JP2004290317A - 爪先保護部品および野球用シューズ - Google Patents

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研史 荒木
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Abstract

【課題】野球用シューズの爪先を保護する爪先保護部品であって、プレー中の様々な動作に対して、シューズに強固に固定して爪先を保護することができる爪先保護部品、および該爪先保護部品を取り付けた野球用シューズを提供する。
【解決手段】爪先保護部品は、野球用シューズに用いる爪先保護部品であって、シューズの爪先部を保護する本体部1と、スパイクの固着手段を介して靴底に固着されるソール部2とを備える。該固着手段は複数のピン孔を含む金具であり、金具のピン孔間に位置する部分が爪先保護部品のソール部2に面圧を加える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、爪先保護部品および野球用シューズに関し、特に、野球用シューズの爪先部を保護するカバーとしての爪先保護部品および該部品を取り付けた野球用シューズに関する。
【0002】
【従来の技術】
スポーツシューズの爪先を保護する従来の爪先保護部品としては、たとえば、実開平6−86529号公報(従来例1)や登録実用新案3021473号公報(従来例2)に記載されたものなどが挙げられる。
【0003】
従来例1においては、運動靴の爪先部分を挿入するための挿入口を開口させるとともに、下部周縁を内方へ曲げて運動靴の爪先部分の底に沿わせるための周縁を形成した天然皮革製のカバー主体と、周縁に接着した皮革製の補強片と、該補強片に堆積固定されかつ補強片に囲まれた底開口面の爪先側を閉塞し、靴爪先部分のスパイク用突起に対応する位置に穴を穿設した爪先カバーと一体に形成された取付縁とから構成され、カバー主体には、挿入口の舌状縁の一部に靴紐を通して運動靴に固定するための紐孔が設けられた構成の爪先保護カバーが開示されている。
【0004】
また、従来例2においては、鋲によってゴルフシューズに取り付けられ、該ゴルフシューズの爪先を保護するトウガードであって、上記の鋲はピン状の鋲本体と、該鋲本体の根元に一体に設けられてトウガードの接地部の表面に非接着で着座せしめられた略円盤形の着座部と、鋲本体と反対側に設けられたリベット状の支持部とを含み、該支持部がトウガードの平板部を貫通して靴底本体の肉厚内に埋設され、トウガードの接地部が上記の支持部と着座部とに挟まれることにより、トウガードがシューズに取り付けられている。
【0005】
【特許文献1】
実開平6−86529号公報
【0006】
【特許文献2】
登録実用新案3021473号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような爪先保護部品においては、下記のような問題があった。
【0008】
野球用シューズの爪先保護部品としては、プレー中の様々な動作に対してシューズに強固に固定するための構造が必要である。
【0009】
これに対し、従来例1においては、カバー主体には紐孔が設けられ、該孔に靴紐を通して爪先保護カバーを運動靴に固定している。しかしながら、爪先保護カバーの接地面側においては、スパイク用突起に対応する位置に穿設された穴にスパイクを挿入して突出させるのみであり、爪先保護カバーを強固に固定することができない。
【0010】
また、従来例2においては、トウガードは爪先の内側の靴底部のみに取り付けられる。一般に、野球用シューズにおいては、ゴルフ用シューズに比べて、足の甲側を含めた広い範囲に大きな力が作用する。従来例2の構造では、野球用シューズの爪先保護部品として、プレー中の様々な動作によって生じる磨耗に対して、シューズの爪先を十分に保護することができない。
【0011】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、野球用シューズの爪先を保護する爪先保護部品であって、プレー中の様々な動作に対して、シューズに強固に固定して爪先を保護することができる爪先保護部品、および該爪先保護部品を取り付けた野球用シューズを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る爪先保護部品は、野球用シューズに用いる爪先保護部品であって、シューズの爪先部を保護する本体部と、スパイクの固着手段を介して靴底に固着されるソール部とを備える。
