JP2004290295A - 遊技機装飾用発光素子の回路基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い耐久性を維持しつつ、遊技者以外の遊技機周辺にいる人に対しても、発光素子の光を視認させることができ、周囲への視認性を向上させることができる遊技機装飾用発光素子の回路基板を提供する。
【解決手段】パチンコ機に設けられ、かつ複数の発光素子20を板面上に配設した遊技機装飾用発光素子の回路基板10において、可塑性を有するとともに、回路基板本体11の辺11a,11bのうち互いに対向する一対の対辺11aを曲げることにより、回路基板本体11の板面を複数の発光素子20の光が放射状に出射される曲面に形成した。
【選択図】図1
【解決手段】パチンコ機に設けられ、かつ複数の発光素子20を板面上に配設した遊技機装飾用発光素子の回路基板10において、可塑性を有するとともに、回路基板本体11の辺11a,11bのうち互いに対向する一対の対辺11aを曲げることにより、回路基板本体11の板面を複数の発光素子20の光が放射状に出射される曲面に形成した。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技機に設けられ、かつ複数の発光素子を板面上に配設した遊技機装飾用発光素子の回路基板に関するものであり、特に耐久性を維持しつつ、遊技者以外の遊技機周辺にいる人に対して発光素子の光を視認させることができる遊技機装飾用発光素子の回路基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技機を代表するパチンコ機では、図9に示すように、遊技盤上にほぼ左右対称に配設された遊技盤装飾部1〜8や、図9,図10に示すように、パチンコ機の外枠に設けられた枠装飾部9等の透過カバーに対して、これらの内側よりランプや発光ダイオード(LED)等の発光素子の光を照射することによって、照明、点灯、表示等による演出や、遊技者に対する報知等を行っている。
【0003】
従来、こうした発光素子を複数配設し、かつパチンコ機に設けられた回路基板は、一般には平らに形成されているため、図11に示すように、各発光素子で発生した光は直進し、パチンコ機正面側の遊技者のみに向かって出射されていた。こうしたことは、発光素子の中でも出射光の指向角が比較的狭いLEDにおいて特に顕著である。
【0004】
このため、遊技者以外のパチンコ機周辺にいる人、例えば遊技者の隣で遊技をしている人や、遊技者の背後を通行する人には、発光素子の光を視認させることが困難となり、こうした人達に対しては、パチンコ機の演出や報知に興味や関心を抱かせることができなかった。
【0005】
そこで、特許文献1,2に開示されているように、発光素子が配設されている回路基板に可撓性をもたせ、回路基板を撓めるようにして曲げるという技術も既に提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−259125号公報
【特許文献2】
特開2002−198618号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したような特許文献1,2に記載された技術では、可撓性を有するゴムのような材質の回路基板を復元力に反して長期間曲げ続けるので、回路基板に亀裂や破損が生じる等、回路基板の耐久性が失われやすいという問題があった。
【0008】
本発明は、以上のような従来技術が有する問題点に着目してなされたもので、高い耐久性を維持しつつ、遊技者以外の遊技機周辺にいる人に対しても、発光素子の光を視認させることができ、周囲への視認性を向上させることができる遊技機装飾用発光素子の回路基板を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1]遊技機に設けられ、かつ複数の発光素子(20)を板面上に配設した遊技機装飾用発光素子の回路基板(10,10A,10B)において、
可塑性を有するとともに、回路基板本体(11)の辺(11a,11b)のうち互いに対向する一対の対辺(11a)を曲げることにより、前記回路基板本体(11)の板面を、前記複数の発光素子(20)の光が放射状に出射される曲面に形成したことを特徴とする遊技機装飾用発光素子の回路基板(10,10A,10B)。
【0010】
[2]前記曲げた対辺(11a)の断面形状を弧にすることを特徴とする[1]記載の遊技機装飾用発光素子の回路基板(10)。
【0011】
[3]前記曲げた対辺(11a)の断面形状を複数の直線が角で連なるようにしたことを特徴とする[1]記載の遊技機装飾用発光素子の回路基板(10A)。
【0012】
[4]前記曲げた対辺(11a)の断面形状を弧と直線が組み合わさるようにしたことを特徴とする[1]記載の遊技機装飾用発光素子の回路基板(10B)。
【0013】
[5]前記回路基板本体(11)の辺(11a,11b)のうち曲げていない方の一対の対辺(11b)を、保持部材(30)によって保持したことを特徴とする[1],[2],[3]または[4]記載の遊技機装飾用発光素子の回路基板(10,10A,10B)。
【0014】
[6]前記保持部材(30)に端子(34)を設けるとともに、該端子(34)を介して通電される接合部(35)を設け、
前記回路基板本体(11)の回路パターン(12)に前記発光素子(20)を電気的に接続するとともに、該回路パターン(12)に通電する接合部(13)を設け、該接合部(13)と前記保持部材(30)の接合部(35)とを電気的に接合して、前記端子(34)から前記発光素子(20)に給電するようにしたことを特徴とする[5]記載の遊技機装飾用発光素子の回路基板(10,10A,10B)。
【0015】
[7]前記保持部材(30)は、前記回路基板本体(11)を保持した状態で遊技機側に取り付けるための取付部(32)を有することを特徴とする[5]または[6]記載の遊技機装飾用発光素子の回路基板(10,10A,10B)。
【0016】
[8]前記保持部材(30)は、前記回路基板本体(11)の辺(11a,11b)のうち曲げていない方の一対の対辺(11b)を係合させるための被係合部(31)を有することを特徴とする[5],[6]または[7]記載の遊技機装飾用発光素子の回路基板(10,10A,10B)。
【0017】
[9]前記回路基板本体(11)の材質が合成樹脂であることを特徴とする[1],[2],[3],[4],[5],[6],[7]または[8]記載の遊技機装飾用発光素子の回路基板(10,10A,10B)。
【0018】
