JP2004290543A - アルデヒド類消臭剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】住宅の床、壁、天井、家具などに使用される木質材料には、尿素樹脂系、尿素‐メラミン樹脂系、フェノール樹脂系の接着剤が使用され、これらの樹脂に含まれるホルムアルデヒドが発生源である。よって、板、集合材、パーティクルボード、木質繊維板などの木質材料、壁紙などの製造に用いられる接着剤に由来したホルムアルデヒドの消臭剤組成物として、特にホルムアルデヒドと反応してより効率的に除去する、ホルムアルデヒド消臭剤を提供すること。
【解決手段】アミノ化合物及びヒドラジド化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種と、シリカゾルとを有効成分とするアルデヒド類消臭剤組成物による。
【選択図】 なし
【解決手段】アミノ化合物及びヒドラジド化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種と、シリカゾルとを有効成分とするアルデヒド類消臭剤組成物による。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルデヒド類消臭剤組成物に関する。特に、合板、集合材、パーティクルボード、木質繊維板などの木質材料、壁紙などの製造に用いられる接着剤に由来したホルムアルデヒドの消臭剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、揮発性有機化学物質による住宅内部への空気汚染によって、居住者の健康に及ぼす影響が顕在化し、いわゆる「シックハウス症候群」として社会問題となっている。なかでも、これらの症状を引き起こす原因物質として注目されているのがホルムアルデヒドである。住宅の床、壁、天井、家具などに使用される木質材料には、尿素樹脂系、尿素‐メラミン樹脂系、フェノール樹脂系の接着剤が使用され、これらの樹脂に含まれるホルムアルデヒドが発生源である。このため、これらの建築材料、建材、家具から放散されるホルムアルデヒド量の低減が望まれている。
【0003】
この問題点に対して、ホルムアルデヒドなどアルデヒド類と反応して効率的に除去するアルデヒド類消臭剤組成物が提案されている。アルデヒド類消臭剤組成物では、尿素、エチレン尿素、チオ尿素、モルホリン、ピロリジン、ジシアンジアミドなどのアミン類、アミド類、イミド類などアミノ化合物と、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジドなどのヒドラジド化合物が有効成分として用いられている。
【0004】
また、その反応効率を向上させるため、無機性リン酸塩との併用(特許文献1参照。)、珪酸塩、特に珪酸マグネシウム質粘土鉱物との併用(特許文献2参照。)などが提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−331504号公報(特許請求の範囲、発明の詳細な説明)
【特許文献2】
特開2001−523号公報(特許請求の範囲、発明の詳細な説明)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
アルデヒド類と反応してより効率的に除去するアルデヒド類消臭剤組成物を提供する。ここでは、その反応効率を向上させるための有効成分である添加剤を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アミノ化合物及びヒドラジド化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種と、シリカゾルとを有効成分とするアルデヒド類消臭剤組成物である。
【0008】
この好ましい実施態様を以下に示す。
【0009】
アミノ化合物及びヒドラジド化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種が、アジピン酸ジヒドラジドであること。
【0010】
アミノ化合物及びヒドラジド化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種が、尿素であること。
【0011】
シリカゾルが3〜250nmの平均粒子径粒子径を有する水性シリカゾルであること。
【0012】
シリカゾルが3〜200nmの平均粒子径粒子径を有する水性シリカゾルであること。
【0013】
シリカゾルが3〜25nmの平均粒子径粒子径を有する水性シリカゾルであること。
【0014】
