JP2004297499A - 通信端末装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】同一の端末内に設けた異なる無線機器間の干渉を低減し、良好な通信性能を確保することのできる通信端末装置を提供する。
【解決手段】複数の通信システムを搭載した通信端末装置において、第1の周波数の信号を受信する第1のアンテナ3と、第1の周波数とは異なる第2の周波数の信号を受信する第2のアンテナ4と、第2のアンテナ4の近傍に配置され、前記第1のアンテナ3と同じ前記第1の周波数の信号を受信し、且つ負荷インピーダンス素子8に終端された、第3のアンテナ5とを備える。第3のアンテナ5は第1のアンテナ3と同じ第1の周波数の信号を受信するため、第2のアンテナ4が放射する不要輻射を、この第3のアンテナ5が受信することになる。そして、この第3のアンテナ5が受信した不要輻射は、当該不要輻射を効率良く熱損に変換する負荷インピーダンス素子8によって熱損に変換されるため、この第3のアンテナ5から再放射されることはない。
【選択図】図1
【解決手段】複数の通信システムを搭載した通信端末装置において、第1の周波数の信号を受信する第1のアンテナ3と、第1の周波数とは異なる第2の周波数の信号を受信する第2のアンテナ4と、第2のアンテナ4の近傍に配置され、前記第1のアンテナ3と同じ前記第1の周波数の信号を受信し、且つ負荷インピーダンス素子8に終端された、第3のアンテナ5とを備える。第3のアンテナ5は第1のアンテナ3と同じ第1の周波数の信号を受信するため、第2のアンテナ4が放射する不要輻射を、この第3のアンテナ5が受信することになる。そして、この第3のアンテナ5が受信した不要輻射は、当該不要輻射を効率良く熱損に変換する負荷インピーダンス素子8によって熱損に変換されるため、この第3のアンテナ5から再放射されることはない。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線機器間の電波干渉を低減する通信端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、携帯電話機などの通信端末装置においては、基地局と通信を行うことによって電話機能やパケット通信機能を行う通信システム(以下、電話通信システムという)の他に、さらに別の通信システムを搭載して付加価値を高めようとする動きがある。例えば、2.5GHz帯を使用して近距離無線通信を行うブルートゥース(Bluetooth)機能を搭載した携帯電話機は、既に実用化されている。
【0003】
また、現在は、非接触式のICカードを定期券に内蔵させ、この定期券を改札口に設けたリーダ/ライタ装置にかざすことで改札口を通過可能とするICカード通信システムを、携帯電話機に搭載することが検討されている(特許文献1等参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−325122号公報(第3頁及び第4頁、第2図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ICカード通信システムを携帯電話機に搭載した場合には、電話通信システムとICカード通信システムとの間で電波干渉を起こし、電話通信システムの通信性能が低下する。
【0006】
ICカードで使用されるアンテナの共振周波数は、例えば13.56MHzであり、共振波長は約20mであるが、ICカード用アンテナは40×70mm程度のループを数回巻いたコイルで形成されているため、共振波長に対するアンテナのサイズは数%程度である。一方、電話通信システムは、数百MHzから数GHzの周波数帯域を使用するため、電話通信システム用アンテナの共振波長は、ICカード用アンテナよりも大幅に短い。よって、ICカード用アンテナは、電話通信システムに関して、一般にアンテナとして使用されるλ/4を越えるアンテナ長を有する。
【0007】
すなわち、ICカード用アンテナは、電話通信システム側から見ると充分大きなアンテナであるため、当該電話通信システムにおいて効率の良いアンテナとして動作してしまう。
【0008】
このため、携帯電話機内には、同じ周波数で共振するアンテナが二つ存在することになる。その結果、電話通信システムでは、アンテナ間の結合により電波干渉が大きくなって通信性能が低下する。
【0009】
そこで、本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、同一の端末内に設けた異なる無線機器間の干渉を低減し、良好な通信性能を確保することのできる通信端末装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、周波数が異なる信号を受信するためのアンテナをそれぞれ備えた少なくとも2つ以上の通信システムを搭載してなる通信端末装置である。この通信端末装置では、第1の周波数の信号を受信する第1のアンテナと、第2の周波数の信号を受信する第2のアンテナを有し、さらに、第2のアンテナの近傍に配置され、第1の周波数の信号を受信し、且つ負荷インピーダンス素子に終端された第3のアンテナとを備える。
【0011】
