JP2004288951A - 半導体集積回路装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体集積回路装置およびその製造方法 Download PDF

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勝彦 一瀬
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Abstract

【課題】デュアルゲート電極構造のMISFETを有する半導体集積回路装置の特性を向上させる。
【解決手段】基板1のゲート絶縁膜5上に多結晶シリコン膜6を堆積し、n型ウエル4上にp型不純物領域16pを、p型ウエル3上にn型不純物領域16nを形成し、これらの領域の境界部aに窒素を注入し、窒素注入領域26を形成した後、エッチングによりp型アクティブAcp上から素子分離2上を通ってn型アクティブAcn上まで延在するライン状のパターンを形成し、熱処理を施すことにより、パターンの上部(16n、16p)の不純物を拡散させ、n型ゲート電極、p型ゲート電極を形成する。その結果、n型不純物領域16nやp型不純物領域16p中の不純物が反対側のアクティブ領域上まで拡散し、不純物濃度が低下することを抑えることができ、ゲート電極の空乏化やしきい値電位の変動等を抑制できる。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路装置およびその製造方法に関し、特に、デュアルゲート構造の半導体素子を有する半導体集積回路装置に適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
インバータ等の論理回路やSRAM(Static Random Access Memory)メモリセルを構成するMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)においては、nチャネル型MISFETとpチャネル型MISFETとのゲート電極が共通となっていることが多い。即ち、nチャネル型MISFETが形成されるp型ウエルから、pチャネル型MISFETが形成されるn型ウエルへ延在するようライン状にゲート電極が形成される。
【0003】
一方、素子の微細化に伴い、ゲート長が0.2μm以下の世代では、短チャネル効果を抑制するため、pチャネル型MISFETのゲート電極には、p型不純物を注入したp型ゲート電極を、また、nチャネル型MISFETのゲート電極には、n型不純物を注入したn型ゲート電極を用いる、いわゆるデュアルゲート構造が採用されている。
【0004】
特に、素子の微細化や高集積化が高度に要求されるSRAMにおいては、メモリ特性の向上のためデュアルゲート構造の採用が重要となっている。
【0005】
例えば、非特許文献1には、SRAMの高集積化を図るため100nm技術を用いてセルサイズを1μm程度とするため、PN素子分離の幅を0.19μm程度としたSRAMが開示されている。
【0006】
【非特許文献1】
2002 シンポジウム オン VLSI テクノロジー ダイジェスト オブ テクニカル ペーパーズ、P14−15(2002 Symposium On VLSI Technology Digest of Technical Papers,P14−15)、“Sub−1μm High Density Embedded SRAM Technologies for 100nm Generation SOC and beyond”
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述のデュアルゲート構造においては、ゲート電極下(ゲート絶縁膜中や半導体基板中)への不純物の突き抜けを防止するために、ゲート電極への不純物の注入の際、ゲート電極の表面に浅く不純物を注入する必要がある。
【0008】
一方、ゲート電極の空乏化を抑制するためには、半導体集積回路装置(LSI)の完成時までに、前記不純物をゲート電極の底部(ゲート絶縁膜との界面)まで熱拡散により拡散させる必要がある。
【0009】
しかしながら、追って詳細に説明するように、素子の微細化のためにp型ウエルとn型ウエル間の素子分離の幅が小さくなると、これらのウエル間上に延在するゲート電極に打ち分けた不純物が本来打ち込まれる領域から逆側の領域まで拡散し打ち消し合うことで、所望の不純物濃度を確保することができなくなる。
【0010】
例えば、p型不純物が打ち込まれるp型ゲート電極の不純物濃度が低下すると、ゲート電極の空乏化、しきい値電位の変動やしきい値電位のばらつきが大きくなるといった問題が生じる。n型ゲート電極の不純物濃度の低下によっても同様の問題が生じる。
【0011】
特に、本発明者が検討している0.13μm世代のCMOS(相補型Metal Oxide Semiconductor)においては、不純物を十分に拡散させる必要がある垂直方向(ゲート電極の厚さ方向)に対し、不純物の拡散を抑制する必要がある水平方向の距離が小さくなっており、ゲート電極の空乏化、しきい値電位の変動やしきい値電位のばらつき等の素子特性に対するマージンの確保が困難な状態となっている。
【0012】
本発明の目的は、デュアルゲート電極構造のMISFETを有する半導体集積回路装置の特性を向上させる技術を提供することにある。
【0013】
本発明の前記目的およびその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0015】
(1)本発明の半導体集積回路装置の製造方法は、(a)第1素子形成領域と、第2素子形成領域と、前記第1および第2素子形成領域間に位置する素子分離領域とを有する半導体基板を準備する工程と、(b)前記第1素子形成領域から前記第2素子形成領域まで延在する導電性膜を形成する工程と、(c)前記第1素子形成領域上の前記導電性膜中に第1不純物を注入する工程と、(d)前記第2素子形成領域上の前記導電性膜中に第2不純物を注入する工程と、(e)前記素子分離領域上の前記導電性膜中に窒素イオンを注入する工程と、(f)前記(e)工程の後、前記第1および第2不純物を前記導電性膜中に拡散させる工程と、
を有するものである。
【0016】
