JP4202838B2 - 無水石膏の製造方法及び無水石膏焼成システム - Google Patents

無水石膏の製造方法及び無水石膏焼成システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、石膏廃材を焼成して無水石膏、特にII型無水石膏を焼成する焼成システム及び無水石膏の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の石膏製品の需要の増加とともに、建築物の解体等に伴う石膏廃材の発生量が増加している。特に、建築現場等で発生する廃石膏ボードについては、解体時の分別が困難であったり、リサイクル市場が不足しているため、そのほとんどが埋立処分されている。
【0003】
廃石膏ボードを埋め立てる場合には、管理型の産業廃棄物最終処分場で処分することとされている。そのため、処理コストの増大を招くとともに、最終処分場の涸渇化の問題があり、石膏廃材の有効利用が期待されている。
【0004】
そこで、本出願人は、ロータリーキルンを用い、炉内温度を焼点温度500〜1200℃及び窯尻温度300〜950℃に制御して石膏廃材を焼成することにより、II型無水石膏の含有量が80重量%以上、半水石膏とIII型無水石膏の合計含有量が10重量%以下、CaOの含有量が10重量%以下、及び全有機炭素量0.3重量%以下の無水石膏類を製造する技術を提案した(特許文献1参照)。
【0005】
また、石膏廃材の有効利用に関する技術ではないが、特許文献2は、無孔の底、材料のための入口及び出口、並びに逆円錐形の容器の底に隣接して開いた熱ガス用の少なくとも1個の下方に向かって延設された管を有する容器を含む粒状材料熱処理装置において、底を管の近くの底で材料を制限するように形成し、ここで管から出る熱ガスが材料を加熱し、循環させるようにした装置、いわゆるコニカルケトル炉を用いて無水石膏を生成することの可能性に言及している。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−146420号公報
【特許文献2】
特開昭55−94634号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、原料に石膏廃材を用いて無水石膏を製造する場合には、従来のロータリーキルン等を用いて焼成すると、局所的に過剰に加熱される部分が生じ、石膏廃材に高性能減水剤として混和されているナフタレンスルホン酸基が分解されて硫黄酸化物が発生するおそれがあるという問題があった。また、石膏自体も、1000℃以上に加熱すると、石膏が熱分解して大量に硫黄酸化物が発生するおそれがあるという問題があった。
【0008】
さらに、ロータリーキルン、コニカルケトル炉等、使用する炉の種類に関わらず、製品として得られるII型無水石膏の純度を高く維持するとともに、燃費を低減することも要請されていた。
【0009】
そこで、本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、硫黄酸化物の発生を大幅に抑制することができるとともに、高純度のII型無水石膏を得ることができ、燃費も低い無水石膏の製造方法及び無水石膏焼成システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、無水石膏の製造方法であって、内筒の内部で燃料を燃焼させて該内筒の下部の開口部から燃焼ガスを噴出させ、前記内筒を囲繞し、下部が逆円錐状に形成された本体に石膏廃材を供給し、該本体の内部で該石膏廃材を330℃以上840℃以下に加熱しながら、前記燃焼ガスによって流動化させ、生じた無水石膏を前記本体の内部から外部に排出することを特徴とする。
【0011】
