JP3688525B2 - パケットフロー制御方法及びルータ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のルータ装置を接続することにより構成される通信網におけるパケットフロー制御方法及びルータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、IP(インターネットプロトコル)を用いた通信網、いわゆるインターネットにおいて、転送遅延値やIPパケット廃棄率といった、転送品質の保証を可能とするための技術が注目されている。これは、従来のインターネットはベストエフォート型の通信網と呼ばれており、例えば中継ノード(ルータ等)にトラヒックが集中した場合、中継ノードは最善の努力にてIPパケットの処理を試みるが、処理しきれなくなれば、IPパケットの廃棄が発生してしまうため、転送品質の保証が不可能であったためである。
【0003】
インターネットにおいて転送品質の保証が可能な通信を提供するための技術として、RSVPと呼ばれる資源予約プロトコルがIETF(Internet Engineering Task Force)にて提案されている。RSVPでは、送信側端末より受信側端末に対して、送信するIPパケットフローのトラヒック特性を記載したメッセージ(Pathメッセージ)を受信側端末宛に送信する。受信側端末では、希望する転送品質を記載したメッセージ(Resvメッセージ)を送信側端末宛に送信する。中継ノードでは、Resvメッセージを受信すれば、予め受信したPathメッセージに記載されていたトラヒック特性をもとに、Resvメッセージ内に記載された転送品質の提供が可能か否かを、現在の残余帯域量をもとに判断し、転送品質の提供が可能であれば、必要な帯域を当該フローに対して確保した後に、Resvメッセージをさらに上流へ転送する。Resvメッセージが送信側端末に到達すれば、当該フローに対する帯域がインターネット上に確保されたことを意味するので、以降では、希望する転送品質が保証される、IPパケットの転送サービスが可能となる。
【0004】
上述したような、フロー毎の転送品質の保証を可能とするIPパケットの転送サービスを実現するためには、例えば、各々のルータにおいて、IPパケットに対するルーチングポリシーをフロー毎に規定し、当該ルーチングポリシーに従ったルーチング処理を施す必要がある。ルーチングポリシーとして規定すべき内容としては、例えば、フローに属するIPパケットの送信先ポート、他のフローとの間でのスケジューリング手段、等が挙げられ、ルーチング表としてルータ内に記憶される。
【0005】
この場合、処理すべきフロー数が多いルータにおいては、フローに対応して記憶すべきルーチングポリシーも多くなるため、ルーチング表は巨大なものとなってしまい、本表を記憶するために費すメモリ規模が大きくなってしまう。また、ルーチング表が巨大になってしまうと、到着したIPパケットのフローに対応するルーチングポリシーの検索に要する時間も大きくなり、その結果、ルータ内でのルーチング処理に要する時間が大きくなってしまう。
【0006】
ここで、図27を参照しながら従来の帯域割り当て方法について説明する。
【0007】
図27(a)に示した通信網システムにおいて、端末1021より端末1023宛に送信されるIPパケットフロー(フローaとする)と、端末1022より端末1024宛に送信されるIPパケットフロー(フローbとする)とに対し、上述したRSVPにより帯域が確保された様子を、図27(b)に示す。図27(b)において、1041がフローaに対して確保された帯域(フローaに対するパスと呼ぶ)、1042がフローbに対して確保された帯域(フローbに対するパスと呼ぶ)である。なお、フローa、フローb共に、ルータ1011とルータ1012との間に設定されるパスのルート、希望する転送品質は同一であるものとする。
【0008】
図27のような帯域確保(パス設定)を行った場合、フローa、フローb共に、ルータ1011を発したIPパケットは、同一ルートを通ってルータ1012に転送されるので、ルータ1011とルータ1012との間に位置する各々のルータでは、フローaに属するIPパケット、フローbに属するIPパケットに対して施すルーチング処理は、同一なものとなる。しかしながら、実際は、これらのIPパケットが属するフローは異なるため、これらのルータにて保持するルーチング表においては、同一なルーチングポリシーであるにも関わらず、別々のエントリとして記載されてしまう。図27では、同一ルートを通過するフローが2種類ある場合を図示しているが、同一ルートを通過するフロー数がさらに多くなった場合、これによるルーチング表の巨大化によるメモリ規模の増大、ルーチングポリシーの検索に要する時間の増大は無視できないものとなる。
【0009】
新たな問題として、図27の端末1021の移動に伴い、端末1021を収容するルータがルータ1013でなくなった状況を考える。この場合、移動前にフローaを収容していたパス1041は解放され、フローaを収容する新たなパスを、端末1021と端末1023との間にて設定することとなる。このようなパスの再設定が行われている間は、端末1021より端末1023宛に送出されるIPパケットの転送は一旦中断してしまい、これによる転送品質の低下は無視できない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来、フロー毎の転送品質の保証を可能とするIPパケットの転送サービスを実現するためには、例えば、各々のルータにおいてIPパケットに対するルーチングポリシーをフロー毎に規定し当該ルーチングポリシーに従ったルーチング処理を施す必要があるため、ルーチングポリシーの情報を記憶するために費すメモリ規模が大きくなってしまうという問題があった。また、到着したIPパケットのフローに対応するルーチングポリシーの検索に要する時間も大きくなり、その結果、ルータ内でのルーチング処理に要する時間が大きくなってしまうという問題があった。また、新たな問題として、端末の移動に伴ってパスの再設定が行われている間、その端末より送出されるIPパケットの転送は一旦中断してしまい、これによる転送品質の低下が無視できないという問題があった。
【0011】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、ルーチング処理や帯域割当制御等を実行するのに必要なフロー毎の情報を保持するために必要なメモリ量の削減や、これらの情報を検索するのに要する時間の削減を可能とするパケットフロー制御方法及びルータ装置を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、端末の移動に伴うフロー再設定の範囲を可能な限り狭めることのできるパケットフロー制御方法及びルータ装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数のルータ装置を接続して構成される通信網(例えば、IP(インターネットプロトコル)を用いた通信網)におけるパケット(例えば、IPパケット)フロー制御方法において、あるルータ装置へ転送されるパケットフローの情報を受信するステップと、この受信した情報に基づき、前記パケットフローについて、前記あるルータ装置へ転送される複数のパケットフローを束ねることにより生成されるアグリゲートフローとしてのトラヒック特性を規定するか否かを判断するステップと、規定すると判断した場合に、前記パケットフローに属するパケットを前記アグリゲートフロー用のパスに転送するステップとを有し、前記アグリゲートフロー用のパスとして、特定のサービスを要求する複数のパケットフローをアグリゲートするための一定の帯域を確保したパス(例えば、プレミアムサービス用のパス)を予め設定しておくことを特徴とする。
また、本発明は、複数のルータ装置を接続して構成される通信網におけるパケットフロー制御方法において、あるルータ装置へ転送されるパケットフローの情報を受信するステップと、この受信した情報に基づき、前記パケットフローについて、前記あるルータ装置へ転送される複数のパケットフローを束ねることにより生成されるアグリゲートフローとしてのトラヒック特性を規定するか否かを判断するステップと、規定すると判断した場合に、前記パケットフローに属するパケットを前記アグリゲートフロー用のパスに転送するステップとを有し、規定すると判断した場合であっても、前記アグリゲートフロー用のパスに割り当てられた帯域が、前記アグリゲートフローとして規定したトラヒック特性に従ったパケット転送のために必要な帯域を下回る場合には、前記パケットフローに属するパケットを前記アグリゲートフロー用のパスには転送しないよう制御することを特徴とする。
また、本発明は、複数のルータ装置を接続して構成される通信網におけるパケットフロー制御方法において、あるルータ装置へ転送されるパケットフローの情報を受信するステップと、この受信した情報に基づき、前記パケットフローについて、前記あるルータ装置へ転送される複数のパケットフローを束ねることにより生成されるアグリゲートフローとしてのトラヒック特性を規定するか否かを判断するステップと、規定すると判断した場合に、前記パケットフローに属するパケットを前記アグリゲートフロー用のパスに転送するステップとを有し、前記アグリゲートフロー用のパスが存在する場合に、前記アグリゲートフローとして規定したトラヒック特性に従ったパケット転送のために必要な帯域を計算し、少なくともその算出された帯域が該パスに割り当てられるよう制御することを特徴とする。
また、本発明は、複数のルータ装置を接続して構成される通信網におけるパケットフロー制御方法において、あるルータ装置へ転送されるパケットフローの情報を受信するステップと、この受信した情報に基づき、前記パケットフローについて、前記あるルータ装置へ転送される複数のパケットフローを束ねることにより生成されるアグリゲートフローとしてのトラヒック特性を規定するか否かを判断するステップと、規定すると判断した場合に、前記パケットフローに属するパケットを前記アグリゲートフロー用のパスに転送するステップとを有し、前記アグリゲートフロー用のパスの入口に位置するルータ装置は、該アグリゲートフローへ収容されるパケットフローに属するパケットの自装置への到着過程を監視し、該到着過程が予め規定したアグリゲートフローのトラヒック特性に従う範囲内で、該アグリゲートフローへのパケットの流入を許可することを特徴とする。
また、本発明は、複数のルータ装置を接続して構成される通信網におけるパケットフロー制御方法において、あるルータ装置へ転送されるパケットフローの情報を受信するステップと、この受信した情報に基づき、前記パケットフローについて、前記あるルータ装置へ転送される複数のパケットフローを束ねることにより生成されるアグリゲートフローとしてのトラヒック特性を規定するか否かを判断するステップと、規定すると判断した場合に、前記パケットフローに属するパケットを前記アグリゲートフロー用のパスに転送するステップとを有し、前記複数のパケットフローが、その各々を流れるパケットのパケット長が予め定められた一定の関係(例えば、全て同一の値)にあり、かつ、いずれのパケットフローにおいてもパケット転送速度は変化しない、という条件を満足するか否かに基づいて、前記アグリゲートフローとしてのトラヒック特性を規定するか否かを判断することを特徴とする。
