JP2004297361A - 超伝導フィルタパッケージ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】収納する超伝導フィルタデバイス2のなかで大きさが最大の超伝導フィルタデバイス2に合わせてフィルタパッケージ1を作製し、フィルタパッケージ1の1つの側面に同軸コネクタ3−1、3−2を設けるとともに、当該側面内で同軸コネクタ3−1、3−2が移動可能なようにして、超伝導フィルタデバイス2の大きさに応じて同軸コネクタ3−1、3−2の固定位置を調整変更し、1つのフィルタパッケージ1で大きさが異なる種々の超伝導フィルタデバイス2を収納することができるようにする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超伝導フィルタデバイスを収納するための超伝導フィルタパッケージ、及び超伝導フィルタデバイスを有する超伝導フィルタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、無線通信、特に携帯電話の急激な普及発展に伴い、高速かつ大容量の伝送が可能な伝送技術が不可欠になってきている。超伝導体は、高周波領域においても通常の電気的良導体に比べて表面抵抗が非常に小さいので、超伝導体をマイクロストリップ型の超伝導フィルタとして用いた場合には、伝送による損失が小さく周波数遮断性に優れるという利点がある。
超伝導フィルタは、酸化物高温超伝導体の発見によって実用化に向けて検討が進み、冷却に対する要求については大幅に改善されたものの、実用化に対してはさらなる進展が望まれている。
【0003】
図6(A)、(B)は、従来の超伝導フィルタ装置の構成例を示す平面図である。図6(A)、(B)は、フィルタ段数がそれぞれ5段、9段のバンドパス超伝導フィルタを有する超伝導フィルタ装置である。
図6(A)、(B)に示した超伝導フィルタ装置は、金属製のフィルタパッケージ1、マイクロストリップ型の超伝導フィルタが形成された基板(以下、「超伝導フィルタデバイス」と称す。)2、同軸コネクタ3−1、3−2、及び固定用バネ4とを備え構成される。
【0004】
フィルタパッケージ1は、各面(上面、下面及び側面)が金属を用いて形成され、超伝導フィルタデバイス2を収納して固定用バネ4により固定する。フィルタパッケージ1の対向する側面には、同軸コネクタ3−1、3−2が螺子等でそれぞれ固定されている。また、フィルタパッケージ1は、収納する超伝導フィルタにて超伝導状態を実現するために、図示しない真空断熱容器内に設けられた冷却端に装着され、冷却端に接続されている冷却機等により冷却される。
【0005】
超伝導フィルタデバイス2は、信号を入出力する1組の給電線5と、その間に所定の間隔で配置され所定周波数帯域の周波数成分を共振させる複数の共振器6とを有する。給電線5及び共振器6は、リソグラフ等により誘電体基板上に形成した超伝導体からなるマイクロストリップラインで形成される。また、給電線5は、鉤状に形成されるとともにその一端に電極部7が設けられ、同軸コネクタ3−1、3−2のピン(中心導体)とワイヤ等により接合される。
【0006】
これにより、一方の同軸コネクタ3−1、3−2を介して外部から入力される信号は、超伝導フィルタにより所定周波数帯域外の周波数成分が遮断され、他方の同軸コネクタ3−1、3−2を介して外部に出力される。
ここで、超伝導フィルタデバイス2におけるフィルタ特性は、共振器の長さや配置間隔、共振器の数(フィルタ段数)等により変化し、例えばフィルタ段数を増加させることにより、周波数遮断特性が向上し信号の通過帯域が急峻にできる。例えば、図6(A)、(B)に示した超伝導フィルタ装置においては、図6(A)に示した超伝導フィルタ装置よりも図6(B)に示した超伝導フィルタ装置の信号の通過帯域が急峻になる。
【0007】
また、従来の超伝導フィルタ装置については、特許文献1〜特許文献3等に開示されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−264846号公報
【特許文献2】
特開平11−204844号公報
【特許文献3】
