JP2004291008A - 電気部品の溶接基台およびそれを有する電気部品の溶接構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】電気部品の溶接基台およびそれを用いた電気部品の溶接構造において電気部品を溶接により位置ずれなく確実に接続し、溶接作業を効率的に行う。
【解決手段】樹脂基台2の片面に、溶接端子13を有するバスバー3を複数個固定した電気部品の溶接基台1を用いる。溶接端子13は先端にリード足を溶接させる凸部13cを有し、その凸部13cに対するリード足64,65の位置を固定する保持部14を溶接端子13に設ける。リード足64,65をバスバー3の固定されていない第2面2bから樹脂基台2に挿通して溶接端子13に対する位置を保持部14により固定した上で溶接し、電気部品の溶接構造10を得る。
【選択図】 図1
【解決手段】樹脂基台2の片面に、溶接端子13を有するバスバー3を複数個固定した電気部品の溶接基台1を用いる。溶接端子13は先端にリード足を溶接させる凸部13cを有し、その凸部13cに対するリード足64,65の位置を固定する保持部14を溶接端子13に設ける。リード足64,65をバスバー3の固定されていない第2面2bから樹脂基台2に挿通して溶接端子13に対する位置を保持部14により固定した上で溶接し、電気部品の溶接構造10を得る。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気部品を溶接によりバスバーに接続する電気部品の溶接基台およびそれを有する電気部品の溶接構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気部品を配置して電気回路を構成する場合は、その電気部品を溶接により接続している。従来、溶接により電気部品を接続するときに、次のような溶接基台を使用することがあった。その溶接基台は、図10に示すように、溶接用突起101を有する金属製のバスバー100を樹脂製ケース102に固定したもので、その溶接用突起101に電気部品のリード足103を溶接することにより、その電気部品をバスバー100に電気的に接続できるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−134956号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の溶接基台を用いる場合、接続しようとする電気部品は樹脂製ケース102の、バスバー100が固定されていない裏面からリード足103を差込み、そのリード足103と溶接用突起101とを溶接することによって接続する。
しかし、この従来の溶接基台は溶接用突起101に対し、リード足103の位置が不安定になりやすい。そのため、裏面からリード足103を差込むと、そのリード足103がぐらついて、溶接用突起101からその手前側に離反したり、左右に傾いたりして位置がずれてしまい(図11参照)、溶接がうまくできなくなるおそれがあった。したがって、溶接作業の際には、指先により、または所定のコテ、万力等の器具によりリード足103が動かないように位置を固定しなければならず、そのことのために作業効率が著しく悪化するという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は上記課題を解決し、溶接により電気部品を位置ずれなく確実に接続することができて、その溶接作業を効率的に行い得る構造を備えた電気部品の溶接基台およびそれを有する電気部品の溶接構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明による電気部品の溶接基台は基台の片面に、溶接端子を有するバスバーが固定された電気部品の溶接基台であって、溶接端子は、その先端に前記電気部品のリード足を溶接させる溶接部を有し、その溶接部に対するリード足の位置を固定する保持部を溶接端子に設けたことを特徴とするものである。
この電気部品の溶接基台は、電気部品のリード足を保持部により押え込み、溶接端子に対する相対位置を固定することができる。
また、上記電気部品の溶接基台は上記バスバーが、基台に固定される基部に、溶接端子が起立して形成され、その基部における溶接端子の付け根部分にリード足の保持孔が更に形成されているようにすることができる。
この構成の場合、簡易な構成のバスバーにより、確実にリード足を沿わせつつ保持することができる。
【0007】
上記いずれの電気部品の溶接基台も、上記保持部が2本の湾曲状アーム部により構成され、その各湾曲状アーム部は、リード足の外形に対応した挿通部を形成するように、先端が近づいているようにすることができる。
また、溶接端子の側部を切り込んで2本のアーム部を形成し、その各アーム部を、それぞれの先端が近づくように折り曲げて、保持部が形成されているようにすることもできる。
さらに、溶接端子を基部に向けて折り曲げて第1の足受部を形成し、その第1の足受部から起立する方向に折り曲げて第2の足受部を形成し、第1の足受部にリード足の挿通孔を設け、その挿通孔と第1および第2の足受部とにより保持部が形成されていてもよい。
これらのようすると、保持部が他の部材を溶接して固定するなどの手間を要さず容易に形成される。
また、本発明は、基台の片面に、バスバーが固定された電気部品の溶接基台であって、バスバーに、電気部品のリード足の外形に対応した貫通孔を有する筒状溶接突起を設けた電気部品の溶接基台を提供する。
【0008】
この電気部品の溶接基台も、電気部品のリード足を筒状溶接突起により押え込んで相対位置を固定することができる。
そして、本発明は、基台の片面に、溶接端子を有するバスバーが固定された電気部品の溶接基台を有する電気部品の溶接構造であって、溶接端子が、その先端に電気部品のリード足を溶接させる溶接部を有し、その溶接部に対するリード足の位置を固定する保持部が形成され、電気部品のリード足が、バスバーの固定されていない反対面側から基台に挿通され、かつ溶接部に対する位置を保持部により固定して溶接端子に溶接されている電気部品の溶接構造を提供する。
【0009】
この電気部品の溶接構造は、リード足が保持部により保持された状態で電気部品が溶接されている。
