JP2004292251A - 無水及び半水石膏の製造方法及び装置 - Google Patents
無水及び半水石膏の製造方法及び装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】石炭火力発電所において発生する排煙脱硫石膏などの二水石膏から均質な半水石膏や無水石膏を得る。
【解決手段】排煙脱硫石膏などの二水石膏を仮焼して半水石膏あるいは無水石膏を得るのに際し、回転胴体と、この回転胴体の外部に備えられる加熱手段、とを備える回転乾燥装置を使用して仮焼する工程を備えるようにする。
【選択図】なし
【解決手段】排煙脱硫石膏などの二水石膏を仮焼して半水石膏あるいは無水石膏を得るのに際し、回転胴体と、この回転胴体の外部に備えられる加熱手段、とを備える回転乾燥装置を使用して仮焼する工程を備えるようにする。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、二水石膏を仮焼して、半水石膏あるいは無水石膏として利用する技術に関し、特に、石炭火力発電所において副生する二水石膏である排煙脱硫石膏から半水石膏あるいは無水石膏を取得する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、工業的に利用されている石膏には、天然に産出されるものと、化学的に製造されるものとがある。日本におけるこれらの石膏の市場は、全体で年間約900万トンに達している。このうち、無水石膏は約40万トンであり、半水石膏は、450万トンとなっている。
【0003】
無水石膏の供給は、国内にて副生するフッ酸石膏と天然に産する無水石膏とでまかなわれてきている。近年、地盤改良材の原料としての需要が増加してきている一方、フッ酸石膏が減産される傾向にあるため、無水石膏の新たな供給源が求められている。そこで、工業的過程などで副生する二水石膏が着目されている。すなわち、二水石膏から無水石膏を製造する方法が期待されている。
【0004】
また、半水石膏は、主としてボード用、陶磁器用型材などとして使用されている。さらに、近年、弱酸性であること、及び初期硬化性に優れることから、中性領域の固化材(地盤改良材あるいは汚泥処理材としての用途を含む)としての開発が期待されている。一般に、半水石膏は、二水石膏を供給源として製造されている。
【0005】
二水石膏は、その結合水の状態により、半水石膏を経て無水石膏にまで形態変化する。一般的に、二水石膏を仮焼して半水石膏を得、さらに高温で仮焼して無水石膏を得る半水石膏を得るには、150℃前後の温度が必要であり、無水石膏を得るには、500℃以上の温度が必要であるとされている。
【0006】
二水石膏から半水石膏を得るには、熱風加熱式乾燥機、湿式加圧式キルン、蒸気加圧式回転キルンなどが利用されている。特に、α型半水石膏を製造する場合は、湿式法による特殊な装置が導入されている。また、気流中で分散搬送しながら熱交換を行う方法も考えられる(特許文献1、特許請求の範囲等)。
また、加熱用外筒及び3個の仕切り板と羽根による攪拌機を有する内筒で構成される耐圧容器で、原料供給と製品排出する手段を有する含水せっこうを焼成するための連続式製造装置も記載されている(特許文献2、特許請求の範囲等)。また、近年、石こう廃材からセメント組成物用無水石こう類を製造する方法がある(特許文献3、特許請求の範囲等)。
【0007】
【特許文献1】
特開昭48−56719
【特許文献2】
特開昭58−115048
【特許文献3】
特開2002−68740
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの方法や装置を利用した場合、品質の優れた半水石膏を得ることが困難であった。また、これらの装置を利用して無水石膏を得ようとすると、汎用的な上記装置の耐熱温度を超えてしまうため、これらの装置によっては、無水石膏を安価に得るのは現実的ではなかった。
一方、石炭火力発電所においては、副生石膏として排煙脱硫石膏が大量に生成されるため、この排煙脱硫石膏の再利用方法の開発が望まれている。
【0009】
そこで、本発明では、石炭火力発電所において発生する排煙脱硫石膏などの二水石膏から均質な半水・無水石膏を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、排煙脱硫石膏などの二水石膏を仮焼して半水石膏あるいは無水石膏を得るのに際し、その加熱方式を種々検討した結果、特定加熱形態のロータリーキルンを用いることにより、均質な半水石膏及び無水石膏を生産性よく製造できることを見出し、本発明を完成した。また、当該製造技術によって得られる石膏組成物が固化材として有用であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明によれば、以下の手段が提供される。
【0011】
(1)半水石膏の製造方法であって、
二水石膏を、以下の乾燥装置;
回転胴体と、
この回転胴体の外部に備えられる加熱手段、
とを備える回転乾燥装置を使用して仮焼する工程を備える、方法。
(2)前記加熱手段は、回転胴体の外周に加熱された媒体が導入されるキャビティを備える、(1)記載の方法。
(3)前記仮焼温度は200℃以下である、(1)又は(2)に記載の方法。
(4)前記二水石膏の粒度が、粒径106μm以下の粒子が全体の90wt%以上である、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の方法によって製造される半水石膏を含有する固化材。
(6)無水石膏の製造方法であって、
二水石膏を、以下の乾燥装置;
回転胴体と、
この回転胴体の外部に備えられる加熱手段、
とを備える回転乾燥装置を使用して仮焼する工程を備える、方法。
(7)前記加熱手段は、回転胴体の外周に加熱された媒体が導入されるキャビティを備える、(6)記載の方法。
(8)前記仮焼温度は750℃以下である、(6)又は(7)に記載の方法。
(9)前記二水石膏の粒度が、粒径106μm以下の粒子が全体の90wt%以上である、請求項6〜8のいずれかに記載の方法。
(10)(6)〜(9)のいずれかに記載の方法によって製造される無水石膏を含有する固化材。
(11)半水石膏又は無水石膏の製造装置であって、
回転胴体と、
この回転胴体の外部に備えられる加熱手段、
とを備える、装置。
(12)前記加熱手段は、回転胴体の外周に加熱された媒体が導入されるキャビティを備える、(11)記載の装置。
(13)前記胴体内壁には、リフターを備える、(11)又は(12)に記載の装置。
(14)前記回転胴体内部には、リフターを有する内部胴体を備える、(11)又は(12)に記載の装置。
(15)前記回転胴体内壁が断面六角形状である、あるいは、回転胴体内部に、内部断面が六角形状の内部胴体を備える、(11)又は(12)に記載の装置。
【0012】
これらの発明によれば排煙脱硫石膏などの二水石膏を、回転胴体を外部から加熱することにより、均質な加熱状態で仮焼することができる。このため、生産性よく半水石膏あるいは無水石膏を製造することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の半水石膏あるいは無水石膏の製造方法は、いずれも、二水石膏を、以下の乾燥装置;
二水石膏が投入される回転胴体と、
この回転胴体の外部に備えられる加熱手段、
とを備える回転乾燥装置を使用して仮焼する工程を備えている。
また、本発明の装置は、
回転胴体と、
この回転胴体の外部に備えられる加熱手段、
とを備えている。この装置は、乾燥装置でもあり、半水石膏又は無水石膏の製造装置でもある。
まず、本発明の装置について説明し、次いで、この装置を用いた半水石膏あるいは無水石膏の製造工程について説明する。
【0014】
本装置の概略を図1に示す。
本装置2に備えられる回転胴体4は、ほぼ水平から傾斜した状態で配置される中空部12を有する横長状となっている。通常、被処理物の投入側から排出側へと下方に傾斜する状態で配置される。
回転胴体4は、その傾斜状態を適宜調整可能に昇降手段を備えることもできる。また、回転胴体4は、適当に支持されて、駆動手段によってその軸心を中心に回転可能に備えられている。
また、回転胴体4には、被処理物の導入部20と排出部40とが備えられている。これらの導入部20及び排出部40は、通常のロータリードライヤーと同様の構成とすることができる。また、通常のロータリードライヤーにおける導入部や排出部と同様にシールしておくことができる。
回転胴体4の材質は特に限定しないが、特に二水石膏の仮焼などに用いる場合を考慮すれば、耐酸性の材料を用いることが好ましい。例えば、ステンレスを採用することができる。
【0015】