本発明の通信端末装置によれば、第3のアンテナは第1のアンテナと同じ第1の周波数の信号を受信して共振するため、第2のアンテナが放射する不要輻射は、この第3のアンテナで受信される。そして、この第3のアンテナが受信した不要輻射は、当該不要輻射を効率良く熱損に変換する負荷インピーダンス素子に当該第3のアンテナが接続されていることから、この第3のアンテナから再放射されることはない。このため、第1のアンテナは、第2のアンテナからの不要輻射の影響を受けることなく動作する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した通信端末装置の具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。本実施の形態は、本発明に係る通信端末装置を携帯電話機に適用すると共に、この携帯電話機にICカード通信システムと電話通信システムという異なった2つの通信システムを搭載した携帯電話機の例である。
【0013】
「第1の実施の形態」
図1は、本実施の形態の携帯電話機1を簡略化して示す概略的な図である。なお、図1は、携帯電話機1として備わる液晶表示装置、スピーカ、マイクなどの電子部品及び回路部品並びに外筐体などは図示を省略しており、回路基板上に形成された電話通信システムとICカード通信システムで使用するアンテナのみを図示してある。
【0014】
回路基板2には、基地局と通信を行うことによって電話機能やパケット通信機能を行う電話通信システムで使用される第1のアンテナ3と、ICカード通信システムで使用される第2のアンテナ4と、第1のアンテナ3と同じ周波数の信号を受信して共振(動作)するダミーアンテナとしての第3のアンテナ5とが設けられている。
【0015】
第1のアンテナ3は、例えば数百MHz(800MHz)から数GHz(1920〜2170MHz)の周波数(以下、第1の周波数という)の信号を受信して共振する携帯電話用のアンテナである。この第1のアンテナ3は、例えばモノポールアンテナであり、回路基板2から突出する先端部とは反対側の基端部に給電点6を有している。
【0016】
第2のアンテナ4は、例えば十数MHz(13.56MHz)の周波数(以下、第2の周波数という)の信号を受信して共振するICカード通信システムで使用されるループアンテナである。この第2のアンテナ4は、回路基板2上に細長い導体線を矩形状となるように複数回巻いて形成され、そのスパイラル形状とされたアンテナ部から導出された端部に給電点7を有している。かかる第2のアンテナ4は、例えば駅などの改札口に設けられたリーダ/ライタ装置と間で信号の送受信を行うアンテナであり、数cm程度の近距離にて非接触で通信を行うことができる。
【0017】
第3のアンテナ5は、第2のアンテナ4の近傍部に配置され、第1のアンテナ3と同じ第1の周波数の信号を受信して共振する。この第3のアンテナ5は、抵抗成分を含む負荷インピーダンス素子8に終端されている。具体的には、第3のアンテナ5は、モノポールアンテナとされ、第2のアンテナ4の長手方向に延びる両アンテナ部分4a,4bの外側に近接して設けられている。また、この第3のアンテナ5は、第1のアンテナ3よりも第2のアンテナ4に近接して設けられている。そして、この第3のアンテナ5の基端部には、回路基板2上に設けられた負荷インピーダンス素子8が接続されている。負荷インピーダンス素子8としては、例えばコイルなどが使用される。
【0018】
前記したように、従来、ICカード用アンテナは、電話通信システムにおいて効率の良いアンテナとして動作してしまうため、第2のアンテナ4が放射する不要輻射が電話通信システム用アンテナで受信され、その結果、電話通信システムにおける無線性能が劣化する。しかしながら、本実施の形態では、第2のアンテナ4の近傍に、第1のアンテナ3と同じ第1の周波数の信号を受信して共振する第3のアンテナ5を配置しているので、第2のアンテナ4が放射する不要輻射による電磁波は、当該第3のアンテナ5で吸収される。そして、この第3のアンテナ5には、抵抗成分を含む負荷インピーダンス素子8が接続されているため、この負荷インピーダンス素子8は、受信した不要輻射を効率良く熱損に変換し、当該第3のアンテナ5から不要輻射を再放射させない。
【0019】
また、ICカード用の第2のアンテナ4は、携帯電話機で使用する第1の周波数においては数波長の定在波が存在するため、第3のアンテナ5をλ/4ごとに配置することにより、より高い不要輻射低減効果が得られる。例えば、図2に電磁界シミュレーションを利用した70mm×40mmのICカード用アンテナ上における2GHz帯の磁界分布の計算結果を示す。この図2から判るように、磁界のピークが2点あることが確認でき(磁界分布線が密集した部分)、1波長程度の定在波が存在していることが判る。このため、矩形状とされた第2のアンテナ4の各辺に対応するアンテナ部分4a,4b,4c,4dの近傍に第3のアンテナ5をそれぞれ配置することで、定在波の大きさを効果的に小さくすることができる。
【0020】
また、本実施の形態の携帯電話機1による効果について、電磁界シミュレータを使用して確認した結果を図3に示す。図3中、縦軸はアンテナ間アイソレーション(単位:dB)を表し、横軸は周波数(単位:GHz)を表す。また、図3中A線はダミーアンテナ無しの場合、B線はダミーアンテナ有りの場合を表す。計算では、図1に示した構成をモデルとし、携帯電話機用のアンテナ(第1のアンテナ3)及びダミーアンテナ(第3のアンテナ5)の共振周波数を2GHzとした。また、ダミーアンテナに接続する負荷抵抗(負荷インピーダンス素子8)は50Ωとした。そして、携帯電話機用のアンテナとICカード用アンテナ(第2のアンテナ4)の結合の大きさを50Ω系の給電線路で接続した場合のアイソレーションを評価した。