シリカゾルが3〜15nmの平均粒子径粒子径を有する水性シリカゾルであること。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の詳細について、以下に説明する。
【0016】
アルデヒド類消臭剤組成物の有効成分について
アミノ化合物としては、例えば、モルホリン、ピロリジンなどのヘテロ環アミン、エチレンジアミン、ジエテレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどの脂肪族ポリアミン、メタフェニレンジアミンなどの芳香族ポリアミン、メラミンなどのヘテロ環ポリアミン、尿素、エチレン尿素、チオ尿素、ジシアンジアミドなどのアミド、脂肪酸とポリアミンから得られるポリアミド、キトサンなどのアミノ基を有する高分子などを用いることができる。これらアミノ化合物のうち、低分子のものは有毒な揮発成分を放出するおそれがあり、環境衛生の観点から揮発性が低いものを使用するのが好ましい。
【0017】
ヒドラジド化合物としては、分子中にヒドラジド基(−CONHNH2)を有する化合物である。これらのヒドラジド化合物としては、分子中にヒドラジド基を2個以上有するヒドラジド化合物が好ましい。例えば、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジドなどの直鎖状ジヒドラジド化合物、テレフタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジドなどの芳香族ジヒドラジド化合物などが挙げられる。また、その他のヒドラジドとして、ポリアクリル酸ヒドラジドなどのポリマータイプも用いることができる。
【0018】
これらのうち、本発明においては、環境問題の点から水溶性のヒドラジドを用いるのが好ましく、アジピン酸ジヒドラジドが特に好ましい。
【0019】
シリカゾルとは、水性溶媒又はアルコール性溶媒を分散媒、3〜250nmの平均粒子径を有するコロイダルシリカ粒子を分散質とするコロイド分散系である。シリカゾルの平均粒子径として、分散質であるコロイダルシリカ粒子の平均粒子径を示している。
【0020】
シリカゾルとしては、アルカリ金属硅酸塩である珪酸ソーダを原料としたシリカゾルが容易に入手でき好ましい。
【0021】
実際、3〜250nmの平均粒子径を有するシリカゾルが市販されている。
【0022】
市販品のナトリウム安定化水性シリカゾルとしては、スノーテックス(登録商標) 30(日産化学工業(株)製)、スノーテックス(登録商標) S(日産化学工業(株)製)、スノーテックス(登録商標) XS(日産化学工業(株)製)、ルドックス(登録商標) HS30(ダブリュ.アール.グレース・アンド・カンパニー−コネティカット製)、ナルコ(登録商標) 2326(ナルコケミカル カンパニー製)、ナイヤコール(登録商標) 1430(エカ ケミカルズ アクチェボラーグ製)、バインドジル(登録商標) 30/220(エカ ケミカルズ アクチェボラーグ製)、カタロイド(登録商標) SI30(触媒化成工業(株)製)、アデライト(登録商標) AT−30(旭電化工業(株))などが挙げられる。
【0023】
市販品のアンモニア安定化水性シリカゾルとしては、スノーテックス(登録商標) N(日産化学工業(株)製)、スノーテックス(登録商標) NS(日産化学工業(株)製)、スノーテックス(登録商標) NXS(日産化学工業(株)製)、ルドックス(登録商標) AS(ダブリュ.アール.グレース・アンド・カンパニー−コネティカット製)、ナルコ(登録商標) 2326(ナルコ ケミカル カンパニー製)、ナイヤコール(登録商標) 2040NH4(エカケミカルズ アクチェボラーグ製)、バインドジル(登録商標) 30NH3/220(エカ ケミカルズ アクチェボラーグ製)、アデライト(登録商標)
AT−20N(旭電化工業(株))などが挙げられる。
【0024】
また、ナトリウム安定化水性シリカゾルを脱イオン処理した、3〜5のpHを有する、市販品の酸性水性シリカゾルとしては、スノーテックス(登録商標) O(日産化学工業(株)製)、スノーテックス(登録商標) OS(日産化学工業(株)製)、スノーテックス(登録商標) OXS(日産化学工業(株)製)、ナルコ(登録商標) 1034A(ナルコ ケミカル カンパニー製)、ナイヤコール(商標) 2034DI(エカ ケミカルズ アクチェボラーグ製)、カタロイド(登録商標) SN(触媒化成工業(株)製)、アデライト(登録商標) AT−20Q(旭電化工業(株))などが挙げられる。
【0025】
市販のアルコール性シリカゾル(アルコールを分散媒とするオルガノシリカゾル)としては、メタノールシリカゾル(日産化学工業(株)製)、イソプロパノールシリカゾル(日産化学工業(株)製)などが挙げられる。