また、この電気部品の溶接構造の場合、上記バスバーは、基台に固定される基部に、溶接端子が起立して形成され、その基部における溶接端子の付け根部分にリード足の保持孔が更に形成され、その保持孔にもリード足が挿通されているとよい。
これらの電気部品の溶接構造は、保持部が2本の湾曲状アーム部により構成され、その各湾曲状アーム部は、リード足の外形に対応した挿通部を形成するように、先端が近づき、湾曲状アーム部による挿通部にリード足が挿通されているようにすることができる。
【0010】
また、溶接端子の側部を切り込んで2本のアーム部を形成し、その各アーム部を、それぞれの先端が近づくように折り曲げて、保持部が形成されているようにすることもできる。
さらに、溶接端子を基部に向けて折り曲げて第1の足受部を形成し、第1の足受部から起立する方向に折り曲げて第2の足受部を形成し、第1の足受部にリード足の挿通孔を設け、その挿通孔と第1および第2の足受部とにより保持部が形成され、挿通孔にリード足が挿通されていてもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、同一要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。
(第1の実施の形態)
まず、図1〜図3を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1(a)は本発明による電気部品の溶接基台1に、電気部品60(60a,60b,60c)を溶接して接続した電気部品の溶接構造10を示す斜視図であり、同図(b)は、その要部拡大図である。図2は電気部品60を上にして示す溶接構造10の斜視図であり、図3はその分解斜視図である。
【0012】
電気部品の溶接基台(以下「溶接基台」という)1は樹脂基台2に、バスバー3が4個並べて固定されている。
図1に示すように、樹脂基台2はガラスエポキシ樹脂等の樹脂からなり、その第1面2aにバスバー3が螺子止めして固定されている。また、図3に示すように、樹脂基台2には各バスバー3の後述する溶接端子13に対応して、溶接端子13の付け根部分近傍に、電気部品60の後述するリード足64,65を差し込める大きさの挿通孔2cが複数形成されている。各挿通孔2cは第1面2aと、その裏面である第2面2bとを連通している。
【0013】
バスバー3は電気部品60を溶接により接続し、その各電気部品を図示しない他の回路と接続するもので、例えば、銅や真鍮等の金属で構成されている。
バスバー3は樹脂基台2に固定するための(固定される)平坦な基部3aに、溶接端子13が複数個(図では5個)起立して形成されている。各溶接端子13は先端部分に、リード足64,65を溶接させる溶接部となる凸部13cを有していて、その凸部13cの下側部分が電気部品60のリード足64,65を沿わせる足受部13bとなっている。また、溶接端子13はリード足64,65の凸部13cに対する位置を固定する保持部14が形成されている。なお、図示したバスバー3は基部3aを螺子止めして樹脂基台2に固定されているが、その他、溶着、接着、かしめ、圧入、インサート等の手法により固定してもよい。
【0014】
保持部14は図1(b)に示すように、2本の湾曲状アーム部14a,14aにより構成されている。この各湾曲状アーム部14a,14aは、その内面がリード足64,65の表面形状に対応した湾曲面となるように弓形に加工して形成されたもので、その内側に挿通部14cを形成するように、互いに先端が近づいている。挿通部14cは上下が開口して所定の挿通幅wを有し、リード足64,65の外形に対応した形状(挿通部14cがリード足64,65の表面に適度な隙間を有して接し得る形状)に形成された概ね筒状の領域である。
また、保持部14は溶接端子13において、リード足64,65の長さ、樹脂基台2の厚さおよび浮足高hを考慮し、第2面2bからリード足64,65を挿通したときに、リード足64,65が貫通して、その先端部分が突出し得る位置に形成されている。
【0015】
図2,3に示すように、溶接基台1に接続される電気部品60は、例えばコンデンサのような部品である。図示した電気部品60は、2種類のコンデンサ60a,60bとラインフィルタ60cである。前者と後者は、針状に加工された太さの異なるリード足64,65をそれぞれ有している。なお、これらのコンデンサ60a,60bとラインフィルタ60cは例えば、図示しない車両用のコンバータに適用されるものである。
次に、上述した溶接基台1に電気部品60を接続する手順について説明する。
【0016】
まず、図3に示すように、各電気部品60について、バスバー3の固定されていない第2面2bから、それぞれを接続しようとする箇所の挿通孔2cにリード足64,65を差込む。すると、そのリード足64,65が挿通孔2cを通って樹脂基台2を通過し、その第1面2aから突出する。リード足64,65をさらに差込むと、突出したリード足64,65がそれぞれ溶接端子13の足受部13bに沿って(足受部13bに案内されながら)進み、そこに形成されている保持部14に到達する。
【0017】
このとき、保持部14は湾曲状アーム部14a,14aにより、上述の挿通部14cを形成しており、リード足64,65がその挿通部14cに進入する。すると、その挿通部14cがリード足64,65の外形に対応した形状に形成されているから、進入したリード足64,65は保持部14の内面(湾曲状アーム部14a,14aの内側の湾曲面)に接触して、保持部14により長さ方向と交差する方向(交差方向)に動かないように押え込まれる。したがって、電気部品60は保持部14により、足受部13bから離反したり、左右に傾いたりして位置ずれを起こさないように、差込んだリード足64,65の溶接端子13(の凸部13c)に対する位置を固定することができる。
【0018】
そして、この状態で凸部13cとリード足64,65とを図示しないアーク溶接装置でアーク溶接して接続する。すると、凸部13cとリード足64,65の先端部分が溶融して玉状になり(図示せず)、リード足64,65が溶接端子13に溶接して接続される。これをもって、各電気部品60が各バスバー3と電気的に接続され、さらに機械的にも接続されて電気部品の溶接構造10が得られる。