本発明にかかる無水石膏の製造方法は、粉粒体を流動化状態として、高温の燃焼ガスを接触させて加熱する間接加熱方式を採用し、粉粒体層は完全混合状態となり、全体として略々均一な温度となり、局所的に過剰に加熱されることはないため、原料としての石膏廃材粉末が、石膏自体の分解温度(1000℃以上)や、混和剤として含有されるナフタレンスルホン酸基の分解温度(850℃以上)に加熱されることを避けることができる。これによって、硫黄酸化物の発生を大幅に抑制することができる。ここで、石膏廃材粉末による粉粒体層温度を330℃〜840℃に制御し、20分以上の滞留時間を与えることで、硫黄酸化物をほとんど発生させずに、石膏廃材中の2水石膏を完全にII型無水石膏化することができる。
【0012】
前記内筒及び本体を備える無水石膏焼成炉から排出される燃焼ガスを集塵して捕集されるダストの70質量%以上を、該無水石膏焼成炉に戻すことが好ましい。これによって、II型無水石膏純度の低い飛散ダストを製品に混入することがなくなり、製品II型無水石膏の高純度(95質量%以上)が確保される。
【0013】
前記集塵を2段階で行い、前段の集塵を集塵効率90%以上のサイクロンで行うことが好適である。サイクロンで可能な限り高温でダストを回収することにより、II型無水石膏製造の熱量原単位を低減することができる。
【0014】
また、前記前段の集塵を行うサイクロンを、前記無水石膏焼成炉の直上に配置し、該サイクロンにて集塵したダストを輸送機を介さずに直接該無水石膏焼成炉に戻すこともできる。これによって、集塵したダストを無水石膏焼成炉に戻す経路を最短とすることができ、熱量原単位をさらに低減することができる。
【0015】
さらに、本発明は、無水石膏焼成システムであって、下部に開口部を備えた内筒と、該内筒を囲繞し、下部が逆円錐状に形成された本体とを備え、前記内筒の内部で燃料が燃焼するとともに、前記開口部より燃焼ガスが噴出し、前記本体の内部に供給された石膏廃材が該本体の内部で加熱されながら、前記燃焼ガスによって流動化し、前記本体の内部から外部に無水石膏として排出される無水石膏焼成炉と、該無水石膏焼成炉から排出される燃焼ガスが導入され、該燃焼ガスに含まれるダストを第一段階で集塵する、該無水石膏焼成炉直上に配置されたサイクロンと、該サイクロンの排気を第二段階で集塵する集塵機とを備え、該サイクロン及び該集塵機で捕集したダストを該無水石膏焼成炉に戻す経路を有することを特徴とする。これによって、上述のように、硫黄酸化物の発生を大幅に抑制しながら、石膏廃材から高純度のII型無水石膏を低燃費で製造することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1は、本発明にかかる無水石膏焼成システムの一実施の形態を示すフローチャートである。この無水石膏焼成システムは、無水石膏焼成炉1と、無水石膏焼成炉1から排出される燃焼ガスが導入され、この燃焼ガスに含まれるダストを集塵する高温集塵機としてのサイクロン2と、サイクロン2から排出されたガスに含まれるダストを集塵するバグフィルタ3と、集塵後の燃焼ガスを大気に放出するファン4と、バグフィルタ3で集塵したダストを無水石膏焼成炉1に戻すためのスクリューコンベア5と、無水石膏焼成炉1の本体13に圧縮空気Cを供給するコンプレッサ6と、無水石膏焼成炉1の本体13に燃焼用空気Aを供給するためのルーツブロワ7と、無水石膏焼成炉1に石膏廃材Mを供給するためのホッパ8、スクリューフィーダ9、スクリューコンベア10とで構成される。
【0018】
無水石膏焼成炉1は、図2乃至図4に示すように、下部にスリット(開口部)15を備えた内筒12と、この内筒12を囲繞するように、下部13aが逆円錐状に形成された本体13とで構成される。
【0019】
内筒12は、本体13の中央部に配置され、上部に燃焼用空気管19を備え、内筒12の中心軸に沿って、燃料としての都市ガスを供給するための燃料供給管11が配置される。また、内筒12の下端部には、複数のスリット15が開設され、このスリット15から燃焼ガスが本体13内に噴出する。尚、内筒12の内部は、燃焼熱によって1200℃程度の高温に曝されるため、内筒の内壁を冷却することが好ましい。
【0020】
燃焼用空気管19は、内筒12における燃料の燃焼用の空気を導入するために設けられ、図1に示したルーツブロワ7から空気が供給される。
【0021】
