JP2004292795A - 水性樹脂組成物及びそれを含む水性塗料組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 (a)乾性油脂肪酸及び/又は半乾性油脂肪酸 0.5〜40重量%、(b)エポキシ基含有重合性不飽和モノマー 0.5〜20重量%、(c)スルホン酸基、スルホン酸塩基、リン酸基及びリン酸塩基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の酸基を有する重合性不飽和モノマー 0.5〜25重量%、(d)炭素数4以上のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー 10〜60重量%、及び(e)その他の重合性不飽和モノマー 0〜88.5重量%の共重合体よりなる脂肪酸変性アクリル樹脂(I)と水性媒体(II)を含んでなり、脂肪酸変性アクリル樹脂(I)が水性媒体(II)中に微細に分散されていることを特徴とする水性樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
(a)乾性油脂肪酸及び/又は半乾性油脂肪酸 0.5〜40重量%、
(b)エポキシ基含有重合性不飽和モノマー 0.5〜20重量%、
(c)スルホン酸基、スルホン酸塩基、リン酸基及びリン酸塩基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する重合性不飽和モノマー 0.5〜25重量%、
(d)炭素数4以上のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー 10〜60重量%、及び
(e)その他の重合性不飽和モノマー 0〜88.5重量%
の共重合体よりなる脂肪酸変性アクリル樹脂(I)と水性媒体(II)を含んでなり、脂肪酸変性アクリル樹脂(I)が水性媒体(II)中に微細に分散されていることを特徴とする水性樹脂組成物が提供される。
脂肪酸変性アクリル樹脂(I):
本発明における脂肪酸変性アクリル樹脂(I)は、以下に説明する、乾性油脂肪酸及び/又は半乾性油脂肪酸(a)、エポキシ基含有重合性不飽和モノマー(b)、スルホン酸基、スルホン酸塩基、リン酸基及びリン酸塩基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の酸基を有する重合性不飽和モノマー(c)、炭素数4以上のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(d)及びその他の重合性不飽和モノマー(e)を共重合させることにより得られる共重合体である。
乾性油脂肪酸及び/又は半乾性油脂肪酸(a):
乾性油脂肪酸及び/又は半乾性油脂肪酸(a)は、乾性油及び/又は半乾性油に由来するヨウ素価が通常90以上、好ましくは100以上の酸化硬化型の重合性不飽和基を有する脂肪酸であり、脂肪酸変性アクリル樹脂(I)に酸化硬化性を付与するためのモノマー成分である。該脂肪酸(a)としては、例えば、魚油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ゴマ油脂肪酸、ケシ油脂肪酸、エノ油脂肪酸、麻実油脂肪酸、ブドウ核油脂肪酸、トウモロコシ油脂肪酸、トール油脂肪酸、ヒマワリ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、クルミ油脂肪酸、ゴム種油脂肪酸等が挙げられる。
エポキシ基含有重合性不飽和モノマー(b):
エポキシ基含有重合性不飽和モノマー(b)は、1分子中に1個のエポキシ基と1個の重合性不飽和結合を含有する化合物であり、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエ−テル等が挙げられる。これらの中、特に、グリシジル(メタ)アクリレートが好適である。
スルホン酸基、スルホン酸塩基、リン酸基、及びリン酸塩基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する重合性不飽和モノマー(c):
