JP2004294316A - 電気特性評価装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被試験体の外観を損なうことなく複数の電気的特性を評価することができる低コストで高精度の電気特性評価装置を提供する。
【解決手段】被試験体の正極端子にそれぞれ接触される一対の正極測定用端子2a,2cと、被試験体の負極端子にそれぞれ接触される一対の負極測定用端子2b,2dと、正極測定用端子間に挿入され、正極測定用端子と被試験体との接触抵抗を測定する正極計測器3aと、負極測定用端子間に挿入され、負極測定用端子と被試験体との接触抵抗を測定する負極計測器3bと、回路切替器4a,4bを介して正極測定用端子および負極測定用端子のそれぞれに接続され、単一の電圧計5aを有し、正極および負極測定用端子を被試験体の正極負極端子にそれぞれ接触させたときの被試験体の電気的特性を測定する性能測定回路5と、正極計測器、負極計測器、および性能測定回路により測定された各測定値に基づいて、被試験体の複数の電気的特性を求める演算処理および評価する判定器8とを具備する。
【選択図】 図1
【解決手段】被試験体の正極端子にそれぞれ接触される一対の正極測定用端子2a,2cと、被試験体の負極端子にそれぞれ接触される一対の負極測定用端子2b,2dと、正極測定用端子間に挿入され、正極測定用端子と被試験体との接触抵抗を測定する正極計測器3aと、負極測定用端子間に挿入され、負極測定用端子と被試験体との接触抵抗を測定する負極計測器3bと、回路切替器4a,4bを介して正極測定用端子および負極測定用端子のそれぞれに接続され、単一の電圧計5aを有し、正極および負極測定用端子を被試験体の正極負極端子にそれぞれ接触させたときの被試験体の電気的特性を測定する性能測定回路5と、正極計測器、負極計測器、および性能測定回路により測定された各測定値に基づいて、被試験体の複数の電気的特性を求める演算処理および評価する判定器8とを具備する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池や電子回路部品などの電気特性の試験評価に用いる電気特性評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばニッケル水素電池、アルカリマンガン電池は、各種の機器システムの作動電源として広く用いられている。これらの電池は、市販・実用に当たっては、その品質・信頼性などが重要視される。従って、製造工程における品質管理、あるいは販売での品質保証などの点から、電池の開路電圧、短絡電流、内部抵抗など各種の電気特性評価および試験が行われている。
【0003】
電池の各種特性を測定する際に、測定回路自身が持つ回路抵抗、測定用端子と被試験体との間に生じる接触抵抗が正確な測定の妨げとなる。そこで、計測器が接続された測定用端子を被試験体の正極端子および負極端子にそれぞれ押し当て、良好な接触を保持しつつ、導電性を高める必要がある。
【0004】
ところが、従来の電気特性評価装置においては、被試験体となる電池の正極端子および負極端子が酸化されて薄い絶縁性被膜で覆われやすく、しかも測定用端子の先端部も同様に酸化されて絶縁性被膜で覆われやすい。このため、正極端子および負極端子に測定用端子を押し当てたときに、電気的な接触不良を起こすおそれが多分にあり、無視できないほどの接触抵抗を生じて精度の高い測定評価を行うことができない。
【0005】
すなわち、正極端子面や負極端子面に測定用端子の先端を押圧接触させても、対接面間に接触抵抗が生じ、接触不良となって精度の高い測定評価を行うことができない。とくに、円筒型電池の正負両極端子面がニッケルメッキされている場合は、ニッケルメッキ液に含まれている光沢剤が絶縁被覆として作用するので、接触抵抗が増大して接触不良を招きやすい傾向があるため、誤った特性評価が行われるおそれがある。
【0006】
