JP2004296553A - 半導体製造装置用部材 - Google Patents

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Mitsuru Ota
充 太田
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Abstract

【課題】半導体製造装置の反応容器内で発生する部材間でのアーキングを抑制する。
【解決手段】半導体製造装置用部材の角部を半径0.1mm以上のR面取り加工処理し、かつ表面粗さRa1.6μm以下に研磨加工処理することで、角部における電荷の集中を抑制し、アーキングの発生を防止する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造装置の反応容器内で使用される部材に関し、低真空下でしかも高印加電圧がかかる反応容器内で使用される部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラズマCVD、プラズマエッチング装置、熱CVD等の半導体製造装置では、密閉可能な真空反応容器を有し、この反応容器内に、ウエハを載置する静電チャック、ヒータあるいはサセプタ等の半導体製造装置用部材(以下、部材と呼ぶ)を有している。また、このウエハを載置する部材の外周囲には、一または複数のリング状部材を備えている。これらのリング状部材は、反応容器内に発生するプラズマを安定化する機能や、内周囲に置かれた、ウエハの側壁や、静電チャック等の高付加価値を持つ部材の側壁をプラズマや反応ガスによる腐食から保護する機能等を有している(特許文献1)。
【0003】
例えば、対向電極型のプラズマ装置では、静電チャック中の埋設電極が、プラズマ発生のための対向電極として使用されることが多い。また、基板に対向して反応ガス供給口としてシャワーヘッドを使用する場合は、このシャワーヘッドを導電性材料で作製し、これを対向電極の一方として使用する場合もある。
【0004】
反応容器内でプラズマを発生させる際には、反応容器内をプラズマ発生に適した0.001〜1Torr(0.133〜133Pa)程度の低真空条件に調整した上で、反応容器内に設けられた対向電極、あるいは反応容器外周囲に設けられたコイル状電極に高周波電圧が印加される。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−107139号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
反応容器内に設けられる種々の絶縁性のリング状部材は、本来絶縁材料で形成されているため、通常は電流が流れることはない。しかしながら、リング状部材の内周囲に配置される静電チャック等の他の部材の電極等に、プラズマ発生時、あるいはウエハをチャッキングする際に、高電圧が印加されると、リング状部材と他の部材との間で、もしくはリング状部材と基板との間等で、高電界が発生するため、アーク放電(アーキング)が生じるおそれがある。
【0007】
一般に、尖った箇所等には電荷が集中し、蓄積されやすいため、各リング状部材の角部とこれに隣接対向する他の部材の角部との間に、最も高い電界が生じやすい。この条件に加え、反応容器内雰囲気が低真空条件であると、さらに絶縁破壊による放電現象であるアーキングが生じやすい環境を作ることになる。このように、アーキングは、低真空反応容器内で複数の部材が隣接配置されている場合に、部材間で高い電界が生じると発生する危険がある。
【0008】
一旦、アーキングが生じると、局所的に大電流が流れる。例えば、リング状部材からウエハにアーキングが生じると、ウエハ上の素子が破壊されるおそれがある。また、リング状部材から静電チャックにアーキングが生じると、静電チャック内の埋設電極に大電流が流れ、一部の埋設電極が破損し、以後、均一な基板吸着力を維持できなくなるおそれがある。あるいは、反応容器内のいずれかの場所でアーキングが生じ、局所的に大電流が流れると、その電流値を感知したセンサーにより半導体製造装置のシステムが異常事態と判断し、システムを自動的に停止してしまうおそれもある。そうなると、システムの修復と製造工程の再スタートが必要となる。
【0009】
一方、従来の各種部材の角部にも、通常チッピングやクラックの発生を防止するため、R面取り加工もしくはC面取り加工が施されていることがある。これらの面取り加工には、アーキング発生の要因となる電荷の集中をある程度抑える効果はある。しかし、従来の面取り加工は、アーキング発生防止を何ら意図したものではないため、アーキングの発生を確実に防止する効果を有するものではなかった。
【0010】