本発明において使用するスルホン酸基、スルホン酸塩基、リン酸基及びリン酸塩基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の酸基を有する重合性不飽和モノマー(c)は、脂肪酸変性アクリル樹脂(I)に水分散性を付与するためのモノマー成分であり、1分子中に該基を少なくとも1個、好ましくは1個と重合性不飽和結合を1個含有するものが包含される。このモノマー成分の使用により、得られる脂肪酸変性アクリル樹脂(I)は水性媒体中に安定に存在することが可能となり且つ最終的に形成される塗膜の耐水性等の物性を向上させることができる。なお、該モノマー(c)の代わりに、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有モノマー使用した場合、得られる脂肪酸変性アクリル樹脂を水分散可能とするためには、該カルボキシル基含有モノマーを多量に使用しなければならず、その結果最終的に形成される塗膜の耐水性と樹脂の水中における貯蔵安定性を両立させることが困難となる。
R1は水素又はメチル基を表し、
R2は場合により置換基を有していてもよい炭素数2〜4のアルキレン基を表し、
R2’は場合により置換基を有していてもよい炭素数1〜20の飽和もしくは不飽和のアルキレン基を表し、
R3は場合により置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキレン基を表し、
R4は場合により置換基を有していてもよい飽和もしくは不飽和のアルキル基又はオキシアルキレン基を含む1価の有機基、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基を表し、
Xはスルホン酸基、スルホン酸塩基、リン酸基及びリン酸塩基よりなる群から選ばれる酸基を表し、
nは整数、好ましくは1〜20の整数であり、
n1は整数、好ましくは1〜20の整数である。
炭素数4以上のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(d):
炭素数4以上のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(d)は、脂肪酸変性アクリル樹脂(I)に耐水性を付与するためのモノマー成分であり、(メタ)アクリル酸の炭素数4以上、特に炭素数6〜10の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状アルキルエステルが包含される。具体的には、例えば、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
その他の重合性不飽和モノマー(e):
その他の重合性不飽和モノマー(e)は、以上に述べたモノマー(b)、(c)及び/又は(d)と共重合可能なモノマー成分であり、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸の低級アルキルエステル;1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル(メタ)アクリレート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレート、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどのビニル芳香族化合物;ビニルピロリドン、エチレン、ブタジエン、クロロプレン、ビニルプロピオネート、ビニルアセテート、(メタ)アクリロニトリルなどが挙げられる。
本発明における脂肪酸変性アクリル樹脂(I)は、以上に述べた乾性油脂肪酸及び/又は半乾性油脂肪酸(a)、エポキシ基含有重合性不飽和モノマー(b)、スルホン酸基、スルホン酸塩基、リン酸基及びリン酸塩基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する重合性不飽和モノマー(c)、炭素数4以上のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(d)及びその他の重合性不飽和モノマー(e)を共重合させることにより得られる。
成分(b):0.5〜20重量%、好ましくは1〜18重量%、特に好ましくは3〜 15重量%、
成分(c):0.5〜25重量%、好ましくは1〜20重量%、特に好ましくは2〜5 重量%、
成分(d):10〜60重量%、好ましくは20〜55重量%、特に好ましくは30〜 40重量%、
成分(e):0〜88.5重量%、好ましくは1〜75重量%、特に好ましくは5〜 58重量%。