[10]前記発光素子(20)は、発光色を変化させることが可能なLEDであることを特徴とする[1],[2],[3],[4],[5],[6],[7],[8]または[9]記載の遊技機装飾用発光素子の回路基板(10,10A,10B)。
【0019】
前記本発明は次のように作用する。
前記[1]記載の遊技機装飾用発光素子の回路基板(10,10A,10B)によれば、回路基板本体(11)に可塑性を持たせることにより、回路基板本体(11)を予め曲げておけば、外力を取り去っても歪みが残り曲がったままの状態に維持される。それにより、従来の可撓性を有する回路基板のように復元力に反して曲げ続ける必要がなく、回路基板(10,10A,10B)に亀裂や破損が生じることがなくなり、回路基板(10,10A,10B)の耐久性を維持することができる。
【0020】
さらに、回路基板本体(11)の辺(11a,11b)のうち互いに対向する一対の対辺(11a)を曲げることにより、回路基板本体(11)の板面を複数の発光素子(20)の光が放射状に出射される曲面に形成する。それにより、各発光素子(20)の光が一方向ではなく放射状に拡がるように周囲に出射されるから、遊技機正面の遊技者だけでなく遊技機周辺にいる人に対しても発光素子(20)の光を視認させることができる。
【0021】
ここで前記[2]記載のように、前記曲げた対辺(11a)の断面形状を弧にすれば、複数の発光素子(20)が並ぶ出射面がなだらかな円弧曲面となるから、全放射方向に対してほぼ均一な視認性を確保することができる。
【0022】
ただし、前記曲げた対辺(11a)の断面形状は弧に限られるものではなく、前記[3]記載のように、前記曲げた対辺(11a)の断面形状を複数の直線が角で連なるような多角形状にしたり、あるいは前記[4]記載のように、前記曲げた対辺(11a)の断面形状を弧と直線が組み合わさるような異形状にしても良い。
【0023】
このように、ゴム等の可撓性素材のように撓めて湾曲させることしかできない従来の回路基板と異なり、本願発明に係る回路基板本体(11)は様々な断面形状になるように曲げることができるので、遊技盤装飾部や枠装飾部の各種透過カバー内側等の配置スペースに自由に対応させて、各発光素子(20)の光を放射状に出射させることができる。
【0024】
また、前記[5]記載のように、前記回路基板本体(11)の辺(11a,11b)のうち曲げていない方の一対の対辺(11b)を、保持部材(30)によって保持すれば、回路基板本体(11)に外力が加わっても変形することなく、回路基板本体(11)を確実かつ強固に保持することができる。
【0025】
また、前記[6]記載のように、前記保持部材(30)に端子(34)を設けるとともに、該端子(34)を介して通電される接合部(35)を設け、前記回路基板本体(11)の回路パターン(12)に前記発光素子(20)を電気的に接続するとともに、該回路パターン(12)に通電する接合部(13)を設け、該接合部(13)と前記保持部材(30)の接合部(35)とを電気的に接合させれば、簡易な構成で回路基板本体(11)の板面上の各発光素子(20)に効率良く給電することができる。
【0026】
また、前記[7]記載の場合、前記保持部材(30)は、前記回路基板本体(11)を保持した状態で遊技機側に取り付けるための取付部(32)を有するので、回路基板本体(11)を保持部材(30)の取付部(32)を介して、遊技盤装飾部や枠装飾部の筐体等を含めた遊技機側に確実かつ容易に取り付けることができる。
【0027】
また、前記[8]記載の場合、前記保持部材(30)は、前記回路基板本体(11)の辺(11a,11b)のうち曲げていない方の一対の対辺(11b)を係合させるための被係合部(31)を有するので、前記回路基板本体(11)の一対の対辺(11b)を前記保持部材(30)に対して確実かつ容易に取り付けることができる。
【0028】
また、前記[9]記載のように、前記回路基板本体(11)の材質が合成樹脂であれば、回路基板本体(11)に可塑性も多少は持たせることで、ある程度は撓めることが可能となり、寸法誤差等を吸収することができ細かな精度出しが不要となる。
【0029】
さらにまた、前記[10]記載のように、前記発光素子(20)を、発光色を変化させることが可能なLEDとすれば、1つの発光素子(20)により色々な発光色を照射できるので、色々な単色光の発光素子(20)を多数組み合わせるような場合と比較して発光素子(20)の個数を減らすことができ、発光素子(20)を設置するためのスペースを小さくすることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明を代表する各種実施の形態を説明する。
図1および図2は、本発明の第1実施の形態を示している。
本実施の形態に係る遊技機装飾用発光素子の回路基板10は、遊技機に設けられるものであり、回路基板本体11の板面上に複数の発光素子20を配設して成る。
【0031】
ここで遊技機とは、例えば、ハンドルの回転操作により遊技盤の遊技領域上にパチンコ球を打ち出し、かかる打球の入賞を競い楽しむパチンコ機等が該当する。回路基板10は、パチンコ機においては従来の技術で説明したように、図9に示す遊技盤上に配設された遊技盤装飾部1〜8や、図10に示す外枠に設けられた枠装飾部9の構成要素として用いられる。
【0032】
図1に示すように、遊技機装飾用発光素子の回路基板10は、可塑性を有するとともに、回路基板本体11の辺11a,11bのうち互いに対向する一対の対辺11aを曲げることにより、前記回路基板本体11の板面を複数の発光素子20の光が放射状に出射される曲面に形成して成る。本実施の形態では、曲げた対辺11aの断面形状が弧になっている。
【0033】
回路基板本体11は、可塑性すなわち塑性変形しやすい性質の材質を用いて、当初は平板状に成形したものに後から外力を加えて、所定形状に曲げたものであり、具体的な材質としては、可塑性に優れ非導電性の合成樹脂が適しており、特にエポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、あるいはメタクリル樹脂等が最適である。
【0034】
回路基板本体11は、当初は設計上必要な大きさの矩形平板に形成され、この板面上に複数の発光素子20を一定間隔で縦横に並ぶマトリクス状に配設し、さらに、各々の辺11a,11bのうち互いに対向する一対の対辺11aを弧形に曲げることにより、図2に示すように、前記板面を複数の発光素子20の光が放射状に出射される曲面に形成されている。なお、発光素子20の配置間隔は、特に一定でなくても良く、必要に応じて設定すれば良い。
