JP2004297265A - パケット伝送システム - Google Patents
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Abstract
【課題】ネットワーク回線を使ったデータ伝送では、伝送路上のパケット紛失やパケット到着時間の変動、到着間隔の揺らぎなどの伝送品質の劣化が生じ、ネットワークの構成が複雑になるほど顕著に現われ、実用上大きな問題となる。
【解決手段】パケット化されたデータを送信する送信部と、上記パケット化されたデータが入力され、複数の伝送ルートを選択するルータ部を含む伝送路と、上記伝送路からのデータを受信する受信部および時刻情報発生部とからなり、上記時刻情報発生部からの時刻情報は、上記送信部および上記ルータ部に供給され、上記ルータ部は、受信したデータの遅れ時間を検出し、上記遅れ時間に応じて上記複数の伝送ルートのうちの1つの伝送ルートを選択するように構成される。
【選択図】図1
【解決手段】パケット化されたデータを送信する送信部と、上記パケット化されたデータが入力され、複数の伝送ルートを選択するルータ部を含む伝送路と、上記伝送路からのデータを受信する受信部および時刻情報発生部とからなり、上記時刻情報発生部からの時刻情報は、上記送信部および上記ルータ部に供給され、上記ルータ部は、受信したデータの遅れ時間を検出し、上記遅れ時間に応じて上記複数の伝送ルートのうちの1つの伝送ルートを選択するように構成される。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パケット伝送システムに関し、特に、送信ホストから送信したIPパケットをルータがパケット単位で適切なルートを選択し、伝送遅延を抑えながら目的の受信ホストに伝送するパケット伝送システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ネットワーク回線を使ったデータ伝送では、通信プロトコルの規約にしたがってIP(Internet Protocol)パケットと呼ばれるパケット単位にデータを分割して伝送する。具体的なネットワーク回線としては、無線LAN(Local Area Network)、電話回線、ATM(Asynchronous Transfer Mode)回線などがある。これらのネットワーク回線は、1つの伝送路を複数のユーザが共有して利用するため、利用するユーザの数により1ユーザーあたりの伝送帯域が変化する。このため、送信パケットが100%相手に届く保証はなく、パケット損失があることを前提としたベスト・エフォート型の通信となっている。
【0003】
図3は、従来UDP(User Datagram Protocol)/IPプロトコルを用いるIPパケット伝送システムの概略構成図を示す。リアルタイムで映像データや音声データを伝送する場合、UDP/IPプロトコルは、データ紛失の際の再送制御がないことが大きな特徴で、遅延が大きな問題となるリアルタイムでのデータ伝送で使われている。図3において、送信ホスト31の符号化処理部32で映像データや音声データを圧縮符号化し、パケット転送に適した長さのブロックに分割、所謂、パケット化する。RTP(Real Time Transport Protocol)送信処理部33において、パケット化したデータにRTPヘッダを付加する。このRTPヘッダには、受信ホスト31で送受信の際の同期再生が行なえるようにするために基準となるクロック周波数でカウントアップしたタイムスタンプ値等の時間情報が含められている。
【0004】
更に、トランスポート層34において、パケットを順序だてて宛先に送信できるようにするために、送信元ポート番号、宛先ポート番号等の情報を含むUDPヘッダを付加し、下位層のネットワーク層35で受け取ったデータに送信元IPアドレス、宛先IPアドレス情報を含むIPヘッダを付加し、ネットワーク回線36にパケット▲1▼▲2▼〜▲5▼で示すように一定間隔で送出している。ネットワーク回線36には、複数のルータ37〜41が網目のように接続されており、各ルータ37〜41は、混雑状況に応じてIPパケットが経由するネットワーク回線のルートを変えて目的の受信ホストにIPパケットを送っている。その結果、IPパケットは、ネットワークの回線状況に依存して複数のルータを経由しながら目的の受信ホストに送られることになる。
【0005】
一方、受信ホスト42では、ネットワーク層43、トランスポート層44、RTPヘッダ処理部45でそれぞれ送信ホスト31側で付加されたIPヘッダ、UDPヘッダ、RTPヘッダを削除して本来のデータだけを抽出し符号再生処理部46で映像データあるいは音声データを復号再生している。
【0006】