【0026】
アルデヒド類消臭剤組成物の有効成分としてのシリカゾルとしては、ナトリム安定型水性シリカゾル、アンモニア安定型水性シリカゾル及び酸性水性シリカゾルが好ましく、他のカチオン成分をアルデヒド類消臭剤組成物に持ち込まない酸性水性シリカゾルがより好ましい。
【0027】
アルデヒド類消臭剤組成物は、常温又は加温(95℃まで)下でアミノ化合物及びヒドラジド化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と、シリカゾルとを混合して調製する。
【0028】
アミノ化合物及びヒドラジド化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物100質量部に対して、シリカゾルはシリカ(SiO2)固形分として10〜1000質量部用いることができる。
【0029】
アルデヒド類消臭剤組成物には、シリカゾルが水性シリカゾルである場合、保水剤を併用することができる。保水剤として、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、低分子量ポリエチレンオキシド、低分子量ポリプロピレンオキシドなどの水溶性高分子ポリマーと、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシセルロースなどの水溶性セルロース誘導体を挙げることができる。
【0030】
アルデヒド類消臭剤組成物には、アルデヒド類の固定化能が阻害されない限り、各種界面活性剤を添加して使用して良い。
【0031】
本発明のアルデヒド類消臭剤組成物においては、シリカゾル、特に水性シリカゾルを用いる場合は水溶液であり、そのため、水溶液として調製することができて、有機溶媒を用いることがない。よって、二次的な揮発性有機化学物質の発生の防止ともなる。
【0032】
【実施例】
以下の材料を用いて消臭剤組成物水溶液を調整した。混合組成を表1に示す。
【0033】
(A)尿素〔工業用粒状品 日産化学工業(株)製〕
(B)アジピン酸ジヒドラジド〔試薬1級 東京化成工業(株)製〕
(C)酸性水性シリカゾル〔スノーテックス(登録商標) O、日産化学工業(株)製:pH 3、シリカ(SiO2)濃度 20質量%、平均粒子径 13nm〕
(D)酸性水性シリカゾル〔スノーテックス(登録商標) OXS、日産化学工業(株)製:pH 3、シリカ(SiO2)濃度 10質量%、平均粒子径 4nm〕
【0034】
【表1】
【0035】
ここで、組成物1〜8は本発明法、組成物9〜10は比較例である。
【0036】
実施例1
組成物例で示した本発明の消臭剤組成物を、内径85mmのガラスシャーレに広げ、乾燥し固形分重量0.015gの皮膜を形成させた。シャーレをポリエステルフィルム製におい袋(容量3L)の中に入れ、ヒートシールした後、ホルムアルデヒド濃度40ppmに調整した空気を注入した。これを、室温(20℃)にて放置し、3時間後にガス検知管をもちいて袋中のホルムアルデヒド濃度を測定した。比較として尿素水溶液から得た固形分重量0.015gの皮膜を形成させたシャーレ、及び空のシャーレで同様の測定をおこなった。試験結果を表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】
実施例2
日本農林規格(JAS)F2構造用合板に、組成物例で示した本発明の消臭剤組成物を、33g/m2の割合で両面に塗布した。塗布後の合板は20℃−50%相対湿度の室内で24時間放置した後、5cm×15cmの試験片10枚を切出し、日本農林規格(JAS No.Q−2)に記載の「デシケータ法ホルムアルデヒド放散量試験」をおこなった。試験結果を表3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】
表2と表3より、ホルムアルデヒドと化学反応により固定化する尿素とアジピン酸ジヒドラジドに対して、シリカゾルがその反応効率を向上させていることが明らかになった。
【0041】
【発明の効果】
本発明により、アルデヒドと化学反応により固定化する化学物質に作用して、より効率的に除去するアルデヒド類を除去する消臭剤組成物を提供することができた。
【0042】
このアルデヒド類の反応効率を向上させるためのシリカゾルが有効成分として、著しい効果を表している。
【0043】