【0013】
これにより、野球のプレー中の様々な動作に対して、爪先保護部品をシューズに強固に固定してシューズの爪先を保護することができる。
【0014】
固着手段は複数のピン孔を含む金具を含み、金具においてピン孔間に位置する部分でソール部を靴底に固定することが好ましい。
【0015】
これにより、ピン孔間に位置する部分によって、ソール部に面圧を加えることができる。したがって、爪先保護部品をシューズにより強固に固定することができる。
【0016】
金具と靴底間の全域にソール部を延在させることが好ましい。
これにより、金具全域でソール部を押圧することができる。したがって、シューズに爪先保護部品をより強固に固定することができる。
【0017】
上記の爪先保護部品はソール部に補助突起をさらに備え、1つの局面では、補助突起をシューズ装着時の装着者の足の第1基節骨直下またはその近傍に設けることが好ましい。
【0018】
これにより、野球のプレー中の様々な動作に対して効果的にトラクションを強化することができる。
【0019】
上記の爪先保護部品はソール部に補助突起をさらに備え、他の局面では、補助突起をソール部の外周に沿って設けることが好ましい。
【0020】
これにより、より多くのバリエーションの動作に対してトラクションを強化することができる。
【0021】
ソール部と補助突起とが同じ材質であり、ソール部および補助突起は、熱可塑性樹脂および合成ゴムからなる群から選ばれた少なくとも1種の材質からなることが好ましい。
【0022】
ソール部と補助突起とが同じ材質であることにより、ソール部と補助突起とを一体で成形することができるので、ソール部と補助突起との間のはがれ、ちぎれを防止することができ、また、製造工程が簡素化される。また、ソール部および補助突起を上記の材質で形成することにより、剛性や耐磨耗性に優れた補助突起を形成することができる。
【0023】
補助突起の突出高さは2mm以上12mm以下であることが好ましい。
該突出高さにより、補助突起としての適正な機能を具備することができる。
【0024】
補助突起は5mm以上30mm以下の最大長さを有することが好ましい。
該最大長さにより、より大きなトラクションを確保することができる。
【0025】
本発明に係る野球用シューズは、上記の爪先保護部品を備える。
これにより、野球のプレー中の様々な動作に対してシューズの爪先を保護することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に基づく爪先保護部品および野球用シューズの1つの実施の形態について説明する。
【0027】
本実施の形態に係る爪先保護部品は、野球用シューズに用いる爪先保護部品であって、シューズの爪先部を保護する本体部と、スパイクの固着手段を介して靴底に固着されるソール部とを備える。
【0028】
上記の固着手段は複数のピン孔を含む金具を含み、金具においてピン孔間に位置する部分で爪先保護部品のソール部を靴底に固定する。
【0029】
これにより、野球のプレー中の動作によって損傷しやすいシューズの爪先部を保護することができ、シューズの寿命を長くすることができる。また、爪先保護部品は、スパイクの固着手段である金具を介して靴底に固着されるので、縫製や多数の釘によって固着する場合と比べて取換えが容易である。
【0030】
また、金具が複数のピン孔を有することにより、ピン孔間に位置する部分によって、ソール部に面圧を加えることができる。したがって、爪先保護部品をシューズにより強固に固定することができる。
【0031】
本体部の材質としては、天然皮革、人工皮革、鉄、チタン、真鍮などの金属、TPU(Thermoplastic Polyurethane)などの熱可塑性樹脂などが用いられる。
【0032】
天然皮革は柔らかく、シューズのアッパー部の形状に沿いやすい。したがって、フィット感に優れた爪先保護部品を提供することができる。
【0033】
人工皮革および金属は、耐磨耗性に優れる。したがって、耐久性に優れた寿命の長い爪先保護部品を提供することができる。
【0034】