【0035】
図1,図2に示すように、回路基板本体11はその可塑性により、曲げたときの外力を取り去った後でも、一対の対辺11aの断面形状が弧の形のままに維持される。なお、詳しくは後述するが、回路基板本体11のもう片側である裏面には、複数の発光素子20を接続する回路パターン12(図8参照)等が設けられている。
【0036】
発光素子20は、略砲弾形レンズに成形されたモールド樹脂中に素子を埋設したLEDである。このようなLEDは、一色にしか発色しない単色のものが一般的であるが、入力電圧を変えることにより、例えば、赤・緑・青等と発光色を変化させることが可能ないわゆるフルカラーLEDを用いても良い。
【0037】
また、LED自体の種類としても、素子がモールド樹脂中に埋設されずに剥き出しのいわゆるチップLEDを用いても良く、更には発光素子として、LEDではなく豆電球等のランプを用いることも可能である。何れのLED等を採用するにせよ、発光素子20から延びるリード端子は、前記回路基板本体11を貫通してその裏面に設けられている回路パターン12(図8参照)に接続される。
【0038】
次に第1実施の形態の作用を説明する。
遊技機装飾用発光素子の回路基板10によれば、回路基板本体11に可塑性を持たせることにより、図1,図2に示す形状に回路基板本体11を予め曲げておけば、外力を取り去っても歪みが残り曲がったままの状態に維持される。なお、回路基板10を製造する際には、回路基板本体11の板面上に複数の発光素子20を配設してから回路基板本体11を曲げても良いし、回路基板本体11を曲げてからその板面上に複数の発光素子20を配設しても良い。
【0039】
回路基板本体11は、いったん曲げた後はそのまま曲げられた状態に維持されるので、従来の可撓性を有する回路基板のように、復元力に反して曲げ続ける必要がない。従って、経年劣化により回路基板10に亀裂や破損が生じることがなくなり、回路基板10の耐久性を維持することができる。
【0040】
本実施の形態では、回路基板本体11の辺11a,11bのうち互いに対向する一対の対辺11aを互いに左右対称に弧状に曲げることにより、回路基板本体11の板面が複数の発光素子20の光を放射状に出射する曲面となる。従って、各発光素子20である発光ダイオードの比較的指向角の狭い高輝度光は、一方向ではなく放射状に広く拡がるように周囲に出射される。
【0041】
それにより、パチンコ機正面の遊技者だけでなく、パチンコ機周辺にいる人に対しても、発光素子20の光を十分に視認させることができ、こうした人達に対しても、パチンコ機の演出や報知に興味や関心を抱かせることが可能となる。特に本実施の形態では、図2に示すように、回路基板本体11の曲げた対辺11aの断面形状を弧としたことにより、複数の発光素子20が並ぶ出射面がなだらかな円弧曲面となるから、発光素子20のように比較的指向角の狭い光を発生する発光ダイオードを用いた場合でも、全放射方向に対してほぼ均一な視認性を確保することができる。
【0042】
また、発光素子20として発光ダイオードを採用したことにより、豆電球等と比べて長寿命となり、視認性や輝度も極めて高く、熱的・放電的発光でないため点灯消灯時間も早くなり、光電変換効率が高いため消費電力も少なく、耐衝撃性にも優れる等の特性を備えるものとなる。
【0043】
また、発光素子20を、発光色を変化させることが可能ないわゆるフルカラーLEDとすれば、1つの発光素子20により色々な発光色を照射できるので、色々な単色光の発光素子20を多数組み合わせるような場合と比較して発光素子20の個数を減らすことができ、発光素子20を設置するためのスペースを小さくすることが可能となる。
【0044】
さらにまた、前記回路基板本体11の材質を合成樹脂とすることで、回路基板本体11に可塑性も多少は持たせることができ、回路基板本体11をある程度は撓めることが可能となり、寸法誤差等を吸収することが可能となり、細かな精度出しが不要となって、いっそうのコスト低減も実現できることになる。
【0045】
図3,図4は、本発明の第2実施の形態を示している。
本実施の形態に係る遊技機装飾用発光素子の回路基板10Aは、回路基板本体11の一対の対辺11aを、図示したように、複数の直線が角で連なる断面形状に曲げたものである。この例では、7つの直線が6つの角で連なる断面形状に曲げられているが、かかる断面形状に限定されるものではない。
【0046】
図5,図6は、本発明の第3実施の形態を示している。
本実施の形態に係る遊技機装飾用発光素子の回路基板10Bは、回路基板本体11の一対の対辺11aを、図示したように、弧と直線が組み合わされた断面形状に曲げたものである。この例では、2つの弧の間に1つの直線が連なる断面形状に曲げられているが、かかる断面形状に限定されるものでもない。
【0047】
これら図3〜図6に示すように、前記曲げた対辺11aの断面形状を複数の直線が角で連なるような多角形状としたり、あるいは、前記曲げた対辺11aの断面形状を弧と直線が組み合わさるような異形状としても良い。このように、ゴム等の可撓性素材のように撓めて湾曲させることしかできない従来の回路基板と異なり、本願発明に係る回路基板本体11は、様々な断面形状に曲げることができるので、遊技盤装飾部や枠装飾部の各種透過カバー内側等の配置スペースに自由に対応させて、各発光素子20の光を放射状に出射させることができる。
【0048】
図7,図8は、本発明の第4実施の形態を示している。
本実施の形態は、図7に示すように、前記第1実施の形態に係る回路基板10に保持部材30を組み合わせて、回路基板本体11の辺11a,11bのうち曲げていない方の一対の対辺11bを保持部材30によって保持したものである。ただし、保持部材30は、前記第1実施の形態に係る回路基板10だけに組み合わされるものではなく、前記第2,第3実施の形態に係る回路基板10A,10Bに組み合わせることもできる。
【0049】
図7に示すように、保持部材30は、前記回路基板本体11の曲げられていない一対の対辺11b側に細幅状のリテーナー様に成形されている。本実施の形態では、一対の対辺11bにそれぞれ対応する保持部材30は互いに分離されており、それぞれ別々に遊技盤装飾部や枠装飾部の筐体表面Pに取り付けられるが、各保持部材30を薄底板やバーないし枠構造により一体に連結するように成形してもかまわない。
【0050】
保持部材30には、前記回路基板本体11を保持した状態で遊技機側である前記筐体表面Pに取り付けるための取付部32が設けられている。取付部32は、保持部材30の前後位置にてそれぞれ側方に突片状に延出しており、取付部32の略中央には、取付用のビスまたは釘を通すネジ孔32aが穿設されている。