特開2002−134800号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図6(A)、(B)に示した従来の超伝導フィルタ装置においては、フィルタパッケージは収納する超伝導フィルタデバイスの大きさに合わせてその都度作製していた。また、マイクロストリップ型の超伝導フィルタデバイス2の大きさは、フィルタ段数の増加に伴い大きくなる。
【0010】
そのため、例えば3段、5段、9段等の異なるフィルタ段数の超伝導フィルタの中から、用途に適したフィルタ特性(周波数遮断特性等)が得られる超伝導フィルタの段数を決定しようとする場合には、フィルタ段数が異なる超伝導フィルタデバイス毎にフィルタパッケージをそれぞれ設計し作製しなければならなかった。
【0011】
つまり、マイクロストリップ型の超伝導フィルタを用いる場合には、各仕様(周波数、帯域幅、共振器の数等)に応じて超伝導フィルタデバイスの大きさが変わり、それを収納するためのフィルタパッケージの大きさも変化する。したがって、超伝導フィルタに合わせてフィルタパッケージを作製する従来の方法では、異なる超伝導フィルタを実験的に使用する際等に、フィルタパッケージの設計や製造(試作等も含む。)に係る工数やコストが増大し、多大な時間やコストを要してしまうという問題があった。
【0012】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、フィルタパッケージの大きさを変えることなく、大きさが異なる超伝導フィルタデバイスを収納できるようにすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の超伝導フィルタパッケージは、収納された超伝導フィルタに対して信号を入出力するための複数のコネクタを有し、複数のコネクタを超伝導フィルタパッケージの1つの側面に設けるとともに当該側面内にて移動可能にする。
本発明によれば、複数のコネクタを1つの側面内にて移動させ、収納する超伝導フィルタデバイスの大きさに応じてコネクタの位置を調整することができるようになり、1つの超伝導フィルタパッケージで大きさが異なる多種の超伝導フィルタデバイスを収納することができるようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1(A)、(B)は、本発明の実施形態による超伝導フィルタ装置の構成例を示す図であり、フィルタパッケージの上面側から見た(上面を取り除いた状態で)際の平面図を示している。図1(A)、(B)は、フィルタ段数が5段、9段のマイクロストリップ型の超伝導フィルタを収納した場合を一例としてそれぞれ示しているが、図1(A)、(B)において超伝導フィルタを収納するフィルタパッケージは同じものである。
【0015】
図1(A)、(B)に示すように本実施形態による超伝導フィルタ装置は、金属製のフィルタパッケージ1、超伝導フィルタが形成された基板(以下、「超伝導フィルタデバイス」と称す。)2、同軸コネクタ3−1、3−2、及び固定用バネ4とを備え構成される。
【0016】
フィルタパッケージ1は、例えばコバール及びインバー等の熱膨張率が低い金属、または例えばアルミニウム、アルミニウム合金、銅及び銅合金等の熱容量が小さい金属を用いて各面(上面、下面及び側面)が構成される。フィルタパッケージ1は、例えば最大段数と想定される超伝導フィルタデバイス2の大きさに合わせて設計、作製する。
【0017】
フィルタパッケージ1の1つの側面は、同軸コネクタ3−1、3−2を移動(スライド)させて固定位置を調整するためのスリット状の長孔11を有する。スリット状の長孔11は、超伝導フィルタデバイス2を収納した際に、その基板表面(基板の面内方向)と略平行になるように設けられる。
【0018】
また、フィルタパッケージ1は、収納する超伝導フィルタにて超伝導状態を実現するために、図示しない真空断熱容器内に設けられた冷却端に装着され、冷却端に接続されている冷却機等により冷却される。
【0019】
超伝導フィルタデバイス2は、1組(2つ)の給電線5と複数の共振器6とを基板表面に有し、給電線5及び共振器6は、誘電体基板上にリソグラフ等により形成した超伝導体(超伝導膜)からなるマイクロストリップラインでそれぞれ形成される。また、超伝導フィルタデバイス2の基板裏面には、誘電体基板に対して超伝導体層、グランド電極が積層されたグランド面が形成されている。
【0020】
