JP2004288839A - 反応性イオンエッチング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】反応性イオンエッチング法により、シリコン基板に深さが均一なビアホールを形成する。また、シリコン基板を被覆する保護膜の特定部分だけが、エッチングにより消失することを防ぐ。
【解決手段】チャンバー2内部に、被処理シリコン基板1を載置する導電性材料からなる基板載置台8を設ける。この基板載置台を、チャンバー2内にあるモータを内蔵した回転駆動装置10の回転力で、毎分1〜2回転させ、被処理シリコン基板1に均一にエッチングガスが接触するようにする。
【選択図】 図1
【解決手段】チャンバー2内部に、被処理シリコン基板1を載置する導電性材料からなる基板載置台8を設ける。この基板載置台を、チャンバー2内にあるモータを内蔵した回転駆動装置10の回転力で、毎分1〜2回転させ、被処理シリコン基板1に均一にエッチングガスが接触するようにする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、反応性イオンエッチング装置に関し、シリコン基板に深さの均一なビアホールを形成することができるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
シリコン基板にビアホールを形成する方法には、反応性ガスによってエッチングをおこなう反応性イオンエッチング法(Deep−RIE法)がある。このDeep−RIE法では、シリコン基板全面に、速いエッチング速度で、高アスペクト比のビアホールの形成が可能である。
【0003】
図2は、Deep−RIE法に用いられる反応性イオンエッチング装置の一例を示すものである。図中符号2は、エッチングを行うチャンバーである。このチャンバー2の上壁にはエッチングガス及びデポジションガスをチャンバー内に送り込む吸気口6が、また下壁の側方には上記の2種類のガスをチャンバー内から排出する排気口7が設けられている。この排気口7は、図示しない真空ポンプなどの排気装置に接続されている。チャンバー2の内部の上方には、電極4が、下方には電極5が設置され、電極5上に導電性材料からなる基板載置台8が置かれている。さらに、基板載置台8上にシリコン基板1が置かれるようになっている。
【0004】
これら電極4及び5には高周波電源3接続され、高周波電源3に通電することにより、チャンバー2内の電極4と電極5の間に高周波電界が発生する。この高周波電界により、エッチングガス及びデポジションガスがイオン化される。
【0005】
このエッチング装置を用いて、シリコン基板にビアホールを形成するには、吸気口6からエッチングガスである六フッ化硫黄(SF6)をチャンバー2の内部に流し、エッチングを行った後、エッチングガスを排気する。次に、デポジションガスである八フッ化シクロブタン(C4F8)をチャンバー2内に流し、エッチングで形成されたビアホール12の側壁に有機物膜を形成させる。その後、デポジションガスを排気する。この工程を繰り返してエッチッグを進行させ、シリコン基板1にビアホール12を形成する。
【0006】
エッチングガス及びディポジションガスの2種類のガスを短時間でチャンバー2内に残留させることなく迅速に入れ替えるために、上記排気装置には、排気速度の大きなターボ分子ポンプなどが使用される。エッチングガス及びディポジションガスガスの排気はチャンバー2に設けられた排気口7から排気される。排気口7は、排気装置を設置する構成上、チャンバーの底部中央に置くことは不可能であり、図2に示すように、装置の中心からはずれた位置に作られている。
【0007】
図3及び図4は、シリコン基板1とチャンバー2に設けられた排気口7の位置関係を示す概略図である。
チャンバー2内のエッチングガス及びデポジションガスは排気口7を中心に排気されるために、シリコン基板1の排気口7に近い側にガスの流れが引き寄せられる。このため、シリコン基板1上ではガス流量が不均一となる。局所的にガスが集中すると、その部分のエッチング速度が速くなる。Deep−RIE法では、本来シリコン基板の周辺部のエッチング速度が中心部よりも速い。また、ガス流量の局所的な集中により、さらにエッチング速度のばらつきは大きくなり、シリコン基板1上に形成されるビアホール12の深さが不均一になる。
【0008】