ネットワーク回線36を使ったデータ伝送は、回線を利用するユーザの増減により1ユーザーあたりの伝送帯域が変化することに加えて、経由するネットワーク回線の構成が複雑になるとパケット紛失やパケット到着時間の変動、到着間隔の揺らぎ(ジッタ)などが生じるため、送信ホストで送信されたIPパケット▲1▼▲2▼〜▲5▼がルータ37に到達するときには、IPパケットは、図3に示すように▲1▼▲5▼▲3▼▲4▼▲2▼のような順序となり、各パケットが必ずしも同一の時間で伝送されるとは限らないことが一般的に知られている。このため、ネットワーク回線上の各ルータは特定のIPアドレスやUDPのポート番号に優先順位(プライオリティ)をつけてデータタイプにあわせて優先順位をIPパケットにつけて処理を行なったり、通信の目的ごとに必要な帯域などのリソースをあらかじめルータに割り当てておくRSVP(Resource Reservation Protocol)を利用して、受け取ったパケットの処理による遅延を抑え、映像や音声データの伝送遅延を抑えるようにしている。
【0007】
【特許文献】
特に、見当たらない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
伝送品質の劣化は、ネットワーク上のパケット紛失やパケット到着時間の変動、到着間隔の揺らぎ(ジッタ)などにより生じるが、これらは、経由するネットワークの構成が複雑になるほど顕著に現われ、実用上大きな問題となる。
【0009】
本発明の目的は、伝送品質の低下を引き起こすIPパケット到着時間の遅延を改善することのできるパケット伝送システムを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のパケット伝送システムは、パケット化されたデータを送信する送信部と、上記パケット化されたデータが入力され、複数の伝送ルートを選択するルータ部を含む伝送路と、上記伝送路からのデータを受信する受信部および時刻情報発生部とからなり、上記時刻情報発生部からの時刻情報は、上記送信部および上記ルータ部に供給され、上記ルータ部は、受信したデータの遅れ時間を検出し、上記遅れ時間に応じて上記複数の伝送ルートのうちの1つの伝送ルートを選択するように構成される。
【0011】
また、本発明のパケット伝送システムにおいて、上記ルータは、時刻比較部と、複数の閾値設定部および上記伝送ルート切り替え部とを有し、上記パケット化されたデータの遅れ時間と上記閾値設定部の閾値との比較結果に基いて上記伝送ルートを選択するように構成される。
【0012】
【発明の実施の形態】
前述したようにIPパケット伝送システムにおいて、リアルタイムの伝送におけるIPパケットは、IPヘッダ、UDPヘッダ、RTPヘッダ、データから構成される。本発明は、これらのうち、RTPパケットには、送信端末と受信端末とで互いに同期が取れるように送信端末でIPパケットの送信時刻情報を示すタイムスタンプ値を付加するように構成される。
【0013】
具体的には、例えば、G.723,G.729等の音声データは8KHzで、H.261、H.263等の映像データは90KHzと基準周波数でカウントアップしたカウンタ値を伝送するために長さ32ビットのフィールドが定義されている。
【0014】
そこで、本発明では、この32ビットフィールドに送信端末から送られるパケットが受信ホスト42から受信端末に送出される時の絶対時刻情報を記述するようにする。更に、ネットワークに接続している各ルータは、所定の処理により送受ホストと共通の絶対時刻で動作するように同期化する制御をする。これによりIPパケットがルータに到着したらRTPヘッダに記録されている絶対時刻情報と到着時点での絶対時刻との差から、送信ホストからルータに届くまでの累積伝播時間を算出し、累積伝播時間がある閾値以上になったら特定の伝送ルートにIPパケットを切り替えるようにする。これによって映像や音声データの伝送遅延を抑えることが可能となる。
【0015】
図1は、本発明の一実施例を示す図である。なお、図3と同じものには、同じ符号が付されている。10は、時刻情報発生器であり、その時刻情報は、送信ホスト31、ルータ37〜ルータ41のそれぞれのルータに供給されるように構成されている。図1において、例えば、送信ホスト31から受信ホスト42にデータ伝送するとする。まず送信ホスト31の符号化処理部32で符号化、データをパケット化し、各パケットに分割する。パケット化されてできたパケットは、RTP処理部33でパケット化時の時刻を時刻情報発生器10から時刻情報として供給され、RTPヘッダの所定フィールドにその時刻情報を付加する。さらにトランスポート層34において、パケットを順序だてて宛先に送信できるようにするために、送信元ポート番号、宛先ポート番号等の情報を含むUDPヘッダが付加される。下位層のネットワーク層35では、受け取ったデータに送信元IPアドレス、宛先IPアドレス情報を含むIPヘッダを付加し、これらIPパケット▲1▼▲2▼〜▲5▼をネットワーク回線36に一定間隔(▲1▼→▲2▼→▲3▼→▲4▼→▲5▼)で送出する。
【0016】
ところがネットワーク回線36の伝送路や各ルータを経由している間にこれらのパケットの順序が入れ替わりルータ37には、(▲1▼→▲5▼→→▲3▼→▲4▼→→▲2▼)のように到着順序が変更されたり、到着時間が一定間隔でなくなったIPパケットが供給される。
