JP2004296646A - 基板処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明では、FOUP20をロードポート10の載置面10aにロードポート10の載置面10aに立設されたピン(ピン15等)によってFOUP20を支持する。次に、シリンダ51によってトレー34の上面位置をZ1からZ2まで上昇させ、フックピン45およびロックピン42を、それぞれ対応する穴部25および穴部26に挿入する。続いて、フックピン移動機構46によって係合部25aとフック部45aとを係合させるとともに、穴部26の内周面にロックピン42の外周面を押し当てる。これにより、FOUP20を安定して固定することができるため、FOUP20を安定して搬送できる。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板、液晶表示装置用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等(以下、「基板」と称する)を収納する収容器を収容するとともに、その収容器からの基板の搬出またはその収容器への基板の搬入を行う基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、基板に対してエッチング処理等の表面処理を行う基板処理装置において、未処理基板は、キャリア等の収容器に収納された状態で装置外部から基板処理装置に搬入される。キャリアには、容器の一部が外部雰囲気に解放されたタイプのOC(open cassette)と、容器内部が密閉されたタイプのFOUP(front opening unified pod)とがある。
【0003】
装置間における基板の搬送にFOUPタイプのカセット(以下、単に「FOUP」と称する)が使用される場合、基板が密閉された状態で搬送されることとなるため、周囲の雰囲気にパーティクル等が存在していたとしても基板の清浄度を維持できる。従って、基板処理装置を設置するクリーンルーム内の清浄度をあまり高くする必要がなくなるため、クリーンルームに要するコストを低減することができる(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−260848号公報
【特許文献2】
特開2002−231785号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1のキャリア(FOUPに該当)は、当該キャリアの底部を昇降ハンドが支持しつつ搬送することによって、また、特許文献2のFOUPは、FOUPの底部を搬送アームが下方より支持しつつ搬送することによって、それぞれ、基板処理装置の所定の場所に搬送される。すなわち、特許文献1および特許文献2において、FOUP搬送の際、FOUPは搬送手段に支持されるのみ(単に載置状態にあるのみ)で固定されていない。そのため、基板処理装置のスループットを向上させるためにFOUPの搬送速度をさらに向上させると、安定してFOUPを搬送することができないといった問題が生じる。
【0006】
そこで、本発明は、基板を収納する収容器を搬送する基板処理装置において、収容器の搬送速度を向上させても、安定して搬送できる基板処理装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基板処理装置であって、基板に所定の処理を施す第1ユニットと、前記第1ユニットに並設され、基板を収納する収容器を収容する収容部を有し、前記収容器から前記第1ユニットへの基板の搬出または前記第1ユニットから前記収容器への基板の搬入を行う第2ユニットと、前記第2ユニットに並設され、前記収容器を載置する載置部と、前記載置部および前記収容部の間で前記収容器を搬送する搬送手段と、を有する第3ユニットと、を備え、前記搬送手段は、前記収容器を着脱自在に固定する固定機構を備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の基板処理装置であって、前記固定機構は、前記収容器の下部に設けられた第1の穴部に挿入可能な第1のピンと、前記収容器の下部に設けられた第2の穴部に挿入可能で、前記第2の穴部の係合部と係合可能な第2のピンと、を備えることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0010】
<1.基板処理装置の構成>