所定量のエッチングが終了した後、シリコン基板1の底面を研磨してすることにより、シリコン基板1に貫通孔を形成する。しかし、研磨前の状態でシリコン基板1に形成されたビアホール12の深さにばらつきがあると、シリコン基板1の底面を所定量研磨しても貫通孔が作れない不具合が発生する。また、貫通孔ができるまでシリコン基板1の底面を研磨した場合、シリコン基板の厚さが揃わない。このため、ビアホール12の深さは、ばらつきなく一定であることが要求される。
【0009】
図5は、シリコン基板上に形成されるエッチング保護膜の減少速度の分布を示す模式図である。シリコン基板1の表面のうち、エッチングが必要でない部分は有機物層で被覆され、保護膜が形成されている。エッチングガスはこの保護膜も侵食するが、通常は、保護膜を十分残して、エッチングは終了する。
ところが、シリコン基板1の排気口7に近い部分13は、エッチングガスの濃度が高くなり、保護膜の減少速度が他の部分よりも平均10%、最大25%速くなっている。このため、保護膜の消失により、シリコン基板1の表面のうち、エッチングされてはならない部分をもエッチングしてしまう。
【0010】
反応性イオンエッチングによるシリコン基板への貫通孔形成に関する先行技術文献としては、例えば以下に示すものがある。
【0011】
【特許文献1】
特開平6−244527号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
よって、本発明の課題は、Deep−RIE法により、シリコン基板に深さが均一なビアホールを形成することにある。また、シリコン基板を被覆する保護膜の一部が、エッチングにより消失することを防ぐことにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、請求項1に記載した発明は、チャンバー内部に被処理シリコン基板を載置する基板載置台が設けられ、チャンバーの側部にガスを排出する排気口が形成された反応性イオンエッチング装置であって、上記基板載置台を回転させる回転駆動装置を設けたこと特徴とする反応性イオンエッチング装置である。
【0014】
請求項2に記載した発明は、回転駆動装置が、チャンバー内に設置されていることを特徴とする、請求項1の反応性イオンエッチング装置である。
請求項3に記載した発明は、基板載置台の回転速度は毎分1〜2回転であることを特徴とする、請求項1の反応性イオンエッチング装置である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明の反応性イオンエッチング装置の一例を示す概略構成図である。図中符号8は基板載置台である。この基板載置台8の上面に、ビアホール12が形成されるシリコン基板1が置かれる。基板載置台8は導電性の材料からなり、円盤状をしており、円盤の中心に回転駆動装置10の回転軸11が接合されている。回転駆動装置10はモータを内蔵し、モータの回転力は、回転駆動装置10に内蔵する減速装置を介し基板載置台8に伝えられ、基板載置台8を回転させる。
【0016】
本発明の装置のうち、電気系に関する部分を説明する。金属棒9は電極5に接合され、また基板載置台8の底面と接触し基板載置台8に通電する。電極4及び5は高周波電源3と接続しており、高周波電源3に通電して、電極4とシリコン基板1の間に高周波電界を発生させる。
【0017】
次にエッチングガス及びデポジションガスの流し方について説明する。
エッチングガスであるSF6及びデポジションガスであるC4F8のそれぞれを、交互に8〜12秒間、吸気口6からチャンバー2内に送り込む。エッチングガスは、高周波電界によりイオン化され、シリコン基板1の表面を侵食し、ビアホール12を形成する。デポジションガスも、高周波電界によりイオン化され、シリコン基板1に形成されたビアホール12の側壁に付着し、ビアホール12の横への成長を防ぐ。
【0018】
エッチングガス及びデポジションガスが、同時にチャンバー2内に存在すると、エッチング及びデポジションの効率が低下する。ゆえに、前記の2種類のガスがチャンバー2内に混在する時間を短くする必要がある。これには、ターボ分子ポンプを用いて、排気口7から、前工程のデポジションガスもしくはエッチングガスを強制排気する。
エッチング及びデポジションを交互に行い、シリコン基板2にビアホールを形成する。
【0019】
次に、基板載置台の回転について説明する。
シリコン基板1を載せた基板載置台8を回転駆動装置10により、毎分1〜2回転させる。回転速度が2回転/分を越えると、エッチングガスから生成したフッ素ラジカルが飛ばされてしまい、シリコン基板1上でのフッ素ラジカルの濃度が希薄になりエッチング速度が低下する。また、1回転未満/分では、シリコン基板1の周辺部の各箇所が、フッ素ラジカルの濃度の高い区域を通過する時間差が大きく、エッチングの速度にばらつきが生じる。
