JP2004296002A - 磁気ディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ロータリアクチュエータが暴走または非常アンロード時に環境(稼動)温度変化に応じてストッパ剛性を調整し、ストッパたわみ量を抑制し、衝突加速度を低減できるアクチュエータストッパ機構を有する磁気ディスク装置を提供する。
【解決手段】インナーストッパ5またはアウターストッパ6は、VCM7のアップヨーク15に一端固定されている状態とする。高温時ストッパは線膨張係数大の影響によりその長さが膨張し、その下面とダウンヨーク16とが接触・圧着されて両端固定の状態としてストッパの剛性を増加させる。また、ストッパに対してたわみ量を制限するデッドストックを設ける。すなわち、環境(稼動)温度の変化に対応してストッパ剛性を構造的に変化させる機能を有するアクチュエータストッパ機構を付与する。
【選択図】 図1
【解決手段】インナーストッパ5またはアウターストッパ6は、VCM7のアップヨーク15に一端固定されている状態とする。高温時ストッパは線膨張係数大の影響によりその長さが膨張し、その下面とダウンヨーク16とが接触・圧着されて両端固定の状態としてストッパの剛性を増加させる。また、ストッパに対してたわみ量を制限するデッドストックを設ける。すなわち、環境(稼動)温度の変化に対応してストッパ剛性を構造的に変化させる機能を有するアクチュエータストッパ機構を付与する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気ディスク装置のアクチュエータのストッパ機構に係り、特にアクチュエータ暴走時及び非常アンロード動作時のストッパ衝突時において、ストッパのたわみ量を制限し、さらに衝突加速度を抑えることにより、キャリッジのスタックずれ及びヘッド・ディスクの衝突を防止する機能を有するアクチュエータストッパを搭載した磁気ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気ディスク装置は、情報を含む同心円のデータトラックを有する回転ディスク、それぞれのトラックでデータの読み取り/書き込みを行うヘッド、及び読み取り/書き込み動作の間に所望のトラックにヘッドを移動し且つそれをトラック上に保持する為にヘッドのキャリヤに連結されたアクチュエータを用いる情報記憶再生装置である。
【0003】
アクチュエータはディスクの半径方向に高速移動できる機能を有している。このため、アクチュエータの暴走時や非常アンロード動作時等において、アクチュエータがストッパに衝突し、過度なストッパたわみによる周囲部品との接触及びヘッド・ディスクとの接触を防止するために、ストッパには他部品との衝突防止機能と緩衝材としての機能を要する。
【0004】
従来、温度範囲5〜55℃内で比較的に物性の安定な材料を使用して、両機能が満足するようにストッパ剛性を保持していた。
【0005】
一方、特許文献1「特開平7−262749」は、磁気ディスク装置における、記録情報の書込み時と読取り時に温度差があった場合でも、磁気ヘッドのオフトラックが発生しない方法として、磁気ディスクの間に熱膨張係数の異なるスペーサを併用した磁気ディスク装置を開示している。
【0006】
また、特許文献2「特開平8−180615」は、磁気ディスク装置のアクチュエータのアウターストッパ及びインナーストッパの位置交差を最小にして、磁気ディスクのデータゾーンを広く取ることを可能にした磁気ディスク装置を開示している。
【0007】
しかしながら、これらの開示例はいずれも環境(稼動)温度範囲が従来よりも大幅に拡大した場合の上記ストッパの有すべき機能を実現する技術を開示したものではない。
【0008】
【特許文献1】
「特開平7−262749」
【特許文献2】
「特開平8−180615」
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
今後の磁気ディスク装置の環境(稼動)温度範囲の拡大、例えば、車載用途などの−20〜85℃の温度範囲では、高温軟化によるストッパわたみ量の増加、低温脆化による衝撃加速度の増加が避けられず、ヘッド・ディスクの損傷の恐れがある。また、装置自体のダウンサイジング化により他部品との隙間マージンが減少する。
【0010】
本発明の目的は、磁気ディスク装置(HDD)の環境(稼動)温度変化に応じて、ストッパ剛性を調整することにより、ヘッド・ディスクの損傷を回避できるストッパ機構を有する磁気ディスク装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、磁気ディスク装置において、磁気記録媒体であるディスクと、前記ディスクを回転させるモータと、前記ディスクへ情報を書込む又は前記ディスクから情報を読取るヘッドと、前記ヘッドを前記ディスク上を横切って該ディスクの半径方向に移動させる回転式アクチュエータと、前記アクチュエータの回転角を制限するストッパと、該ストッパーを保持するヨークとを備え、前記ストッパーと該ヨークとの接触状態の環境温度に応じた変化により、該ストッパの剛性が変化させるようにした。