一方、各種の特性の測定には、それぞれ専用の測定器と測定回路が複数必要となる。こうした問題の解決策として、(a)前記測定用端子の先端形状を鋭角にすること、あるいは(b)正極端子および負極端子に対して測定用端子を強く押し当てるか滑らせて、酸化被膜ないし絶縁性の被膜を破ることにより、両極端子と測定用端子との導通の確実化を図ることなどの試みがなされている。このような電気特性評価装置は例えば特許文献1に記載されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−174124号公報(第2頁〜第4頁、図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の従来技術は、個々の接触状態に関係なく、測定用端子に一定の圧力と一定の滑りを与えるために、被試験体の正極端子及び負極端子の表面に傷などを付けやすく、被試験体の外観が損なわれることが懸念される。
【0009】
また、従来の評価装置では各種の電気特性の測定に応じた測定器や測定回路を準備するにはコストの負担も大きい。
【0010】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、薄い酸化被膜はそのままの状態で測定用端子と被試験体の接触抵抗を測定し、その測定値を電気的特性に反映させて、被試験体の外観を損なうことなく被試験体の複数の電気的特性(開路電圧、短絡電流、内部抵抗)を一つの電圧計から求め、これら諸特性を低コストで高精度に評価することができる電気特性評価装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電気特性評価装置は、被試験体の正極端子にそれぞれ接触される一対の正極測定用端子と、被試験体の負極端子にそれぞれ接触される一対の負極測定用端子と、前記正極測定用端子間に挿入され、前記正極測定用端子と被試験体との接触抵抗を測定する正極計測器と、前記負極測定用端子間に挿入され、前記負極測定用端子と被試験体との接触抵抗を測定する負極計測器と、回路切替器を介して前記正極測定用端子および前記負極測定用端子のそれぞれに接続され、単一の電圧計を有し、前記正極および負極測定用端子を被試験体の正極端子および負極端子にそれぞれ接触させたときの被試験体の電気的特性を測定する性能測定回路と、前記正極計測器、前記負極計測器、および前記性能測定回路により測定された各測定値に基づいて、被試験体の複数の電気的特性を求める演算処理および評価する判定器と、を具備することを特徴とする。
【0012】
さらに、性能測定回路は、電圧計に並列に接続されたシャント抵抗と、シャント抵抗と電圧計との間に設けられ、シャント抵抗を該性能測定回路に挿入する回路切替器とを有することが望ましい。シャント抵抗を測定回路に挿入することにより、短絡電流を容易に測定することができる。
【0013】
本発明によれば、被試験体の電気特性を測定・評価するにあたり、被試験体の正極端子および負極端子に測定用端子をそれぞれ接触させ、接触抵抗を測定後、単一の電圧計をもつ性能測定回路により複数の電気的特性(開路電圧、短絡電流、内部抵抗)を測定し、それらの測定結果を判定器によりそれぞれ判定する。このため、測定用端子と被試験体の両極端子との接触状態に応じた高精度の測定が可能となり、低コストで高精度の電気特性評価を行なうことが可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について説明する。
【0015】
図1に示すように、電気特性評価装置10は二対の測定用端子2a,2b,2c,2dを備えており、その先端を被試験体の接触面、例えば電池1の両極端子1a,1bに接触させて導通検査するものである。本実施形態の装置では電池1の正極端子1aには一対の正極測定用端子2a,2cが押し当て接触され、負極端子1bには他の一対の負極測定用端子2b,2dが押し当て接触されるようになっている。これら測定用端子2a,2b,2c,2dから両極端子1a,1bに印加される押圧力は、ロードセル等の圧力センサを備えたアクチュエータ(図示せず)により高精度に制御されるようになっている。
【0016】
正極計測器3aは正極測定用端子2a,2c間に挿入され、正極側の接触抵抗を計測するものである。同様に、負極計測器3bは負極測定用端子2b,2d間に挿入され、負極側の接触抵抗を計測するものである。これらの計測器3a,3bには例えばミリオームメータを用いる。