【0020】
図6ないし図9は、シリコン基板1のビアホール13と排気口7の位置関係を示す概略図である。図6に示すように、シリコン基板1の周辺部分にあるビアホール13は、シリコン基板1が回転し始めた時には、排気口7に近い位置にある。一方、図7及び図8に示すように、シリコン基板1が回転するに伴い、ビアホール13は排気口7から遠い位置に移動する。このように、シリコン基板1を回転させることで、排気口7に近いエッチングガスやデポジションガスの濃度が高い場所に、シリコン基板1の周辺の一部分が留まることがなくなり、シリコン基板1に形成されるビアホールの形成速度を均一にする。
【0021】
【作用】
回転駆動装置10によりシリコン基板1が回転することで、シリコン基板1の周辺の各部分は、エッチングガス及びデポジションガスの濃度の高い排気口7に近い領域に留まることなく移動し、シリコン基板1に形成させるビアホールホールの形成速度を均一にする。また、シリコン基板1を覆う保護膜の一部が消失するのを防ぐ。
【0022】
なお、本発明では、回転駆動装置10をチャンバー2の外部に設置して、その回転軸をチャンバー2内に延長して、基板載置台に連結するようにしても良い。
さらに、本発明の範囲外ではあるが、被処理シリコン基板を、手動にてエッチング操作を一旦停止して、載置位置を変えるようにする方法もある。
【0023】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。
直径100mmのシリコンウエハーの表面にSiO2膜を形成した後、レジスト液を塗布し、80℃の高温電気炉で20分間加熱した。加熱後、露光及び現像により、レジストマスクを表面に形成したシリコン基板を得た。
上記シリコン基板を、本発明の反応性イオンエッチング装置に設置し、エッチングを行った。高周波電源に通電し、チャンバー内の電極間に電界を発生させた後、回転駆動装置に通電し、毎分2回転の速度で基板載置台を回転させた。
【0024】
エッチングガスのSF6を12秒間及びデポジションガスのC4F8を9秒間、交互にチャンバー内に流し、エッチングを210分間行った。その後、シリコン基板を切断し、合計800個のビアホールの深さを測定したところ、ビアホールの深さは、最大430μm、最小422μm、平均値は426μmであり、平均値の2%以内のばらつきであった。
また、シリコン基板の保護膜に状態を、光学式膜圧測定器により観察した結果、保護膜の厚さは最大3.5μm、最小3.2μmであり、保護膜の局部的な減少は見られなかった。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の反応性イオンエッチング装置によりれば、シリコン基板を回転させるようにしたので、エッチングガス及びデポジションガスの濃度の高い部分がシリコン基板上に生じることがなくなり、シリコン基板上に、穴の深さが均一なビアホールを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反応性イオンエッチング装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】従来の反応性イオンエッチング装置の一例を示す概略構成図である。
【図3】シリコン基板とチャンバーの排気口の位置関係の一例を示す概略図である。
【図4】シリコン基板とチャンバーの排気口の位置関係及びエッチングガスの流れの一例を示す概略図である。
【図5】シリコン基板の保護膜の消失が大きい部分とチャンバーの排気口の位置関係の一例を示す概略図である。
【図6】シリコン基板の回転とチャンバーの排気口の位置関係の一例を示す概略図である。
【図7】シリコン基板の回転とチャンバーの排気口の位置関係の一例を示す概略図である。
【図8】シリコン基板の回転とチャンバーの排気口の位置関係の一例を示す概略図である。
【図9】シリコン基板の回転とチャンバーの排気口の位置関係の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1・・・・シリコン基板,2・・・・チャンバー,3・・・・高周波電源,4・・・・電極,5・・・・電極,6・・・・吸気口,7・・・・排気口,8・・・・基板載置台、9・・・・金属棒,10・・・・回転駆動装置,11・・・・回転軸
【発明の属する技術分野】