回転胴体4の内部には、被処理物に対する熱供給をより均質化するための、回転胴体4の内部の被処理物の攪拌手段が備えられている。特に図示はしないが、本装置2は、後述するように、内壁14が熱伝導部位となっているため、回転胴体4内における被処理物の混合あるいは流動状態を確保することが重要である。攪拌手段としては、特に限定しないが、本装置2における被加熱部位である内壁14に対する被処理物の流動状態を確保することができることが好ましい。すなわち、回転胴体4内に堆積する被処理物は、熱伝導体である内壁に近いほど高温となり、内壁から遠いほど低温となっている。したがって、内壁に対して被処理物を流動させ、特に内壁14に対する距離を固定しないで変化させることにより、被処理物に対して均一に熱を供給することができる。かかる攪拌手段としては、具体的に、回転胴体4の回転に伴なって被処理物をかき上げ、ある高さから流下可能とするものなど、回転胴体4の回転に伴なって回転胴体4の内壁14側における被処理物の流動性を向上させるものであることが好ましい。
【0016】
攪拌手段としては、回転胴体内壁14に直接備えられるものと、回転胴体内部に挿入配設可能な内部胴体に一体化されるものとがある。
回転胴体内壁14に直接備えられるものとしては、内壁14に所定配置状態で配されるリフター(かき上げ翼)を挙げることができる。リフターは、内壁から中心側を指向して突出状に備えられる平板状体である。この平板状体の先端側を屈曲された形態とすることもできる。リフターの配設形態の一例を図2に示す。図2には、回転胴体4の内壁14に直接設けられたリフター14を例示している。
なお、回転胴体4は、通常円筒状体であるが、全体を断面五角形あるいは六角形の多角形状の胴体とするか、あるいは少なくともその内壁形状をこれらの多角形状とすることにより、所望の攪拌効果を得ることができる。すなわち、被処理物が角状部に堆積した状態で一定角度まで回転し、重力と拮抗した高さで滑り落ちることにより攪拌作用が発揮される。好ましくは、六角形状であり、より好ましくは、正六角形である。図3には、内壁14の断面形状が六角形の回転胴体4の一例を示している。
【0017】
図4及び図5には、内部胴体18を備える回転胴体4を示す。
内部胴体18は、回転胴体4の内周形状におおそよ沿った外形形態を備えており、回転胴体4と一体となって回転するようになっている。好ましくは、内部胴体18の胴体壁は、熱の保持性能が高いことが好ましい。例えば、ステンレス製を採用することができる。なお、筒状の内部胴体18を用いる場合、内部胴体18の胴体壁は回転胴体4の内壁を構成することになる。
また、回転胴体4と内部胴体18との間の環状空間に被処理物が移動しない遮蔽体となっていることが好ましい。
攪拌手段を備えた内部胴体18としては、図4に示すように、上記したリフター16を内周に有する筒状体を挙げることができる。
なお、図5に示すように、内周形状を上記した五角形あるいは六角形等の多角形状とした内部胴体18も攪拌手段を備えた内部胴体として採用することもできる。
【0018】
本装置の加熱手段30は、回転胴体4の外部に備えられている。本装置2においては、当該加熱手段30から回転胴体4を介して、さらに内部胴体18を備える場合には、回転胴体4と内部胴体18とを介して内部の被処理物に熱が供給される。
加熱手段30は、特に限定しないが、被処理物温度を適正な温度とするため、150℃以上に加熱できることが好ましい。より好ましくは、200℃以上である。二水石膏から半水石膏を得るには、150℃程度に加熱する必要があるからである。また、二水石膏から無水石膏を得るには、300℃以上に加熱可能であることが好ましい。
なお、本装置によれば、回転胴体4の内部が300℃以下でも、良質な半水石膏を得ることができる。したがって、半水石膏専用の製造装置の場合には、加熱手段30も最高到達温度が300℃とすることができる。同時に、回転胴体4の耐熱性も当該最高到達温度を基準に設定することができる。
さらに、本装置2によれば、回転胴体4の内部が750℃以下でも、良質な無水石膏を製造することができる。したがって、無水石膏専用の製造装置の場合には、加熱手段の最高到達温度を750℃とすることができる。同時に、耐熱温度750℃が確保されていればよい。同時に回転胴体の耐熱性も当該最高到達温度を基準に設定することができる。
【0019】
加熱手段30は、回転胴体4の外周の少なくとも一部の表面に熱を供給できるようになっている。好ましくは、回転胴体4の外周表面を均等に加熱できるようになっている。あるいは、回転胴体4のおおよそ全外周表面に熱を供給する形態とすることができる。
【0020】
加熱手段30は、図1に示すように、加熱された媒体が供給されるキャビティ32を備える中空状のジャケットとすることができる。この中空状ジャケットは、回転胴体4の外周部の少なくとも一部に配置されている。このジャケットは、回転胴体4の外周部の少なくとも一部に熱を供給できる形状を有している。通常、加熱媒体の温度あるいは種類によって被処理物に供給できる熱量を容易に調整することができるようになっている。中空状ジャケットは、その内部のキャビティ32に、加熱媒体が導入される一方、排出されるようになっていることが好ましい。なお、図1に示す装置2は、回転胴体4の全周面を覆い、かつ回転胴体4の長さのおおよそ全体に渡って形成された加熱手段30を備えている。
加熱媒体としては、液体、気体を問わないが、高温加熱を考慮すると、各種燃料を燃焼した燃焼ガスとすることが好ましい。例えば、木質系の燃料や液体や気体燃料の燃焼ガスとすることができる。好ましくはプロパンガスの燃焼ガスである。
燃焼バーナー等の熱発生手段は、本装置に別個に設けることもできるし、付随して設けることもできる。
なお、加熱手段30は、回転胴体4ととともに回転しないように設けられていることが好ましい。
【0021】
中空状ジャケットは、できるだけ回転胴体の外周壁に近接して設けられることが好ましい。すなわち、中空状ジャケットの壁部が回転胴体4の外周壁に近接しあるいは接触するように回転胴体4に装着されていることが好ましい。なお、熱効率を向上するには、中空状ジャケットの外周側等に適当な保温手段を備えることができる。
【0022】
中空状ジャケットは、1つであってもよく、また複数個設けることもできる。また、1つの中空状ジャケットは、1つのキャビティ32のみを備えていてもよいが、2以上のキャビティを備えることもできる。
中空状ジャケットは、回転胴体4の外周面を被覆し、回転胴体4の内部を適切に加熱する限りその形態を問わない。例えば、中空状ジャケットは、回転胴体4の長さ方向に沿って覆う形態とすることができる。この場合、中空状ジャケットを、回転胴体4の外周面の円周に沿って設けられる2個以上の中空管状体として備えることができる。あるいは、中空状ジャケットを回転胴体4の外周面の所定の範囲を一括して覆うように設けることもできる。この場合、中空状ジャケットを回転胴体4の外周面の周方向のおおよそ全体を覆う中空の外環状体とすることもできるし、周方向の全体に至らない円弧状部分を覆う中空の外環状体とすることもできる。
また、中空状ジャケットは、回転胴体4の長さ方向に沿って複数個備えることもできる。
【0023】
本装置2は、回転胴体4とこの回転胴体4の外部から回転胴体外周壁を介して当該胴体内部を加熱する外部加熱手段(伝導加熱式)30を備えているため、回転胴体4の内部の被処理物に対して均一に熱を供給することができる。従来の内熱方式(典型的にはバーナーの燃焼炎を回転胴体内部に直接導入する方式)では、被処理物の温度が局部的に上昇することが避けられず、また、ほとんど加熱されない被処理物もあった。特に二水石膏に当該内熱方式を適用した場合、二水石膏の分解を避けることはできず、一方で、良質な半水あるいは無水石膏を得ることは困難であった。加えて、石膏の分解によって、排気中へのSOxの飛散も避けられなかった。
【0024】
また、本装置2によれば、外部間接加熱方式であって、回転胴体4の壁部14を介して被処理物に均一に熱を供給できるため、従来の内熱式の回転乾燥装置に比較して低温で二水石膏から無水石膏を生成させることができる。
【0025】
さらに、本装置2において、回転胴体4内に攪拌手段を備える場合には、攪拌手段により、回転胴体内壁面14と被処理物の接触状態が均一化されているため、確実に均一な加熱が可能となる。
このために、過度に高温を要することなく、効率的に被処理物に所望の熱を供給することができる。特に、二水石膏から半水石膏あるいは無水石膏を得る場合には、適度な熱エネルギーの供給で良質な半水石膏あるいは無水石膏を得ることができる。このため、大量の二水石膏から効率的に良質な半水石膏等を得ることができる。したがって、特に、石炭火力発電所において生成される排煙脱硫石膏に好ましく用いることができる。
【0026】
次に、本装置2を用いて、被処理物を加熱する方法について説明する。以下の説明においては、特に、二水石膏(典型的には、石炭火力発電所において生成する排煙脱硫石膏)を加熱(仮焼)して、半水石膏あるいは無水石膏を得る工程を例示する。しかしながら、本発明方法は、当該例示によって拘束されるものではない。
被処理物の二水石膏を、予め所定の温度に設定した回転胴体4内に投入シュート等の投入部を介して投入する。なお、本装置2は、本来的に連続的な処理が可能であるが、回分方式で用いることもできる。
回転胴体4の内壁14あるいは内部胴体の内壁は、加熱手段により既に加熱されている。したがって、この内壁に二水石膏が接触することにより、二水石膏が加熱される。
【0027】