給電線5は、信号を入出力するためのものであり、例えば直線状のラインパターンである。給電線5の一端には、同軸コネクタ3−1、3−2のピン(中心導体)と接合するための電極部7がそれぞれ設けられ、本実施形態では電極部7は超伝導フィルタデバイス2の基板の1つの辺側に配置される。共振器6は、所定周波数帯域の周波数成分を共振させるためのものであり、1組の給電線5の間に所定の間隔で給電線5が伸びる方向に垂直に配列される。
【0021】
同軸コネクタ3−1、3−2は、同軸ケーブルが接続され、フィルタパッケージ1の外部と超伝導フィルタデバイス2との間で信号を入出力する。同軸コネクタ3−1、3−2は、スリット状の長孔11によりそれぞれ移動可能になっており、収納される超伝導フィルタデバイス2の大きさ(給電線5の電極部7の位置)に応じて位置を調整した後、止め螺子12で固定する。
【0022】
固定用バネ4は、超伝導フィルタデバイス2のグランド面がフィルタパッケージ1に接触するようにして、超伝導フィルタデバイス2をフィルタパッケージ1に固定するためのものである。
【0023】
フィルタパッケージ1に超伝導フィルタデバイス2を収納する際には、超伝導フィルタデバイス2における基板が、フィルタパッケージ1の上面及び下面に対向するとともに、給電線5の電極部7が、スリット状の長孔11を有する側面側になるように収納する。そして、給電線5の電極部7の位置に合わせて同軸コネクタ3−1、3−2の位置を調整した後、止め螺子で固定し、同軸コネクタ3−1、3−2のピン(中心導体)と給電線5の電極部7とをワイヤにより接合する(ワイヤボンディングする)。
【0024】
図2は、図1に示した超伝導フィルタ装置のA矢視図である。図2において、図1に示した構成要素等と同一の構成要素等には同一の符号を付している。図2に示すように本実施形態の超伝導フィルタ装置は、同軸コネクタ3−1のピン(中心導体)13が、フィルタパッケージ1の1つの側面に設けられたスリット状の長孔11により任意の位置に移動可能な構造を有する。14はテフロン(R)等の絶縁体である。なお、同軸コネクタ3−2についても同様である。
【0025】
図3は、図1に示した超伝導フィルタ装置のB−B断面図である。図3において、図1及び図2に示した構成要素等と同一の構成要素等には同一の符号を付している。
図3において、15は超伝導フィルタデバイス2における誘電体基板である。
【0026】
誘電体基板15の裏面には、超伝導体層16、グランド電極17が形成されている。グランド電極17は、フィルタパッケージ1に接しており、フィルタパッケージ1より基準電位が供給される。また、誘電体基板15の表面には、所定ラインパターンの給電線5と、その一端側に電極部7が形成されている。そして、電極部7と同軸コネクタ3−1のピン(中心導体)13がワイヤ18により接合される。なお、同軸コネクタ3−2についても同様である。
【0027】
本発明の実装例として、超伝導フィルタデバイス2を模したランタンアルミネート基板を用いて、図1に示した超伝導フィルタ装置について以下の方法で行う。ランタンアルミネート基板上の所定領域に同軸コネクタ3−1、3−2との接合用の電極部としてAu(金)〔200nm〕/Ni(ニッケル)〔300nm〕/Ti(チタン)〔100nm〕を蒸着法で形成する。基板の大きさを変えて行うために、2種類の大きさの基板を用意し、縦の長さは双方とも30mmで、横の長さは20mmと50mmとする。なお、基板の厚さは約0.5mmとする。
【0028】
まず、図1(B)に示すように大きい基板(縦30mm、横50mm)を固定用バネ4によりコバールを用いて作製したフィルタパッケージ1に固定する。同軸コネクタ3−1、3−2のピン(中心導体)13が基板の端からそれぞれ約5mmの位置になるように同軸コネクタ3−1、3−2を移動させて固定する。その後、フィルタパッケージ1を80℃に予熱して、表面が金の同軸コネクタ3−1、3−2のピン(中心導体)と電極部とをワイヤにより十分な接合が行われる。
【0029】
次に、図1(A)に示すように小さい基板(縦30mm、横20mm)をコバール製のフィルタパッケージ1に固定用バネ4により固定し、同軸コネクタ3−1、3−2のピン(中心導体)13が基板の端からそれぞれ約5mmの位置になるように同軸コネクタ3−1、3−2を移動させて固定する。大きい基板と同様に、同軸コネクタ3−1、3−2のピン(中心導体)と電極部とをワイヤにより接合し、十分な接合が行われる。