(2)本発明の半導体集積回路装置の製造方法は、(a)第1素子形成領域と、第2素子形成領域と、前記第1および第2素子形成領域間に位置する素子分離領域とを有する半導体基板を準備する工程と、(b)前記第1素子形成領域から前記第2素子形成領域まで延在する導電性膜を形成する工程と、(c)前記第2素子形成領域および前記素子分離領域上を第1マスク膜で覆い、前記第1素子形成領域上の前記導電性膜中に第1不純物を注入する工程と、(d)前記第1素子形成領域および前記素子分離領域上を第2マスク膜で覆い、前記第2素子形成領域上の前記導電性膜中に第2不純物を注入する工程と、(e)前記第1および第2不純物を前記導電性膜中に拡散させる工程と、を有するものである。
【0017】
(3)本発明の半導体集積回路装置の製造方法は、(a)第1素子形成領域と、第2素子形成領域と、前記第1および第2素子形成領域間に位置する素子分離領域とを有する半導体基板を準備する工程と、(b)前記第1素子形成領域から前記第2素子形成領域まで延在する多結晶の導電性膜を形成する工程と、(c)前記第1素子形成領域上の前記導電性膜中に第1不純物を注入する工程と、(d)前記第2素子形成領域上の前記導電性膜中に第2不純物を注入する工程と、(e)前記素子分離領域上の前記導電性膜を単結晶化する工程と、(f)前記(e)工程の後、前記第1および第2不純物を前記導電性膜中に拡散させる工程と、を有するものである。
【0018】
(4)本発明の半導体集積回路装置の製造方法は、(a)第1素子形成領域と、第2素子形成領域と、前記第1および第2素子形成領域間に位置する素子分離領域とを有する半導体基板を準備する工程と、(b)前記素子分離領域上に絶縁膜を形成する工程と、(c)前記第1素子形成領域から前記絶縁膜上を通り前記第2素子形成領域まで延在する導電性膜を形成する工程と、(d)前記第1素子形成領域上の前記導電性膜中に第1不純物を注入する工程と、(e)前記第2素子形成領域上の前記導電性膜中に第2不純物を注入する工程と、(f)前記第1および第2不純物を前記導電性膜中に拡散させる工程と、を有するものである。
【0019】
(5)本発明の半導体集積回路装置は、(a)第1素子形成領域と、第2素子形成領域と、前記第1および第2素子形成領域間に位置する素子分離領域とを有する半導体基板と、(b)前記第1素子形成領域から前記第2素子形成領域まで延在する導電性膜であって、(b1)前記第1素子形成領域上においては第1不純物を含有し、(b2)前記第2素子形成領域上においては第2不純物を含有し、(b3)前記素子分離領域上においては窒素イオンを含有する導電性膜と、を有するものである。
【0020】
なお、後述する実施の形態を参照すれば、課題を解決するための手段として以下のものも考えられる。
【0021】
(6)本発明の半導体集積回路装置は、(a)第1素子形成領域と、第2素子形成領域と、前記第1および第2素子形成領域間に位置する素子分離領域とを有する半導体基板と、(b)前記第1素子形成領域から前記第2素子形成領域まで延在する導電性膜であって、(b1)前記第1素子形成領域上においては第1不純物を含有する多結晶状態の膜であり、(b2)前記第2素子形成領域上においては第2不純物を含有する多結晶状態の膜であり、(b3)前記素子分離領域上においては単結晶状態の膜である導電性膜と、を有するものである。
【0022】
(7)本発明の半導体集積回路装置は、(a)第1素子形成領域と、第2素子形成領域と、前記第1および第2素子形成領域間に位置する素子分離領域とを有する半導体基板と、(b)前記素子分離領域上に形成された絶縁膜と、(c)前記第1素子形成領域から前記絶縁膜上を通り前記第2素子形成領域まで延在する導電性膜であって、(c1)前記第1素子形成領域上においては第1不純物を含有し、(c2)前記第2素子形成領域上においては第2不純物を含有する導電性膜と、を有するものである。
【0023】
(8)また、前記(1)〜(4)の半導体集積回路装置の製造方法もしくは前記(5)〜(7)の半導体集積回路装置において、(d1)前記第1素子形成領域上の前記導電性膜を第1導電型のMISFETのゲート電極とし、(d2)前記第2素子形成領域上の前記導電性膜を第2導電型のMISFETのゲート電極とし、(d3)前記第1導電型のMISFETおよび前記第2導電型のMISFETで、SRAMメモリセルを構成してもよい。
【0024】
(9)例えば、本発明の半導体集積回路装置は、SRAMメモリセルを有する半導体集積回路装置であって、(a)第1から第4素子形成領域と、前記第1および第2素子形成領域間に位置する第1素子分離領域と、前記第3および第4素子形成領域間に位置する第2素子分離領域とを有する半導体基板と、(b)前記第1素子形成領域から前記第2素子形成領域まで延在する第1導電性膜であって、(b1)前記第1素子形成領域上においては第1不純物を含有し、(b2)前記第2素子形成領域上においては第2不純物を含有し、(b3)前記第1素子分離領域上においては窒素イオンを含有する第1導電性膜と、(c)前記第3素子形成領域から前記第4素子形成領域まで延在する第2導電性膜であって、(c1)前記第3素子形成領域上においては第1不純物を含有し、(c2)前記第4素子形成領域上においては第2不純物を含有し、(c3)前記第2素子分離領域上においては窒素イオンを含有する第2導電性膜と、を有し、(d)前記第1および第2導電性膜は、SRAMメモリセルを構成するMISFETのゲート電極である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0026】
(実施の形態1)
本実施の形態の半導体集積回路装置をその製造方法に従って説明する。図1〜図8は、本実施の形態の半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。図9は、本実施の形態の半導体集積回路装置の要部平面図であり、各断面図の左図は、A−A部に、中央図は、B−B部に、右図は、C−C部に対応する。
【0027】
図1に示すように、まず、半導体基板1(以下、単に「基板」という)中に素子分離2を形成する。この素子分離2は、例えばp型の単結晶シリコンからなる基板1をエッチングすることにより溝を形成し、基板1を熱酸化した後、溝の内部を含む基板1上に絶縁膜として酸化シリコン膜を例えばCVD(Chemical Vapor deposition)法で堆積し、化学的機械研磨(CMP;Chemical Mechanical Polishing)法で溝の上部の酸化シリコン膜を研磨することにより形成する。
【0028】
次に、基板1にp型不純物(ボロン)およびn型不純物(例えばリン)をイオン打ち込みした後、熱処理により上記不純物を拡散させることによって、p型ウエル3およびn型ウエル4を形成する。このp型ウエル3の基板1からの露出領域をp型アクティブ(p型活性領域)Acpと、n型ウエル4の基板1からの露出領域をn型アクティブ(n型活性領域)Acnとする。このp型アクティブAcp上には、nチャネル型MISFETQnが、このn型アクティブAcn上には、pチャネル型MISFETQpが形成される(図9参照)。