また、本発明は、複数のルータ装置を接続して構成される通信網におけるパケットフロー制御方法において、あるルータ装置へ転送されるパケットフローの情報を受信するステップと、この受信した情報に基づき、前記パケットフローについて、前記あるルータ装置へ転送される複数のパケットフローを束ねることにより生成されるアグリゲートフローとしてのトラヒック特性を規定するか否かを判断するステップと、規定すると判断した場合に、前記パケットフローに属するパケットを前記アグリゲートフロー用のパスに転送するステップとを有し、前記あるルータ装置へ転送される複数のパケットフローの各々を流れるパケットのパケット長が予め定められた一定の関係になるように、該複数のパケットフローの一部または全部についてパケット長を変えるための処理をRTPレイヤレベルで行い、このRTPレイヤレベルの処理が行われたパケットフローについては、前記アグリゲートフローとしてのトラヒック特性を規定すると判断することを特徴とする。
また、本発明は、複数のルータ装置を接続して構成される通信網におけるパケットフロー制御方法において、あるルータ装置へ転送されるパケットフローの情報を受信するステップと、この受信した情報に基づき、前記パケットフローについて、前記あるルータ装置へ転送される複数のパケットフローを束ねることにより生成されるアグリゲートフローとしてのトラヒック特性を規定するか否かを判断するステップと、規定すると判断した場合に、前記パケットフローに属するパケットを前記アグリゲートフロー用のパスに転送するステップとを有し、前記アグリゲートフロー用のパスの入口に位置するルータ装置は、該アグリゲートフローに収容される各々のパケットフローにおけるパケットの転送速度を加算したものを該アグリゲートフローにおけるパケット転送速度として規定した場合に、前回、該アグリゲートフローへパケットを流入した時刻から今回、新たなパケットが自装置へ到着した時刻までの経過時間が、該アグリゲートフローにおけるパケット転送速度の逆数を下回らない範囲内で、パケットの該アグリゲートフローへの流入を許可することを特徴とする。
また、本発明は、複数のルータ装置を接続して構成される通信網におけるパケットフロー制御方法において、あるルータ装置へ転送されるパケットフローの情報を受信するステップと、この受信した情報に基づき、前記パケットフローについて、前記あるルータ装置へ転送される複数のパケットフローを束ねることにより生成されるアグリゲートフローとしてのトラヒック特性を規定するか否かを判断するステップと、規定すると判断した場合に、前記パケットフローに属するパケットを前記アグリゲートフロー用のパスに転送するステップとを有し、IPの上位レイヤの制御プロトコルであるRTCP(リアルタイム転送制御プロトコル)で交換される情報に基づいて、前記アグリゲートフロー用のパスに割り当てる帯域を変更するための制御をIPレイヤレベルで行うことを特徴とする。
【0030】
なお、装置に係る本発明は方法に係る発明としても成立し、方法に係る本発明は装置に係る発明としても成立する。
【0031】
また、装置または方法に係る本発明は、コンピュータに当該発明に相当する手順を実行させるための(あるいはコンピュータを当該発明に相当する手段として機能させるための、あるいはコンピュータに当該発明に相当する機能を実現させるための)プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体としても成立する。
【0032】
本発明によれば、同一なルーチング処理を施すこととなる複数のパケットフローに対しては、これらのパケットフローを束ねたアグリゲートフローを生成し、本アグリゲートフローに対するルーチング処理、帯域割当制御を行うことができる。これにより、ルーチング処理や帯域割当制御を実行するのに必要なフロー毎の情報を保持するために必要なメモリ量が削減でき、これらの情報を検索するのに要する時間の削減が可能となる。また、端末の移動に伴うフロー再設定の範囲も可能な限り狭めることが可能となり、フロー再設定に要する時間の減少が期待できる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら発明の実施の形態を説明する。
【0034】
図1は、本発明の適用対象となる通信網システムの一例である。
【0035】
図1では、端末21はルータ13と、端末22はルータ14と、端末23はルータ16と、端末24はルータ18と、無線回線を介して各々接続されている。また、ルータ13、ルータ14、ルータ15はルータ11と、ルータ16、ルータ17、ルータ18はルータ12と、有線回線を介して各々接続されている。さらに、ルータ11とルータ12は、直接接続されているか、もしくは一つ以上のルータを介して接続されている。
【0036】
なお、図1において有線回線にて接続されている部分の全部または一部を無線回線に置き換えて接続した通信網システムや、無線回線にて接続されている部分の全部または一部を有線回線に置き換えて接続した通信網システムも、本発明の適用対象としてもよい。
【0037】
図1に示した通信網システムにおいて、IP(インターネットプロトコル)による通信を提供する場合の帯域割当方法について説明する。
【0038】
なお、以下では、端末21と端末23、端末22と端末24とが各々通信を行うものとし、端末21と端末22が送信側端末、端末23と端末24が受信側端末であるものとする。また、端末21より端末23宛へのパケットフローをフローa、端末22より端末24宛へのパケットフローをフローbとし、フローaは、(端末21)→ルータ13→ルータ11→…→ルータ12→ルータ16→(端末23)のルートを通るものとし、フローbは、(端末22)→ルータ14→ルータ11→…→ルータ12→ルータ18→(端末23)のルートを通るものとする。
【0039】
図1に示した通信網システムにおける、フローa、フローbに対する帯域割当の方法としては、従来の方法である図27のような、フローa、フローbの個々に対して帯域を別々に割り当てる方法の他に、ルータ11とルータ12との間では、フローaとフローbが共に同一ルートを通っている点に着目した、図2に示すような帯域割当方法を考えることができる。
【0040】
図2においては、フローaに対する帯域割当を、端末21よりルータ13を介してルータ11宛のルート(パス31)、ルータ11よりルータ12宛のルート(パス35)、ルータ12よりルータ16を介して端末23宛のルート(パス32)の3つに分割して行う。また、フローbに対する帯域割当を、端末22よりルータ14を介したルータ11宛のルート(パス33)、ルータ11よりルータ12宛のルート(パス35)、ルータ12よりルータ18を介した端末24宛のルート(パス34)の3つに分割して行う。
【0041】
図2において、パス35はフローa、フローbの両フローを収容している。その際に、パス35の入側ルータ11において両フローを束ねて、パス35内においては、フローa、フローbの区別なく、同一のフローとして認識できるようにする。以下、この動作を「フローのアグリゲート」と呼び、一定の区間内(パス35内)において定義される複数のフローを束ねて生成したフローを「アグリゲートフロー」と呼ぶ。図3に、パス35内におけるフローa、フローbのアグリゲートの様子を示す。
【0042】
図3に示すように、同一ルートを通過する複数のフローをアグリゲートすれば、パス35上に存在するルータでは、到着したパケットがフローa、フローbのいずれのフローに属しているかを判断する必要がなく、一つのアグリゲートフローとして、到着パケットのルーチング処理、割当帯域に対する品質保証制御を行えばよい。アグリゲートフローを用いたIPパケット処理を行うことで、従来のように個々のフロー毎にルーチング処理や品質保証制御を行う方法に比べて、各々のルータにおいて識別すべきフロー数の減少がもたらされ、これは、転送先となる出力ポートや割当帯域といった、各々のルータにおいてフロー毎に記憶すべき情報量の減少につながる。これにより、各々のルータにおいて、前記情報を保持するために必要となるメモリ量の削減、IPパケットのフローに対応する前記情報の検索に要する時間の削減が可能となる。これらの効果は、アグリゲートフローとして束ねるフロー数が増大すると、さらに大きくなる。以上の点において、図3に示す方法は、図27に示したフローa、フローbの各々に別個のパスを提供し、帯域割当を行う従来の方法に比べ、効果的であることが分かる。
【0043】
アグリゲートフローを用いた通信を実現する際には、アグリゲートフローの始点であるルータ11では、複数のフロー(本具体例では、フローaとフローb)を束ねて新たなアグリゲートフローを生成するための機能(フロー統合機能)、そしてアグリゲートフローの終点であるルータ12では、アグリゲートフローを分離し、アグリゲートフローへの挿入前の各々のフローを再び形成するための機能(フロー分離機能)が必要となる。
【0044】
パス35内にてアグリゲートフローを定義する方法としては、例えば次の2つの方法を挙げることができる。
【0045】
(1)パケットのカプセル化による方法
図4に示すように、アグリゲートフローの始点であるルータ11において、アグリゲートフロー内に挿入するIPパケットの先頭に、アグリゲートフローを識別するためのIPパケットヘッダを付与し、パス35内のみにて定義される、アグリゲートフロー用の新たなIPパケットを生成する。パス35内のルータは、新たに付与されたIPパケットヘッダに基づきルーチング処理を行う。つまり、本来のフローのヘッダ(フローaに属するIPパケットのヘッダ、フローbに属するIPパケットのヘッダ)は、パス35内ではペイロードの一部として位置付けられ、ルーチング処理の際には参照されない。付与されたIPパケットヘッダは、アグリゲートフローの終点であるルータ12において除去され、以後では、本来のフローのヘッダを参照したルーチング処理が行われる。
【0046】
本方法を用いることで、アグリゲートフロー内では、収容された各々のフローを意識しないルーチング処理が可能となる。
【0047】
(2)フロー識別子(フローラベル)の変換による方法
本方法では、アグリゲートフロー内にIPパケットを挿入する際に、当該パケットがアグリゲートフローに属することを示すよう、アグリゲートフローの始点であるルータ11にて、IPパケット内に記されている、当該パケットが属するフローを表すフロー識別子を、当該パケットがアグリゲートフロー内に属する旨を表すフロー識別子に変換する。そして、アグリゲートフローの終点であるルータ12にて、変換したフロー識別子を本来のものに戻す。
【0048】
図5に、IPパケットフォーマットとしてIPv6(IPバージョン6)を採用した場合の、フロー識別子の変換例を示す。IPv6では、ヘッダ内にフローラベルと呼ばれる、フローを識別するために送信側端末が記載する28ビット長のフィールドが定義される。そこで、図5では、フローラベルとソースアドレス(128ビット長)との組をフロー識別子として扱った場合の変換例を示している。
【0049】
