JP2004297260A - 車両用アンテナ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、非導電体からなる開閉体にアンテナを設ける場合においても、受信性能を高めることができる車両用アンテナ装置を提供する。
【解決手段】導電体からなり開口部を有する車体と、非導電体からなり上記開口部を開閉自在に覆う開閉体2と、上記開閉体2に設けられ、上記車体から上記開閉体2へ引き出される同軸線6の内部導体と接続されるアンテナ素子3および5とを有し、上記開閉体2は、ヒンジ8および8’のような支持手段を介して上記車体に支持されるとともに、上記同軸線6の外部導体は上記支持手段に接続されることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、車両に設けられるアンテナに関し、特に、樹脂などの非電導体からなる開閉体用のアンテナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、車両には、AMラジオ放送波やFMラジオ放送波、TV放送波など種々の放送波を受信するためのアンテナ装置が設けられている。
【0003】
このアンテナ装置は、車外に突出するポールアンテナの採用による美観の低下や風切り騒音の増加を避けつつ良好な受信感度を確保するため、リフトゲートなどの開閉体に配されることが多い。
【0004】
ところで、近年、燃費向上のために車両重量を削減することが重要なテーマとなっている。これに伴い、軽量化のため、リフトゲートやトランクリッド、ドア等の開閉体に合成樹脂を用いたものが実用に供されるようになってきている。
【0005】
樹脂のような非導電体を開閉体へ用いると、開閉体内部にアンテナ装置を設けることが可能となり、車両の美観を損うことなく種々の放送波を受信できる利点がある。
例えば、特許文献1には、車両のトランクリッドの一部を樹脂製とし、そこへアンテナ素子を埋め込む構成が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−152217号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、更なる車両重量の削減を実現させるため、開閉体の一部ではなく全体を樹脂のような非導電体とすると、開閉体そのものが車体に対し絶縁されてしまうため、接地型アンテナのアース(電気的接地)が開閉体側で取れなくなるという問題が生じる。
【0008】
そのため、具体的には、車体側の受信装置に接続された同軸線を外部導体と内部導体とに分岐させ、外部導体を車体側に設けられたアースポイントでアースさせる一方、内部導体は開閉体に至るまで引き出してアンテナ素子と接続しなければならなくなる。
【0009】
接地型アンテナでは、同軸線の内部導体のうち、内部導体が外部導体と分岐された点からアンテナ素子の先端までの部分が実際の有効受信部分となるため、上記のようにアンテナを構成した場合には、有効受信部分のうち放送波の受信感度が低い部分(換言すればアンテナ素子以外の有効受信部分)が長くなり、結果として受信性能の低下を招いてしまうのである。
【0010】
理想的な有効受信部分の長さは、受信放送波の波長の1/4であるとされており、特に、この理想長さが約15cmと極めて短いUHF波(TV放送波)では、上記構成をとると実際の車両搭載時に有効受信部分が15cmよりも長くなってしまい、受信自体が難しくなり、最悪の場合、受信できなくなる惧れもある。
【0011】
本発明は、上記技術的課題に鑑みてなされたもので、非導電体からなる開閉体にアンテナを設ける場合においても、アースポイントからアンテナ素子までの距離を短くすることにより受信性能を高めることができる車両用アンテナ装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成すべく、本願請求項1の発明(以下、第1の発明という)に係る車両用アンテナ装置は、導電体からなり開口部を有する車体と、非導電体からなり上記開口部を開閉自在に覆う開閉体と、上記開閉体に設けられ、上記車体から上記開閉体へ引き出される同軸線の内部導体と接続されるアンテナ素子とを有し、