【0029】
次に、図2に示すように、基板1の主表面にゲート絶縁膜5として酸化シリコン膜を例えば熱酸化により形成する。
【0030】
次いで、ゲート絶縁膜5上に導電性膜として多結晶シリコン膜6を例えばCVD法で180nm程度堆積する。
【0031】
次いで、図3に示すように、p型ウエル3上にフォトレジスト膜(以下、単に「レジスト膜」という)R1を形成し、このレジスト膜R1をマスクに、p型不純物として例えばボロン(B)を加速電圧5keV、ドーズ量5×1015/cm程度注入し、多結晶シリコン膜6の表面部にp型不純物領域16pを形成する。なお、以下「×10」を「En」と示す。
【0032】
次いで、図4に示すように、レジスト膜R1を除去し、n型ウエル4上にレジスト膜R2を形成し、このレジスト膜R2をマスクに、n型不純物として例えばリン(P)を加速電圧10keV、ドーズ量5E15/cm程度注入し、多結晶シリコン膜6の表面部にn型不純物領域16nを形成する。次いで、レジスト膜R2を除去する。
【0033】
ここで、p型アクティブ(p型ウエル3)Acpとn型アクティブ(n型ウエル4)Acnとの間の素子分離2のほぼ中央部上の多結晶シリコン膜6中には、n型不純物領域16nとp型不純物領域16pとの境界部aができる。
【0034】
次いで、図5に示すように、前記境界部近傍上に開口部を有するレジスト膜R3を形成する。言い換えれば、p型アクティブAcpとn型アクティブAcnとの間の素子分離2上に開口部を有するレジスト膜R3を形成する。
【0035】
次いで、レジスト膜R3をマスクに、窒素(N)を例えば加速電圧10keV、ドーズ量1E16/cm程度注入し、窒素(イオン)注入領域26を形成する。
【0036】
次いで、レジスト膜R3を除去し、図6に示すように、ゲート電極を形成する領域にレジスト膜R4を形成する。このレジスト膜R4は、p型アクティブAcp上から素子分離2上を通ってn型アクティブAcn上まで延在するライン状のパターンである(図9参照)。
【0037】
次いで、レジスト膜R4をマスクに多結晶シリコン膜6(n型不純物領域16n、p型不純物領域16pおよび窒素注入領域26を含む)をエッチング(加工)することによりその上部に不純物が注入(16n、16p)されたライン状のパターンを形成する。
【0038】
次いで、レジスト膜R4を除去し、上記パターンに、例えば窒素雰囲気中、950℃で、120秒程度の熱処理を施すことにより、パターンの上部(16n、16p)の不純物を拡散させる。これによりn型ゲート電極Gn、p型ゲート電極Gpが形成される(図7)。
【0039】
このように本実施の形態によれば、ゲート電極となる導電性膜に打ち込んだp型およびn型不純物の境界部(ゲート電極の接続部、接合部)aに窒素を注入したので、前記不純物の拡散を抑制できる。
【0040】
即ち、図10に示すように、ゲート電極となる導電性膜に打ち込んだp型およびn型不純物の境界部に窒素注入領域26を形成すると、図11に示すように、例えばn型不純物領域16nからp型ゲート電極(反対側のアクティブ、この場合Acn)への不純物の拡散が抑制される。このように、窒素注入領域26において拡散係数が低下するのは、n型やp型の不純物の注入の際に生じた多結晶シリコン膜中の結晶欠陥が窒素により修復されるためと考えられる。このような結晶欠陥が存在する場合には、その欠陥を介し不純物が増速拡散するが、欠陥を修復することにより拡散速度を抑えられるのである。なお、増速拡散の程度は、熱処理条件によっても変化するが、ボロン(B)で約10%、リン(P)で約30%の拡散距離の増加を確認している。
【0041】
従って、窒素を注入しない場合(図12)は、その後の熱処理によりn型不純物領域16nからp型ゲート電極形成領域へ不純物が大きく拡散する(図13)。その結果、p型ゲート電極Gp中の不純物濃度が低下し、MISFETの特性を劣化させる。
【0042】
例えば、図11に示すように、ゲート電極となる導電性膜の膜厚をb1、ゲート電極が横断する素子分離2の幅の1/2をa1とすると、0.13μmルールのCMOSでは、a1は、160nm程度、b1は、180nm程度となる(a1<b1)。この様に、分離幅の半分がゲート電極厚より小さくなる。
【0043】
従って、ゲート電極の厚さ方向と同程度の速度で水平方向にも不純物が拡散すると考えると、素子分離を超えて逆導電型のアクティブ領域まで不純物が拡散することになる。
【0044】
例えば、リンの拡散長で約25%の拡散防止効果があるとすると、拡散長は約135nm(180nm×0.75)となり、素子分離2の幅の1/2(a1=160nm)以下となる。
【0045】
従って、アクティブ領域上のゲート電極の不純物濃度の低下を抑えることができ、ゲート電極の空乏化、しきい値電位の変動やしきい値電位のばらつき等を抑制することができる。また、MISFETの特性の向上を図ることができる。
【0046】
次いで、図8に示すように、p型ウエル3上のn型ゲート電極Gnの両側にn型不純物(ヒ素)を注入することによってn型半導体領域13を形成し、また、n型ウエル4上のp型ゲート電極Gpの両側にp型不純物(ボロン)を注入することによってp型半導体領域14を形成する。
【0047】
次いで、基板1上に絶縁膜として窒化シリコン膜を例えばCVD法で堆積した後、異方的にエッチングすることによって、ゲート電極Gn、Gpの側壁にサイドウォールスペーサ15を形成する。
【0048】
次に、p型ウエル3にn型不純物(リンまたはヒ素)をイオン打ち込みすることによってn型半導体領域17(ソース、ドレイン)を形成し、n型ウエル4にp型不純物(ボロン)をイオン打ち込みすることによってp型半導体領域18(ソース、ドレイン)を形成する。
【0049】
ここまでの工程で、LDD(Lightly Doped Drain)構造のソース、ドレインを備えたnチャネル型MISFETQnおよびpチャネル型MISFETQpが形成される。
【0050】
次に、基板1上に、高融点金属膜としてコバルト(Co)膜を例えばスパッタ法により堆積し、熱処理を施すことにより、基板1の露出部(n型半導体領域17、p型半導体領域18)と、Co膜との接触部およびゲート電極Gn、GpとCo膜との接触部において、コバルトシリサイド層19を形成する。その後、未反応の高融点金属膜を除去する。
【0051】
次いで、基板1上に層間絶縁膜20として酸化シリコン膜を例えばCVD法で堆積する。
【0052】