【0051】
また、保持部材30の中央位置にコネクタ33が、前記取付部32と同じく側方に突設されており、該コネクタ33の内部には、給電用の端子34が設けられている。図8に示すように、保持部材30には、その全長に亘り長手方向に延びる凹溝が形成されている。かかる凹溝は、前記回路基板本体11の一対の対辺11bの端縁を係合させるための被係合部31を成す部位である。また、端子34は前記被係合部31である凹溝内側まで貫通しており、凹溝内側には、端子34を介して通電される保持部材側接合部35が設けられている。
【0052】
一方、前記被係合部31に嵌合する前記回路基板本体11の対辺11bの端縁において、前記保持部材側接合部35と丁度合致する位置には、回路パターン12に通電するための回路側接合部13が設けられている。かかる回路側接合部13は、前記保持部材30の保持部材側接合部35と電気的に接合することで、前記端子34から前記発光素子20に給電させるように設定されている。
【0053】
本実施の形態のように、回路基板本体11の辺11a,11bのうち曲げていない方の一対の対辺11bを保持部材30によって保持することで、回路基板本体11に外力が加わっても変形することなく、回路基板本体11を確実かつ強固に保持することができる。ここで保持部材30は、その被係合部31を成す凹溝に、前記回路基板本体11の対辺11bの端縁を嵌め込むだけで良く、確実かつ容易に取り付けることができる。
【0054】
しかも、この取り付けに伴って、回路基板本体11の回路側接合部13と保持部材30の保持部材側接合部35とが必然的に対接し、電気的に接合されるので、簡易な構成で回路基板本体11の板面上の各発光素子20に効率良く給電することができる。また、保持部材30は、前記回路基板本体11を保持した状態で取付部32を介して、そのネジ孔32aに通したビスや釘等により、遊技盤装飾部や枠装飾部の筐体表面P等を含めた遊技機側に確実かつ容易に取り付けることができる。
【0055】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は前述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。もちろん、遊技機はパチンコ機に限られるものではなく、回路基板10を利用する電飾装置を備える様々な遊技機に適用することができる。また、前記回路基板本体11の板面上における複数の発光素子20の具体的な配置パターンは、図示したものに限られるわけではない。
【0056】
【発明の効果】
本発明に係る遊技機装飾用発光素子の回路基板によれば、回路基板本体に可塑性を持たせることにより、回路基板本体を予め曲げておけば、外力を取り去っても歪みが残り曲がったままの状態に維持されるから、従来の可撓性を有する回路基板のように復元力に反して曲げ続ける必要がなく、回路基板に亀裂や破損が生じることがなくなり、回路基板の耐久性を維持することができる。
【0057】
しかも、回路基板本体の辺のうち互いに対向する一対の対辺を曲げることにより、回路基板本体の板面を複数の発光素子の光が放射状に出射される曲面に形成したことによって、各発光素子の光が一方向ではなく放射状に拡がるように周囲に出射されるから、遊技機正面の遊技者だけでなく遊技機周辺にいる人に対しても発光素子の光を視認させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る遊技機装飾用発光素子の回路基板を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施の形態に係る遊技機装飾用発光素子の回路基板を示す側面図である。
【図3】本発明の第2実施の形態に係る遊技機装飾用発光素子の回路基板を示す斜視図である。
【図4】本発明の第2実施の形態に係る遊技機装飾用発光素子の回路基板を示す側面図である。
【図5】本発明の第3実施の形態に係る遊技機装飾用発光素子の回路基板を示す斜視図である。
【図6】本発明の第3実施の形態に係る遊技機装飾用発光素子の回路基板を示す側面図である。
【図7】本発明の第4実施の形態に係る遊技機装飾用発光素子の回路基板を示す斜視図である。
【図8】本発明の第4実施の形態に係る遊技機装飾用発光素子の回路基板を示す分解斜視図である。
【図9】遊技機であるパチンコ機を示す正面図である。
【図10】遊技機であるパチンコ機を示す斜視図である。
【図11】従来の遊技機装飾用発光素子の回路基板を示す斜視図である。
【符号の説明】
10…回路基板
10A…回路基板
10B…回路基板
11…回路基板本体
12…回路パターン
13…回路側接合部
20…発光素子
30…保持部材
31…被係合部
32…取付部
32a…ネジ孔
33…コネクタ
34…端子
35…保持部材側接合部
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技機に設けられ、かつ複数の発光素子を板面上に配設した遊技機装飾用発光素子の回路基板に関するものであり、特に耐久性を維持しつつ、遊技者以外の遊技機周辺にいる人に対して発光素子の光を視認させることができる遊技機装飾用発光素子の回路基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技機を代表するパチンコ機では、図9に示すように、遊技盤上にほぼ左右対称に配設された遊技盤装飾部1〜8や、図9,図10に示すように、パチンコ機の外枠に設けられた枠装飾部9等の透過カバーに対して、これらの内側よりランプや発光ダイオード(LED)等の発光素子の光を照射することによって、照明、点灯、表示等による演出や、遊技者に対する報知等を行っている。
【0003】
従来、こうした発光素子を複数配設し、かつパチンコ機に設けられた回路基板は、一般には平らに形成されているため、図11に示すように、各発光素子で発生した光は直進し、パチンコ機正面側の遊技者のみに向かって出射されていた。こうしたことは、発光素子の中でも出射光の指向角が比較的狭いLEDにおいて特に顕著である。
【0004】
このため、遊技者以外のパチンコ機周辺にいる人、例えば遊技者の隣で遊技をしている人や、遊技者の背後を通行する人には、発光素子の光を視認させることが困難となり、こうした人達に対しては、パチンコ機の演出や報知に興味や関心を抱かせることができなかった。
【0005】