また、回転胴体4の大きさや温度条件等に基づいて適切な回転数が付与されている。回転に伴ない、回転胴体4内における二水石膏の堆積状態も変化するため、内壁を介する二水石膏への熱の伝導状態も変化し、熱の供給は、均一化されている。さらに、回転胴体4内に攪拌手段を備えることにより、内壁と二水石膏との接触状態が均質化される。
【0028】
このようにして二水石膏と回転胴体の内壁との接触が、二水石膏が回転胴体4の排出端に到達するまで継続される。これにより、十分な熱が二水石膏に供給され、供給される熱エネルギー量に応じて、半水石膏及び/又は無水石膏を得ることができる。
二水石膏から半水石膏を得るには、回転胴体4の内部の被処理物の温度としては、120℃以上とすることが好ましく、より好ましくは、130℃以上である。135℃〜150℃(約140℃)であると固化材用石膏として好ましい結晶性(X線回折法)と混水量(%)を備えた半水石膏を得ることができる。
また、好ましくは、被処理物の温度を200℃以下とすることが好ましく、より好ましくは、180℃以下である。200℃以下とすることにより、無水石膏(III型)の生成を抑制することができる。好ましくは、160℃以下であり、最も好ましくは135℃〜150℃(約140℃)である。
なお、二水石膏から半水石膏を得る場合、生成物は、半水石膏と半水石膏に近いIII型無水石膏との混合相となることが多いが、本方法によれば、加熱条件の設定を正確に実施できるため、温度条件の設定により、半水石膏と無水石膏との割合を調節することができる。
【0029】
二水石膏から無水石膏を得るには、回転胴体4の内部の被処理物の温度としては、300℃以上とすることが好ましく、より好ましくは、350℃以上、さらに好ましくは500℃以上とする。最も好ましくは650℃以上である。
また、好ましくは、被処理物の温度を750℃以下とすることが好ましい。750℃以下とすることで過剰な熱エネルギーの供給を回避して効率的に無水石膏を生成させることができるからである。
また、良好な結晶性を備えた無水石膏を得る観点からは、好ましくは、650℃以上750℃以下であり、より好ましくは、700℃以上750℃以下であり、さらに好ましくは、700℃以上720℃以下である。
なお、本方法によれば、二水石膏から、II型無水石膏を主体とする(あるいはII型のみからなり、III型無水石膏を含まない)無水石膏を容易に得ることができる。
【0030】
被処理物(生成物)が回転胴体の排出端に到達されると、排出シュートなどの排出部から排出される。
以上説明したように、本装置2による仮焼工程(加熱あるいは乾燥工程)を実施することにより、被処理物は、外部加熱手段を有する回転胴体4により、局部的に加熱されることが抑制され、均質に加熱される。したがって、本発明方法は、一般的な加熱方法や乾燥方法としても好ましい方法であるとともに、二水石膏から半水石膏あるいは無水石膏を得るなど、被処理物に対する熱の供給量(温度)が製品品質に大きな影響を及ぼす場合には、特に、好ましい方法となっている。
さらに、本装置2による工程では、熱供給の均質性ゆえに、原料及び生成粒子の二次凝集を有効に防止することができる。このため、原料の粒度分布がおおよそ維持した生成物を得ることができる。攪拌手段を備えることは、加熱の均質性を向上するとともに、二次凝集の抑制の点においても有効である。
【0031】
また、二水石膏としての排煙脱硫石膏は、その粒度が、粒径106μm以下の粒子が全体の90wt%以上を占めることが多く、粒子の表面積が大きく、また、回転胴体内の堆積状態もかさ高いものとなっている。このため、特に回転胴体に攪拌手段を備えることにより、均質な加熱が達成され、固化材用に適した半水石膏及び無水石膏を得ることができる。また、被処理物における温度制御を正確に達成できるため、石膏の相制御も容易となっている。
したがって、本装置によれば、粒度が、粒径106μm以下の粒子が全体の90wt%以上を占める二水石膏(典型的には排煙脱硫石膏)を利用することにより、これらの二水石膏粒子の二次凝集を抑制して、仮焼前の粒度分布、すなわち、106μm以下の粒子が全体の90wt%以下の半水石膏粒子及び/又は無水石膏粒子を容易に得ることができる。かかる粒度分布は、後述するように、セメントなどの固化材として使用する場合にその反応性が高まる点において好ましいものである。
したがって、排煙脱硫石膏を本装置を用いて仮焼することにより、好ましい粒度分布の(セメントとの反応性に優れた)石膏組成物を効率的に得ることができる。
【0032】
次に、特に、排煙脱硫石膏を二水石膏として用いて、本装置を用いて半水石膏あるいは無水石膏を製造した場合の生成物、すなわち、半水石膏及び/又は無水石膏を含有する石膏組成物について説明する。
排煙脱硫石膏は、粒径が106μm以下のものが90wt%以上であることが多く、しかも、本発明によれば、これを原料として得られる石膏組成物においても、その粒度分布が維持されている。
本発明方法によって得られる半水石膏及び無水石膏を含有する組成物は、かかる粒度分布を備えることとその均質性(結晶性)から、セメントなどの固化材として有効である。したがって、本発明によって得られる石膏組成物は、各種固化材、すなわち、セメント系の地盤改良剤やフライアッシュやスラグなどの汚泥固化剤等の成分としてとしての優れた性能を発揮する。例えば、本発明の半水石膏組成物は、従来地盤改良用石膏として使用されているボード用半水石膏よりも優れた反応性と固化材性能、特に、初期の硬化性に優れているとともに、強度の高い固化物を得ることができる。また、本発明の無水石膏組成物は、従来地盤改良用石膏として利用されているフッ酸石膏よりも優れた反応性と固化物性能を有している。
したがって、本発明方法によって得られる半水石膏及び/又は無水石膏を含有する組成物は、いずれも有用な固化材を提供することができる。
【0033】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明するが、これらの実施例は、発明をより具体的に説明するものであって、本発明を限定するものではない。なお、以下の実施例において特に明示しない限り%はwt%を意味するものとする。
(実施例1)
仮焼試験
二水石膏として、石炭火力発電所で副生した排煙脱硫石膏(付着水分7.6%、純度98.0%、真比重2.342、容重1.22、粉末度106μmメッシュ残分2.5%)を用いて、仮焼試験を行った。断面内周が正六角形のステンレス製回転胴体と、当該回転胴体の外周に備えた加熱手段とを備えるロータリードライヤーを用いた。加熱手段は、プロパンガスの燃焼ガスを供給する手段とした。加熱条件は、回転胴体内の被処理物温度が140℃となるようにした。
【0034】
この試験によれば、回転胴体内の二水石膏は、内壁の角状部に二水石膏が堆積した状態で一定角度にまで回転した後、滑り落ちていることがわかった。また、生成した石膏組成物をX線回折法により分析したところ、半水石膏と無水石膏との混合相を有していることがわかった。
なお、比較例として、前記装置において断面内周が円形のステンレス製回転胴体に替えたものを使用する以外は同条件で半水石膏の製造試験を行ったところ、生成物は、二水石膏、半水石膏及び無水石膏の混合相を有していた。
これらの結果から、断面内周が円形の回転胴体にあっては、均質な熱の供給が困難である一方、断面内周に角状部を備える回転胴体によれば、均質な熱の供給が可能であることがわかった。
【0035】
(実施例2)
半水石膏の製造試験1
本実施例では、実施例1と同様の排煙脱硫石膏を用い、実施例1の装置において内部にリフターを備え内周断面が円形の内部胴体を回転胴体の内部に挿入したものを使用して、半水石膏の製造試験を行った。回転胴体の傾斜角は1%であり、また、試験条件は、温度条件の異なる3種の条件を設定した。
条件1:回転胴体外部入口側温度200℃
供給量30kg(5kg/10分×6回)
回転胴体の回転数:5rpm
条件2:回転胴体外部入口側温度220℃
供給量30kg(5kg/10分×6回)
回転胴体の回転数:5rpm
条件3:回転胴体外部入口側温度240℃
供給量30kg(5kg/10分×8回)
回転胴体の回転数:5rpm
なお、試験にあたっては、回転胴体の入り口側と出口側との温度を測定するとともに、二水石膏内部に熱電対を挿入して仮焼物の温度も測定した。
各条件での試験開始からそれぞれ表1〜3に示す時間経過時において、回転胴体の出口側の仮焼物を採取し、混水量を測定した。試験法は、後述するように、最終的に得られた仮焼物と同様におこなった。
【表1】
【表2】
【表3】
【0036】
表1〜3に示すように、仮焼温度が上昇するとともに、混水量が変化することがわかった。混水量の変化は、結晶の変化を意味するが、各試料のX線回折による分析で、いずれの試料においても、半水石膏と無水石膏との混合相であった。
【0037】
さらに、各条件で最終的に得られた仮焼物について、各種試験を行った。その結果を表4に示す。なお、各試験項目は、それぞれ以下の試験方法により実施された。併せて、市販のボード用石膏の結果も示す。
1.付着水分
JIS R9101に従い、45℃±4℃で2時間空気浴前後の増加重量を測定し、空気浴前の重量に対する%として算出した。
2.赤外線水分