燃料供給管11は、上方から内筒12の天板12aを貫通するように配置され、燃料供給管11の下端部には、分割炎を得るための多孔板22が設けられる。この燃料供給管11は、上端部の一部を除き、燃料供給管11へ内側から空気を導くための管20によって囲繞されている。
【0022】
本体13は、上述のように、下部13aが逆円錐状に、上部13bが円筒状に形成され、この本体13の内部に供給された石膏廃材が燃焼ガスとの熱交換により無水石膏となる。本体13の天板13cを貫通するように、原料供給管16、飛散ダスト戻し管17が配置され、天板13cには、さらに排気管18が接続される。また、下部13aの内壁に沿って、圧縮空気を導入するためのエアーランス14が配置される。下部13aと上部13bとの境界付近が開口され、この開口部13dに連通する製品排出管23が設けられる。尚、本体13の内部の温度を高く維持する場合には、本体13の内壁に耐火物を配設する。
【0023】
原料供給管16は、石膏廃材を本体13の内部に供給するために備えられ、原料供給用に、さらに飛散ダスト戻し管17も備えられる。
【0024】
排気管18は、本体13の内部と連通し、内筒12で発生した燃焼ガスを本体13の内部を介して系外に排出する。
【0025】
エアーランス14は、本体13の下部13aの最下部に圧縮空気を導入するために備えられ、この圧縮空気によって製品としての無水石膏Pが排出される。
【0026】
製品排出管23は、開口部13dから排出された製品としての無水石膏Pを系外に排出するために設けられる。
【0027】
サイクロン2は、無水石膏焼成炉1から排出される燃焼ガスの温度が高い状態でこの燃焼ガスに含まれるダストを高効率で集塵するために設けられ、90%以上の集塵効率であることが好ましい。また、サイクロン2から無水石膏焼成炉1にダストDを戻すルートは、サイクロン2を無水石膏焼成炉1の直上に配置することにより、できるだけ短縮してダストの温度が低下することを防止し、ヒートロスを最小限に抑えることが好ましい。
【0028】
次に、上記構成を有する無水石膏焼成システムの運転要領について、図1乃至図3を参照しながら説明する。
【0029】
内筒12の内部に燃焼用空気管19を介して、ルーツブロワ7から燃焼用空気Aを、燃料供給管11を介して燃料としての都市ガスGを供給する。都市ガスGが内筒12の内部で燃焼し、内筒12の内部は、約1200℃に維持される。一方、ホッパ8、スクリューフィーダ9、スクリューコンベア10から、原料供給管16を介して本体13の内部に石膏廃材Mが供給される。本体13の内部は、通常、460℃程度に制御されるが、石膏廃材または製品の種類に応じて330℃乃至840℃の範囲で変化させることができる。
【0030】
内筒12の内部で都市ガスGが燃焼して発生した燃焼ガスは、スリット15から本体13の最下部に噴出する。この噴出した燃焼ガスにより石膏廃材Mが本体13の下部3aにおいて流動化し、燃焼ガスと熱交換する。熱交換が完了すると、石膏廃材Mは、製品としての無水石膏Pに変化し、エアーランス14を介して導入されたコンプレッサ6からの圧縮空気Cにより流動化され、開口部13dから製品排出管23を介して系外に排出される。
【0031】
一方、本体13から排出された燃焼ガスは、サイクロン2に導入され、サイクロン2で集塵されたダストDが無水石膏焼成炉1に戻される。また、サイクロン2から排出されたガスは、バグフィルタ3に導入され、バグフィルタ3で集塵されたダストDもスクリューコンベア5を介して無水石膏焼成炉1に戻される。集塵後の燃焼ガスは、ファン4によって大気に放出される。
【0032】
次に、本発明にかかる無水石膏の製造方法及び無水石膏焼成システムの試験例について説明する。
【0033】
まず、実施例1〜3及び比較例1で用いる試験装置について、図5を参照しながら説明する。この試験装置は、無水石膏焼成炉31の本体33に燃焼用空気Aを供給するためのルーツブロワ41と、本体33に石膏廃材Mを供給するための原料ホッパ42、スクリューフィーダ43、及びスクリューコンベア44と、本体33に圧縮空気Cを供給するコンプレッサ40と、本体33からの燃焼ガス中のダストを集塵して集塵したダストDを本体33または製品ホッパ45に戻すためのサイクロン35、バグフィルタ36、及びスクリューコンベア38、39と、集塵後の燃焼ガスを大気に放出するファン37とを備える。