そこで、特許文献1,2に開示されているように、発光素子が配設されている回路基板に可撓性をもたせ、回路基板を撓めるようにして曲げるという技術も既に提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−259125号公報
【特許文献2】
特開2002−198618号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したような特許文献1,2に記載された技術では、可撓性を有するゴムのような材質の回路基板を復元力に反して長期間曲げ続けるので、回路基板に亀裂や破損が生じる等、回路基板の耐久性が失われやすいという問題があった。
【0008】
本発明は、以上のような従来技術が有する問題点に着目してなされたもので、高い耐久性を維持しつつ、遊技者以外の遊技機周辺にいる人に対しても、発光素子の光を視認させることができ、周囲への視認性を向上させることができる遊技機装飾用発光素子の回路基板を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1]遊技機に設けられ、かつ複数の発光素子(20)を板面上に配設した遊技機装飾用発光素子の回路基板(10,10A,10B)において、
可塑性を有するとともに、回路基板本体(11)の辺(11a,11b)のうち互いに対向する一対の対辺(11a)を曲げることにより、前記回路基板本体(11)の板面を、前記複数の発光素子(20)の光が放射状に出射される曲面に形成したことを特徴とする遊技機装飾用発光素子の回路基板(10,10A,10B)。
【0010】
[2]前記曲げた対辺(11a)の断面形状を弧にすることを特徴とする[1]記載の遊技機装飾用発光素子の回路基板(10)。
【0011】
[3]前記曲げた対辺(11a)の断面形状を複数の直線が角で連なるようにしたことを特徴とする[1]記載の遊技機装飾用発光素子の回路基板(10A)。
【0012】
[4]前記曲げた対辺(11a)の断面形状を弧と直線が組み合わさるようにしたことを特徴とする[1]記載の遊技機装飾用発光素子の回路基板(10B)。
【0013】
[5]前記回路基板本体(11)の辺(11a,11b)のうち曲げていない方の一対の対辺(11b)を、保持部材(30)によって保持したことを特徴とする[1],[2],[3]または[4]記載の遊技機装飾用発光素子の回路基板(10,10A,10B)。
【0014】
[6]前記保持部材(30)に端子(34)を設けるとともに、該端子(34)を介して通電される接合部(35)を設け、
前記回路基板本体(11)の回路パターン(12)に前記発光素子(20)を電気的に接続するとともに、該回路パターン(12)に通電する接合部(13)を設け、該接合部(13)と前記保持部材(30)の接合部(35)とを電気的に接合して、前記端子(34)から前記発光素子(20)に給電するようにしたことを特徴とする[5]記載の遊技機装飾用発光素子の回路基板(10,10A,10B)。
【0015】
[7]前記保持部材(30)は、前記回路基板本体(11)を保持した状態で遊技機側に取り付けるための取付部(32)を有することを特徴とする[5]または[6]記載の遊技機装飾用発光素子の回路基板(10,10A,10B)。
【0016】
[8]前記保持部材(30)は、前記回路基板本体(11)の辺(11a,11b)のうち曲げていない方の一対の対辺(11b)を係合させるための被係合部(31)を有することを特徴とする[5],[6]または[7]記載の遊技機装飾用発光素子の回路基板(10,10A,10B)。
【0017】
[9]前記回路基板本体(11)の材質が合成樹脂であることを特徴とする[1],[2],[3],[4],[5],[6],[7]または[8]記載の遊技機装飾用発光素子の回路基板(10,10A,10B)。
【0018】
[10]前記発光素子(20)は、発光色を変化させることが可能なLEDであることを特徴とする[1],[2],[3],[4],[5],[6],[7],[8]または[9]記載の遊技機装飾用発光素子の回路基板(10,10A,10B)。
【0019】
前記本発明は次のように作用する。
前記[1]記載の遊技機装飾用発光素子の回路基板(10,10A,10B)によれば、回路基板本体(11)に可塑性を持たせることにより、回路基板本体(11)を予め曲げておけば、外力を取り去っても歪みが残り曲がったままの状態に維持される。それにより、従来の可撓性を有する回路基板のように復元力に反して曲げ続ける必要がなく、回路基板(10,10A,10B)に亀裂や破損が生じることがなくなり、回路基板(10,10A,10B)の耐久性を維持することができる。
【0020】
さらに、回路基板本体(11)の辺(11a,11b)のうち互いに対向する一対の対辺(11a)を曲げることにより、回路基板本体(11)の板面を複数の発光素子(20)の光が放射状に出射される曲面に形成する。それにより、各発光素子(20)の光が一方向ではなく放射状に拡がるように周囲に出射されるから、遊技機正面の遊技者だけでなく遊技機周辺にいる人に対しても発光素子(20)の光を視認させることができる。
【0021】
ここで前記[2]記載のように、前記曲げた対辺(11a)の断面形状を弧にすれば、複数の発光素子(20)が並ぶ出射面がなだらかな円弧曲面となるから、全放射方向に対してほぼ均一な視認性を確保することができる。
【0022】
ただし、前記曲げた対辺(11a)の断面形状は弧に限られるものではなく、前記[3]記載のように、前記曲げた対辺(11a)の断面形状を複数の直線が角で連なるような多角形状にしたり、あるいは前記[4]記載のように、前記曲げた対辺(11a)の断面形状を弧と直線が組み合わさるような異形状にしても良い。
【0023】
このように、ゴム等の可撓性素材のように撓めて湾曲させることしかできない従来の回路基板と異なり、本願発明に係る回路基板本体(11)は様々な断面形状になるように曲げることができるので、遊技盤装飾部や枠装飾部の各種透過カバー内側等の配置スペースに自由に対応させて、各発光素子(20)の光を放射状に出射させることができる。
【0024】
また、前記[5]記載のように、前記回路基板本体(11)の辺(11a,11b)のうち曲げていない方の一対の対辺(11b)を、保持部材(30)によって保持すれば、回路基板本体(11)に外力が加わっても変形することなく、回路基板本体(11)を確実かつ強固に保持することができる。
【0025】