熱可塑性樹脂は、耐磨耗性に加えて形状保持性に優れる。したがって、シューズの型崩れを防止することができる。
【0035】
また、アッパー部においては人工皮革を用い、爪先補強部においては熱可塑性樹脂を用いるというように、本体部に複数の材質を用いる構造であってもよい。
【0036】
また、本体部には、爪先保護部品をシューズに固着する際に、靴紐を通すための孔が形成されていてもよい。
【0037】
ソール部の材質としては、たとえばTPUなどの熱可塑性樹脂、またはPAE(Polyamide Elastomer)などの合成ゴムが用いられる。
【0038】
TPUは耐磨耗性に優れる。また、PAEは剛性が高いため変形が小さく、スパイクの固着手段である金具による靴底の突き上げが少なくなり、軽量で履き心地のよいシューズを提供することができる。また、TPUを用いた場合およびPAEを用いた場合ともに、インジェクション成形によって、本体部とソール部との固着が容易となる。
【0039】
スパイクの固着手段としての金具は、爪先保護部品とは別体で形成され、該金具の材質は、たとえば鉄、チタンなどの金属を含む。ここで、金具と該金具の主表面に対してほぼ垂直に立ち上がる爪(スパイク)とを一体に形成してもよいし、金具とスパイクとを別体で形成したものをかしめて一体化してもよい。なお、金具のスパイク付近には、それぞれピン孔が形成される。
【0040】
爪先保護部品をシューズに固着する際は、金具に形成された上記のピン孔と、該ピン孔に対応する位置のソール部とにピン、釘などを貫通させ、そのピン、釘などを靴底に差し込むことによって固定する。これにより、金具のピン孔間に位置する部分がソール部を押圧する。また、上述した本体部の孔がある場合は、該孔に靴紐を通して、本体部を足の甲側に固定することができる。以上により、爪先保護部品をシューズに固定する。
【0041】
また、ピン孔に対応する位置のソール部には、予め孔を設けておいてもよいし、印のみを付しておいてもよい。
【0042】
孔を設けた場合は、爪先保護部品の取り付けの際にソール部に孔をあける作業の必要がなくなり、取換え作業が容易となる。また、印のみを付した場合は、ピン孔位置が若干変化した場合でも、開孔位置を変更して対応することができるので、金具形状の様々なパターンに対応することができる。
【0043】
いずれの場合においても、爪先保護部品が消耗した際は、金具およびスパイクを取り外し、爪先保護部品を取換えた後、再度金具およびスパイクを取り付ける。従来の野球用シューズ用の爪先保護部品は、縫製や多数の釘によって靴底に固着されていたため、取換えが非常に困難であった。本構造を採用することにより、取換えが非常に簡便になり、爪先保護部品が磨耗しても、再度取換えることでシューズを継続して使用することができる。また、爪先保護部品とスパイクおよび金具とは別体で形成されているので、スパイクおよび金具についても継続して使用することができる。
【0044】
本実施の形態の変形例としては、金具およびスパイクと、ソール部とを予めかしめて一体とするか、もしくは、一体成形した構造が考えられる。本変形例の爪先保護部品をシューズに固着する際は、一体化された金具およびソール部に形成されたピン孔にピン、釘などを貫通させ、それらを靴底に固定する。この構造においては、爪先保護部品の取り付け時に、金具のピン孔とソール部のピン孔との間に、孔ずれが生じることがないという利点がある。
【0045】
ここで、金具と靴底間の全域にソール部を延在させることが好ましい。
これにより、複数のピン孔を有する金具の主表面の全体でソール部を押圧することができる。したがって、シューズに爪先保護部品をより安定して強固に固定することができる。
【0046】
なお、金具全域にソール部が延在せず、金具と靴底との間にソール部があるピン孔とソール部がないピン孔が混在する場合は、ソール部がないピン孔部に、ソール部があるピン孔部との間に段差が生じないようにスペーサを設置することで対応できる。
【0047】
爪先保護部品はソール部に補助突起をさらに備え、補助突起をシューズ装着時の装着者の足の第1基節骨直下またはその近傍に設けることが好ましい。
【0048】
ソール部に補助突起を備えることにより、野球のプレー中の様々な動作に対してトラクションを強化することができる。
【0049】