上記開閉体は、上記車体と上記開閉体とを電気的に接続し得るよう、少なくとも一部が導電体で構成される支持手段によって上記車体に支持されるとともに、上記同軸線の外部導体は上記支持手段に接続されることを特徴としたものである。
【0013】
また、本願請求項2の発明(以下、第2の発明という)に係る車両用アンテナ装置は、上記第1の発明において、上記支持手段は、導電体からなる締結部材により上記車体および上記開閉体にそれぞれ固定され、上記同軸線の外部導体は、上記開閉体側の締結部材に接続されることを特徴としたものである。
【0014】
更に、本願請求項3の発明(以下、第3の発明という)に係る車両用アンテナ装置は、上記第1または第2の発明において、上記同軸線の内部導体は、上記アンテナ素子と接続される給電部を有し、該給電部は、上記支持手段の近傍に設けられることを特徴としたものである。
【0015】
更にまた、本願請求項4の発明(以下、第4の発明という)に係る車両用アンテナ装置は、上記第1乃至3のいずれか1つの発明において、上記アンテナ素子は、第1アンテナ素子と第2アンテナ素子とからなり、上記第1アンテナ素子は車両略水平面内に配されるとともに、上記第2アンテナ素子は車両下方に向かって傾斜して配されることを特徴としたものである。
【0016】
更にまた、本願請求項5の発明(以下、第5の発明という)に係る車両用アンテナ装置は、上記第4の発明において、上記開閉体は、アウターパネルと、インナーパネルと、窓体とから構成されるとともに、上記第1アンテナ素子は、上記インナーパネルとアウターパネルとに挟まれる空間に配される一方、上記第2アンテナ素子は上記窓体に配されることを特徴としたものである。
【0017】
更にまた、本願請求項6の発明(以下、第6の発明という)に係る車両用アンテナ装置は、上記第4または5の発明において、上記第2アンテナ素子の受信周波数帯は、上記第1アンテナ素子の受信周波数帯よりも高く設定されることを特徴としたものである。
【0018】
更にまた、本願請求項7の発明(以下、第7の発明という)に係る車両用アンテナ装置は、上記第4乃至6のいずれか1つの発明において、上記開閉体は車両の後面に形成された開口部を覆うリフトゲートであり、上記第1アンテナ素子は、上記リフトゲート上部に配されることを特徴としたものである。
【0019】
更にまた、本願請求項8の発明(以下、第8の発明という)に係る車両用アンテナ装置は、上記第1乃至7のいずれか1つの発明において、上記支持手段は、上記開閉体を開閉自在に支持するヒンジ部材であることを特徴としたものである。
【0020】
更にまた、本願請求項9の発明(以下、第9の発明という)に係る車両用アンテナ装置は、上記第1乃至7のいずれか1つの発明において、上記支持手段は、上記開閉体を上記開口部に固定支持するためのラッチ部材と、該ラッチ部材と係合するストライカからなるロック部材であることを特徴としたものである。
【0021】
更にまた、本願請求項10の発明(以下、第10の発明という)に係る車両用アンテナ装置は、上記第8の発明において、上記ヒンジ部材は、上記車体と接続される車体側ヒンジブラケットと、上記開閉体に接続される開閉体側ヒンジブラケットとを有し、上記車体側ヒンジブラケットと開閉体側ヒンジブラケットとを電気的に直接接続する電気接続部材を設けることを特徴としたものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
まず、第1の実施形態について説明する。図1は本実施の形態に係る車両用アンテナ装置を備えた自動車の後方斜視図である。
図1に示されるように、本実施の形態に係る自動車1には、その後面に設けられ、荷物の出し入れを行うための開口部を開閉自在に覆う開閉体としてのリフトゲート2が設けられ、該リフトゲート2の上部にはAM放送波を受信する第1アンテナ素子3が設けられている。更に、リフトゲート2に設けられた窓体としてのリヤウインドウガラス4の車両上部には、AM放送波よりも周波数帯が高いFM放送波を受信する第2アンテナ素子5が設けられている。詳細は後述するが、上記第1アンテナ素子3および第2アンテナ素子5は、コネクタを介して同軸線6の内部導体と接続され、同軸線6は車室内に設けられた受信機7と図示しないコネクタを介して接続されている。
【0023】
図2は自動車の後部平面図であり、図3はリフトゲート2を車室内側から見た図である。