【0021】
この図3から判るように、ダミーアンテナを設けた場合には、ダミーアンテナを設けない場合に比べてアイソレーションの値が小さいことが判る。このように、アイソレーションの値が小さい程、本発明の効果があるものと判断できる。2GHz帯において、ダミーアンテナの無い場合に比較してダミーアンテナを装着したモデルでは、周波数にもよるが最大10dB程度の低減効果があることが判る。また、ダミーアンテナの物理的長さ、形状、配置又は負荷インピーダンス素子8の最適化を行うことにより、任意の周波数で結合を小さくすることが可能である。
【0022】
「第2の実施の形態」
第2の実施の形態は、図4に示すように、ICカード用アンテナである第2のアンテナ4と、ダミーアンテナである第3のアンテナ5を、同一のフレキシブルプリントケーブル9に形成したものである。なお、第2の実施の形態では、第1の実施の形態の携帯電話機1と同一の構成部分については、同一の符号を付し、その説明は省略するものとする。
【0023】
この第2の実施の形態では、中央に開口10を有した矩形状をなす枠体として形成されるフレキシブルプリントケーブル9に、スパイラル形状の第2のアンテナ4と、第3のアンテナ5とを形成している。第3のアンテナ5は、第1の実施の形態と同様、第2のアンテナ4の長手方向に延びる両アンテナ部分4a,4bの外側に近接して設けられる。そして、この第3のアンテナ5は、フレキシブルプリントケーブル9に形成された負荷インピーダンス素子8に終端されている。なお、このフレキシブルプリントケーブル9は、携帯電話機1の筐体内に配置される。
【0024】
このように、第2のアンテナ4と第3のアンテナ5を同一のフレキシブルプリントケーブル9に形成すれば、部品点数の削減により、回路基板2上に電子部品や回路などを形成する実装効率を高めることができると共に、コストの削減も図ることができる。
【0025】
「第3の実施の形態」
第3の実施の形態は、負荷インピーダンス素子8に終端されたダミーアンテナの具体的な構成として、λ/4の電気長で共振するモノポールアンテナをダミーアンテナとしたものである。
【0026】
この第3の実施の形態における第3のアンテナ5は、図5に示すように、第1のアンテナ3の第1の周波数のλ/4の電気長とされており、給電部において負荷インピーダンス素子8に終端されている。このλ/4のアンテナは、回路基板2に形成される影像5aを使用して共振をするため、λ/2のアンテナに比べて小型化することができる。
【0027】
なお、この第3のアンテナ5は、モノポールアンテナの他に、板状アンテナ、ノッチアンテナであってもよい。
【0028】
「第4の実施の形態」
第4の実施の形態は、負荷インピーダンス素子8に終端されたダミーアンテナの具体的な構成として、λ/2又はλの電気長で共振するダイポールアンテナをダミーアンテナとしたものである。
【0029】
この第4の実施の形態における第3のアンテナ5は、図6に示すように、第1のアンテナ3の第1の周波数のλ/2又はλの電気長とされており、給電部において負荷インピーダンス素子8に終端されている。このλ/2又はλのアンテナは、回路基板2にできる影像に頼らずにアンテナが動作するため、基板形状や実装構成によらずに特性が安定する。
【0030】
なお、この第3のアンテナ5は、ダイポールアンテナの他に、ループアンテナ、スロットアンテナであってもよい。
【0031】
「第5の実施の形態」
第5の実施の形態は、負荷インピーダンス素子8に終端されたダミーアンテナの具体的な構成として、板状アンテナをダミーアンテナとしたものである。
【0032】
この第5の実施の形態における第3のアンテナ5は、図7に示すように、負荷インピーダンス素子8に終端された板状アンテナである。この他、ダミーアンテナとしては、板状アンテナの他に、ヘリカルアンテナ、メアンダアンテナ、櫛歯形状(ジグザグ)アンテナなどを使用することもできる。このように、第5の実施の形態によれば、アンテナの設計自由度が向上する。
【0033】
「第6の実施の形態」
第6の実施の形態は、負荷インピーダンス素子8に終端されたダミーアンテナの具体的な構成として、モノポールアンテナにキャパシタを直列に接続させた例である。
【0034】
この第6の実施の形態における第3のアンテナ5は、図8に示すように、負荷インピーダンス素子8に終端されたモノポールアンテナに、キャパシタ11を直列に接続させた構成としている。キャパシタ11は、通常、十数MHzで使用されるICカード用アンテナの周波数では高リアクタンスに、携帯電話機用のアンテナでは低リアクタンスになる値を選定している。
【0035】
このように、負荷インピーダンス素子8に終端された第3のアンテナ5にキャパシタ11を直列に接続すれば、ダミーアンテナとしての効果を損なうことなく、ICカード通信システムで使用される周波数ではダミーアンテナは回路基板2から切り離されるため、ICカード用アンテナとの電磁結合が低減し、当該ICカード用アンテナの調整を行うことが可能となる。
【0036】
「第7の実施の形態」
第7の実施の形態は、ダミーアンテナに接続された負荷インピーダンス素子8を複数設け、それら負荷インピーダンス素子8を切り換えることのできる切換手段を設けた例である。