170℃、20分間加熱減量後における水分を赤外線水分計により測定した。3.比重
JIS R5201に従い、ルシャテリエ比重瓶を使用して測定した。
4.粉末度
各メッシュサイズのメッシュを使用した。
5.混水量
JIS R9112に従い、最適量の水を測定した。
6.凝結
JIS R9112に従い、混水量の水中に投入し始めてから凝結するまでの時間を測定した。
7.容重
100mlのメスシリンダーに50gの試料を入れ、5分間底部をゴム板上にたたいて締め固め、メスシリンダーの目盛りを読取り算出した。
【表4】
表4に示すように、各仮焼物と市販のボード用石膏の比重はほぼ同等であった。このことは、これらの仮焼物が市販ボード用石膏と同等の結晶性を有することを意味する。なお、結晶性の同等性は、各仮焼物と市販物とをX線回折法による回折ピークの半値幅から確認することができた。なお、各仮焼物は、いずれも半水石膏と半水石膏に近いIII型無水石膏との混合相を有していた。
また、粉末度試験から明らかなように、各仮焼物は、106μm以下の粒径粒子が全体の90%以上を占めていた。
凝結試験からは、仮焼物が市販ボード用石膏よりも速やかな凝結性を有しており、初期硬化性が優れることがわかった。
【0038】
(実施例3)
汚泥の固化試験
固化対象物として、発電所で発生する汚泥とし、固化材成分としては、フライアッシュ及び/又はスラグ、実施例2の条件2の仮焼物を用いた。固化材組成物としては一般的な組成を採用して固化試験を行った。すなわち、ベース組成として、▲1▼石膏70wt%、フライアッシュ20wt%、スラグ10wt%、及び▲2▼石膏70wt%、スラグ30wt%を採用した。また、比較例として市販のボード用石膏(半水石膏)についても同様の固化試験を行った。
上記ベース組成、及びこのベース組成に対してフライアッシュを所定量追加したものと所定量の汚泥(汚泥に対して20%の固化材とした)とを混練して得た固化物について、それぞれ2時間後のコーン指数を測定した。また、上記▲2▼のベースについての固化物については、さらに1週間後及び4週間後のコーン指数も併せて測定した。
なお、固化試験は、モルタルミキサーで所定の汚泥と固化剤とを5分間混練し、混練物をビニール袋にいれて20℃の室内にて養生し、所定時間経過後にコーン指数を測定することにより行った。コーン指数の測定は、直径10cmのモールドに試料を3層に分けていれ、2.5kgのランマーで1層あたり25回つき固め、コーンペネトロメーター(コーン直径20.32cm)を1cm/sの速度で貫入させ、5cm、7.5cm及び10cm貫入時の力計の読みを平均する。なお、コーン指数は以下の式から求められる。
コーン指数=ダイアルゲージの読み×4.476)/3.24〔N/cm3〕
結果を、図6〜図8に示す。
【0039】
これらの結果から明らかなように、実施例2の仮焼物を用いた固化物は、市販物よりも高いコーン指数を呈した。これは、本仮焼物の結晶性と粒度分布との相乗効果によるものと考えられた。
【0040】
(実施例4)
無水石膏の製造試験1
本実施例では、実施例2で使用したのと同様の排煙脱硫石膏と装置を用いて、無水石膏の製造試験を行った。
また、試験条件は、温度条件の異なる3種の条件を設定した。
条件1:回転胴体外部設定温度300〜330℃
供給量30kg(5kg/10分×6回)
回転胴体の回転数:5rpm
条件2:回転胴体外部設定500〜520℃
供給量30kg(5kg/10分×6回)
回転胴体の回転数:5rpm
条件3:回転胴体外部設定温度700〜705℃
供給量30kg(5kg/10分×8回)
回転胴体の回転数:5rpm
なお、試験にあたっては、回転胴体内の二水石膏中に熱電対を挿入して仮焼物温度を測定した。
各条件での仮焼工程を実施して、順次排出された仮焼物を合わせ、この仮焼物の容重を測定した。結果を表5に示す。
【表5】
【0041】
表5に示すように、設定温度が高くなるにつれ、容重値が大きくなった。しかしながら、いずれの条件においても、生成物はII型無水石膏の単一相であることがX線回折法により確認することができた。また、これらの結果から、回転胴体内の温度が750℃以下であっても、無水石膏を得られることがわかった。
【0042】
さらに、各条件で最終的に得られた仮焼物について、各種試験を行った。各試験は、凝結性以外の試験については実施例2と同様の方法を採用した。凝結性に関しては、Na2SO4を添加する方法を採用した。すなわち、100重量部の石膏に対して、2重量部のNa2SO4を添加した。これらの結果を表6に示す。併せて、市販の硬石膏の結果も示す。
【0043】
【表6】
【0044】
表6に示すように、各仮焼物と市販の硬石膏(1)及び(2)の比重はほぼ同等であった。このことは、これらの仮焼物が市販の硬石膏と同等の結晶性を有することを意味する。なお、結晶性の同等性は、各仮焼物と市販物とをX線回折法による回折ピークの半値幅から確認することができた。なお、各仮焼物は、いずれもII型無水石膏の単一相を有していた。また、混水量の試験結果からも、いずれの仮焼物も、III型無水石膏を含有していないことが明らかであった。
また、粉末度試験から明らかなように、各仮焼物は、106μm以下の粒径粒子が全体の90%以上を占めていた。
凝結試験からは、仮焼物が市販硬石膏よりも速やかな凝結性を有しており、初期硬化性が優れることがわかった。
【0045】
(実施例5)
汚泥の固化試験
固化対象物として、堆積粘土を用い、石膏としては、実施例4の条件3の仮焼物を用い、固化組成物としては一般的な組成を採用して固化試験を行った。結果を、表7に示す。
なお、試験方法は、以下の通りとした。
1.固化材の材料
固化材の材料としては、普通セメント55重量%、エスメント(スラグの一種)37重量%、無水石膏8重量%とした。この無水石膏として、実施例4の条件3の無水石膏を使用する一方、市販品(フッ酸石膏)を利用した。
2.汚泥
汚泥は、採取した堆積粘土とした。
3.汚泥調整
堆積粘土に水を加えて混合して含水比70%(含水率41.2%)前後に調整した。
4.配合
汚泥を1000ccのモールドに詰めて、単位体積重量を測定して、所定の配合に対する汚泥と固化材との混合量を決定した。
5.固化試験
▲1▼汚泥の含水比測定
汚泥2gを採取し、赤外線水分計により含水比を測定した。
▲2▼混練
モルタルミキサー(混合能力10リットル)を用いて、所定量の汚泥と固化剤を5分間混合(1回の混合量は3〜5kg)
▲3▼養生
混合した汚泥をビニール袋に入れて密閉し、20℃の部屋で養生した。
6.確認試験
7日間養生した試料について、以下の試験を実施した。
▲1▼コーン指数の測定
直径10cmのモールドに試料を3層に分けて入れ、2.5kgのランマーで1層当たり25回つき固める。このとき、モールド(1リットル)内の固化汚泥重量を測定し、概略の密度を求める。次に、コーンペネトロメーター(コーン直径20.32cm)を1cm/sの速度で貫入させ、5cm、7.5cm、10cm貫入のときの力計の読みを平均した。
コーン指数=(ダイヤルゲージの読み×4.476)/3.24(N/cm2)
▲2▼再泥化試験
ビーカーに固化物約60gと純水100mlとを入れてよく攪拌し、ただちに水が澄んでくるかどうかを確認した。汚泥と水との分離に時間がかかる場合は、5分後の状況で確認した。
【0046】
【表7】
表7に示すように、得られた固化物は、市販のフッ酸石膏と同等かそれを超える性能を有していた。したがって、本発明において得られる無水石膏は、固化材成分としても使用できることが確認できた。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、石炭火力発電所において発生する排煙脱硫石膏などの二水石膏から均質な半水・無水石膏を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる装置の概略を示す図である。
【図2】回転胴体に備えられるリフターの形態を示す図である。
【図3】回転胴体の内壁形状を断面多角形にすることの一例(本図においては六角形)を示す図である。
【図4】内部胴体に備えられるリフターの形態を示す図である。
【図5】内部胴体の内壁形状を断面多角形にすることの一例(本図においては六角形)を示す図である。
【図6】使用石膏の違いによる固化汚泥強度を比較したグラフ図である。
【図7】使用石膏の違いによる固化汚泥強度を比較したグラフ図である。
【図8】フライアッシュの追加混合量と強度との関係を示す図である。
【符号の説明】
2 装置
4 回転胴体
12 中空部
14 内壁
20 導入部
30 加熱手段
40 排出部
【発明の属する技術分野】
この発明は、二水石膏を仮焼して、半水石膏あるいは無水石膏として利用する技術に関し、特に、石炭火力発電所において副生する二水石膏である排煙脱硫石膏から半水石膏あるいは無水石膏を取得する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、工業的に利用されている石膏には、天然に産出されるものと、化学的に製造されるものとがある。日本におけるこれらの石膏の市場は、全体で年間約900万トンに達している。このうち、無水石膏は約40万トンであり、半水石膏は、450万トンとなっている。