次に、層間絶縁膜20をエッチングすることによって、n型半導体領域(ソース、ドレイン)およびp型半導体領域18(ソース、ドレイン)上にコンタクトホールC1を形成する。
【0053】
次いで、コンタクトホールC1の内部を含む層間絶縁膜20の上部にバリア膜としてチタン(Ti)膜と窒化チタン(TiN)膜の積層膜(図示せず)を例えばスパッタ法により順次堆積し、さらに、導電性膜としてタングステン(W)膜例えばCVD法で堆積し、コンタクトホールC1外部のW膜等を例えばCMP法により除去することによりプラグP1を形成する。
【0054】
図9に、プラグP1形成後の半導体集積回路装置の要部平面図を示す。なお、図中の上部のp型アクティブAcpおよびn型アクティブAcnは、ウエル給電用のアクティブであり、その上部にはウエル給電用のプラグP1が形成されている。
【0055】
この後、プラグP1上に第1層配線が形成され、さらに、層間絶縁膜、プラグおよび配線の形成を繰り返すことによって多層の配線を形成する。これらの図示および詳細な説明は省略する。
【0056】
さらに、最上層配線上には、保護膜が形成され、この保護膜を除去することにより最上層配線の一部(パッド部)を露出させる。次いで、チップ上のパッド部と実装基板の外部端子等との間をワイヤやバンプ電極等を介して接続し、必要に応じてチップの周辺を樹脂等で封止することにより半導体集積回路装置が完成する。なお、これらの図示も省略する。
【0057】
(実施の形態2)
本実施の形態においては、ゲート電極となる導電性膜にp型もしくはn型不純物を打ち込む際のレジスト膜をp型アクティブとn型アクティブとの間の素子分離上まで延在させる。なお、実施の形態1と同様の工程については、その詳細な説明を省略する。
【0058】
まず、実施の形態1と同様に素子分離2、p型ウエル3(p型アクティブAcp)、n型ウエル4(n型アクティブAcn)およびゲート絶縁膜5を形成する(図2参照)。
【0059】
次いで、ゲート絶縁膜5上に導電性膜として多結晶シリコン膜6を例えばCVD法で180nm程度堆積する。
【0060】
次いで、p型ウエル3上にレジスト膜(図示せず)を形成し、このレジスト膜をマスクに、p型不純物として例えばボロン(B)を加速電圧5keV、ドーズ量5E15/cm程度注入し、多結晶シリコン膜6の表面部にp型不純物領域16pを形成する。この際、レジスト膜をn型アクティブAcnとp型アクティブAcpの間の素子分離2上まで延在するよう加工する。より好ましくは、レジスト膜の端部が、n型アクティブAcnとp型アクティブAcpの間の素子分離2の中央部よりn型アクティブAcn側に位置するよう加工する。
【0061】
次いで、図14に示すように、上記レジスト膜を除去し、n型ウエル4上にレジスト膜R2を形成し、このレジスト膜R2をマスクに、n型不純物として例えばリン(P)を加速電圧10keV、ドーズ量5E15/cm程度注入し、多結晶シリコン膜6の表面部にn型不純物領域16nを形成する。この際、上記レジスト膜と同様、レジスト膜R2をn型アクティブAcnとp型アクティブAcpの間の素子分離2上まで延在するよう加工する。より好ましくは、レジスト膜の端部が、n型アクティブAcnとp型アクティブAcpの間の素子分離2の中央部よりp型アクティブAcp側に位置するよう加工する。次いで、レジスト膜R2を除去する。
【0062】
その結果、素子分離2の中央部上には、不純物が注入されない領域ができる。
【0063】
次いで、実施の形態1と同様に、ゲート電極を形成する領域にレジスト膜を形成し、多結晶シリコン膜6(n型不純物領域16nおよびp型不純物領域16pを含む)をエッチング(加工)することによりその上部に不純物が注入(16n、16p)されたライン状のパターンを形成する。
【0064】
次いで、上記レジスト膜を除去し、例えば窒素雰囲気中、950℃で、120秒程度の熱処理を施すことにより、ライン状のパターンの上部(16n、16p)の不純物を拡散させる。これによりn型ゲート電極Gn、p型ゲート電極Gpが形成される。
【0065】
このように本実施の形態によれば、ゲート電極となる導電性膜に不純物を打ち込む際、マスクとなる膜を素子分離上まで延在させたので、素子分離上の導電性膜中に不純物が注入されない。従って、図15に示すように、不純物の拡散の始点が後退する。即ち、不純物領域(16n、16p)の端部から反対側のアクティブまでの距離を大きくすることができる。よって、水平方向の拡散のマージンを大きくでき、不純物が反対側のアクティブ領域上まで拡散することを低減できる。
【0066】
従って、アクティブ領域上の不純物濃度の低下を抑えることができ、ゲート電極の空乏化、しきい値電位の変動やしきい値電位のばらつき等を抑制することができる。また、MISFETの特性の向上を図ることができる。
【0067】
この後、実施の形態1と同様に、n型半導体領域13、p型半導体領域14およびサイドウォールスペーサ15が形成され、さらに、n型半導体領域17(ソース、ドレイン)、p型半導体領域18(ソース、ドレイン)およびコバルトシリサイド層19等が形成される。以降の工程は、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。
【0068】
(実施の形態3)
本実施の形態においては、ゲート電極となる多結晶シリコン膜に打ち込んだp型およびn型不純物の境界部aにレーザーを照射し、境界部aを単結晶化した。なお、実施の形態1と同様の工程については、その詳細な説明を省略する。
【0069】
まず、実施の形態1と同様に素子分離2、p型ウエル3(p型アクティブAcp)、n型ウエル4(n型アクティブAcn)およびゲート絶縁膜5を形成する(図2参照)。
【0070】
次いで、実施の形態1と同様に不純物を注入し、多結晶シリコン膜6の表面部にp型不純物領域16pおよびn型不純物領域16nを形成する。
【0071】
ここで、p型アクティブAcpとn型アクティブAcnとの間の素子分離2のほぼ中央部上の多結晶シリコン膜6中には、n型不純物領域16nとp型不純物領域16pとの境界部aができる。
【0072】
また、図16に示すように、多結晶シリコン膜6(16n、16p含む)中には、多結晶シリコンの結晶粒gが多数存在する。
【0073】
次いで、前記境界部近傍上に光を吸収する膜(例えばTiN膜)Mを形成する。言い換えれば、p型アクティブAcpとn型アクティブAcnとの間の素子分離2上に光を吸収する膜Mを形成する。
【0074】
次いで、レーザーを照射しアニール(熱処理)することで、境界部近傍の多結晶シリコン膜6を単結晶化する(図17)。その結果、単結晶シリコン領域36が形成される。
