JP2004293489A - エンジンの排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エンジン1の排気通路2に介装され、還元剤を使用して排気中の窒素酸化物を還元除去する窒素酸化物還元触媒3と、還元剤を貯蔵する還元剤貯蔵タンク4と、還元剤貯蔵タンク4に貯蔵された還元剤を窒素酸化物還元触媒3の上流側に添加する還元剤添加装置5と、還元剤添加コントローラ10と、を含んでエンジンの排気浄化装置を構成する。還元剤添加コントローラ10は、エンジン1の運転状況に応じた還元剤の目標添加量を演算し、排気中に実際に添加された還元剤の実添加量から還元剤の目標添加量を減算した差を順次積算して、窒素酸化物還元触媒3に吸着されている還元剤の推定吸着量を演算する。そして、この還元剤の推定吸着量に基づいて、還元剤添加装置3による還元剤の添加量を制御する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気中に還元剤を添加して、窒素酸化物還元触媒にて窒素酸化物を還元除去するエンジンの排気浄化装置において、特に、還元剤の添加量を最適に制御する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンやリーンバーンガソリンエンジン等の機関から排出される排気中に含まれる窒素酸化物(NOx)を還元除去する排気浄化装置として、特開2002−250220号公報(特許文献1)に開示されるような排気浄化装置が提案されている。かかる排気浄化装置は、酸素過剰雰囲気で窒素酸化物を無害な窒素(N2)、酸素(O2)に還元除去すべく、エンジンの排気通路に窒素酸化物還元触媒が介装されている。また、窒素酸化物還元触媒における窒素酸化物の浄化効率を高めるべく、尿素((NH2)2CO)等の還元剤を搭載し、窒素酸化物還元触媒の上流側の排気通路に還元剤を添加する構成が採用されている。そして、排気中の窒素酸化物が充分に還元除去されるように、窒素酸化物の排出量に見合った量の還元剤を添加するようにしている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−250220号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、添加された還元剤は、その全てが窒素酸化物と反応するのではなく、反応しきれなかった還元剤の一部は窒素酸化物還元触媒に吸着されてしまう。そして、窒素酸化物還元触媒に吸着された還元剤の量が所定量を超えると、過渡運転状況下において、応答遅れによる還元剤の過剰な添加や、触媒温度の変化による還元剤の吸着能力の変化により、窒素酸化物還元触媒に吸着しきれなくなった還元剤の一部が窒素酸化物還元触媒の下流に排出されてしまう。
【0005】
なお、この還元剤は、アンモニア(NH3)や、炭化水素(HC)であるので、大気中に排出されることは好ましくない。
そこで、本発明は以上のような従来の問題点に鑑み、窒素酸化物還元触媒に吸着されている還元剤の吸着量を演算により推定し、これに応じて還元剤の添加量を制御することによって、窒素酸化物還元触媒に吸着しきれなくなった還元剤が窒素酸化物還元触媒の下流に排出されないようにするエンジンの排気浄化装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1記載の発明は、エンジンの排気通路に介装され、還元剤を使用して排気中の窒素酸化物を還元除去する窒素酸化物還元触媒と、前記還元剤を貯蔵する還元剤貯蔵手段と、前記還元剤貯蔵手段に貯蔵された還元剤を前記窒素酸化物還元触媒の上流側に添加する還元剤添加手段と、前記エンジンの運転状況に応じた還元剤の目標添加量を演算する目標添加量演算手段と、前記窒素酸化物還元触媒の上流側に実際に添加された還元剤の実添加量から前記目標添加量演算手段により演算された還元剤の目標添加量を減算した差を順次積算して、前記窒素酸化物還元触媒に吸着されている還元剤の推定吸着量を演算する推定吸着量演算手段と、前記推定吸着量演算手段により演算された還元剤の推定吸着量に基づいて、前記還元剤添加手段による還元剤の添加量を制御する制御手段と、を含んでエンジンの排気浄化装置が構成されることを特徴とする。