脂肪酸変性モノマー(A)は1〜60重量%、好ましくは5〜50重量%、特に好ましくは10〜40重量%、
モノマー(c)は0.5〜25重量%、好ましくは1〜20重量%、特に好ましくは2〜5重量%、
モノマー(d)は10〜60重量%、好ましくは20〜55重量%、特に好ましくは30〜40重量%、
モノマー(e)は0〜88.5重量%、好ましくは5〜84重量%、特に好ましくは5〜58重量%
の範囲内とすることができる。脂肪酸変性モノマー(A)の使用割合が 重量%未満では、塗布後の塗膜の酸化重合が進行せず、また、塗膜の肉持ち感が劣ることがあり、一方60重量%を超えると乾燥経時で塗膜が硬く脆くなったり、耐候性、耐アルカリ性が低下することがある。モノマー(c)の使用割合が0.5重量%未満では、脂肪酸変性アクリル樹脂(I)を水中に安定に分散することが困難になることがあり、一方、25重量%を超えると形成塗膜の耐水性が低下することがある。
水性媒体(II);
上記脂肪酸変性アクリル樹脂(I)を分散するために使用される水性媒体(II)としては、水または水を主体としてこれに水溶性有機溶媒などの有機溶媒を溶解してなる水−有機溶媒混合溶液などを挙げることができる。
水性樹脂組成物:
本発明の水性樹脂組成物は、脂肪酸変性アクリル樹脂(I)を水性媒体(II)中に分散させることにより調製することができる。この水分散は、例えば、脂肪酸変性アクリル樹脂(I)に含まれる酸性基を必要に応じて中和剤で中和して、水性媒体中に自己乳化させることにより行うことができる。また、脂肪酸変性アクリル樹脂(I)がスルホン酸塩基またはリン酸塩基を含む場合には、中和することなくそのものの働きにより自己乳化させることができる。
水性塗料組成物:
本発明の水性塗料組成物は、以上に述べた本発明の水性樹脂組成物を塗膜形成成分として含む一液型の塗料である。
発明の効果
本発明における水性脂肪酸変性アクリル樹脂組成物は、カルボキシル基等の親水性基や乳化剤を用いて水分散化させる方法で得られる従来の樹脂組成物に比べ、特定の酸基を含んでいるので、貯蔵安定性ならびに形成塗膜の耐水性に優れている。また、本発明における水性脂肪酸変性アクリル樹脂組成物は、高エネルギーせん断能力を有する高圧乳化装置による乳化を併用することにより、エマルション粒径が小さくすることができ、形成塗膜の耐水性をさらに向上せしめることができる。本発明の脂肪酸変性アクリル樹脂は、アルキド樹脂とアクリル樹脂の両者の特性を兼備しており、該樹脂を含む塗料組成物から形成される塗膜は、常温で容易に硬化し、高光沢、高肉持感などの仕上り性に優れ、かつ耐候性、耐アルカリ性などの塗膜性能にも優れている。
製造例1
反応容器に下記の成分を仕込み、攪拌しながら170℃の温度で反応させて、脂肪酸変性モノマー(e−1)を得た。エポキシ基とカルボキシル基の付加反応は、残存カルボキシル基の量を測定しながら追跡した。反応が完了するまで約3時間を要した。
グリシジルメタクリレート 142部
ハイドロキノン 0.4部
臭化テトラエチルアンモニウム 0.2部。
製造例2
下記の成分に変更する以外は上記製造例1と同様にして、脂肪酸変性モノマー(e−2)を得た。
グリシジルメタクリレート 149部
ハイドロキノン 0.4部
臭化テトラエチルアンモニウム 0.2部。
脂肪酸変性アクリル樹脂の製造:
製造例3
攪拌機、温度計、還流管及び不活性ガス導入管を備えた4つ口フラスコに「MFG」(注1)472部を仕込み、窒素ガスを通気しながら、120℃まで攪拌を行いながら昇温した。次いで、温度を120℃に保ちながら、
スチレン 152部
n−ブチルメタクリレート 86部
i―ブチルメタクリレート 86部
2−エチルヘキシルアクリレート 90部
グリシジルメタクリレート 100部
「Antox MS−2N」(注2)の50%水溶液 56部
アゾビスイソブチロニトリル 1.6部
の混合物を3時間かけて滴下した。その後、120℃で2時間熟成した後、140℃に昇温してから、大豆油脂肪酸158部及び反応触媒としてN、N―ジメチルアミノエタノール0.4部を加え、脂肪酸の付加反応を行った。樹脂酸価をKOH滴定法で追跡し、樹脂酸価が1.0以下になった時点を終点とした。これにより、不揮発分58%の褐色透明な脂肪酸変性アクリル樹脂溶液(I−1)を得た。
(注2)「Antox MS−2N」:商品名、日本乳化剤社製、下記式(6)で表さ れる化合物を主成分とする