この発明は、反応性イオンエッチング装置に関し、シリコン基板に深さの均一なビアホールを形成することができるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
シリコン基板にビアホールを形成する方法には、反応性ガスによってエッチングをおこなう反応性イオンエッチング法(Deep−RIE法)がある。このDeep−RIE法では、シリコン基板全面に、速いエッチング速度で、高アスペクト比のビアホールの形成が可能である。
【0003】
図2は、Deep−RIE法に用いられる反応性イオンエッチング装置の一例を示すものである。図中符号2は、エッチングを行うチャンバーである。このチャンバー2の上壁にはエッチングガス及びデポジションガスをチャンバー内に送り込む吸気口6が、また下壁の側方には上記の2種類のガスをチャンバー内から排出する排気口7が設けられている。この排気口7は、図示しない真空ポンプなどの排気装置に接続されている。チャンバー2の内部の上方には、電極4が、下方には電極5が設置され、電極5上に導電性材料からなる基板載置台8が置かれている。さらに、基板載置台8上にシリコン基板1が置かれるようになっている。
【0004】
これら電極4及び5には高周波電源3接続され、高周波電源3に通電することにより、チャンバー2内の電極4と電極5の間に高周波電界が発生する。この高周波電界により、エッチングガス及びデポジションガスがイオン化される。
【0005】
このエッチング装置を用いて、シリコン基板にビアホールを形成するには、吸気口6からエッチングガスである六フッ化硫黄(SF6)をチャンバー2の内部に流し、エッチングを行った後、エッチングガスを排気する。次に、デポジションガスである八フッ化シクロブタン(C4F8)をチャンバー2内に流し、エッチングで形成されたビアホール12の側壁に有機物膜を形成させる。その後、デポジションガスを排気する。この工程を繰り返してエッチッグを進行させ、シリコン基板1にビアホール12を形成する。
【0006】
エッチングガス及びディポジションガスの2種類のガスを短時間でチャンバー2内に残留させることなく迅速に入れ替えるために、上記排気装置には、排気速度の大きなターボ分子ポンプなどが使用される。エッチングガス及びディポジションガスガスの排気はチャンバー2に設けられた排気口7から排気される。排気口7は、排気装置を設置する構成上、チャンバーの底部中央に置くことは不可能であり、図2に示すように、装置の中心からはずれた位置に作られている。
【0007】
図3及び図4は、シリコン基板1とチャンバー2に設けられた排気口7の位置関係を示す概略図である。
チャンバー2内のエッチングガス及びデポジションガスは排気口7を中心に排気されるために、シリコン基板1の排気口7に近い側にガスの流れが引き寄せられる。このため、シリコン基板1上ではガス流量が不均一となる。局所的にガスが集中すると、その部分のエッチング速度が速くなる。Deep−RIE法では、本来シリコン基板の周辺部のエッチング速度が中心部よりも速い。また、ガス流量の局所的な集中により、さらにエッチング速度のばらつきは大きくなり、シリコン基板1上に形成されるビアホール12の深さが不均一になる。
【0008】
所定量のエッチングが終了した後、シリコン基板1の底面を研磨してすることにより、シリコン基板1に貫通孔を形成する。しかし、研磨前の状態でシリコン基板1に形成されたビアホール12の深さにばらつきがあると、シリコン基板1の底面を所定量研磨しても貫通孔が作れない不具合が発生する。また、貫通孔ができるまでシリコン基板1の底面を研磨した場合、シリコン基板の厚さが揃わない。このため、ビアホール12の深さは、ばらつきなく一定であることが要求される。
【0009】
図5は、シリコン基板上に形成されるエッチング保護膜の減少速度の分布を示す模式図である。シリコン基板1の表面のうち、エッチングが必要でない部分は有機物層で被覆され、保護膜が形成されている。エッチングガスはこの保護膜も侵食するが、通常は、保護膜を十分残して、エッチングは終了する。
ところが、シリコン基板1の排気口7に近い部分13は、エッチングガスの濃度が高くなり、保護膜の減少速度が他の部分よりも平均10%、最大25%速くなっている。このため、保護膜の消失により、シリコン基板1の表面のうち、エッチングされてはならない部分をもエッチングしてしまう。
【0010】
反応性イオンエッチングによるシリコン基板への貫通孔形成に関する先行技術文献としては、例えば以下に示すものがある。
【0011】
【特許文献1】
特開平6−244527号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