図1は、本発明の実施の形態における基板処理装置1の全体構成を示す斜視図である。なお、図1および以降の各図には、それらの方向関係を明確にすべく必要に応じて適宜、Z軸方向を鉛直方向とし、XY平面を水平面とするXYZ直交座標系を付している。
【0011】
この基板処理装置1は、1組の複数の基板(ロット)にフッ酸等の薬液によるエッチング処理や純水によるリンス処理等を順次に行う装置である。図1に示すように、基板処理装置1は、主として、ローダ部91、基板処理部92、およびアンローダ部93を有する基板処理ユニット94と、図示を省略する搬送ロボットや基板処理装置1のオペレータによって載置されるFOUP20を、基板処理ユニット94のローダ部91に搬送するロードポート10とを備えている。
【0012】
まず、FOUP20について説明する。図2(a)にFOUP20の側面図を、また、図2(b)にFOUP20の裏面図をそれぞれ示す。FOUP20は、基板処理装置間で基板を搬送する際に使用されるキャリアであり、その内部に複数の基板をXY平面に対して略平行に収納する。また、FOUP20は、その内部を密閉して、基板を保持しつつ基板を搬送する。そのため、基板処理装置間で基板を搬送する際に周囲の雰囲気にパーティクル等の汚染物質が存在していても基板の洗浄度は維持される。
【0013】
また、FOUP20の側面のうちの1つの面には蓋21が設けられており、蓋21を開放することによって、その内部に対して基板の搬入・搬出が可能となる。
【0014】
さらに、FOUP20の上部にはフランジ27が形成されている。そのため、フランジ27を図示を省略する保持機構により把持することによってFOUP20は吊り下げられた状態で保持される。
【0015】
図2に示すように、FOUP20の裏面側(底面部)には、放射状に配置した3つの溝部22〜24が形成されている。そして、これら溝部22〜24に、後述するロードポート10の載置面10a上に立設されたピン15〜17(図4、図5参照)を挿入して嵌め合わせることにより、FOUP20は載置面10aに支持されて載置される。
【0016】
また、FOUP20の裏面側には、2つの穴部25、26が設けられている。穴部26は放射状配置した3つの溝部22〜24の放射中心付近に存在し、その断面は、図2(b)に示すように、略円形状であり、開口部から穴部26の上端部までの各部の断面積が略同一となるように形成されている。さらに、穴部25は、溝部22および穴部26の配列延長線上にあって、その断面は、図2(a)に示すように、略矩形状であり、穴部25の開口部から係合部25aの断面積は、係合部25aから穴部25の上端部の断面積より小さくなるように形成されている。
【0017】
そして、これら穴部25、26に後述する搬送機構30のロックピン42およびフックピン45をそれぞれ嵌め合わせることにより、FOUP20は搬送機構30に対して確実に固定される(図6、図7参照)。
【0018】
基板処理ユニット94に含まれる基板処理部92は、その内部に薬液を貯留する薬液槽や純水を貯留する水洗槽を有するものである。基板処理部92に搬入された基板は、これら薬液槽や水洗槽に貯留されることによって洗浄処理等の所定の基板処理が施される。
【0019】
ローダ部91は、図1に示すように、基板処理部92の一方側に並設されている。図3は本実施の形態のローダ部91を示す斜視図である。ローダ部91は、未処理の基板を収容したFOUP20が基板処理ユニット94に搬入された際に、FOUP20を収容する収容部60と、FOUP20を開放してその内部から未処理基板を取り出し、FOUP20から基板処理部92に向けて基板を搬出するオープナー64と、収容部60とオープナー64との間でFOUP20の搬送を行う搬送ロボット63とを備えている。
【0020】
また、ローダ部91と基板処理部92とは隔壁65を挟んで接続されている。このような装置構成を採用することにより、ローダ部91内部まではある程度清浄度が低下することがあっても、隔壁65によってローダ部91内部雰囲気と基板処理部92の雰囲気とは分離されている。そのため、基板処理部92においては高い清浄度に維持される。
【0021】
アンローダ部93は、図1に示すように、基板処理部92の他方側に並設されている。アンローダ部93は、空のFOUP20を収容するとともに、基板処理部92から当該FOUP20に処理済の基板を搬入する役割を有するものであり、ローダ部91とほぼ同様な構成を有している。
【0022】