【0017】
性能測定回路5は、第1の回路切替器3aを介して一方側の正極測定用端子2aに接続可能とされ、また第2の回路切替器3bを介して一方側の負極測定用端子2bに接続可能とされている。すなわち性能測定回路5と計測器3a、3bとは第1及び第2の回路切替器4a、4bにより切替選択されるようになっている。
【0018】
性能測定回路5は、1つの電圧計5a、シャント抵抗6、および第3の回路切替器5bを有している。電圧計5aとシャント抵抗6は回路5内で並列に接続されている。シャント抵抗6は、短絡電流を測定するときだけ第3の回路切替器5bにより回路5に挿入されるものである。すなわち、性能測定回路5は、予め開路電圧を電圧計5aで測定後、第3の回路切替器5bで介挿されるシャント抵抗6に短絡電流を流し、被試験体(電池)1の短絡電流を測定・評価するようになっている。
【0019】
次に、上記構成の電気特性評価装置による電池の電気特性評価例を説明する。最初に開路電圧を測定するには予め、用意した被試験電池1を図1に示すように、測定用端子2a、2b、2c、2dの各先端部を正極端子1a、負極端子1bに接触するようセットする。
【0020】
最初に回路切替器4a、4bで接触抵抗を測定する計測器3a、3b側へ切替える。図2は開路電圧測定時の等価回路を示す図である。計測器3aの測定値をR3a、測定用端子2aの接触抵抗をR2a、測定用端子2cの接触抵抗をR2c、回路切替器4aの回路抵抗をR4aとすると、計測器3aの測定値R3aは下式(1)で与えられる。
【0021】
R3a=R2a+R2c+R4a …(1)
ここで、回路抵抗R4aは既知の固定された値であり、また測定用端子2aおよび測定用端子2cと正極端子1aの接触は同一条件でR2a=R2cとすると、計測器3aの測定値R3aは下式(2)で与えられるので、よって正極測定用端子2aの接触抵抗R2aは下式(3)から求まる。
【0022】
R3a=R2a+R2a+R4a=R2a×2+R4a …(2)
R2a=(R3a−R4a)/2 …(3)
同様に計測器3bの測定値R3b、測定用端子2bの接触抵抗R2b、測定用端子2dの接触抵抗R2d、回路切替器4bの回路抵抗R4bとすると、計測器3bの測定値R3bは下式(4)で与えられ、よって負極測定用端子2bの接触抵抗R2bは下式(5)から求まる。
【0023】
R3b=R2b+R2c+R4b=R2b×2+R4b …(4)
R2b=(R3b−R4b)/2 …(5)
次に、回路切替器4a、4bで被試験電池1の特性を測定・評価する性能測定回路5側へ切替える。ここで、開路電圧は計測器5aの測定値Vopenに該当する。さらに、短絡電流を測定するには、回路切替器5bを性能測定回路5側へ切替えシャント抵抗6を測定回路に挿入する。このときの等価回路を図3に示す。
【0024】
被試験電池1の内部抵抗値R0、計測器5aの電圧測定値Vshort、シャント抵抗6の抵抗値R6、性能測定回路5の線抵抗値R5、回路切替器5bの回路抵抗値R5b、性能測定回路5の電流Iとすると、開路電圧Vopenは下式(6)から求まる。
【0025】
Vopen=(R0+R2a+R4b+R5+R5b+R6+R4b+R2b)×I
=(R0+R2a+R4b+R5+R5b+R4b+R2b)×1+Vshort=(R0+R2a+R4b+R5+R5b+R4b+R2b)×Vshort/R6+Vshort …(6)
本来、接触抵抗値R2b、接触抵抗値R2d、回路抵抗値R4b、線抵抗値R5、回路抵抗値R5bすべてをゼロとした理想の性能測定回路で求める短絡電流iは、下式(7)で与えられる。
【0026】
i=Vopen/(R0+R6) …(7)
しかし、実際の性能測定回路5で求められる電流Iは、下式(8)で与えられ、多くの誤差を含む低い精度の測定値となる。
【0027】
I=Vshort/R6 …(8)
そこで、上式(6)を変形した下式(9)から内部抵抗値R0が求まる。すなわち、計測器3aおよび計測器3bから求めた接触抵抗R2b、R2d、既知の固定された値である回路抵抗値R4b、線抵抗値R5、回路抵抗値R5b、抵抗値R6を代入すると、内部抵抗値R0が求まる。
【0028】