本発明は、上述する従来の課題に鑑みてなされたものであり、複数の半導体製造装置用部材間、あるいは半導体製造装置用部材とウエハ間でのアーキングの発生を抑制できる半導体製造装置用部材を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体製造装置用部材は、半径0.1mm以上のR面取り加工処理がされ、かつ表面粗さRaが1.6μm以下である、少なくとも一以上の角部を有することを特徴とする。なお、角部とは、凸状のコーナ部をいう。
【0012】
上記本発明の半導体製造装置用部材の特徴によれば、アーキングが発生しやすい角部に上記所定のR面取り加工処理がなされているとともに、さらに角部の表面の粗さRaが上記所定範囲に入るように調整されているので、角部において電荷の集中が生じる尖塔部やチッピングの存在が確実に除去され、アーキングの発生を効果的に抑制できる。
【0013】
上記本発明の特徴を有する半導体製造装置用部材において、R面取り加工の半径は、0.1mm以上1.0mm以下であることが好ましく、さらに、表面粗さRaは、0.8μm以下であることが好ましい。これらの条件を充たす場合には、より確実に、電荷の局部的な集中と蓄積を抑制し、アーキングの発生を防止できる。
【0014】
また、上記本発明の半導体製造装置用部材は、少なくとも隣接配置される他の半導体製造装置用部材との間隙を0.01mm〜1mmとすることが好ましい。
【0015】
このように、隣接する他の部材との間隙を0.01mm〜1mmの範囲とする場合において、より確実にアーキング発生抑制効果が発揮できる。
【0016】
なお、上記半導体製造装置用部材は、静電チャック、サセプタ、ヒータ、シャワーヘッド、およびリング状半導体製造装置用部材のいずれかであってもよい。
【0017】
また、上述するR面取り処理および表面粗さの調整を行う角部は、隣接する他の部材に隣接対向する位置にある角部であることが望ましい。このような角部においてアーキングが生じやすいからである。
【0018】
上記本発明の半導体製造装置用部材は、プラズマ処理装置の反応容器内に載置される部材として使用されることが好ましい。プラズマ発生時に低真空条件下で高電圧が印可され、アーキングを発生しやすい状況だからである。
【0019】
また、上記本発明の半導体装置用部材は、反応容器内のいずれかの電極間に100V〜1200Vの電圧が印加される半導体製造装置内で使用されることが好ましい。このように、反応容器内で100V〜1200Vの高電圧が印加される場合において、より確実にアーキング発生抑制効果が発揮できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参考にしながら本発明の実施の形態に係る半導体製造装置用部材について説明する。
【0021】
図1は、プラズマエッチング装置の反応容器内に配置される、本実施の形態に係る各種半導体製造装置用部材を例示する模式的な断面図である。ここでは、半導体製造装置としてプラズマエッチング装置を例示しているが、以下に説明する本実施の形態に係る半導体製造装置用部材は、プラズマ処理装置に限らず、例えばウエハの着脱時に高電圧を印加する必要がある静電チャックを備えた装置等、反応容器内で、アーキングの発生要因となる100〜1200V程度の高電圧の発生が生じうる半導体製造装置の反応容器内で使用される半導体製造装置用部材であれば適用できる。
【0022】
例えば、図1に示すプラズマエッチング装置では、反応容器内の下側中央に、静電チャック30が配置され、その上にウエハ20が固定されており、ウエハ20と対向する上方に、反応ガスをウエハ面に均一に供給する、微細なガス供給孔を多数備えたシャワーヘッド40が設けられている。ここでは、静電チャック30内に埋設された電極および導電性部材で形成されたシャワーヘッド40の双方がプラズマを発生させる対向電極として使用され、同図に示すように、ウエハ20とシャワーヘッド40との間にプラズマが形成される。
【0023】
静電チャック30およびシャワーヘッド40は、いずれもウエハ20の大きさと形状に対応した円形形状に沿った外周部を有しており、その外周囲に絶縁性リング状部材が配置されている。絶縁性リング状部材には種々の形態があるが、代表的には、静電チャック30およびウエハ20に近接して配置されるフォーカスリング10、さらにそのフォーカスリング20の外周囲に配置されるカバーリング12、およびシャワーヘッド40の外周囲に配置されるシールドリング14等を挙げることができる。なお、ここで使用する各リング状部材の呼称は便宜的なものである。
【0024】
