JP2004292277A - コンクリート積みブロック - Google Patents

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Tatsuo Yamazaki
達男 山崎
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HARUNO KENSETSU JIGYO KYODO KU
HARUNO KENSETSU JIGYO KYODO KUMIAI
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  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
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Abstract

【課題】強度を維持しつつ透水性及び保水性に優れ、表面の植生の促進を良好とすることができるとともに、製造コストを抑制し得るコンクリート積みブロックを提供する。
【解決手段】略13.4〜19.1重量%の普通ポルトランドセメント又は早強ポルトランドセメント、略1.3〜1.4重量%の粉炭、略69.5〜70.8重量%の粗骨材と共に細骨材及び水を加えて混練するとともに、全体が多孔質であって、その空隙率が略8.1〜11.4%となるよう所定形状にプレス成形されたコンクリート積みブロックである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透水性及び保水性に富み、施工後において自然に近い環境を維持し得るとともに、必要な強度を維持し得るコンクリート積みブロックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
山の傾斜面や歩道、河川敷などに敷設されるコンクリート積みブロックは、通常、セメントを主原料としたコンクリートを所定形状に成形し、これを平面的(傾斜面においては当該傾斜面に沿って)に敷き詰めることにより施工されるものである。然るに、近時においては、主に景観維持や環境保全等の観点から、コンクリート積みブロック表面に植物を生育させ、緑化向上を図ることが要求されるに至っている。
【0003】
このような要求に対し、従来、骨材を混ぜ合わせたアルミナセメント、木質系炭化物及び活性シリカ等を含有した成形体から成るコンクリート積みブロックが提案されている(例えば、特許文献1などにより開示されている)。かかるコンクリート積みブロックによれば、空孔があるため微生物の成育が良好とすることができるとともに、河川の護岸ブロック等として用いれば、含有する炭化物により水質改善を図ることができる。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−278958号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のコンクリート積みブロックは、その強度を維持するために高価なアルミナセメントを用いており、通常のセメント(普通ポルトランドセメント等)を使用したものに比べ、製造コストが嵩んでしまうという問題がある。また、歩道などに敷設した場合には、表面から過大な荷重が付与されることが予想されるのに対し、上記従来のものにおいては、強度が不十分であるという問題もあった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、強度を維持しつつ透水性及び保水性に優れ、表面の植生の促進を良好とすることができるとともに、製造コストを抑制し得るコンクリート積みブロックを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、略13.4〜19.1重量%の普通ポルトランドセメント又は早強ポルトランドセメント、略1.3〜1.4重量%の粉炭、略69.5〜70.8重量%の粗骨材と共に細骨材及び水を加えて混練するとともに、全体が多孔質であって、その空隙率が略8.1〜11.4%となるよう所定形状にプレス成形されたことを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のコンクリート積みブロックにおいて、前記粗骨材を砂利とするとともに、略3.7〜12.1重量%の細骨材としての砂を含有させて、プレス成形後の空隙率を略8.1〜11.4%としたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係るコンクリート積みブロックは、山の傾斜面や歩道、河川敷などに敷設されるべく、図1に示すように、平面視矩形状で地面より下に埋設される部位にくびれ1aが形成されている。そして、その表面1bのみを外部に臨ませつつ同様のコンクリート積みブロック1を複数平面的に埋設して施工され得るようになっている。
【0010】
また、本実施形態に係るコンクリート積みブロック1は、全体がポーラス(多孔質)に形成されており、土中に埋設された際には、表面1bに降った雨水が当該ブロック内部を透過し得るとともに、土中の水分がブロック内部を透過して表面1b側に植生した植物等に供給され得るようになっている。また、ポーラスなため、その孔に植物の種子などが付着し易くなっており、表面1bにおける植生を向上させることができる。尚、当該表面1bには、自然な模様(例えば小石等が敷き詰められた如き模様)が形成されている。
【0011】
更に、コンクリート積みブロック1の内部全体に亘って粉炭(例えば、間伐材を粉末状にしたもの)が混入されているため、敷設後において水や空気の浄化を図ることができるとともに、従来のブロックに比べて低アルカリとすることができるので、微生物の繁殖を促進することができる。かかる微生物により表面1bに付着した汚れなどが養分として吸収されるので、空気の浄化や水質の改善効果を更に促進することができるのである。
【0012】
かかるコンクリート積みブロックは、以下の製造工程を経ることにより得ることができる。即ち、図2に示すように、普通ポルトランドセメント、水、細骨材としての砂、粗骨材としての砂利(25〜5mmのものと10〜5mmのものの両者)、及び粉炭(木粉炭)のそれぞれが所定量となるよう計量し、これらをミキサにて所定時間混練する(S1)。このとき、普通ポルトランドセメントの代わりに、早強ポルトランドセメントとしてもよい。
【0013】