ロードポート10は、図1に示すように、ローダ部91との間でFOUP20を受け渡すユニットであり、ローダ部91に並設されている。また、ロードポート100は、アンローダ部93との間でFOUP20を受け渡すユニットであり、アンローダ部93に並設されている。このように、ロードポート10およびロードポート100は、基板処理ユニット94のローダ部91とアンローダ部93との間で、基板を収容したFOUP20の受渡を行うことができる。そのため、ロードポート10およびロードポート100は、基板受渡ユニットとして使用される。
【0023】
なお、ロードポート10およびロードポート100は、同様な構成を有するため、以下ではロードポート10について説明する。
【0024】
<2.ロードポートの構成>
図4に本実施の形態のロードポート10の側面図を示す。また、図5に本実施形態のロードポート10の上面図を示す。ロードポート10は、図示を省略する搬送ロボットによってFOUP20をその上面の載置面10aに載置するとともに、FOUP20を載置面10aと基板処理ユニット94のローダ部91との間で搬送するユニットであり、図5に示すように、2つのFOUP20(図5の点線部)を同時に載置面10aに載置できるように構成されている。
【0025】
ロードポート10には、FOUP20をローダ部91に搬送する搬送機構30と、搬送機構30を上下方向に昇降させる上昇機構50とが(図4参照)、2組設けられている。また、ロードポート10の載置面10a上には3つのピン15〜17が立設されている。
【0026】
なお、ロードポート10の2組のピン15〜17と搬送機構30と上昇機構50とは、それぞれ同様な構成を有する。そのため、以下では、2組のピン15〜17と搬送機構30と上昇機構50のうち、一方について説明する。
【0027】
図4、図5に示すように、載置面10a上に立設された各ピン15〜17は、各ピンの上端位置が略同一高さとなるように設計されている。各ピン15〜17を、それぞれ対応するFOUP20の溝部22〜24に挿入して嵌め合わせて、ピン15〜17によって決定される位置および姿勢でFOUP20は支持される。
【0028】
図4に示すように、上昇機構50は、主としてシリンダ51と可動部52と備えている。シリンダ51は、可動部52を略鉛直方向に2段階に昇降することができるいわゆる2段シリンダによって構成されている。また、可動部52の上端は、搬送機構30のベース部35の下面と接続されている。そのため、シリンダ51を伸張または収縮させることによって、搬送機構30のトレー34の上面位置は、Z=Z1、Z2、Z3となるように調整される(図4、図6、図10参照)。
【0029】
搬送機構30は、FOUP20を搬送機構30に固定しつつ、FOUP20をローダ部91の収容部60に搬送する機構である。図4に示すように、搬送機構30は、Y軸方向と略平行な方向に進退可能な3つのトレー32〜34と、トレー34上に立設されてFOUP20を支持するピン41、43、44と、トレー34上に立設され、FOUP20を搬送機構30に固定するロックピン42およびフックピン45とを備えている。
【0030】
図4および図5に示すように、複数のピン(図示例では3本のピン)41、43、44は、トレー34上に立設された略柱状(図示例では略円柱状)のピンであり、各ピン41、43、44の上端位置が略同一高さとなるように設計されている。また、図4および図5に示すように、上昇機構50によってトレー34の上面位置がZ1となるように設定した場合、各ピン41、43、44の上端位置は、載置面10aに設けられた切欠部18bの鉛直下方となるように設計されている。さらに、上昇機構50によって搬送機構30をトレー34の上面位置をZ1からZ2まで上昇させた場合、ピン41の上端位置は載置面10a上に設けられた切欠部18bを、ピン43の上端位置は載置面10a上に設けられた切欠部18cを、また、ピン44の上端位置は載置面10a上に設けられた載置面10aをそれぞれ通過する。そして、各ピン41、43、44の上端位置のZ軸座標が載置面10aより高くなり、ピン15〜17の上端位置と略同一高さとなる。
【0031】
さらに、FOUP20が載置面10aに載置されており、上昇機構50によってトレー34の上面位置をZ2とした場合に、ピン15およびピン41の上端位置を結ぶ線分と溝部22の中心線とが略平行に、ピン16およびピン44の上端位置を結ぶ線分と溝部23とが略平行に、また、ピン17およびピン43の上端位置を結ぶ線分と溝部24の中心線とが略平行となるように、各ピン41、43、44は、トレー34に立設されている。
【0032】