【0034】
無水石膏焼成炉31は、下部のコーン部分の有効容積が1.5m3で、上部円筒部分の内径が1,850mmの試験用焼成炉である。また、無水石膏焼成炉31からの排気経路に設けられたサイクロン35は、集塵効率が93%であって、これによって排気ガスの第一段集塵を行い、さらにバグフィルタ36にて第二段集塵を行った後、ファン37を介して排気ガスを大気に放出した。サイクロン35及びバグフィルタ36の捕集ダストDは、合流した後、所定の割合をスクリューコンベア39を介して無水石膏焼成炉31に戻し、残部を製品に混入した。無水石膏焼成炉31の運転条件は、炉出口粉粒体温度が460℃、炉出口ガス温度が410℃であり、時産0.70t−無水石膏/hを目標とした。
【0035】
次に、実施例4で用いる試験装置について説明する。この試験装置の全体構成は、図1に示したシステムと同様であって、無水石膏焼成炉1は、上述の図5に示した無水石膏焼成炉31と同じものを用いた。無水石膏焼成炉1の直上に集塵効率が93%のサイクロン2を設け、炉排気ガスの第一段集塵を行い、さらにバグフィルタ3にて第二段集塵を行った後、ファン4を介して排気ガスを大気に放出した。サイクロン2の捕集ダストDは、輸送機を介さず直接無水石膏焼成炉31に全量戻した。また、バグフィルタ3の捕集ダストDも、スクリューコンベア5を介して全量無水石膏焼成炉31に戻した。無水石膏焼成炉1の運転条件は、炉出口粉粒体温度が460℃、炉出口ガス温度が410℃であり、時産0.70t−無水石膏/hを目標とした。
【0036】
次に、比較例2で用いる試験装置について、図6を参照しながら説明する。この試験装置は、ロータリーキルン61(内径1.3m、長さ20m)と、ロータリーキルン61に石膏廃材Mを供給するための原料ホッパ62、スクリューフィーダ63、及びスクリューコンベア64と、ロータリーキルン61からの燃焼ガス中のダストを集塵して集塵したダストDをロータリーキルン61に戻すサイクロン65、バグフィルタ66、及びスクリューコンベア68、69と、集塵後の燃焼ガスを大気に放出するファン67とを備える。
【0037】
サイクロン65の集塵効率は93%であり、このサイクロン65でロータリーキルン61からの排気ガスの第一段集塵を行い、さらにバグフィルタ66にて第二段集塵を行った後、排気ガスをファン67を介して大気に放出した。サイクロン65及びバグフィルタ66の捕集ダストDは、合流させた後、全量をスクリューコンベア69を介してロータリーキルン61に戻した。ロータリーキルン61の運転条件は、キルン落口粉粒体温度が500℃、キルン排気ガス温度が280℃であり、時産2.1t−無水石膏/hを目標とした。
【0038】
次に、試験結果について説明する。上記試験装置を用い、石膏ボード廃材の破砕物から紙を選別・除去して得られた、表1の粒度分布を有する石膏廃材Mを、燃料として、LPGを用いて無水石膏を焼成した。その結果を表2に示す。尚、同表において、無水石膏焼成炉1、31をコニカルケトル炉と表示する。
【0039】
得られた焼成物は、その形態を粉末X線回折によって同定・定量し、CaOの含有量をセメント協会標準試験方法に順じて測定した。また、全有機炭素量をカーボン分析計によって測定した。
【0040】
【表1】
Figure 0004202838
【0041】
【表2】
Figure 0004202838
【0042】
本試験により、コニカルケトル型の炉を用いることにより、排ガス中の硫黄酸化物濃度を低減することができ、集塵ダストを70質量%以上焼成炉に戻すことにより、製品中のII型無水石膏の純度を95質量%以上とすることができ、第一段の集塵を行うサイクロンを、焼成炉の直上に設置し、その集塵ダストを直接炉に戻すことにより、熱量原単位を向上させることができることが判る。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる無水石膏の製造方法及び無水石膏焼成システムによれば、石膏廃材を焼成して無水石膏、特にII型無水石膏を焼成するにあたって、硫黄酸化物の発生を大幅に抑制することができ、高純度のII型無水石膏を低燃費で焼成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる無水石膏焼成システムの一実施の形態を示すフローチャートである。