【0017】
図2は、本発明に使用されるルータの一実施例を示すブロック図である。なお、各ルータ37〜41は、全て同じような構成であるため、ここではルータ37について説明する。ルータ37では、時刻比較部21にて各パケットのRTPヘッダに付加されてきた時刻情報と時刻情報発生器10から入力される到着時の時刻を比較して時刻差分を検出する。さらに、この時刻差分とあらかじめ設定しておいた閾値設定部22および23の閾値1および閾値2を比較部24および比較部25にて比較し、この結果をルート切り替え部26およびルート切り替え部27の制御信号とする。
【0018】
例えば IPパケットを(▲1▼→▲5▼→→▲3▼→▲4▼→→▲2▼)のような順序でルータ37が受け取った場合には、ルータ37は、送信ホストでのパケット化時の絶対時刻情報と到着時の時刻情報発生器10からの時刻とから、IPパケット▲2▼が伝送遅延気味であると認識できる。従って、IPパケット▲2▼にプライオリティをつけてルータ37から後段のルートを、通常のルート、例えば、ルートAではなくルータ38、ルータ39をバイパスするような遅延補正ルート、例えば、ルートCに伝送ルート切り替える。このように各ルータでそれぞれのIPパケットの到着時刻を監視し、遅延の程度に応じてそのルータ以降の伝送ルートを選択する。従って、閾値設定部22および23の閾値1および閾値2は、IPパケットの遅れ時間に応じてルートを選択するための閾値を設定するもので、パケット伝送システムの構築時、あるいは運用時に適宜定めることができる。
【0019】
この結果、映像および音声データを分割してパケット化されたIPパケットが、ほぼ一定間隔で受信ホスト42に到着し、伝送遅延を抑えることできる。受信ホスト42では、受け取ったIPパケットをネットワーク層43、トランスポート層44、RTPヘッダ処理部45でそれぞれ送信側で付加されてきたIPヘッダ、UDPヘッダ、RTPヘッダを削除し、本来のデータだけを抽出し、復号再生処理部46で映像データあるいは音声データを復号再生する。
【0020】
以上説明したように各ルータは、パケット化時の絶対時刻情報と到着時の時刻とから、伝送遅延気味のIPパケットを認識し、受信ホストに繋がるルートをパケットの累積伝送遅延に合わせて選択、変更し、ネットワーク経由時のデータパケット伝送遅延を抑える事ができる。また、累積伝送遅延によりルート毎に流れるIPパケットに通過制約を課すことができるため、各ルートの帯域幅を任意に設定できネットワークの輻輳を押さえることができる。
【0021】
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は、ここに記載されたパケット伝送システムの実施例に限定されるものではなく、上記以外のパケット伝送システムに広く適応することが出来ることは、言うまでも無い。
【0022】
【発明の効果】
パケット化時の絶対時刻情報と到着時の時刻とから、ルータは伝送遅延気味のIPパケットを認識し、受信ホストに繋がるルートをパケットの累積伝送遅延に合わせて選択、変更しネットワーク経由時のデータパケット伝送遅延を抑える事ができる。また、累積伝送遅延によりルート毎に流れるIPパケットに対して通過制約を課すことができるため、ネットワークの状況にあわせて各ルートの帯域幅も調整でき、ネットワークの輻輳を押さえることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を説明するためのブロック図を示す。
【図2】本発明に使用されるルータの一実施例のブロック図を示す。
【図3】従来のパケット伝送システムの一例を示すブロック構成図である。
【符号の説明】
10:時刻情報発生器、21:時刻比較部、22、23:閾値設定部、24、25:比較部、26、27:切り替え部、31:送信ホスト、32:符号化処理部、33、45:RTP処理部、34:トランスポート層、34、43:ネットワーク層、36、44:ネットワーク、37、38、39、40、41:ルータ、42:受信ホスト、46:復号再生処理部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、パケット伝送システムに関し、特に、送信ホストから送信したIPパケットをルータがパケット単位で適切なルートを選択し、伝送遅延を抑えながら目的の受信ホストに伝送するパケット伝送システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ネットワーク回線を使ったデータ伝送では、通信プロトコルの規約にしたがってIP(Internet Protocol)パケットと呼ばれるパケット単位にデータを分割して伝送する。具体的なネットワーク回線としては、無線LAN(Local Area Network)、電話回線、ATM(Asynchronous Transfer Mode)回線などがある。これらのネットワーク回線は、1つの伝送路を複数のユーザが共有して利用するため、利用するユーザの数により1ユーザーあたりの伝送帯域が変化する。このため、送信パケットが100%相手に届く保証はなく、パケット損失があることを前提としたベスト・エフォート型の通信となっている。