そのため、上昇機構50によってトレー34の上端位置をZ1からZ2まで上昇させた場合、FOUP20は、その位置・姿勢を変えることなく、ピン15〜17と、ピン41、43、44とによって支持されることとなる。その結果、3つのピン41、43、44にてFOUP20を支持する場合、3つのピン15〜17による場合と略同一位置および略同一姿勢でFOUP20は支持される。
【0033】
また、図4および図5に示すように、トレー34上にはFOUP20を搬送機構30に固定するロックピン42およびフックピン45が立設されている。
【0034】
フックピン45は、穴部25の係合部25aと係合することによってFOUP20を搬送機構30に固定する逆L字型のピンである。フックピン45は、図4〜図6に示すように、トレー34の上端位置がZ1の場合、切欠部18bの鉛直下方となるように(図4、図5参照)トレー34上に立設されている。また、載置面10aにFOUP20を載置した状態にてトレー34の上端位置をZ1からZ2まで上昇機構50によって上昇させた場合、フックピン45の上端位置は、載置面10a上に設けられた切欠部18bおよび穴部25の開口部を通過することとなる。そして、トレー34の上端位置がZ2となると、フックピン45上端の鉤部分に相当するフック部45aの下面位置が穴部25の係合部25aの上面位置以上(好ましくは、フック部45aの下面位置と係合部25aの上面位置とが略同一高さ)となるようにフックピン45の鉛直方向の高さが設定されている。
【0035】
また、フックピン45は、トレー34に配設されたフックピン移動機構46と連動接続されている。フックピン移動機構46はシリンダ46aおよびリニアガイド46bによって構成されており(図12参照)、フックピン45をY軸方向に進退可能に設けられている。したがって、上昇機構50によってトレー34の上端位置をZ2とした場合、フックピン移動機構46を動作させてフックピン45をY軸の負方向に移動させることにより、フックピン45のフック部45aと、穴部25の底に形成した横穴部分に相当する係合部25aとが係合する。そのため、FOUP20は、トレー34に対して確実に固定される(図7参照)。
【0036】
すなわち、フックピン45とフックピン移動機構46とはトレー34にFOUP20を着脱可能に固定する固定機構として使用される。この固定は、水平方向の固定と鉛直方向の固定との双方を含んでいる。その結果、後述するように3つのトレー32〜34をY軸と略平行に進退させることによって、FOUP20はロードポート10とローダ部91の収容部60との間で搬送される。
【0037】
ロックピン42は、FOUP20の裏面側に設けられた穴部26に挿入して嵌め合わせるピンであり、フックピン45とともに使用することによってFOUP20はさらに安定に固定される。ロックピン42は、図4〜図6に示すように、トレー34の上端位置がZ1の場合、切欠部18bの鉛直下方となるように(図4、図5参照)トレー34上に立設されている。また、FOUP20を載置面10aに載置した状態にてトレー34の上端位置をZ1からZ2まで上昇機構50によって上昇させた場合、ロックピン42の上端位置は、載置面10a上に設けられた切欠部18bおよび穴部26の開口部を通過する。その結果、ロックピン42は穴部26に挿入されて嵌め合わされることとなる。
【0038】
そして、トレー34の上端位置がZ2となる位置で、フックピン45をフックピン移動機構46によってY軸の負方向に移動させてフック部45aと係合部25aとを係合させると、FOUP20はY軸負方向に向かう力を受けることにより、図7中のA部拡大図に示すように、穴部26の内周側面のうち穴部25側の部分26tが、ロックピン42の外周面のうち穴部25側の部分42tに押し当てられて接触し、この接触する部分に摩擦力が生じることとなる。
【0039】
このように、フックピン45およびロックピン42を使用すると、フックピン45によって係合することに加えてロックピン42と穴部26との摩擦力によってFOUP20をトレー34上にさらに安定して確実に固定することができる。そのため、後述する3つのトレー32〜34によってFOUP20をロードポート10およびローダ部91の間でさらに安定して搬送できる。
【0040】
トレー32〜34は、フックピン45およびロックピン42によってトレー34に固定されたFOUP20をロードポート10の載置面10aとローダ部91の収容部60との間で搬送するのに使用される移動トレーであり、下からトレー32、トレー33、トレー34の順に鉛直方向に重ねて配置されている。
【0041】