【0019】
以上のように、溶接基台1は、溶接端子13の保持部14が湾曲状アーム部14a,14aにより、上述した挿通部14cを形成しているので、リード足64,65を押え込み、溶接端子13に対する相対位置を固定することができる。そのため、指先により、または所定のコテ、万力等の器具により、リード足64,65を動かないように位置を固定する必要性が皆無となるから、溶接基台1を用いると、電気部品の溶接作業を効率的に行うことができる。
また、上述のように、バスバー3は基部3aに溶接端子13を起立させた簡易な構成を有しているから、その簡易な構成のバスバー3に、リード足64,65を沿わせつつ確実に保持することができる。そして、その保持部14は2本の湾曲状アーム部14aの先端を近づけて得られるから、他の部材を溶接して固定するなどの手間を要さず、容易に形成することができる。
【0020】
(第2の実施の形態)
次に、図4〜図6を参照して、本発明の別の実施の形態について説明する。図4は本発明による溶接基台21に、電気部品62を複数個溶接して接続した電気部品の溶接構造30を示す斜視図である。図5は電気部品の溶接構造30の裏面からみた斜視図、図6はその分解斜視図である。なお、溶接基台21は上述した溶接基台1と共通する部分を有するから、以下の説明は相違する部分を中心に行い、共通する部分については説明を省略ないし簡略化する。
【0021】
溶接基台21は樹脂基台2に、形状の異なる三種類のバスバー4,5,6が、それぞれ1つづつ並べられ、溶着して固定されている。
各バスバー4,5,6は細長い矩形状の基部3aの両端部に、それぞれ起立した溶接端子23,24,25が二個づつ対向して形成され、各基部3aにおける各溶接端子23,24,25の付け根部分に、電気部品62のリード足64の保持孔23a,24a,25aが形成されている(図7参照)。ここで、図7は各バスバー4,5,6と、さらに別のバスバー7を示す斜視図である。
【0022】
溶接端子23,24,25は先端部分に凸部13cを有し、その凸部13cの下側部分にそれぞれ形状の異なる保持部14,26,27が形成されている。なお、保持部14はバスバー3と同様であるから説明を省略する。
バスバー5の溶接端子24は中間部分を互いに向かい合うように、基部3aに向けて折曲げて第1の足受部13dを形成するとともに、その先端部分を第1の足受部13dから起立する方向に折曲げて第2の足受部13eを形成している。また、第1足受部13dに、第2の足受部13eに跨る挿通孔26aが形成されており、その第1,第2の足受部13d,13eと、挿通孔26aとにより、保持部26が形成されている。挿通孔26aはリード足64の外形寸法に対応した径を有している。
【0023】
バスバー6の保持部27は、2本のアーム部27a,27aにより構成されている。このアーム部27a,27aは、溶接端子25の側部を切り込んで、それぞれの先端が近づくように、手前側(溶接端子25,25の向かい合う方向)に折り曲げて形成されている。このアーム部27a,27aよりも下側が足受部13bとされ、その足受部13bと、アーム部27a,27aにより囲まれる部分に、リード足64の外形に対応した形状の挿通部27cが形成されている。
また、バスバー7は、凸部13cの下側部分に保持部29が形成されている。その保持部29は起立係止部29aを有している。起立係止部29aは、溶接端子28をコの字状に切り込みして折り曲げた屈曲部29bの内側に形成されている。この起立係止部29aは、リード足64の外形に対応した湾曲面を有し、屈曲部29bとにより、リード足64の外形に対応した挿通部29dを形成している。
【0024】
そして、溶接基台21に接続される電気部品62は、例えばコンデンサのような部品であり、リード足64を有している。
次に、上述した溶接基台21に電気部品62を接続する手順について説明すると以下のようになる。
まず、図6に示すように、電気部品62のリード足64を溶接基台1を用いる場合と同様の要領で挿通孔2cに差込む。すると、そのリード足64が挿通孔2cを通って樹脂基台2を通過し、各バスバーの保持孔23a,24a,25aをも通過する。さらにリード足64を差込むと、リード足64が溶接端子23,24,25に沿って進み、それぞれ対応する保持部14,26,27に到達する。
【0025】
このとき、バスバー4における溶接端子23では、上述の挿通部14cを形成する保持部14が形成されているので、その保持部14によりリード足64を押え込み、溶接端子23に対する相対位置を固定する。
また、バスバー5における溶接端子24では、上述の保持部26が形成されているから、リード足64を溶接端子24と挿通孔26aおよび第1、第2の足受部13d,13eにより押え込み、溶接端子24に対する相対位置を固定する。この場合、図8に示すようにリード足64は挿通孔26aにより左右の動きが規制され、溶接端子24と第1、第2の足受部13d,13eにより前後の動きが規制されている。
【0026】
さらに、バスバー6における溶接端子25では、上述の挿通部27cを形成する保持部27が形成されているので、その保持部27によりリード足64を押え込み、溶接端子25に対する相対位置を固定する。
したがって、各電気部品62はいずれも、差込み後にリード足64が各溶接端子から離反したり、左右に傾いたりして位置がずれることはない。
その後、第1の実施の形態と同じ要領で、凸部13cと各リード足64とを図示しないアーク溶接装置でアーク溶接して接続する。これにより、凸部13cとリード足64の先端部分が溶融して玉状になり(図示せず)、リード足64が溶接端子23,24,25に溶接して接続される。これをもって、各電気部品64が各バスバー4,5,6と電気的に、さらに機械的にも接続されて電気部品の溶接構造30が得られる。
【0027】
以上のように、溶接基台21も、溶接基台1と同様に、溶接端子23,24,25にそれぞれ上述した保持部14,26,27が形成されているので、挿通されるリード足64を押え込み、各溶接端子に対する相対位置を固定することができる。そのため、指先により、または所定のコテ、万力等の器具により、リード足64を動かないように位置を固定する必要性が皆無となるから、溶接基台21を用いると電気部品の溶接作業を効率的に行うことができる。また、上述の保持部27は、2本のアーム部を先端が近づくように折り曲げて得られるから、他の部材を溶接するなどの手間を要さず容易に形成することができる。