フォーカスリング10およびカバーリング12は、主にウエハ20の外周縁までプラズマ状態を安定に発生させる役割とともに、ウエハ20および静電チャック30の側面を保護する役割を有する。シールドリング14は、プラズマ外周部付近で発生するシリコンウエハー方向のみでなく、シャワーヘッド方向へのイオンボンバードメントからシャワーヘッドを保護する役割を有する。なお、これらのリング状部材は、一体でリング形状を構成するものに限らず、複数の部品に分割され、それらを組み合わせてリング形状を構成するものであってもよい。
【0025】
本実施の形態に係る半導体製造装置用部材は、少なくともいずれかの角部のR面取り加工の精度と、表面粗さRaとを調整することで、隣接配置される複数の部材間でのアーキングの発生を防止するものである。
【0026】
以下、図2(a)、図2(b)および図3を参照して、本実施の形態に係る半導体製造装置用部材の構造について説明する。
【0027】
図2(a)に示すように、ウエハ20が、静電チャック30上にオーバハングするように固定されている場合、これらの外周囲に隣接配置されるフォーカスリング10は、ウエハ20と静電チャック30の側面形状に沿うように、段差のある内周壁面を有し、複数の円周状の角部を有する。
【0028】
図3は、図2(a)の破線Aで囲む角部101の部分拡大図である。同図に示すように、角部101は、半径0.1mm〜1mmのR面取り加工されており、さらに表面粗さがRa1.6μm以下になるよう調整されている。図2(a)に示すフォーカスリング10では、角部101のみならず、凸状のコーナ部である全ての角部101〜105において、同様なR面取り加工と、表面粗さの調整がなされている。
【0029】
また、フォーカスリング10の内周囲に配置される静電チャック30の側面部の角部301および302においても、フォーカスリング10の角部101と同様なR面取り加工と表面粗さの調整がなされている。
【0030】
さらに、フォーカスリング10の外周囲に配置されるカバーリング12の内周部の角部106と107にもフォーカスリング10の角部101と同様なR面取り加工と表面粗さの調整処理がなされている。
【0031】
図1に示すような平行平板型のプラズマエッチング装置では、エッチング対象となる材料の種類によっても異なるが、例えばメタル配線をエッチングする場合は、約100V〜400V、SiO等の酸化膜をエッチングする場合には約1000Vもの高い電圧が対向電極間に印加される。また、静電チャック30に埋設された電極35には、ウエハのチャッキング時に、例えばジョンソン・ラーベックタイプの静電チャックでは約300V〜1000Vの高電圧が印加される。
【0032】
一般に、アーキングは、絶縁空間に高い電界がかかることによる絶縁破壊現象であり、高電圧が印加される環境下において、しかも、反応容器内が低真空条件に調整されている場合に、アーキングが発生しやすい状態となる。特に、部材の角部には電荷が集中し、蓄積されやすいので、隣接する部材間の対向する角部同士の間で最も高い電界が生じ、角部と角部との間がアーキングを最も発生させやすい場所となる。
【0033】
しかし、本実施の形態に係る半導体製造装置用部材では、隣接しあう各部材の角部に上述するように、半径0.1mm〜1mmのR面取り加工処理を行っているので、角部における電荷の集中が緩和され、アーキングの発生を抑制することができる。アーキングの発生を抑えるためには少なくとも半径0.1mm以上でR面取り加工がなされている必要があり、その半径を大きくする程、アーキング発生率を低く抑えることができる。しかし、加工半径が1.0mm以上になると、R面取り加工によるアーキングの防止効果が飽和してしまうので、それ以上の加工は必要ない。
【0034】
しかし、角部がR面取り処理されていても、チッピングが存在すると、そこに電荷が集中し、アーキングの発生が生じやすい。R面取り加工の半径が0.2mm以下では、特に面取り加工のみでチッピングの発生を完全に除去することは困難である。これに対し、本実施の形態に係る部材では、R面取り加工した部分の表面粗さRaを1.6μm以下に調整しているため、チッピングの発生を防止できる。したがって、アーキングの発生をより確実に防止できる。
【0035】
なお、半導体製造装置の反応容器内で500V以上の高印加電圧がかかる場合は、角部の表面粗さRaをさらに研磨加工により0.8μm以内とすることが好ましい。
【0036】
本実施の形態では、静電チャック30、およびその外周囲に配置されるフォーカスリング10のみならず、フォーカスリング10の外周囲に配置されるカバーリング12の角部106および107にも同様なR面取り加工と表面粗さ調整を行うことが好ましい。これは、フォーカスリング10が静電チャック30や基板20からの電流リークで、それらと同電位となる場合があり、そうすると、フォーカスリング10とその周囲のカバーリング12間で電位差が生じるため、この二つのリング間でもアーキングが発生する危険性があるからである。