ここでは、図8および図9を使用してトレー32〜34の移動機構について説明する。図8は、トレー32〜34が互いに重なって縮んだ状態(例えば、図4参照)にしたときのトレー32およびトレー33に関するトレー移動機構を示す図である。また、図9は、トレー32〜34の重なりを解いて伸張させた状態(例えば、図11参照)にしたときのトレー32に関するトレー移動機構を示す図である。
【0042】
図8に示すように、トレー32のトレー移動機構は、主として、ベース部35付近に配設されたモータ31と、ローラ76a、77aと、ベルト75aと、固定部材71aと、トレー32付近に配設されたリニアガイド78bとを備えている。
【0043】
トレー32は、ベース部35の上部に配置されており、Y軸と略平行に設けられたリニアガイド78bに沿って進退可能に設けられている。ベース部35の側面のうち、X軸と略垂直に交わる側面の一方には、ローラ76a、77aが設けられている。
【0044】
ローラ77aは、その中心付近にモータ31の回転軸(図示省略)が接続された回転体であり、軸J12を回転中心として回転可能に設けられている。また、ローラ76aは、軸J11を回転中心として回転可能に設けられた回転体であり、ベルト75aを介してローラ77aと連動接続されている。そのため、モータ31の回転駆動力がローラ77aに伝達されてローラ77aが回転すると、ローラ76aは、77aの回転方向と同一の方向に回転する。
【0045】
固定部材71aは、逆L字型を有する部材であり、その底面がベルト75aの外周部と接続されている。そのため、モータ31の回転量を制御することによって、固定部材71aはY軸と略平行な方向である矢印AR2方向またはその逆方向に略水平移動する。また、図8に示すように、固定部材71aの上面の一部はトレー32の底面と接続されている。
【0046】
したがって、ベース部35を基準とした場合、固定部材71aが矢印AR2方向またはその逆方向に進退すると、固定部材71aと接続されたトレー32は、リニアガイド78bに沿って固定部材71aと略同一方向に相対移動する。例えば、モータ31を回転させ、ローラ77aを軸J12を中心として矢印AR1方向に回転させると、固定部材71aは矢印AR2方向に移動する。そして、トレー32は、ベース部35を基準とした場合、矢印AR2方向に相対移動する(図9参照)。
【0047】
このように、モータ31の回転駆動力は、ローラ77a、ベルト75aおよび固定部材71aを介してトレー32に伝達されて、トレー32を略水平移動させる力となる。そのため、トレー32はベース部35に対して相対的に移動する。
【0048】
次に、トレー33に関するトレー移動機構について説明する。図8に示すように、トレー33の移動機構は、主として、トレー32付近に配設されたローラ76b、77bと、ベルト75bと、固定部材71bとを備えている。
【0049】
図8に示すように、トレー32のX軸と略垂直に交わる側面のうち、ベース部35に配設されたローラ76a、77aとの反対側の面には、ローラ76b、77bが設けられている。
【0050】
ローラ76bは、軸J21を回転中心として回転可能に設けられた回転体である。また、ローラ77bは、軸J22を回転中心として回転可能に設けられた回転体であり、ベルト75bを介してローラ76bと連動接続されている。したがって、ローラ76b、77bは、それぞれ軸J21、J22を回転中心として同一方向に回転することができる。
【0051】
固定部材72bは、L字型を有する部材であり、その上面がベルト75bの外周部と、また、その下面の一部がベース部35の上面と、それぞれ接続されている。これにより、モータ31が回転することによってローラ77aが軸J12を回転中心として矢印AR1方向に回転すると、トレー32が矢印AR2方向に移動する。また、このとき、ベース部35の上面に接続された固定部材72bは、トレー32を基準とした場合、矢印AR3方向に相対的に移動する。そのため、ローラ77bは、軸J22を回転中心として矢印AR4方向に回転することとなり、ローラ77aとローラ77bとは同一方向に回転することとなる。その結果、固定部材71bの移動方向は、ベース部35を基準とした場合、固定部材71aの移動方向AR2と略同一な矢印AR4方向に進退することとなる。
【0052】
また、図8に示すように、固定部材71bの上面の一部はトレー32の上方に配置されたトレー33の底面部と接続されるとともに、トレー33は、Y軸と略平行に設けられたリニアガイド(図示省略)に沿って進退可能に設けられている。したがって、固定部材71bが矢印AR4方向またはその逆方向に進退すると、固定部材71bと接続されたトレー33は、当該リニアガイドに沿って固定部材71bと略同一方向に略水平移動する。