【0003】
図3は、従来UDP(User Datagram Protocol)/IPプロトコルを用いるIPパケット伝送システムの概略構成図を示す。リアルタイムで映像データや音声データを伝送する場合、UDP/IPプロトコルは、データ紛失の際の再送制御がないことが大きな特徴で、遅延が大きな問題となるリアルタイムでのデータ伝送で使われている。図3において、送信ホスト31の符号化処理部32で映像データや音声データを圧縮符号化し、パケット転送に適した長さのブロックに分割、所謂、パケット化する。RTP(Real Time Transport Protocol)送信処理部33において、パケット化したデータにRTPヘッダを付加する。このRTPヘッダには、受信ホスト31で送受信の際の同期再生が行なえるようにするために基準となるクロック周波数でカウントアップしたタイムスタンプ値等の時間情報が含められている。
【0004】
更に、トランスポート層34において、パケットを順序だてて宛先に送信できるようにするために、送信元ポート番号、宛先ポート番号等の情報を含むUDPヘッダを付加し、下位層のネットワーク層35で受け取ったデータに送信元IPアドレス、宛先IPアドレス情報を含むIPヘッダを付加し、ネットワーク回線36にパケット▲1▼▲2▼〜▲5▼で示すように一定間隔で送出している。ネットワーク回線36には、複数のルータ37〜41が網目のように接続されており、各ルータ37〜41は、混雑状況に応じてIPパケットが経由するネットワーク回線のルートを変えて目的の受信ホストにIPパケットを送っている。その結果、IPパケットは、ネットワークの回線状況に依存して複数のルータを経由しながら目的の受信ホストに送られることになる。
【0005】
一方、受信ホスト42では、ネットワーク層43、トランスポート層44、RTPヘッダ処理部45でそれぞれ送信ホスト31側で付加されたIPヘッダ、UDPヘッダ、RTPヘッダを削除して本来のデータだけを抽出し符号再生処理部46で映像データあるいは音声データを復号再生している。
【0006】
ネットワーク回線36を使ったデータ伝送は、回線を利用するユーザの増減により1ユーザーあたりの伝送帯域が変化することに加えて、経由するネットワーク回線の構成が複雑になるとパケット紛失やパケット到着時間の変動、到着間隔の揺らぎ(ジッタ)などが生じるため、送信ホストで送信されたIPパケット▲1▼▲2▼〜▲5▼がルータ37に到達するときには、IPパケットは、図3に示すように▲1▼▲5▼▲3▼▲4▼▲2▼のような順序となり、各パケットが必ずしも同一の時間で伝送されるとは限らないことが一般的に知られている。このため、ネットワーク回線上の各ルータは特定のIPアドレスやUDPのポート番号に優先順位(プライオリティ)をつけてデータタイプにあわせて優先順位をIPパケットにつけて処理を行なったり、通信の目的ごとに必要な帯域などのリソースをあらかじめルータに割り当てておくRSVP(Resource Reservation Protocol)を利用して、受け取ったパケットの処理による遅延を抑え、映像や音声データの伝送遅延を抑えるようにしている。
【0007】
【特許文献】
特に、見当たらない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
伝送品質の劣化は、ネットワーク上のパケット紛失やパケット到着時間の変動、到着間隔の揺らぎ(ジッタ)などにより生じるが、これらは、経由するネットワークの構成が複雑になるほど顕著に現われ、実用上大きな問題となる。
【0009】
本発明の目的は、伝送品質の低下を引き起こすIPパケット到着時間の遅延を改善することのできるパケット伝送システムを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のパケット伝送システムは、パケット化されたデータを送信する送信部と、上記パケット化されたデータが入力され、複数の伝送ルートを選択するルータ部を含む伝送路と、上記伝送路からのデータを受信する受信部および時刻情報発生部とからなり、上記時刻情報発生部からの時刻情報は、上記送信部および上記ルータ部に供給され、上記ルータ部は、受信したデータの遅れ時間を検出し、上記遅れ時間に応じて上記複数の伝送ルートのうちの1つの伝送ルートを選択するように構成される。
【0011】
また、本発明のパケット伝送システムにおいて、上記ルータは、時刻比較部と、複数の閾値設定部および上記伝送ルート切り替え部とを有し、上記パケット化されたデータの遅れ時間と上記閾値設定部の閾値との比較結果に基いて上記伝送ルートを選択するように構成される。
【0012】
【発明の実施の形態】