【0003】
無水石膏の供給は、国内にて副生するフッ酸石膏と天然に産する無水石膏とでまかなわれてきている。近年、地盤改良材の原料としての需要が増加してきている一方、フッ酸石膏が減産される傾向にあるため、無水石膏の新たな供給源が求められている。そこで、工業的過程などで副生する二水石膏が着目されている。すなわち、二水石膏から無水石膏を製造する方法が期待されている。
【0004】
また、半水石膏は、主としてボード用、陶磁器用型材などとして使用されている。さらに、近年、弱酸性であること、及び初期硬化性に優れることから、中性領域の固化材(地盤改良材あるいは汚泥処理材としての用途を含む)としての開発が期待されている。一般に、半水石膏は、二水石膏を供給源として製造されている。
【0005】
二水石膏は、その結合水の状態により、半水石膏を経て無水石膏にまで形態変化する。一般的に、二水石膏を仮焼して半水石膏を得、さらに高温で仮焼して無水石膏を得る半水石膏を得るには、150℃前後の温度が必要であり、無水石膏を得るには、500℃以上の温度が必要であるとされている。
【0006】
二水石膏から半水石膏を得るには、熱風加熱式乾燥機、湿式加圧式キルン、蒸気加圧式回転キルンなどが利用されている。特に、α型半水石膏を製造する場合は、湿式法による特殊な装置が導入されている。また、気流中で分散搬送しながら熱交換を行う方法も考えられる(特許文献1、特許請求の範囲等)。
また、加熱用外筒及び3個の仕切り板と羽根による攪拌機を有する内筒で構成される耐圧容器で、原料供給と製品排出する手段を有する含水せっこうを焼成するための連続式製造装置も記載されている(特許文献2、特許請求の範囲等)。また、近年、石こう廃材からセメント組成物用無水石こう類を製造する方法がある(特許文献3、特許請求の範囲等)。
【0007】
【特許文献1】
特開昭48−56719
【特許文献2】
特開昭58−115048
【特許文献3】
特開2002−68740
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの方法や装置を利用した場合、品質の優れた半水石膏を得ることが困難であった。また、これらの装置を利用して無水石膏を得ようとすると、汎用的な上記装置の耐熱温度を超えてしまうため、これらの装置によっては、無水石膏を安価に得るのは現実的ではなかった。
一方、石炭火力発電所においては、副生石膏として排煙脱硫石膏が大量に生成されるため、この排煙脱硫石膏の再利用方法の開発が望まれている。
【0009】
そこで、本発明では、石炭火力発電所において発生する排煙脱硫石膏などの二水石膏から均質な半水・無水石膏を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、排煙脱硫石膏などの二水石膏を仮焼して半水石膏あるいは無水石膏を得るのに際し、その加熱方式を種々検討した結果、特定加熱形態のロータリーキルンを用いることにより、均質な半水石膏及び無水石膏を生産性よく製造できることを見出し、本発明を完成した。また、当該製造技術によって得られる石膏組成物が固化材として有用であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明によれば、以下の手段が提供される。
【0011】
(1)半水石膏の製造方法であって、
二水石膏を、以下の乾燥装置;
回転胴体と、
この回転胴体の外部に備えられる加熱手段、
とを備える回転乾燥装置を使用して仮焼する工程を備える、方法。
(2)前記加熱手段は、回転胴体の外周に加熱された媒体が導入されるキャビティを備える、(1)記載の方法。
(3)前記仮焼温度は200℃以下である、(1)又は(2)に記載の方法。
(4)前記二水石膏の粒度が、粒径106μm以下の粒子が全体の90wt%以上である、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の方法によって製造される半水石膏を含有する固化材。
(6)無水石膏の製造方法であって、
二水石膏を、以下の乾燥装置;
回転胴体と、
この回転胴体の外部に備えられる加熱手段、
とを備える回転乾燥装置を使用して仮焼する工程を備える、方法。
(7)前記加熱手段は、回転胴体の外周に加熱された媒体が導入されるキャビティを備える、(6)記載の方法。
(8)前記仮焼温度は750℃以下である、(6)又は(7)に記載の方法。
(9)前記二水石膏の粒度が、粒径106μm以下の粒子が全体の90wt%以上である、請求項6〜8のいずれかに記載の方法。
(10)(6)〜(9)のいずれかに記載の方法によって製造される無水石膏を含有する固化材。
(11)半水石膏又は無水石膏の製造装置であって、
回転胴体と、
この回転胴体の外部に備えられる加熱手段、
とを備える、装置。
(12)前記加熱手段は、回転胴体の外周に加熱された媒体が導入されるキャビティを備える、(11)記載の装置。
(13)前記胴体内壁には、リフターを備える、(11)又は(12)に記載の装置。
(14)前記回転胴体内部には、リフターを有する内部胴体を備える、(11)又は(12)に記載の装置。
(15)前記回転胴体内壁が断面六角形状である、あるいは、回転胴体内部に、内部断面が六角形状の内部胴体を備える、(11)又は(12)に記載の装置。
【0012】
これらの発明によれば排煙脱硫石膏などの二水石膏を、回転胴体を外部から加熱することにより、均質な加熱状態で仮焼することができる。このため、生産性よく半水石膏あるいは無水石膏を製造することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の半水石膏あるいは無水石膏の製造方法は、いずれも、二水石膏を、以下の乾燥装置;
二水石膏が投入される回転胴体と、
この回転胴体の外部に備えられる加熱手段、
とを備える回転乾燥装置を使用して仮焼する工程を備えている。
また、本発明の装置は、
回転胴体と、
この回転胴体の外部に備えられる加熱手段、
とを備えている。この装置は、乾燥装置でもあり、半水石膏又は無水石膏の製造装置でもある。
まず、本発明の装置について説明し、次いで、この装置を用いた半水石膏あるいは無水石膏の製造工程について説明する。
【0014】
本装置の概略を図1に示す。
本装置2に備えられる回転胴体4は、ほぼ水平から傾斜した状態で配置される中空部12を有する横長状となっている。通常、被処理物の投入側から排出側へと下方に傾斜する状態で配置される。
回転胴体4は、その傾斜状態を適宜調整可能に昇降手段を備えることもできる。また、回転胴体4は、適当に支持されて、駆動手段によってその軸心を中心に回転可能に備えられている。
また、回転胴体4には、被処理物の導入部20と排出部40とが備えられている。これらの導入部20及び排出部40は、通常のロータリードライヤーと同様の構成とすることができる。また、通常のロータリードライヤーにおける導入部や排出部と同様にシールしておくことができる。
回転胴体4の材質は特に限定しないが、特に二水石膏の仮焼などに用いる場合を考慮すれば、耐酸性の材料を用いることが好ましい。例えば、ステンレスを採用することができる。
【0015】
回転胴体4の内部には、被処理物に対する熱供給をより均質化するための、回転胴体4の内部の被処理物の攪拌手段が備えられている。特に図示はしないが、本装置2は、後述するように、内壁14が熱伝導部位となっているため、回転胴体4内における被処理物の混合あるいは流動状態を確保することが重要である。攪拌手段としては、特に限定しないが、本装置2における被加熱部位である内壁14に対する被処理物の流動状態を確保することができることが好ましい。すなわち、回転胴体4内に堆積する被処理物は、熱伝導体である内壁に近いほど高温となり、内壁から遠いほど低温となっている。したがって、内壁に対して被処理物を流動させ、特に内壁14に対する距離を固定しないで変化させることにより、被処理物に対して均一に熱を供給することができる。かかる攪拌手段としては、具体的に、回転胴体4の回転に伴なって被処理物をかき上げ、ある高さから流下可能とするものなど、回転胴体4の回転に伴なって回転胴体4の内壁14側における被処理物の流動性を向上させるものであることが好ましい。
【0016】
攪拌手段としては、回転胴体内壁14に直接備えられるものと、回転胴体内部に挿入配設可能な内部胴体に一体化されるものとがある。
回転胴体内壁14に直接備えられるものとしては、内壁14に所定配置状態で配されるリフター(かき上げ翼)を挙げることができる。リフターは、内壁から中心側を指向して突出状に備えられる平板状体である。この平板状体の先端側を屈曲された形態とすることもできる。リフターの配設形態の一例を図2に示す。図2には、回転胴体4の内壁14に直接設けられたリフター14を例示している。
なお、回転胴体4は、通常円筒状体であるが、全体を断面五角形あるいは六角形の多角形状の胴体とするか、あるいは少なくともその内壁形状をこれらの多角形状とすることにより、所望の攪拌効果を得ることができる。すなわち、被処理物が角状部に堆積した状態で一定角度まで回転し、重力と拮抗した高さで滑り落ちることにより攪拌作用が発揮される。好ましくは、六角形状であり、より好ましくは、正六角形である。図3には、内壁14の断面形状が六角形の回転胴体4の一例を示している。