【0028】
(第3の実施の形態)
次に、図9を参照して、本発明の別の実施の形態について説明する。図9は本発明による溶接基台31の要部を示す一部省略した斜視図である。なお、溶接基台31も、上述した溶接基台1と共通する部分を有するから、以下の説明は相違する部分を中心に行い、共通する部分については説明を省略ないし簡略化する。
溶接基台31は、樹脂基台2にバスバー8を溶着して固定した構造を有している。そのバスバー8は基部8aに、基部8aから起立して形成され、内側に貫通孔32aを有する一対の筒状溶接突起32を設けたものである。貫通孔32aは筒状溶接突起32の長さ方向の全体にわたって連通し、接続しようとする電気部品60bのリード足64の外形に対応した形状(リード足64の表面に適度な隙間をもって接することが可能な形状)に形成され、所定の長さを有している。また、筒状溶接突起32は先端に溶接部となる凸部32bが形成されている。
【0029】
この筒状溶接突起32に対応して、樹脂基台2には図示しない挿通孔が形成されている。
そして、この溶接基台31も、電気部品60bを溶接して接続するときは、それを接続しようとする箇所の挿通孔にバスバー8の固定されていない第2面からリード足64を差込む。すると、そのリード足64が挿通孔を通って樹脂基台2を通過した後、貫通孔32aに沿って案内され、筒状溶接突起32の先端から先端部分が突出する。このとき、リード足64は貫通孔32aに沿ってそれに接触しながら案内されるから、筒状溶接突起32によって、交差方向に動かないように押え込まれる。したがって、電気部品60bは差込み後に筒状溶接突起32に対して位置ずれを起こすことなくその相対位置が固定される。さらに続いて、凸部32bとリード足64とを図示しないアーク溶接装置でアーク溶接して接続すると、凸部32bとリード足64の先端部分が溶融して接続される。これをもって、電気部品60bは、各バスバー8と電気的にも機械的にも接続されて電気部品の溶接構造が得られる。
【0030】
以上のように、溶接基台31も、筒状溶接突起32によって、挿通したリード足64が位置ずれを起こさないので、指先等により、そのリード足64が動かないように位置を固定する必要性が皆無である。したがって、溶接基台31を用いても電気部品の溶接作業を効率的に行える。
なお、上述した第1、第2の実施の形態では、保持部は保持部14のように、他の部材を溶接等することなく形成したものを例にとって説明しているが、本発明の場合、保持部はそのようなものには限定されない。例えば、リード足の外形に対応した大きさの孔を有する円環部材を足受部に溶接するなどして形成したものでもよい。また、バスバーは基部に複数の溶接端子を形成したものを例にとって説明しているが、基部を溶接端子ごとに分け、各基部に溶接端子を1つだけ形成してもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、溶接端子の保持部や筒状溶接突起により、リード足が押え込まれて溶接端子に対する位置ずれを起こさないので、リード足の位置を固定する必要性が無く、電気部品の溶接作業を効率的に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は実施形態に係る溶接基台に電気部品を溶接した電気部品の溶接構造を示す斜視図、(b)はその要部拡大図である。
【図2】同じく、電気部品を上にして示す電気部品の溶接構造を示す斜視図である。
【図3】同じく、電気部品を上にして示す電気部品の溶接構造の分解斜視図である。
【図4】別の実施形態に係る溶接基台に電気部品を溶接した電気部品の溶接構造を示す斜視図である。
【図5】同じく、電気部品を上にして示す電気部品の溶接構造の斜視図である。
【図6】同じく、電気部品を上にして示す電気部品の溶接構造の分解斜視図である。
【図7】異なる保持部を有する溶接端子を設けた4つのバスバーの斜視図である。
【図8】図7に示すバスバー5の保持部により、リード足を保持した状態を示す一部省略した断面図である。
【図9】別の実施形態に係る溶接基台と、接続される電気部品とを示す斜視図である。
【図10】従来の溶接基台と、接続される電気部品とを示す斜視図である。
【図11】従来の溶接基台の溶接端子と電気部品とを示し、(a)は電気部品が離反した状態を示す斜視図、(b)は電気部品が傾斜した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,21,31…溶接基台、2…樹脂基台
3,4,5,6,7,8…バスバー、3a…基部
10,30…電気部品の溶接構造
13,23,24,25,28…溶接端子
13b…足受部、13c…凸部
13d…第1の足受部、13e…第2の足受部
23a,24a,25a…保持孔
14,26,27,29…保持部
14a…湾曲状アーム部,27a…アーム部
26a…挿通孔、32…筒状溶接突起
32a…貫通孔
60,60a,60b,60c,62…電気部品
64,65…リード足
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気部品を溶接によりバスバーに接続する電気部品の溶接基台およびそれを有する電気部品の溶接構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気部品を配置して電気回路を構成する場合は、その電気部品を溶接により接続している。従来、溶接により電気部品を接続するときに、次のような溶接基台を使用することがあった。その溶接基台は、図10に示すように、溶接用突起101を有する金属製のバスバー100を樹脂製ケース102に固定したもので、その溶接用突起101に電気部品のリード足103を溶接することにより、その電気部品をバスバー100に電気的に接続できるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−134956号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の溶接基台を用いる場合、接続しようとする電気部品は樹脂製ケース102の、バスバー100が固定されていない裏面からリード足103を差込み、そのリード足103と溶接用突起101とを溶接することによって接続する。