攪拌機、温度計、還流管及び不活性ガス導入管を備えた4つ口フラスコに「スワゾール310」(注3)500部を仕込み、窒素ガスを通気しながら、120℃まで攪拌を行いながら昇温した。次いで、温度を120℃に保ちながら、
脂肪酸変性モノマー(e―1) 260部
スチレン 150部
n−ブチルメタクリレート 86部
iーブチルメタリレート 86部
2−エチルヘキシルアクリレート 90部
「TBAS−Q」(注4) 28部
アゾビスイソブチロニトリル 2.1部
の混合物を3時間かけて滴下した。その後120℃で2時間熟成し、不揮発分58%の褐色透明な脂肪酸変性アクリル樹脂溶液(I―2)を得た。
(注4)「TBAS−Q」:商品名、MRCユニテック社製、下記式(7)で表される 化合物を主成分とする
攪拌機、温度計、還流管及び不活性ガス導入管を備えた4つ口フラスコに「MFG」(注1)472部を仕込み、窒素ガスを通気しながら、120℃まで攪拌を行いながら昇温した。次いで、温度を120℃に保ちながら、
脂肪酸変性モノマー(e―2) 260部
スチレン 150部
n−ブチルメタクリレート 86部
i―ブチルメタクリレート 86部
2−エチルヘキシルアクリレート 90部
「Antox MS−2N」(注2)の50%水溶液 56部
アゾビスイソブチロニトリル 2.1部
の混合物を3時間かけて滴下した。その後120℃で2時間熟成し、不揮発分58%の褐色透明な脂肪酸変性アクリル樹脂溶液(I―3)を得た。
製造例6
攪拌機、温度計、還流管及び不活性ガス導入管を備えた4つ口フラスコに「MFG」(注1)500部を仕込み、窒素ガスを通気しながら、120℃まで攪拌を行いながら昇温した。次いで、温度を120℃に保ちながら、
脂肪酸変性モノマー(e―1) 260部
スチレン 40部
n−ブチルメタクリレート 50部
i―ブチルメタクリレート 40部
2−エチルヘキシルメタクリレート 150部
「TBAS−Q」(注4) 160部
アゾビスイソブチロニトリル 2.1部
の混合物を3時間かけて滴下した。その後120℃で2時間熟成し、不揮発分58%の褐色透明な脂肪酸変性アクリル樹脂溶液(I―4)を得た。
製造例7
攪拌機、温度計、還流管及び不活性ガス導入管を備えた4つ口フラスコに「スワゾール310」(注3)500部を仕込み、窒素ガスを通気しながら、120℃まで攪拌を行いながら昇温した。次いで、温度を120℃に保ちながら、
脂肪酸変性モノマー(e―1) 260部
スチレン 150部
n−ブチルメタクリレート 86部
i―ブチルメタクリレート 86部
2−エチルヘキシルアクリレート 90部
「TBAS−Q」(注4) 28部
アゾビスイソブチロニトリル 1.1部
の混合物を3時間かけて滴下した。その後120℃で2時間熟成し、不揮発分58%の褐色透明な脂肪酸変性アクリル樹脂溶液(I―5)を得た。
製造例8
攪拌機、温度計、還流管及び不活性ガス導入管を備えた4つ口フラスコに「スワゾール310」(注3)500部を仕込み、窒素ガスを通気しながら、120℃まで攪拌を行いながら昇温した。次いで、温度を120℃に保ちながら、
脂肪酸変性モノマー(e―1) 260部
スチレン 150部
n−ブチルメタクリレート 100部
i―ブチルメタクリレート 91部
2−エチルヘキシルアクリレート 90部
アクリル酸 9部
アゾビスイソブチロニトリル 2.1部
の混合物を3時間かけて滴下した。その後120℃で2時間熟成し、不揮発分58%の褐色透明な脂肪酸変性アクリル樹脂溶液(I―6)を得た。
製造例9
攪拌機、温度計、還流管及び不活性ガス導入管を備えた4つ口フラスコに「スワゾール310」(注3)500部を仕込み、窒素ガスを通気しながら、120℃まで攪拌を行いながら昇温した。次いで、温度を120℃に保ちながら、
スチレン 240部
n−ブチルメタクリレート 146部
i―ブチルメタクリレート 146部
2−エチルヘキシルアクリレート 140部
「TBAS−Q」(注4) 28部
アゾビスイソブチロニトリル 2.1部
の混合物を3時間かけて滴下した。その後120℃で2時間熟成し、不揮発分58%の褐色透明な脂肪酸変性アクリル樹脂溶液(I―7)を得た。
下記表1に脂肪酸変性アクリル樹脂(I−1)〜(I−7)のモノマー組成及び性状値を示す。
実施例1