R0=Vopen/1−(R2a+R4b+R5+R5b+R6+R4b+R2b) …(9)
次に、これらを上式(7)へ代入して得られた下式(10)を用いて短絡電流iが求まる。
【0029】
i=((R0+R2a+R4b+R5+R5b+R4b+R2b)×Vshort/R6+Vshort)/(R0+R6) …(10)
さらに、これらの演算処理および評価は判定器8が行う。
【0030】
以上の結果から本発明の装置は低コストであるにも拘わらず複数の電気特性を高精度に測定評価することができることを確認できた。
【0031】
なお、本発明は上記実施形態のみに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲でいろいろの変形を採ることができる。たとえば、測定用端子の形状・材質は勿論のこと、計測器も評価する特性(評価目的)に応じて変更もしくは組み合わせすることができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明の装置によれば、被試験体の被接触面、たとえば電池の正極端子および負極端子と測定用端子との接触面に、電気的に接触抵抗を生じた場合や、さらに接触状況により接触抵抗が変化した場合でも、接触抵抗を測定し補正することと、複数の電気的特性(開路電圧、短絡電流、内部抵抗)を一つの電圧計から求めることにより、被試験体の特性評価を安価に精度良く行なうことができ、信頼性の高い電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る電気特性評価装置を示すブロック回路図。
【図2】開路電圧測定時における本発明装置の等価回路。
【図3】短絡電流および内部抵抗測定時における本発明装置の等価回路。
【符号の説明】
1…被試験体(電池)
1a…正極端子
1b…負極端子
2a,2c…正極測定用端子
2b,2d…負極測定用端子
3a…正極計測器
3b…負極計測器
4a,4b…回路切替器
5…性能測定回路
5a…電圧計
5b…回路切替器
6…シャント抵抗(分路抵抗)
8…判定器
10…電気特性評価装置
R2a,R2b,R2c,R2d…接触抵抗値
R3a,R3b…抵抗測定値
R4a,R4b…回路抵抗値
R5…線抵抗値
R5b…回路抵抗値
R6…シャント抵抗値
R0…内部抵抗値
Vshort…電圧測定値
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池や電子回路部品などの電気特性の試験評価に用いる電気特性評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばニッケル水素電池、アルカリマンガン電池は、各種の機器システムの作動電源として広く用いられている。これらの電池は、市販・実用に当たっては、その品質・信頼性などが重要視される。従って、製造工程における品質管理、あるいは販売での品質保証などの点から、電池の開路電圧、短絡電流、内部抵抗など各種の電気特性評価および試験が行われている。
【0003】
電池の各種特性を測定する際に、測定回路自身が持つ回路抵抗、測定用端子と被試験体との間に生じる接触抵抗が正確な測定の妨げとなる。そこで、計測器が接続された測定用端子を被試験体の正極端子および負極端子にそれぞれ押し当て、良好な接触を保持しつつ、導電性を高める必要がある。
【0004】
ところが、従来の電気特性評価装置においては、被試験体となる電池の正極端子および負極端子が酸化されて薄い絶縁性被膜で覆われやすく、しかも測定用端子の先端部も同様に酸化されて絶縁性被膜で覆われやすい。このため、正極端子および負極端子に測定用端子を押し当てたときに、電気的な接触不良を起こすおそれが多分にあり、無視できないほどの接触抵抗を生じて精度の高い測定評価を行うことができない。
【0005】
すなわち、正極端子面や負極端子面に測定用端子の先端を押圧接触させても、対接面間に接触抵抗が生じ、接触不良となって精度の高い測定評価を行うことができない。とくに、円筒型電池の正負両極端子面がニッケルメッキされている場合は、ニッケルメッキ液に含まれている光沢剤が絶縁被覆として作用するので、接触抵抗が増大して接触不良を招きやすい傾向があるため、誤った特性評価が行われるおそれがある。