図2および図3に示すように、リフトゲート2は、その上部において、支持手段としてのヒンジ部材8および8’を介して自動車1の車体に連結されており、上下方向へ開閉自在に支持されている。ヒンジ部材8は、導電体としての金属からなるとともに、図3に詳細に示すように、車体側ヒンジブラケット8a、開閉体側ヒンジブラケット8b、そして車体側ヒンジブラケット8aと開閉体側ヒンジブラケット8bとを回動自在に連結する連結体としてのヒンジピン8cとから構成されている。車体側ヒンジブラケット8aは車体側への締結部材としてのボルト8dにより車体と締結されているとともに、開閉体側ブラケット8bは開閉体側への締結部材としてのボルト8eおよび8fの2つのボルトによりリフトゲート2と締結されている。
【0024】
なお、リヤウインドウガラス4には、図3に示すように、第2アンテナ素子5の車両下方に、通電による発熱を利用してリヤウインドウガラス4の曇りや霜雪を取り除くリヤデフォッガ9が設けられている。
【0025】
図4は自動車1の車体後部上部からリフトゲート2の上部にかけての断面を示す図1のA−A’断面図であり、図5はリフトゲート2の内部を車両上方から斜視した模式図である。本実施の形態では、リフトゲート2を構成するアウターパネル10およびインナーパネル11は、非導電体としての合成樹脂材料を用いて成形されており、両パネルは接着により接合されている。
一方、自動車1の車体を構成する車体側アウターパネル12および車体側インナーパネル13は、導電体としての鋼板材料を用いて成形されており、両パネルは溶接により接合されている。
【0026】
第1アンテナ素子3は、インナーパネル11の剛性を高めるために形成された補強リブ14上の略水平面部に接着固定され、アウターパネル10とインナーパネル11との間の空間に配されている。
一方、第2アンテナ素子5は、リヤウインドウガラス4の車室内側に接着固定され、第1アンテナ素子に対して車両下方に向かって傾斜して配される。
なお、この第2アンテナ素子5は、既知のガラスアンテナのように、リヤウインドウガラス4に予めプリントしておいても良い。
また、AM放送波を受信する第1アンテナ素子3は、リフトゲート2の車両上方に設けることにより、既知の通常のガラスアンテナに比して、導電体からなる車体やリヤデフォッガ9のような電装品からアンテナ素子を離間することができる。このことにより受信性能が高まり、アンプやチョークコイルといった装置や部品が不要となる。
【0027】
更に、FM放送波を受信する第2アンテナ素子5をリヤウインドウガラス4に設けたため、水平方向に強い放送波だけではなく、垂直方向に強い放送波をも良好に受信することができる。このように構成したことにより、国によって特性が大きく異なるFM放送波(高い周波数帯の放送波)に対する受信性能を高めることができる。
該第2アンテナ素子5は、リヤウインドウガラス4に設けられているため、アウターパネル10とインナーパネル11との間の空間内に第2アンテナ素子5を設ける場合に比して、アンテナ素子の配置自由度をも高めることができる。
【0028】
なお、第1アンテナ素子3には、その後端部から補強リブ14に沿って車両後方かつ下方へ延伸された延伸部15が形成されており、該延伸部の端部にはリヤウインドウガラス4へ向かい弾性力を付すことにより第2アンテナ素子5と第1アンテナ素子3とを電気的に接続する接点部16が設けられている。
このように構成することにより、第2アンテナ素子5と同軸線6とを容易に接続することができる。
【0029】
同軸線6は従来公知のものと同様のもので、内部導体17と外部導体18とを備えている。自動車1の車体側アウターパネル12から引き出された同軸線6は、防水用のグロメット19内を通り、インナーパネル11に設けられた開口20からリフトゲート2へ導かれる。
同軸線6の内部導体17は、給電部としてのコネクタ21を介して第1アンテナ素子3と接続される。一方、同軸線の外部導体18は、ヒンジ部材8の開閉体側ヒンジブラケット8bをインナーパネル11と締結するためのボルト8eと螺合するナット22eと共締めされている。