よって、本発明の課題は、Deep−RIE法により、シリコン基板に深さが均一なビアホールを形成することにある。また、シリコン基板を被覆する保護膜の一部が、エッチングにより消失することを防ぐことにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、請求項1に記載した発明は、チャンバー内部に被処理シリコン基板を載置する基板載置台が設けられ、チャンバーの側部にガスを排出する排気口が形成された反応性イオンエッチング装置であって、上記基板載置台を回転させる回転駆動装置を設けたこと特徴とする反応性イオンエッチング装置である。
【0014】
請求項2に記載した発明は、回転駆動装置が、チャンバー内に設置されていることを特徴とする、請求項1の反応性イオンエッチング装置である。
請求項3に記載した発明は、基板載置台の回転速度は毎分1〜2回転であることを特徴とする、請求項1の反応性イオンエッチング装置である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明の反応性イオンエッチング装置の一例を示す概略構成図である。図中符号8は基板載置台である。この基板載置台8の上面に、ビアホール12が形成されるシリコン基板1が置かれる。基板載置台8は導電性の材料からなり、円盤状をしており、円盤の中心に回転駆動装置10の回転軸11が接合されている。回転駆動装置10はモータを内蔵し、モータの回転力は、回転駆動装置10に内蔵する減速装置を介し基板載置台8に伝えられ、基板載置台8を回転させる。
【0016】
本発明の装置のうち、電気系に関する部分を説明する。金属棒9は電極5に接合され、また基板載置台8の底面と接触し基板載置台8に通電する。電極4及び5は高周波電源3と接続しており、高周波電源3に通電して、電極4とシリコン基板1の間に高周波電界を発生させる。
【0017】
次にエッチングガス及びデポジションガスの流し方について説明する。
エッチングガスであるSF6及びデポジションガスであるC4F8のそれぞれを、交互に8〜12秒間、吸気口6からチャンバー2内に送り込む。エッチングガスは、高周波電界によりイオン化され、シリコン基板1の表面を侵食し、ビアホール12を形成する。デポジションガスも、高周波電界によりイオン化され、シリコン基板1に形成されたビアホール12の側壁に付着し、ビアホール12の横への成長を防ぐ。
【0018】
エッチングガス及びデポジションガスが、同時にチャンバー2内に存在すると、エッチング及びデポジションの効率が低下する。ゆえに、前記の2種類のガスがチャンバー2内に混在する時間を短くする必要がある。これには、ターボ分子ポンプを用いて、排気口7から、前工程のデポジションガスもしくはエッチングガスを強制排気する。
エッチング及びデポジションを交互に行い、シリコン基板2にビアホールを形成する。
【0019】
次に、基板載置台の回転について説明する。
シリコン基板1を載せた基板載置台8を回転駆動装置10により、毎分1〜2回転させる。回転速度が2回転/分を越えると、エッチングガスから生成したフッ素ラジカルが飛ばされてしまい、シリコン基板1上でのフッ素ラジカルの濃度が希薄になりエッチング速度が低下する。また、1回転未満/分では、シリコン基板1の周辺部の各箇所が、フッ素ラジカルの濃度の高い区域を通過する時間差が大きく、エッチングの速度にばらつきが生じる。
【0020】
図6ないし図9は、シリコン基板1のビアホール13と排気口7の位置関係を示す概略図である。図6に示すように、シリコン基板1の周辺部分にあるビアホール13は、シリコン基板1が回転し始めた時には、排気口7に近い位置にある。一方、図7及び図8に示すように、シリコン基板1が回転するに伴い、ビアホール13は排気口7から遠い位置に移動する。このように、シリコン基板1を回転させることで、排気口7に近いエッチングガスやデポジションガスの濃度が高い場所に、シリコン基板1の周辺の一部分が留まることがなくなり、シリコン基板1に形成されるビアホールの形成速度を均一にする。
【0021】
【作用】
回転駆動装置10によりシリコン基板1が回転することで、シリコン基板1の周辺の各部分は、エッチングガス及びデポジションガスの濃度の高い排気口7に近い領域に留まることなく移動し、シリコン基板1に形成させるビアホールホールの形成速度を均一にする。また、シリコン基板1を覆う保護膜の一部が消失するのを防ぐ。
【0022】
なお、本発明では、回転駆動装置10をチャンバー2の外部に設置して、その回転軸をチャンバー2内に延長して、基板載置台に連結するようにしても良い。