【0075】
次いで、上記膜Mを除去し、実施の形態1と同様にゲート電極を形成する領域にレジスト膜を形成し、多結晶シリコン膜6(n型不純物領域16n、p型不純物領域16pおよび単結晶シリコン領域36を含む)をエッチング(加工)する。
【0076】
次いで、上記レジスト膜を除去し、例えば窒素雰囲気中、950℃で、120秒程度の熱処理を施すことにより、加工後のパターンの上部(16n、16p)の不純物を拡散させる。これによりn型ゲート電極Gn、p型ゲート電極Gpが形成される。
【0077】
このように本実施の形態によれば、ゲート電極となる多結晶シリコン膜に打ち込んだp型およびn型不純物の境界部aにレーザーを照射し、境界部aの多結晶シリコンを単結晶化したので、前記不純物の拡散を抑制できる。これは、多結晶シリコン中の不純物の拡散速度は、結晶(g)中より、結晶粒界の方が早いためである。言い換えれば、結晶中より結晶粒界の方が拡散係数が大きいためである。従って、境界部を単結晶化すれば結晶粒界を少なくでき、不純物の拡散を抑制することができるのである。
【0078】
従って、アクティブ領域上の不純物濃度の低下を抑えることができ、ゲート電極の空乏化、しきい値電位の変動やしきい値電位のばらつき等を抑制することができる。また、MISFETの特性の向上を図ることができる。
【0079】
この後、実施の形態1と同様に、n型半導体領域13、p型半導体領域14およびサイドウォールスペーサ15が形成され、さらに、n型半導体領域17(ソース、ドレイン)、p型半導体領域18(ソース、ドレイン)およびコバルトシリサイド層19等が形成される。以降の工程は、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。
【0080】
なお、本実施の形態においては、不純物を注入した後、レーザーを照射する等して単結晶化を行ったが、単結晶化を行った後に、不純物の注入および拡散を行ってもよい。
【0081】
(実施の形態4)
本実施の形態においては、素子分離上にあらかじめ絶縁膜を形成し、ゲート電極となる多結晶シリコン膜に打ち込んだp型およびn型不純物の拡散を抑制した。なお、実施の形態1と同様の工程については、その詳細な説明を省略する。
【0082】
まず、実施の形態1と同様に素子分離2、p型ウエル3(p型アクティブAcp)、n型ウエル4(n型アクティブAcn)およびゲート絶縁膜5を形成する(図2参照)。
【0083】
次いで、図18に示すように、n型アクティブAcnとp型アクティブAcpの間の素子分離2上に絶縁膜のパターン46を形成する。この絶縁膜のパターン46は、基板1上に例えば酸化シリコン膜を例えばCVD法で堆積した後、エッチングすることにより形成する。この絶縁膜のパターン46は、ゲート電極(Gn、Gp)と素子分離2とのパターンの重なり合う領域に例えば矩形状に形成してもよいし、また、ゲート電極と直交するようなライン状のパターンとしてもよい。
【0084】
次いで、ゲート絶縁膜5および絶縁膜のパターン46上に導電性膜として多結晶シリコン膜6を例えばCVD法で堆積する。次いで、アクティブ上の多結晶シリコン膜6の膜厚が180nm程度となるよう、多結晶シリコン膜6の上部をCMP法等により除去し、その表面を平坦化する。その結果、絶縁膜のパターン46上の多結晶シリコン膜が薄くなる。
【0085】
次いで、実施の形態1と同様に不純物を注入し、多結晶シリコン膜6の表面部にp型不純物領域16pおよびn型不純物領域16nを形成する。
【0086】
ここで、p型アクティブAcpとn型アクティブAcnとの間の素子分離2のほぼ中央部上の多結晶シリコン膜6中には、n型不純物領域16nとp型不純物領域16pとの境界部aができる。言い換えれば、絶縁膜のパターン46上の多結晶シリコン膜6中には、n型不純物領域16nとp型不純物領域16pとの境界部aができる。
【0087】
次いで、実施の形態1と同様に、ゲート電極を形成する領域にレジスト膜を形成し、多結晶シリコン膜6(n型不純物領域16nおよびp型不純物領域16pを含む)をエッチング(加工)することによりその上部に不純物が注入(16n、16p)されたライン状のパターンを形成する。
【0088】
次いで、上記レジスト膜を除去し、例えば窒素雰囲気中、950℃で、120秒程度の熱処理を施すことにより、上記ライン状のパターンの上部(16n、16p)の不純物を拡散させる。これによりn型ゲート電極Gn、p型ゲート電極Gpが形成される。
【0089】
このように本実施の形態によれば、あらかじめゲート電極となる多結晶シリコン膜に打ち込んだp型およびn型不純物の境界部a下に絶縁膜のパターンを形成したので、境界部aからアクティブまでの距離を大きくできる。また、境界部近傍の多結晶シリコン膜が薄くなるため、拡散する不純物量も小さくなる。従って、前記不純物が反対側のアクティブまで拡散することを抑制できる(図19)。
【0090】
従って、アクティブ領域上の不純物濃度の低下を抑えることができ、ゲート電極の空乏化、しきい値電位の変動やしきい値電位のばらつき等を抑制することができる。また、MISFETの特性の向上を図ることができる。
【0091】
この後、実施の形態1と同様に、n型半導体領域13、p型半導体領域14およびサイドウォールスペーサ15が形成され、さらに、n型半導体領域17(ソース、ドレイン)、p型半導体領域18(ソース、ドレイン)およびコバルトシリサイド層19等が形成される。以降の工程は、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。
【0092】
(実施の形態5)
上記実施の形態1〜4においては、nチャネル型MISFETおよびpチャネル型MISFET(相補型MISFET)を例に説明したが、以下に示すように、SRAMを構成するMISFETに上記実施の形態を適用してもよい。
【0093】
図20は、本実施の形態のSRAMのメモリセルを示す等価回路図である。図示するように、このメモリセルMCは、一対の相補性データ線(データ線DL、データ線/(バー)DL)とワード線WLとの交差部に配置され、一対の駆動用MISFETQd1,Qd2 、一対の負荷用MISFETQp1,Qp2 および一対の転送用MISFETQt1,Qt2 により構成されている。駆動用MISFETQd1,Qd2 および転送用MISFETQt1,Qt2 はnチャネル型MISFETで構成され、負荷用MISFETQp1,Qp2 はpチャネル型MISFETで構成されている。
【0094】