住宅の床、壁、天井、家具などに使用される木質材料には、尿素樹脂系、尿素‐メラミン樹脂系、フェノール樹脂系の接着剤が使用され、これらの樹脂に含まれるホルムアルデヒドが発生源である。このため、これらの建築材料、建材、家具から放散されるホルムアルデヒド量の低減へ大いに役立つものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルデヒド類消臭剤組成物に関する。特に、合板、集合材、パーティクルボード、木質繊維板などの木質材料、壁紙などの製造に用いられる接着剤に由来したホルムアルデヒドの消臭剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、揮発性有機化学物質による住宅内部への空気汚染によって、居住者の健康に及ぼす影響が顕在化し、いわゆる「シックハウス症候群」として社会問題となっている。なかでも、これらの症状を引き起こす原因物質として注目されているのがホルムアルデヒドである。住宅の床、壁、天井、家具などに使用される木質材料には、尿素樹脂系、尿素‐メラミン樹脂系、フェノール樹脂系の接着剤が使用され、これらの樹脂に含まれるホルムアルデヒドが発生源である。このため、これらの建築材料、建材、家具から放散されるホルムアルデヒド量の低減が望まれている。
【0003】
この問題点に対して、ホルムアルデヒドなどアルデヒド類と反応して効率的に除去するアルデヒド類消臭剤組成物が提案されている。アルデヒド類消臭剤組成物では、尿素、エチレン尿素、チオ尿素、モルホリン、ピロリジン、ジシアンジアミドなどのアミン類、アミド類、イミド類などアミノ化合物と、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジドなどのヒドラジド化合物が有効成分として用いられている。
【0004】
また、その反応効率を向上させるため、無機性リン酸塩との併用(特許文献1参照。)、珪酸塩、特に珪酸マグネシウム質粘土鉱物との併用(特許文献2参照。)などが提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−331504号公報(特許請求の範囲、発明の詳細な説明)
【特許文献2】
特開2001−523号公報(特許請求の範囲、発明の詳細な説明)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
アルデヒド類と反応してより効率的に除去するアルデヒド類消臭剤組成物を提供する。ここでは、その反応効率を向上させるための有効成分である添加剤を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アミノ化合物及びヒドラジド化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種と、シリカゾルとを有効成分とするアルデヒド類消臭剤組成物である。
【0008】
この好ましい実施態様を以下に示す。
【0009】
アミノ化合物及びヒドラジド化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種が、アジピン酸ジヒドラジドであること。
【0010】
アミノ化合物及びヒドラジド化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種が、尿素であること。
【0011】
シリカゾルが3〜250nmの平均粒子径粒子径を有する水性シリカゾルであること。
【0012】
シリカゾルが3〜200nmの平均粒子径粒子径を有する水性シリカゾルであること。
【0013】
シリカゾルが3〜25nmの平均粒子径粒子径を有する水性シリカゾルであること。
【0014】
シリカゾルが3〜15nmの平均粒子径粒子径を有する水性シリカゾルであること。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の詳細について、以下に説明する。
【0016】
アルデヒド類消臭剤組成物の有効成分について
アミノ化合物としては、例えば、モルホリン、ピロリジンなどのヘテロ環アミン、エチレンジアミン、ジエテレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどの脂肪族ポリアミン、メタフェニレンジアミンなどの芳香族ポリアミン、メラミンなどのヘテロ環ポリアミン、尿素、エチレン尿素、チオ尿素、ジシアンジアミドなどのアミド、脂肪酸とポリアミンから得られるポリアミド、キトサンなどのアミノ基を有する高分子などを用いることができる。これらアミノ化合物のうち、低分子のものは有毒な揮発成分を放出するおそれがあり、環境衛生の観点から揮発性が低いものを使用するのが好ましい。
【0017】