【0017】
図4及び図5には、内部胴体18を備える回転胴体4を示す。
内部胴体18は、回転胴体4の内周形状におおそよ沿った外形形態を備えており、回転胴体4と一体となって回転するようになっている。好ましくは、内部胴体18の胴体壁は、熱の保持性能が高いことが好ましい。例えば、ステンレス製を採用することができる。なお、筒状の内部胴体18を用いる場合、内部胴体18の胴体壁は回転胴体4の内壁を構成することになる。
また、回転胴体4と内部胴体18との間の環状空間に被処理物が移動しない遮蔽体となっていることが好ましい。
攪拌手段を備えた内部胴体18としては、図4に示すように、上記したリフター16を内周に有する筒状体を挙げることができる。
なお、図5に示すように、内周形状を上記した五角形あるいは六角形等の多角形状とした内部胴体18も攪拌手段を備えた内部胴体として採用することもできる。
【0018】
本装置の加熱手段30は、回転胴体4の外部に備えられている。本装置2においては、当該加熱手段30から回転胴体4を介して、さらに内部胴体18を備える場合には、回転胴体4と内部胴体18とを介して内部の被処理物に熱が供給される。
加熱手段30は、特に限定しないが、被処理物温度を適正な温度とするため、150℃以上に加熱できることが好ましい。より好ましくは、200℃以上である。二水石膏から半水石膏を得るには、150℃程度に加熱する必要があるからである。また、二水石膏から無水石膏を得るには、300℃以上に加熱可能であることが好ましい。
なお、本装置によれば、回転胴体4の内部が300℃以下でも、良質な半水石膏を得ることができる。したがって、半水石膏専用の製造装置の場合には、加熱手段30も最高到達温度が300℃とすることができる。同時に、回転胴体4の耐熱性も当該最高到達温度を基準に設定することができる。
さらに、本装置2によれば、回転胴体4の内部が750℃以下でも、良質な無水石膏を製造することができる。したがって、無水石膏専用の製造装置の場合には、加熱手段の最高到達温度を750℃とすることができる。同時に、耐熱温度750℃が確保されていればよい。同時に回転胴体の耐熱性も当該最高到達温度を基準に設定することができる。
【0019】
加熱手段30は、回転胴体4の外周の少なくとも一部の表面に熱を供給できるようになっている。好ましくは、回転胴体4の外周表面を均等に加熱できるようになっている。あるいは、回転胴体4のおおよそ全外周表面に熱を供給する形態とすることができる。
【0020】
加熱手段30は、図1に示すように、加熱された媒体が供給されるキャビティ32を備える中空状のジャケットとすることができる。この中空状ジャケットは、回転胴体4の外周部の少なくとも一部に配置されている。このジャケットは、回転胴体4の外周部の少なくとも一部に熱を供給できる形状を有している。通常、加熱媒体の温度あるいは種類によって被処理物に供給できる熱量を容易に調整することができるようになっている。中空状ジャケットは、その内部のキャビティ32に、加熱媒体が導入される一方、排出されるようになっていることが好ましい。なお、図1に示す装置2は、回転胴体4の全周面を覆い、かつ回転胴体4の長さのおおよそ全体に渡って形成された加熱手段30を備えている。
加熱媒体としては、液体、気体を問わないが、高温加熱を考慮すると、各種燃料を燃焼した燃焼ガスとすることが好ましい。例えば、木質系の燃料や液体や気体燃料の燃焼ガスとすることができる。好ましくはプロパンガスの燃焼ガスである。
燃焼バーナー等の熱発生手段は、本装置に別個に設けることもできるし、付随して設けることもできる。
なお、加熱手段30は、回転胴体4ととともに回転しないように設けられていることが好ましい。
【0021】
中空状ジャケットは、できるだけ回転胴体の外周壁に近接して設けられることが好ましい。すなわち、中空状ジャケットの壁部が回転胴体4の外周壁に近接しあるいは接触するように回転胴体4に装着されていることが好ましい。なお、熱効率を向上するには、中空状ジャケットの外周側等に適当な保温手段を備えることができる。
【0022】
中空状ジャケットは、1つであってもよく、また複数個設けることもできる。また、1つの中空状ジャケットは、1つのキャビティ32のみを備えていてもよいが、2以上のキャビティを備えることもできる。
中空状ジャケットは、回転胴体4の外周面を被覆し、回転胴体4の内部を適切に加熱する限りその形態を問わない。例えば、中空状ジャケットは、回転胴体4の長さ方向に沿って覆う形態とすることができる。この場合、中空状ジャケットを、回転胴体4の外周面の円周に沿って設けられる2個以上の中空管状体として備えることができる。あるいは、中空状ジャケットを回転胴体4の外周面の所定の範囲を一括して覆うように設けることもできる。この場合、中空状ジャケットを回転胴体4の外周面の周方向のおおよそ全体を覆う中空の外環状体とすることもできるし、周方向の全体に至らない円弧状部分を覆う中空の外環状体とすることもできる。
また、中空状ジャケットは、回転胴体4の長さ方向に沿って複数個備えることもできる。
【0023】
本装置2は、回転胴体4とこの回転胴体4の外部から回転胴体外周壁を介して当該胴体内部を加熱する外部加熱手段(伝導加熱式)30を備えているため、回転胴体4の内部の被処理物に対して均一に熱を供給することができる。従来の内熱方式(典型的にはバーナーの燃焼炎を回転胴体内部に直接導入する方式)では、被処理物の温度が局部的に上昇することが避けられず、また、ほとんど加熱されない被処理物もあった。特に二水石膏に当該内熱方式を適用した場合、二水石膏の分解を避けることはできず、一方で、良質な半水あるいは無水石膏を得ることは困難であった。加えて、石膏の分解によって、排気中へのSOxの飛散も避けられなかった。
【0024】
また、本装置2によれば、外部間接加熱方式であって、回転胴体4の壁部14を介して被処理物に均一に熱を供給できるため、従来の内熱式の回転乾燥装置に比較して低温で二水石膏から無水石膏を生成させることができる。
【0025】
さらに、本装置2において、回転胴体4内に攪拌手段を備える場合には、攪拌手段により、回転胴体内壁面14と被処理物の接触状態が均一化されているため、確実に均一な加熱が可能となる。
このために、過度に高温を要することなく、効率的に被処理物に所望の熱を供給することができる。特に、二水石膏から半水石膏あるいは無水石膏を得る場合には、適度な熱エネルギーの供給で良質な半水石膏あるいは無水石膏を得ることができる。このため、大量の二水石膏から効率的に良質な半水石膏等を得ることができる。したがって、特に、石炭火力発電所において生成される排煙脱硫石膏に好ましく用いることができる。
【0026】
次に、本装置2を用いて、被処理物を加熱する方法について説明する。以下の説明においては、特に、二水石膏(典型的には、石炭火力発電所において生成する排煙脱硫石膏)を加熱(仮焼)して、半水石膏あるいは無水石膏を得る工程を例示する。しかしながら、本発明方法は、当該例示によって拘束されるものではない。
被処理物の二水石膏を、予め所定の温度に設定した回転胴体4内に投入シュート等の投入部を介して投入する。なお、本装置2は、本来的に連続的な処理が可能であるが、回分方式で用いることもできる。
回転胴体4の内壁14あるいは内部胴体の内壁は、加熱手段により既に加熱されている。したがって、この内壁に二水石膏が接触することにより、二水石膏が加熱される。
【0027】
また、回転胴体4の大きさや温度条件等に基づいて適切な回転数が付与されている。回転に伴ない、回転胴体4内における二水石膏の堆積状態も変化するため、内壁を介する二水石膏への熱の伝導状態も変化し、熱の供給は、均一化されている。さらに、回転胴体4内に攪拌手段を備えることにより、内壁と二水石膏との接触状態が均質化される。
【0028】
このようにして二水石膏と回転胴体の内壁との接触が、二水石膏が回転胴体4の排出端に到達するまで継続される。これにより、十分な熱が二水石膏に供給され、供給される熱エネルギー量に応じて、半水石膏及び/又は無水石膏を得ることができる。
二水石膏から半水石膏を得るには、回転胴体4の内部の被処理物の温度としては、120℃以上とすることが好ましく、より好ましくは、130℃以上である。135℃〜150℃(約140℃)であると固化材用石膏として好ましい結晶性(X線回折法)と混水量(%)を備えた半水石膏を得ることができる。
また、好ましくは、被処理物の温度を200℃以下とすることが好ましく、より好ましくは、180℃以下である。200℃以下とすることにより、無水石膏(III型)の生成を抑制することができる。好ましくは、160℃以下であり、最も好ましくは135℃〜150℃(約140℃)である。
なお、二水石膏から半水石膏を得る場合、生成物は、半水石膏と半水石膏に近いIII型無水石膏との混合相となることが多いが、本方法によれば、加熱条件の設定を正確に実施できるため、温度条件の設定により、半水石膏と無水石膏との割合を調節することができる。
【0029】