アグリゲートフローの始点であるルータ11では、到着したIPパケットが、アグリゲートフローに挿入すべきものか否かを、当該パケットのフローラベルとソースアドレスとを調べることにより判断する。その際に、ルータ11はフローラベル変換表を用いる。本表は、アグリゲートフロー内に挿入すべきIPパケットの、フローラベルとソースアドレスの組(フロー識別子)と、アグリゲートフローへの挿入時に置き換えられるフローラベルとを対応づけて構成される。なお、図5においては、フローラベルを16進数表記しており、ソースアドレスは、送信端末の番号(便宜上、図1〜図3の端末に付した参照符号と同じ値であるとした)をそのままアドレスとして用いている。端末として移動端末をサポートする場合には、本表に記載するソースアドレスは、移動端末に割り当てられたホームアドレスを記載することが望ましい。
【0050】
図5の例では、ソースアドレス「21」より送信された、フローラベルが「0123456」であるIPパケット(フローaに属するIPパケット)については、フローラベルを「0001012」と変換してからアグリゲートフロー内に挿入し、ソースアドレス「22」より送信された、フローラベルが「1234567」であるパケット(フローbに属するIPパケット)については、フローラベルを「0002012」と変換してアグリゲートフロー内に挿入している。
【0051】
パス35内のルータでは、到着したIPパケットのフローラベルを参照して、当該パケットがアグリゲートフローに収容されているパケットであるか否かを判断する。IPパケットがアグリゲートフローに属する旨を示すフローラベルを保持していれば、パス35内のルータは、アグリゲートフローとしてのルーチング処理を施し、アグリゲートフローに属する旨を示すフローラベルを保持していなければ、通常通りのルーチング処理を施す。フローラベルに基づくルーチング処理の切替を行うため、パス35内のルータは、アグリゲートフローを表すフローラベルを全て記憶する必要がある。
【0052】
アグリゲートフローの終点であるルータ12では、到着したIPパケットが、アグリゲートフローに属するものであれば、当該パケットのフローラベルとソースアドレスとに基づき、フローラベル変換表を用いて、フローラベルを当初のフローラベル値に戻す。出側ルータにて保持するフローラベル変換表は、アグリゲートフローラベルとソースアドレスの組と、当初のフローラベルとを対応づけて構成される。
【0053】
なお、パス35内のルータにて、到着したIPパケットがアグリゲートフローに属するパケットであるか否かの判断を容易に行えるようにするため、例えば、28ビットからなるフローラベルの指定したフィールドの値を、アグリゲートフローに属するIPパケットに対しては同一値となるように、フローラベルの変換を行う。これにより、到着したIPパケットのフローラベルのうち当該フィールドの値のみを調べれば、本パケットがアグリゲートフローに属するかを判断することが可能となる。図5の例では、アグリゲートフローに挿入するIPパケットに対して、下位12ビットの値が「012」という値をとるようにフローラベルを割り当てており、本例の場合、パス35内のルータでは、フローラベル内の下位12ビットを参照するだけで、アグリゲートフローとしてのルーチング処理を行うか否かを判断できる。
【0054】
上に示したパケットのカプセル化によりアグリゲートフローを定義する方法、フロー識別子(フローラベル)の変換によりアグリゲートフローを定義する方法の他にも、種々の方法が考えられ、例えば、MPLS(マルチプロトコルラベルスイッチング)を実行可能なルータにて構成された通信網システムである場合には、「ラベル」値を利用してアグリゲートフローを定義する方法を用いてもよい。
【0055】
なお、複数のアグリゲートフローを設定する場合には、各IPパケットがどのアグリゲートフローに属するものかを特定することが必要となる。この場合、例えば、図4の例においては、もとのIPパケットの外側に新たにアグリゲート用のヘッダを付与したが、このアグリゲート用のヘッダ内にある何らかの情報から、アグリゲートフローを特定可能とすればよい。また、例えば、図5の例では、アグリゲートフローに挿入するIPパケットに対して、下位12ビットの値が「012」という値をとるようにフローラベルを割り当たが、アグリゲートフローに挿入するIPパケットに対して割り当てる下位12ビットの値の範囲を定め、その値の違いによりアグリゲートフローを特定可能とすればよい。
【0056】
ところで、アグリゲートフローに挿入可能なIPパケットフローは、例えば、プレミアムサービスを要求する音声データをIPパケット化したフローに限定するようにしてもよい。また、その際に、その音声データは、IPの上位レイヤの転送プロトコルであるRTP(リアルタイム転送プロトコル)により生成されたパケット(RTPパケット)をIPパケット化して転送されるものとしてもよい。
【0057】
以下、このようにした場合について説明する。
【0058】
図6に、送信側端末の上位レイヤにRTPパケットを搭載した場合の、IPパケットの生成過程の概略を示す。RTPでは、一定時間T毎に、当該時間内に生成されたアプリケーションデータを抽出してRTPパケットを生成する。このとき、データが挿入されなかったペイロード領域をパディングすることで、RTPレベルでは、上記時間Tにて定まる固定長LのRTPパケットを常に生成することとなる。本RTPパケットを、UDP(ユーザデータグラムプロトコル)レベルの処理を介した後にIPレベルに引き渡し、IPパケットの生成を行う。図6より明らかなように、送信側端末の上位レイヤにRTPパケットを搭載した場合、当該端末より送出されるIPパケットは常に固定長のパケットとなる。
【0059】
なお、RTP、UDPを介した後に生成されたIPパケット(IP/UDP/RTPパケット)のオーバーヘッドである、各々のプロトコルレベルにて規定されるヘッダ部分を圧縮させた後に、通信網上へ送出するという方法を用いてもよい。具体的には、コンテキスト識別子(CID)と圧縮前のパケットのヘッダ内容とを対応させて覚えておき、同一のヘッダ内容を持つパケットを引続き送信する時には、当該パケット内のUDPヘッダ部、RTPヘッダ部を圧縮すると同時に前記CIDをパケット内に含ませてから送信し、相手先にて、CIDを用いてヘッダ部の復元を行う。
【0060】
アグリゲートフローに収容されるIPパケットフローが全て、図6に示すように一定時間T毎に生成されるRTPパケットをIPパケット化したものであれば、当該アグリゲートフローに収容されるIPパケットは全て同一パケット長であり、かつ、各々のIPパケットフローにおいては、一定速度にてパケット転送が行われるため、アグリゲートフローのトラヒック特性は、各々のIPパケットにおけるパケット転送速度の総和を用いて容易に表すことができる。
【0061】
また、アグリゲートフローに収容されるIPパケットのパケット長が全てのフローにおいて同一であれば、例えばアグリゲートフローが通過するルータにおいて、品質保証制御を目的として当該アグリゲートフローのIPパケット転送速度の監視を行う場合、前記ルータではIPパケットの到着時刻のみを把握するだけでよく、パケット長に関する情報は(全て同一であるので)把握する必要がないため、ルータにおけるIPパケット処理のさらなる低減が可能となる。
【0062】
なお、アグリゲートフローに収容されるIPパケットフローが全てRTPパケットをIPパケット化したものであっても、RTPパケットを生成する時間間隔が送信側端末毎に異なった場合には、当該アグリゲートフローに収容されるIPパケットは全て同一パケット長とはならない。つまり、IPパケットフロー毎に、転送されるIPパケットのパケット長が異なるということを意味する。このような場合でもアグリゲートフローによるIPパケット処理は実行可能であるが、各々のルータにおいては、アグリゲートフローを転送されるIPパケットのパケット長を考慮したパケット処理を実行する必要がある。
【0063】
このようなアグリゲートフローに対する帯域割当制御、アグリゲートフローの始点にて実行する、アグリゲートフローへのIPパケットの受付制御の一例を、以下に示す。
【0064】
(1)帯域割当制御
帯域割当用プロトコルとして、RSVP(リソース予約プロトコル)を用いた場合を例にとり、説明する。
【0065】
図7に、RSVPにて定義されるPathメッセージ(Path msg.)、Resvメッセージ(Resv msg.)の流れの概要を示す。なお、Pathメッセージは、IPパケットフローのトラヒック特性を記載して、送信側端末より受信側端末へ送出し、Resvメッセージは、IPパケットフローに対する予約要求内容を記載して、受信側端末より送信側端末へ送出する。
【0066】
図7に示すように、アグリゲートフローの始点であるルータ11では、当該フローに収容される全てのフローのPathメッセージに基づいてアグリゲートPathメッセージを生成する。また、アグリゲートフローの終点であるルータ12では、当該フローに収容される全てのフロー(図7では、Flow−aとFlow−b)のResvメッセージに基づいてアグリゲートResvメッセージを生成する。パス35内のRSVP対応ルータでは、アグリゲートPathメッセージ(Aggregated Path msg.)、アグリゲートResvメッセージ(Aggregated Resv msg.)に基づいて、アグリゲートフローに対する帯域割当制御を行う。
【0067】
なお、アグリゲートフローに収容される個々のフローのPathメッセージ、Resvメッセージも、アグリゲートフロー内に収容するが、これらの制御メッセージは、パス35内のRSVP対応ルータにおいて、RSVP規定の処理が行われないようにする必要がある。つまり、これら個々のフローにおける制御メッセージは、一つのデータパケットと認識されるようにアグリゲートフロー内に収容すべきである。例えば、これらの制御メッセージの先頭に、アグリゲートフローを識別するためのIPパケットヘッダを付与して、制御メッセージ内容を隠蔽する方法(図4を参照)、または、フローラベルの変換後の値に基づいて、アグリゲートPathメッセージと個々のフローのPathメッセージの区別、アグリゲートResvメッセージと個々のフローのResvメッセージの区別を行う方法(図5を参照)などにより、実現可能である。
【0068】
このとき、上位レイヤにRTPを用いて生成されたIPパケットフローのみをアグリゲートする場合、各々のフロー内にて生成されるPathメッセージ内に記載されるトラヒック特性は、図6にて示したRTPパケットの生成間隔Tにより決定されるIPパケットの転送速度のみで規定可能であるため、アグリゲートPathメッセージ内に記載されるトラヒック特性は、各々のPathメッセージ内に記載されているパケット転送速度の総和にて定義することが可能である。図8の例では、フローa、フローbが各々5Mbpsの速度にて送信されるトラヒックフローをアグリゲートするので、アグリゲートフローのパケット転送速度は、10Mbpsと容易に規定することができる(図8(a))。Resvメッセージのアグリゲートも同様に、要求帯域の総和をアグリゲートフローに対して予約すればよい(図8(b))。
【0069】