【0030】
ここで、図1に示した超伝導フィルタ装置に高周波信号を入力すると仮定すると、フィルタパッケージ1に設けたスリット状の長孔11において同軸コネクタ3−1、3−2を固定しない部分は、外部空間に対して開いた状態である。したがって、外部からの高周波信号(高周波ノイズ)を遮断することができず、超伝導フィルタデバイス2の特性に影響を及ぼすおそれがある。
【0031】
そこで、本実施形態では同軸コネクタ3−1、3−2のピン(中心導体)に対応する部分にのみ孔を設けた遮蔽板をスリット状の長孔11を有するフィルタパッケージ1の側面に密着した状態で固定する。これにより、フィルタパッケージ1を密閉し、外部からの高周波ノイズを遮断する。
【0032】
図4(A)、(B)は、本実施形態における遮蔽板の構造を説明するための図である。
図4(A)に示すように、遮蔽板20は、同軸コネクタ3−1、3−2のピン(中心導体)に対応する部分に孔21を有する。遮蔽板20は、例えば銅、アルミニウム、金、銀、金メッキ板、銀メッキ板等の材料を用いて作製する。なお、遮蔽板20は、収納する超伝導フィルタデバイス2毎にそれぞれ作製する。そして、図4(B)の断面図に示すように、収納する超伝導フィルタデバイス2に対応した遮蔽板20をスリット状の長孔11を有するフィルタパッケージ1の側面に密着した状態で固定する。これにより外部からの高周波ノイズを遮断することができる。なお、図4(B)においては、収納される超伝導フィルタデバイス2については、説明をわかり易くするために図示していない。
【0033】
以上、説明したように本実施形態によれば、収納する超伝導フィルタデバイス2のなかで大きさが最も大きい超伝導フィルタデバイス2を想定してフィルタパッケージ1を作製する。さらに、フィルタパッケージ1の1つの側面にスリット状の長孔11を設け、当該側面に同軸コネクタ3−1、3−2を設ける。また、給電線5の電極部7が基板の1つの辺側(フィルタパッケージ1の1つの側面側)になるように超伝導フィルタデバイス2を構成する。
【0034】
これにより、超伝導フィルタデバイス2の大きさに応じて、スリット状の長孔11により同軸コネクタ3−1、3−2を移動させ、固定位置を調整変更することができる。したがって、1つのフィルタパッケージ1で大きさが異なる種々の超伝導フィルタデバイス2に対応し実装(収納)することができる。例えば大きさが異なる超伝導フィルタデバイス2を利用する際、フィルタパッケージ1の設計や製造に係る工数及びコストを低減することができる。
【0035】
また、従来の超伝導フィルタ装置においては、超伝導フィルタデバイス2が収納されたフィルタパッケージ1を冷却するための冷却端及び冷却機を含む冷却系装置側においてもフィルタパッケージ1の形状(特に大きさ)に合わせた加工等が必要であった。しかし、本実施形態によれば、収納する超伝導フィルタデバイス2にかかわらずフィルタパッケージ1の形状が統一されるので、冷却系装置側にてフィルタパッケージ1の実装方法を変更する必要がなくコストを低減することができるとともに、安定した冷却が可能になる。
【0036】
図5(A)、(B)は、本発明の実施形態による超伝導フィルタ装置の他の構成例の要部を示す図である。図5において、図1に示した構成要素等と同一の構成要素等には同一の符号を付している。なお、図5(A)、(B)においては、説明をわかり易くするために超伝導フィルタデバイス2は図示していない。
【0037】
図5(A)、(B)に示す超伝導フィルタ装置は、フィルタパッケージ1の1つの側面にスリット状の長孔11を設けずに、同軸コネクタ3−1、3−2の取り付け用の孔(以下、「取り付け孔」と称す。)を複数設けたものであり、収納する超伝導フィルタデバイス2の種類(基板の大きさの種類)が予め決定されているときに適している。
【0038】
すなわち、フィルタパッケージ1に収納すると想定されるすべての超伝導フィルタデバイス2での同軸コネクタ3−1、3−2の固定位置に取り付け孔を設ける。ここで、取り付け孔は、同軸コネクタ3−1、3−2のピン(中心導体)用の孔だけでなく、同軸コネクタ3−1、3−2を固定するための止め螺子用の孔を含む。
【0039】
例えば、予め決定されている超伝導フィルタデバイス2が大きさの異なる2種類の場合には、図5(A)に示すようにフィルタパッケージ1の1つの側面に2組の取り付け孔を設ける。