しかし、この従来の溶接基台は溶接用突起101に対し、リード足103の位置が不安定になりやすい。そのため、裏面からリード足103を差込むと、そのリード足103がぐらついて、溶接用突起101からその手前側に離反したり、左右に傾いたりして位置がずれてしまい(図11参照)、溶接がうまくできなくなるおそれがあった。したがって、溶接作業の際には、指先により、または所定のコテ、万力等の器具によりリード足103が動かないように位置を固定しなければならず、そのことのために作業効率が著しく悪化するという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は上記課題を解決し、溶接により電気部品を位置ずれなく確実に接続することができて、その溶接作業を効率的に行い得る構造を備えた電気部品の溶接基台およびそれを有する電気部品の溶接構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明による電気部品の溶接基台は基台の片面に、溶接端子を有するバスバーが固定された電気部品の溶接基台であって、溶接端子は、その先端に前記電気部品のリード足を溶接させる溶接部を有し、その溶接部に対するリード足の位置を固定する保持部を溶接端子に設けたことを特徴とするものである。
この電気部品の溶接基台は、電気部品のリード足を保持部により押え込み、溶接端子に対する相対位置を固定することができる。
また、上記電気部品の溶接基台は上記バスバーが、基台に固定される基部に、溶接端子が起立して形成され、その基部における溶接端子の付け根部分にリード足の保持孔が更に形成されているようにすることができる。
この構成の場合、簡易な構成のバスバーにより、確実にリード足を沿わせつつ保持することができる。
【0007】
上記いずれの電気部品の溶接基台も、上記保持部が2本の湾曲状アーム部により構成され、その各湾曲状アーム部は、リード足の外形に対応した挿通部を形成するように、先端が近づいているようにすることができる。
また、溶接端子の側部を切り込んで2本のアーム部を形成し、その各アーム部を、それぞれの先端が近づくように折り曲げて、保持部が形成されているようにすることもできる。
さらに、溶接端子を基部に向けて折り曲げて第1の足受部を形成し、その第1の足受部から起立する方向に折り曲げて第2の足受部を形成し、第1の足受部にリード足の挿通孔を設け、その挿通孔と第1および第2の足受部とにより保持部が形成されていてもよい。
これらのようすると、保持部が他の部材を溶接して固定するなどの手間を要さず容易に形成される。
また、本発明は、基台の片面に、バスバーが固定された電気部品の溶接基台であって、バスバーに、電気部品のリード足の外形に対応した貫通孔を有する筒状溶接突起を設けた電気部品の溶接基台を提供する。
【0008】
この電気部品の溶接基台も、電気部品のリード足を筒状溶接突起により押え込んで相対位置を固定することができる。
そして、本発明は、基台の片面に、溶接端子を有するバスバーが固定された電気部品の溶接基台を有する電気部品の溶接構造であって、溶接端子が、その先端に電気部品のリード足を溶接させる溶接部を有し、その溶接部に対するリード足の位置を固定する保持部が形成され、電気部品のリード足が、バスバーの固定されていない反対面側から基台に挿通され、かつ溶接部に対する位置を保持部により固定して溶接端子に溶接されている電気部品の溶接構造を提供する。
【0009】
この電気部品の溶接構造は、リード足が保持部により保持された状態で電気部品が溶接されている。
また、この電気部品の溶接構造の場合、上記バスバーは、基台に固定される基部に、溶接端子が起立して形成され、その基部における溶接端子の付け根部分にリード足の保持孔が更に形成され、その保持孔にもリード足が挿通されているとよい。
これらの電気部品の溶接構造は、保持部が2本の湾曲状アーム部により構成され、その各湾曲状アーム部は、リード足の外形に対応した挿通部を形成するように、先端が近づき、湾曲状アーム部による挿通部にリード足が挿通されているようにすることができる。
【0010】
また、溶接端子の側部を切り込んで2本のアーム部を形成し、その各アーム部を、それぞれの先端が近づくように折り曲げて、保持部が形成されているようにすることもできる。
さらに、溶接端子を基部に向けて折り曲げて第1の足受部を形成し、第1の足受部から起立する方向に折り曲げて第2の足受部を形成し、第1の足受部にリード足の挿通孔を設け、その挿通孔と第1および第2の足受部とにより保持部が形成され、挿通孔にリード足が挿通されていてもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、同一要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。
(第1の実施の形態)
まず、図1〜図3を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1(a)は本発明による電気部品の溶接基台1に、電気部品60(60a,60b,60c)を溶接して接続した電気部品の溶接構造10を示す斜視図であり、同図(b)は、その要部拡大図である。図2は電気部品60を上にして示す溶接構造10の斜視図であり、図3はその分解斜視図である。
【0012】
電気部品の溶接基台(以下「溶接基台」という)1は樹脂基台2に、バスバー3が4個並べて固定されている。
図1に示すように、樹脂基台2はガラスエポキシ樹脂等の樹脂からなり、その第1面2aにバスバー3が螺子止めして固定されている。また、図3に示すように、樹脂基台2には各バスバー3の後述する溶接端子13に対応して、溶接端子13の付け根部分近傍に、電気部品60の後述するリード足64,65を差し込める大きさの挿通孔2cが複数形成されている。各挿通孔2cは第1面2aと、その裏面である第2面2bとを連通している。
【0013】
バスバー3は電気部品60を溶接により接続し、その各電気部品を図示しない他の回路と接続するもので、例えば、銅や真鍮等の金属で構成されている。