メモリセルMCを構成する上記6個のMISFETのうち、駆動用MISFETQd1 および負荷用MISFETQp1 は、CMOSインバータINV1 を構成し、駆動用MISFETQd2 および負荷用MISFETQp2 は、CMOSインバータINV2 を構成している。これら一対のCMOSインバータINV1,INV2 の相互の入出力端子(蓄積ノードA、B)は、交差結合され、1ビットの情報を記憶する情報蓄積部としてのフリップフロップ回路を構成している。また、このフリップフロップ回路の一方の入出力端子(蓄積ノードA)は、転送用MISFETQt1 のソース、ドレイン領域の一方に接続され、他方の入出力端子(蓄積ノードB)は、転送用MISFETQt2 のソース、ドレイン領域の一方に接続されている。
【0095】
さらに、転送用MISFETQt1 のソース、ドレイン領域の他方はデータ線DLに接続され、転送用MISFETQt2 のソース、ドレイン領域の他方はデータ線/DLに接続されている。また、フリップフロップ回路の一端(負荷用MISFETQp1,Qp2 の各ソース領域)は電源電圧(Vcc) に接続され、他端(駆動用MISFETQd1,Qd2 の各ソース領域)は基準電圧(Vss) に接続されている。
【0096】
上記回路の動作を説明すると、一方のCMOSインバータINV1 の蓄積ノードAが高電位(“H” )であるときには、駆動用MISFETQd2 がONになるので、他方のCMOSインバータINV2 の蓄積ノードBが低電位(“L”)になる。従って、駆動用MISFETQd1 がOFFになり、蓄積ノードAの高電位(“H” )が保持される。すなわち、一対のCMOSインバータINV1,INV2 を交差結合させたラッチ回路によって相互の蓄積ノードA、Bの状態が保持され、電源電圧が印加されている間、情報が保存される。
【0097】
転送用MISFETQt1,Qt2 のそれぞれのゲート電極にはワード線WLが接続され、このワード線WLによって転送用MISFETQt1,Qt2 の導通、非導通が制御される。すなわち、ワード線WLが高電位(“H” )であるときには、転送用MISFETQt1,Qt2 がONになり、フリップフロップ回路と相補性データ線(データ線DL,/DL)とが電気的に接続されるので、蓄積ノードA、Bの電位状態(“H” または“L” )がデータ線DL、/DLに現れ、メモリセルMCの情報として読み出される。
【0098】
メモリセルMCに情報を書き込むには、ワード線WLを“H” 電位レベル、転送用MISFETQt1,Qt2 をON状態にしてデータ線DL、/DLの情報を蓄積ノードA、Bに伝達する。
【0099】
次に、本実施の形態のSRAMの製造方法を図21〜図24を用いて説明する。図21、図22および図24は、本実施の形態の半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部平面図である。なお、平面図においては、メモリセル約1個分の領域を示す。また、図23は、本実施の形態の半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図であり、例えば図24のD−D部に対応する。
【0100】
まず、SRAMの製造方法の概略を説明する。図21および図23に示すように、実施の形態1と同様に、基板1中に素子分離2を形成する。次いで、実施の形態1と同様に、p型ウエル3(p型アクティブAp1、Ap2)、n型ウエル4(n型アクティブAn1、An2)およびゲート絶縁膜5を形成する。
【0101】
次いで、ゲート絶縁膜5上に導電性膜として多結晶シリコン膜を例えばCVD法で堆積する。
【0102】
次に、nチャネル型MISFET(Qd1,Qd2,Qt1,Qt2)のゲート電極がn型となるよう、また、pチャネル型MISFET(Qp1,Qp2)のゲート電極がp型となるよう、不純物を注入する。即ち、n型アクティブ(An1、An2)上の多結晶シリコン膜には、p型の不純物を、p型アクティブ(Ap1、Ap2)上の多結晶シリコン膜には、n型の不純物を注入する。
【0103】
次いで、レジスト膜(図示せず)をマスクにして多結晶シリコン膜をドライエッチングし、上記不純物を拡散させることにより、n型多結晶シリコン膜からなるゲート電極Gnおよびp型多結晶シリコン膜からなるゲート電極Gpを形成する。ここで、図22に示すように、p型アクティブAp1上には、転送用MISFETQt1のゲート電極Gnと、駆動用MISFETQd1のゲート電極Gnが形成され、p型アクティブAp2上には、転送用MISFETQt2のゲート電極Gnと、駆動用MISFETQd2のゲート電極Gnが形成されている。また、n型アクティブAn1上には、負荷用MISFETQp2のゲート電極Gpが形成され、n型アクティブAn2上には、負荷用MISFETQp1のゲート電極Gpが形成されている。これらのゲート電極は、それぞれ図中のD−Dと直交する方向に形成され、負荷用MISFETQp1のゲート電極Gpと駆動用MISFETQd1のゲート電極Gnとは共通であり(接続されており)、また、負荷用MISFETQp2のゲート電極Gpおよび駆動用MISFETQd2のゲート電極Gnとは共通である。従って、共通のゲート電極が横断する素子分離上には、n型不純物とp型不純物の境界部が形成される。
【0104】
次に、p型ウエル3上のゲート電極Gの両側にn型不純物(ヒ素)を注入することによってn型半導体領域を形成し、また、n型ウエル4上にp型不純物(ボロン)を注入することによってp型半導体領域14を形成する。
【0105】
次いで、基板1上にCVD法で窒化シリコン膜を堆積した後、異方的にエッチングすることによって、ゲート電極Gの側壁にサイドウォールスペーサ15を形成する。
【0106】
次に、p型ウエル3にn型不純物(リンまたはヒ素)をイオン打ち込みすることによってn型半導体領域(ソース、ドレイン)を形成し、n型ウエル4にp型不純物(ホウ素)をイオン打ち込みすることによってp型半導体領域18(ソース、ドレイン)を形成する。
【0107】
ここまでの工程で、メモリセルMCを構成する6個のMISFET(駆動用MISFETQd1、Qd2、転送用MISFETQt1、Qt2および負荷用MISFETQp1、Qp2)および周辺回路を構成するnチャネル型MISFETおよびpチャネル型MISFETが完成する。
【0108】
続いて、基板1の表面を洗浄した後、基板1上に、スパッタ法によりCo膜を堆積する。次いで、熱処理を施し、基板1の露出部(n型半導体領域、p型半導体領域18)およびゲート電極Gn、Gp上に、コバルトシリサイド層19を形成する。
【0109】
次いで、未反応のCo膜およびTi膜をエッチングにより除去する。次いで、基板1上に層間絶縁膜(酸化シリコン膜)を堆積し、その中に、プラグP1および配線MD1、MD2を形成する。