アグリゲートフローに割り当てる帯域を、生成したアグリゲートResvメッセージ内の要求帯域に等しく割り当てる方法の他に、収容される個々のフローが要求する要求帯域に関わらず、予め通信網システム(アグリゲートフローの終端点となるルータ)において取り決めておいた帯域を割り当てる方法を用いてもよい。この場合は、上述したように、アグリゲートPathメッセージ、アグリゲートResvメッセージを用いた、動的な帯域割当を実行する必要はない。また、新たなフローをアグリゲートフローとして収容することで、必要となる帯域が予め割り当てられた帯域を上回る場合には、このフローの収容を拒絶するためフロー受付制御を搭載する必要がある。
【0070】
(2)IPパケット受付制御
上述したように、上位レイヤにRTPを用いて生成されたIPパケットフローのみをアグリゲートしたアグリゲートフローのトラヒック特性は、当該アグリゲートフローに収容される各々のフローのパケット転送速度の総和にて規定可能である。そのため、パス35の入口にて実行する、アグリゲートフローへのIPパケット受付制御も、到着パケットのパケット転送速度を監視して、当該転送速度が本アグリゲートフローにおけるパケット転送速度の総和を上回らない場合に限り、到着パケットをアグリゲートフロー内に収容すればよい。
【0071】
さて、次に、本実施形態に係るルータの構成について説明する。
【0072】
図9に、アグリゲートフローの端点となり得るルータ(図1の例では、ルータ11、ルータ12)の構成例を示す。
【0073】
図9において、41はスイッチ部、42はプロトコル処理部、43はパケットヘッダ処理部、44はルーチング処理部、45はポート対応部、451はパケット受付制御部である。図9においては、4入力4出力の場合を例にとり示しており、パケット出力ポート毎にパケット受付制御部451が設置される。
【0074】
ポート対応部45は、各入出力ポート毎に設けられ、入力ポートからパケットを入力する処理と出力ポートからパケットを送出させる処理を行う。
【0075】
スイッチ部41は、任意のパケット入力ポートより到着したIPパケットを、ルーチング処理部44により選択されたパケット出力ポートへ出力させるための動作を行う。本スイッチ部41は、例えばイーサネットスイッチ、ファイバチャネルスイッチ、ATMスイッチ、などにて構成可能である。
【0076】
プロトコル処理部42では、スイッチ部41に到着したIPパケットが、任意のプロトコルにて規定された制御メッセージであるか否かを判断し、制御メッセージであれば、当該メッセージに基づく処理を行う。例えば、到着パケットが、RSVPにて規定されているPathメッセージであれば、Pathメッセージ内のトラヒック特性を記憶して、パケット受付制御部451へ本特性を通知する。また、到着パケットが、RSVPにて規定されているResvメッセージであれば、Resvメッセージ内の資源予約要求が受付可能であるか否かを判断し、受付可能であれば、相当するフローに対する資源の確保を指示する。
【0077】
そして、プロトコル処理部42では、アグリゲートフローの新規設定や解放に伴う処理を行う。
【0078】
また、プロトコル処理部42では、スイッチ部41に到着したIPパケットをアグリゲートフロー内に挿入すべきパケットであるか否かを判断し、アグリゲートフロー内に挿入すべきパケットであれば、パケットヘッダ処理部43へ、パケットヘッダの操作を指示する。
【0079】
さらに、プロトコル処理部42では、アグリゲートPathメッセージ、アグリゲートResvメッセージの生成/終端も行う。
【0080】
パケットヘッダ処理部43では、スイッチ部41に到着したIPパケットがアグリゲートフロー内に挿入されるパケットである場合に、図4にて示したパケットのカプセル化、もしくは図5に示したパケットヘッダ内のフローラベルの変換といった処理を行う。
【0081】
ルーチング処理部44では、パケットヘッダ処理部43にて処理されたIPパケットのフローラベル、もしくは、アグリゲートフロー内に収容されない、スイッチ部41に到着したIPパケットのデスティネーションアドレス(必要に応じて、ソースアドレス、フローラベルも参照)を参照して、当該パケットの出力先ポートを決定し、本ポートへ当該パケットをルーチングするよう、スイッチ部41に指示する。
【0082】
パケット受付制御部451は、アグリゲートフローへ収容するIPパケットの受付制御、もしくは、アグリゲートフローに限定しない任意のフローに対するIPパケットの受付制御を行う。なお、パケット受付制御部451は、図9に示すように各ポート毎に設置する代わりに、ルーチング処理部44内に設置して、IPパケットのルーチングを決定すると同時に、当該パケットの受付の可否を判断するというように構成してもよい。
【0083】
次に、図10に、アグリゲートフローの生成手順の一例を示す。
【0084】
図10では、パケットフローaがサービス中であるところへ、パケットフローbが新たにサービスを開始する場合を例にとり、説明する。
【0085】
フローb上にPathメッセージが到着すると、ルータ11のプロトコル処理部42では、フローbとアグリゲートが可能なフローが、本Pathメッセージの出側ポートと同一のポートより送出されるフローの中に存在するかを判断する(図10(a))。例えば、両フローともRTPを介して生成されるIPパケットであり、固定長のパケットが一定のパケット転送速度にて送出されるような場合には、フローのアグリゲートが可能であると判断する。図10の例では、フローaとのアグリゲートを試みるものとする。
【0086】
次に、ルータ11内のプロトコル処理部42は、アグリゲートフローの終端ノードとなり得るルータの検索を行うためのメッセージ(終端ノード検索メッセージ)を生成し、フローbのPathメッセージの宛先アドレス宛に送信する(図10(b))。このとき、終端ノード検索メッセージ内には、アグリゲートの相手がフローaである旨を記載しておく。
【0087】
終端ノード検索メッセージを受信するルータでは、当該メッセージ内の宛先アドレスより決定される出側ポートと、当該メッセージ内に記載されているフローaの出側ポートが同一であるかを比較し、同一の出側ポートを用いていれば、引続き当該メッセージを次段ルータ宛に送信する。
【0088】
終端ノード検索メッセージ内の宛先アドレスより決定される出側ポートと、当該メッセージ内に記載されているフローaの出側ポートが異なるルータ(ルータ12)に到着すれば、本ルータ内のプロトコル処理部42では、自ルータがアグリゲートフローの終端ルータとなることを記憶して、それに伴うIPパケットのヘッダ処理(アグリゲートフロー用に修正されたIPヘッダを、当初のIPヘッダへ戻すための処理)を行うよう、パケットヘッダ処理部43へ指示する。そして、ルータ12は、終端ノード検索メッセージが終端ルータに到達した旨を、当該メッセージを生成したルータ11に通知する(図10(c))。
【0089】
ルータ11にて、終端ノード検索メッセージが終端ルータに到達した旨を認識すれば、本ルータ内のプロトコル処理部42では、自ルータがアグリゲートフローの開始ルータとなることを記憶して、それら伴うIPパケットのヘッダ処理(アグリゲートフロー用にIPヘッダを修正するための処理)を行うよう、パケットヘッダ処理部43へ指示する(図10(d))。
【0090】
次に、図11に、新規フローのアグリゲートフローへの挿入手順の一例を示す。
【0091】
図11では、パケットフローaとパケットフローbとを収容するアグリゲートフローが存在するところへ、パケットフローcが新たにサービスを開始する場合を例にとり、説明する。
【0092】
フローc上にPathメッセージが到着すると、ルータ11のプロトコル処理部42では、フローcが、フローcの出側ポートを始点としている既存のアグリゲートフロー内に挿入することが可能であるか否か(アグリゲートフローとのアグリゲートが可能であるか否か)を判断する(図11(a))。
【0093】
フローcを、アグリゲートフロー内に挿入可能であると判断すれば、ルータ11内のプロトコル処理部42は、アグリゲートフローの終端ノードであるルータ12に対して、当該アグリゲートフロー内にフローcを挿入する旨を伝えるメッセージを送信する(図11(b))。
【0094】
当該メッセージを受信した、アグリゲートフローの終端ノードであるルータ12は、フローc内のパケットもアグリゲートフローを介して受信される旨を記憶して、それに伴うIPパケットのヘッダ処理を行うよう、パケットヘッダ処理部43へ指示する。そして、当該メッセージが到達した旨を、ルータ11に通知する(図11(c))。
【0095】
ルータ11にて、当該メッセージが終端ルータに到達した旨を認識すれば、フローc内のパケットもアグリゲートフローに挿入するよう、パケットヘッダ処理部43へ指示する(図11(d))。
【0096】
さて、次に、端末の移動に対応可能な通信網システムを提供する際に必要となる機能について、説明する。
【0097】
図12には、端末22の移動に伴い、端末22の接続先であるルータが、ルータ14よりルータ15へ変更となった場合の通信網システム内のフローがとるルートの変更の様子を示す。
【0098】
端末22の移動に伴い、フローbに対しては、端末24迄の通信を行うための新たなルートが設定される。図12の例では、フローbの新たなルートが、(端末22)→ルータ15→ルータ11→…→ルータ12→ルータ18→(端末24)になったものとする。
【0099】
フローbが上記ルートを通る場合、フローbはルータ11を通過するため、アグリゲートフローの始点であるルータ11では、端末22の移動前にフローbを収容していたアグリゲートフロー内に、フローb上を転送するIPパケットを引続き収容することが可能である。これは、ルータ11内のパケットヘッダ処理部43では、到着したIPパケットの入側ポートに関係なく、IPパケット内のフローラベルとソースアドレス(端末22に固有に割り当てられたアドレス)との組により、到着パケットがフローbに属することを判断するからである。つまり図12の例では、端末22の移動に伴う手続きとしては、パス33を解放する手続きと、新たにパス36を設定してパス36上に必要帯域を確保する手続きとを行うのみでよく、ルータ11より端末24までのパス35,34に対しては、如何なる変更も施す必要がない。
【0100】
図13には、端末22の移動に伴い、端末22の接続先であるルータが、ルータ14よりルータ19へ変更となった場合の通信網システム内のフローがとるルートの変更の様子を示す。
【0101】
図13の例では、端末22の移動に伴うフローbの新たなルートは、(端末22)→ルータ19→…ルータ18→(端末24)になったものとする。
【0102】
フローbが上記ルートを通る場合、フローbは、端末22の移動前のルート上にあるルータ11を通過せずに宛先である端末24へ到達する。つまり、移動後のフローbはルータ11とルータ12との間に存在するアグリゲートフローを使用しないこととなる。よって、端末22と端末24との間には、新たにパス43が設定される。なお、ルータ19とルータ18との間に、フローbとのアグリゲートが可能なフローが存在する場合には、図10にて示した手順に従い、新たにアグリゲートフローを生成することが可能である。また、ルータ19とルータ18との間に、フローbを挿入することが可能な既存のアグリゲートフローが存在する場合には、図11にて示した手順に従い、既存のアグリゲートフロー内にフローbを挿入することが可能である。