【0037】
この第7の実施の形態における第3のアンテナ5は、図9に示すように、負荷量の異なる負荷インピーダンス素子8a,8bを2つ設けると共に、この負荷インピーダンス素子8a,8bを切り換えることのできる切換スイッチ12を有している。さらに、この第3のアンテナ5には、第6の実施の形態と同様、キャパシタ11が設けられている。
【0038】
この第7の実施の形態によれば、通信環境や端末内の実装によりダミーアンテナ(第3のアンテナ5)と携帯電話機用のアンテナ(第1のアンテナ3)の結合が増加した場合、携帯電話機用のアンテナがダミーアンテナによってその性能が低下する場合、切換スイッチ12に接続された負荷インピーダンス素子8a,8bの大きさを切り換えることによって、携帯電話機用のアンテナの性能劣化を低減することができる。
【0039】
「第8の実施の形態」
第8の実施の形態は、負荷インピーダンス素子8に終端されたダミーアンテナに発光ダイオード(LED)を設けた例である。
【0040】
この第8の実施の形態における第3のアンテナ5は、図10に示すように、2つのキャパシタ11a,11b間にLED13を設けると共に、このLED13のカソード側に負荷インピーダンス素子8を設け、さらにその負荷インピーダンス素子8の前にショットキーダイオード14を設けている。
【0041】
この第8の実施の形態によれば、ダミーアンテナである第3のアンテナ5に誘起された電流は、ショットキーダイオード14によって検波され、LED13を光らす。したがって、このLED13を携帯電話機1の視認性の良い箇所に設けることにより、ユーザは、このLED13の光によってICカード通信システムが通信したことを確認することができる。これまでは、ICカードによる通信がされたか否かは目視により判別することができなかったが、LED13を設けることによって視覚的に通信状態を確認することができる。
【0042】
以上、本発明を適用した具体的な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に制限されることなく種々の変更が可能である。
【0043】
上述の実施の形態では、携帯電話機を例に挙げて説明したが、本発明は携帯電話機に限定されることはなく、例えばハンドヘルドPCや通信機能を備えたPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯通信端末装置に本発明を適用しても同様の作用効果がある。
【0044】
また、上述の実施の形態では、電話通信システムとICカード通信システムを例にとり説明したが、これらに加えて位置測位システム(GPS)、近距離無線通信システム(Bluetooth)などのシステムを同一の通信端末装置に搭載してもよい。もちろん、これら異なる複数の通信システムが同一の通信端末装置に搭載された場合でも、それら通信システム間の干渉を低減することができ、それぞれの通信システムでの通信性能は充分確保することができる。
【0045】
【発明の効果】
本発明の通信端末装置によれば、第1のアンテナと同じ周波数の信号を受信し、且つ負荷インピーダンス素子に終端された第3のアンテナを、第2のアンテナの近傍に配置したので、第2のアンテナが放射する不要輻射をこの第3のアンテナが受信し、その不要輻射を負荷インピーダンス素子が効率良く熱損に変換し再放射を防止する。したがって、本発明の通信端末装置によれば、同一の端末内に設けた異なる無線機器間の干渉を低減することができ、良好な通信性能を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の携帯電話機を簡略化して示す概略的な図である。
【図2】第1の実施の形態の携帯電話機において、電磁界シミュレーションを利用したICカード用アンテナ上における2GHz帯の磁界分布の計算結果を示す図である。
【図3】第1の実施の形態の携帯電話機において、アンテナ間アイソレーションと周波数との関係を示す特性図である。
【図4】第2の実施の形態の携帯電話機において、第2のアンテナと第3のアンテナを同一のフレキシブルプリントケーブルに形成した例を示す平面図である。
【図5】第3の実施の形態の携帯電話機において、ダミーアンテナをλ/4の電気長で共振するモノポールアンテナとした例を示す図である。
【図6】第4の実施の形態の携帯電話機において、ダミーアンテナをλ/2又はλの電気長で共振するダイポールアンテナとした例を示す図である。
【図7】第5の実施の形態の携帯電話機において、ダミーアンテナを板状アンテナとした例を示す図である。
【図8】第6の実施の形態の携帯電話機において、ダミーアンテナをモノポールアンテナとし、そのモノポールアンテナにキャパシタを直列に接続させた例を示す図である。
【図9】第7の実施の形態の携帯電話機において、ダミーアンテナに負荷量の異なる複数個の負荷インピーダンス素子を設けると共にその負荷インピーダンス素子を切り換える切換スイッチを設けた例を示す図である。
【図10】第8の実施の形態の携帯電話機において、ダミーアンテナにLEDを設けた例を示す図である。
【符号の説明】
1…携帯電話機
2…回路基板
3…第1のアンテナ(携帯電話機用のアンテナ)
4…第2のアンテナ(ICカード用のアンテナ)
5…第3のアンテナ(ダミーアンテナ)
8…負荷インピーダンス素子
9…フレキシブルプリントケーブル
11…キャパシタ
