性藍藻類除去装置へ送り込むと共に、この浮遊性藍藻類除去装置の貫通路を通り抜けることによって、群体化したアオコを小数細胞の集合体に分断すると共に浮遊性藍藻類のガス胞を破壊したアオコ処理水bとして、再び、アオコを採取した発生水域へ戻す流路とを有する、アオコ除去システムである。
【0101】
このような、アオコ群体の破壊手段である浮遊性藍藻類除去装置を用いたアオコ除去システムは、以下に示すような効果を得ることができる。
【0102】
1.アオコの増殖速度より早い速度で大量処理ができる。これは、ポンプ台数の増加が容易なシステムであり、また、ポンプの能力により浮遊性藍藻類除去装置の規模を調整することができるからである。
【0103】
2.処理後のアオコを湖沼等外に持ち出さずに湖沼等に戻すことができる。これにより、処理コストが廉価となる。これは、処理後のアオコを含むアオコ処理水を湖沼等に戻すアオコ除去システムを構成することができるからである。
【0104】
3.湖沼等に発生したアオコを除去するためのアオコ除去システムの稼働は、年間3〜5ヶ月と短いので、できるだけ市販の部材を組み合わせて、できればレンタル品を選定して、システムを構成することができる。これは、特殊な構造を有するアオコ群体破壊装置は、簡単な鋼材加工により形成することが可能で、安価に製造することができ、その他の装置は、レンタル品で調達することができるからである。
【0105】
4.破断処理した後のアオコ群体は、湖沼等の底部で動物プランクトン等が捕食できる大きさである。
【0106】
5.破断処理した後のアオコ群体は、アオコのガス胞が完全に破壊されて沈殿する。
【0107】
また、浮遊性藍藻類除去装置において、ノズルを通過する前に目詰まり防止用の金網等を設置し、また、排出口に逆洗装置を設置することにより、装置内部にゴミ等が入り込んで目詰まりが生じるのを防止することができる。
【0108】
上述した浮遊性藍藻類除去装置を用いたアオコ除去処理実験の結果から、実際にアオコが発生している湖沼等において、この発明に係る浮遊性藍藻類除去装置を用いたアオコ除去処理システムによりアオコを効果的に除去することができることが分かった。
【0109】
なお、湖沼等の水面或いは水中の広範囲に浮遊しているアオコを除去するためには、アオコを効率的に収集し採取することが必要であるが、このようなものとして、例えば、当該出願人が既に出願した「水中浮遊物採取装置(特願2002−166988参照)」を用いることができる。
【0110】
このように、この発明によれば、衝突による浮遊性藍藻類除去装置、回転渦による浮遊性藍藻類除去装置、及び回転衝突による浮遊性藍藻類除去装置等により、湖沼等から取り込んだアオコ原水aに含まれるアオコ群体を分断して小集合体とし、且つ、ガス胞を破壊した後、アオコ処理水bとして再び湖沼等に排出することができる。従って、小集合体となりガス胞が破壊されたアオコ群体は、湖沼等に戻されると底に沈んで、容易に動物プランクトン等に捕食されることになり、湖沼等に発生したアオコを効果的に除去することができる。
【0111】
なお、上記実施の形態において、分断手段39は、樹脂網や金網或いは金属たわし等に限るものではなく、アオコ原水aに対し、アオコ原水aに含まれるアオコ群体を細胞数が1〜10個の小集合体に分断し、また、アオコのガス胞を破壊することができるものであれば良い。
【0112】
また、この発明に係るアオコ群体の破壊手段である浮遊性藍藻類除去装置は、湖沼等から採取したアオコ原水aに含まれるアオコ群体を分断しアオコのガス胞を破壊するものであるが、例えば、発生した赤潮を駆除するシステム等として用いることもできる。
【0113】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、群体化した浮遊性藍藻類を含む水が、ノズル装置のノズル孔から噴出した後、サイクロン形成部で、直線運動から回転運動に変換されてノズル噴出後よりも速度を速めた回転渦流として押し出され、更に、速度を速めた回転渦流として押し出された前記群体化した浮遊性藍藻類が通過する渦流衝突部で、流路中に設置された衝突部材に衝突することにより、群体を小数細胞の集合体に分断すると共に浮遊性藍藻類のガス胞を破壊するので、アオコ等の浮遊性藍藻類を効率良く廉価でしかもその増殖速度に対応して除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る浮遊性藍藻類除去装置を用いた実験設備の全体構成を示し、(a)は平面説明図、(b)は正面説明図である。
【図2】図1の浮遊性藍藻類除去装置の第1例を示し、(a)は長手方向に沿う断面による説明図、(b)は一部省略した衝突分離部側端面図である。