【0053】
このように、モータ31の回転駆動力は、トレー32、固定部材72b、ベルト75bおよび固定部材71bを介してトレー33に伝達されて、トレー33を略水平移動させる力となる。そのため、ローラ76bまたはローラ77bにモータ31以外の回転機構を設けることなく、トレー33をトレー32に対して相対的に移動することができる。
【0054】
さらに、トレー32について設けられたローラ76b、77b、固定部材71b、72b、およびベルト75bと同様なものをトレー33に設けるとともに、トレー33に設けられたリニアガイド(図示省略)と同様なものをトレー34に設けることにより、モータ31の回転駆動力はトレー34に伝達される。そのため、トレー34はトレー33に対して相対的に移動する。この場合、トレー34の移動方向は、ベース部35を基準にした場合、トレー32およびトレー33と同一方向となる。
【0055】
このように、モータ31によってベース部35付近のローラ77aを回転させると、トレー32〜34はすべて同一方向(例えば、Y軸の正方向と略平行な方向)に進退することになる。したがって、シリンダ51によってトレー34の上面位置をZ3に設定するとともに、モータ31の回転方向、回転量を制御することによって、トレー34に固定されたFOUP20を、ロードポート10の載置面10a(例えば図10参照)とローダ部91の収容部60に設けられた収容棚61(例えば図11参照)との間で搬送することができる。
【0056】
図1に示すように、制御ユニット80は、プログラムや変数等を格納するメモリ81と、メモリ81に格納されたプログラムに従った制御を実行するCPU82とを備えている。CPU82は、メモリ81に格納されているプログラムに従って、モータ31の回転制御、シリンダ51の昇降制御や、フックピン移動機構46によるFOUP20の固定または固定解除の制御等を所定のタイミングで行う。
【0057】
<3.ロードポートによるFOUPの搬送手順>
ここでは、ロードポート10によって、ロードポート10の載置面10aとローダ部91の収容部60との間でFOUP20を搬送する手順について説明する。なお、収容部60から載置面10aにFOUP20を搬送する手順は、載置面10aから収容部60へFOUP20を搬送する手順を逆に行うことになる。そのため、ここでは、FOUP20を載置面10aから収容部60へ搬送する手順について説明する。
【0058】
載置面10aから収容部60にFOUP20が搬送される処理が行われる前の時点において、トレー34の上端位置はZ1となるように上昇機構50によって調整されており、また、搬送機構30の各トレー32〜34はY軸の負方向に移動して縮んだ状態になっている。
【0059】
まず、図示を省略する搬送ロボットやオペレータによってFOUP20が載置面10aに載置されると、載置面10a上に立設された3つのピン15〜17のそれぞれは、対応する溝部22〜24に嵌め合わされる。そのため、FOUP20は3つのピン15〜17によって決定される位置および姿勢にて支持される(図4参照)。
【0060】
次に、シリンダ51によってトレー34の上端位置をZ1からZ2に上昇させる。これにより、トレー34上に立設されたピン41、43、44のそれぞれは、対応する溝部22、23、24に挿入される。そして、トレー34の上端位置がZ2となると、ピン41の上端位置はピン15の上端位置と略同一に、ピン44の上端位置はピン17の上端位置と略同一に、また、ピン16の上端位置はピン44の上端位置と略同一になる。そのため、FOUP20は、ピン15〜17およびピン41、43、44の計6本のピンによって支持されることとなる。
【0061】
また、トレー34の上端位置がZ1からZ2まで上昇する際に、ロックピン42およびフックピン45のそれぞれは、対応する穴部26、穴部25に挿入される(図6参照)。
【0062】
続いて、フックピン移動機構46によってフックピン45をリニアガイド46bに沿ってY軸の負方向に移動させる。これにより、フックピン45のフック部45aと穴部25の係合部25aとが係合してFOUP20がY軸負方向に向かう力を受けるとともに、穴部26の内周側面のうち穴部25側の部分に、ロックピン42の外周面のうち穴部25側の部分が押し当てられて接触するため、このロックピン42および穴部26が接触する部分とフックピン45および穴部25が係合する部分とに摩擦力が生じることとなる。その結果、フック部45aおよび係合部25aが係合する部分と、穴部26およびロックピン42が接触する部分によってFOUP20は安定して固定される(図7参照)。