【0007】
かかる構成によれば、還元剤の実添加量からエンジンの運転状況に応じた還元剤の目標添加量を減算した差を順次積算して、窒素酸化物還元触媒に吸着されている還元剤の推定吸着量が求められる。そして、この推定吸着量に基づいて、還元剤の添加量が制御されるので、還元剤の吸着量に見合った適正な量の還元剤が窒素酸化物還元触媒の上流側に添加される。
【0008】
請求項2記載の発明は、吸気流量とエンジン回転速度と燃料供給量とに基づいて、窒素酸化物の排出量を演算する排出量演算手段と、前記窒素酸化物還元触媒の温度に基づいて、窒素酸化物還元触媒における窒素酸化物の浄化率を演算する浄化率演算手段と、を備え、前記目標添加量演算手段は、前記窒素酸化物の排出量及び浄化率に基づいて、前記還元剤の目標添加量を演算することを特徴とする。
【0009】
かかる構成によれば、吸気流量とエンジン回転速度と燃料供給量とに基づいて演算された窒素酸化物の排出量と、窒素酸化物還元触媒の温度に基づいて演算された窒素酸化物の浄化率と、により、還元剤の目標添加量が演算されるので、エンジンの運転状況に応じた還元剤の目標添加量が求められる。
【0010】
請求項3記載の発明は、前記制御手段は、前記還元剤の推定吸着量が第1の所定値未満かつ第2の所定値以上となるように、前記還元剤の添加量を制御することを特徴とする。
【0011】
かかる構成によれば、還元剤の推定吸着量が第1の所定値未満かつ第2の所定値以上となるように還元剤の添加量が制御されるので、窒素酸化物還元触媒における窒素酸化物の吸着量が所定の範囲に保持される。
【0012】
請求項4記載の発明は、前記エンジンは車両の走行用エンジンであり、前記制御手段は、前記車両の走行距離を積算した積算走行距離が第3の所定値に達する毎に、前記還元剤の推定吸着量を前記第1の所定値以上に設定することを特徴とする。
【0013】
かかる構成によれば、車両の走行距離を積算した積算走行距離が第3の所定値に達する毎に、還元剤の推定吸着量が第1の所定値以上に設定されるので、還元剤の添加が停止或いは減量され、窒素酸化物還元触媒に吸着された還元剤が強制的に消費される。
【0014】
請求項5記載の発明は、前記制御手段は、前記エンジンの運転時間を積算した積算運転時間が第4の所定値に達する毎に、前記還元剤の推定吸着量を前記第1の所定値以上に設定することを特徴とする。
【0015】
かかる構成によれば、積算運転時間が第4の所定値に達する毎に、前記還元剤の推定吸着量が第1の所定値以上に設定されるので、還元剤の添加が停止或いは減量され、窒素酸化物還元触媒に吸着された還元剤が強制的に消費される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付された図面を参照して本発明を詳述する。
図1は、本発明に係るエンジンの排気浄化装置の構成を示すブロック図である。
【0017】
ディーゼルエンジンやリーンバーンエンジン等のように、酸素が過剰な条件で運転されるエンジン1の排気通路2には、窒素酸化物を還元除去する窒素酸化物還元触媒3が介装されている。
【0018】
窒素酸化物還元触媒3は、セラミックのコーディライトやFe−Cr−Al系の耐熱鋼からなるハニカム形状の横断面を有するモノリスタイプの触媒担体に、例えば、ゼオライト系の活性成分が担持された構成をなす。そして、触媒担体に担持された活性成分は、アンモニア、炭化水素等の還元剤の供給を受けて活性化し、窒素酸化物を効果的に無害物質に転化させる。