前述したようにIPパケット伝送システムにおいて、リアルタイムの伝送におけるIPパケットは、IPヘッダ、UDPヘッダ、RTPヘッダ、データから構成される。本発明は、これらのうち、RTPパケットには、送信端末と受信端末とで互いに同期が取れるように送信端末でIPパケットの送信時刻情報を示すタイムスタンプ値を付加するように構成される。
【0013】
具体的には、例えば、G.723,G.729等の音声データは8KHzで、H.261、H.263等の映像データは90KHzと基準周波数でカウントアップしたカウンタ値を伝送するために長さ32ビットのフィールドが定義されている。
【0014】
そこで、本発明では、この32ビットフィールドに送信端末から送られるパケットが受信ホスト42から受信端末に送出される時の絶対時刻情報を記述するようにする。更に、ネットワークに接続している各ルータは、所定の処理により送受ホストと共通の絶対時刻で動作するように同期化する制御をする。これによりIPパケットがルータに到着したらRTPヘッダに記録されている絶対時刻情報と到着時点での絶対時刻との差から、送信ホストからルータに届くまでの累積伝播時間を算出し、累積伝播時間がある閾値以上になったら特定の伝送ルートにIPパケットを切り替えるようにする。これによって映像や音声データの伝送遅延を抑えることが可能となる。
【0015】
図1は、本発明の一実施例を示す図である。なお、図3と同じものには、同じ符号が付されている。10は、時刻情報発生器であり、その時刻情報は、送信ホスト31、ルータ37〜ルータ41のそれぞれのルータに供給されるように構成されている。図1において、例えば、送信ホスト31から受信ホスト42にデータ伝送するとする。まず送信ホスト31の符号化処理部32で符号化、データをパケット化し、各パケットに分割する。パケット化されてできたパケットは、RTP処理部33でパケット化時の時刻を時刻情報発生器10から時刻情報として供給され、RTPヘッダの所定フィールドにその時刻情報を付加する。さらにトランスポート層34において、パケットを順序だてて宛先に送信できるようにするために、送信元ポート番号、宛先ポート番号等の情報を含むUDPヘッダが付加される。下位層のネットワーク層35では、受け取ったデータに送信元IPアドレス、宛先IPアドレス情報を含むIPヘッダを付加し、これらIPパケット▲1▼▲2▼〜▲5▼をネットワーク回線36に一定間隔(▲1▼→▲2▼→▲3▼→▲4▼→▲5▼)で送出する。
【0016】
ところがネットワーク回線36の伝送路や各ルータを経由している間にこれらのパケットの順序が入れ替わりルータ37には、(▲1▼→▲5▼→→▲3▼→▲4▼→→▲2▼)のように到着順序が変更されたり、到着時間が一定間隔でなくなったIPパケットが供給される。
【0017】
図2は、本発明に使用されるルータの一実施例を示すブロック図である。なお、各ルータ37〜41は、全て同じような構成であるため、ここではルータ37について説明する。ルータ37では、時刻比較部21にて各パケットのRTPヘッダに付加されてきた時刻情報と時刻情報発生器10から入力される到着時の時刻を比較して時刻差分を検出する。さらに、この時刻差分とあらかじめ設定しておいた閾値設定部22および23の閾値1および閾値2を比較部24および比較部25にて比較し、この結果をルート切り替え部26およびルート切り替え部27の制御信号とする。
【0018】
例えば IPパケットを(▲1▼→▲5▼→→▲3▼→▲4▼→→▲2▼)のような順序でルータ37が受け取った場合には、ルータ37は、送信ホストでのパケット化時の絶対時刻情報と到着時の時刻情報発生器10からの時刻とから、IPパケット▲2▼が伝送遅延気味であると認識できる。従って、IPパケット▲2▼にプライオリティをつけてルータ37から後段のルートを、通常のルート、例えば、ルートAではなくルータ38、ルータ39をバイパスするような遅延補正ルート、例えば、ルートCに伝送ルート切り替える。このように各ルータでそれぞれのIPパケットの到着時刻を監視し、遅延の程度に応じてそのルータ以降の伝送ルートを選択する。従って、閾値設定部22および23の閾値1および閾値2は、IPパケットの遅れ時間に応じてルートを選択するための閾値を設定するもので、パケット伝送システムの構築時、あるいは運用時に適宜定めることができる。
【0019】
この結果、映像および音声データを分割してパケット化されたIPパケットが、ほぼ一定間隔で受信ホスト42に到着し、伝送遅延を抑えることできる。受信ホスト42では、受け取ったIPパケットをネットワーク層43、トランスポート層44、RTPヘッダ処理部45でそれぞれ送信側で付加されてきたIPヘッダ、UDPヘッダ、RTPヘッダを削除し、本来のデータだけを抽出し、復号再生処理部46で映像データあるいは音声データを復号再生する。
【0020】
以上説明したように各ルータは、パケット化時の絶対時刻情報と到着時の時刻とから、伝送遅延気味のIPパケットを認識し、受信ホストに繋がるルートをパケットの累積伝送遅延に合わせて選択、変更し、ネットワーク経由時のデータパケット伝送遅延を抑える事ができる。また、累積伝送遅延によりルート毎に流れるIPパケットに通過制約を課すことができるため、各ルートの帯域幅を任意に設定できネットワークの輻輳を押さえることができる。