【0103】
なお、端末22の移動前にフローbを収容していた、ルータ11とルータ12との間のアグリゲートフローは、現在フローaのみを収容しているため、アグリゲートフローを解放して、端末21と端末23との間にパス41を新たに設定する場合もある。
【0104】
以上のように本実施形態によれば、同一なルーチング処理を施すこととなる複数のIPパケットフローに対しては、これらのIPパケットフローを束ねたアグリゲートフローを生成し、本アグリゲートフローに対するルーチング処理、帯域割当制御を行うことができる。これにより、ルーチング処理や帯域割当制御を実行するのに必要なフロー毎の情報を保持するために必要なメモリ量が削減でき、これらの情報を検索するのに要する時間の削減が可能となる。また、端末の移動に伴うフロー再設定の範囲も可能な限り狭めることが可能となり、フロー再設定に要する時間の減少が期待できる。
【0105】
次に、本発明を他の通信網システムに適用する場合の例について説明する。
【0106】
図14は、本発明の適用対象となる通信網システムの図1とは異なる一例である。
【0107】
図14では、通信網を、プレミアムサービス用ネットワーク51と通常サービス用ネットワーク52との二種類に、論理的もしくは物理的に分割している。なお、プレミアムサービス用ネットワーク51は、サービスクラス毎のIPパケット処理ポリシーの規定が可能な(CoS(サービスクラス)サポートのある)ルータにより構成されるネットワークである。なお、図14において、プレミアムサービス用ネットワーク51を構成するルータ装置は省略してある(プレミアムサービス用のパスの出入口に位置するルータ装置は、例えば図9のような構成とする)。
【0108】
なお、図14において有線回線にて接続されている部分の全部または一部を無線回線に置き換えて接続した通信網システムにも本発明は適用可能である。
【0109】
プレミアムサービス用ネットワークでは、通常サービス用ネットワークからの指示により、通常サービス用ネットワーク内の任意のルータ間での、プレミアムサービスを要求するIPパケットの配送を目的としたパスの設定、そして、既に設定されているパスの解放が行われる。図14の例では、ルータ541とルータ542との間にて、プレミアムサービスを要求するIPパケットの配送のためにパス531が、ルータ541とルータ543との間にて、プレミアムサービスを要求するIPパケットの配送のためにパス532が、ルータ542とルータ543との間にて、プレミアムサービスを要求するIPパケットの配送のためにパス533が、各々設定されている。なお、プレミアムサービスを要求しないIPパケットを配送する際には、プレミアムサービス用ネットワークを用いず、通常サービス用ネットワークのみを用いる。
【0110】
図14において、端末561より端末562宛へのプレミアムサービスでの通信要求が生じた場合を例にとり、プレミアムサービスの通信が開始されるまでを説明する。
【0111】
端末561を収容する基地局551と接続するルータ541では、端末561より生じたプレミアムサービスでの通信要求を受信すると、当該通信の相手端末である、端末562迄の通信ルートの設定を、プレミアムサービス用ネットワーク51を介して行う。図14の例では、ルータ541にて、通信の相手端末562が基地局552に収容されていることを認識すれば、ルータ541は、基地局552と接続するルータ542宛へ設定されている、プレミアムサービス用ネットワーク内のパス531を用いて通信を行えば良いことが分かる。そこで、ルータ541は、当該プレミアムサービスを要求するIPパケットをパス531内に挿入するようルートを設定する。また、パス531の出口に位置するルータ542では、パス531より到着する当該プレミアムサービスを要求するIPパケットを、基地局552を介して端末562へ送信するよう、ルートを設定する。
【0112】
ところで、プレミアムサービスを提供すべき新規IPパケットフローが挿入されることを認識したパス531では、収容IPパケットフロー情報の更新を行う。収容IPパケットフロー情報は、例えば図15のように、IPパケットフローの識別子と当該フローのトラヒック特性とを対応づけて、パスの入口(パス531の場合だと、例えばタール541)にて保持されるものである。
【0113】
そして、現在パスに収容しているIPパケットフローを統計多重することにより得られる、アグリゲートフローのトラヒック特性を、当該パス内に収容するIPパケットフローが増加、もしくは減少する度に算出し、本アグリゲートフローを収容するのに十分な帯域を、当該パスに割り当てる。図15の例では、各IPパケットフローが、一定の速度に従いパケット転送を行い、本フローのトラヒック特性がパケット転送速度値のみを用いて表すことのできる例を用いているため、アグリゲートフローのトラヒック特性は、これらのパケット転送速度値の総和にて表すことができる。
【0114】
なお、プレミアムサービス用ネットワーク内での帯域割当制御を、RSVPを用いて行う方法をとってもよい。この場合、図16のように、パスの送信側端点に位置するルータにて、図15にて記載されているアグリゲートフローのトラヒック特性を記載したPathメッセージを周期的に生成して送信し、また、パスの受信側端点に位置するルータにて、プレミアムサービスとして必要なサービス品質を記載したResvメッセージを周期的に生成して送信する。これに基づき、プレミアムサービス用ネットワーク内の各ルータでは、受信するPathメッセージ、Resvメッセージに基づいて、各々のパスに対する帯域割当を実行する。
【0115】
さらに、プレミアムサービス用ネットワーク内のパスは、当該パスに収容されるフローの有無に関わらず、常に固定的に設定しておく方法を用いてもよい。このとき、当該パスに割り当てる帯域は、予めプレミアムサービス用ネットワークにおいて取り決めておいた帯域を固定的に割り当てておく。
【0116】
プレミアムサービス用ネットワーク内に設定されたパスの入口では、IPパケット受付制御機能(PAC部;図中では「PAC」で示す)(図9のパケット受付制御部451に相当)を設けて、予め定められたアグリゲートフローのトラヒック特性に合致しないIPパケットの、プレミアムサービス用ネットワーク内への流入を防ぐというトラヒック制御を実行するようにしてもよい。
【0117】
次に、本発明をさらに他の通信網システムに適用する場合の例について説明する。
【0118】
図17は、本発明の適用対象となる通信網システムの図1および図14とは異なる一例である。
【0119】
図17では、通信網を、基地局651〜656を収容する小規模なネットワーク62〜64と、ネットワーク62〜64を収容する大規模なネットワーク61との二種類に、論理的もしくは物理的に分割している。なお、ネットワーク61内には、ネットワーク62〜64の任意の二種類のネットワーク間の通信を提供するためのパス611〜613が固定的に設定されている。なお、図17において、プレミアムサービス用ネットワーク51を構成するルータ装置は省略してある(大規模ネットワーク中のパスの出入口に位置するルータ装置は、例えば図9のような構成とする)。
【0120】
なお、図17において有線回線にて接続されている部分の全部または一部を無線回線に置き換えて接続した通信網システムにも本発明は適用可能である。
【0121】
ネットワーク62〜64では、IPパケットフローに対する帯域予約要求が生じる度に、例えばRSVPによる帯域予約が、IPパケットフロー毎になされる。また、ネットワーク61では、ネットワーク62〜64の異なるネットワーク間にて生じる通信に対する帯域予約を、パケットのカプセル化やフロー識別子(フローラベル)の変換により生成するアグリゲートフロー毎に、例えばRSVPを用いてなされる。
【0122】
図17は、端末662が基地局653に収容されている場合の、端末661宛へのIPパケットフローに対する帯域予約の例を示したものである。このとき、送信端末662を収容する基地局653は、受信端末661を収容する基地局651はネットワーク62内に存在することを認識し、基地局653が存在するネットワーク63とネットワーク62とを接続するネットワーク61内に設定されているパス612を用いて通信を行うよう、ルート設定を行う。そして、ネットワーク63では、基地局653とネットワーク61内のパス612の入口とを接続するパス631を設定して、本パス631に対する帯域予約を行い、ネットワーク62では、ネットワーク61内のパス612の出口と基地局651とを接続するパス621を設定して、本パス621に対する帯域予約を行う。さらに、ネットワーク61では、新規フローを新たに束ねたアグリゲートフローを収容するパス612において、アグリゲートフロー全体での帯域予約がなされる。なお、先の例と同様に、パス631、パス612、パス621の入口では、IPパケット受付制御機能(PAC部;図中では「PAC」で示す)(図9のパケット受付制御部451に相当)を設けて、IPパケットの受付制御を行ってもよい。
【0123】
ここで、図18に示すように、端末662の移動により、収容される基地局が基地局653より基地局656に変更された場合を考える。このとき、端末662は、基地局656に対して自信が基地局656のエリア内に存在することを通知する。本通知を受けた基地局656では、端末651との間の帯域予約をRSVPを用いて実行する。
【0124】
基地局656は、自信が存在するネットワーク64と、受信端末662を収容する基地局651が存在するネットワーク62とを接続する、ネットワーク61内に設定されているパス611を用いて通信を行うよう、ルート設定を行う。そして、ネットワーク64では、基地局656とネットワーク61内のパス611の入口とを接続するパス641を設定して、本パス641に対する帯域予約を行い、ネットワーク62では、ネットワーク61内のパス611の出口と基地局651とを接続するパス622を設定して、本パス622に対する帯域予約を行う。さらに、ネットワーク61では、新規フローを新たに束ねたアグリゲートフローを収容するパス611において、アグリゲートフロー全体での帯域予約がなされる。なお、上記と同様に、パス641、パス611、パス622の入口では、IPパケット受付制御機能(PAC部;図中では「PAC」で示す)(図9のパケット受付制御部451に相当)を設けて、IPパケットの受付制御を行ってもよい。
【0125】
なお、端末662が基地局653に収容されていた際に設定されたパス631、パス621に対しては、端末662の移動に伴い、Pathメッセージ、Resvメッセージのパス631、パス621上の送信がなくなり、一定時間これらのメッセージが受信されなければ、RSVPに規定されているタイムアウト機能により、パス631、パス621に対して確保された帯域は全て解放されることとなる。また、端末662より端末661宛のIPトラヒックフローを収容していたネットワーク61内のパス612においても、当該フローの流入の終了に伴い、当該フローを除いたアグリゲートフローに対する帯域予約が新たに行われる。
【0126】