また、第1基節骨直下は、たとえば投球動作における軸足(右手投げ投手であれば右足)などにおいて、最も大きな力が作用する箇所である。したがって、この位置に補助突起を設けることで、少ない数の補助突起で効率良くトラクションを強化することができるので、補助突起による重量の増加を小さくすることができる。
【0050】
また、上記の補助突起をソール部の外周に沿って設けてもよい。
これにより、爪先部においてより多くの箇所に補助突起を設けることができるので、より多くのバリエーションの動作に対して、シューズのトラクションを確保することができる。
【0051】
なお、従来の野球用シューズ用の爪先保護部品においては、ソール部と、靴底に設置された金具およびスパイクとが干渉するのを避けるために、靴底の爪先部分の外周に沿ってソール部が形成されている。この爪先保護部品は、上述の通り、縫製や多数の釘によって靴底に固着される。したがって、従来の爪先保護部品においては、最もトラクションの強化が必要な靴底の爪先部分に、補助突起を設置することができない。
【0052】
これに対し、本実施の形態の構造を採用することにより、靴底の爪先部分に補助突起を設置することができるので、野球のプレー中の様々な動作に対してトラクションを強化することができる。
【0053】
ソール部と補助突起とが同じ材質であることが好ましい。これにより、ソール部と補助突起とを一体で成形することができるので、製造工程が簡素化される。
【0054】
また、補助突起は、上述のソール部と同様に、TPUなどの熱可塑性樹脂およびPAEなどの合成ゴムからなる群から選ばれた少なくとも1種の材質からなることが好ましい。上述のとおり、TPUによって、耐磨耗性に優れた補助突起を形成することができる。また、PAEは剛性が高く変形が小さいため、履き心地に優れたシューズを提供することができる。
【0055】
補助突起の突出高さは2mm以上12mm以下程度(より好ましくは、5mm以上7mm以下程度)であることが好ましい。
【0056】
補助突起の突出高さが2mmより小さいと、補助突起としてトラクションの強化に十分に寄与することができなくなる。また、該突出高さが12mmより大きいと、補助突起の高さがスパイクの高さよりも大きくなることがあり、補助突起がスパイクの機能を阻害することとなる。突出高さを上記の値とすることで、補助突起としての適正な機能を具備することができる。
【0057】
補助突起は5mm以上30mm以下程度の最大長さを有することが好ましい。
補助突起の長さ(幅)を上記の値とすることで、該最大長さ方向に直行する方向の力成分に対し、より大きなトラクションを確保することができる。
【0058】
本実施の形態に係る野球用シューズは、上述の爪先保護部品を備える。
この野球用シューズにおいては、上述のとおり、野球のプレー中の様々な動作に対してシューズの爪先を保護することができる。
【0059】
また、爪先保護部品が消耗した際においても、該爪先保護部品のみを簡便な方法によって取換え、シューズを継続して使用することができる。
【0060】
【実施例】
以下に、本発明に基づく爪先保護部品および野球用シューズの実施例について、図1から図17を用いて説明する。
【0061】
(実施例1)
図1は、実施例1に係る爪先保護部品および該爪先保護部品を装着した野球用シューズを示す斜視図であり、図2は、該野球用シューズ(爪先保護部品は未装着)の靴底を示した底面図である。
【0062】
本実施例に係る爪先保護部品は、シューズの爪先部を保護する本体部1と、スパイク5の固着手段としての金具4を介して靴底に固着されるソール部2とを備える。ソール部2は、金具4のピン孔3間に位置する部分によって靴底に押圧される。
【0063】
本体部1は、天然皮革で形成され、磨耗に対して足の甲側を保護するアッパー部1aと、TPUで形成され、爪先部のシューズの型崩れを予防する爪先部1bとを有する。ソール部2はTPUで形成され、厚さは1.2mmである。
【0064】
また、図1に示すように、アッパー部1aは、シューズ装着者の第1中足骨付近から第5基節骨付近にかけて、シューズの爪先を覆う形状を有し、靴紐を通す孔が設けられている。
【0065】
図3は、スパイク5の断面図(図2中のI−I)である。スパイク5は金具4と一体で形成され、ソール部2とともに、ねじによって靴底に螺着される。爪先保護部品が使用により磨耗した際は、スパイク5および金具4を取り外して爪先保護部品を交換する。