【0021】
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は、ここに記載されたパケット伝送システムの実施例に限定されるものではなく、上記以外のパケット伝送システムに広く適応することが出来ることは、言うまでも無い。
【0022】
【発明の効果】
パケット化時の絶対時刻情報と到着時の時刻とから、ルータは伝送遅延気味のIPパケットを認識し、受信ホストに繋がるルートをパケットの累積伝送遅延に合わせて選択、変更しネットワーク経由時のデータパケット伝送遅延を抑える事ができる。また、累積伝送遅延によりルート毎に流れるIPパケットに対して通過制約を課すことができるため、ネットワークの状況にあわせて各ルートの帯域幅も調整でき、ネットワークの輻輳を押さえることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を説明するためのブロック図を示す。
【図2】本発明に使用されるルータの一実施例のブロック図を示す。
【図3】従来のパケット伝送システムの一例を示すブロック構成図である。
【符号の説明】
10:時刻情報発生器、21:時刻比較部、22、23:閾値設定部、24、25:比較部、26、27:切り替え部、31:送信ホスト、32:符号化処理部、33、45:RTP処理部、34:トランスポート層、34、43:ネットワーク層、36、44:ネットワーク、37、38、39、40、41:ルータ、42:受信ホスト、46:復号再生処理部。
Claims (1)
- パケット化されたデータを送信する送信部と、上記パケット化されたデータが入力され、複数の伝送ルートを選択するルータ部を含む伝送路と、上記伝送路からのデータを受信する受信部および時刻情報発生部とからなり、上記時刻情報発生部からの時刻情報は、上記送信部および上記ルータ部に供給され、上記ルータ部は、受信したデータの遅れ時間を検出し、上記遅れ時間に応じて上記複数の伝送ルートのうちの1つの伝送ルートを選択することを特徴とするパケット伝送システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003084347A JP2004297265A (ja) | 2003-03-26 | 2003-03-26 | パケット伝送システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003084347A JP2004297265A (ja) | 2003-03-26 | 2003-03-26 | パケット伝送システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004297265A true JP2004297265A (ja) | 2004-10-21 |
Family
ID=33399539
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003084347A Pending JP2004297265A (ja) | 2003-03-26 | 2003-03-26 | パケット伝送システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004297265A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014102993A1 (ja) * | 2012-12-28 | 2014-07-03 | 株式会社日立製作所 | パケット中継装置、パケット転送方法および通信システム |
US9083616B2 (en) | 2011-10-26 | 2015-07-14 | Japan Atomic Energy Agency | Packet communication method and equipment therefor |
-
2003
- 2003-03-26 JP JP2003084347A patent/JP2004297265A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9083616B2 (en) | 2011-10-26 | 2015-07-14 | Japan Atomic Energy Agency | Packet communication method and equipment therefor |
WO2014102993A1 (ja) * | 2012-12-28 | 2014-07-03 | 株式会社日立製作所 | パケット中継装置、パケット転送方法および通信システム |
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