ヒドラジド化合物としては、分子中にヒドラジド基(−CONHNH2)を有する化合物である。これらのヒドラジド化合物としては、分子中にヒドラジド基を2個以上有するヒドラジド化合物が好ましい。例えば、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジドなどの直鎖状ジヒドラジド化合物、テレフタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジドなどの芳香族ジヒドラジド化合物などが挙げられる。また、その他のヒドラジドとして、ポリアクリル酸ヒドラジドなどのポリマータイプも用いることができる。
【0018】
これらのうち、本発明においては、環境問題の点から水溶性のヒドラジドを用いるのが好ましく、アジピン酸ジヒドラジドが特に好ましい。
【0019】
シリカゾルとは、水性溶媒又はアルコール性溶媒を分散媒、3〜250nmの平均粒子径を有するコロイダルシリカ粒子を分散質とするコロイド分散系である。シリカゾルの平均粒子径として、分散質であるコロイダルシリカ粒子の平均粒子径を示している。
【0020】
シリカゾルとしては、アルカリ金属硅酸塩である珪酸ソーダを原料としたシリカゾルが容易に入手でき好ましい。
【0021】
実際、3〜250nmの平均粒子径を有するシリカゾルが市販されている。
【0022】
市販品のナトリウム安定化水性シリカゾルとしては、スノーテックス(登録商標) 30(日産化学工業(株)製)、スノーテックス(登録商標) S(日産化学工業(株)製)、スノーテックス(登録商標) XS(日産化学工業(株)製)、ルドックス(登録商標) HS30(ダブリュ.アール.グレース・アンド・カンパニー−コネティカット製)、ナルコ(登録商標) 2326(ナルコケミカル カンパニー製)、ナイヤコール(登録商標) 1430(エカ ケミカルズ アクチェボラーグ製)、バインドジル(登録商標) 30/220(エカ ケミカルズ アクチェボラーグ製)、カタロイド(登録商標) SI30(触媒化成工業(株)製)、アデライト(登録商標) AT−30(旭電化工業(株))などが挙げられる。
【0023】
市販品のアンモニア安定化水性シリカゾルとしては、スノーテックス(登録商標) N(日産化学工業(株)製)、スノーテックス(登録商標) NS(日産化学工業(株)製)、スノーテックス(登録商標) NXS(日産化学工業(株)製)、ルドックス(登録商標) AS(ダブリュ.アール.グレース・アンド・カンパニー−コネティカット製)、ナルコ(登録商標) 2326(ナルコ ケミカル カンパニー製)、ナイヤコール(登録商標) 2040NH4(エカケミカルズ アクチェボラーグ製)、バインドジル(登録商標) 30NH3/220(エカ ケミカルズ アクチェボラーグ製)、アデライト(登録商標)
AT−20N(旭電化工業(株))などが挙げられる。
【0024】
また、ナトリウム安定化水性シリカゾルを脱イオン処理した、3〜5のpHを有する、市販品の酸性水性シリカゾルとしては、スノーテックス(登録商標) O(日産化学工業(株)製)、スノーテックス(登録商標) OS(日産化学工業(株)製)、スノーテックス(登録商標) OXS(日産化学工業(株)製)、ナルコ(登録商標) 1034A(ナルコ ケミカル カンパニー製)、ナイヤコール(商標) 2034DI(エカ ケミカルズ アクチェボラーグ製)、カタロイド(登録商標) SN(触媒化成工業(株)製)、アデライト(登録商標) AT−20Q(旭電化工業(株))などが挙げられる。
【0025】
市販のアルコール性シリカゾル(アルコールを分散媒とするオルガノシリカゾル)としては、メタノールシリカゾル(日産化学工業(株)製)、イソプロパノールシリカゾル(日産化学工業(株)製)などが挙げられる。
【0026】
アルデヒド類消臭剤組成物の有効成分としてのシリカゾルとしては、ナトリム安定型水性シリカゾル、アンモニア安定型水性シリカゾル及び酸性水性シリカゾルが好ましく、他のカチオン成分をアルデヒド類消臭剤組成物に持ち込まない酸性水性シリカゾルがより好ましい。
【0027】
アルデヒド類消臭剤組成物は、常温又は加温(95℃まで)下でアミノ化合物及びヒドラジド化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と、シリカゾルとを混合して調製する。
【0028】
アミノ化合物及びヒドラジド化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物100質量部に対して、シリカゾルはシリカ(SiO2)固形分として10〜1000質量部用いることができる。
【0029】