【0066】
ソール部2には、金具4のピン孔3に対応した位置に印が付されている。ソール部2に予め孔を設けず、印のみとすることで、金具4の形状を変更して、ピン孔3の位置が若干変更された場合においても、ソール部2の開孔位置を変更することで対応できるので、同一の爪先保護部品を用いることができる。したがって、爪先保護部品の汎用性が高くなる。
【0067】
図4から図9は、足圧分布履歴計測法によって求められた、投球動作時の軸足側靴底における足圧分布の経時的変化を示した図である。
【0068】
ここで、足圧分布履歴計測法とは、プレート型圧力センサ上にて比較的平坦な靴底を有する靴を装着した試験者に計測対象となる動作(投球動作)を行なわせ、靴底が該プレート型圧力センサの上面に接している領域および圧力を靴底の接地領域および接地圧力として微小単位時間ごとに測定し、プロセッサを介して所定の記憶媒体に保存する方法である。靴底の接地領域および接地圧力は1/10秒または1/100秒ごとに計測され、これを足圧分布データとして記録する。
【0069】
図4から図9に示すように、投球動作初期においては、顕著な応力集中部6(足圧分布のピーク)は存在しない(図4,図5)。その後、投球動作の進行に伴って、第1基節骨直下付近(図6,図7,図8)において生じた応力集中部6は、第1末節骨直下付近(図9)へと移動し、投球動作は終了する。足圧分布のピークの値が最も大きくなる図7および図8においては、足圧分布の頂点は第1基節骨直下付近に存在するので、この付近に補助突起を設けることで、最も効果的にシューズのトラクションを強化することができる。
【0070】
図10は、本実施例に係る補助突起設置部7と金具4との関係を示した図であり、図13は、それに対応するソール部2の形状を示した図である。なお、図10において点線はソール部2の縁端を示し、一点鎖線はシューズ装着者の足を示す。
【0071】
図10および図13に示すように、ソール部2は、金具4と靴底間の全域に延在し、金具4は、その全域でソール部2を押圧する。
【0072】
また、図10に示すように、補助突起は、シューズ装着者の足の第1基節骨直下またはその近傍に設けられる。
【0073】
図11および図14は、本実施例の変形例を示した図である。図11は、補助突起設置部7と金具4との関係を示した図であり、図14は、それに対応するソール部2の形状を示した図である。
【0074】
本変形例においては、トラクションをより強化するために、上記の第1基節骨付近に加えて、第2中足骨と第2基節骨との関節部付近にも補助突起を設ける。
【0075】
図16は、補助突起8の形状を示す底面図(a)および断面図(b)(図16(a)中のII−II線断面図)であり、図17は、該形状の変形例を示す底面図(a)および断面図(b)(図17(a)中のIII−III線断面図)である。
【0076】
補助突起8はソール部2と同じくPAEで形成され、図16に示すような、円錐台形状の形状を有する。図16において、補助突起8の幅(L1)は8mmであり、ソール部2からの突出高さは6mmである。
【0077】
本実施例の変形例としては、図17に示すような、2方向に異なる長さ(幅)を有する補助突起8の形状が考えられる。図17において、補助突起8の最大長さである大きい方の幅(L2)は30mmであり、ソール部2からの突出高さは10mmである。
【0078】
(実施例2)
図12は、実施例2に係る補助突起設置部7と金具4との関係を示した図であり、図15は、それに対応するソール部2の形状を示した図である。
【0079】
本実施例は、実施例1に係る爪先保護部品の本体部1およびソール部2の形状に関する変形例である。その他の事項については、実施例1と共通であるので、説明を省略する。
【0080】
本実施例においては、図12および図15に示すように、ソール部2は、装着者の足の爪先部分において、2つの金具4と靴底間の全域に延在している。また、補助突起はソール部2の外周に沿って設けられている。本体部分については図示しないが、ソール部2と同様に、装着者の足の爪先部分全域に延在している。
【0081】
本実施例の爪先保護部品は、上記のような構造とすることによって、左右の足に兼用することができる。
【0082】