基板の大きさが小さい超伝導フィルタデバイス2の場合には、図5(A)に示すように、同軸コネクタ3−1、3−2を止め螺子12で固定する。使用しない他の取り付け孔については、同軸コネクタ3−1、3−2と同様の形状の導体21を止め螺子22で固定することにより高周波信号を遮断する。
同様に、基板の大きさが大きい超伝導フィルタデバイス2の場合には、図5(A)における同軸コネクタ3−1、3−2と導体21とを入れ替えて固定する。
【0040】
これにより、高周波ノイズによる超伝導フィルタデバイス2の特性に及ぼす影響を小さくすることができる。また、超伝導フィルタデバイス2毎に遮蔽板等を作製する必要がないのでコスト等を低減することができる。なお、図5(B)は、図5(A)に示す超伝導フィルタ装置のA’矢視図である。
なお、使用しない他の取り付け孔に固定する導体は、同軸コネクタ3−1、3−2と同様の形状に限らず、取り付け孔を封ずることができれば任意の形状の導体で良い。
【0041】
なお、上記実施形態では、フィルタパッケージ1の1つの側面に設ける同軸コネクタ3−1、3−2の双方を移動可能なようにしているが、一方の同軸コネクタ3−1、3−2を固定し、他方の同軸コネクタ3−1、3−2のみをスリット状の長孔11や取り付け孔等により移動可能にするようにしても良い。
【0042】
また、上記実施形態では、超伝導フィルタデバイス2における給電線5の電極部7と同軸コネクタ3−1、3−2のピン(中心導体)13との接合方法として、ワイヤボンディングを一例として示したが、テープボンディングやはんだ接合等であっても良く、電極部7とピン(中心導体)13とを良好に接合することができる。
【0043】
また、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
本発明の諸態様を付記として以下に示す。
【0044】
(付記1)上面、下面及び側面からなり、超伝導フィルタが形成された基板を上記上面及び下面に対向するように収納する超伝導フィルタパッケージであって、
上記超伝導フィルタに対して信号を入出力するための複数のコネクタを有し、
上記複数のコネクタを1つの上記側面に設けるとともに、当該側面内にて移動可能にしたことを特徴とする超伝導フィルタパッケージ。
(付記2)上記複数のコネクタは、上記基板の上記超伝導フィルタが形成された面と略平行に移動可能であることを特徴とする付記1に記載の超伝導フィルタパッケージ。
(付記3)上記超伝導フィルタにおける給電線の電極部が、上記基板の上記超伝導フィルタが形成された面の1つの辺側に配置されていることを特徴とする付記1又は2に記載の超伝導フィルタパッケージ。
(付記4)上記超伝導フィルタは、上記基板の上記超伝導フィルタが形成された面の1つの辺側に電極部を有する2つの給電線と、
上記2つの給電線の間に、所定の間隔で当該給電線が伸びる方向に垂直に配列された複数の共振器とを有することを特徴とする付記1又は2に記載の超伝導フィルタパッケージ。
(付記5)上記複数のコネクタを設ける上記側面に、上記コネクタを移動させるためのスリット状の長孔を設けたことを特徴とする付記1〜4の何れか1項に記載の超伝導フィルタパッケージ。
(付記6)上記スリット状の長孔により上記コネクタを所望の位置に移動させ、上記コネクタを止め螺子で固定することを特徴とする付記5に記載の超伝導フィルタパッケージ。
(付記7)上記複数のコネクタを設ける上記側面に密着した遮蔽板をさらに有し、
上記遮蔽板は上記コネクタの中心導体に対応する部分に孔を有することを特徴とする付記5又は6に記載の超伝導フィルタパッケージ。
(付記8)上記遮蔽板は、銅、アルミニウム、金、銀、金メッキ板及び銀メッキ板の何れかの材料からなることを特徴とする付記7に記載の超伝導フィルタパッケージ。
(付記9)上記複数のコネクタを設ける上記側面に、上記コネクタの取り付け孔を複数設けたことを特徴とする付記1〜4の何れか1項に記載の超伝導フィルタパッケージ。
(付記10)任意の上記取り付け孔に上記コネクタを取り付け、上記コネクタを止め螺子で固定することを特徴とする付記9に記載の超伝導フィルタパッケージ。
(付記11)上記コネクタを取り付けた取り付け孔とは異なるすべての上記取り付け孔は導体により封ずることを特徴とする付記9又は10に記載の超伝導フィルタパッケージ。