その後、所定の成型機(図1の如き形状のキャビティを有したもの)に、上記各原料を混練したものを投入し、振動を付与しつつプレス成形する(S2)。更に、図1で示した表面1bの模様を形成すべく、当該模様が形成された転写板を表面1bに当接させつつプレスすることとし、その転写板が各ブロックに取り付けられたまま成型機から取り出される。尚、コンクリート積みブロック1の製造効率の向上を図るべく、使用する成型機を所謂2ヶ取りのもの(同様のキャビティが2つあるもの)とするのが好ましく、付与する振動の程度を任意に設定し得るものとするのが好ましい。
【0014】
そして、成形機から取り出されたコンクリート積みブロックは、パレットに複数個載置された状態にて養生室に搬送され、そこで所定時間(5〜6時間程度)50〜65℃程度の蒸気を含む雰囲気の中で養生される(S3)。かかる蒸気養生が終了した後、当該養生室からパレット毎に取り出されるとともに、各ブロック1の表面1bに取り付けられた転写板(面パレット)が取り外され(S4)、屋外での自然養生が行われる(S5)。通常、屋外で14日程度自然養生させれば必要な強度まで硬化するので、一連のコンクリート積みブロックの製造工程が終了する。
【0015】
次に、上記構成のコンクリート積みブロックを製造するにあたり、ミキサにて混練すべき各原料の混合割合を種々調整したものであって、その空隙率及び強度を示す実験結果について説明する。当該実験により、以下の表1の如き結果が得られた。尚、同表において、セメントは普通ポルトランドセメント、粉炭は木粉炭、粗骨材は25〜5mm及び10〜5mmの砂利を配合したもの、及び細骨材は砂を使用しており、残りは水となっている。
【0016】
【表1】
Figure 2004292277
【0017】
上記表1からも分かるように、実施例1〜実施例5のものは、歩道などに敷設される際、目標強度の24(N/mm)を超えているのに対し、比較例1〜比較例5のものは、いずれも目標強度の24(N/mm)を下回っていて、使用に耐え得るものとなっていない。ここで、上記目標強度は、JIS(日本工業規格)で規定された18(N/mm)に対して以下の式を用いて求められている。目標強度(N/mm)=18(N/mm)+3×σ(但し、標準偏差σを2.0(N/mm)としている)
【0018】
従って、粉炭を含んだコンクリート積みブロックの強度を維持するためには、少なくとも、普通ポルトランドセメントを略13.4〜19.1重量%、粉炭を略1.3〜1.4重量%、粗骨材を略69.5〜70.8重量%含有させる必要があり、製品であるコンクリート積みブロックの空隙率が略8.1〜11.4%である必要がある。かかる空隙率は、主に粗骨材や細骨材にて調整されるべきものであるので、実施例1〜実施例5で示したように、粗骨材を略69.5〜70.8重量%、細骨材を略8.1〜11.4重量%、及び残りを水とすれば、上記空隙率を達成することができ好ましい。
【0019】
上記のように、上記の如き配合比率とすれば、最も汎用的で安価な普通ポルトランドセメント(早強ポルトランドセメントも含む)を使用しつつ、コンクリート積みブロックとしての強度を維持しつつ全体的に多孔質(ポーラス)なものとすることができる。従って、透水性及び保水性に優れ、ポーラスを構成する間隙を通じて、その表面1bに対する水の出入りが行われるため、当該表面1bの植生の促進を良好とすることができるとともに、製造コストを抑制することができる。
【0020】
また、粉炭をブロック全体に含有しているので、水や空気の浄化や微生物の繁殖などの効果を奏することができる。更に、コンクリート積みブロックの表面のみに粉炭が含有されているものに比べ、水や空気の浄化効果及び微生物の繁殖効果を向上させることができるとともに、表面の一部が欠け落ちても、同効果を継続して奏することができる。
【0021】
更に、粗骨材や細骨材として汎用的に用いられている砂及び砂利を使用しており、かかる配合比率を調整することにより空隙率が理想のものに調整され得るので、既存のブロックと略同等の材料及び製造工程を用いて、上記の如き効果を奏し得るコンクリート積みブロックを得ることができる。
【0022】
以上、本実施形態について説明したが、目標強度24(N/mm)以上を達成できるとともに、普通ポルトランドセメント又は早強ポルトランドセメントが略13.4〜19.1重量%、木粉炭が略1.3〜1.4重量%、粗骨材が略69.5〜70.8重量%の配合比率であって、且つ、空隙率が略8.1〜11.4%とされるものであれば、他の種類の粗骨材又は細骨材を用いてもよい。また、敷設される場所及び使用形態によって、コンクリート積みブロック1の表面1bには、他の模様を形成してもよいし、模様を形成しなくてもよい。
【0023】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、コンクリート積みブロックとしての強度を維持しつつ透水性及び保水性に優れ、表面の植生の促進を良好とすることができるとともに、普通ポルトランドセメント又は早強ポルトランドセメントを用いているので、製造コストを抑制することができる。また、粉炭をブロック全体に含有しているので、水や空気の浄化や微生物の繁殖などの効果を奏することができる。
【0024】
請求項2の発明によれば、略69.5〜70.8重量%の粗骨材としての砂利、略3.7〜12.1重量%の細骨材としての砂を含有させて、略8.1〜11.4%の空隙率としているので、既存のブロックと略同等の材料を用いて請求項1記載の効果を奏し得るコンクリート積みブロックを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るコンクリート積みブロックを示す平面図及び正面図
【図2】本発明の実施形態に係るコンクリート積みブロックにおける製造工程を示すフローチャート
【符号の説明】
1…コンクリート積みブロック
1a…くびれ
1b…表面

Claims (2)

  1. 略13.4〜19.1重量%の普通ポルトランドセメント又は早強ポルトランドセメント、略1.3〜1.4重量%の粉炭、略69.5〜70.8重量%の粗骨材と共に細骨材及び水を加えて混練するとともに、全体が多孔質であって、その空隙率が略8.1〜11.4%となるよう所定形状にプレス成形されたことを特徴とするコンクリート積みブロック。
  2. 前記粗骨材を砂利とするとともに、略3.7〜12.1重量%の細骨材としての砂を含有させて、プレス成形後の空隙率を略8.1〜11.4%としたことを特徴とする請求項1記載のコンクリート積みブロック。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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