12…切換スイッチ
13…LED(発光ダイオード)
14…ショットキーダイオード
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線機器間の電波干渉を低減する通信端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、携帯電話機などの通信端末装置においては、基地局と通信を行うことによって電話機能やパケット通信機能を行う通信システム(以下、電話通信システムという)の他に、さらに別の通信システムを搭載して付加価値を高めようとする動きがある。例えば、2.5GHz帯を使用して近距離無線通信を行うブルートゥース(Bluetooth)機能を搭載した携帯電話機は、既に実用化されている。
【0003】
また、現在は、非接触式のICカードを定期券に内蔵させ、この定期券を改札口に設けたリーダ/ライタ装置にかざすことで改札口を通過可能とするICカード通信システムを、携帯電話機に搭載することが検討されている(特許文献1等参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−325122号公報(第3頁及び第4頁、第2図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ICカード通信システムを携帯電話機に搭載した場合には、電話通信システムとICカード通信システムとの間で電波干渉を起こし、電話通信システムの通信性能が低下する。
【0006】
ICカードで使用されるアンテナの共振周波数は、例えば13.56MHzであり、共振波長は約20mであるが、ICカード用アンテナは40×70mm程度のループを数回巻いたコイルで形成されているため、共振波長に対するアンテナのサイズは数%程度である。一方、電話通信システムは、数百MHzから数GHzの周波数帯域を使用するため、電話通信システム用アンテナの共振波長は、ICカード用アンテナよりも大幅に短い。よって、ICカード用アンテナは、電話通信システムに関して、一般にアンテナとして使用されるλ/4を越えるアンテナ長を有する。
【0007】
すなわち、ICカード用アンテナは、電話通信システム側から見ると充分大きなアンテナであるため、当該電話通信システムにおいて効率の良いアンテナとして動作してしまう。
【0008】
このため、携帯電話機内には、同じ周波数で共振するアンテナが二つ存在することになる。その結果、電話通信システムでは、アンテナ間の結合により電波干渉が大きくなって通信性能が低下する。
【0009】
そこで、本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、同一の端末内に設けた異なる無線機器間の干渉を低減し、良好な通信性能を確保することのできる通信端末装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、周波数が異なる信号を受信するためのアンテナをそれぞれ備えた少なくとも2つ以上の通信システムを搭載してなる通信端末装置である。この通信端末装置では、第1の周波数の信号を受信する第1のアンテナと、第2の周波数の信号を受信する第2のアンテナを有し、さらに、第2のアンテナの近傍に配置され、第1の周波数の信号を受信し、且つ負荷インピーダンス素子に終端された第3のアンテナとを備える。
【0011】
本発明の通信端末装置によれば、第3のアンテナは第1のアンテナと同じ第1の周波数の信号を受信して共振するため、第2のアンテナが放射する不要輻射は、この第3のアンテナで受信される。そして、この第3のアンテナが受信した不要輻射は、当該不要輻射を効率良く熱損に変換する負荷インピーダンス素子に当該第3のアンテナが接続されていることから、この第3のアンテナから再放射されることはない。このため、第1のアンテナは、第2のアンテナからの不要輻射の影響を受けることなく動作する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した通信端末装置の具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。本実施の形態は、本発明に係る通信端末装置を携帯電話機に適用すると共に、この携帯電話機にICカード通信システムと電話通信システムという異なった2つの通信システムを搭載した携帯電話機の例である。
【0013】
「第1の実施の形態」
図1は、本実施の形態の携帯電話機1を簡略化して示す概略的な図である。なお、図1は、携帯電話機1として備わる液晶表示装置、スピーカ、マイクなどの電子部品及び回路部品並びに外筐体などは図示を省略しており、回路基板上に形成された電話通信システムとICカード通信システムで使用するアンテナのみを図示してある。
【0014】
回路基板2には、基地局と通信を行うことによって電話機能やパケット通信機能を行う電話通信システムで使用される第1のアンテナ3と、ICカード通信システムで使用される第2のアンテナ4と、第1のアンテナ3と同じ周波数の信号を受信して共振(動作)するダミーアンテナとしての第3のアンテナ5とが設けられている。
【0015】
第1のアンテナ3は、例えば数百MHz(800MHz)から数GHz(1920〜2170MHz)の周波数(以下、第1の周波数という)の信号を受信して共振する携帯電話用のアンテナである。この第1のアンテナ3は、例えばモノポールアンテナであり、回路基板2から突出する先端部とは反対側の基端部に給電点6を有している。