【0006】
一方、各種の特性の測定には、それぞれ専用の測定器と測定回路が複数必要となる。こうした問題の解決策として、(a)前記測定用端子の先端形状を鋭角にすること、あるいは(b)正極端子および負極端子に対して測定用端子を強く押し当てるか滑らせて、酸化被膜ないし絶縁性の被膜を破ることにより、両極端子と測定用端子との導通の確実化を図ることなどの試みがなされている。このような電気特性評価装置は例えば特許文献1に記載されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−174124号公報(第2頁〜第4頁、図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の従来技術は、個々の接触状態に関係なく、測定用端子に一定の圧力と一定の滑りを与えるために、被試験体の正極端子及び負極端子の表面に傷などを付けやすく、被試験体の外観が損なわれることが懸念される。
【0009】
また、従来の評価装置では各種の電気特性の測定に応じた測定器や測定回路を準備するにはコストの負担も大きい。
【0010】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、薄い酸化被膜はそのままの状態で測定用端子と被試験体の接触抵抗を測定し、その測定値を電気的特性に反映させて、被試験体の外観を損なうことなく被試験体の複数の電気的特性(開路電圧、短絡電流、内部抵抗)を一つの電圧計から求め、これら諸特性を低コストで高精度に評価することができる電気特性評価装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電気特性評価装置は、被試験体の正極端子にそれぞれ接触される一対の正極測定用端子と、被試験体の負極端子にそれぞれ接触される一対の負極測定用端子と、前記正極測定用端子間に挿入され、前記正極測定用端子と被試験体との接触抵抗を測定する正極計測器と、前記負極測定用端子間に挿入され、前記負極測定用端子と被試験体との接触抵抗を測定する負極計測器と、回路切替器を介して前記正極測定用端子および前記負極測定用端子のそれぞれに接続され、単一の電圧計を有し、前記正極および負極測定用端子を被試験体の正極端子および負極端子にそれぞれ接触させたときの被試験体の電気的特性を測定する性能測定回路と、前記正極計測器、前記負極計測器、および前記性能測定回路により測定された各測定値に基づいて、被試験体の複数の電気的特性を求める演算処理および評価する判定器と、を具備することを特徴とする。
【0012】
さらに、性能測定回路は、電圧計に並列に接続されたシャント抵抗と、シャント抵抗と電圧計との間に設けられ、シャント抵抗を該性能測定回路に挿入する回路切替器とを有することが望ましい。シャント抵抗を測定回路に挿入することにより、短絡電流を容易に測定することができる。
【0013】
本発明によれば、被試験体の電気特性を測定・評価するにあたり、被試験体の正極端子および負極端子に測定用端子をそれぞれ接触させ、接触抵抗を測定後、単一の電圧計をもつ性能測定回路により複数の電気的特性(開路電圧、短絡電流、内部抵抗)を測定し、それらの測定結果を判定器によりそれぞれ判定する。このため、測定用端子と被試験体の両極端子との接触状態に応じた高精度の測定が可能となり、低コストで高精度の電気特性評価を行なうことが可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について説明する。
【0015】
図1に示すように、電気特性評価装置10は二対の測定用端子2a,2b,2c,2dを備えており、その先端を被試験体の接触面、例えば電池1の両極端子1a,1bに接触させて導通検査するものである。本実施形態の装置では電池1の正極端子1aには一対の正極測定用端子2a,2cが押し当て接触され、負極端子1bには他の一対の負極測定用端子2b,2dが押し当て接触されるようになっている。これら測定用端子2a,2b,2c,2dから両極端子1a,1bに印加される押圧力は、ロードセル等の圧力センサを備えたアクチュエータ(図示せず)により高精度に制御されるようになっている。