【0019】
更に、還元剤を貯蔵する還元剤タンク4(還元剤貯蔵手段)が設けられている。そして、還元剤タンク4内に貯蔵された還元剤は、還元剤添加装置5(還元剤添加手段)にて、ポンプ6により圧縮された空気と混合し、窒素酸化物還元触媒3の上流側の排気通路2内に添加される。
【0020】
ところで、エンジン1には、マイクロコンピュータを内蔵し、運転制御を行うエンジンコントローラ7が設けられている。このエンジンコントローラ7からは、吸気流量及びエンジン回転速度、燃料供給量及び走行距離の信号が出力可能になっている。更に、窒素酸化物還元触媒3の触媒温度を直接的又は間接的に検出する触媒温度センサ8が設けられている。また、還元剤添加装置5には、実際に排気通路2に添加された還元剤の実添加量を検出する添加流量センサ9が設けられている。なお、この還元剤の実添加量は還元剤添加装置5及びポンプ6の制御値より演算から求めてもよい。
【0021】
排気浄化装置には、マイクロコンピュータを内蔵し、ソフトウエア的に目標添加量演算手段、推定吸着量演算手段、排出量演算手段及び浄化率演算手段を実現する還元剤添加コントローラ10が設けられている。
【0022】
還元剤添加コントローラ10は、エンジンコントローラ7から入力した吸気流量、エンジン回転速度、燃料供給量及び走行距離と、触媒温度センサ8により検出された触媒温度と、添加流量センサ9により検出された実添加量と、に基づいて、ポンプ6及び還元剤添加装置5を制御する。
【0023】
ここで、図2を用いて、還元剤添加コントローラ10における制御方法を詳述する。まず、還元剤添加コントローラ10は、キースイッチ等の電源スイッチONにて電源が供給され、制御を開始する。始めにステップ1(図ではS1と表記する、以下同様)では、エンジンコントローラ7から出力された吸気流量と、エンジン回転速度と、燃料供給量と、に基づいて窒素酸化物の排出量を演算する。この演算は、あらかじめ還元剤添加コントローラ10に、吸気流量、エンジン回転速度及び燃料供給量に対応した窒素酸化物の排出量を表したマップを記憶させておき、このマップから、吸気流量、エンジン回転速度及び燃料供給量に対応した窒素酸化物の排出量を読み出すことによって行われる。なお、ステップ1の処理は排出量演算手段に該当する。
【0024】
ステップ2では、触媒温度センサ8により検出された触媒温度から、窒素酸化物還元触媒3における窒素酸化物の浄化率を演算する。この演算は、あらかじめ還元剤添加コントローラ10に、窒素酸化物還元触媒3の触媒温度に対応した窒素酸化物の浄化率を表したマップを記憶させておき、このマップから触媒温度に対応した窒素酸化物の浄化率を読み出すことによって行われる。なお、ステップ2の処理は浄化率演算手段に該当する。
【0025】
ステップ3では、窒素酸化物の排出量と窒素酸化物の浄化率とを乗算することにより、窒素酸化物還元触媒3にて還元除去可能な窒素酸化物の量を求める。
ステップ4では、還元除去可能な窒素酸化物の量より、還元剤の目標添加量を演算する。この演算は、あらかじめ還元剤添加コントローラ10に、還元除去可能な窒素酸化物の量に対応した還元剤の目標添加量を表したマップを記憶させておき、このマップから還元可能な窒素酸化物の量に対応した還元剤の目標添加量を読み出すことによって行ってもよいし、還元除去可能な窒素酸化物の量から直接算出してもよい。なお、ステップ1〜4の一連の処理は目標添加量演算手段に該当する。
【0026】
ステップ5では、還元剤の目標添加量を窒素酸化物還元触媒3の上流側の排気通路2に添加するように、還元剤添加装置5及びポンプ6を作動制御する。