さらに、本発明の範囲外ではあるが、被処理シリコン基板を、手動にてエッチング操作を一旦停止して、載置位置を変えるようにする方法もある。
【0023】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。
直径100mmのシリコンウエハーの表面にSiO2膜を形成した後、レジスト液を塗布し、80℃の高温電気炉で20分間加熱した。加熱後、露光及び現像により、レジストマスクを表面に形成したシリコン基板を得た。
上記シリコン基板を、本発明の反応性イオンエッチング装置に設置し、エッチングを行った。高周波電源に通電し、チャンバー内の電極間に電界を発生させた後、回転駆動装置に通電し、毎分2回転の速度で基板載置台を回転させた。
【0024】
エッチングガスのSF6を12秒間及びデポジションガスのC4F8を9秒間、交互にチャンバー内に流し、エッチングを210分間行った。その後、シリコン基板を切断し、合計800個のビアホールの深さを測定したところ、ビアホールの深さは、最大430μm、最小422μm、平均値は426μmであり、平均値の2%以内のばらつきであった。
また、シリコン基板の保護膜に状態を、光学式膜圧測定器により観察した結果、保護膜の厚さは最大3.5μm、最小3.2μmであり、保護膜の局部的な減少は見られなかった。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の反応性イオンエッチング装置によりれば、シリコン基板を回転させるようにしたので、エッチングガス及びデポジションガスの濃度の高い部分がシリコン基板上に生じることがなくなり、シリコン基板上に、穴の深さが均一なビアホールを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反応性イオンエッチング装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】従来の反応性イオンエッチング装置の一例を示す概略構成図である。
【図3】シリコン基板とチャンバーの排気口の位置関係の一例を示す概略図である。
【図4】シリコン基板とチャンバーの排気口の位置関係及びエッチングガスの流れの一例を示す概略図である。
【図5】シリコン基板の保護膜の消失が大きい部分とチャンバーの排気口の位置関係の一例を示す概略図である。
【図6】シリコン基板の回転とチャンバーの排気口の位置関係の一例を示す概略図である。
【図7】シリコン基板の回転とチャンバーの排気口の位置関係の一例を示す概略図である。
【図8】シリコン基板の回転とチャンバーの排気口の位置関係の一例を示す概略図である。
【図9】シリコン基板の回転とチャンバーの排気口の位置関係の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1・・・・シリコン基板,2・・・・チャンバー,3・・・・高周波電源,4・・・・電極,5・・・・電極,6・・・・吸気口,7・・・・排気口,8・・・・基板載置台、9・・・・金属棒,10・・・・回転駆動装置,11・・・・回転軸
Claims (3)
- チャンバー内部に被処理シリコン基板を載置する基板載置台が設けられ、チャンバーの側部にガスを排出する排気口が形成された反応性イオンエッチング装置であって、
上記基板載置台を回転させる回転駆動装置を設けたこと特徴とする反応性イオンエッチング装置。 - 回転駆動装置が、チャンバー内に設置されていることを特徴とする請求項1の反応性イオンエッチング装置。
- 基板載置台の回転速度は毎分1〜2回転であることを特徴とする請求項1の反応性イオンエッチング装置。
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JP2003078415A JP2004288839A (ja) | 2003-03-20 | 2003-03-20 | 反応性イオンエッチング装置 |
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JP2003078415A JP2004288839A (ja) | 2003-03-20 | 2003-03-20 | 反応性イオンエッチング装置 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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