【0012】
また、前記ストッパは弾性体であり、その一端は剛体からなる上記ヨークに固定されており、その他端は、低温時にはフリーであり、高温時には上記一端が固定されているヨークの対向側のヨークを構成する剛体に接触し固定されるようにした。
【0013】
さらに、前記ストッパのたわみ方向にデッドストップを配置し、該ストッパーの最大たわみ量を制限するようにした。
【0014】
さらにまた、上記ストッパはフリーな端部が中空形状であり、上記デッドストップは、該中空位置に低温時には前記ストッパとの間にデッドストップが接触せずに隙間を有して配置されるようにした。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態に係る磁気ディスク装置について、図面を用いて以下説明する。図1は本発明の実施形態に係るロータリアクチュエータのストッパ構造を示す図であり、図2は磁気ディスク装置の概略図である。図3〜6は本発明の他の実施形態に係るロータリアクチュエータのストッパ構造を示す図である。また、図7〜8は、それぞれ、アクチュエータとインナーおよびアウターストッパが接触時の状態を示す図である。
【0016】
図2は、磁気ディスク装置についているカバーを取り外して上からみた状態を示しており、一般に磁気ディスク装置はディスク駆動機構即ちスピンドルモータ(図示せず)がベース1に固定され、ディスク2、ロータリアクチュエータ3、ランプ4、インナーストッパ5及びアウターストッパ6を備える。
【0017】
一般にロータリアクチュエータ3の回転は、ロータリボイスコイルモータ7(VCM:破線)により行われる。これはアクチュエータ3のコイルホルダ8に取り付けられたコイル9がベース1に取り付けられたVCMの固定磁界中を通って移動することにより、ロータリアクチュエータ3はベース1に取り付けられた旋回軸10を中心に回転する。
【0018】
インナーストッパ5及びアウターストッパ6はVCM7に取り付けられ、ロータリアクチュエータ3の移動を制限する。一般にストッパーはゴムなどの弾性体が用いられる。本実施の形態では、熱可塑性ポリウレタンエラストマーを用いた。ここには熱可塑性ポリエステルエラストマーなど、他の熱可塑性エラストマーを用いることもできる。
【0019】
ロータリアクチュエータ3は、旋回軸10に対してコイル9と反対の端に堅固なアーム11を有する。懸架部12は、アーム11の端に取り付けられヘッドスライダ13を支持し、スライダ13を越えて伸びるタブ14を備える。
【0020】
ディスク上へのデータの読取り/書込み変換器であるヘッド(図示せず)は、スライダ13の端に形成されており、一般には誘導性の読取り及び書込み変換器、または磁気抵抗性読取り変換器と誘導性の書込み変換器を有する変換器が用いられる。
【0021】
ロード/アンロードランプ4はベース1に取り付けられる。図2はアンロードした状態、即ちディスク装置が動作していない状態またはデータの読出し/書込みを行わない待機状態であり、アクチュエータ3がランプ4にパーク(係留)している様子を示す。懸架部12のタブ14は、ランプ4によって支持されており、スライダ13は、ディスクの領域から離れた場所に位置する。これによりスライダ13とディスク2の粘着が起きることを防ぐ。
【0022】
更に、アクチュエータ3は、図8に示すようにアウターストッパ6に押し付けられ(接触状態)、VCM7の永久磁石の作用によりパークエリアに固定されている。
【0023】
アクチュエータ3には、アウタストッパ6と接触する場所に鉄片等の磁性体を有しており、アクチュエータ3をアウタストッパ6に吸着させる役目を持つ。ロードする時には、永久磁石の吸引力に打ち勝つ電流をコイル9に与えアクチュエータ3をパークエリアに固定した状態から解放する。
【0024】
図1は、本発明のストッパの保持・接触状態をディスク装置の側面から見た図であり、ストッパはインナーストッパ5の場合を示した(アウターストッパ6の場合も同様である)。ストッパとアップヨーク15およびダウンヨーク16との固定および接触状態の変化により本発明の機能を実現する。
【0025】
以下、本発明の実施形態に係るストッパ機構の形態について説明する。図1(a)は、低温・常温時でのストッパ構造を示す。インナーストッパ5またはアウターストッパ6(以下、ストッパ5または6と略す。)は、VCM7のアップヨーク15に一端固定されている状態である。ストッパ5(または6)の下面とダウンヨーク16との間には隙間がある。図1(b)は、高温時でのストッパ構造を示す。ストッパは線膨張係数大の影響によりその長さが膨張し、その下面とダウンヨークとが接触・圧着されて両端固定の状態となり、ストッパ剛性が増加する。因みに、従来構造のストッパでは、高温時におけるかかる両端固定は行われず、したがってその効果によるストッパ剛性の増加は全く行われない。
【0026】