ステップ6では、添加流量センサ9により検出された還元剤の実添加量から還元剤の目標添加量を減算した差を求め、この差を順次積算して、還元剤の推定吸着量を求める。但し、窒素酸化物還元触媒3に吸着されている還元剤の吸着量はマイナス或いは窒素酸化物還元触媒3に吸着可能な還元剤の限界吸着量を超えることはないので、この還元剤の推定吸着量がマイナスとなってしまった場合は0にし、限界吸着量を超えた場合には限界吸着量に設定する。なお、ステップ5の処理は推定吸着量演算手段に該当する。
【0027】
ステップ7では、エンジンコントローラ7から出力された走行距離を順次積算し、積算走行距離を求める。
ステップ8では、積算走行距離が距離設定値(第3の所定値)以上か否かを判定する。積算走行距離が、距離設定値以上である場合は、ステップ9へ進む(YES)。積算走行距離が距離設定値未満である場合は、ステップ11へ進む(NO)。なお、この距離設定値は、任意に設定可能とする。
【0028】
ステップ9では、還元剤の推定吸着量を、窒素酸化物還元触媒3に吸着可能な還元剤の限界吸着量にする。
ステップ10では、積算走行距離を0にする。そして、ステップ12へ進む。
【0029】
ステップ11では、触媒温度センサ8により検出された触媒温度から、上限閾値を演算する。この演算は、あらかじめ還元剤添加コントローラ10に図3の実線で示すような触媒温度に対応した上限閾値を表したマップを記憶させておき、このマップから触媒温度に対応した上限閾値を読み出すことによって行われる。上限閾値は、触媒温度に対応した窒素酸化物還元触媒3での還元剤の限界吸着量の略70%に相当する値である。そして、還元剤の推定吸着量が上限閾値以上か否かを判定する。還元剤の推定吸着量が上限閾値以上である場合は、ステップ12へ進む(YES)。還元剤の推定吸着量が上限閾値未満である場合は、ステップ1へ戻る(NO)。
【0030】
ステップ12では、還元剤の添加量が0になるように還元剤添加装置5及びポンプ6を作動制御する。または、還元剤の添加量が目標添加量より少なくなるように還元剤添加装置5及びポンプ6を作動制御する。
【0031】
ステップ13では、添加流量センサ9により検出された還元剤の実添加量を入力し、ステップ1〜4の一連の制御と同様にして求めた還元剤の目標添加量から還元剤の実添加量を減算して差を求める。そして、この差を窒素酸化物還元触媒3に吸着した還元剤のうち消費された分の還元剤量として、還元剤の推定吸着量から減算する。
【0032】
ステップ14では、触媒温度センサ8により検出された触媒温度から、下限閾値(第2の所定値)を演算する。この演算は、あらかじめ還元剤添加コントローラ10に図3の破線で示すような触媒温度に対応した下限閾値を表したマップを記憶させておき、このマップから触媒温度に対応した下限閾値を読み出すことによって行われる。下限閾値は、触媒温度に対応した窒素酸化物還元触媒3での還元剤の限界吸着量の略30%に相当する値である。そして、ステップ13にて減算された還元剤の推定吸着量が下限閾値未満であるか否かを判定する。還元剤の推定吸着量が下限閾値未満である場合は、ステップ1へ戻る(YES)。還元剤の推定吸着量が下限閾値以上の場合は、ステップ12へ戻る(NO)。なお、ステップ7〜14の一連の制御は制御手段に該当する。
【0033】
以上のようにして、窒素酸化物の排出量と窒素酸化物還元触媒3における窒素酸化物の浄化率とにより、窒素酸化物を還元除去するために必要な還元剤の目標添加量を演算し、この還元剤の目標添加量を窒素酸化物還元触媒3の上流側の排気通路2に添加して、窒素酸化物還元触媒3にて排気中の窒素酸化物を還元除去する。
【0034】
そして、還元剤の実添加量から還元剤の目標添加量を減算した差を順次積算して、窒素酸化物還元触媒3に吸着された還元剤の推定吸着量を演算する。還元剤の推定吸着量が上限閾値以上である場合は、還元剤の添加を停止或いは減量させるとともに、還元剤の推定吸着量が下限閾値未満である場合は、還元剤の添加の停止或いは減量を中止し、窒素酸化物の排出量に基づく還元剤の添加を再開させるので、窒素酸化物還元触媒3に吸着された還元剤の吸着量は上限閾値及び下限閾値の間に保持される。