【0063】
続いて、シリンダ51によってトレー34の上端位置をZ2からZ3に上昇させる。これにより、ピン41、43、44の上端位置は、ピン15〜17の上端位置より高くなる。そのため、FOUP20は、ピン41、43、44によって載置面10aから持ち上げられた状態になる。また、トレー34の上端位置がZ2からZ3に上昇する際に、ローダ部91のシャッター11が開放される。これにより、FOUP20の載置された基板処理ユニット94外の空間とローダ部91の空間とが開口部11aにより連通される(図10参照)。
【0064】
続いて、トレー34の上端位置をZ3に保持した状態で、モータ31を回転させてトレー32〜34が互いに重なって縮んだ状態からY軸正方向に相対移動させることによってそれぞれの重なりを解いて伸張させることにより、FOUP20を載置面10aの直上から収容棚61の直上まで開口部11aを介して移動させる(図11)。この移動の際、FOUP20はフックピン45およびロックピン42によってトレー34に固定されている。
【0065】
これにより、重心位置の高いFOUP20を搬送する場合であっても、安定して搬送することができる。そのため、FOUP20搬送時において、従来の基板処理装置と比較してFOUP20を急加速または急減速することが可能となり、FOUP20搬送時間を減少できる。
【0066】
すなわち、従来と比較してFOUP20の搬送時間を減少させるためには、短時間で所望の搬送速度まで到達する必要があり、トレー32〜34による正の加速度を増す必要がある。また、FOUP20の搬送時間を減少させるためには、当該所望の搬送速度でFOUP20を移動させる時間を長く確保する必要があり、トレー32〜34による負の加速度を増す必要がある。
【0067】
しかし、従来の基板処理装置において、FOUP20はトレー34に支持されているのみでトレー34に対して固定されていないか、または、フランジ27を把持することによって搬送されていた。そのため、重心位置の高いFOUP20の搬送を開始するために当該FOUP20を急加速したり、FOUP20の所望の位置で停止するために急減速することができなかった。
【0068】
一方、本実施の形態の基板処理装置1では、上述のフックピン45およびロックピン42によってFOUP20はトレー34に固定されている。そのため、重心位置の高いFOUP20であっても、急加速したり急減速することが可能となり、その結果、基板処理のスループットを向上できる。
【0069】
ここで、FOUP20を収容棚61の直上まで移動させた場合における収容棚61とトレー34との位置関係について説明する。図12は、本実施の形態の収容棚61とトレー34との位置関係を示す上面図である。図12に示すように収容棚61は、トレー34の先端部34aと略同一形状を有する切欠部62を有している。また、トレー34の上端位置は、図11に示すように、Z3に保持されている。そのため、FOUP20を載置面10aから収容部60の収容棚61まで移動させる際、トレー34の下面位置は収容棚61の上面位置より上方に位置することになる。そのため、FOUP20を収容棚61まで移動させても、収容棚61とトレー34とは干渉せず、FOUP20を収容棚61の直上に配置できる。
【0070】
そして、FOUP20が収容棚61の直上に配置されると、シャッター11が閉鎖される(図11参照)。
【0071】
続いて、FOUP20が収容棚61の直上に配置された状態で、フックピン移動機構46によってフックピン45がY軸の正方向に移動される。これにより、FOUP20はトレー34に対して固定状態から固定解除状態に遷移するため、FOUP20は、ピン41、43、44によって支持されるのみとなる。そして、シリンダ51によってトレー34の上面位置をZ3からZ1に下降させると、トレー34の先端部34aは、収容棚61と干渉することなく切欠部62を通過して収容棚61の下方に移動するため、FOUP20は収容棚61に載置される(図13)。
【0072】
そして、モータ31によってトレー32〜34をY軸の負方向に移動させることにより、ロードポート10は、次に載置面10aに載置される別のFOUP20を搬送可能な待ち状態となる。
【0073】
<4.基板処理装置の利点>