すなわち、従来では環境(稼動)条件温度でのたわみ許容量からストッパ剛性を設計するため、稼動上限温度が上昇すればするほど、ストッパ剛性を増加させる必要があった。それに伴い、低温でのスットパ剛性は過大になることが不可避となり、低温での衝突加速度増加が避けられなかった。これに対し、本発明では、上記の実施形態に見る如く、高温状態では、両端固定によるストッパ剛性の増加を加味することにより、低温でのストッパ剛性過大化を回避することが可能となリ、従来構造で問題であった不具合を解消することができる。
【0027】
図3は本発明の他の実施形態に係るストッパ構造を示す。ストッパ5(または6)の下面を半球面またはテーパ面とし、高温時ダウンヨーク16との接触面積拡大により、ストッパ剛性を増加させる構造である。
【0028】
図4は、前記ストッパのたわみ方向にデッドストップ17を追加した形態である。目的は高温時の最大たわみ量を制限することにより、ヘッドと他の周囲部品との接触を防ぐことが可能となる。
【0029】
図5、6は本発明の他の実施形態に係るストッパ構造を示す。これらはストッパのたわみ方向にデッドストップ17を有し、デッドストップへの接触前と接触後でストッパ剛性を2段階に切り替える形態である。常温・低温では材料が硬く、形状による倒れ剛性と材料自体の圧縮剛性でストッパの機能を維持する。ある温度以上に高くなると、ストッパのたわみ量がデッドストップに達し、材料自体の圧縮剛性のみとなる。すなわち、高温でのたわみ量増加を制限することにより、少しでも柔らかい材料を選択し、衝突加速度を抑制することができる。
【0030】
図6の場合は、フリーとなっているストッパ端部の下方部分が中空となっており、デッドストップはその中空位置に配置され、低温時にはストッパに接触せず、隙間を有する構造となっている。
【0031】
以上説明したように、本発明の実施形態は、次のような構成を備えるものである。ストッパの線膨張係数による温度伸縮を利用し、環境(稼動)温度の変化によりストッパ固定状態を一端固定と両端固定ヘとに使い分けることでストッパ剛性を調整する手段を有する磁気ディスク装置である。
【0032】
更に他の実施形態は、ストッパたわみ方向にデッドストップを配置することでストッパ剛性を調整する手段を有する磁気ディスク装置である。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、広範囲な環境(稼動)温度条件下においてストッパ剛性を調整することにより、高温時のストッパたわみ量の抑制及び低温時のストッパ衝突加速度の低減を同時に実現した磁気ディスク装置を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るロータリアクチュエータのストッパ構造を示す図である。
【図2】ロータリアクチュエータが磁気ディスク外周側のランプに係留(パーク)されている状態を示す磁気ディスク装置の概略図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係るロータリアクチュエータのストッパ構造を示す図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係るロータリアクチュエータのストッパ構造を示す図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係るロータリアクチュエータのストッパ構造を示す図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係るロータリアクチュエータのストッパ構造を示す図である。
【図7】
ロータリアクチュエータがインナーストッパと接触している状態を示す磁気デ
ィスク装置の部分概略図である。
【図8】
ロータリアクチュエータがアウターストッパと接触している状態を示す磁気デ
ィスク装置の部分概略図である。
【符号の説明】
1…ベース、2…ディスク、3…ロータリアクチュエータ、4…ランプ、
5…インナーストッパ、6…アウターストッパ、7…VCM、
8…コイルホルダ、9…コイル、10…旋回軸、11…アーム、
12…懸架部、13…ヘッドスライダ、14…タブ、15…アップヨーク、
16…ダウンヨーク、17…デッドストップ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気ディスク装置のアクチュエータのストッパ機構に係り、特にアクチュエータ暴走時及び非常アンロード動作時のストッパ衝突時において、ストッパのたわみ量を制限し、さらに衝突加速度を抑えることにより、キャリッジのスタックずれ及びヘッド・ディスクの衝突を防止する機能を有するアクチュエータストッパを搭載した磁気ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気ディスク装置は、情報を含む同心円のデータトラックを有する回転ディスク、それぞれのトラックでデータの読み取り/書き込みを行うヘッド、及び読み取り/書き込み動作の間に所望のトラックにヘッドを移動し且つそれをトラック上に保持する為にヘッドのキャリヤに連結されたアクチュエータを用いる情報記憶再生装置である。