また、前記[6]記載のように、前記保持部材(30)に端子(34)を設けるとともに、該端子(34)を介して通電される接合部(35)を設け、前記回路基板本体(11)の回路パターン(12)に前記発光素子(20)を電気的に接続するとともに、該回路パターン(12)に通電する接合部(13)を設け、該接合部(13)と前記保持部材(30)の接合部(35)とを電気的に接合させれば、簡易な構成で回路基板本体(11)の板面上の各発光素子(20)に効率良く給電することができる。
【0026】
また、前記[7]記載の場合、前記保持部材(30)は、前記回路基板本体(11)を保持した状態で遊技機側に取り付けるための取付部(32)を有するので、回路基板本体(11)を保持部材(30)の取付部(32)を介して、遊技盤装飾部や枠装飾部の筐体等を含めた遊技機側に確実かつ容易に取り付けることができる。
【0027】
また、前記[8]記載の場合、前記保持部材(30)は、前記回路基板本体(11)の辺(11a,11b)のうち曲げていない方の一対の対辺(11b)を係合させるための被係合部(31)を有するので、前記回路基板本体(11)の一対の対辺(11b)を前記保持部材(30)に対して確実かつ容易に取り付けることができる。
【0028】
また、前記[9]記載のように、前記回路基板本体(11)の材質が合成樹脂であれば、回路基板本体(11)に可塑性も多少は持たせることで、ある程度は撓めることが可能となり、寸法誤差等を吸収することができ細かな精度出しが不要となる。
【0029】
さらにまた、前記[10]記載のように、前記発光素子(20)を、発光色を変化させることが可能なLEDとすれば、1つの発光素子(20)により色々な発光色を照射できるので、色々な単色光の発光素子(20)を多数組み合わせるような場合と比較して発光素子(20)の個数を減らすことができ、発光素子(20)を設置するためのスペースを小さくすることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明を代表する各種実施の形態を説明する。
図1および図2は、本発明の第1実施の形態を示している。
本実施の形態に係る遊技機装飾用発光素子の回路基板10は、遊技機に設けられるものであり、回路基板本体11の板面上に複数の発光素子20を配設して成る。
【0031】
ここで遊技機とは、例えば、ハンドルの回転操作により遊技盤の遊技領域上にパチンコ球を打ち出し、かかる打球の入賞を競い楽しむパチンコ機等が該当する。回路基板10は、パチンコ機においては従来の技術で説明したように、図9に示す遊技盤上に配設された遊技盤装飾部1〜8や、図10に示す外枠に設けられた枠装飾部9の構成要素として用いられる。
【0032】
図1に示すように、遊技機装飾用発光素子の回路基板10は、可塑性を有するとともに、回路基板本体11の辺11a,11bのうち互いに対向する一対の対辺11aを曲げることにより、前記回路基板本体11の板面を複数の発光素子20の光が放射状に出射される曲面に形成して成る。本実施の形態では、曲げた対辺11aの断面形状が弧になっている。
【0033】
回路基板本体11は、可塑性すなわち塑性変形しやすい性質の材質を用いて、当初は平板状に成形したものに後から外力を加えて、所定形状に曲げたものであり、具体的な材質としては、可塑性に優れ非導電性の合成樹脂が適しており、特にエポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、あるいはメタクリル樹脂等が最適である。
【0034】
回路基板本体11は、当初は設計上必要な大きさの矩形平板に形成され、この板面上に複数の発光素子20を一定間隔で縦横に並ぶマトリクス状に配設し、さらに、各々の辺11a,11bのうち互いに対向する一対の対辺11aを弧形に曲げることにより、図2に示すように、前記板面を複数の発光素子20の光が放射状に出射される曲面に形成されている。なお、発光素子20の配置間隔は、特に一定でなくても良く、必要に応じて設定すれば良い。
【0035】
図1,図2に示すように、回路基板本体11はその可塑性により、曲げたときの外力を取り去った後でも、一対の対辺11aの断面形状が弧の形のままに維持される。なお、詳しくは後述するが、回路基板本体11のもう片側である裏面には、複数の発光素子20を接続する回路パターン12(図8参照)等が設けられている。
【0036】
発光素子20は、略砲弾形レンズに成形されたモールド樹脂中に素子を埋設したLEDである。このようなLEDは、一色にしか発色しない単色のものが一般的であるが、入力電圧を変えることにより、例えば、赤・緑・青等と発光色を変化させることが可能ないわゆるフルカラーLEDを用いても良い。
【0037】
また、LED自体の種類としても、素子がモールド樹脂中に埋設されずに剥き出しのいわゆるチップLEDを用いても良く、更には発光素子として、LEDではなく豆電球等のランプを用いることも可能である。何れのLED等を採用するにせよ、発光素子20から延びるリード端子は、前記回路基板本体11を貫通してその裏面に設けられている回路パターン12(図8参照)に接続される。
【0038】
次に第1実施の形態の作用を説明する。
遊技機装飾用発光素子の回路基板10によれば、回路基板本体11に可塑性を持たせることにより、図1,図2に示す形状に回路基板本体11を予め曲げておけば、外力を取り去っても歪みが残り曲がったままの状態に維持される。なお、回路基板10を製造する際には、回路基板本体11の板面上に複数の発光素子20を配設してから回路基板本体11を曲げても良いし、回路基板本体11を曲げてからその板面上に複数の発光素子20を配設しても良い。
【0039】
回路基板本体11は、いったん曲げた後はそのまま曲げられた状態に維持されるので、従来の可撓性を有する回路基板のように、復元力に反して曲げ続ける必要がない。従って、経年劣化により回路基板10に亀裂や破損が生じることがなくなり、回路基板10の耐久性を維持することができる。
【0040】
本実施の形態では、回路基板本体11の辺11a,11bのうち互いに対向する一対の対辺11aを互いに左右対称に弧状に曲げることにより、回路基板本体11の板面が複数の発光素子20の光を放射状に出射する曲面となる。従って、各発光素子20である発光ダイオードの比較的指向角の狭い高輝度光は、一方向ではなく放射状に広く拡がるように周囲に出射される。
【0041】
それにより、パチンコ機正面の遊技者だけでなく、パチンコ機周辺にいる人に対しても、発光素子20の光を十分に視認させることができ、こうした人達に対しても、パチンコ機の演出や報知に興味や関心を抱かせることが可能となる。特に本実施の形態では、図2に示すように、回路基板本体11の曲げた対辺11aの断面形状を弧としたことにより、複数の発光素子20が並ぶ出射面がなだらかな円弧曲面となるから、発光素子20のように比較的指向角の狭い光を発生する発光ダイオードを用いた場合でも、全放射方向に対してほぼ均一な視認性を確保することができる。