二水石膏から無水石膏を得るには、回転胴体4の内部の被処理物の温度としては、300℃以上とすることが好ましく、より好ましくは、350℃以上、さらに好ましくは500℃以上とする。最も好ましくは650℃以上である。
また、好ましくは、被処理物の温度を750℃以下とすることが好ましい。750℃以下とすることで過剰な熱エネルギーの供給を回避して効率的に無水石膏を生成させることができるからである。
また、良好な結晶性を備えた無水石膏を得る観点からは、好ましくは、650℃以上750℃以下であり、より好ましくは、700℃以上750℃以下であり、さらに好ましくは、700℃以上720℃以下である。
なお、本方法によれば、二水石膏から、II型無水石膏を主体とする(あるいはII型のみからなり、III型無水石膏を含まない)無水石膏を容易に得ることができる。
【0030】
被処理物(生成物)が回転胴体の排出端に到達されると、排出シュートなどの排出部から排出される。
以上説明したように、本装置2による仮焼工程(加熱あるいは乾燥工程)を実施することにより、被処理物は、外部加熱手段を有する回転胴体4により、局部的に加熱されることが抑制され、均質に加熱される。したがって、本発明方法は、一般的な加熱方法や乾燥方法としても好ましい方法であるとともに、二水石膏から半水石膏あるいは無水石膏を得るなど、被処理物に対する熱の供給量(温度)が製品品質に大きな影響を及ぼす場合には、特に、好ましい方法となっている。
さらに、本装置2による工程では、熱供給の均質性ゆえに、原料及び生成粒子の二次凝集を有効に防止することができる。このため、原料の粒度分布がおおよそ維持した生成物を得ることができる。攪拌手段を備えることは、加熱の均質性を向上するとともに、二次凝集の抑制の点においても有効である。
【0031】
また、二水石膏としての排煙脱硫石膏は、その粒度が、粒径106μm以下の粒子が全体の90wt%以上を占めることが多く、粒子の表面積が大きく、また、回転胴体内の堆積状態もかさ高いものとなっている。このため、特に回転胴体に攪拌手段を備えることにより、均質な加熱が達成され、固化材用に適した半水石膏及び無水石膏を得ることができる。また、被処理物における温度制御を正確に達成できるため、石膏の相制御も容易となっている。
したがって、本装置によれば、粒度が、粒径106μm以下の粒子が全体の90wt%以上を占める二水石膏(典型的には排煙脱硫石膏)を利用することにより、これらの二水石膏粒子の二次凝集を抑制して、仮焼前の粒度分布、すなわち、106μm以下の粒子が全体の90wt%以下の半水石膏粒子及び/又は無水石膏粒子を容易に得ることができる。かかる粒度分布は、後述するように、セメントなどの固化材として使用する場合にその反応性が高まる点において好ましいものである。
したがって、排煙脱硫石膏を本装置を用いて仮焼することにより、好ましい粒度分布の(セメントとの反応性に優れた)石膏組成物を効率的に得ることができる。
【0032】
次に、特に、排煙脱硫石膏を二水石膏として用いて、本装置を用いて半水石膏あるいは無水石膏を製造した場合の生成物、すなわち、半水石膏及び/又は無水石膏を含有する石膏組成物について説明する。
排煙脱硫石膏は、粒径が106μm以下のものが90wt%以上であることが多く、しかも、本発明によれば、これを原料として得られる石膏組成物においても、その粒度分布が維持されている。
本発明方法によって得られる半水石膏及び無水石膏を含有する組成物は、かかる粒度分布を備えることとその均質性(結晶性)から、セメントなどの固化材として有効である。したがって、本発明によって得られる石膏組成物は、各種固化材、すなわち、セメント系の地盤改良剤やフライアッシュやスラグなどの汚泥固化剤等の成分としてとしての優れた性能を発揮する。例えば、本発明の半水石膏組成物は、従来地盤改良用石膏として使用されているボード用半水石膏よりも優れた反応性と固化材性能、特に、初期の硬化性に優れているとともに、強度の高い固化物を得ることができる。また、本発明の無水石膏組成物は、従来地盤改良用石膏として利用されているフッ酸石膏よりも優れた反応性と固化物性能を有している。
したがって、本発明方法によって得られる半水石膏及び/又は無水石膏を含有する組成物は、いずれも有用な固化材を提供することができる。
【0033】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明するが、これらの実施例は、発明をより具体的に説明するものであって、本発明を限定するものではない。なお、以下の実施例において特に明示しない限り%はwt%を意味するものとする。
(実施例1)
仮焼試験
二水石膏として、石炭火力発電所で副生した排煙脱硫石膏(付着水分7.6%、純度98.0%、真比重2.342、容重1.22、粉末度106μmメッシュ残分2.5%)を用いて、仮焼試験を行った。断面内周が正六角形のステンレス製回転胴体と、当該回転胴体の外周に備えた加熱手段とを備えるロータリードライヤーを用いた。加熱手段は、プロパンガスの燃焼ガスを供給する手段とした。加熱条件は、回転胴体内の被処理物温度が140℃となるようにした。
【0034】
この試験によれば、回転胴体内の二水石膏は、内壁の角状部に二水石膏が堆積した状態で一定角度にまで回転した後、滑り落ちていることがわかった。また、生成した石膏組成物をX線回折法により分析したところ、半水石膏と無水石膏との混合相を有していることがわかった。
なお、比較例として、前記装置において断面内周が円形のステンレス製回転胴体に替えたものを使用する以外は同条件で半水石膏の製造試験を行ったところ、生成物は、二水石膏、半水石膏及び無水石膏の混合相を有していた。
これらの結果から、断面内周が円形の回転胴体にあっては、均質な熱の供給が困難である一方、断面内周に角状部を備える回転胴体によれば、均質な熱の供給が可能であることがわかった。
【0035】
(実施例2)
半水石膏の製造試験1
本実施例では、実施例1と同様の排煙脱硫石膏を用い、実施例1の装置において内部にリフターを備え内周断面が円形の内部胴体を回転胴体の内部に挿入したものを使用して、半水石膏の製造試験を行った。回転胴体の傾斜角は1%であり、また、試験条件は、温度条件の異なる3種の条件を設定した。
条件1:回転胴体外部入口側温度200℃
供給量30kg(5kg/10分×6回)
回転胴体の回転数:5rpm
条件2:回転胴体外部入口側温度220℃
供給量30kg(5kg/10分×6回)
回転胴体の回転数:5rpm
条件3:回転胴体外部入口側温度240℃
供給量30kg(5kg/10分×8回)
回転胴体の回転数:5rpm
なお、試験にあたっては、回転胴体の入り口側と出口側との温度を測定するとともに、二水石膏内部に熱電対を挿入して仮焼物の温度も測定した。
各条件での試験開始からそれぞれ表1〜3に示す時間経過時において、回転胴体の出口側の仮焼物を採取し、混水量を測定した。試験法は、後述するように、最終的に得られた仮焼物と同様におこなった。
【表1】
【表2】
【表3】
【0036】
表1〜3に示すように、仮焼温度が上昇するとともに、混水量が変化することがわかった。混水量の変化は、結晶の変化を意味するが、各試料のX線回折による分析で、いずれの試料においても、半水石膏と無水石膏との混合相であった。
【0037】
さらに、各条件で最終的に得られた仮焼物について、各種試験を行った。その結果を表4に示す。なお、各試験項目は、それぞれ以下の試験方法により実施された。併せて、市販のボード用石膏の結果も示す。
1.付着水分
JIS R9101に従い、45℃±4℃で2時間空気浴前後の増加重量を測定し、空気浴前の重量に対する%として算出した。
2.赤外線水分
170℃、20分間加熱減量後における水分を赤外線水分計により測定した。3.比重
JIS R5201に従い、ルシャテリエ比重瓶を使用して測定した。
4.粉末度
各メッシュサイズのメッシュを使用した。
5.混水量
JIS R9112に従い、最適量の水を測定した。
6.凝結
JIS R9112に従い、混水量の水中に投入し始めてから凝結するまでの時間を測定した。
7.容重
100mlのメスシリンダーに50gの試料を入れ、5分間底部をゴム板上にたたいて締め固め、メスシリンダーの目盛りを読取り算出した。
【表4】
表4に示すように、各仮焼物と市販のボード用石膏の比重はほぼ同等であった。このことは、これらの仮焼物が市販ボード用石膏と同等の結晶性を有することを意味する。なお、結晶性の同等性は、各仮焼物と市販物とをX線回折法による回折ピークの半値幅から確認することができた。なお、各仮焼物は、いずれも半水石膏と半水石膏に近いIII型無水石膏との混合相を有していた。
また、粉末度試験から明らかなように、各仮焼物は、106μm以下の粒径粒子が全体の90%以上を占めていた。
凝結試験からは、仮焼物が市販ボード用石膏よりも速やかな凝結性を有しており、初期硬化性が優れることがわかった。
【0038】
(実施例3)
汚泥の固化試験
固化対象物として、発電所で発生する汚泥とし、固化材成分としては、フライアッシュ及び/又はスラグ、実施例2の条件2の仮焼物を用いた。固化材組成物としては一般的な組成を採用して固化試験を行った。すなわち、ベース組成として、▲1▼石膏70wt%、フライアッシュ20wt%、スラグ10wt%、及び▲2▼石膏70wt%、スラグ30wt%を採用した。また、比較例として市販のボード用石膏(半水石膏)についても同様の固化試験を行った。