バスバー3は樹脂基台2に固定するための(固定される)平坦な基部3aに、溶接端子13が複数個(図では5個)起立して形成されている。各溶接端子13は先端部分に、リード足64,65を溶接させる溶接部となる凸部13cを有していて、その凸部13cの下側部分が電気部品60のリード足64,65を沿わせる足受部13bとなっている。また、溶接端子13はリード足64,65の凸部13cに対する位置を固定する保持部14が形成されている。なお、図示したバスバー3は基部3aを螺子止めして樹脂基台2に固定されているが、その他、溶着、接着、かしめ、圧入、インサート等の手法により固定してもよい。
【0014】
保持部14は図1(b)に示すように、2本の湾曲状アーム部14a,14aにより構成されている。この各湾曲状アーム部14a,14aは、その内面がリード足64,65の表面形状に対応した湾曲面となるように弓形に加工して形成されたもので、その内側に挿通部14cを形成するように、互いに先端が近づいている。挿通部14cは上下が開口して所定の挿通幅wを有し、リード足64,65の外形に対応した形状(挿通部14cがリード足64,65の表面に適度な隙間を有して接し得る形状)に形成された概ね筒状の領域である。
また、保持部14は溶接端子13において、リード足64,65の長さ、樹脂基台2の厚さおよび浮足高hを考慮し、第2面2bからリード足64,65を挿通したときに、リード足64,65が貫通して、その先端部分が突出し得る位置に形成されている。
【0015】
図2,3に示すように、溶接基台1に接続される電気部品60は、例えばコンデンサのような部品である。図示した電気部品60は、2種類のコンデンサ60a,60bとラインフィルタ60cである。前者と後者は、針状に加工された太さの異なるリード足64,65をそれぞれ有している。なお、これらのコンデンサ60a,60bとラインフィルタ60cは例えば、図示しない車両用のコンバータに適用されるものである。
次に、上述した溶接基台1に電気部品60を接続する手順について説明する。
【0016】
まず、図3に示すように、各電気部品60について、バスバー3の固定されていない第2面2bから、それぞれを接続しようとする箇所の挿通孔2cにリード足64,65を差込む。すると、そのリード足64,65が挿通孔2cを通って樹脂基台2を通過し、その第1面2aから突出する。リード足64,65をさらに差込むと、突出したリード足64,65がそれぞれ溶接端子13の足受部13bに沿って(足受部13bに案内されながら)進み、そこに形成されている保持部14に到達する。
【0017】
このとき、保持部14は湾曲状アーム部14a,14aにより、上述の挿通部14cを形成しており、リード足64,65がその挿通部14cに進入する。すると、その挿通部14cがリード足64,65の外形に対応した形状に形成されているから、進入したリード足64,65は保持部14の内面(湾曲状アーム部14a,14aの内側の湾曲面)に接触して、保持部14により長さ方向と交差する方向(交差方向)に動かないように押え込まれる。したがって、電気部品60は保持部14により、足受部13bから離反したり、左右に傾いたりして位置ずれを起こさないように、差込んだリード足64,65の溶接端子13(の凸部13c)に対する位置を固定することができる。
【0018】
そして、この状態で凸部13cとリード足64,65とを図示しないアーク溶接装置でアーク溶接して接続する。すると、凸部13cとリード足64,65の先端部分が溶融して玉状になり(図示せず)、リード足64,65が溶接端子13に溶接して接続される。これをもって、各電気部品60が各バスバー3と電気的に接続され、さらに機械的にも接続されて電気部品の溶接構造10が得られる。
【0019】
以上のように、溶接基台1は、溶接端子13の保持部14が湾曲状アーム部14a,14aにより、上述した挿通部14cを形成しているので、リード足64,65を押え込み、溶接端子13に対する相対位置を固定することができる。そのため、指先により、または所定のコテ、万力等の器具により、リード足64,65を動かないように位置を固定する必要性が皆無となるから、溶接基台1を用いると、電気部品の溶接作業を効率的に行うことができる。
また、上述のように、バスバー3は基部3aに溶接端子13を起立させた簡易な構成を有しているから、その簡易な構成のバスバー3に、リード足64,65を沿わせつつ確実に保持することができる。そして、その保持部14は2本の湾曲状アーム部14aの先端を近づけて得られるから、他の部材を溶接して固定するなどの手間を要さず、容易に形成することができる。
【0020】
(第2の実施の形態)
次に、図4〜図6を参照して、本発明の別の実施の形態について説明する。図4は本発明による溶接基台21に、電気部品62を複数個溶接して接続した電気部品の溶接構造30を示す斜視図である。図5は電気部品の溶接構造30の裏面からみた斜視図、図6はその分解斜視図である。なお、溶接基台21は上述した溶接基台1と共通する部分を有するから、以下の説明は相違する部分を中心に行い、共通する部分については説明を省略ないし簡略化する。
【0021】
溶接基台21は樹脂基台2に、形状の異なる三種類のバスバー4,5,6が、それぞれ1つづつ並べられ、溶着して固定されている。
各バスバー4,5,6は細長い矩形状の基部3aの両端部に、それぞれ起立した溶接端子23,24,25が二個づつ対向して形成され、各基部3aにおける各溶接端子23,24,25の付け根部分に、電気部品62のリード足64の保持孔23a,24a,25aが形成されている(図7参照)。ここで、図7は各バスバー4,5,6と、さらに別のバスバー7を示す斜視図である。
【0022】
溶接端子23,24,25は先端部分に凸部13cを有し、その凸部13cの下側部分にそれぞれ形状の異なる保持部14,26,27が形成されている。なお、保持部14はバスバー3と同様であるから説明を省略する。
バスバー5の溶接端子24は中間部分を互いに向かい合うように、基部3aに向けて折曲げて第1の足受部13dを形成するとともに、その先端部分を第1の足受部13dから起立する方向に折曲げて第2の足受部13eを形成している。また、第1足受部13dに、第2の足受部13eに跨る挿通孔26aが形成されており、その第1,第2の足受部13d,13eと、挿通孔26aとにより、保持部26が形成されている。挿通孔26aはリード足64の外形寸法に対応した径を有している。