(付記12)上記超伝導フィルタの電極部と上記コネクタの中心導体との接合は、ワイヤ又はテープを用いたボンディング接合であることを特徴とする付記1〜11の何れか1項に記載の超伝導フィルタパッケージ。
(付記13)上記超伝導フィルタパッケージは、コバール、インバー、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金の何れかの材料からなることを特徴とする付記1〜12の何れか1項に記載の超伝導フィルタパッケージ。
(付記14)上面、下面及び側面からなる超伝導フィルタパッケージと、
上記上面及び下面に対向するように上記超伝導フィルタパッケージ内に収納された基板に形成された超伝導フィルタと、
上記超伝導フィルタに対して信号を入出力するための複数のコネクタとを有し、
上記複数のコネクタを1つの上記側面に設けるとともに、当該側面内にて移動可能にしたことを特徴とする超伝導フィルタ装置。
(付記15)上記複数のコネクタを設ける上記側面に、上記コネクタを移動させるためのスリット状の長孔を有することを特徴とする付記14に記載の超伝導フィルタ装置。
(付記16)上記複数のコネクタを設ける上記側面に、上記コネクタの取り付け孔を複数有することを特徴とする付記14に記載の超伝導フィルタ装置。
【0045】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、超伝導フィルタに対して信号を入出力するための複数のコネクタを超伝導フィルタパッケージの1つの側面に設け、さらに当該側面内にて移動可能にする。これにより、収納する超伝導フィルタデバイスの大きさに応じて複数のコネクタを1つの側面内にて移動させて、コネクタの固定位置を適切に調整することができ、1つの超伝導フィルタパッケージで大きさが異なる多種の超伝導フィルタデバイスを収納することができる。したがって、超伝導フィルタパッケージの設計や製造に要する時間及びコストを低減することができる。また、超伝導フィルタパッケージの形状、特に大きさが統一されるので、超伝導フィルタパッケージの冷却機への実装方法を変更することがなく、安定した冷却が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による超伝導フィルタ装置の構成例を示す図である。
【図2】図1に示す超伝導フィルタ装置のA矢視図である。
【図3】図1に示す超伝導フィルタ装置のB−B断面図である。
【図4】本実施形態における遮蔽板の構造を説明するための図である。
【図5】本発明の実施形態による超伝導フィルタ装置の他の構成例の要部を示す図である。
【図6】従来の超伝導フィルタ装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 フィルタパッケージ
2 超伝導フィルタデバイス
3−1、3−2 同軸コネクタ
4 固定用バネ
5 給電線
6 共振器
7 電極部
Claims (5)
- 上面、下面及び側面からなり、超伝導フィルタが形成された基板を上記上面及び下面に対向するように収納する超伝導フィルタパッケージであって、
上記超伝導フィルタに対して信号を入出力するための複数のコネクタを有し、
上記複数のコネクタを1つの上記側面に設けるとともに、当該側面内にて移動可能にしたことを特徴とする超伝導フィルタパッケージ。 - 上記複数のコネクタは、上記基板の上記超伝導フィルタが形成された面と略平行に移動可能であることを特徴とする請求項1に記載の超伝導フィルタパッケージ。
- 上記超伝導フィルタにおける給電線の電極部が、上記基板の上記超伝導フィルタが形成された面の1つの辺側に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の超伝導フィルタパッケージ。
- 上記複数のコネクタを設ける上記側面に、上記コネクタを移動させるためのスリット状の長孔を設けたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の超伝導フィルタパッケージ。
- 上記複数のコネクタを設ける上記側面に密着した遮蔽板をさらに有し、
上記遮蔽板は上記コネクタの中心導体に対応する部分に孔を有することを特徴とする請求項4に記載の超伝導フィルタパッケージ。
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