【0037】
上述する各部材の角部のR面取り加工と表面粗さ調整は、アーキングの発生防止が目的であるため、部材に隣接して他の部材が配置される場合には、アーキングの発生のおそれがある、他の部材と隣接対向する角部を処理対象にすれば足りる。したがって、図2(a)に示すように、フォーカスリング10の場合は、内周部で静電チャック30と隣接しており、外周部でカバーリング12と隣接しているため、全ての角部に上述する条件を満たす加工を施すことが好ましい。一方、カバーリング12の場合は、内周部のみがフォーカスリング10と隣接しており、アーキングの発生は内周部の角部106および107で生じやすいが、外周部の角部においてはアーキングの発生はそれほど問題にはならないので、角部106及び107に対してのみ、上述する所定のR面取り加工と表面粗さの調整を行ってもよい。
【0038】
さらに、本発明の実施の形態に係る半導体製造装置用部材では、隣接する他の部材との間隙距離を調整している。例えば、図2(a)に示すように、静電チャック30と、その外周囲に隣接して配置されるフォーカスリング10との間隙距離t1が0.01mm〜1mmとなるように、静電チャック30の直径もしくはフォーカスリング10の内周部の直径を設定することが好ましい。同様に、フォーカスリング10とカバーリング12との距離t2が0.01mm〜1mmとなるように、フォーカスリング10の外周部の直径もしくはカバーリング12の内周部の直径を設定することが好ましい。
【0039】
一般に、フォーカスリング10やカバーリング12といったリング状部材は、それぞれ隣接配置される他の部材の側面等を、腐食性ガスやプラズマ衝撃から保護する役割を有するものである。したがって、保護すべき内周部に置かれた他の部材との間隙はできるだけ狭いことが望まれる。その一方、間隙距離が短くなると、両部材間の電位差で生じる電界強度はより高くなり、両部材間でアーキングが生じやすくなる。例えば従来のリング状部材であれば、0.1mm以下になるとアーキング発生を誘発しやすく、危険である。
【0040】
しかしながら、本実施の形態に係る絶縁性リング状部材であれば、アーキングの最も発生しやすい角部に対し上述する所定の条件でR面取り加工と表面粗さの調整とを施しているので、部材配置精度のほぼ限界である0.01mmまで部材間の間隙距離を縮めることが可能になる。したがって、各絶縁性リング状部材の保護機能をさらに高める使い方をすることができる。また、両部材間の間隙距離を0.01mm未満にすることは、配置制御の精度限界であり、それ以上に両部材を近づけることが困難である上に、間隙距離が0.01mm未満になると、部材の角部の状態にかかわり無く、角部と関係ない両部材端面間でのアーキング発生率が飛躍的に高まるため、好ましくない。
【0041】
一方、部材間距離が1mmを越える場合は、部材の角部のR面取り加工の半径や表面粗さの条件にかかわらず、アーキング発生率が減少するとともに、腐食性ガスやプラズマ衝撃が両部材間隙に入りこみやすくなるため、絶縁性リング状部材の本来の保護機能を十分に発揮できなくなり好ましくない。
【0042】
図2(b)は、ウエハ20を抵抗発熱体55を埋設したヒータ50上に載置する場合のヒータ50とその外周囲に配置される絶縁性リング状部材であるフォーカスリング15の部分的な構成例を示す図である。ここでは、ウエハ20は、ヒータ50の上部面に形成された溝内に載置されており、ヒータ50の外周囲に配置されるフォーカスリング15は、このヒータ50の円周状の側壁に沿った段差のない内周部を持つこととなる。また、フォーカスリング15の外周囲にはカバーリング等は配置されていないものとする。
【0043】
この場合は、互いに隣接し合うヒータ50の側面の角部501および502と、これらの角部に隣接対向する位置にあるフォーカスリング14の角部108および109を、半径0.1mm〜1mmのR面取り加工し、さらに表面粗さがRa1.6μm以下になるよう調整することが好ましく、ヒータ50とフォーカスリング14との間の間隙t3を、0.01mm〜1mmとすることがさらに好ましい。
【0044】
なお、上述する部材以外にも、プラズマ処理装置やその他の半導体製造装置の反応容器内に設置される部材としては、図1に示すシャワーヘッド40や、その外周囲に配置されるシールドリング14の例が挙げられる。この場合も、シャワーヘッド40とシールドリング14の、隣接対向する双方の角部に対し、上述するフォーカスリング10等と同様なR面取り加工と表面粗さ調整を行うとともに、部材間の間隙を0.01mm〜1mmとすることが好ましい。また、ヒータや静電チャックの代わりに、サセプタを使用する場合は、サセプタとその周囲に配置される絶縁性リング状部材の隣接対向する各角部に上述する所定のR面取り加工と表面粗さの調整を行い、さらに各部材の間隙を0.01mm〜1mmとすることが好ましい。