【0016】
正極計測器3aは正極測定用端子2a,2c間に挿入され、正極側の接触抵抗を計測するものである。同様に、負極計測器3bは負極測定用端子2b,2d間に挿入され、負極側の接触抵抗を計測するものである。これらの計測器3a,3bには例えばミリオームメータを用いる。
【0017】
性能測定回路5は、第1の回路切替器3aを介して一方側の正極測定用端子2aに接続可能とされ、また第2の回路切替器3bを介して一方側の負極測定用端子2bに接続可能とされている。すなわち性能測定回路5と計測器3a、3bとは第1及び第2の回路切替器4a、4bにより切替選択されるようになっている。
【0018】
性能測定回路5は、1つの電圧計5a、シャント抵抗6、および第3の回路切替器5bを有している。電圧計5aとシャント抵抗6は回路5内で並列に接続されている。シャント抵抗6は、短絡電流を測定するときだけ第3の回路切替器5bにより回路5に挿入されるものである。すなわち、性能測定回路5は、予め開路電圧を電圧計5aで測定後、第3の回路切替器5bで介挿されるシャント抵抗6に短絡電流を流し、被試験体(電池)1の短絡電流を測定・評価するようになっている。
【0019】
次に、上記構成の電気特性評価装置による電池の電気特性評価例を説明する。最初に開路電圧を測定するには予め、用意した被試験電池1を図1に示すように、測定用端子2a、2b、2c、2dの各先端部を正極端子1a、負極端子1bに接触するようセットする。
【0020】
最初に回路切替器4a、4bで接触抵抗を測定する計測器3a、3b側へ切替える。図2は開路電圧測定時の等価回路を示す図である。計測器3aの測定値をR3a、測定用端子2aの接触抵抗をR2a、測定用端子2cの接触抵抗をR2c、回路切替器4aの回路抵抗をR4aとすると、計測器3aの測定値R3aは下式(1)で与えられる。
【0021】
R3a=R2a+R2c+R4a …(1)
ここで、回路抵抗R4aは既知の固定された値であり、また測定用端子2aおよび測定用端子2cと正極端子1aの接触は同一条件でR2a=R2cとすると、計測器3aの測定値R3aは下式(2)で与えられるので、よって正極測定用端子2aの接触抵抗R2aは下式(3)から求まる。
【0022】
R3a=R2a+R2a+R4a=R2a×2+R4a …(2)
R2a=(R3a−R4a)/2 …(3)
同様に計測器3bの測定値R3b、測定用端子2bの接触抵抗R2b、測定用端子2dの接触抵抗R2d、回路切替器4bの回路抵抗R4bとすると、計測器3bの測定値R3bは下式(4)で与えられ、よって負極測定用端子2bの接触抵抗R2bは下式(5)から求まる。
【0023】
R3b=R2b+R2c+R4b=R2b×2+R4b …(4)
R2b=(R3b−R4b)/2 …(5)
次に、回路切替器4a、4bで被試験電池1の特性を測定・評価する性能測定回路5側へ切替える。ここで、開路電圧は計測器5aの測定値Vopenに該当する。さらに、短絡電流を測定するには、回路切替器5bを性能測定回路5側へ切替えシャント抵抗6を測定回路に挿入する。このときの等価回路を図3に示す。
【0024】
被試験電池1の内部抵抗値R0、計測器5aの電圧測定値Vshort、シャント抵抗6の抵抗値R6、性能測定回路5の線抵抗値R5、回路切替器5bの回路抵抗値R5b、性能測定回路5の電流Iとすると、開路電圧Vopenは下式(6)から求まる。
【0025】
Vopen=(R0+R2a+R4b+R5+R5b+R6+R4b+R2b)×I
=(R0+R2a+R4b+R5+R5b+R4b+R2b)×1+Vshort=(R0+R2a+R4b+R5+R5b+R4b+R2b)×Vshort/R6+Vshort …(6)
本来、接触抵抗値R2b、接触抵抗値R2d、回路抵抗値R4b、線抵抗値R5、回路抵抗値R5bすべてをゼロとした理想の性能測定回路で求める短絡電流iは、下式(7)で与えられる。
【0026】
i=Vopen/(R0+R6) …(7)
しかし、実際の性能測定回路5で求められる電流Iは、下式(8)で与えられ、多くの誤差を含む低い精度の測定値となる。
【0027】
I=Vshort/R6 …(8)