【0042】
また、発光素子20として発光ダイオードを採用したことにより、豆電球等と比べて長寿命となり、視認性や輝度も極めて高く、熱的・放電的発光でないため点灯消灯時間も早くなり、光電変換効率が高いため消費電力も少なく、耐衝撃性にも優れる等の特性を備えるものとなる。
【0043】
また、発光素子20を、発光色を変化させることが可能ないわゆるフルカラーLEDとすれば、1つの発光素子20により色々な発光色を照射できるので、色々な単色光の発光素子20を多数組み合わせるような場合と比較して発光素子20の個数を減らすことができ、発光素子20を設置するためのスペースを小さくすることが可能となる。
【0044】
さらにまた、前記回路基板本体11の材質を合成樹脂とすることで、回路基板本体11に可塑性も多少は持たせることができ、回路基板本体11をある程度は撓めることが可能となり、寸法誤差等を吸収することが可能となり、細かな精度出しが不要となって、いっそうのコスト低減も実現できることになる。
【0045】
図3,図4は、本発明の第2実施の形態を示している。
本実施の形態に係る遊技機装飾用発光素子の回路基板10Aは、回路基板本体11の一対の対辺11aを、図示したように、複数の直線が角で連なる断面形状に曲げたものである。この例では、7つの直線が6つの角で連なる断面形状に曲げられているが、かかる断面形状に限定されるものではない。
【0046】
図5,図6は、本発明の第3実施の形態を示している。
本実施の形態に係る遊技機装飾用発光素子の回路基板10Bは、回路基板本体11の一対の対辺11aを、図示したように、弧と直線が組み合わされた断面形状に曲げたものである。この例では、2つの弧の間に1つの直線が連なる断面形状に曲げられているが、かかる断面形状に限定されるものでもない。
【0047】
これら図3〜図6に示すように、前記曲げた対辺11aの断面形状を複数の直線が角で連なるような多角形状としたり、あるいは、前記曲げた対辺11aの断面形状を弧と直線が組み合わさるような異形状としても良い。このように、ゴム等の可撓性素材のように撓めて湾曲させることしかできない従来の回路基板と異なり、本願発明に係る回路基板本体11は、様々な断面形状に曲げることができるので、遊技盤装飾部や枠装飾部の各種透過カバー内側等の配置スペースに自由に対応させて、各発光素子20の光を放射状に出射させることができる。
【0048】
図7,図8は、本発明の第4実施の形態を示している。
本実施の形態は、図7に示すように、前記第1実施の形態に係る回路基板10に保持部材30を組み合わせて、回路基板本体11の辺11a,11bのうち曲げていない方の一対の対辺11bを保持部材30によって保持したものである。ただし、保持部材30は、前記第1実施の形態に係る回路基板10だけに組み合わされるものではなく、前記第2,第3実施の形態に係る回路基板10A,10Bに組み合わせることもできる。
【0049】
図7に示すように、保持部材30は、前記回路基板本体11の曲げられていない一対の対辺11b側に細幅状のリテーナー様に成形されている。本実施の形態では、一対の対辺11bにそれぞれ対応する保持部材30は互いに分離されており、それぞれ別々に遊技盤装飾部や枠装飾部の筐体表面Pに取り付けられるが、各保持部材30を薄底板やバーないし枠構造により一体に連結するように成形してもかまわない。
【0050】
保持部材30には、前記回路基板本体11を保持した状態で遊技機側である前記筐体表面Pに取り付けるための取付部32が設けられている。取付部32は、保持部材30の前後位置にてそれぞれ側方に突片状に延出しており、取付部32の略中央には、取付用のビスまたは釘を通すネジ孔32aが穿設されている。
【0051】
また、保持部材30の中央位置にコネクタ33が、前記取付部32と同じく側方に突設されており、該コネクタ33の内部には、給電用の端子34が設けられている。図8に示すように、保持部材30には、その全長に亘り長手方向に延びる凹溝が形成されている。かかる凹溝は、前記回路基板本体11の一対の対辺11bの端縁を係合させるための被係合部31を成す部位である。また、端子34は前記被係合部31である凹溝内側まで貫通しており、凹溝内側には、端子34を介して通電される保持部材側接合部35が設けられている。
【0052】
一方、前記被係合部31に嵌合する前記回路基板本体11の対辺11bの端縁において、前記保持部材側接合部35と丁度合致する位置には、回路パターン12に通電するための回路側接合部13が設けられている。かかる回路側接合部13は、前記保持部材30の保持部材側接合部35と電気的に接合することで、前記端子34から前記発光素子20に給電させるように設定されている。
【0053】
本実施の形態のように、回路基板本体11の辺11a,11bのうち曲げていない方の一対の対辺11bを保持部材30によって保持することで、回路基板本体11に外力が加わっても変形することなく、回路基板本体11を確実かつ強固に保持することができる。ここで保持部材30は、その被係合部31を成す凹溝に、前記回路基板本体11の対辺11bの端縁を嵌め込むだけで良く、確実かつ容易に取り付けることができる。
【0054】
しかも、この取り付けに伴って、回路基板本体11の回路側接合部13と保持部材30の保持部材側接合部35とが必然的に対接し、電気的に接合されるので、簡易な構成で回路基板本体11の板面上の各発光素子20に効率良く給電することができる。また、保持部材30は、前記回路基板本体11を保持した状態で取付部32を介して、そのネジ孔32aに通したビスや釘等により、遊技盤装飾部や枠装飾部の筐体表面P等を含めた遊技機側に確実かつ容易に取り付けることができる。
【0055】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は前述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。もちろん、遊技機はパチンコ機に限られるものではなく、回路基板10を利用する電飾装置を備える様々な遊技機に適用することができる。また、前記回路基板本体11の板面上における複数の発光素子20の具体的な配置パターンは、図示したものに限られるわけではない。
【0056】
【発明の効果】