この構成により、同軸線6の外部導体18は、ナット22eおよびボルト8eを介して自動車1の車体側アウターパネル12と電気的に接続される。自動車1の車体側アウターパネル12は鋼板からなる導電体であるとともにアースされているため、結果として同軸線6の外部導体18は、合成樹脂からなる非電導体であるリフトゲート2にありながらアースをとることが可能となる。
また、外部導体18は、開閉体側ヒンジブラケット8bをインナーパネル11と締結すためのボルト8eと嵌合するナット22eと共締めされているため、アースをとるための特段の部材を設けることなく、確実にアースをとることができる。
【0030】
更に、給電部としてのコネクタ21は、ヒンジ部材8(ボルト8e、8fおよびナット22e、22f)の近傍に設けられているため、コネクタ21がヒンジ8と離れて配される場合に比して、内部導体17と外部導体18とが分岐される点からコネクタ21までの距離(換言すると放送波の受信感度の低い部分)を短くすることができ、結果として受信感度を向上することができる。
【0031】
以上のような本発明の実施形態に係るアンテナ装置の受信特性を確かめるために、本願発明者は、アースを自動車の車体側インナーパネルでとった場合(以下室内アースと呼ぶ)と、本発明の実施形態のように、ヒンジでアースをとった場合(以下、ヒンジアースと呼ぶ)とを対比する試験を行った。
【0032】
試験は、FMラジオ放送波を受信対象とし、76〜90MHz及び88〜108MHzの高周波帯域について行った。
76〜90MHzについては、水平成分の偏波が強い、日本のFM放送波について実験を行った。一方、88〜108MHzについては、垂直成分の偏波が強い、欧米のFM放送波について実験を行った。
本試験では、室内アースの同軸線の内部導体は、ヒンジアースよりも長さにして300mm長くなっている。
【0033】
各試験の結果を、図6および図7に示す。
図6および図7のグラフの縦軸はゲイン(利得)を示し、ゲインが大きいほど受信性能が高いことを示す。横軸は周波数を示している。
【0034】
図6のグラフから分かるように、76〜90MHzの日本のFM放送波について、室内アースとヒンジアースとを子細比較検討すれば、全ての周波数においてヒンジアースが室内アースより高い受信性能を発揮していることが判る。平均すると、ヒンジアースの方が室内アースに比べて約3.7dBも受信感度が高くなっている。
【0035】
88〜108MHzの欧米のFM放送波について室内アースとヒンジアースとを子細比較検討すれば、図7のグラフから判るように、概してヒンジアースが室内アースより高い受信性能を発揮していることが判る。平均すると、ヒンジアースの方が室内アースに比べて約3.0dBも受信感度が高くなっている。
【0036】
以上より、本発明の実施形態のように、ヒンジでアースをとることにより、アースを自動車の車体側インナーパネルでとる場合に比して高い受信感度を得られることが確認できた。
本発明の実施形態では、約3dBも受信感度が高められるため、アンプを用いた増幅を行うことなく、満足できる受信感度が得られる。そのため、アンプを設置するスペースの削減やコスト低減をも可能とするものである。
【0037】
図8は、第1の実施形態における、ヒンジ部材8の別の実施例を示すものである。
車体側ヒンジブラケット8aと開閉体側ヒンジブラケット8bとは、ヒンジピン8cを介して連結されているが、電気接続部材としてのハーネス23を介しても連結されている。ハーネス23は導電体からなるとともに、その一端が車体側ヒンジブラケット8aに、また他端が開閉体側ヒンジブラケット8bに、それぞれハンダ接合されている。該ハーネス23は、リフトゲート2の開閉を阻害しないように構成されている。具体的には、ハーネスの長さに余裕を持たせてあり、リフトゲート2が車体に対し閉じられたときには弛むよう構成されている。
このように構成することによって、車体側ヒンジブラケット8aと開閉体側ヒンジブラケット8bとの間が電気的に直接接続されることから、車体側ヒンジブラケット8a、開閉体側ヒンジブラケット8bおよびヒンジピン8cとの間の接触不良により生ずる不十分な電気接続状態を避けることができ、確実なアースをとることができる。
【0038】
また、開閉体側ヒンジブラケット8bがインナーパネル11と接する側には、同軸線6の外部導体18を接続するためのアースコネクタ24が設けられている。該アースコネクタ24は、開閉体側ヒンジブラケット8bと電気的に接続されるよう構成されており、該開閉体側ヒンジブラケット8bがリフトゲート2のインナーパネル11に締結されると、インナーパネル11に予め設けられたアースコネクタ用開口25を通ってインナパネル11の上方に露出するよう設けられている。