脂肪酸変性アクリル樹脂(I―1)を減圧処理して溶剤を除去し、不揮発分を80%にした樹脂875部に、脱イオン水700部を徐々に加えながら高速攪拌して、不揮発分44%の水性樹脂組成物(A―1)を得た。得られたエマルションの平均粒子径は300nmであった。
実施例2
上記実施例1で得られた水性樹脂組成物(A―1)を、超高圧エネルギーを加えて流体同士を衝突させる高圧乳化装置にて130MPaの高圧で乳化処理を行った。2パスすることにより、分散粒子の平均粒子径が200nmである水性樹脂組成物(A―2)を得た。
実施例3
脂肪酸変性アクリル樹脂(I―2)を減圧処理して溶剤を除去し、不揮発分を80%にした樹脂875部に中和剤としてトリエチルアミン10.9gを添加し、その後脱イオン水700部を徐々に加えながら高速攪拌して、不揮発分44%の水性樹脂組成物(A―3)を得た。
実施例4〜10及び比較例1〜2
下記表2に示す組成及び条件に従い、実施例3と同様にして、不揮発分44%の水性樹脂組成物(A―4)〜(A―12)を得た。
実施例11〜20及び比較例3〜4
容器に、下記表3の組成(B)に示す各成分を順次仕込み、ディスパーで30分間均一になるまで攪拌を続け各顔料ペーストを得た。その後、表3の組成(C)に示す各成分を該各顔料ペーストに順次添加し、各水性塗料組成物を得た。なお、表3中の(注)は下記のとおりである。
(注6)「ノプコサントK」:サンノプコ社製、顔料分散剤
(注7)「アデカノールUH−438」:アデカ社製、増粘剤
(注8)「チタン白JR−600A」:テイカ社製、チタン白
(注9)「SNデフォーマー380」:サンノプコ社製、消泡剤
(注10)「DICNATE 3111」:大日本インキ化学工業社製、ドライヤー
(注11)「LFボウセイP−W−2」:キクチカラー社製、リン酸亜鉛系防錆顔料
(*1)肉持ち感:実施例及び比較例の各水性塗料を、6ミルドクターブレードを用いてガラス板に塗装し、気温20℃、相対湿度60%の条件下で乾燥させて各試験塗板を得た。1日後に塗膜外観を目視にて評価した。
×: 肉持ち感に乏しい。
(*2)60度グロス:上記(*1)と同様にして得た試験塗板の60度グロスを測定した。値が大きい程良好である。
(*3)耐候性:JIS K 5410に規定する鋼板(150×70×0.8mm)をキシレンにて脱脂し、その上に「ザウルスEX」(商品名、ターペン希釈型エポキシさび止め塗料、関西ペイント社製)を塗装して下塗り塗膜を形成し、その上に、各水性塗料を上水で約70KUに希釈して刷毛にて塗布量150g/m2となるように塗装し、気温20℃、相対湿度60%の条件下で1週間乾燥させて各試験塗板を得た。各試験塗板を、JIS K 5400 の9.8.1(サンシャインカーボンアーク灯式)の促進耐候試験に準じて、1000時間照射した後、各塗板面をJIS K 5400の9.6白亜化度によって評価した。点数が低いほど白亜化が進んでいることを示す。
(*4)耐水性:JIS K 5410に規定する鋼板(150×70×0.8mm)をキシレンにて脱脂し、その上に、各水性塗料を上水で約70KUに希釈して刷毛にて塗布量150g/m2となるように塗装し、気温20℃、・相対湿度60%の条件下で1週間乾燥させて各試験塗板を得た。各試験塗板を、JIS K 5400の8.19に準じて耐水性試験(96時間浸漬)に供した。試験後の各塗面を下記基準で評価した。
△:上記の内、1つでも該当しないものがある。
(*5)耐アルカリ性:上記(*4)と同様に作成した各試験塗板を、JIS K 5400の8.21に準じて耐アルカリ性試験(試験時間96時間)に供した。試験後の各塗面を下記基準で評価した。
△:上記の内、1つでも該当しないものがある。
(*6)加温貯蔵安定性:実施例及び比較例の各水性塗料を容量が1Lの内面コート缶に1kg入れ、窒素封入した後40℃で30日間貯蔵した。その後、室温に戻し、容器の中での状態を目視にて観察した。評価基準を下記に示す。
×:上記の内、1つでも該当しないものがある。
Claims (13)
- (a)乾性油脂肪酸及び/又は半乾性油脂肪酸 0.5〜40重量%、
(b)エポキシ基含有重合性不飽和モノマー 0.5〜20重量%、
(c)スルホン酸基、スルホン酸塩基、リン酸基及びリン酸塩基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する重合性不飽和モノマー 0.5〜25重量%、