なお、ネットワーク61内のパス611,612,613が確保する帯域は、収容されているフローの有無に関わらず、固定量を割り当てるという方法を用いてもよい。
【0127】
以下では、リアルタイム通信用のプロトコルであるRTPを用いた場合に、RTPレベルにてパケットのストリームをアグリゲートした場合の制御方法について説明する。なお、RTPレベルでのアグリゲートの方法は基本的には前述したIPレベルでのアグリゲートの方法と同様である(図4、図5参照)。
【0128】
図19に、RTPレベルでのパケット転送制御の概要を示す。RTP自身は、QoSを保証するためのプロトコルではなく、RTPパケットにタイムスタンプやシーケンス番号などの付与、そしてRTCP(RTP制御プロトコル)による送信者と受信者との間の情報交換サービスを提供する。つまり、RTPとRTCPを用いることにより、RTPの上位レイヤ(例えばアプリケーション)は、例えば受信者からの情報よりネットワークの状態が推定できるので、それにより輻輳であると判断すれば、データの送信速度を制限するようなQoS制御を行うことができる。
【0129】
図20に、RTPの通信シーケンスを示す。RTP通信を開始する際、送信者はSDES(ソース記述アイテム)メッセージを記載したRTCPパケットを受信者側に送出し、通信で使用するセッション情報等を伝える。SDESメッセージを送出することで、RTPセッションが確立され、送信者はRTPデータをあるビットレートにて送出する。
【0130】
送信者は、RTPデータを送出した時点から周期的に(例えば一定間隔ΔtSで)、SR(送信者報告)メッセージを記載したRTPパケットを送出する。SRメッセージでは、送信者側でのタイムスタンプ値、送信パケット総数とそのオクテット数の総数などの情報メッセージが記載される。
【0131】
また、受信者は、RTPデータを受信した時点から周期的に(例えば一定間隔ΔtRで)、RR(受信者報告)メッセージを記載したRTCPパケットを送出する。RRメッセージでは、パケット損失数、受信者でのシーケンス番号、遅延ジッタ、最後に受信したSRメッセージからの遅れなどの情報メッセージが記載される。
【0132】
通信終了時には、送信者はBYEメッセージを記載したRTCPパケットを送出することで、RTPセッションを開放する。
【0133】
送信者と受信者では、上述のようにSRメッセージ、RRメッセージを交換し合うことで、帯域にあったビットレートを調整してRTPデータを送出する。
【0134】
RTPでは、「ミキサ」の概念をサポートしている。ミキサは、1つ以上のソースから送信されるRTPパケットのストリーム(以下、RTPストリームと呼ぶ)を受信し、RTPパケット内のデータフォーマットを変更したり、RTPストリームをアグリゲートして新たなストリームを生成し、これを転送するRTPパケットの中継装置である。
【0135】
図21に、RTPミキサを用いたRTPストリームの生成の一例を示す。図21では、図1に示した通信網システムにおける例について示したものである。
【0136】
図21では、端末21より端末23宛にRTPパケットを送信し、また、端末22より端末24宛にRTPパケットを送信する。これらを各々RTPストリームa、RTPストリームbとする。RTPミキサ11(図1におけるルータ11に相当)では、RTPストリームaとRTPストリームbとをアグリゲートし、新たなRTPストリームcを生成し、RTPミキサ12(図1におけるルータ12に相当)へ送信する。RTPミキサ12では、RTPストリームcをRTPストリームaとRTPストリームbとに再び分離し、各々を送信先である端末23もしくは端末24へ送信する。なお、以下では、端末21とRTPミキサ11間におけるRTPストリームaとRTPミキサ12と端末23との間におけるRTPストリームaとを区別するため、RTPミキサ12と端末23との間におけるRTPストリームaについては、RTPストリームa’と記載する。同様の理由により、RTPミキサ12と端末24との間におけるRTPストリームbについては、RTPストリームb’と記載する。
【0137】
RTPストリームの送信者と受信者との間の情報交換を提供するRTCPパケットが、RTPストリームの終端ノード間にて行われる。図21では、RTPストリームaに対するRTCPパケットが端末21とRTPミキサ11との間で、RTPストリームbに対するRTCPパケットが端末22とRTPミキサ11との間で、RTPストリームcに対するRTCPパケットがRTPミキサ11とRTPミキサ12との間で、RTPストリームa’に対するRTCPパケットがRTPミキサ12と端末23との間で、RTPストリームb’に対するRTCPパケットがRTPミキサ12と端末24との間で各々送受信される。
【0138】
図22は、RTPストリームa、RTPストリームb、RTPストリームa’が通過する端末、ルータ、RTPミキサにおけるプロトコルスタックを示す。なお、IPレイヤより下位レイヤにおけるプロトコルスタックについては図示していない。
【0139】
図22に示すように、ルータ13やルータ16においては、受信したIPパケットをRTPパケットに組み立てることなく、IPパケットのヘッダ情報をもとにルーチング処理を行う。それに対して、RTPミキサ11およびRTPミキサ12においては、受信したIPパケットを一旦RTPパケットに組立てて、RTPパケットのヘッダ情報をもとにルーチング処理を行う。その際、RTPミキサ11では、RTPストリームaとRTPストリームbとのアグリゲートを行ってRTPストリームcを生成し、RTPミキサ12では、RTPストリームcを分離してRTPストリームaとRTPストリームbとに再び戻す。
【0140】
図21において、RTPストリームaとRTPストリームbとをアグリゲートすることにより生成されたRTPストリームcに対して実行される輻輳制御方法について以下に示す。
【0141】
(a)RTPミキサ11における、RTPストリームcの送信速度の減少
RTPミキサ11では、RTPミキサ12との間でのRTCPパケットの交換により、RRメッセージから得られるパケット損失数などの情報に基づき、輻輳の検知が可能となる。
【0142】
RTPミキサ11では、RTPストリームa、RTPストリームbより受信したRTPパケットをアグリゲートしてRTPストリームcとして送出する際に、送信速度を減少させることで、輻輳からの回復を図る。RTPストリームの送信速度を減少させるための手段としては、
(1)受信したRTPパケットを一旦復号化し、新しいデータ送信速度に合わせて再符号化する方法、
(2)階層符号化等を用いてストリームデータを複数の階層に分けて符号化を行い、新しいデータ送信速度に応じて、復号に必要な階層のデータを含むパケットより送信する方法、
などが挙げられる。
【0143】
ところで、(1)に示した方法を実現するためには、RTPミキサ11では、RTPパケットを復号化・再符号化するためのアプリケーションレイヤの処理を実行する必要がある。RTPミキサでの負荷を考慮すれば、(2)に示した、階層符号化を用いる方法が効率的な制御であると考えられる。
【0144】
図23に示した例では、端末21と、端末22(図23では省略している)は、それぞれ、L1、L2、L3、L4の4階層に階層符号化されたストリームデータを、RTPストリームa、RTPストリームbとして送信する。なお、L1はそのストリームを再生するための最低限の情報量が含まれたデータであり、それ単体でデコードすることが可能である。これに対し、L2、L3、L4は、L1と合成することで受信品質を改善することが可能なデータであり、L2、L3、L4の順で優先度が低くなる(本例の場合、L1、L1とL2、L1〜L3、L1〜L4の4種類がある)。
【0145】
図23では、RTCPパケットにより、RTPストリームcの転送経路上にて輻輳が発生していることを認識したRTPミキサ11が、それまでL1〜L4の全てのデータを送信していたところを、L1とL2のデータのみをRTPミキサ12宛に送信するよう変更している。L3とL4のデータについては、RTPミキサ12宛に送信せず、廃棄する。これにより、廃棄されたデータ(上記例では、L3,L4)に応じて受信側での品質が劣化するものの、RTPストリームcの送信速度が減少され、輻輳の回復が期待される。
【0146】
(b)RTPストリームcを収容するIPアグリゲートフローに対する割り当て帯域量の増加
(a)に示したような、RTPミキサ12がRTPミキサ11宛にRRメッセージを送信することで、RTPミキサ11にRTPストリームcの送信速度を減少させることで輻輳からの回復を図るという制御の他に、IPレイヤにおいて前記RTPストリームcを収容するIPアグリゲートフローに割り当てられる帯域を増加することで、輻輳からの回復を図るという制御を、図7に示したアグリゲートPathメッセージ(Aggregated Path msg.)、アグリゲートResvメッセージ(Aggregated Resv msg.)を用いて実行する。
【0147】
図24に示した例では、RTCPパケットの交換によりRTPストリームcの転送経路上に輻輳が生じていることをRTPミキサ12が認識した場合、RTPミキサ12は、本RTPストリームcを収容するIPアグリゲートフローに割り当てる帯域を増加させるよう、IPレイヤにおいて、要求帯域を記載したアグリゲートResvメッセージを生成し、RTPミキサ11宛へ送信する。図24に示していないが、RTPミキサ11とRTPミキサ12との間の全てのルータにおいて、アグリゲートResvメッセージに記載した要求帯域の割り当てが許容されれば、IPアグリゲートフローに対する割当帯域は増加され、その結果、本IPアグリゲートフローに収容されるRTPストリームcは、輻輳からの回復が可能となる。
【0148】
もちろん、上記(a)に示したRTCPパケットの交換(RRメッセージの送出)に基づいたRTPレベルの輻輳制御と、上記(b)に示したResvメッセージに基づいたIPレベルの輻輳制御との両者を組み合わせて実行してもよい。
【0149】
ところで、IPパケットのパケット長が異なるフロー同士をアグリゲートする場合、RTPミキサにて、その上位レイヤであるアプリケーションレイヤ処理を併せて実行することで、これらのパケット長が同一となるよう調整することが可能となる。図25に、この場合の一例を示す。
【0150】
IPパケット長は、IPパケットを生成するRTPパケット長、すなわち、アプリケーションレイヤにおける符号化速度と、RTPレイヤにおけるRTPパケット生成間隔により決定される。図25において、端末21にて送信するアプリケーション情報を、符号化速度s1、パケット生成間隔T1にて生成したRTPパケットをIPパケット化した際のIPパケット長はs1×T1+αにて、端末22にて送信するアプリケーション情報を、符号化速度s2、パケット生成間隔T2にて生成したRTPパケットをIPパケット化した際のIPパケット長はs2×T2+αにて表記できる。なお、αは、RTPヘッダ長、UDPヘッダ長、IPヘッダ長の和を示す。
【0151】