【0003】
アクチュエータはディスクの半径方向に高速移動できる機能を有している。このため、アクチュエータの暴走時や非常アンロード動作時等において、アクチュエータがストッパに衝突し、過度なストッパたわみによる周囲部品との接触及びヘッド・ディスクとの接触を防止するために、ストッパには他部品との衝突防止機能と緩衝材としての機能を要する。
【0004】
従来、温度範囲5〜55℃内で比較的に物性の安定な材料を使用して、両機能が満足するようにストッパ剛性を保持していた。
【0005】
一方、特許文献1「特開平7−262749」は、磁気ディスク装置における、記録情報の書込み時と読取り時に温度差があった場合でも、磁気ヘッドのオフトラックが発生しない方法として、磁気ディスクの間に熱膨張係数の異なるスペーサを併用した磁気ディスク装置を開示している。
【0006】
また、特許文献2「特開平8−180615」は、磁気ディスク装置のアクチュエータのアウターストッパ及びインナーストッパの位置交差を最小にして、磁気ディスクのデータゾーンを広く取ることを可能にした磁気ディスク装置を開示している。
【0007】
しかしながら、これらの開示例はいずれも環境(稼動)温度範囲が従来よりも大幅に拡大した場合の上記ストッパの有すべき機能を実現する技術を開示したものではない。
【0008】
【特許文献1】
「特開平7−262749」
【特許文献2】
「特開平8−180615」
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
今後の磁気ディスク装置の環境(稼動)温度範囲の拡大、例えば、車載用途などの−20〜85℃の温度範囲では、高温軟化によるストッパわたみ量の増加、低温脆化による衝撃加速度の増加が避けられず、ヘッド・ディスクの損傷の恐れがある。また、装置自体のダウンサイジング化により他部品との隙間マージンが減少する。
【0010】
本発明の目的は、磁気ディスク装置(HDD)の環境(稼動)温度変化に応じて、ストッパ剛性を調整することにより、ヘッド・ディスクの損傷を回避できるストッパ機構を有する磁気ディスク装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、磁気ディスク装置において、磁気記録媒体であるディスクと、前記ディスクを回転させるモータと、前記ディスクへ情報を書込む又は前記ディスクから情報を読取るヘッドと、前記ヘッドを前記ディスク上を横切って該ディスクの半径方向に移動させる回転式アクチュエータと、前記アクチュエータの回転角を制限するストッパと、該ストッパーを保持するヨークとを備え、前記ストッパーと該ヨークとの接触状態の環境温度に応じた変化により、該ストッパの剛性が変化させるようにした。
【0012】
また、前記ストッパは弾性体であり、その一端は剛体からなる上記ヨークに固定されており、その他端は、低温時にはフリーであり、高温時には上記一端が固定されているヨークの対向側のヨークを構成する剛体に接触し固定されるようにした。
【0013】
さらに、前記ストッパのたわみ方向にデッドストップを配置し、該ストッパーの最大たわみ量を制限するようにした。
【0014】
さらにまた、上記ストッパはフリーな端部が中空形状であり、上記デッドストップは、該中空位置に低温時には前記ストッパとの間にデッドストップが接触せずに隙間を有して配置されるようにした。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態に係る磁気ディスク装置について、図面を用いて以下説明する。図1は本発明の実施形態に係るロータリアクチュエータのストッパ構造を示す図であり、図2は磁気ディスク装置の概略図である。図3〜6は本発明の他の実施形態に係るロータリアクチュエータのストッパ構造を示す図である。また、図7〜8は、それぞれ、アクチュエータとインナーおよびアウターストッパが接触時の状態を示す図である。
【0016】
図2は、磁気ディスク装置についているカバーを取り外して上からみた状態を示しており、一般に磁気ディスク装置はディスク駆動機構即ちスピンドルモータ(図示せず)がベース1に固定され、ディスク2、ロータリアクチュエータ3、ランプ4、インナーストッパ5及びアウターストッパ6を備える。
【0017】
一般にロータリアクチュエータ3の回転は、ロータリボイスコイルモータ7(VCM:破線)により行われる。これはアクチュエータ3のコイルホルダ8に取り付けられたコイル9がベース1に取り付けられたVCMの固定磁界中を通って移動することにより、ロータリアクチュエータ3はベース1に取り付けられた旋回軸10を中心に回転する。
【0018】