【0045】
上述する本実施の形態に係る半導体製造装置用部材のアーキング防止効果は主に形状に依存する効果であるから、材質には限定されず、各部材に種々の材料を使用することができるが、各部材の機能に適した材料を使用することが好ましい。例えば、ウエハの外周囲に配置されるフォーカスリングは、プラズマ衝撃などでスパッタされた材料がウエハに飛散した際に、ウエハに対する不純物とならないよう、ウエハと同質材料を主成分として含む絶縁性セラミックスを使用することが好ましく、例えば石英などを使用できる。あるいは、耐スパッタ性や耐エッチング性が高い、窒化アルミニウム等の材料を使用することも好ましい。
【0046】
静電チャックやヒータについては、均一な温度分布を得るために、熱伝導性が良好な窒化アルミニウム等の耐熱性セラミックス材料を使用することが望ましい。また、シャワープレート等ついては、セラミックス材料を使用することもできるが、プラズマ処理装置の対向電極の一方として使用する場合は、導電性材料を使用することが好ましい。
【0047】
例えば、窒化アルミニウムを用いて半導体製造装置用部材を作製する場合は、窒化アルミ紛と焼結助剤およびバインダを混合しスラリーを作製し、これを、CIP(Cold Isostatic Pressing)法やスリップキャスト法等の種々の成型法を用いて成型体を作製する。続いて、脱バインダを行った後、ホットプレス法もしくは常圧焼結法等を用いて、1600℃〜1900℃で焼成して、焼結体を作製する。なお、電極を埋設する場合は、焼結温度に対し耐熱性を有するMo等の電極を用いるとよい。この後、上述する各半導体製造装置用部材の所定の角部をバイト加工し、R面取り処理を行い、さらに必要に応じて表面粗さは調整するため、角部の研磨加工を行う。こうして、本実施の形態に係る半導体製造装置用部材を得ることができる。
【0048】
以下、本発明の絶縁性リング状部材のアーキング発生阻止効果を確認するために、窒化アルミニウム(AlN)のブロックを用いて実施した検討結果について説明する。
【0049】
(検討1)
真空度0.1Torr(13.3Pa)の環境下に調整した密閉反応容器内に、本実施の形態に係る半導体製造装置用部材に相当する2つのAlNブロック(Φ80mm×5mm(厚み))を間隙距離が0.1mmとなるよう載置した。両AlNブロック間に800Vの電圧を1min間印加し、隣接対向し合うAlNの角部のR面取り処理の半径Rと表面粗さRaの条件の違いによるAlNブロック間でのアーキングの発生率の変化を確認した。結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
Figure 2004296553
表1に示す結果から明らかなように、R面取り処理の半径が0.1mm以上であって、表面粗さRaが1.6μm以下の条件において、アーキングの発生抑制効果が現れ、特にR面取り処理の半径が0.3mm以上、かつ表面粗さRaが0.8μm以下、あるいはR面取り処理の半径が0.5mm以上、かつ表面粗さRaが1.6μm以下の条件においては、アーキングの発生をほぼゼロにできた。このように、角部のR面取り処理と表面粗さの二つの条件を調整することが、アーキング発生抑制に効果的であることが確認された。
【0051】
(検討2)
真空度0.1Torr(13.3Pa)の環境下に調整した密閉反応容器内に、本実施の形態に係る半導体製造装置用部材および静電チャック等に相当する一対のAlNブロック(Φ80mm×5mm(厚み))を二組(Aブロック対、Bブロック対)準備した。Aブロック対では、隣接対向するAlNブロックの各角部を半径0.3mmのR面取り処理し、角部の表面粗さを1.6mmとした。また、Bブロック対では、隣接対向する角部の処理加工は特に行わなかった。Aブロック対、Bブロック対、それぞれについてAlNブロック間に800Vの電圧を1min間印加し、ブロック間隙距離(Gap)とアーキングの発生率との関係を確認した。結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
Figure 2004296553
表2から明らかなように、ブロック間隙(Gap)が1mm以上では、角部の処理の有無にかかわらずアーキングの発生が抑制され、ブロック間隙(Gap)が0.005mm以下では、角部の処理の有無にかかわらずアーキングの発生を抑制する効果は薄かった。しかし、ブロック間隙(Gap)が0.01mm以上1mm以下の範囲では、角部に所定のR面取り加工と表面粗さ調整を行ったBブロック対において明らかに、Aブロック対より高いアーキング発生抑制効果が確認された。