このように構成することによって、同軸線6の外部導体18にコネクタを設けるだけで、開閉体側ヒンジブラケット8bと外部導体18とを電気的に直接接続することができ、アースをより確実にとることができる。
【0039】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図9は本実施の形態に係る車両用アンテナ装置を備えた自動車の側部斜視図であり、図10はその要部を拡大した斜視図である。本実施の形態に係る自動車1には、乗員が車室内に乗降するためのドア開口26を開閉自在に覆う開閉体としてのフロントドア27およびリヤドア28が設けられている。フロントドア27はドア開口26の車両前方側に設けられた図示しないヒンジ部材を介して導電体としての鋼板からなる自動車1の車体に支持されている。
リヤドア28は非導電体としての合成樹脂からなるインナーパネルおよびアウターパネルから構成され、ドア開口26の車両後方側に設けられたヒンジ部材29および29’を介して自動車1の車体に支持されている。
【0040】
リヤドアの上部かつインナーパネルとアウターパネルに挟まれた空間内には、AM放送波を受信する第1アンテナ素子3が設けられ、リヤドアガラス30の車両上方には、FM放送波を受信する第2アンテナ素子5が設けられている。車室内に設けられた受信機7は、図示しないコネクタを介して同軸線6と接続され、同軸線6は自動車1の車体とリヤドア28の間を接続する防水用のグロメット19を経てリヤドア28の給電点31に導かれている。給電点31では、同軸線6の内部導体17と外部導体18とが分岐され、内部導体は第1アンテナ素子3および第2アンテナ素子5へ接続される一方、外部導体18は、金属製のリヤドアラッチ32へ接続されている。該リヤドアラッチ32は、リヤドア28を閉じたときに自動車1の車体に設けられる導電体としての金属からなるリヤドアストライカ33に係合され、このリヤドアラッチ32とリヤドアストライカ33とでリヤドア28を固定支持するロック部材が構成されている。
【0041】
この構成により、リヤドア28が閉じられているときには、同軸線6の外部導体18がリヤドアラッチ32およびリヤドアストライカ33を介して自動車1の車体に電気的に接続される。自動車1の車体は導電体であるとともにアースされているため、結果として同軸線6の外部導体18はリヤドア28にありながらアースをとることができる。
【0042】
なお、本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、上記の実施形態における第2アンテナ素子は、リヤウインドウガラスに固定されなくとも、第1アンテナ素子同様にリフトゲートやリヤドアのアウターパネルとインナーパネルとの間の空間に配されるものであっても良い。このように構成することによって、アンテナ素子が車外から直接目視されることが無くなり、美観の向上を図ることができる。
また、上記の実施形態では、第1アンテナ素子と第2アンテナ素子とを組み合わせたアンテナ素子を用いたが、どちらか一方のアンテナ素子のみを配しても良いことは勿論である。
更に、上述の実施形態におけるヒンジまたはラッチおよびストライカには、通常用いられる金属である鉄よりも導電率の高い金などを用いることにより、アースの確実性を高めることもできる。また、本体は鉄からなり、表面を金めっき処理することにより導電性を高めることも可能である。
【0043】
【発明の効果】
本願の第1の発明に係る車両用アンテナ装置によれば、リフトゲートのような開閉体自体が樹脂のような非導電体のみからなり、鋼板のような導電体からなる車体に対して電気的に絶縁されている場合であっても、アースポイントを開閉体側にとることができるので、アースポイントを車体に設ける場合に比してアンテナ素子からアースポイントまでの距離を短くすることができ、放送波の受信性能を飛躍的に高めることが可能となる。また、充分な受信感度が得られるため、アンプなどを用いた増幅も必要が無くなり、構造の複雑化やコストの上昇を招くことがない。
【0044】