インナーストッパ5及びアウターストッパ6はVCM7に取り付けられ、ロータリアクチュエータ3の移動を制限する。一般にストッパーはゴムなどの弾性体が用いられる。本実施の形態では、熱可塑性ポリウレタンエラストマーを用いた。ここには熱可塑性ポリエステルエラストマーなど、他の熱可塑性エラストマーを用いることもできる。
【0019】
ロータリアクチュエータ3は、旋回軸10に対してコイル9と反対の端に堅固なアーム11を有する。懸架部12は、アーム11の端に取り付けられヘッドスライダ13を支持し、スライダ13を越えて伸びるタブ14を備える。
【0020】
ディスク上へのデータの読取り/書込み変換器であるヘッド(図示せず)は、スライダ13の端に形成されており、一般には誘導性の読取り及び書込み変換器、または磁気抵抗性読取り変換器と誘導性の書込み変換器を有する変換器が用いられる。
【0021】
ロード/アンロードランプ4はベース1に取り付けられる。図2はアンロードした状態、即ちディスク装置が動作していない状態またはデータの読出し/書込みを行わない待機状態であり、アクチュエータ3がランプ4にパーク(係留)している様子を示す。懸架部12のタブ14は、ランプ4によって支持されており、スライダ13は、ディスクの領域から離れた場所に位置する。これによりスライダ13とディスク2の粘着が起きることを防ぐ。
【0022】
更に、アクチュエータ3は、図8に示すようにアウターストッパ6に押し付けられ(接触状態)、VCM7の永久磁石の作用によりパークエリアに固定されている。
【0023】
アクチュエータ3には、アウタストッパ6と接触する場所に鉄片等の磁性体を有しており、アクチュエータ3をアウタストッパ6に吸着させる役目を持つ。ロードする時には、永久磁石の吸引力に打ち勝つ電流をコイル9に与えアクチュエータ3をパークエリアに固定した状態から解放する。
【0024】
図1は、本発明のストッパの保持・接触状態をディスク装置の側面から見た図であり、ストッパはインナーストッパ5の場合を示した(アウターストッパ6の場合も同様である)。ストッパとアップヨーク15およびダウンヨーク16との固定および接触状態の変化により本発明の機能を実現する。
【0025】
以下、本発明の実施形態に係るストッパ機構の形態について説明する。図1(a)は、低温・常温時でのストッパ構造を示す。インナーストッパ5またはアウターストッパ6(以下、ストッパ5または6と略す。)は、VCM7のアップヨーク15に一端固定されている状態である。ストッパ5(または6)の下面とダウンヨーク16との間には隙間がある。図1(b)は、高温時でのストッパ構造を示す。ストッパは線膨張係数大の影響によりその長さが膨張し、その下面とダウンヨークとが接触・圧着されて両端固定の状態となり、ストッパ剛性が増加する。因みに、従来構造のストッパでは、高温時におけるかかる両端固定は行われず、したがってその効果によるストッパ剛性の増加は全く行われない。
【0026】
すなわち、従来では環境(稼動)条件温度でのたわみ許容量からストッパ剛性を設計するため、稼動上限温度が上昇すればするほど、ストッパ剛性を増加させる必要があった。それに伴い、低温でのスットパ剛性は過大になることが不可避となり、低温での衝突加速度増加が避けられなかった。これに対し、本発明では、上記の実施形態に見る如く、高温状態では、両端固定によるストッパ剛性の増加を加味することにより、低温でのストッパ剛性過大化を回避することが可能となリ、従来構造で問題であった不具合を解消することができる。
【0027】
図3は本発明の他の実施形態に係るストッパ構造を示す。ストッパ5(または6)の下面を半球面またはテーパ面とし、高温時ダウンヨーク16との接触面積拡大により、ストッパ剛性を増加させる構造である。
【0028】
図4は、前記ストッパのたわみ方向にデッドストップ17を追加した形態である。目的は高温時の最大たわみ量を制限することにより、ヘッドと他の周囲部品との接触を防ぐことが可能となる。
【0029】
図5、6は本発明の他の実施形態に係るストッパ構造を示す。これらはストッパのたわみ方向にデッドストップ17を有し、デッドストップへの接触前と接触後でストッパ剛性を2段階に切り替える形態である。常温・低温では材料が硬く、形状による倒れ剛性と材料自体の圧縮剛性でストッパの機能を維持する。ある温度以上に高くなると、ストッパのたわみ量がデッドストップに達し、材料自体の圧縮剛性のみとなる。すなわち、高温でのたわみ量増加を制限することにより、少しでも柔らかい材料を選択し、衝突加速度を抑制することができる。
【0030】
図6の場合は、フリーとなっているストッパ端部の下方部分が中空となっており、デッドストップはその中空位置に配置され、低温時にはストッパに接触せず、隙間を有する構造となっている。
【0031】
以上説明したように、本発明の実施形態は、次のような構成を備えるものである。ストッパの線膨張係数による温度伸縮を利用し、環境(稼動)温度の変化によりストッパ固定状態を一端固定と両端固定ヘとに使い分けることでストッパ剛性を調整する手段を有する磁気ディスク装置である。
【0032】