【0110】
これらを形成するには、まず、層間絶縁膜をエッチングすることによって、n型半導体領域(ソース、ドレイン)およびp型半導体領域18(ソース、ドレイン)上にコンタクトホールC1および配線溝HMを形成する。また、転送用MISFETQt1、Qt2のゲート電極G上にコンタクトホールC1を形成する。ここで、一方の配線溝HMは、駆動用MISFETQd1のドレイン上から負荷用MISFETQp1のドレイン上を経由し、駆動用MISFETQd2のゲート電極上まで延在している。また、他方の配線溝HMは、駆動用MISFETQd2のドレイン上から負荷用MISFETQp2のドレイン上を経由し、駆動用MISFETQd1のゲート電極上まで延在している。
【0111】
次いで、コンタクトホールC1および配線溝HM内に導電性膜を埋め込むことによりプラグP1および配線MD1、MD2を形成する。
【0112】
この後、第1層配線や第2層配線を介してプラグP1や配線MD1、MD2が接続され、図20を参照しながら説明したSRAMが略完成する。なお、第1層配線、第2層配線およびこれらの間のプラグの図示およびその詳細な製造工程については省略する。
【0113】
このようにSRAMのメモリセルにおいては、メモリセル約1個分の領域に、複数のアクティブ(Ap1、Ap2、An1、An2)が形成される。従って、p型アクティブとn型アクティブとの間が素子分離で分離される。一方、前述した通り、負荷用MISFETQp1のゲート電極Gpと駆動用MISFETQd1のゲート電極Gnとは共通であり、また、負荷用MISFETQp2のゲート電極Gpおよび駆動用MISFETQd2のゲート電極Gnとは共通である。
【0114】
従って、上記ゲート電極に不純物を注入する場合には、図13を参照しながら実施の形態1で説明したように、ゲート電極中のn型不純物とp型不純物とがその境界部で打ち消し合い、MISFETの特性を劣化させる。
【0115】
特に、SRAMのようなメモリセルにおいてはその高集積化のために単位セル面積を縮小する傾向にあるため、p型アクティブとn型アクティブとの間の素子分離幅を縮小する必要がある。従って、各不純物が反対側のアクティブ上まで拡散し易く、上記問題が顕著となる。
【0116】
そこで、図22に示す、Qd1とQp1のゲート電極の境界部aやQp2とQd2のゲート電極の境界部aに、実施の形態1〜4を適用することで、アクティブ領域上の不純物濃度の低下を抑えることができ、ゲート電極の空乏化、しきい値電位の変動やしきい値電位のばらつき等を抑制することができる。また、MISFETの特性の向上を図ることができる。
【0117】
例えば、実施の形態1で詳細に説明したように、2つの境界部aに窒素(イオン)注入した後、ゲート電極中の不純物を拡散させる。
【0118】
また、実施の形態2で説明したように、マスクとなる膜を素子分離上まで延在させ、素子分離上の中央部(境界部近傍)に不純物を注入しないようにし、不純物の拡散の始点を後退させる。
【0119】
また、実施の形態3で説明したように、2つの境界部aにレーザーを照射し、境界部aの多結晶シリコン膜を単結晶化した後、ゲート電極中の不純物を拡散させる。
【0120】
さらに、実施の形態4で説明したように、あらかじめ境界部a下に絶縁膜のパターンを形成し、不純物の拡散を抑制する。
【0121】
なお、SRAMメモリセルに実施の形態1〜4を適用した場合の製造工程は、上記したように各アクティブやゲート電極の数や形状が異なる他は、実施の形態1〜4と同様であるためその説明を省略する。例えば、図22のE−EおよびF−F断面を実施の形態1〜4のA−A断面と対応させればよい。
【0122】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0123】
例えば、上記実施の形態においては、ゲート電極を加工した後、その上部の不純物を拡散させたが、不純物を拡散させた後、ゲート電極を加工してもよい。
【0124】
また、実施の形態1〜4を適宜組合せても良い、例えば、実施の形態1の窒素イオンの注入と実施の形態4のゲート電極の境界部下の絶縁膜を併用してもよい。
【0125】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0126】
第1素子形成領域から第2素子形成領域まで延在する導電性膜であって、第1素子形成領域上に位置し第1不純物を有する部分と第2素子形成領域上に位置し第2不純物を有する部分との境界部に窒素イオンを注入した後、前記第1および第2不純物を拡散させたので、半導体集積回路装置の特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図6】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図7】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図8】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図9】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部平面図である。
【図10】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図11】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図12】本発明の効果を説明するための半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図13】本発明の効果を説明するための半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図14】本発明の実施の形態2である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図15】本発明の実施の形態2である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図16】本発明の実施の形態3である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図17】本発明の実施の形態3である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図18】本発明の実施の形態4である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図19】本発明の実施の形態4である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図20】本発明の実施の形態5であるSRAMのメモリセルを示す等価回路図である。