また、本願の第2の発明によれば、基本的には、上記第1の発明と同様の効果を奏することができる。更に、ヒンジやラッチをリフトゲートのような開閉体に固定するボルトやナットのような固定部材に同軸線の外部導体を接続するため、車体との電気的接続を確実に行えると共に、特段の支持部材を設けることがないため、構造の複雑化やコストの上昇を招くこともない。
【0045】
また、本願の第3の発明によれば、基本的には、上記第1の発明と同様の効果を奏することができる。更に、同軸線の内部導体と外部導体とが分岐される点と、給電部とが離れて配される場合に比して、内部導体の有効受信部分のうち、放送波の受信感度が低い部分の距離を短くでき、受信感度を向上することができる。
【0046】
また、本願の第4の発明によれば、基本的には、上記第1の発明と同様の効果を奏することができる。更に、水平成分の強い放送波とともに垂直成分の強い放送波をも良好な感度で受信できるため、電波特性の異なる車両の仕向け地にも構造を変更することなく対応できる。
【0047】
更にまた、本願の第5の発明によれば、基本的には、上記第4の発明と同様の効果を奏することができる。更に、第2のアンテナ素子をガラスなどの窓体に設けたため、開閉体内部に設けることによるアンテナ素子の配置自由度の低下を避けることができ、良好な受信感度が得られるよう、最適なアンテナ素子長や形状の設定が行える。
【0048】
更にまた、本願の第6の発明によれば、基本的には、上記第4の発明と同様の効果を奏することができる。更に、例えば第1アンテナ素子をAM放送波を受信するためのものとし、第2アンテナ素子をFM放送波を受信するためのものとすると、第2アンテナ素子は水平成分の強い放送波にも垂直成分の強い放送波にも対応するよう設けられているため、特にFM放送波のように仕向け地で異なる電波特性を持つ放送波を受信する場でも構造を変更することなく良好な受信感度での受信が可能となる。
【0049】
更にまた、本願の第7の発明によれば、基本的には、上記第4の発明と同様の効果を奏することができる。更に、第1アンテナ素子がリフトゲートに設けられる場合、導電体からなる車体による影響が最も少なく、かつリヤデフォッガのような電装品による影響が最も少なくなる、リフトゲート上部に第1アンテナ素子を設けたため、第1アンテナ素子の受信感度を高めることができる。
【0050】
更にまた、本願の第8の発明によれば、基本的には、上記第1の発明と同様の効果を奏することができる。更に、従来から開閉体の支持に一般的に用いられるヒンジを介することにより、従来の構造を変更することなく確実にアースをとることができる。
【0051】
更にまた、本願の第9の発明によれば、基本的には、上記第1の発明と同様の効果を奏することができる。更に、従来から開閉体の固定支持に一般的に用いられるラッチ部材およびストライカからなるロック部材を介することにより、従来の構造を変更することなく確実にアースをとることができる。
【0052】
更にまた、本願の第10の発明によれば、基本的には、上記第8の発明と同様の効果を奏することができる。更に、車体側ヒンジブラケットと開閉体側ヒンジブラケットとの間の接触不良(例えば、ヒンジピン部での接触不良)により生ずる不十分な電気接続状態を避けることができ、確実なアースをとることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る車両用アンテナ装置を備えた自動車の後方斜視図である。
【図2】第1の実施形態に係る車両用アンテナ装置を備えた自動車の後部平面図である。
【図3】第1の実施形態に係る車両用アンテナ装置を備えた自動車のリフトゲートを車室内側から見た図である。
【図4】図1に示す第1の実施形態に係る車両用アンテナ装置を備えた自動車のA−A’断面図である。
【図5】第1の実施形態に係る車両用アンテナ装置を備えた自動車のリフトゲートの内部を斜視した模式図である。
【図6】第1の実施形態に係る車両用アンテナ装置の受信感度の比較試験結果を示すグラフの1つである。
【図7】第1の実施形態に係る車両用アンテナ装置の受信感度の比較試験結果を示すグラフの1つである。
【図8】第1の実施形態に係る車両用アンテナ装置に用いられるヒンジの別の実施例を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る車両用アンテナ装置を備えた自動車の側部斜視図である。