端末21にて生成されるIPパケットフローと、端末22にて生成されるIPパケットフローとを共に受信するRTPミキサ11では、受信したIPパケットを一旦RTPパケットに変換し、さらにアプリケーションレイヤにてアプリケーション情報(例えば、アナログ音声信号)への復号化を行う。そして、両方のアプリケーション情報を、同一の符号化速度s、同一のパケット生成間隔TにてRTPパケットを生成すれば、それをIPパケット化した際のIPパケット長が共に、s×T+αと同一なものになる。これにより、前述したようにIPアグリゲートフローとしてのIPパケット処理の負荷が低減される。なお、sやTは、アグリゲートされるいずれかのフローにおけるものと同じ値を用いてもよいし、それらとは異なる別の値を用いてもよい。
【0152】
なお、アグリゲートフローの終点であるRTPミキサ12(図25では省略している)にて、両パケットフローを分離して各々のフローの送信先端末へ送出するが、その際に、本RTPミキサにおいて、再びアプリケーション情報への復号化を行い、当初の符号化速度、パケット生成間隔に従ったRTPパケット生成、IPパケット化を行う。
【0153】
ところで、図25の例において、端末21、端末22が階層符号化を用いてRTPパケットを生成している場合には、RTPミキサ11では、アプリケーションレイヤまで遡った復号化処理等を行う必要がない。その場合のRTPミキサ11での動作例を図26に示す。
【0154】
RTPミキサ11では、受信したIPパケットをRTPパケットに変換した後に、端末21より送出されたRTPパケットaの長さと、端末22より送出されたRTPパケットbの長さとが同一となるよう調整する。図26に示した例では、RTPミキサ11にて、パケット長が長いRTPパケットbのL3、L4のデータを廃棄している。
【0155】
両RTPパケットの長さを同一とするための他の方法として、パケット長が短いRTPパケットaに対してパディングを行い、両RTPパケットの長さを同一とする方法もある。
【0156】
上述したように、RTPパケット長が同一となれば、本RTPパケットより生成されるIPパケットのパケット長も同一なものとなる。
【0157】
なお、以上の各機能は、ソフトウェアとしても実現可能である。
【0158】
また、本実施形態は、コンピュータに所定の手段を実行させるための(あるいはコンピュータを所定の手段として機能させるための、あるいはコンピュータに所定の機能を実現させるための)プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体としても実施することもできる。
【0159】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において種々変形して実施することができる。
【0160】
【発明の効果】
本発明によれば、同一なルーチング処理を施すこととなる複数のパケットフローに対しては、これらのパケットフローを束ねたアグリゲートフローを生成し、本アグリゲートフローに対するルーチング処理、帯域割当制御を行うことができる。これにより、ルーチング処理や帯域割当制御を実行するのに必要なフロー毎の情報を保持するために必要なメモリ量が削減でき、これらの情報を検索するのに要する時間の削減が可能となる。また、端末の移動に伴うフロー再設定の範囲も可能な限り狭めることが可能となり、フロー再設定に要する時間の減少が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する通信網システムの一例を示す図
【図2】帯域割当方法の一例を説明するための図
【図3】アグリゲートフローについて説明するための図
【図4】アグリゲートフローを定義する方法の一例を示す図
【図5】アグリゲートフローを定義する方法の他の例を示す図
【図6】送信側端末の上位レイヤにRTPパケットを搭載した場合のIPパケットの生成過程の概略を示す図
【図7】RSVPにて定義されるPathメッセージおよびResvメッセージの流れの概要を示す図
【図8】アグリゲートPathメッセージ内に記載されるトラヒック特性およびアグリゲートResvメッセージ内に記載される要求帯域を定義する方法の一例を示す図
【図9】アグリゲートフローの端点となり得るルータの構成例を示す図
【図10】アグリゲートフローの生成手順の一例を説明するための図
【図11】新規IPパケットフローのアグリゲートフローへの挿入手順の一例を説明するための図
【図12】端末が移動する場合の通信網システム内のフローのルート変更の一例について説明するための図
【図13】端末が移動する場合の通信網システム内のフローのルート変更の他の例について説明するための図
【図14】本発明を適用する通信網システムの他の例を示す図
【図15】収容IPパケットフロー情報の一例を示す図
【図16】図14においてプレミアムサービス用ネットワーク内での帯域割当制御をRSVPを用いて行う方法の一例について説明するための図
【図17】本発明を適用する通信網システムのさらに他の例を示す図
【図18】図17において端末が移動する場合の通信網システム内のフローのルート変更の一例について説明するための図
【図19】RTPレベルでのパケット転送制御の概要を説明するための図
【図20】RTPの通信シーケンスを示す図
【図21】RTPミキサを用いたRTPストリームの生成の一例を示す図
【図22】プロトコルスタックの一例を示す図
【図23】階層符号化を用いてRTPストリームの送信速度を減少させる場合の一例を示す図
【図24】RTCPパケットの交換によりIPアグリゲートフローに割り当てる帯域を制御する場合の一例を示す図
【図25】RTPミキサにおいてパケット長が異なるIPフロー同士をアグリゲートする場合の一例を示す図
【図26】RTPミキサにおいてパケット長が異なるIPフロー同士をアグリゲートする場合の他の例を示す図
【図27】従来の帯域割当方法について説明するための図
【符号の説明】
21〜24,561,562,661,662…端末
11〜19,541〜543…ルータ
551〜553,651〜656…基地局
41…スイッチ部
42…プロトコル処理部
43…パケットヘッダ処理部
44…ルーチング処理部
45…ポート対応部
451…パケット受付制御部(PAC部)
51…プレミアムサービス用ネットワーク
52…通常サービス用ネットワーク
61…大規模ネットワーク
62〜64…小規模ネットワーク
Claims (20)
- 複数のルータ装置を接続して構成される通信網におけるパケットフロー制御方法において、
あるルータ装置へ転送されるパケットフローの情報を受信するステップと、
この受信した情報に基づき、前記パケットフローについて、前記あるルータ装置へ転送される複数のパケットフローを束ねることにより生成されるアグリゲートフローとしてのトラヒック特性を規定するか否かを判断するステップと、
規定すると判断した場合に、前記パケットフローに属するパケットを前記アグリゲートフロー用のパスに転送するステップとを有し、
前記アグリゲートフロー用のパスとして、特定のサービスを要求する複数のパケットフローをアグリゲートするための一定の帯域を確保したパスを予め設定しておくことを特徴とするパケットフロー制御方法。 - 複数のルータ装置を接続して構成される通信網におけるパケットフロー制御方法において、
あるルータ装置へ転送されるパケットフローの情報を受信するステップと、
この受信した情報に基づき、前記パケットフローについて、前記あるルータ装置へ転送される複数のパケットフローを束ねることにより生成されるアグリゲートフローとしてのトラヒック特性を規定するか否かを判断するステップと、
規定すると判断した場合に、前記パケットフローに属するパケットを前記アグリゲートフロー用のパスに転送するステップとを有し、
規定すると判断した場合であっても、前記アグリゲートフロー用のパスに割り当てられた帯域が、前記アグリゲートフローとして規定したトラヒック特性に従ったパケット転送のために必要な帯域を下回る場合には、前記パケットフローに属するパケットを前記アグリゲートフロー用のパスには転送しないよう制御することを特徴とするパケットフロー制御方法。 - 複数のルータ装置を接続して構成される通信網におけるパケットフロー制御方法において、
あるルータ装置へ転送されるパケットフローの情報を受信するステップと、
この受信した情報に基づき、前記パケットフローについて、前記あるルータ装置へ転送される複数のパケットフローを束ねることにより生成されるアグリゲートフローとしてのトラヒック特性を規定するか否かを判断するステップと、
規定すると判断した場合に、前記パケットフローに属するパケットを前記アグリゲートフロー用のパスに転送するステップとを有し、
前記アグリゲートフロー用のパスが存在する場合に、前記アグリゲートフローとして規定したトラヒック特性に従ったパケット転送のために必要な帯域を計算し、少なくともその算出された帯域が該パスに割り当てられるよう制御することを特徴とするパケットフロー制御方法。 - 複数のルータ装置を接続して構成される通信網におけるパケットフロー制御方法において、
あるルータ装置へ転送されるパケットフローの情報を受信するステップと、
この受信した情報に基づき、前記パケットフローについて、前記あるルータ装置へ転送される複数のパケットフローを束ねることにより生成されるアグリゲートフローとしてのトラヒック特性を規定するか否かを判断するステップと、
規定すると判断した場合に、前記パケットフローに属するパケットを前記アグリゲートフロー用のパスに転送するステップとを有し、
前記アグリゲートフロー用のパスの入口に位置するルータ装置は、該アグリゲートフローへ収容されるパケットフローに属するパケットの自装置への到着過程を監視し、該到着過程が予め規定したアグリゲートフローのトラヒック特性に従う範囲内で、該アグリゲートフローへのパケットの流入を許可することを特徴とするパケットフロー制御方法。 - 複数のルータ装置を接続して構成される通信網におけるパケットフロー制御方法において、
あるルータ装置へ転送されるパケットフローの情報を受信するステップと、
この受信した情報に基づき、前記パケットフローについて、前記あるルータ装置へ転送される複数のパケットフローを束ねることにより生成されるアグリゲートフローとしてのトラヒック特性を規定するか否かを判断するステップと、
規定すると判断した場合に、前記パケットフローに属するパケットを前記アグリゲートフロー用のパスに転送するステップとを有し、
前記複数のパケットフローが、その各々を流れるパケットのパケット長が予め定められた一定の関係にあり、かつ、いずれのパケットフローにおいてもパケット転送速度は変化しない、という条件を満足するか否かに基づいて、前記アグリゲートフローとしてのトラヒック特性を規定するか否かを判断することを特徴とするパケットフロー制御方法。 - 複数のルータ装置を接続して構成される通信網におけるパケットフロー制御方法において、
あるルータ装置へ転送されるパケットフローの情報を受信するステップと、
この受信した情報に基づき、前記パケットフローについて、前記あるルータ装置へ転送される複数のパケットフローを束ねることにより生成されるアグリゲートフローとしてのトラヒック特性を規定するか否かを判断するステップと、
規定すると判断した場合に、前記パケットフローに属するパケットを前記アグリゲートフロー用のパスに転送するステップとを有し、