【図3】図1の浮遊性藍藻類除去装置の第2例を示す長手方向に沿う断面による説明図である。
【図4】図3の浮遊性藍藻類除去装置の回転渦部を示す長手方向に沿う断面による説明図である。
【図5】図4の分断手段の装着状態の一例を示し、(a)は一部破断した部分説明図、(b)は端面図である。
【図6】図4の分断手段の装着状態の他の例を示し、(a)は一部破断した部分説明図、(b)は端面図である。
【図7】回転衝突分離部の概略構造を示す説明図である。
【図8】アオコ除去処理実験の結果を示し、(a)は実験結果1のグラフによる説明図、(b)は実験結果2のグラフによる説明図である。
【符号の説明】
10,30 浮遊性藍藻類除去装置
10a,30a 貫通路
11 流路
12 ポンプ
13 攪拌機
14 吸引ホース
15a,15b,15c 圧力計
16 流量計
17 取水用バルブ
18 導入部
18a,19a,24a,35b フランジ
18b ソケット
19 レジュサ
20 加圧ノズルチップ
20a 端面
20b チップ孔
21 衝突分離部
22 チップホルダ
23 シール材
24,32 管体
25 衝突部
25a 端面盤
25b 周壁
26 衝突網
27 支持部
31 回転渦分離部
33 サイクロン形成部
34 渦流衝突部
35,38 円筒体
35a 開口
36 円錐体
37 閉塞部材
37a シール部材
39 分断手段
39a 板状網部材
39b コイル状部材
40 回転衝突分離部
41 螺旋流形成部
41a ガイド羽根
42 衝突部
42a 突起
a アオコ原水
b アオコ処理水

Claims (6)

  1. 群体化した浮遊性藍藻類を含む水を噴出するノズル孔を備えたノズル装置と、前記ノズル孔から噴出する前記群体化した浮遊性藍藻類を、直線運動から回転運動に変換してノズル噴出後よりも速度を速めた回転渦流として押し出すサイクロン形成部と、
    速度を速めた回転渦流として押し出された前記群体化した浮遊性藍藻類の流路中に設置され、前記群体化した浮遊性藍藻類が通過する際に衝突する衝突部材を備えた渦流衝突部とを有し、
    前記群体化した浮遊性藍藻類が前記ノズル装置、前記サイクロン形成部及び前記渦流衝突部を通過することにより、群体を小数細胞の集合体に分断すると共に浮遊性藍藻類のガス胞を破壊することを特徴とする浮遊性藍藻類除去装置。
  2. 前記サイクロン形成部は、
    前記ノズル孔を内部に露出させると共に一端が塞がれた円筒体、及び前記円筒体の開口に大径側が連結されたテーパ形状の円錐体からなることを特徴とする請求項1に記載の浮遊性藍藻類除去装置。
  3. 前記渦流衝突部は、
    前記渦流衝突部の内面全域に網目形状部が形成され、且つ、前記渦流衝突部の中心軸方向に沿って渦流の貫通路が形成されるように、板状網部材或いはコイル状部材からなる分断手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の浮遊性藍藻類除去装置。
  4. 前記分断手段は、
    前記板状網部材は網状板体を丸めて円筒状に形成し、前記コイル状部材は、薄く細い金属板をコイル状に密着して巻いて形成した細いコイル部材を更にコイル状に巻いて円筒状に形成し、前記渦流衝突部の内周面に沿って配置されることを特徴とする請求項3に記載の浮遊性藍藻類除去装置。
  5. 管体内に送り込まれた群体化した浮遊性藍藻類を含む水を、送り込まれる前より速度を速めて前記管体内を流れる螺旋流とするための螺旋流形成部と、
    前記螺旋流形成部に連続する管体に設けられ、前記螺旋流形成部を通過し速度を速めた螺旋流が突起への衝突を繰り返しながら通過する衝突部とを有し、
    前記群体化した浮遊性藍藻類が前記螺旋流形成部及び前記衝突部を通過することにより、群体を小数細胞の集合体に分断すると共に浮遊性藍藻類のガス胞を破壊することを特徴とする浮遊性藍藻類除去装置。
  6. 浮遊性藍藻類が発生する発生水域から、前記群体化した浮遊性藍藻類を含む原水を吸引するポンプと、
    請求項1から5のいずれかに記載の浮遊性藍藻類除去装置と、
    前記ポンプに接続されて、前記原水を前記浮遊性藍藻類除去装置へ送り込むと共に、前記浮遊性藍藻類除去装置の貫通路を通り抜けることによって前記群体化した浮遊性藍藻類を小数細胞の集合体に分断すると共に浮遊性藍藻類のガス胞を破壊した処理水を再び前記発生水域へ戻す、流路と
    を有することを特徴とする浮遊性藍藻類除去システム。
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