【0023】
バスバー6の保持部27は、2本のアーム部27a,27aにより構成されている。このアーム部27a,27aは、溶接端子25の側部を切り込んで、それぞれの先端が近づくように、手前側(溶接端子25,25の向かい合う方向)に折り曲げて形成されている。このアーム部27a,27aよりも下側が足受部13bとされ、その足受部13bと、アーム部27a,27aにより囲まれる部分に、リード足64の外形に対応した形状の挿通部27cが形成されている。
また、バスバー7は、凸部13cの下側部分に保持部29が形成されている。その保持部29は起立係止部29aを有している。起立係止部29aは、溶接端子28をコの字状に切り込みして折り曲げた屈曲部29bの内側に形成されている。この起立係止部29aは、リード足64の外形に対応した湾曲面を有し、屈曲部29bとにより、リード足64の外形に対応した挿通部29dを形成している。
【0024】
そして、溶接基台21に接続される電気部品62は、例えばコンデンサのような部品であり、リード足64を有している。
次に、上述した溶接基台21に電気部品62を接続する手順について説明すると以下のようになる。
まず、図6に示すように、電気部品62のリード足64を溶接基台1を用いる場合と同様の要領で挿通孔2cに差込む。すると、そのリード足64が挿通孔2cを通って樹脂基台2を通過し、各バスバーの保持孔23a,24a,25aをも通過する。さらにリード足64を差込むと、リード足64が溶接端子23,24,25に沿って進み、それぞれ対応する保持部14,26,27に到達する。
【0025】
このとき、バスバー4における溶接端子23では、上述の挿通部14cを形成する保持部14が形成されているので、その保持部14によりリード足64を押え込み、溶接端子23に対する相対位置を固定する。
また、バスバー5における溶接端子24では、上述の保持部26が形成されているから、リード足64を溶接端子24と挿通孔26aおよび第1、第2の足受部13d,13eにより押え込み、溶接端子24に対する相対位置を固定する。この場合、図8に示すようにリード足64は挿通孔26aにより左右の動きが規制され、溶接端子24と第1、第2の足受部13d,13eにより前後の動きが規制されている。
【0026】
さらに、バスバー6における溶接端子25では、上述の挿通部27cを形成する保持部27が形成されているので、その保持部27によりリード足64を押え込み、溶接端子25に対する相対位置を固定する。
したがって、各電気部品62はいずれも、差込み後にリード足64が各溶接端子から離反したり、左右に傾いたりして位置がずれることはない。
その後、第1の実施の形態と同じ要領で、凸部13cと各リード足64とを図示しないアーク溶接装置でアーク溶接して接続する。これにより、凸部13cとリード足64の先端部分が溶融して玉状になり(図示せず)、リード足64が溶接端子23,24,25に溶接して接続される。これをもって、各電気部品64が各バスバー4,5,6と電気的に、さらに機械的にも接続されて電気部品の溶接構造30が得られる。
【0027】
以上のように、溶接基台21も、溶接基台1と同様に、溶接端子23,24,25にそれぞれ上述した保持部14,26,27が形成されているので、挿通されるリード足64を押え込み、各溶接端子に対する相対位置を固定することができる。そのため、指先により、または所定のコテ、万力等の器具により、リード足64を動かないように位置を固定する必要性が皆無となるから、溶接基台21を用いると電気部品の溶接作業を効率的に行うことができる。また、上述の保持部27は、2本のアーム部を先端が近づくように折り曲げて得られるから、他の部材を溶接するなどの手間を要さず容易に形成することができる。
【0028】
(第3の実施の形態)
次に、図9を参照して、本発明の別の実施の形態について説明する。図9は本発明による溶接基台31の要部を示す一部省略した斜視図である。なお、溶接基台31も、上述した溶接基台1と共通する部分を有するから、以下の説明は相違する部分を中心に行い、共通する部分については説明を省略ないし簡略化する。
溶接基台31は、樹脂基台2にバスバー8を溶着して固定した構造を有している。そのバスバー8は基部8aに、基部8aから起立して形成され、内側に貫通孔32aを有する一対の筒状溶接突起32を設けたものである。貫通孔32aは筒状溶接突起32の長さ方向の全体にわたって連通し、接続しようとする電気部品60bのリード足64の外形に対応した形状(リード足64の表面に適度な隙間をもって接することが可能な形状)に形成され、所定の長さを有している。また、筒状溶接突起32は先端に溶接部となる凸部32bが形成されている。
【0029】
この筒状溶接突起32に対応して、樹脂基台2には図示しない挿通孔が形成されている。
そして、この溶接基台31も、電気部品60bを溶接して接続するときは、それを接続しようとする箇所の挿通孔にバスバー8の固定されていない第2面からリード足64を差込む。すると、そのリード足64が挿通孔を通って樹脂基台2を通過した後、貫通孔32aに沿って案内され、筒状溶接突起32の先端から先端部分が突出する。このとき、リード足64は貫通孔32aに沿ってそれに接触しながら案内されるから、筒状溶接突起32によって、交差方向に動かないように押え込まれる。したがって、電気部品60bは差込み後に筒状溶接突起32に対して位置ずれを起こすことなくその相対位置が固定される。さらに続いて、凸部32bとリード足64とを図示しないアーク溶接装置でアーク溶接して接続すると、凸部32bとリード足64の先端部分が溶融して接続される。これをもって、電気部品60bは、各バスバー8と電気的にも機械的にも接続されて電気部品の溶接構造が得られる。
【0030】
以上のように、溶接基台31も、筒状溶接突起32によって、挿通したリード足64が位置ずれを起こさないので、指先等により、そのリード足64が動かないように位置を固定する必要性が皆無である。したがって、溶接基台31を用いても電気部品の溶接作業を効率的に行える。