【0035】
これにより、排気中の窒素酸化物と反応しきれなかった還元剤があったとしても、窒素酸化物還元触媒3に吸着して、下流に還元剤が排出されることが防止される。更に、窒素酸化物還元触媒3において還元剤が不足してしまった場合でも、窒素酸化物還元触媒3に吸着されている還元剤が用いられて窒素酸化物の還元除去が効率よく行なわれる。
【0036】
また、還元剤添加コントローラ10は、所定の積算走行距離毎に、還元剤の推定吸着量を還元剤の限界吸着量に設定するので、還元剤の添加が停止或いは減量され、窒素酸化物還元触媒3に吸着された還元剤が強制的に消費される。そして、還元剤の推定吸着量が下限閾値に達して還元剤の添加の停止或いは減量が中止されたときには、窒素酸化物還元触媒3に吸着されている還元剤の吸着量は下限閾値以下になる。これにより、窒素酸化物還元触媒3に吸着されている還元剤の吸着量と還元剤の推定吸着量とが相違しても、所定の積算走行距離毎に、窒素酸化物還元触媒3に吸着されている還元剤の吸着量と還元剤の推定吸着量との差は下限閾値以下になる。
【0037】
なお、本実施例では、還元剤添加コントローラ10における制御方法のステップ8において、積算走行距離が距離設定値以上か否かを判定したが、積算走行距離ではなく、エンジンの運転時間を順次積算した積算運転時間で判定してもよい。この場合、エンジンの積算運転時間が時間設定値(第4の所定値)以上である場合は、ステップ9に進み、エンジンの積算運転時間が時間設定値未満である場合はステップ11へ進むように制御する。
【0038】
また、本実施例では、還元剤添加コントローラ10における制御方法のステップ14において、下限閾値を触媒温度に対応した窒素酸化物還元触媒3での還元剤の限界吸着量の略30%に相当する値に設定したが、下限閾値を0に設定してもよい。この場合、還元剤の吸着量が0である場合はステップ1に戻り、還元剤の吸着量が0でない場合はステップ12に戻るように制御する。これにより、所定の積算走行距離毎に窒素酸化物還元触媒3に吸着されている還元剤の吸着量と還元剤の推定吸着量との差が0になる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、窒素酸化物還元触媒に吸着されている還元剤の推定吸着量に基づいて、還元剤の添加量が制御されるので、最適な量の還元剤が窒素酸化物還元触媒の上流側に添加される。これにより、窒素酸化物還元触媒において窒素酸化物を還元除去する際に還元剤が余剰となることがなく、還元剤が窒素酸化物還元触媒の下流に排出されることがない。また、窒素酸化物還元触媒において窒素酸化物が還元除去される際に還元剤が不足することもなく、窒素酸化物の還元除去を効率よく行える。
【0040】
請求項2記載の発明によれば、吸気流量とエンジン回転速度と燃料供給量とに基づいて演算された窒素酸化物の排出量と、窒素酸化物還元触媒の温度に基づいて演算された窒素酸化物の浄化率と、により、還元剤の目標添加量が演算されるので、エンジンの運転状況に応じた還元剤の目標添加量が求められる。
【0041】
請求項3記載の発明によれば、還元剤の推定吸着量が第1の所定値未満かつ第2の所定値以上となるように還元剤の添加量が制御されるので、窒素酸化物還元触媒における窒素酸化物の吸着量が所定の範囲に保持される。これにより、排気中の窒素酸化物と反応しきれなかった還元剤があったとしても窒素酸化物還元触媒に吸着するとともに、窒素酸化物還元触媒に吸着されている還元剤により還元剤の一時的な不足があった場合にも還元剤を補うことができる。
【0042】