そこで、上式(6)を変形した下式(9)から内部抵抗値R0が求まる。すなわち、計測器3aおよび計測器3bから求めた接触抵抗R2b、R2d、既知の固定された値である回路抵抗値R4b、線抵抗値R5、回路抵抗値R5b、抵抗値R6を代入すると、内部抵抗値R0が求まる。
【0028】
R0=Vopen/1−(R2a+R4b+R5+R5b+R6+R4b+R2b) …(9)
次に、これらを上式(7)へ代入して得られた下式(10)を用いて短絡電流iが求まる。
【0029】
i=((R0+R2a+R4b+R5+R5b+R4b+R2b)×Vshort/R6+Vshort)/(R0+R6) …(10)
さらに、これらの演算処理および評価は判定器8が行う。
【0030】
以上の結果から本発明の装置は低コストであるにも拘わらず複数の電気特性を高精度に測定評価することができることを確認できた。
【0031】
なお、本発明は上記実施形態のみに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲でいろいろの変形を採ることができる。たとえば、測定用端子の形状・材質は勿論のこと、計測器も評価する特性(評価目的)に応じて変更もしくは組み合わせすることができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明の装置によれば、被試験体の被接触面、たとえば電池の正極端子および負極端子と測定用端子との接触面に、電気的に接触抵抗を生じた場合や、さらに接触状況により接触抵抗が変化した場合でも、接触抵抗を測定し補正することと、複数の電気的特性(開路電圧、短絡電流、内部抵抗)を一つの電圧計から求めることにより、被試験体の特性評価を安価に精度良く行なうことができ、信頼性の高い電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る電気特性評価装置を示すブロック回路図。
【図2】開路電圧測定時における本発明装置の等価回路。
【図3】短絡電流および内部抵抗測定時における本発明装置の等価回路。
【符号の説明】
1…被試験体(電池)
1a…正極端子
1b…負極端子
2a,2c…正極測定用端子
2b,2d…負極測定用端子
3a…正極計測器
3b…負極計測器
4a,4b…回路切替器
5…性能測定回路
5a…電圧計
5b…回路切替器
6…シャント抵抗(分路抵抗)
8…判定器
10…電気特性評価装置
R2a,R2b,R2c,R2d…接触抵抗値
R3a,R3b…抵抗測定値
R4a,R4b…回路抵抗値
R5…線抵抗値
R5b…回路抵抗値
R6…シャント抵抗値
R0…内部抵抗値
Vshort…電圧測定値
Claims (2)
- 被試験体の正極端子にそれぞれ接触される一対の正極測定用端子と、
被試験体の負極端子にそれぞれ接触される一対の負極測定用端子と、
前記正極測定用端子間に挿入され、前記正極測定用端子と被試験体との接触抵抗を測定する正極計測器と、
前記負極測定用端子間に挿入され、前記負極測定用端子と被試験体との接触抵抗を測定する負極計測器と、
回路切替器を介して前記正極測定用端子および前記負極測定用端子のそれぞれに接続され、単一の電圧計を有し、前記正極および負極測定用端子を被試験体の正極端子および負極端子にそれぞれ接触させたときの被試験体の電気的特性を測定する性能測定回路と、
前記正極計測器、前記負極計測器、および前記性能測定回路により測定された各測定値に基づいて、被試験体の複数の電気的特性を求める演算処理および評価する判定器と、
を具備することを特徴とする電気特性評価装置。 - 前記性能測定回路は、前記電圧計に並列に接続されたシャント抵抗と、前記シャント抵抗と前記電圧計との間に設けられ、シャント抵抗を該性能測定回路に挿入する回路切替器と、をさらに有することを特徴とする請求項1記載の電気特性評価装置。
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- 2003-03-27 JP JP2003088398A patent/JP2004294316A/ja active Pending
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