【0016】
第2のアンテナ4は、例えば十数MHz(13.56MHz)の周波数(以下、第2の周波数という)の信号を受信して共振するICカード通信システムで使用されるループアンテナである。この第2のアンテナ4は、回路基板2上に細長い導体線を矩形状となるように複数回巻いて形成され、そのスパイラル形状とされたアンテナ部から導出された端部に給電点7を有している。かかる第2のアンテナ4は、例えば駅などの改札口に設けられたリーダ/ライタ装置と間で信号の送受信を行うアンテナであり、数cm程度の近距離にて非接触で通信を行うことができる。
【0017】
第3のアンテナ5は、第2のアンテナ4の近傍部に配置され、第1のアンテナ3と同じ第1の周波数の信号を受信して共振する。この第3のアンテナ5は、抵抗成分を含む負荷インピーダンス素子8に終端されている。具体的には、第3のアンテナ5は、モノポールアンテナとされ、第2のアンテナ4の長手方向に延びる両アンテナ部分4a,4bの外側に近接して設けられている。また、この第3のアンテナ5は、第1のアンテナ3よりも第2のアンテナ4に近接して設けられている。そして、この第3のアンテナ5の基端部には、回路基板2上に設けられた負荷インピーダンス素子8が接続されている。負荷インピーダンス素子8としては、例えばコイルなどが使用される。
【0018】
前記したように、従来、ICカード用アンテナは、電話通信システムにおいて効率の良いアンテナとして動作してしまうため、第2のアンテナ4が放射する不要輻射が電話通信システム用アンテナで受信され、その結果、電話通信システムにおける無線性能が劣化する。しかしながら、本実施の形態では、第2のアンテナ4の近傍に、第1のアンテナ3と同じ第1の周波数の信号を受信して共振する第3のアンテナ5を配置しているので、第2のアンテナ4が放射する不要輻射による電磁波は、当該第3のアンテナ5で吸収される。そして、この第3のアンテナ5には、抵抗成分を含む負荷インピーダンス素子8が接続されているため、この負荷インピーダンス素子8は、受信した不要輻射を効率良く熱損に変換し、当該第3のアンテナ5から不要輻射を再放射させない。
【0019】
また、ICカード用の第2のアンテナ4は、携帯電話機で使用する第1の周波数においては数波長の定在波が存在するため、第3のアンテナ5をλ/4ごとに配置することにより、より高い不要輻射低減効果が得られる。例えば、図2に電磁界シミュレーションを利用した70mm×40mmのICカード用アンテナ上における2GHz帯の磁界分布の計算結果を示す。この図2から判るように、磁界のピークが2点あることが確認でき(磁界分布線が密集した部分)、1波長程度の定在波が存在していることが判る。このため、矩形状とされた第2のアンテナ4の各辺に対応するアンテナ部分4a,4b,4c,4dの近傍に第3のアンテナ5をそれぞれ配置することで、定在波の大きさを効果的に小さくすることができる。
【0020】
また、本実施の形態の携帯電話機1による効果について、電磁界シミュレータを使用して確認した結果を図3に示す。図3中、縦軸はアンテナ間アイソレーション(単位:dB)を表し、横軸は周波数(単位:GHz)を表す。また、図3中A線はダミーアンテナ無しの場合、B線はダミーアンテナ有りの場合を表す。計算では、図1に示した構成をモデルとし、携帯電話機用のアンテナ(第1のアンテナ3)及びダミーアンテナ(第3のアンテナ5)の共振周波数を2GHzとした。また、ダミーアンテナに接続する負荷抵抗(負荷インピーダンス素子8)は50Ωとした。そして、携帯電話機用のアンテナとICカード用アンテナ(第2のアンテナ4)の結合の大きさを50Ω系の給電線路で接続した場合のアイソレーションを評価した。
【0021】
この図3から判るように、ダミーアンテナを設けた場合には、ダミーアンテナを設けない場合に比べてアイソレーションの値が小さいことが判る。このように、アイソレーションの値が小さい程、本発明の効果があるものと判断できる。2GHz帯において、ダミーアンテナの無い場合に比較してダミーアンテナを装着したモデルでは、周波数にもよるが最大10dB程度の低減効果があることが判る。また、ダミーアンテナの物理的長さ、形状、配置又は負荷インピーダンス素子8の最適化を行うことにより、任意の周波数で結合を小さくすることが可能である。
【0022】
「第2の実施の形態」
第2の実施の形態は、図4に示すように、ICカード用アンテナである第2のアンテナ4と、ダミーアンテナである第3のアンテナ5を、同一のフレキシブルプリントケーブル9に形成したものである。なお、第2の実施の形態では、第1の実施の形態の携帯電話機1と同一の構成部分については、同一の符号を付し、その説明は省略するものとする。
【0023】
この第2の実施の形態では、中央に開口10を有した矩形状をなす枠体として形成されるフレキシブルプリントケーブル9に、スパイラル形状の第2のアンテナ4と、第3のアンテナ5とを形成している。第3のアンテナ5は、第1の実施の形態と同様、第2のアンテナ4の長手方向に延びる両アンテナ部分4a,4bの外側に近接して設けられる。そして、この第3のアンテナ5は、フレキシブルプリントケーブル9に形成された負荷インピーダンス素子8に終端されている。なお、このフレキシブルプリントケーブル9は、携帯電話機1の筐体内に配置される。