【図21】本発明の実施の形態5である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部平面図である。
【図22】本発明の実施の形態5である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部平面図である。
【図23】本発明の実施の形態5である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図24】本発明の実施の形態5である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部平面図である。
【符号の説明】
1 半導体基板(基板)
2 素子分離
3 p型ウエル
4 n型ウエル
5 ゲート絶縁膜
6 多結晶シリコン膜
13 n型半導体領域
14 p型半導体領域
15 サイドウォールスペーサ
16n n型不純物領域
16p p型不純物領域
17 n型半導体領域
18 p型半導体領域
19 コバルトシリサイド層
20 層間絶縁膜
26 窒素注入領域
36 単結晶シリコン領域
46 絶縁膜のパターン
A、B 蓄積ノード
Acn n型アクティブ(n型活性領域)
Acp p型アクティブ(p型活性領域)
An1 n型アクティブ
An2 n型アクティブ
Ap1 p型アクティブ
Ap2 p型アクティブ
C1 コンタクトホール
DL、/DL データ線
Gn n型ゲート電極(ゲート電極)
Gp p型ゲート電極(ゲート電極)
HM 配線溝
INV1 CMOSインバータ
INV2 CMOSインバータ
M 光を吸収する膜
MC メモリセル
MD1、MD2 配線
P1 プラグ
Qd1 駆動用MISFET
Qd2 駆動用MISFET
Qn nチャネル型MISFET
Qp pチャネル型MISFET
Qp1 負荷用MISFET
Qp2 負荷用MISFET
Qt1 転送用MISFET
Qt2 転送用MISFET
R1 レジスト膜
R2 レジスト膜
R3 レジスト膜
R4 レジスト膜
WL ワード線
Vcc 電源電圧
Vss 基準電圧
a 境界部
a1 ゲート電極が横断する素子分離2の幅の1/2
b1 ゲート電極となる導電性膜の膜厚
g 結晶粒

Claims (5)

  1. (a)第1素子形成領域と、第2素子形成領域と、前記第1および第2素子形成領域間に位置する素子分離領域とを有する半導体基板を準備する工程と、
    (b)前記第1素子形成領域から前記第2素子形成領域まで延在する導電性膜を形成する工程と、
    (c)前記第1素子形成領域上の前記導電性膜中に第1不純物を注入する工程と、
    (d)前記第2素子形成領域上の前記導電性膜中に第2不純物を注入する工程と、
    (e)前記素子分離領域上の前記導電性膜中に窒素イオンを注入する工程と、
    (f)前記(e)工程の後、前記第1および第2不純物を前記導電性膜中に拡散させる工程と、
    を有することを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
  2. (a)第1素子形成領域と、第2素子形成領域と、前記第1および第2素子形成領域間に位置する素子分離領域とを有する半導体基板を準備する工程と、
    (b)前記第1素子形成領域から前記第2素子形成領域まで延在する導電性膜を形成する工程と、
    (c)前記第2素子形成領域および前記素子分離領域上を第1マスク膜で覆い、前記第1素子形成領域上の前記導電性膜中に第1不純物を注入する工程と、
    (d)前記第1素子形成領域および前記素子分離領域上を第2マスク膜で覆い、前記第2素子形成領域上の前記導電性膜中に第2不純物を注入する工程と、
    (e)前記第1および第2不純物を前記導電性膜中に拡散させる工程と、
    を有することを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
  3. (a)第1素子形成領域と、第2素子形成領域と、前記第1および第2素子形成領域間に位置する素子分離領域とを有する半導体基板を準備する工程と、
    (b)前記第1素子形成領域から前記第2素子形成領域まで延在する多結晶の導電性膜を形成する工程と、
    (c)前記第1素子形成領域上の前記導電性膜中に第1不純物を注入する工程と、
    (d)前記第2素子形成領域上の前記導電性膜中に第2不純物を注入する工程と、
    (e)前記素子分離領域上の前記導電性膜を単結晶化する工程と、
    (f)前記(e)工程の後、前記第1および第2不純物を前記導電性膜中に拡散させる工程と、
    を有することを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
  4. (a)第1素子形成領域と、第2素子形成領域と、前記第1および第2素子形成領域間に位置する素子分離領域とを有する半導体基板を準備する工程と、
    (b)前記素子分離領域上に絶縁膜を形成する工程と、
    (c)前記第1素子形成領域から前記絶縁膜上を通り前記第2素子形成領域まで延在する導電性膜を形成する工程と、
    (d)前記第1素子形成領域上の前記導電性膜中に第1不純物を注入する工程と、
    (e)前記第2素子形成領域上の前記導電性膜中に第2不純物を注入する工程と、
    (f)前記第1および第2不純物を前記導電性膜中に拡散させる工程と、
    を有することを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
  5. (a)第1素子形成領域と、第2素子形成領域と、前記第1および第2素子形成領域間に位置する素子分離領域とを有する半導体基板と、
    (b)前記第1素子形成領域から前記第2素子形成領域まで延在する導電性膜であって、
    (b1)前記第1素子形成領域上においては第1不純物を含有し、
    (b2)前記第2素子形成領域上においては第2不純物を含有し、
    (b3)前記素子分離領域上においては窒素イオンを含有する導電性膜と、
    を有することを特徴とする半導体集積回路装置。
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