請求項4記載の発明によれば、車両の走行距離を積算した積算走行距離が第3の所定値に達する毎に、窒素酸化物還元触媒に吸着された還元剤が強制的に消費される。そして、還元剤の推定吸着量が第2の所定値になると、窒素酸化物還元触媒に吸着されている還元剤の吸着量は第2の所定値以下になるので、還元剤の推定吸着量と窒素酸化物還元触媒に吸着されている還元剤の吸着量との差は第2の所定値以下になる。例えば、第2の所定値を0にすると、積算走行距離が第3の所定値に達する毎に、還元剤の推定吸着量と窒素酸化物還元触媒に吸着されている還元剤の吸着量との差がなくなる。
【0043】
請求項5記載の発明によれば、エンジンの運転時間を積算した積算運転時間が第4の所定値に達する毎に、窒素酸化物還元触媒に吸着された還元剤が強制的に消費される。そして、還元剤の推定吸着量が第2の所定値になると、窒素酸化物還元触媒に吸着されている還元剤の吸着量は第2の所定値以下になるので、窒素酸化物還元触媒に吸着されている還元剤の吸着量と還元剤の推定吸着量との差は第2の所定値以下になる。例えば、第2の所定値を0にすると、積算走行距離が第3の所定値に達する毎に、還元剤の推定吸着量と窒素酸化物還元触媒に吸着されている還元剤の吸着量との差がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエンジンの排気浄化装置の構成を示すブロック図
【図2】還元剤添加コントローラにおける制御内容を示すフローチャート
【図3】触媒温度に対応する上限及び下限閾値を示すマップの説明図
【符号の説明】
1 エンジン
3 窒素酸化物還元触媒
4 還元剤タンク
5 還元剤添加装置
7 エンジンコントローラ
8 触媒温度センサ
9 添加流量センサ
10 還元剤添加コントローラ
Claims (5)
- エンジンの排気通路に介装され、還元剤を使用して排気中の窒素酸化物を還元除去する窒素酸化物還元触媒と、
前記還元剤を貯蔵する還元剤貯蔵手段と、
前記還元剤貯蔵手段に貯蔵された還元剤を前記窒素酸化物還元触媒の上流側に添加する還元剤添加手段と、
前記エンジンの運転状況に応じた還元剤の目標添加量を演算する目標添加量演算手段と、
前記窒素酸化物還元触媒の上流側に実際に添加された還元剤の実添加量から前記目標添加量演算手段により演算された還元剤の目標添加量を減算した差を順次積算して、前記窒素酸化物還元触媒に吸着されている還元剤の推定吸着量を演算する推定吸着量演算手段と、
前記推定吸着量演算手段により演算された還元剤の推定吸着量に基づいて、前記還元剤添加手段による還元剤の添加量を制御する制御手段と、
を含んで構成されることを特徴とするエンジンの排気浄化装置。 - 吸気流量とエンジン回転速度と燃料供給量とに基づいて、窒素酸化物の排出量を演算する排出量演算手段と、
前記窒素酸化物還元触媒の温度に基づいて、窒素酸化物還元触媒における窒素酸化物の浄化率を演算する浄化率演算手段と、
を備え、
前記目標添加量演算手段は、前記窒素酸化物の排出量及び浄化率に基づいて、前記還元剤の目標添加量を演算することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの排気浄化装置。 - 前記制御手段は、前記還元剤の推定吸着量が第1の所定値未満かつ第2の所定値以上となるように、前記還元剤の添加量を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンの排気浄化装置。
- 前記エンジンは車両の走行用エンジンであり、
前記制御手段は、前記車両の走行距離を積算した積算走行距離が第3の所定値に達する毎に、前記還元剤の推定吸着量を前記第1の所定値以上に設定することを特徴とする請求項3に記載のエンジンの排気浄化装置。 - 前記制御手段は、前記エンジンの運転時間を積算した積算運転時間が第4の所定値に達する毎に、前記還元剤の推定吸着量を前記第1の所定値以上に設定することを特徴とする請求項3に記載のエンジンの排気浄化装置。
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