【0024】
このように、第2のアンテナ4と第3のアンテナ5を同一のフレキシブルプリントケーブル9に形成すれば、部品点数の削減により、回路基板2上に電子部品や回路などを形成する実装効率を高めることができると共に、コストの削減も図ることができる。
【0025】
「第3の実施の形態」
第3の実施の形態は、負荷インピーダンス素子8に終端されたダミーアンテナの具体的な構成として、λ/4の電気長で共振するモノポールアンテナをダミーアンテナとしたものである。
【0026】
この第3の実施の形態における第3のアンテナ5は、図5に示すように、第1のアンテナ3の第1の周波数のλ/4の電気長とされており、給電部において負荷インピーダンス素子8に終端されている。このλ/4のアンテナは、回路基板2に形成される影像5aを使用して共振をするため、λ/2のアンテナに比べて小型化することができる。
【0027】
なお、この第3のアンテナ5は、モノポールアンテナの他に、板状アンテナ、ノッチアンテナであってもよい。
【0028】
「第4の実施の形態」
第4の実施の形態は、負荷インピーダンス素子8に終端されたダミーアンテナの具体的な構成として、λ/2又はλの電気長で共振するダイポールアンテナをダミーアンテナとしたものである。
【0029】
この第4の実施の形態における第3のアンテナ5は、図6に示すように、第1のアンテナ3の第1の周波数のλ/2又はλの電気長とされており、給電部において負荷インピーダンス素子8に終端されている。このλ/2又はλのアンテナは、回路基板2にできる影像に頼らずにアンテナが動作するため、基板形状や実装構成によらずに特性が安定する。
【0030】
なお、この第3のアンテナ5は、ダイポールアンテナの他に、ループアンテナ、スロットアンテナであってもよい。
【0031】
「第5の実施の形態」
第5の実施の形態は、負荷インピーダンス素子8に終端されたダミーアンテナの具体的な構成として、板状アンテナをダミーアンテナとしたものである。
【0032】
この第5の実施の形態における第3のアンテナ5は、図7に示すように、負荷インピーダンス素子8に終端された板状アンテナである。この他、ダミーアンテナとしては、板状アンテナの他に、ヘリカルアンテナ、メアンダアンテナ、櫛歯形状(ジグザグ)アンテナなどを使用することもできる。このように、第5の実施の形態によれば、アンテナの設計自由度が向上する。
【0033】
「第6の実施の形態」
第6の実施の形態は、負荷インピーダンス素子8に終端されたダミーアンテナの具体的な構成として、モノポールアンテナにキャパシタを直列に接続させた例である。
【0034】
この第6の実施の形態における第3のアンテナ5は、図8に示すように、負荷インピーダンス素子8に終端されたモノポールアンテナに、キャパシタ11を直列に接続させた構成としている。キャパシタ11は、通常、十数MHzで使用されるICカード用アンテナの周波数では高リアクタンスに、携帯電話機用のアンテナでは低リアクタンスになる値を選定している。
【0035】
このように、負荷インピーダンス素子8に終端された第3のアンテナ5にキャパシタ11を直列に接続すれば、ダミーアンテナとしての効果を損なうことなく、ICカード通信システムで使用される周波数ではダミーアンテナは回路基板2から切り離されるため、ICカード用アンテナとの電磁結合が低減し、当該ICカード用アンテナの調整を行うことが可能となる。
【0036】
「第7の実施の形態」
第7の実施の形態は、ダミーアンテナに接続された負荷インピーダンス素子8を複数設け、それら負荷インピーダンス素子8を切り換えることのできる切換手段を設けた例である。
【0037】
この第7の実施の形態における第3のアンテナ5は、図9に示すように、負荷量の異なる負荷インピーダンス素子8a,8bを2つ設けると共に、この負荷インピーダンス素子8a,8bを切り換えることのできる切換スイッチ12を有している。さらに、この第3のアンテナ5には、第6の実施の形態と同様、キャパシタ11が設けられている。
【0038】
この第7の実施の形態によれば、通信環境や端末内の実装によりダミーアンテナ(第3のアンテナ5)と携帯電話機用のアンテナ(第1のアンテナ3)の結合が増加した場合、携帯電話機用のアンテナがダミーアンテナによってその性能が低下する場合、切換スイッチ12に接続された負荷インピーダンス素子8a,8bの大きさを切り換えることによって、携帯電話機用のアンテナの性能劣化を低減することができる。
【0039】
「第8の実施の形態」
第8の実施の形態は、負荷インピーダンス素子8に終端されたダミーアンテナに発光ダイオード(LED)を設けた例である。
【0040】
この第8の実施の形態における第3のアンテナ5は、図10に示すように、2つのキャパシタ11a,11b間にLED13を設けると共に、このLED13のカソード側に負荷インピーダンス素子8を設け、さらにその負荷インピーダンス素子8の前にショットキーダイオード14を設けている。
【0041】
この第8の実施の形態によれば、ダミーアンテナである第3のアンテナ5に誘起された電流は、ショットキーダイオード14によって検波され、LED13を光らす。したがって、このLED13を携帯電話機1の視認性の良い箇所に設けることにより、ユーザは、このLED13の光によってICカード通信システムが通信したことを確認することができる。これまでは、ICカードによる通信がされたか否かは目視により判別することができなかったが、LED13を設けることによって視覚的に通信状態を確認することができる。