以上、本発明の実施の形態および実施例について説明したが、今回開示された実施の形態および実施例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0083】
【発明の効果】
本発明によれば、爪先保護部品を野球用シューズに強固に固定することができるので、野球のプレー中の様々な動作に対して、野球用シューズの爪先を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る爪先保護部品を野球用シューズに取り付けた状態を示す斜視図である。
【図2】野球用シューズの靴底を示す底面図である。
【図3】野球用シューズのスパイクを示す断面図である。
【図4】野球の投球動作の第1段階において、軸足の靴底に作用する圧力の分布を示した図である。
【図5】野球の投球動作の第2段階において、軸足の靴底に作用する圧力の分布を示した図である。
【図6】野球の投球動作の第3段階において、軸足の靴底に作用する圧力の分布を示した図である。
【図7】野球の投球動作の第4段階において、軸足の靴底に作用する圧力の分布を示した図である。
【図8】野球の投球動作の第5段階において、軸足の靴底に作用する圧力の分布を示した図である。
【図9】野球の投球動作の第6段階において、軸足の靴底に作用する圧力の分布を示した図である。
【図10】本発明の実施例1に係る爪先保護部品において、補助突起を設ける位置の例を示した図である。
【図11】本発明の実施例1に係る爪先保護部品において、補助突起を設ける位置の他の例を示した図である。
【図12】本発明の実施例2に係る爪先保護部品において、補助突起を設ける位置の例を示した図である。
【図13】本発明の実施例1に係る爪先保護部品のソール部の形状の例を示した図である。
【図14】本発明の実施例1に係る爪先保護部品のソール部の形状の他の例を示した図である。
【図15】本発明の実施例2に係る爪先保護部品のソール部の形状の例を示した図である。
【図16】本発明の実施例1に係る爪先保護部品の補助突起の形状を示す底面図(a)および断面図(b)(図16(a)中のII−II線断面図)である。
【図17】本発明の実施例1に係る爪先保護部品の補助突起の他の形状を示す底面図(a)および断面図(b)(図17(a)中のIII−III線断面図)である。
【符号の説明】
1 本体部、1a アッパー部、1b 爪先補強部、2 ソール部、3 ピン孔、4 金具、5 スパイク、6 応力集中部、7 補助突起設置部、8 補助突起。

Claims (9)

  1. 野球用シューズに用いる爪先保護部品であって、
    シューズの爪先部を保護する本体部(1)と、
    スパイク(5)の固着手段を介して靴底に固着されるソール部(2)とを備えた爪先保護部品。
  2. 前記固着手段は複数のピン孔(3)を含む金具(4)を含み、
    前記金具(4)において前記ピン孔(3)間に位置する部分で前記ソール部(2)を靴底に固定する、請求項1に記載の爪先保護部品。
  3. 前記金具(4)と前記靴底間の全域に前記ソール部(2)を延在させる、請求項1または請求項2に記載の爪先保護部品。
  4. 前記爪先保護部品は前記ソール部(2)に補助突起(8)をさらに備え、
    前記補助突起(8)をシューズ装着時の装着者の足の第1基節骨直下またはその近傍に設けた、請求項1から請求項3のいずれかに記載の爪先保護部品。
  5. 前記爪先保護部品は前記ソール部(2)に補助突起(8)をさらに備え、
    前記補助突起(8)を前記ソール部(2)の外周に沿って設けた、請求項1から請求項4のいずれかに記載の爪先保護部品。
  6. 前記ソール部(2)と前記補助突起(8)とが同じ材質であり、
    前記ソール部(2)および前記補助突起(8)は、熱可塑性樹脂および合成ゴムからなる群から選ばれた少なくとも1種の材質からなる、請求項4または請求項5に記載の爪先保護部品。
  7. 前記補助突起(8)の突出高さは2mm以上12mm以下である、請求項4から請求項6のいずれかに記載の爪先保護部品。
  8. 前記補助突起(8)は5mm以上30mm以下の最大長さ(L2)を有する、請求項4から請求項7に記載の爪先保護部品。
  9. 請求項1から請求項8に記載の爪先保護部品を備えた野球用シューズ。
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