以上のように、本実施の形態の基板処理装置1では、FOUP20の裏面側に設けられた穴部26にロックピン42を挿入するとともに、穴部25にフックピン45を挿入して係合部25aとフック部45aとを係合させることによってFOUP20をトレー34に対して安定に固定できる。そのため、FOUP20をロードポート10の載置面10aからローダ部91の収容部60の収容棚61に搬送する際、従来の基板処理装置と比較して、FOUP20を急加速または急減速することが可能となり、FOUP20搬送時間を減少することができる。その結果、基板処理に要する時間を減少することができ、基板処理のスループットを向上できる。
【0074】
【発明の効果】
請求項1および請求項2に記載の発明によれば、固定機構によって収容器を搬送手段に固定することにより、第3ユニットの載置台と第2ユニットの収容部との間で収容器を安定して高速に搬送できる。そのため、収容器を搬送するための時間を短縮でき、基板処理のスループットを向上できる。
【0075】
特に、請求項2に記載の発明によれば、固定機構の第1のピンを収容器の下部に設けられた第1の穴部に挿入するとともに、固定機構の第2のピンを収容器の下部に設けられた第2の穴部に挿入して当該第2の穴部の係合部と第2のピントを係合する。これにより、収容器を搬送手段に対して確実に固定できる。そのため、基板受渡ユニットの載置台と基板処理ユニットの収容部との間で収容器をさらに安定して搬送することができ、基板処理のスループットをさらに向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における基板処理装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態のFOUPの構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態のローダ部を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態のロードポートの側面図である。
【図5】本発明の実施の形態のロードポートの上面図である。
【図6】本発明の実施の形態のFOUPとロードポートとの位置関係を示す側面図である。
【図7】本発明の実施の形態のFOUPとロードポートとの位置関係を示す側面図である。
【図8】本発明の実施の形態のトレーの移動機構を説明するための図である。
【図9】本発明の実施の形態のトレーの移動機構を説明するための図である。
【図10】本発明の実施の形態のFOUPとロードポートとの位置関係を示す側面図である。
【図11】本発明の実施の形態のFOUPとロードポートとの位置関係を示す側面図である。
【図12】本発明の実施の形態の収容棚とトレーとの位置関係を示す上面図である。
【図13】本発明の実施の形態のFOUPとロードポートとの位置関係を示す側面図である。
【図14】本発明の実施の形態のFOUPとロードポートとの位置関係を示す側面図である。
【符号の説明】
1 基板処理装置
10 ロードポート
11 シャッター
15、16、17、41、43、44 ピン
18a、18b、18c 切欠部
20 FOUP
21 蓋
22、23 溝部
25、26 穴部
25a 係合部
27 フランジ
30 搬送機構
31 モータ
32、33、34 トレー
35 ベース部
42 ロックピン
45 フックピン
46 ロック機構
61 収容棚
91 ローダ部
92 基板処理部
93 アンローダ部
94 基板処理ユニット
Claims (2)
- 基板処理装置であって、
基板に所定の処理を施す第1ユニットと、
前記第1ユニットに並設され、基板を収納する収容器を収容する収容部を有し、前記収容器から前記第1ユニットへの基板の搬出または前記第1ユニットから前記収容器への基板の搬入を行う第2ユニットと、
前記第2ユニットに並設され、
前記収容器を載置する載置部と、
前記載置部および前記収容部の間で前記収容器を搬送する搬送手段と、
を有する第3ユニットと、
を備え、
前記搬送手段は、前記収容器を着脱自在に固定する固定機構を備えることを特徴とする基板処理装置。 - 請求項1に記載の基板処理装置であって、
前記固定機構は、
前記収容器の下部に設けられた第1の穴部に挿入可能な第1のピンと、
前記収容器の下部に設けられた第2の穴部に挿入可能で、前記第2の穴部の係合部と係合可能な第2のピンと、
を備えることを特徴とする基板処理装置。
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