【図2】図1の無水石膏焼成システムの無水石膏焼成炉の一実施の形態を示す一部破断正面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である(但し、焼成用空気管19及びエアーランス14近傍については、A−A線断面となっていない)。
【図4】図2の無水石膏焼成炉の上面図である。
【図5】本発明にかかる無水石膏焼成システムの試験装置を示すフローチャートである。
【図6】ロータリーキルンを用いた無水石膏焼成試験装置を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 無水石膏焼成炉
2 サイクロン
3 バグフィルタ
4 ファン
5 スクリューコンベア
6 コンプレッサ
7 ルーツブロワ
8 ホッパ
9 スクリューフィーダ
10 スクリューコンベア
11 燃料供給管
12 内筒
12a 天板
13 本体
13a 下部
13b 上部
13c 天板
13d 開口部
14 エアーランス
15 スリット
16 原料供給管
17 飛散ダスト戻し管
18 排気管
19 燃焼用空気管
20 燃料供給管へ内側から空気を導くための管
22 多孔板
23 製品排出管
31 無水石膏焼成炉
32 内筒
33 本体
34 燃料供給管
35 サイクロン
36 バグフィルタ
37 ファン
38 スクリューコンベア
39 スクリューコンベア
40 コンプレッサ
41 ルーツブロワ
42 原料ホッパ
43 スクリューフィーダ
44 スクリューコンベア
45 製品ホッパ
61 ロータリーキルン
62 原料ホッパ
63 スクリューフィーダ
64 スクリューコンベア
65 サイクロン
66 バグフィルタ
67 ファン
68 スクリューコンベア
69 スクリューコンベア
A 燃焼用空気
C 圧縮空気
D ダスト
G 都市ガス
M 石膏廃材
N 液体窒素
P 無水石膏

Claims (5)

  1. 内筒の内部で燃料を燃焼させて該内筒の下部の開口部から燃焼ガスを噴出させ、前記内筒を囲繞し、下部が逆円錐状に形成された本体に石膏廃材を供給し、該本体の内部で該石膏廃材を330℃以上840℃以下に加熱しながら、前記燃焼ガスによって流動化させ、生じた無水石膏を前記本体の内部から外部に排出することを特徴とする無水石膏の製造方法。
  2. 前記内筒及び本体を備える無水石膏焼成炉から排出される燃焼ガスを集塵して捕集されるダストの70質量%以上を、該無水石膏焼成炉に戻すことを特徴とする請求項1に記載の無水石膏の製造方法。
  3. 前記集塵を2段階で行い、前段の集塵を集塵効率90%以上のサイクロンで行うことを特徴とする請求項2に記載の無水石膏の製造方法。
  4. 前記前段の集塵を行うサイクロンを、前記無水石膏焼成炉の直上に配置し、該サイクロンにて集塵したダストを輸送機を介さずに直接該無水石膏焼成炉に戻すことを特徴とする請求項3に記載の無水石膏の製造方法。
  5. 下部に開口部を備えた内筒と、該内筒を囲繞し、下部が逆円錐状に形成された本体とを備え、前記内筒の内部で燃料が燃焼するとともに、前記開口部より燃焼ガスが噴出し、前記本体の内部に供給された石膏廃材が該本体の内部で加熱されながら、前記燃焼ガスによって流動化し、前記本体の内部から外部に無水石膏として排出される無水石膏焼成炉と、該無水石膏焼成炉から排出される燃焼ガスが導入され、該燃焼ガスに含まれるダストを第一段階で集塵する、該無水石膏焼成炉直上に配置されたサイクロンと、該サイクロンの排気を第二段階で集塵する集塵機とを備え、該サイクロン及び該集塵機で捕集したダストを該無水石膏焼成炉に戻す経路を有することを特徴とする無水石膏焼成システム。
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