上記ベース組成、及びこのベース組成に対してフライアッシュを所定量追加したものと所定量の汚泥(汚泥に対して20%の固化材とした)とを混練して得た固化物について、それぞれ2時間後のコーン指数を測定した。また、上記▲2▼のベースについての固化物については、さらに1週間後及び4週間後のコーン指数も併せて測定した。
なお、固化試験は、モルタルミキサーで所定の汚泥と固化剤とを5分間混練し、混練物をビニール袋にいれて20℃の室内にて養生し、所定時間経過後にコーン指数を測定することにより行った。コーン指数の測定は、直径10cmのモールドに試料を3層に分けていれ、2.5kgのランマーで1層あたり25回つき固め、コーンペネトロメーター(コーン直径20.32cm)を1cm/sの速度で貫入させ、5cm、7.5cm及び10cm貫入時の力計の読みを平均する。なお、コーン指数は以下の式から求められる。
コーン指数=ダイアルゲージの読み×4.476)/3.24〔N/cm3〕
結果を、図6〜図8に示す。
【0039】
これらの結果から明らかなように、実施例2の仮焼物を用いた固化物は、市販物よりも高いコーン指数を呈した。これは、本仮焼物の結晶性と粒度分布との相乗効果によるものと考えられた。
【0040】
(実施例4)
無水石膏の製造試験1
本実施例では、実施例2で使用したのと同様の排煙脱硫石膏と装置を用いて、無水石膏の製造試験を行った。
また、試験条件は、温度条件の異なる3種の条件を設定した。
条件1:回転胴体外部設定温度300〜330℃
供給量30kg(5kg/10分×6回)
回転胴体の回転数:5rpm
条件2:回転胴体外部設定500〜520℃
供給量30kg(5kg/10分×6回)
回転胴体の回転数:5rpm
条件3:回転胴体外部設定温度700〜705℃
供給量30kg(5kg/10分×8回)
回転胴体の回転数:5rpm
なお、試験にあたっては、回転胴体内の二水石膏中に熱電対を挿入して仮焼物温度を測定した。
各条件での仮焼工程を実施して、順次排出された仮焼物を合わせ、この仮焼物の容重を測定した。結果を表5に示す。
【表5】
【0041】
表5に示すように、設定温度が高くなるにつれ、容重値が大きくなった。しかしながら、いずれの条件においても、生成物はII型無水石膏の単一相であることがX線回折法により確認することができた。また、これらの結果から、回転胴体内の温度が750℃以下であっても、無水石膏を得られることがわかった。
【0042】
さらに、各条件で最終的に得られた仮焼物について、各種試験を行った。各試験は、凝結性以外の試験については実施例2と同様の方法を採用した。凝結性に関しては、Na2SO4を添加する方法を採用した。すなわち、100重量部の石膏に対して、2重量部のNa2SO4を添加した。これらの結果を表6に示す。併せて、市販の硬石膏の結果も示す。
【0043】
【表6】
【0044】
表6に示すように、各仮焼物と市販の硬石膏(1)及び(2)の比重はほぼ同等であった。このことは、これらの仮焼物が市販の硬石膏と同等の結晶性を有することを意味する。なお、結晶性の同等性は、各仮焼物と市販物とをX線回折法による回折ピークの半値幅から確認することができた。なお、各仮焼物は、いずれもII型無水石膏の単一相を有していた。また、混水量の試験結果からも、いずれの仮焼物も、III型無水石膏を含有していないことが明らかであった。
また、粉末度試験から明らかなように、各仮焼物は、106μm以下の粒径粒子が全体の90%以上を占めていた。
凝結試験からは、仮焼物が市販硬石膏よりも速やかな凝結性を有しており、初期硬化性が優れることがわかった。
【0045】
(実施例5)
汚泥の固化試験
固化対象物として、堆積粘土を用い、石膏としては、実施例4の条件3の仮焼物を用い、固化組成物としては一般的な組成を採用して固化試験を行った。結果を、表7に示す。
なお、試験方法は、以下の通りとした。
1.固化材の材料
固化材の材料としては、普通セメント55重量%、エスメント(スラグの一種)37重量%、無水石膏8重量%とした。この無水石膏として、実施例4の条件3の無水石膏を使用する一方、市販品(フッ酸石膏)を利用した。
2.汚泥
汚泥は、採取した堆積粘土とした。
3.汚泥調整
堆積粘土に水を加えて混合して含水比70%(含水率41.2%)前後に調整した。
4.配合
汚泥を1000ccのモールドに詰めて、単位体積重量を測定して、所定の配合に対する汚泥と固化材との混合量を決定した。
5.固化試験
▲1▼汚泥の含水比測定
汚泥2gを採取し、赤外線水分計により含水比を測定した。
▲2▼混練
モルタルミキサー(混合能力10リットル)を用いて、所定量の汚泥と固化剤を5分間混合(1回の混合量は3〜5kg)
▲3▼養生
混合した汚泥をビニール袋に入れて密閉し、20℃の部屋で養生した。
6.確認試験
7日間養生した試料について、以下の試験を実施した。
▲1▼コーン指数の測定
直径10cmのモールドに試料を3層に分けて入れ、2.5kgのランマーで1層当たり25回つき固める。このとき、モールド(1リットル)内の固化汚泥重量を測定し、概略の密度を求める。次に、コーンペネトロメーター(コーン直径20.32cm)を1cm/sの速度で貫入させ、5cm、7.5cm、10cm貫入のときの力計の読みを平均した。
コーン指数=(ダイヤルゲージの読み×4.476)/3.24(N/cm2)
▲2▼再泥化試験
ビーカーに固化物約60gと純水100mlとを入れてよく攪拌し、ただちに水が澄んでくるかどうかを確認した。汚泥と水との分離に時間がかかる場合は、5分後の状況で確認した。
【0046】
【表7】
表7に示すように、得られた固化物は、市販のフッ酸石膏と同等かそれを超える性能を有していた。したがって、本発明において得られる無水石膏は、固化材成分としても使用できることが確認できた。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、石炭火力発電所において発生する排煙脱硫石膏などの二水石膏から均質な半水・無水石膏を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる装置の概略を示す図である。
【図2】回転胴体に備えられるリフターの形態を示す図である。
【図3】回転胴体の内壁形状を断面多角形にすることの一例(本図においては六角形)を示す図である。
【図4】内部胴体に備えられるリフターの形態を示す図である。
【図5】内部胴体の内壁形状を断面多角形にすることの一例(本図においては六角形)を示す図である。
【図6】使用石膏の違いによる固化汚泥強度を比較したグラフ図である。
【図7】使用石膏の違いによる固化汚泥強度を比較したグラフ図である。
【図8】フライアッシュの追加混合量と強度との関係を示す図である。
【符号の説明】
2 装置
4 回転胴体
12 中空部
14 内壁
20 導入部
30 加熱手段
40 排出部
Claims (15)
- 半水石膏の製造方法であって、
二水石膏を、以下の乾燥装置;
回転胴体と、
この回転胴体の外部に備えられる加熱手段、
とを備える回転乾燥装置を使用して仮焼する工程を備える、方法。 - 前記加熱手段は、回転胴体の外周に加熱された媒体が導入されるキャビティを備える、請求項1記載の方法。
- 前記仮焼温度は200℃以下である、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記二水石膏の粒度が、粒径106μm以下の粒子が全体の90wt%以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の方法によって製造される半水石膏を含有する固化材。
- 無水石膏の製造方法であって、
二水石膏を、以下の乾燥装置;
回転胴体と、
この回転胴体の外部に備えられる加熱手段、
とを備える回転乾燥装置を使用して仮焼する工程を備える、方法。 - 前記加熱手段は、回転胴体の外周に加熱された媒体が導入されるキャビティを備える、請求項6記載の方法。
- 前記仮焼温度は750℃以下である、請求項6又は7に記載の方法。
- 前記二水石膏の粒度が、粒径106μm以下の粒子が全体の90wt%以上である、請求項6〜8のいずれかに記載の方法。
- 請求項6〜9のいずれかに記載の方法によって製造される無水石膏を含有する固化材。
- 半水石膏又は無水石膏の製造装置であって、
回転胴体と、
この回転胴体の外部に備えられる加熱手段、
とを備える、装置。 - 前記加熱手段は、回転胴体の外周に加熱された媒体が導入されるキャビティを備える、請求項11記載の装置。
- 前記胴体内壁には、リフターを備える、請求項11又は12に記載の装置。
- 前記回転胴体内部には、リフターを有する内部胴体を備える、請求項11又は12に記載の装置。
- 前記回転胴体内壁が断面六角形状である、あるいは、回転胴体内部に、内部断面が六角形状の内部胴体を備える、請求項11又は12に記載の装置。
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