アルデヒド類消臭剤組成物には、シリカゾルが水性シリカゾルである場合、保水剤を併用することができる。保水剤として、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、低分子量ポリエチレンオキシド、低分子量ポリプロピレンオキシドなどの水溶性高分子ポリマーと、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシセルロースなどの水溶性セルロース誘導体を挙げることができる。
【0030】
アルデヒド類消臭剤組成物には、アルデヒド類の固定化能が阻害されない限り、各種界面活性剤を添加して使用して良い。
【0031】
本発明のアルデヒド類消臭剤組成物においては、シリカゾル、特に水性シリカゾルを用いる場合は水溶液であり、そのため、水溶液として調製することができて、有機溶媒を用いることがない。よって、二次的な揮発性有機化学物質の発生の防止ともなる。
【0032】
【実施例】
以下の材料を用いて消臭剤組成物水溶液を調整した。混合組成を表1に示す。
【0033】
(A)尿素〔工業用粒状品 日産化学工業(株)製〕
(B)アジピン酸ジヒドラジド〔試薬1級 東京化成工業(株)製〕
(C)酸性水性シリカゾル〔スノーテックス(登録商標) O、日産化学工業(株)製:pH 3、シリカ(SiO2)濃度 20質量%、平均粒子径 13nm〕
(D)酸性水性シリカゾル〔スノーテックス(登録商標) OXS、日産化学工業(株)製:pH 3、シリカ(SiO2)濃度 10質量%、平均粒子径 4nm〕
【0034】
【表1】
【0035】
ここで、組成物1〜8は本発明法、組成物9〜10は比較例である。
【0036】
実施例1
組成物例で示した本発明の消臭剤組成物を、内径85mmのガラスシャーレに広げ、乾燥し固形分重量0.015gの皮膜を形成させた。シャーレをポリエステルフィルム製におい袋(容量3L)の中に入れ、ヒートシールした後、ホルムアルデヒド濃度40ppmに調整した空気を注入した。これを、室温(20℃)にて放置し、3時間後にガス検知管をもちいて袋中のホルムアルデヒド濃度を測定した。比較として尿素水溶液から得た固形分重量0.015gの皮膜を形成させたシャーレ、及び空のシャーレで同様の測定をおこなった。試験結果を表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】
実施例2
日本農林規格(JAS)F2構造用合板に、組成物例で示した本発明の消臭剤組成物を、33g/m2の割合で両面に塗布した。塗布後の合板は20℃−50%相対湿度の室内で24時間放置した後、5cm×15cmの試験片10枚を切出し、日本農林規格(JAS No.Q−2)に記載の「デシケータ法ホルムアルデヒド放散量試験」をおこなった。試験結果を表3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】
表2と表3より、ホルムアルデヒドと化学反応により固定化する尿素とアジピン酸ジヒドラジドに対して、シリカゾルがその反応効率を向上させていることが明らかになった。
【0041】
【発明の効果】
本発明により、アルデヒドと化学反応により固定化する化学物質に作用して、より効率的に除去するアルデヒド類を除去する消臭剤組成物を提供することができた。
【0042】
このアルデヒド類の反応効率を向上させるためのシリカゾルが有効成分として、著しい効果を表している。
【0043】
住宅の床、壁、天井、家具などに使用される木質材料には、尿素樹脂系、尿素‐メラミン樹脂系、フェノール樹脂系の接着剤が使用され、これらの樹脂に含まれるホルムアルデヒドが発生源である。このため、これらの建築材料、建材、家具から放散されるホルムアルデヒド量の低減へ大いに役立つものである。
Claims (4)
- アミノ化合物及びヒドラジド化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種と、シリカゾルとを有効成分とするアルデヒド類消臭剤組成物。
- アミノ化合物及びヒドラジド化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種が、アジピン酸ジヒドラジドである請求項1に記載のアルデヒド類消臭剤組成物。
- アミノ化合物及びヒドラジド化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種が、尿素である請求項1に記載のアルデヒド類消臭剤組成物。
- シリカゾルが3〜25nmの平均粒子径粒子径を有する水性シリカゾルである請求項1に記載のアルデヒド類消臭剤組成物。
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