更に他の実施形態は、ストッパたわみ方向にデッドストップを配置することでストッパ剛性を調整する手段を有する磁気ディスク装置である。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、広範囲な環境(稼動)温度条件下においてストッパ剛性を調整することにより、高温時のストッパたわみ量の抑制及び低温時のストッパ衝突加速度の低減を同時に実現した磁気ディスク装置を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るロータリアクチュエータのストッパ構造を示す図である。
【図2】ロータリアクチュエータが磁気ディスク外周側のランプに係留(パーク)されている状態を示す磁気ディスク装置の概略図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係るロータリアクチュエータのストッパ構造を示す図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係るロータリアクチュエータのストッパ構造を示す図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係るロータリアクチュエータのストッパ構造を示す図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係るロータリアクチュエータのストッパ構造を示す図である。
【図7】
ロータリアクチュエータがインナーストッパと接触している状態を示す磁気デ
ィスク装置の部分概略図である。
【図8】
ロータリアクチュエータがアウターストッパと接触している状態を示す磁気デ
ィスク装置の部分概略図である。
【符号の説明】
1…ベース、2…ディスク、3…ロータリアクチュエータ、4…ランプ、
5…インナーストッパ、6…アウターストッパ、7…VCM、
8…コイルホルダ、9…コイル、10…旋回軸、11…アーム、
12…懸架部、13…ヘッドスライダ、14…タブ、15…アップヨーク、
16…ダウンヨーク、17…デッドストップ。
Claims (5)
- 磁気記録媒体であるディスクと、前記ディスクを回転させるモータと、前記ディスクへ情報を書込む又は前記ディスクから情報を読取るヘッドと、前記ヘッドを前記ディスク上を横切って該ディスクの半径方向に移動させる回転式アクチュエータと、前記アクチュエータの回転角を制限するストッパと、該ストッパーを保持するヨークとを備え、前記ストッパーと該ヨークとの接触状態の環境温度に応じた変化により、該ストッパの剛性が変化することを特徴とする磁気ディスク装置。
- 請求項1に記載の磁気ディスク装置において、前記ストッパは弾性体であり、その一端は剛体からなる上記ヨークに固定されており、その他端は、低温時にはフリーであり、高温時には上記一端が固定されているヨークの対向側のヨークを構成する剛体に接触し固定されることを特徴とする磁気ディスク装置。
- 請求項1に記載の磁気ディスク装置において、前記ストッパは弾性体であり、その一端は剛体からなる上記ヨークに固定され、その他端は、低温時には半球面またはテーパ面形状であり、かつ、上記ストッパの一端が固定されているヨークの対向側のヨークを構成する剛体に接触した状態であり、高温時には該接触面積が拡大されることを特徴とする磁気ディスク装置。
- 請求項1に記載の磁気ディスク装置において、前記ストッパのたわみ方向にデッドストップを配置し、該ストッパーの最大たわみ量を制限することを特徴とする磁気ディスク装置。
- 請求項4に記載の磁気ディスク装置において、上記ストッパは、一端が上記ヨークに固定され、他端はフリーであり、該フリーな端部分は中空形状であり、上記デッドストップは、該中空位置に低温時には前記ストッパとの間にデッドストップが接触せずに隙間を有して配置されていることを特徴とする磁気ディスク装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003086991A JP2004296002A (ja) | 2003-03-27 | 2003-03-27 | 磁気ディスク装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003086991A JP2004296002A (ja) | 2003-03-27 | 2003-03-27 | 磁気ディスク装置 |
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ID=33401457
Family Applications (1)
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2003
- 2003-03-27 JP JP2003086991A patent/JP2004296002A/ja active Pending
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