なお、上述した第1、第2の実施の形態では、保持部は保持部14のように、他の部材を溶接等することなく形成したものを例にとって説明しているが、本発明の場合、保持部はそのようなものには限定されない。例えば、リード足の外形に対応した大きさの孔を有する円環部材を足受部に溶接するなどして形成したものでもよい。また、バスバーは基部に複数の溶接端子を形成したものを例にとって説明しているが、基部を溶接端子ごとに分け、各基部に溶接端子を1つだけ形成してもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、溶接端子の保持部や筒状溶接突起により、リード足が押え込まれて溶接端子に対する位置ずれを起こさないので、リード足の位置を固定する必要性が無く、電気部品の溶接作業を効率的に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は実施形態に係る溶接基台に電気部品を溶接した電気部品の溶接構造を示す斜視図、(b)はその要部拡大図である。
【図2】同じく、電気部品を上にして示す電気部品の溶接構造を示す斜視図である。
【図3】同じく、電気部品を上にして示す電気部品の溶接構造の分解斜視図である。
【図4】別の実施形態に係る溶接基台に電気部品を溶接した電気部品の溶接構造を示す斜視図である。
【図5】同じく、電気部品を上にして示す電気部品の溶接構造の斜視図である。
【図6】同じく、電気部品を上にして示す電気部品の溶接構造の分解斜視図である。
【図7】異なる保持部を有する溶接端子を設けた4つのバスバーの斜視図である。
【図8】図7に示すバスバー5の保持部により、リード足を保持した状態を示す一部省略した断面図である。
【図9】別の実施形態に係る溶接基台と、接続される電気部品とを示す斜視図である。
【図10】従来の溶接基台と、接続される電気部品とを示す斜視図である。
【図11】従来の溶接基台の溶接端子と電気部品とを示し、(a)は電気部品が離反した状態を示す斜視図、(b)は電気部品が傾斜した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,21,31…溶接基台、2…樹脂基台
3,4,5,6,7,8…バスバー、3a…基部
10,30…電気部品の溶接構造
13,23,24,25,28…溶接端子
13b…足受部、13c…凸部
13d…第1の足受部、13e…第2の足受部
23a,24a,25a…保持孔
14,26,27,29…保持部
14a…湾曲状アーム部,27a…アーム部
26a…挿通孔、32…筒状溶接突起
32a…貫通孔
60,60a,60b,60c,62…電気部品
64,65…リード足
Claims (11)
- 基台の片面に、溶接端子を有するバスバーが固定された電気部品の溶接基台であって、
前記溶接端子は、その先端に前記電気部品のリード足を溶接させる溶接部を有し、
該溶接部に対する前記リード足の位置を固定する保持部を前記溶接端子に設けたことを特徴とする電気部品の溶接基台。 - 前記バスバーは、前記基台に固定される基部に、前記溶接端子が起立して形成され、該基部における前記溶接端子の付け根部分に前記リード足の保持孔が更に形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の電気部品の溶接基台。 - 前記保持部が2本の湾曲状アーム部により構成され、該各湾曲状アーム部は、前記リード足の外形に対応した挿通部を形成するように、先端が近づいている
ことを特徴とする請求項1または2記載の電気部品の溶接基台。 - 前記溶接端子の側部を切り込んで2本のアーム部を形成し、該各アーム部を、それぞれの先端が近づくように折り曲げて、前記保持部が形成されている
ことを特徴とする請求項1または2記載の電気部品の溶接基台。 - 前記溶接端子を前記基部に向けて折り曲げて第1の足受部を形成し、該第1の足受部から起立する方向に折り曲げて第2の足受部を形成し、前記第1の足受部に前記リード足の挿通孔を設け、該挿通孔と前記第1および第2の足受部とにより前記保持部が形成されている
ことを特徴とする請求項2記載の電気部品の溶接基台。 - 基台の片面に、バスバーが固定された電気部品の溶接基台であって、
前記バスバーに、前記電気部品のリード足の外形に対応した貫通孔を有する筒状溶接突起を設けた
ことを特徴とする電気部品の溶接基台。 - 基台の片面に、溶接端子を有するバスバーが固定された電気部品の溶接基台を有する電気部品の溶接構造であって、
前記溶接端子が、その先端に前記電気部品のリード足を溶接させる溶接部を有し、該溶接部に対する前記リード足の位置を固定する保持部が形成され、
前記電気部品のリード足が、前記バスバーの固定されていない反対面側から前記基台に挿通され、かつ前記溶接部に対する位置を前記保持部により固定して前記溶接端子に溶接されている
ことを特徴とする電気部品の溶接構造。 - 前記バスバーは、前記基台に固定される基部に、前記溶接端子が起立して形成され、該基部における前記溶接端子の付け根部分に前記リード足の保持孔が更に形成され、その保持孔にも前記リード足が挿通されている
ことを特徴とする請求項7記載の電気部品の溶接構造。 - 前記保持部が2本の湾曲状アーム部により構成され、該各湾曲状アーム部は、前記リード足の外形に対応した挿通部を形成するように、先端が近づき、前記湾曲状アーム部による挿通部に前記リード足が挿通されている
ことを特徴とする請求項7または8記載の電気部品の溶接構造。 - 前記溶接端子の側部を切り込んで2本のアーム部を形成し該各アーム部を、それぞれの先端が近づくように折り曲げて、前記保持部が形成されている
ことを特徴とする請求項7または8記載の電気部品の溶接構造。 - 前記溶接端子を前記基部に向けて折り曲げて第1の足受部を形成し、該第1の足受部から起立する方向に折り曲げて第2の足受部を形成し前記第1の足受部に前記リード足の挿通孔を設け、該挿通孔と前記第1および第2の足受部とにより前記保持部が形成され、前記挿通孔に前記リード足が挿通されている
ことを特徴とする請求項8記載の電気部品の溶接構造。
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