本発明に係る遊技機装飾用発光素子の回路基板によれば、回路基板本体に可塑性を持たせることにより、回路基板本体を予め曲げておけば、外力を取り去っても歪みが残り曲がったままの状態に維持されるから、従来の可撓性を有する回路基板のように復元力に反して曲げ続ける必要がなく、回路基板に亀裂や破損が生じることがなくなり、回路基板の耐久性を維持することができる。
【0057】
しかも、回路基板本体の辺のうち互いに対向する一対の対辺を曲げることにより、回路基板本体の板面を複数の発光素子の光が放射状に出射される曲面に形成したことによって、各発光素子の光が一方向ではなく放射状に拡がるように周囲に出射されるから、遊技機正面の遊技者だけでなく遊技機周辺にいる人に対しても発光素子の光を視認させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る遊技機装飾用発光素子の回路基板を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施の形態に係る遊技機装飾用発光素子の回路基板を示す側面図である。
【図3】本発明の第2実施の形態に係る遊技機装飾用発光素子の回路基板を示す斜視図である。
【図4】本発明の第2実施の形態に係る遊技機装飾用発光素子の回路基板を示す側面図である。
【図5】本発明の第3実施の形態に係る遊技機装飾用発光素子の回路基板を示す斜視図である。
【図6】本発明の第3実施の形態に係る遊技機装飾用発光素子の回路基板を示す側面図である。
【図7】本発明の第4実施の形態に係る遊技機装飾用発光素子の回路基板を示す斜視図である。
【図8】本発明の第4実施の形態に係る遊技機装飾用発光素子の回路基板を示す分解斜視図である。
【図9】遊技機であるパチンコ機を示す正面図である。
【図10】遊技機であるパチンコ機を示す斜視図である。
【図11】従来の遊技機装飾用発光素子の回路基板を示す斜視図である。
【符号の説明】
10…回路基板
10A…回路基板
10B…回路基板
11…回路基板本体
12…回路パターン
13…回路側接合部
20…発光素子
30…保持部材
31…被係合部
32…取付部
32a…ネジ孔
33…コネクタ
34…端子
35…保持部材側接合部
Claims (10)
- 遊技機に設けられ、かつ複数の発光素子を板面上に配設した遊技機装飾用発光素子の回路基板において、
可塑性を有するとともに、回路基板本体の辺のうち互いに対向する一対の対辺を曲げることにより、前記回路基板本体の板面を、前記複数の発光素子の光が放射状に出射される曲面に形成したことを特徴とする遊技機装飾用発光素子の回路基板。 - 前記曲げた対辺の断面形状を弧にすることを特徴とする請求項1記載の遊技機装飾用発光素子の回路基板。
- 前記曲げた対辺の断面形状を複数の直線が角で連なるようにしたことを特徴とする請求項1記載の遊技機装飾用発光素子の回路基板。
- 前記曲げた対辺の断面形状を弧と直線が組み合わさるようにしたことを特徴とする請求項1記載の遊技機装飾用発光素子の回路基板。
- 前記回路基板本体の辺のうち曲げていない方の一対の対辺を、保持部材によって保持したことを特徴とする請求項1,2,3または4記載の遊技機装飾用発光素子の回路基板。
- 前記保持部材に端子を設けるとともに、該端子を介して通電される接合部を設け、
前記回路基板本体の回路パターンに前記発光素子を電気的に接続するとともに、該回路パターンに通電する接合部を設け、該接合部と前記保持部材の接合部とを電気的に接合して、前記端子から前記発光素子に給電するようにしたことを特徴とする請求項5記載の遊技機装飾用発光素子の回路基板。 - 前記保持部材は、前記回路基板本体を保持した状態で遊技機側に取り付けるための取付部を有することを特徴とする請求項5または6記載の遊技機装飾用発光素子の回路基板。
- 前記保持部材は、前記回路基板本体の辺のうち曲げていない方の一対の対辺を係合させるための被係合部を有することを特徴とする請求項5,6または7記載の遊技機装飾用発光素子の回路基板。
- 前記回路基板本体の材質が合成樹脂であることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7または8記載の遊技機装飾用発光素子の回路基板。
- 前記発光素子は、発光色を変化させることが可能なLEDであることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8または9記載の遊技機装飾用発光素子の回路基板。
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JP (1) | JP2004290295A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011072331A (ja) * | 2009-09-29 | 2011-04-14 | Nippon Pachinko Buhin Kk | 遊技機用発光装置及びそれを備えた遊技機 |
JP2011110094A (ja) * | 2009-11-24 | 2011-06-09 | Sanyo Product Co Ltd | 遊技機 |
JP2013009774A (ja) * | 2011-06-29 | 2013-01-17 | Daito Giken:Kk | 遊技台 |
JP2014193343A (ja) * | 2014-03-13 | 2014-10-09 | Sanyo Product Co Ltd | 遊技機 |
JP2016026009A (ja) * | 2015-10-27 | 2016-02-12 | 株式会社三洋物産 | 遊技機 |
-
2003
- 2003-03-26 JP JP2003084225A patent/JP2004290295A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011072331A (ja) * | 2009-09-29 | 2011-04-14 | Nippon Pachinko Buhin Kk | 遊技機用発光装置及びそれを備えた遊技機 |
JP2011110094A (ja) * | 2009-11-24 | 2011-06-09 | Sanyo Product Co Ltd | 遊技機 |
JP2013009774A (ja) * | 2011-06-29 | 2013-01-17 | Daito Giken:Kk | 遊技台 |
JP2014193343A (ja) * | 2014-03-13 | 2014-10-09 | Sanyo Product Co Ltd | 遊技機 |
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