【0053】
(検討3)
真空度0.1Torr(13.3Pa)の環境下に調整した密閉反応容器内に、本実施の形態に係る半導体製造装置用部材に相当する一対のAlNブロック(Φ80mm×5mm(厚み))を二組(Aブロック対、Bブロック対)準備した。Aブロック対では、対向するAlNブロックの各角部を半径0.3mmのR面取り加工を行い、角部の表面粗さを1.6mmに調整した。一方、Bブロック対では、角部の処理加工は特に行わなかった。AlNブロック間隙(Gap)を0.1mmに固定し、ブロック間への印加電圧の値とアーキングの発生との関係を確認した。なお、ブロック間への電圧の印加時間は1minとした。結果を表3に示す。
【0054】
【表3】
Figure 2004296553
表3から明らかなように、ブロック間の印加電圧が100V以下では、角部の処理の有無にかかわらずアーキングの発生はほとんど生じず、ブロック間の印加電圧が1500V以上では、角部の処理の有無にかかわらずアーキングの発生が生じる可能性が高い。しかし、100V〜1000Vまでの印加電圧の範囲では、角部に所定のR面取り加工と表面粗さ調整を行ったBブロック対において明らかにアーキング発生抑制効果が見られた。
【0055】
以上、実施の形態に沿って本発明の半導体製造装置用部材について説明したが、本発明は、これらの実施の形態の記載に限定されるものでないことは明らかである。種々の改良および変更が可能なことは当業者には明らかである。
【0056】
【発明の効果】
以上に説明するように、本発明の半導体製造装置用部材によれば、反応容器内での、部材同士間でのアーキングの発生を抑制できる。したがって、アーキング発生による部材交換の頻度を低減できるとともに、アーキング発生によるシステムダウンの危険性を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラズマエッチング装置の反応容器内で使用される各種半導体製造装置用部材を説明するための模式的な断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る半導体製造装置用部材の構造を示す部分断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る半導体製造装置用部材の角部の拡大断面図である。
【符号の説明】
10、15・・・フォーカスリング
12・・・カバーリング
14・・・シャワーヘッド
20・・・ウエハ
30・・・静電チャック
35・・・電極
40・・・シャワーヘッド
50・・・ヒータ
55・・・抵抗発熱体
101〜109、301、302、501、502・・・角部

Claims (8)

  1. 半径0.1mm以上のR面取り加工がされ、かつ表面粗さRa1.6μm以下である、少なくとも一以上の角部を有することを特徴とする、半導体製造装置用部材。
  2. 前記R面取り加工の半径は、0.1mm以上1.0mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の半導体製造装置用部材。
  3. 前記表面粗さRaは、0.8μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体製造装置用部材。
  4. 他の半導体製造装置用部材と隣接配置され、前記他の半導体製造装置用部材との間隙が0.01mm〜1mmであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体製造装置用部材。
  5. 静電チャック、サセプタ、ヒータ、シャワーヘッド、およびリング状絶縁部材のいずれかであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の半導体製造装置用部材。
  6. 前記角部は、前記他の半導体製造装置用部材に隣接対向する位置にある角部であることを特徴とする請求項4または5に記載の半導体製造装置用部材。
  7. プラズマ処理装置の反応容器内に設置されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の半導体製造装置用部材。
  8. 100〜1200Vの印加電圧が生じる反応容器内に設置されることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の半導体製造装置用部材。
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