【0042】
以上、本発明を適用した具体的な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に制限されることなく種々の変更が可能である。
【0043】
上述の実施の形態では、携帯電話機を例に挙げて説明したが、本発明は携帯電話機に限定されることはなく、例えばハンドヘルドPCや通信機能を備えたPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯通信端末装置に本発明を適用しても同様の作用効果がある。
【0044】
また、上述の実施の形態では、電話通信システムとICカード通信システムを例にとり説明したが、これらに加えて位置測位システム(GPS)、近距離無線通信システム(Bluetooth)などのシステムを同一の通信端末装置に搭載してもよい。もちろん、これら異なる複数の通信システムが同一の通信端末装置に搭載された場合でも、それら通信システム間の干渉を低減することができ、それぞれの通信システムでの通信性能は充分確保することができる。
【0045】
【発明の効果】
本発明の通信端末装置によれば、第1のアンテナと同じ周波数の信号を受信し、且つ負荷インピーダンス素子に終端された第3のアンテナを、第2のアンテナの近傍に配置したので、第2のアンテナが放射する不要輻射をこの第3のアンテナが受信し、その不要輻射を負荷インピーダンス素子が効率良く熱損に変換し再放射を防止する。したがって、本発明の通信端末装置によれば、同一の端末内に設けた異なる無線機器間の干渉を低減することができ、良好な通信性能を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の携帯電話機を簡略化して示す概略的な図である。
【図2】第1の実施の形態の携帯電話機において、電磁界シミュレーションを利用したICカード用アンテナ上における2GHz帯の磁界分布の計算結果を示す図である。
【図3】第1の実施の形態の携帯電話機において、アンテナ間アイソレーションと周波数との関係を示す特性図である。
【図4】第2の実施の形態の携帯電話機において、第2のアンテナと第3のアンテナを同一のフレキシブルプリントケーブルに形成した例を示す平面図である。
【図5】第3の実施の形態の携帯電話機において、ダミーアンテナをλ/4の電気長で共振するモノポールアンテナとした例を示す図である。
【図6】第4の実施の形態の携帯電話機において、ダミーアンテナをλ/2又はλの電気長で共振するダイポールアンテナとした例を示す図である。
【図7】第5の実施の形態の携帯電話機において、ダミーアンテナを板状アンテナとした例を示す図である。
【図8】第6の実施の形態の携帯電話機において、ダミーアンテナをモノポールアンテナとし、そのモノポールアンテナにキャパシタを直列に接続させた例を示す図である。
【図9】第7の実施の形態の携帯電話機において、ダミーアンテナに負荷量の異なる複数個の負荷インピーダンス素子を設けると共にその負荷インピーダンス素子を切り換える切換スイッチを設けた例を示す図である。
【図10】第8の実施の形態の携帯電話機において、ダミーアンテナにLEDを設けた例を示す図である。
【符号の説明】
1…携帯電話機
2…回路基板
3…第1のアンテナ(携帯電話機用のアンテナ)
4…第2のアンテナ(ICカード用のアンテナ)
5…第3のアンテナ(ダミーアンテナ)
8…負荷インピーダンス素子
9…フレキシブルプリントケーブル
11…キャパシタ
12…切換スイッチ
13…LED(発光ダイオード)
14…ショットキーダイオード
Claims (7)
- 周波数が異なる信号を受信するためのアンテナをそれぞれ備えた少なくとも2つ以上の通信システムを搭載してなる通信端末装置において、
第1の周波数の信号を受信する第1のアンテナと、
前記第1の周波数とは異なる第2の周波数の信号を受信する第2のアンテナと、
前記第2のアンテナの近傍に配置され、前記第1のアンテナと同じ前記第1の周波数の信号を受信し、且つ負荷インピーダンス素子に終端された、第3のアンテナとを備えた
ことを特徴とする通信端末装置。 - 請求項1記載の通信端末装置であって、
前記第2のアンテナと前記第3のアンテナが同一のフレキシブルプリントケーブルに形成されている
ことを特徴とする通信端末装置。 - 請求項1記載の通信端末装置であって、
前記第3のアンテナは、前記第1の周波数のλ/4の電気長とされている
ことを特徴とする通信端末装置。 - 請求項1記載の通信端末装置であって、
前記第3のアンテナは、前記第1の周波数のλ/2又はλの電気長とされている
ことを特徴とする通信端末装置。 - 請求項1記載の通信端末装置であって、
前記第3のアンテナには、キャパシタが直列に接続されている
ことを特徴とする通信端末装置。 - 請求項1記載の通信端末装置であって、
前記負荷インピーダンス素子はそれぞれ負荷量が異なる複数個を有し、それら負荷量を切り換える切換手段を備えた
ことを特徴とする通信端末装置。 - 請求項1記載の通信端末装置であって、
前記第3のアンテナには、発光ダイオードが接続されている
ことを特徴とする通信端末装置。
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