前記あるルータ装置へ転送される複数のパケットフローの各々を流れるパケットのパケット長が予め定められた一定の関係になるように、該複数のパケットフローの一部または全部についてパケット長を変えるための処理をRTPレイヤレベルで行い、
このRTPレイヤレベルの処理が行われたパケットフローについては、前記アグリゲートフローとしてのトラヒック特性を規定すると判断することを特徴とするパケットフロー制御方法。 - 複数のルータ装置を接続して構成される通信網におけるパケットフロー制御方法において、
あるルータ装置へ転送されるパケットフローの情報を受信するステップと、
この受信した情報に基づき、前記パケットフローについて、前記あるルータ装置へ転送される複数のパケットフローを束ねることにより生成されるアグリゲートフローとしてのトラヒック特性を規定するか否かを判断するステップと、
規定すると判断した場合に、前記パケットフローに属するパケットを前記アグリゲートフロー用のパスに転送するステップとを有し、
前記アグリゲートフロー用のパスの入口に位置するルータ装置は、該アグリゲートフローに収容される各々のパケットフローにおけるパケットの転送速度を加算したものを該アグリゲートフローにおけるパケット転送速度として規定した場合に、前回、該アグリゲートフローへパケットを流入した時刻から今回、新たなパケットが自装置へ到着した時刻までの経過時間が、該アグリゲートフローにおけるパケット転送速度の逆数を下回らない範囲内で、パケットの該アグリゲートフローへの流入を許可することを特徴とするパケットフロー制御方法。 - 複数のルータ装置を接続して構成される通信網におけるパケットフロー制御方法において、
あるルータ装置へ転送されるパケットフローの情報を受信するステップと、
この受信した情報に基づき、前記パケットフローについて、前記あるルータ装置へ転送される複数のパケットフローを束ねることにより生成されるアグリゲートフローとしてのトラヒック特性を規定するか否かを判断するステップと、
規定すると判断した場合に、前記パケットフローに属するパケットを前記アグリゲートフロー用のパスに転送するステップとを有し、
IPの上位レイヤの制御プロトコルであるRTCP(リアルタイム転送制御プロトコル)で交換される情報に基づいて、前記アグリゲートフロー用のパスに割り当てる帯域を変更するための制御をIPレイヤレベルで行うことを特徴とするパケットフロー制御方法。 - 前記アグリゲートフロー用のパスの入口と出口の間に位置するルータ装置は、前記複数のパケットフローについて、前記アグリゲートフローとして規定したトラヒック特性に従って該アグリゲートフロー単位でパケット転送を制御することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか 1 項に記載のパケットフロー制御方法。
- 受信した前記パケットフローの情報が、特定のサービスを要求するパケットフローについてのルート設定の契機となる情報である場合に、前記判断を行うことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか 1 項に記載のパケットフロー制御方法。
- 前記アグリゲートフロー用のパスの入口の前段に位置するルータ装置は、前記特定のサービスを要求するパケットフローについてルート設定の契機となる情報を受信した場合、該情報を該パケットフローの宛先に応じた前記入口に位置するルータ装置に転送することを特徴とする請求項10に記載のパケットフロー制御方法。
- 前記アグリゲートフロー用のパスの入口に位置するルータ装置は、該アグリゲートフロー用のパスに転送すべきパケットに、その本来のフローの識別情報の代わりとして後段のルータ装置に処理させる該アグリゲートされたフローの識別情報を与えることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか 1 項に記載のパケットフロー制御方法。
- 複数のルータ装置を接続して構成される通信網に接続されるルータ装置であって、
あるルータ装置へ転送されるパケットフローの情報を受信する手段と、
この受信した情報に基づき、前記パケットフローについて、前記あるルータ装置へ転送される複数のパケットフローを束ねることにより生成されるアグリゲートフローとしてのトラヒック特性を規定するか否かを判断する手段と、
規定すると判断した場合に、前記パケットフローに属するパケットを前記アグリゲートフロー用のパスに転送する手段とを備え、
前記アグリゲートフロー用のパスとして、特定のサービスを要求する複数のパケットフローをアグリゲートするための一定の帯域を確保したパスを予め設定しておくことを特徴とするルータ装置。 - 複数のルータ装置を接続して構成される通信網に接続されるルータ装置であって、
あるルータ装置へ転送されるパケットフローの情報を受信する手段と、
この受信した情報に基づき、前記パケットフローについて、前記あるルータ装置へ転送される複数のパケットフローを束ねることにより生成されるアグリゲートフローとしてのトラヒック特性を規定するか否かを判断する手段と、
規定すると判断した場合に、前記パケットフローに属するパケットを前記アグリゲートフロー用のパスに転送する手段とを備え、
規定すると判断した場合であっても、前記アグリゲートフロー用のパスに割り当てられた帯域が、前記アグリゲートフローとして規定したトラヒック特性に従ったパケット転送のために必要な帯域を下回る場合には、前記パケットフローに属するパケットを前記アグ リゲートフロー用のパスには転送しないよう制御することを特徴とするルータ装置。 - 複数のルータ装置を接続して構成される通信網に接続されるルータ装置であって、
あるルータ装置へ転送されるパケットフローの情報を受信する手段と、
この受信した情報に基づき、前記パケットフローについて、前記あるルータ装置へ転送される複数のパケットフローを束ねることにより生成されるアグリゲートフローとしてのトラヒック特性を規定するか否かを判断する手段と、
規定すると判断した場合に、前記パケットフローに属するパケットを前記アグリゲートフロー用のパスに転送する手段とを備え、
前記アグリゲートフロー用のパスが存在する場合に、前記アグリゲートフローとして規定したトラヒック特性に従ったパケット転送のために必要な帯域を計算し、少なくともその算出された帯域が該パスに割り当てられるよう制御することを特徴とするルータ装置。 - 複数のルータ装置を接続して構成される通信網に接続されるルータ装置であって、
あるルータ装置へ転送されるパケットフローの情報を受信する手段と、
この受信した情報に基づき、前記パケットフローについて、前記あるルータ装置へ転送される複数のパケットフローを束ねることにより生成されるアグリゲートフローとしてのトラヒック特性を規定するか否かを判断する手段と、
規定すると判断した場合に、前記パケットフローに属するパケットを前記アグリゲートフロー用のパスに転送する手段とを備え、
前記ルータ装置は、前記アグリゲートフロー用のパスの入口に位置するものであり、該アグリゲートフローへ収容されるパケットフローに属するパケットの自装置への到着過程を監視し、該到着過程が予め規定したアグリゲートフローのトラヒック特性に従う範囲内で、該アグリゲートフローへのパケットの流入を許可することを特徴とするルータ装置。 - 複数のルータ装置を接続して構成される通信網に接続されるルータ装置であって、
あるルータ装置へ転送されるパケットフローの情報を受信する手段と、
この受信した情報に基づき、前記パケットフローについて、前記あるルータ装置へ転送される複数のパケットフローを束ねることにより生成されるアグリゲートフローとしてのトラヒック特性を規定するか否かを判断する手段と、
規定すると判断した場合に、前記パケットフローに属するパケットを前記アグリゲートフロー用のパスに転送する手段とを備え、
前記複数のパケットフローが、その各々を流れるパケットのパケット長が予め定められた一定の関係にあり、かつ、いずれのパケットフローにおいてもパケット転送速度は変化しない、という条件を満足するか否かに基づいて、前記アグリゲートフローとしてのトラヒック特性を規定するか否かを判断することを特徴とするルータ装置。 - 複数のルータ装置を接続して構成される通信網に接続されるルータ装置であって、
あるルータ装置へ転送されるパケットフローの情報を受信する手段と、
この受信した情報に基づき、前記パケットフローについて、前記あるルータ装置へ転送される複数のパケットフローを束ねることにより生成されるアグリゲートフローとしてのトラヒック特性を規定するか否かを判断する手段と、
規定すると判断した場合に、前記パケットフローに属するパケットを前記アグリゲートフロー用のパスに転送する手段とを備え、
前記あるルータ装置へ転送される複数のパケットフローの各々を流れるパケットのパケット長が予め定められた一定の関係になるように、該複数のパケットフローの一部または全部についてパケット長を変えるための処理をRTPレイヤレベルで行い、
このRTPレイヤレベルの処理が行われたパケットフローについては、前記アグリゲートフローとしてのトラヒック特性を規定すると判断することを特徴とするルータ装置。 - 複数のルータ装置を接続して構成される通信網に接続されるルータ装置であって、
あるルータ装置へ転送されるパケットフローの情報を受信する手段と、
この受信した情報に基づき、前記パケットフローについて、前記あるルータ装置へ転送される複数のパケットフローを束ねることにより生成されるアグリゲートフローとしてのトラヒック特性を規定するか否かを判断する手段と、
規定すると判断した場合に、前記パケットフローに属するパケットを前記アグリゲートフロー用のパスに転送する手段とを備え、
前記ルータ装置は、前記アグリゲートフロー用のパスの入口に位置するものであり、該アグリゲートフローに収容される各々のパケットフローにおけるパケットの転送速度を加算したものを該アグリゲートフローにおけるパケット転送速度として規定した場合に、前回、該アグリゲートフローへパケットを流入した時刻から今回、新たなパケットが自装置へ到着した時刻までの経過時間が、該アグリゲートフローにおけるパケット転送速度の逆数を下回らない範囲内で、パケットの該アグリゲートフローへの流入を許可することを特徴とするルータ装置。 - 複数のルータ装置を接続して構成される通信網に接続されるルータ装置であって、
あるルータ装置へ転送されるパケットフローの情報を受信する手段と、
この受信した情報に基づき、前記パケットフローについて、前記あるルータ装置へ転送される複数のパケットフローを束ねることにより生成されるアグリゲートフローとしてのトラヒック特性を規定するか否かを判断する手段と、
規定すると判断した場合に、前記パケットフローに属するパケットを前記アグリゲートフロー用のパスに転送する手段とを備え、
IPの上位レイヤの制御プロトコルであるRTCP(リアルタイム転送制御プロトコル)で交換される情報に基づいて、前記アグリゲートフロー用のパスに割り当てる帯域を変更するための制御をIPレイヤレベルで行うことを特徴とするルータ装置。
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1999
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