【図10】図9に示す第2の実施形態に係る車両用アンテナ装置を備えた自動車の要部を拡大した斜視図である。
【符号の説明】
1…自動車
2…リフトゲート
3…第1アンテナ素子
4…リヤウインドウガラス
5…第2アンテナ素子
6…同軸線
7…受信機
8…ヒンジ部材
8’…ヒンジ部材
8a…車体側ヒンジブラケット
8b…開閉体側ヒンジブラケット
8c…ヒンジピン
8d…ボルト
8e…ボルト
8f…ボルト
9…リヤデフォッガ
10…アウターパネル
11…インナーパネル
12…車体側アウターパネル
13…車体側インナーパネル
14…補強リブ
15…延伸部
16…接点部
17…内部導体
18…外部導体
19…グロメット
20…開口
21…コネクタ
22…ナット
23…ハーネス
24…アースコネクタ
25…アースコネクタ用開口
26…ドア開口
27…フロントドア
28…リヤドア
29…ヒンジ部材
29’…ヒンジ部材
30…リヤドアガラス
31…給電点
32…リヤドアラッチ
33…リヤドアストライカ

Claims (10)

  1. 導電体からなり開口部を有する車体と、非導電体からなり上記開口部を開閉自在に覆う開閉体と、上記開閉体に設けられ、上記車体から上記開閉体へ引き出される同軸線の内部導体と接続されるアンテナ素子とを有し、
    上記開閉体は、上記車体と上記開閉体とを電気的に接続し得るよう、少なくとも一部が導電体で構成される支持手段によって上記車体に支持されるとともに、上記同軸線の外部導体は上記支持手段に接続されることを特徴とする車両用アンテナ装置。
  2. 上記支持手段は、導電体からなる締結部材により上記車体および上記開閉体にそれぞれ固定され、上記同軸線の外部導体は、上記開閉体側の締結部材に接続されることを特徴とする請求項1に記載の車両用アンテナ装置。
  3. 上記同軸線の内部導体は、上記アンテナ素子と接続される給電部を有し、該給電部は、上記支持手段の近傍に設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用アンテナ装置。
  4. 上記アンテナ素子は、第1アンテナ素子と第2アンテナ素子とからなり、上記第1アンテナ素子は車両略水平面内に配されるとともに、上記第2アンテナ素子は車両下方に向かって傾斜して配されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両用アンテナ装置。
  5. 上記開閉体は、アウターパネルと、インナーパネルと、窓体とから構成されるとともに、上記第1アンテナ素子は、上記インナーパネルとアウターパネルとに挟まれる空間に配される一方、上記第2アンテナ素子は上記窓体に配されることを特徴とする請求項4に記載の車両用アンテナ装置。
  6. 上記第2アンテナ素子の受信周波数帯は、上記第1アンテナ素子の受信周波数帯よりも高く設定されることを特徴とする請求項4または5に記載の車両用アンテナ装置。
  7. 上記開閉体は車両の後面に形成された開口部を覆うリフトゲートであり、上記第1アンテナ素子は、上記リフトゲート上部に配されることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の車両用アンテナ装置。
  8. 上記支持手段は、上記開閉体を開閉自在に支持するヒンジ部材であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の車両用アンテナ装置。
  9. 上記支持手段は、上記開閉体を上記開口部に固定支持するためのラッチ部材と、該ラッチ部材と係合するストライカからなるロック部材であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の車両用アンテナ装置。
  10. 上記ヒンジ部材は、上記車体と接続される車体側ヒンジブラケットと、上記開閉体に接続される開閉体側ヒンジブラケットとを有し、上記車体側ヒンジブラケットと開閉体側ヒンジブラケットとを電気的に直接接続する電気接続部材を設けることを特徴とする請求項8に記載の車両用アンテナ装置。
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