(d)炭素数4以上のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー 10〜60重量%、及び
(e)その他の重合性不飽和モノマー 0〜88.5重量%
の共重合体よりなる脂肪酸変性アクリル樹脂(I)と水性媒体(II)を含んでなり、脂肪酸変性アクリル樹脂(I)が水性媒体(II)中に微細に分散されていることを特徴とする水性樹脂組成物。 - 脂肪酸変性アクリル樹脂(I)が、乾性油脂肪酸及び/又は半乾性油脂肪酸(a)とエポキシ基含有重合性不飽和モノマー(b)との反応により得られる脂肪酸変性重合性不飽和モノマーを、スルホン酸基、スルホン酸塩基、リン酸基及びリン酸塩基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する重合性不飽和モノマー(c)、炭素数4以上のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(d)及びその他の重合性不飽和モノマー(e)と共重合させることにより得られるものである請求項1に記載の水性樹脂組成物。
- 脂肪酸変性アクリル樹脂(I)が、エポキシ基含有重合性不飽和モノマー(b)、スルホン酸基、スルホン酸塩基、リン酸基、及びリン酸塩基よりなる群から選ばれる少なくとも1種以上の基を有する重合性不飽和モノマー(c)、炭素数4以上のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(d)及びその他の重合性不飽和モノマー(e)の共重合により得られるエポキシ基含有アクリル樹脂のエポキシ基に乾性油脂肪酸及び/又は半乾性油脂肪酸(a)を付加することにより得られるものである請求項1に記載の水性樹脂組成物。
- その他の重合性不飽和モノマー(e)が、スチレンを成分(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)の合計量に基づいて5〜40重量%含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の水性樹脂組成物。
- 脂肪酸変性アクリル樹脂(I)が2000〜120000の数平均分子量を有するものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の水性樹脂組成物。
- 脂肪酸変性アクリル樹脂(I)が高圧乳化装置を用いて50〜250MPaの圧力で水性媒体(II)中に分散されてなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の水性樹脂組成物。
- 脂肪酸変性アクリル樹脂(I)が水性媒体(II)中に1000nm以下の平均粒子径で分散されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の水性樹脂組成物。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の水性樹脂組成物を含有することを特徴とする水性塗料組成物。
- チタン白を5〜25%の顔料体積濃度で含有し、且つ全顔料体積濃度が10〜30%である請求項8に記載の水性塗料組成物。
- リン酸系顔料を1〜10%の顔料体積濃度で含有する請求項8又は9に記載の水性塗料組成物。
- 亜硝酸塩、フィチン酸塩、タンニン酸塩、ポリアミン化合物及びヒドラジン誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する請求項8〜10のいずれか1項に記載の水性塗料組成物。
- 被塗面に請求項8〜11のいずれか1項に記載の水性塗料組成物を塗装することを特徴とする塗膜形成方法。
- 請求項12に記載の方法により得られる塗装物品。
Priority Applications (1)
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JP2010090323A (ja) * | 2008-10-10 | 2010-04-22 | Kansai Paint Co Ltd | 1液型水性塗料組成物及び塗装方法 |
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2004
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